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泌尿器科卒後臨床研修プログラム

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Academic year: 2021

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泌尿器科専門医養成プログラム I.プログラムの名称 神戸大学泌尿器科専門医養成プログラム II.プログラムの目的と特徴 泌尿器科学は主として男・女性尿路、後腹膜腔臓器、男性生殖器を対象とする外科学である。 患者生命に直接関与する疾患はもとより,尿排泄機能や生殖機能に関与する種々の疾患を対象 としている。これらの疾患に対して診療を行っていく際、個々の疾患に対する治療のみならず治療 後の患者の QOL を考慮した全人的アプローチが不可欠である。近年、泌尿器科学は診断学,治 療学において著しい進歩,変革をとげており,常に最新かつ最善の方法が模索されねばならない。 したがって、泌尿器科医として求められるものは,専門的な能力(知識,判断力,技術),科学者と しての探究心,そしてすべての臨床医が共に有すべき基本的な知識,技術,ならびに人間性を身 につけることである。 本プログラムは,2 年間の卒後臨床研修を終了した後に泌尿器科専門医をめざす医師のため の4年間の臨床研修プログラムである。この間、大学病院および関係研修病院におけるローテーシ ョンによって泌尿器科学の全般にわたって知識と技術を修得する。 III.プログラム指導者と参加施設の概要 【統括施設】 神戸大学医学部附属病院泌尿器科 【基幹施設】 神戸市立医療センター西市民病院、神鋼病院、兵庫県立尼崎病院、兵庫県立加古川医療センタ ー、兵庫県立がんセンター、姫路赤十字病院、労働福祉事業団関西労災病院、兵庫県立こども病 院 【上記以外でプログラムに参加する関係研修病院】 あいち小児医療センター、明石市立市民病院、赤穂市民病院、市立加西病院、医療法人愛仁会 高槻病院、加古川市民病院、神戸掖済会病院、神戸赤十字病院、神戸百年記念病院、神戸労災 病院、公立宍粟総合病院、三田市民病院、社会保険神戸中央病院、新須磨病院、新日鐵広畑病 院、高砂市民病院、独立行政法人神戸医療センター、西脇市立西脇病院、原泌尿器科病院、兵 庫県立淡路病院、兵庫県立柏原病院、兵庫県立総合リハビリテーションセンターリハビリテーショ ン中央病院、三木市民病院、淀川キリスト教病院

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研修病院は、すべて日本泌尿器科学学会認定泌尿器科専門医制度教育指定病院である。これら 関係研修病院と神戸大学病院はリンクした形で研修の場を提供する。基幹施設は、一定の期間ご とに評価し見直す。 【プログラム管理運営委員】 委員長: 神戸大学大学院腎泌尿器科学分野 教授 藤澤 正人 委員: 神戸大学大学院腎泌尿器科学分野 准教授 三宅 秀明 兵庫県立尼崎病院 部長 濱見 学 関西労災病院 部長 川端 岳 兵庫県立がんセンター 部長 井上隆朗 姫路赤十字病院 部長 小川隆義 神戸市立医療センター西市民病院 部長 中村 一郎 兵庫県立加古川医療センター 部長 田中宏和 神鋼病院 部長 結縁敬治 県立こども病院 医長 杉多良文 上記以外でも臨床研修医の受け入れのある場合はその施設の長にも適宜参加してもらう。管理運 営委員は、原則として基幹病院の長により構成されるが、臨床研修医の受け入れなど一定の評価 項目により委員長が最終的に選定する。 IV.プログラムの管理と運用 プログラム管理運営委員により研修評価委員会が構成され,各年度の終わりに定例委員会を 開催して,その年度の研修医の評価を行なうとともに,研修プログラムの再検討をする。評価は、自 己ならびに複数の指導医による評価表に基づく。また,必要に応じて随時研修評価委員会を開催 する。 V.定員 大学を含めた研修病院の状況に応じて毎年定員を決定する。定員を越える希望者がある時

