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4 1.1.3 土の性質

第1章 土木工学一般 4  この曲線について解説すると,次のようなこと がいえる。  ① は,曲線が右のレキに位置しているため大き な粒径の土を含む。  ② は,曲線の傾きがゆるやかでありシルトから レキまでの広範囲の粒径の土を含む。  ③ は,曲線が立っているので粒径が揃っている 土である。  ④ は,曲線が左の粘土,シルトに位置している ため粒径の小さな土からできている。  一般に曲線②は粒度分布がよい,曲線③は粒度 分布が悪い土という。

1.1.3 土の性質

⑴ 土の強度

 盛土や基礎掘削時に切土面が崩れるのは,土に 何かの外力が加えられたとき,ある面上の土粒子 が,互いに滑動することによって起こる。このよ うな土粒子相互間の滑動に抵抗する力の強さが 土の強度 であり,土の強度は,土粒子相互間の 粘着力と摩擦力とによって生じる。  粘土のような土の強度はもっぱら粘着力による もので,摩擦力は零に近い。  一方,砂のような土の強度は,土粒子の間に働 く摩擦力によって生じ,粘着力はほとんどない。

1.1.3 土の性質

 土の強度 ち,土粒子の間の摩擦力に基づくも のは,その土の内部摩擦角と呼ばれ土の内部摩擦 角の大きな土は一般に安定した土といえる。  土の内部摩擦角は,適度な含水比の砂質土では 比較的大きく,含水比の大きな粘性土では極めて 小さい。普通の土の内部摩擦角は30 ∼40 程度で ある。粘着力および内部摩擦角は,土の一面せん 断試験によって求める。

⑵ 土のこね返し(鋭敏比)

 粘性土,特に粘土は,堆積したまま長年月が経 過すると,土粒子間に電気的化学的な結合が起こ り強度が増大する。  しかし,これが掘起こされ機械や人力でこね返 すと,結合機構がこわれて,土の強度が減少す る。このような現象は「土のこね返し」と呼ばれ る。こね返し前後の土の強度の比を鋭敏比とい い,普通の粘土は2∼4程度,関東ロームでは8 ∼10程度である。粘性土の土工でよく発生する現 象である。

⑶ 土の透水

 土中の水が間隙を通って土の中を自由に移動す る現象を土の透水という。土の透水性の大小は, 地下水位より下で行う基礎掘削工事の難易度や, 地盤の圧密沈下の速度などに影響する。このた め,河川堤防の築堤材料には,透水性の小さな土 を選定する。 図1.1-2 粒径加積曲線 粘土 シルト 砂 レキ 第1章 土木工学一般 4  この曲線について解説すると,次のようなこと がいえる。  ① は,曲線が右のレキに位置しているため大き な粒径の土を含む。  ② は,曲線の傾きがゆるやかでありシルトから レキまでの広範囲の粒径の土を含む。  ③ は,曲線が立っているので粒径が揃っている 土である。  ④ は,曲線が左の粘土,シルトに位置している ため粒径の小さな土からできている。  一般に曲線②は粒度分布がよい,曲線③は粒度 分布が悪い土という。

1.1.3 土の性質

⑴ 土の強度

 盛土や基礎掘削時に切土面が崩れるのは,土に 何かの外力が加えられたとき,ある面上の土粒子 が,互いに滑動することによって起こる。このよ うな土粒子相互間の滑動に抵抗する力の強さが 土の強度 であり,土の強度は,土粒子相互間の 粘着力と摩擦力とによって生じる。  粘土のような土の強度はもっぱら粘着力による もので,摩擦力は零に近い。  一方,砂のような土の強度は,土粒子の間に働 く摩擦力によって生じ,粘着力はほとんどない。

1.1.3 土の性質

 土の強度のうち,土粒子の間の摩擦力に基づく ものは,その土の内部摩擦角と呼ばれ土の内部摩 擦角の大きな土は一般に安定した土といえる。  土の内部摩擦角は,適度な含水比の砂質土では 比較的大きく,含水比の大きな粘性土では極めて 小さい。普通の土の内部摩擦角は30 ∼40 程度で ある。粘着力および内部摩擦角は,土の一面せん 断試験によって求める。