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は,プログラム管理運営委員長が面接して最終的に採用者を決定する。 VI.研修課程 【研修 I:神戸大学医学部附属病院での研修(1-2 年間)】 神戸大学医学部附属病院泌尿器科において,泌尿器科診療一般における基本的な知識と技 術、医師として必要な態度を修得する。腫瘍、生殖内分泌、尿路感染症、腎不全、排尿障害、勃 起障害(ED)など泌尿器科全般にわたって症例を経験することができる。さらに、泌尿器科腹腔鏡 手術、遺伝子治療など高度先進医療や腎移植における血管外科、精路再建における顕微鏡下の マイクロサージェリーなどさまざまな知識、技術を修得することができる。また、大学は臨床研修をし ながら研究的な思考を養う絶好の機会でもある。この研修 I は 4 年間の研修のうちどこかの期間で 受ける。 【研修 II: 関係病院での研修(2-3 年間)】 関係研修病院(原則として基幹病院)において,泌尿器科診療一般における知識や技術を習 得する。最低、1 年間は同じ医療機関で診療に従事する。この期間において希望により子供病院 やリハビリテーションセンター等での専門的な研修を受けることができる。 注:原則4年間で尐なくとも3つの施設で研修を受けるように異動を行う。 VII. 研修内容と到達目標 i) 研修内容 【診療上の責任分担・指導システム】 入院患者の診察に当たっては,原則として各臨床研修医に1人の指導医が付く。したがって指 導医との共同責任において患者の治療にあたり,研修の初期には過大な責任が臨床研修医にか からないように配慮する。指導医は,各臨床研修医ができるだけ多くの代表的泌尿器科疾患を体 験できるように配慮しながら、診断、治療方針などにつき大局的な指導を行う。 【回診・カンファレンス・抄読会】 臨床研修医は、回診の際の担当患者の病状説明を的確に行えるように準備する。 カンファレンスにおいては、主治医ごとにすべての入院患者の病状経過を報告する。 また、術前入院患者及び入院外来の問題症例についてのカンファレンスを行なう。週一回、全員 参加の抄読会を行う。 【外来での業務】 初診,再診及び特殊外来の陪診,尿検査,膀胱鏡検査,X 線検査,超音波検査,膀胱機能検 査などの業務を均等にローテーションする。

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【病棟での業務】 入院患者の検査,治療は指導医とともに計画をたてて実行する。カルテ記載,検査指示,薬剤 処方を行う。内視鏡検査,各種 X 線検査などの泌尿器科学的医療的技術については,指導医の もとで技術を習得し,指導医の責任下で実施する。 【学会発表・論文作成】 指導医の助言を得ながら、学会発表(症例報告を含む)を行い、必要な知識や情報を収集す る。また、学会発表した症例や研究は、論文として報告する。 ii) 外来診療における一般到達目標 プライマリーケアーを含む外来患者診療を,以下の点に留意して適切に実施する能力を養う。 (l)適切な問診がとれる能力を有すると共に,患者心理を理解して問診する態度を身につける。 (2)外来で的確な検査を実施し得る能力を持つ。 (3)問診,症状,所見による診断ならびに鑑別診断を行う能力を持つ。 (4)基本的な疾患の内容,程度を把握し,適切な専門外来治療を行う能力を持つ。 (5)他の医療従事者と協力して,社会復帰のための問題を解決する能力の基礎を養う。 (6)救急疾患,外来診療に伴う偶発症に対する診断能力,処理能力を身につける。 具体的な行動目標 1.外来の受入れ,文書の作成など(すでに修得していることが望ましい) (1)患者の病態から判断して外来診療,入院診療および手術の適応を定めることができる。 (2)他診療料,他病院との対応ができる。 (3)外来診療機器の取り扱いに精通する。 (4)薬剤の適正な使用および取り扱い,処方箋を書くことができる。 (5)診断書を作成できる。 (6)紹介医に対する返答ができる。 2.問診 (1)主訴,現病歴に応じて適切な問診ができる。 (2)それらに関連した家族歴,既往症,生活歴,生活環境を系統的に聞き,記録できる。 (3)患者がわだかまりなく話せる雰囲気をつくることができる。 (4)問診の結果から疾患群の想定ができる。 (5)鑑別に要する検査法の体系化ができる。