⑵ 土のこね返し(鋭敏比)

 粘性土,特に粘土は,堆積したまま長年月が経 過すると,土粒子間に電気的化学的な結合が起こ り強度が増大する。  しかし,これが掘起こされ機械や人力でこね返 すと,結合機構がこわれて,土の強度が減少す る。このような現象は「土のこね返し」と呼ばれ る。こね返し前後の土の強度の比を鋭敏比とい い,普通の粘土は2∼4程度,関東ロームでは8 ∼10程度である。粘性土の土工でよく発生する現 象である。

⑶ 土の透水

 土中の水が間隙を通って土の中を自由に移動す る現象を土の透水という。土の透水性の大小は, 地下水位より下で行う基礎掘削工事の難易度や, 地盤の圧密沈下の速度などに影響する。このた め,河川堤防の築堤材料には,透水性の小さな土 を選定する。 図1.1-2 粒径加積曲線 粘土 シルト 砂 レキ

(2)

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修正前

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107 2.8.2 オペレータ保

護装置

LESSON 8 安全および環境保全対応 107 第 2 章 建設機械一般

2.8.2 オペレータ保護装置

 オペレータ保護装置は,土工機械の運転中に発 生する岩石等の落下物,または土工機械本体の転 倒時にオペレータを保護するものである。

⑴ 各装置の概要

 保護装置には,下記のものがある。 1) ヘッドガード  労働安全衛生規則第153条の土工機械に備えら れる支柱式ヘッドガードおよびヘッドガードキャ ブである。 2) FOPS(落下物保護構造)

 FOPS(Falling-object protective structures) は,土工機械の落下物保護構造であり,目的は, ヘッドガードと同様に落下物に対するオペレータ の保護である。 FOPS が適用される土工機械 ① ローダ (クローラ式およびホイール式) ② トラクタ(  〃       〃   ) ③ グレーダ ④ モータスクレーパ 3) OPG(運転員保護ガード)

 OPG(Operator protective guards)は,油圧 ショベルのオペレータを保護する装置である。目 的は,運転席の前や上から運転席に飛来落下する 物体(例えば,岩石および破片)に対してオペ レータを保護することである。

4) ROPS(転倒時保護構造)

 ROPS(Roll-over protective structures) は, 土工機械に取付ける転倒時保護構造である。目的 は,車両が転倒した場合,シートベルトで支えら れたオペレータが車両に押しつぶされないように 保護するものである。転倒条件としては,「オペ レータが着座して操作するもので機械質量が 700kg を超える土工機械が,走行速度16km/h 以 下で傾斜角30 以下の硬い粘土地盤の斜面上を転 がって,機械の前後方向軸を中心に360 転倒する 場合」としている。 5) TOPS(横転時保護構造)

 TOPS(Tip-over protective structure)は, スイング式のブームを持つ運転質量1,000kg 以上 6,000kg 未満のミニショベルが横転したときに, シートベルトで支えられたオペレータが押しつぶ

2.8.2 オペレータ保護装置

される可能性を少なくすることを目的とした横転 時保護構造である。 6) 土工機械用シートベルト  ROPS お よ び TOPS と 併 用 す る 土 工 機 械 用 シートベルトには二点式と三点式の二種類がある。

⑵ 装置の装着

 ヘッドガードは,労働安全衛生規則に定められ ていることから,製造メーカーの標準仕様になり 広く普及している。  FOPS,ROPS,OPG お よ び TOPS に つ い て は,現在のところ装着義務はないが,運転質量3 t 以 上 の ブ ル ド ー ザ に 対 す る FOPS お よ び ROPS,油圧ショベルおよびミニショベルに対す る OPG および TOPS は,メーカーオプションと して設定されている。また,運転質量6t 以上の 油圧ショベルには,標準でシートベルトが装着さ れている。 写真2.8-1 ROPS 装着のブルドーザ TOPS が適用される土工機械 ⒜ クローラトラクタおよびクローラローダ ⒝ グレーダ ⒞  ホイールローダ,ホイールトラクタ(ドーザを 装着したものおよび変形機種を含む),スキッドス テアローダ ⒟ バックホウローダ ⒠ モータスクレーパ ⒡ 水タンクワゴン ⒢  アーティキュレート式重ダンプトラック,底開 きダンプワゴン,リヤダンプワゴンなどのトラク タ部分 ⒣ リジッドフレーム式重ダンプトラック LESSON 8 安全および環境保全対応 107 第 2 章 建設機械一般