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3.泌尿器科的検査 次の検査を指示し,自ら実施したり,あるいはその所見を判定することができる。 A. 泌尿生殖器の理学的検査(腎触診,膀胱双手診.前立腺触診,陰嚢内容触診,神経学 的検査など) B. 検尿(生化学的,顕微鏡的及び細菌学的) C. 血液一般,血液生化学(各種疾患に応じた) D. 内分泌検査(下垂体,副腎,精巣,上皮小体(副甲状腺)検査) E. 尿道分泌物,前立腺液,精液の検査 F. 生検(腎,膀胱,前立腺,精巣) G. ウロダイナミックス(シストメトリー,外括約筋筋電図,尿道内圧測定,ウロフロメトリー) H. 内視鏡検査(硬性尿道膀胱鏡,軟性尿道膀胱鏡、尿管カテーテル尿採取)

I. X 線 検 査 ( KUB , IVP , DIP , RP , 各 種 膀 胱 造 影 , 尿 道 膀 胱 造 影 , 大 動 脈 造 影 法,選択的腎動脈造影法,下大静脈造影法,リンパ管造影法,CT など) J. 超音波検査(腎,膀胱,前立腺,精巣) K. 核 医 学 画 像 診 断 法 ( 腎 シ ン チ グ ラ フ ィ ー , レ ノ グ ラ ム , Ga シ ン チ , 骨 シ ン チ , 副腎シンチ,上皮小体(副甲状腺)シンチなど) L. 腎機能検査(クレアチニン・クリアランス,分腎機能検査など) M. MRI 診断 4.泌尿器科における鑑別診断 次の各症状に対して適切な鑑別診断ができる。 A.排尿痛 B.疝痛発作 C.頻尿 D.排尿困難 E.尿閉 F.尿失禁 G.二段排尿 H.尿線の異常 I.遺尿 J.膿尿 K.混濁尿 L.血尿

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M.多尿 N.乏尿 O.無尿 P.尿道分泌物排出 Q.腹部腫瘤 R.陰嚢内腫瘤 S.性器発育不全 T.早発性器発育不全 U.勃起および射精障害 5.治療 (1)以下にあげる 1〜42 の各疾患について十分な知識を持ち,適切な治療方針をたて,その病 態に応じて外来治療可能な範囲であるならば外来にて適切な治療を行う。 (2)患者に対し,治療の目的,方法,結果,予後,合併症について説明し助言ができる。 (3)患者の生活指導ができる。 (4)患者,家族に対し医療上の教育ができる。 I.先天異常 1.腎および腎盂 A.先天性単腎症 B.発育不全 C.単純性腎嚢胞 D.嚢胞腎 E.海綿腎 F.馬蹄鉄腎 G.骨 盤腎 H.回転異常 I.重複腎 J.先天性水腎症 K.腎杯憩室 2.尿管 A.重複尿管 B.膀胱外開口 C.尿管瘤 D.大動脈後尿管 E.巨大尿管 F.尿管狭窄症 3.膀胱および尿膜管 A.膀胱外反症 B.膀胱憩室 C.尿膜管開存症 4.尿道 A.尿道憩室 B.尿道上裂 C.尿道下裂 D.尿道直腸瘻 E.尿道狭窄症(弁形成)

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5.精巣 A.停留精巣 B.精巣転位 C.単精巣症 6.陰茎および陰嚢 A.包茎 B.埋没陰茎,矮小陰茎 II. 外傷、損傷 1.腎 A.皮下損傷 B.開放性損傷 2.尿管 A.尿管損傷 B.尿管膣瘻 3.下部尿路 A.膀胱損傷 B.膀胱膣瘻 C.尿道損傷 4.陰茎 A.陰茎折症 5.精巣 A.精巣損傷 III. 腫瘍 1.副腎

A.原発性アルドステロン症 B.Cushing 症候群 C.副腎性器症候群 D.褐色細胞腫 E.内分 泌非活性腫瘍

2.腎

A.腎細胞癌(腎癌)B.腎芽細胞腫(Wilms 腫瘍)C.腺癌

3.腎盂および尿管

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4.膀胱 A.膀胱移行上皮腫瘍 B.扁平上皮癌 C.肉腫 5.尿道 A.尿道良性腫瘍 B.尿道悪性腫瘍 6.前立腺 A.前立腺肥大症 B.前立腺癌 C.前立腺肉腫 7.精巣 A.悪性腫瘍 B.良性腫瘍 8.陰茎 A.陰茎癌 9.その他 A.神経芽細胞腫 B.後腹膜腫瘍 C.尿膜管腫瘍 D.エンドメトリオーシス IV 結石 1.上部尿路 A.腎結石 B.尿管結石 2.下部尿路 A.膀胱結石 B.尿道結石 3.その他の結石関連疾患 A.腎石灰症 B.尿細管性アシドーシス C.高カルシウム尿症 D.高蓚酸尿症 E.高尿酸尿 症 F.シスチン尿症 V.内分泌、生殖 1.上皮小体(副甲状腺)機能亢進症 A.原発性上皮小体(副甲状腺)機能亢進症 B.二次性上皮小体(副甲状腺)機能亢進症

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2.性分化異常 A.真性半陰陽 B.Klinefelter 症候群 C.精巣性女性化症候群 D.その他男性(仮性)半陰陽 E.先天性副腎皮質過形成 F.女性(仮性)半陰陽 3.性成熟異常 A.思春期早発症 B.思春期遅延症 C.低ゴナドトロピン性類宦官症 D.高ゴナドトロピン性類 宦官症 4.男性不妊症 A.特発性男性不妊症 B.続発性男性不妊症 VI 尿路感染症 1.非特異性感染症 A.急性腎盂腎炎 B.慢性腎盂腎炎 C.膿腎症 D.腎周囲炎 E.急性膀胱炎 F.慢性膀胱炎 G.間質性膀胱炎 H.急性尿道炎 I.慢性尿道炎 J.急性前立腺炎 K.慢性前立腺炎 L.急 性精巣上体炎 M.慢性精巣上体炎 N.精巣炎 Q.亀頭包皮炎 P.細菌性ショック 2.尿路・性器結核 A.尿路結核 B.精巣上体結核 C.前立腺結核 3.性感染症 A.淋菌感染症 B.クラミジア感染症 C.性器ヘルペス感染症 D.尖圭コンジローマ E.(早期) 梅毒 4.寄生虫疾患 A.フィラリア性乳縻尿症 B.トリコモナス感染症 C.カンジダ感染症 VII. 排尿障害 1.尿路機能障害 A.神経因性膀胱 B.膀胱尿管逆流症 C.夜尿症(夜間遺尿症) D.神経性頻尿 E.腹圧性尿失禁

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2.尿路閉塞性疾患 A.上部尿路閉塞性疾患 B.下部尿路閉塞性疾患 VIII. 腎機能障害 1.腎不全 A.急性腎不全 B.慢性腎不全 2.腎性高血圧 A.腎血管性高血圧 B.腎実質性高血圧 3.腎血管性高血圧 A.腎梗塞 B.腎動脈瘤 C.腎動静脈瘻 D.腎乳頭壊死 IX. その他 1.腎 A.腎下垂 B.本態性腎出血 2.尿管および後腹膜 A.後腹膜線維症 3.膀胱 A.膀胱異物 B.膀胱瘻 C.膀胱憩室 D.出血性膀胱炎 E.膀胱脱 4.尿道 A.尿道狭窄症 B.尿道異物 C.尿道憩室 D.尿道脱 5.陰嚢 A.精巣水瘤 B.精索水瘤 C.精液瘤 D.精索静脈瘤 E.精巣捻転症 6.男性器 A.勃起障害 B.形成性陰茎軟化症(Peyronie 病)C.持続性勃起症 D.血精液症 [リハビリテーション] 尿路変更術後の患者,神経因性膀胱の患者,人工透折の患者に適切な助言ができる。