2.8.2 オペレータ保護装置

 オペレータ保護装置は,土工機械の運転中に発 生する岩石等の落下物,または土工機械本体の転 倒時にオペレータを保護するものである。

⑴ 各装置の概要

 保護装置には,下記のものがある。 1) ヘッドガード  労働安全衛生規則第153条の土工機械に備えら れる支柱式ヘッドガードおよびヘッドガードキャ ブである。 2) FOPS(落下物保護構造)

 FOPS(Falling-object protective structures) は,土工機械の落下物保護構造であり,目的は, ヘッドガードと同様に落下物に対するオペレータ の保護である。 FOPS が適用される土工機械 ① ローダ (クローラ式およびホイール式) ② トラクタ(  〃       〃   ) ③ グレーダ ④ モータスクレーパ 3) OPG(運転員保護ガード)

 OPG(Operator protective guards)は,油圧 ショベルのオペレータを保護する装置である。目 的は,運転席の前や上から運転席に飛来落下する 物体(例えば,岩石および破片)に対してオペ レータを保護することである。

4) ROPS(転倒時保護構造)

 ROPS(Roll-over protective structures) は, 土工機械に取付ける転倒時保護構造である。目的 は,車両が転倒した場合,シートベルトで支えら れたオペレータが車両に押しつぶされないように 保護するものである。転倒条件としては,「オペ レータが着座して操作するもので機械質量が 700kg を超える土工機械が,走行速度16km/h 以 下で傾斜角30 以下の硬い粘土地盤の斜面上を転 がって,機械の前後方向軸を中心に360 転倒する 場合」としている。 5) TOPS(横転時保護構造)

 TOPS(Tip-over protective structure)は, スイング式のブームを持つ運転質量1,000kg 以上 6,000kg 未満のミニショベルが横転したときに, シートベルトで支えられたオペレータが押しつぶ

2.8.2 オペレータ保護装置

される可能性を少なくすることを目的とした横転 時保護構造である。 6) 土工機械用シートベルト  ROPS お よ び TOPS と 併 用 す る 土 工 機 械 用 シートベルトには二点式と三点式の二種類がある。

⑵ 装置の装着

 ヘッドガードは,労働安全衛生規則に定められ ていることから,製造メーカーの標準仕様になり 広く普及している。  FOPS,ROPS,OPG お よ び TOPS に つ い て は,現在のところ装着義務はないが,運転質量3 t 以 上 の ブ ル ド ー ザ に 対 す る FOPS お よ び ROPS,油圧ショベルおよびミニショベルに対す る OPG および TOPS は,メーカーオプションと して設定されている。また,運転質量6t 以上の 油圧ショベルには,標準でシートベルトが装着さ れている。 写真2.8-1 ROPS 装着のブルドーザ TOPS が適用される土工機械 ⒜ クローラトラクタおよびクローラローダ ⒝ グレーダ ⒞  ホイールローダ,ホイールトラクタ(ドーザを 装着したものおよび変形機種を含む),スキッドス テアローダ ⒟ バックホウローダ ⒠ モータスクレーパ ⒡ 水タンク車 ⒢  アーティキュレート式重ダンプトラック,底開 きダンプワゴン,リヤダンプワゴンなどのトラク タ部分 ⒣ リジッドフレーム式重ダンプトラック

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項目

修正前

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116 2.8 確認テスト

第2章 建設機械一般 116 2) 建設機械の機種の適正化  建設機械の機種の選定にあたっては,作業効率 を向上させ燃料消費量を減ずるために,設計条件 や現場条件を考慮のうえ作業内容に見合った適正 な機種を用いる。  例えば,バックホウは汎用性の高さから積込み にも用いられるが,足場の平たん性が確保できる 現場における積込みの場合には,図2.8-9に示す ように単位作業量当りの燃料消費率の観点からは 基本的にホイールローダの方が適している。 3) 燃料消費率の良好な建設機械  建設機械の選定にあたっては,選択が可能な範 囲でより良好な燃料消費率(作業量当りの燃料消 費率)の機械を選定する。選定に際しては作業内 容を踏まえて実作業に近い条件の燃料消費率に よって比較する必要がある。 4) 省エネルギー機構付き建設機械  近年新しい形式のバックホウは,アイドリング 制御などの省エネルギー機構が標準装備されてき ている。建設機械の選定にあたって,可能な場合 は省エネルギーモードなどの機能を有する機械を 選定する。  建設機械に装備された省エネルギー機構として は,次の機構がある。 ① アイドリング制御機構  レバーなどの操作を一定時間行わない場合に自 動的にエンジン回転速度を下げ,操作時には元の エンジン回転に復帰する機構,または手元ボタン でエンジン回転を瞬時に低回転と通常の回転に切 替える機構。 図2.8-9 積込み機械を適正化した場合の比較 ② 省エネルギーモード機構  省エネモードを選択することにより,エンジン の設定速度を下げるなどの方法によって省エネル ギー運転をする機構。

2.8 確認テスト

〇×テスト(答えはこのページ下) ①  低騒音型建設機械は,機種毎に一定の騒音基 準値が,定められている。 ②  標準操作方式建設機械として,バックホウ, 移動式クレーン,ブルドーザの3機種が定めら れている。 ③  排出ガス対策型建設機械の対象機種である バックホウは,ディーゼルエンジン出力50kw ∼200kw までである。 ④  一般に建設機械を大型化することにより作業 効率が向上し,燃料消費量は減少する。

2.8 確認テスト

2.8 ①× ②〇 ③× ④〇 第2章 建設機械一般 116 2) 建設機械の機種の適正化  建設機械の機種の選定にあたっては,作業効率 を向上させ燃料消費量を減ずるために,設計条件 や現場条件を考慮のうえ作業内容に見合った適正 な機種を用いる。  例えば,バックホウは汎用性の高さから積込み にも用いられるが,足場の平たん性が確保できる 現場における積込みの場合には,図2.8-9に示す ように単位作業量当りの燃料消費率の観点からは 基本的にホイールローダの方が適している。 3) 燃料消費率の良好な建設機械  建設機械の選定にあたっては,選択が可能な範 囲でより良好な燃料消費率(作業量当りの燃料消 費率)の機械を選定する。選定に際しては作業内 容を踏まえて実作業に近い条件の燃料消費率に よって比較する必要がある。 4) 省エネルギー機構付き建設機械  近年新しい形式のバックホウは,アイドリング 制御などの省エネルギー機構が標準装備されてき ている。建設機械の選定にあたって,可能な場合 は省エネルギーモードなどの機能を有する機械を 選定する。  建設機械に装備された省エネルギー機構として は,次の機構がある。 ① アイドリング制御機構  レバーなどの操作を一定時間行わない場合に自 動的にエンジン回転速度を下げ,操作時には元の エンジン回転に復帰する機構,または手元ボタン でエンジン回転を瞬時に低回転と通常の回転に切 替える機構。 図2.8-9 積込み機械を適正化した場合の比較 ② 省エネルギーモード機構  省エネモードを選択することにより,エンジン の設定速度を下げるなどの方法によって省エネル ギー運転をする機構。

2.8 確認テスト

〇×テスト(答えはこのページ下) ①  低騒音型建設機械は,機種毎に一定の騒音基 準値が,定められている。 ②  標準操作方式建設機械として,バックホウ, 移動式クレーン,ブルドーザの3機種が定めら れている。 ③  排出ガス対策型建設機械の対象機種である バックホウは,ディーゼルエンジン出力50kw ∼200kw までである。 ④  一般に建設機械を大型化することにより作業 効率が向上し,燃料消費量は減少する。

2.8 確認テスト

2.8 ①〇 ②〇 ③× ④〇

(4)

項目

修正前

修正後

166 4.1.5 諸言と性能

第4章 ショベル系建設機械 166 ④  ハイブリッド油圧ショベルは,エネルギーの 有効利用による燃料消費量と排出ガス削減の2 つの効果があり,実用化されている。