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[救急・偶発症] 外来で可能な救急処置ができ,診療に伴う偶発症に対処できる。 (尿閉,血尿タンポナーデ,ショックなど) iii) 入院患者の管理における一般到達目標 主治医として泌尿器科領域の基本的知識および技術を持ち,入院患者に対して,全身,局所 管理が適切に行える。 具体的な行動目標 1.入院主治医としての基本的能力(すでに修得していることが望ましい) 入院患者について次のことが適切に行える。 (1) 正確かつ詳細な問診を行い,記載する。 (2) 全身,局所の診療を行い,その所見を記戴する。 (3) 必要な一般検査を選択し,また結果を判定できる。 (4) 患者の病態の考察と分析を行い,適切な治療計画を立てる。 (5) 病因についての考察と分析が行なえる。 (6 ) 同 科 , あ る い は 他 科 の 医 師 と 立 ち 合 い で 診 察 ( 対 診 ) す る 必 要 性 を 判 断 し,実行する。 (7) 必要な与薬,処置などの治療を行ない,経過を観察し記載する。 (8) 退院の時期の判定を適切に下し,退院後の指導をする。 ( 9 ) 指 導 医 へ の 報 告 , 連 絡 , 当 直 医 へ の 申 し 送 り , 退 院 時 の 外 来 あ る い は 関 係医療機関への申し送りを確実に行なう。 (10)正確な入院病歴を完成し,問題点があれば考察を加える。 (11)看護婦その他の医療従事者との円滑な連携を保つ。 (12)患者,家族に対し,納得のできる説明を行なう。 (13)医療関係法規にのっとった適切な対応をする(診断書,死亡診断書,各種説明書,麻薬 の取り扱い,伝染病についての対処,廃棄物の取り扱いなど)。 (14)院内感染の防止について配慮し,具体的に対応できる。 (15)必要に応じて症例の呈示,報告をする。 2.全身管理 個々の疾患に応じて入院患者に対する基本的な全身管理が適切に行える。 (1)術前術後の全身管理と対応 (i)術前:年齢,性別に関連する特異的事項,既往歴,生活歴,合併症,疾患固有の特

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殊な形態および術前検査の所見を総合して手術時期や術式などを判断し,またリス クおよび合併症を予測してそれらに適切に対応する。 (ii)術後:術後の一般的対応ができる。たとえば種々の病態に対応して,輸血,栄養補 給,補液,薬剤(抗生剤,ステロイドなど)の投与を適切に行い,安静度などを指示 する。 (2)非手術例の全身管理と対応 (i) 悪性腫瘍の放射線治療および化学療法による合併症の管理。 (ii)その他の疾患(重症感染症)の管理。 (3)偶発症(発熱,出血,循環不全,呼吸障害,意識障害,ショックなど)に対して迅速かつ的 確な処置がとれる。たとえば血管確保,気道確保,心電計によるモニタリングなど。 (4)他科の疾患を併有する場合,その対応と関連科医師との適切な連携をとる。たとえぱ糖尿 病,肝障害,胃十二指腸潰瘍,高血圧,アレルギー性疾患,緑内障,精神医学的疾患な ど。 (5)ターミナルケアの経験を持ち,下記のような項目について適切な対応ができる。 (i)患者の不安と疼痛への配慮 (ii)患者の家族への配慮 (iii)転帰の見通し,予後の判断 (iv)死亡の確認 (v)病理解剖について (6)入院中の全身的なリハビリテーションに対し理解を持ち,関連各科との連係をとる。 (7)臨床経過と剖検所見との関係を検討し考察できる。 3.専門領域の技術 (1)入院患者の治療の項目に設定してある手術について,指導医の監督のもとに手術が行な え,患者の術前・術後の管理が適切に行なえる。 (2)非手術患者については,例えば次のような専門的治療を指導医の監督のもとに施行しそ の効果につき正しく評価できる。 (i) 悪性腫瘍に対する放射線治療・化学療法および免疫療法、重症感染症に対する的 確な抗生剤の使用・自己免疫疾患に対するステロイドなどの正しい使用など。 (ii)入院症例その他の保存的治療 (iii)疼痛に対する適切な処置 (3)検査については必要に応じて適宜選択し、検査の項目に従って実施し、診断ならびに治 療計画立案に役立てることができる。