⑵ 超小旋回形・後方小旋回形

 超小旋回形や後方小旋回形油圧ショベルは,構 造上本体のスペースが狭く,点検整備が困難なた め,コンパクトな油圧ポンプ等を装備したものも 開発されている。  また,エンジンとキャブが近いため,エンジン の騒音を低減する改良や遮音対策に工夫がなされ ている。

⑶ 電子制御化

①  エンジンや油圧ポンプの電子制御は,既に一 般化し,操作性の向上を目的に電子制御を採用 した機種が増加している。 ②  溝掘削機構を装備した超小旋回形油圧ショベ ルには,センサや電磁弁を利用してアームを設 定した高さや深さで停止させたり,一定の範囲 で働くようにした電子制御式のキャブ干渉防止 システムが採用されている。 ③  バケットを水平面や法面に沿って動かすこと のできる軌跡制御装置を備えた油圧ショベルも 開発されている。  また,油圧式の操作レバーに代わる電気操作 レバーも開発され,超小旋回形油圧ショベルや 軌跡制御搭載機に採用されている。 ④  近年の移動体通信および GPS,情報伝達技 術を利用し,離れた場所から油圧ショベルの位 置情報,稼働情報を入手できるシステムが実用 化され,今後の機械管理の高度化に貢献してい る。

⑷ 居住性の改良

 操作室に伝達される振動や騒音を減少させる キャブの防振支持構造やエアコンの標準装備が進 んでいる。

⑸ 整備性の向上

 作業装置は,給脂間隔が短いため自己潤滑機能 を持つ新しいブッシュ(平軸受)などが開発され, 給脂間隔の延長が実現している。  また,作動油も新油種や新フィルタの開発で交 換時間の延長が可能となっている。

4.1.5 諸元と性能

⑴ 機械の質量

1) 運転質量  燃料,潤滑油,作動油および冷却水を規定量搭 載し,指定されたキャブまたはキャノピ,OPG (飛来落下物保護構造),作業装置などを装備した 機体に,乗員1名分(75kg)と携行工具の質量を 加えた質量をいう。 2) 機械質量  運転質量から,乗員の質量(75kg)を除いた質 量で,乗員の質量を無視できないミニショベルで 使われている。 3) 機体質量  運転質量から,作業装置,乗車定員,燃料,潤 滑油,冷却水,作動油,携行工具を差引いた本体 の乾燥質量をいう。車両系建設機械では,この機 体質量3t未満と3t以上でオペレータに必要な 資格・講習の内容が異なる。 4) 機械総質量  運転質量に最大積載質量を加えたもので,最大 積載質量はバケット山積み容量(m3)に土砂の密 度として1,800(kg/m3)を乗じたものである。  機械総質量は,労働安全衛生規則で,機体質量, 走行速度,接地圧,バケット容量などとともに車 体に標示が義務づけられている。バリエーション がいくつもある場合は,最も重いものを表示する。

⑵ エンジン出力

 エンジン出力は,ファン,ラジエータ,マフラ, ジェネレータなど必要な補器類をすべて装備し, 機械搭載状態での出力(JIS D 0006で規定)であ る。油圧式の場合は,ポンプ形式,油圧回路形式 などによっても異なる。

⑶ バケット容量

 バケット容量は,バックホウ,ローディング ショベルでは山積みで,クラムシェルでは平積み で表示する。  平積み容量とは,バケット上縁に平らに掘削物 を入れたときの容量である。  山積み容量とは,土砂を山盛りにしたときの安 息角をバックホウショベルのバケットの場合は 1:1,ローディングショベルの場合は1:2で ある。

4.1.5 諸元と性能

第4章 ショベル系建設機械 166 ④  ハイブリッド油圧ショベルは,エネルギーの 有効利用による燃料消費量と排出ガス削減の2 つの効果があり,実用化されている。

⑵ 超小旋回形・後方小旋回形

 超小旋回形や後方小旋回形油圧ショベルは,構 造上本体のスペースが狭く,点検整備が困難なた め,コンパクトな油圧ポンプ等を装備したものも 開発されている。  また,エンジンとキャブが近いため,エンジン の騒音を低減する改良や遮音対策に工夫がなされ ている。