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(4)救急医療を要する疾患の初期診療が独立して、あるいは必要な他科の医師と協力してで きる。腎外傷、膀胱外傷、精索捻転症など。 (5)次のような疾患あるいは障害について理解し、必要に応じてリハビリテーションの指導ある いは助言ができる。 神経因性膀胱患者に対して 自己導尿の指導 人工透析患者に対する水分摂取制限、食事指導、CAPD など iv) 入院患者の治療における一般到達目標 先に掲げた1.-42.の泌尿器科疾患のうち入院を要する疾患に対する基本的治療に関する意 義,原理を理解する。また、個々の症例に応じた治療方針を決め,的確な治療ができる。手術を要 した場合は、その手技を習得するとともに,術後の全身管理および合併症に対する対処ができる。 具体的な行動目標 1.手術に関する一般的知識・技能を習得する。 (1)疾患の種類と程度および患者の状態に応じて、手術の適応と術式を判断しうる。 (8)手術後に起りうる合併症,続発症,機能障害について,あらかじめ説明しておく能力があ る。 (6)術中起りうる変化に対応できる(救急処置,術式の変更など)。 (2)麻酔(局所,硬膜外,脊髄,気管内挿管のうちのいくつか)ができる。 (5)手術器械や材料を正しく使用できる。 (3)手術に必要な準備を指示できる(術前・術後処置を含む)。 (7)術後の局所および全身の管理ができ,変化に対応しうる。 (4)消毒,術中感染とその予防についての知識がある。 (9)手術に関連した事項について,他科あるいは他医と協調して作業ができる。 2.泌尿器科領域の基本的な手技および手術の原理と術式を理解し,指導医の下で簡単な手術を 自ら実施できる。 4年間で修得すべき代表的な手技を列挙しておく。 手技:

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膀胱鏡 膀胱粘膜生検 膀胱瘻造設 膀胱異物除去術 逆行性腎盂造影 DJカテーテル留置 尿管鏡 尿管鏡下生検 直接腎盂造影 腎瘻造設 経皮的腎生検 前立腺生検 精管精嚢造影 尿道ブジー 手術: 高位精巣摘除術 低位精巣摘除術 精巣固定術 停留精巣根治術 精巣生検 精巣内精子採取術 精管結紮術 精巣上体摘除術 陰嚢水腫根治術 内精静脈結紮術 包皮環状切除術 陰茎全摘除術 陰茎部分切除術 内視鏡下尿道切開術 膀胱部分切除術 根治的膀胱全摘除術 経尿道的膀胱腫瘍切除術

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膀胱砕石術 尿管皮膚瘻造設術 回腸導管造設術 骨盤リンパ節郭清術 根治的前立腺全摘除術 経尿道的前立腺切除術 根治的腎摘除術 単純腎摘除術 根治的腎尿管全摘除術 経皮的腎結石砕石術 経尿道的尿管結石砕石術 体外衝撃波尿路結石破砕術 腹腔鏡手術: 経腹膜的腎摘除術 後腹膜的腎摘除術 後腹膜的腎尿管全摘除術 3. 泌尿器科領域の基本的、非観血的治療ができる。 以下の治療法の原理と方法を理解し、指導医の監督のもとで実施できる。 体外衝撃波結石破砕術(ESWL) 悪性腫瘍に対する全身的化学療法 血液浄化法(血液透析・腹膜透析を含む) 全身的感染症の薬物治療 VI.評価方法 研修開始に当たり,臨床研修到達目標と自己評価表を配付し,これを記載させることによ り,自己評価を行わせる。指導医は自己評価表を随時点検し,研修医の到達目標達成を援 助するとともに評価を行う。毎年度末とプログラム終了時には研修評価委員会により到達 目標達成度を確認するとともに、各個人の研修評価を行う。なお、研修終了時、臨床研修医 によるプログラムの評価も行ってもらう。

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VII.プログラム、終了後の研修について 本プログラム終了時、日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医制度の専門医試験の受験 資格を取得することができる。また、この4年間の研修後は 1)神戸大学医学部附属病院 あるいは神戸大学泌尿器科関係病院においてさらに専門的臨床研修を積む 2)大学院に 進学する 3)日中は大学あるいは研修病院で臨床研修を行いながら、社会人大学院に入 学し研究を行う のいずれかを選択することができる。 IX.資料請求先 〒650-0017 神戸市中央区楠町 7-5-1 神戸大学大学院医学研究科腎泌尿器科 診療科長補佐 宛に請求すること

参照

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