⑶ 電子制御化

①  エンジンや油圧ポンプの電子制御は,既に一 般化し,操作性の向上を目的に電子制御を採用 した機種が増加している。 ②  溝掘削機構を装備した超小旋回形油圧ショベ ルには,センサや電磁弁を利用してアームを設 定した高さや深さで停止させたり,一定の範囲 で働くようにした電子制御式のキャブ干渉防止 システムが採用されている。 ③  バケットを水平面や法面に沿って動かすこと のできる軌跡制御装置を備えた油圧ショベルも 開発されている。  また,油圧式の操作レバーに代わる電気操作 レバーも開発され,超小旋回形油圧ショベルや 軌跡制御搭載機に採用されている。 ④  近年の移動体通信および GPS,情報伝達技 術を利用し,離れた場所から油圧ショベルの位 置情報,稼働情報を入手できるシステムが実用 化され,今後の機械管理の高度化に貢献してい る。

⑷ 居住性の改良

 操作室に伝達される振動や騒音を減少させる キャブの防振支持構造やエアコンの標準装備が進 んでいる。

⑸ 整備性の向上

 作業装置は,給脂間隔が短いため自己潤滑機能 を持つ新しいブッシュ(平軸受)などが開発され, 給脂間隔の延長が実現している。  また,作動油も新油種や新フィルタの開発で交 換時間の延長が可能となっている。

4.1.5 諸元と性能

⑴ 機械の質量

1) 運転質量  燃料,潤滑油,作動油および冷却水を規定量搭 載し,指定されたキャブまたはキャノピ,OPG (運転員保護ガード),作業装置などを装備した機 体に,乗員1名分(75kg)と携行工具の質量を加 えた質量をいう。 2) 機械質量  運転質量から,乗員の質量(75kg)を除いた質 量で,乗員の質量を無視できないミニショベルで 使われている。 3) 機体質量  運転質量から,作業装置,乗車定員,燃料,潤 滑油,冷却水,作動油,携行工具を差引いた本体 の乾燥質量をいう。車両系建設機械では,この機 体質量3t未満と3t以上でオペレータに必要な 資格・講習の内容が異なる。 4) 機械総質量  運転質量に最大積載質量を加えたもので,最大 積載質量はバケット山積み容量(m3)に土砂の密 度として1,800(kg/m3)を乗じたものである。  機械総質量は,労働安全衛生規則で,機体質量, 走行速度,接地圧,バケット容量などとともに車 体に標示が義務づけられている。バリエーション がいくつもある場合は,最も重いものを表示する。

⑵ エンジン出力

 エンジン出力は,ファン,ラジエータ,マフラ, ジェネレータなど必要な補器類をすべて装備し, 機械搭載状態での出力(JIS D 0006で規定)であ る。油圧式の場合は,ポンプ形式,油圧回路形式 などによっても異なる。

⑶ バケット容量

 バケット容量は,バックホウ,ローディング ショベルでは山積みで,クラムシェルでは平積み で表示する。  平積み容量とは,バケット上縁に平らに掘削物 を入れたときの容量である。  山積み容量とは,土砂を山盛りにしたときの安 息角をバックホウショベルのバケットの場合は 1:1,ローディングショベルの場合は1:2で ある。

4.1.5 諸元と性能

(5)

項目

修正前

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231 5.5.3 運転作業

LESSON 5 運転・取扱い 231 第 5 章 モータグレーダ

⑵ 作業速度

 作業速度は,作業の種類,路面の状態とオペ   レータの技量を考慮して決めるが,一般的に,精 密な作業,牽引力を要する作業は低速(2~4 km/h),荒い作業や軽負荷の作業は高速(10 km /h 以上)で行う。  その標準的な作業速度および速度段については 次表を目安とする。 表5.5-1 標準的な作業速度および速度段 作業の種類 (km/h) 作業速度  速度段 整 地 普 通 作 業 6~10 2~3 精密仕上げ 2~6 1~2 切 削 重 作 業 4~6 1~2 普 通 作 業 6 2 溝 掘 削 2~6 1~2 埋 戻 し 6 2 法 切 り 4~6 1~2 ス カ リ フ ァ イ ヤ 作 業 4 1 除 草 4~6 1~2 か き 寄 せ 6~10 2~3 敷 均 し 6~10 2~3 材 料 混 合 6~10 2~3 除 雪 浅 い 新 雪  ~30  ~5 路 面 整 正 10~20 2~3 V プ ラ ウ  ~20  ~4 サ イ ド ウ イ ン グ 10~15 3~4

⑶ ブレードの姿勢

① 切削角度  切削角度は,カッティングエッジの前面が地面 となす角度である。標準は30~40度でブレードを かぶせる方向に大きく(約40度)調節でき,その 反対方向にはわずか(数度)しか調節できない。  切削角度は,散土や仕上げでは大きく,また地 盤等が硬い場合は大きく,軟らかい場合は小さい。  除雪用グレーダには,作業しながら切削角度を 変える角度調整用シリンダを備えたものもある。 (LESSON 2 図5.2-10参照) ② 推進角度  ブレードは,360度回転し,切削する土が硬いと きは小さく,軟らかい土や敷均しでは大きくする。 標準は約60度である(表5.5-3)。これは切削する 土が硬いほど抵抗が大きく,またウインドロの流 れも悪いため推進角度を小さくし,切削幅を狭め て抵抗を小さくする。  ブレードによる作業幅を有効長さと呼び,推進 角度が大きいほどブレード有効長さは大きくな る。 図5.5-2 ブレードの推進角度 表5.5-2 作業の種類とブレードの切削角度 作  業 切 削 角 度 敷均し, 仕上げ 80度~90度 切削,整形, 除雪など一般 40度前後 表土はぎとり 最小 表5.5-3 作業の種類とブレードの推進角度 作業の種類 推 進 角 度 硬 土 の 切 削 45度 軟 土 の 切 削 55度 上 寄 せ , 除 雪 60度 仕 上 げ , 均 し 60~90度 LESSON 5 運転・取扱い 231 第 5 章 モータグレーダ

⑵ 作業速度

 作業速度は,作業の種類,路面の状態とオペ   レータの技量を考慮して決めるが,一般的に,精 密な作業,牽引力を要する作業は低速(2~4 km/h),荒い作業や軽負荷の作業は高速(10 km /h 以上)で行う。  その標準的な作業速度および速度段については 次表を目安とする。 表5.5-1 標準的な作業速度および速度段 作業の種類 (km/h) 作業速度  速度段 整 地 普 通 作 業 6~10 2~3 精密仕上げ 2~6 1~2 切 削 重 作 業 4~6 1~2 普 通 作 業 6 2 溝 掘 削 2~6 1~2 埋 戻 し 6 2 法 切 り 4~6 1~2 ス カ リ フ ァ イ ヤ 作 業 4 1 除 草 4~6 1~2 か き 寄 せ 6~10 2~3 敷 均 し 6~10 2~3 材 料 混 合 6~10 2~3 除 雪 浅 い 新 雪  ~30  ~5 路 面 整 正 10~20 2~3 V プ ラ ウ  ~20  ~4 サ イ ド ウ イ ン グ 10~15 3~4

⑶ ブレードの姿勢

① 切削角度  切削角度は,カッティングエッジの前面が地面 となす角度である。標準は30~40度でブレードを かぶせる方向に大きく(約40度)調節でき,その 反対方向にはわずか(数度)しか調節できない。  切削角度は,散土や仕上げでは大きく,また地 盤等が硬い場合は大きく,軟らかい場合は小さい。  除雪用グレーダには,作業しながら切削角度を 変える角度調整用シリンダを備えたものもある。 (LESSON 2 図5.2-10参照) ② 推進角度  ブレードは,360度回転し,切削する土が硬いと きは小さく,軟らかい土や敷均しでは大きくする。 標準は約60度である(表5.5-3)。これは切削する 土が硬いほど抵抗が大きく,またウインドロの流 れも悪いため推進角度を小さくし,切削幅を狭め て抵抗を小さくする。  ブレードによる作業幅を有効長さと呼び,推進 角度が大きいほどブレード有効長さは大きくな る。 図5.5-2 ブレードの推進角度 表5.5-2 作業の種類とブレードの切削角度 作  業 切 削 角 度 敷均し, 仕上げ 80度~90度 切削,整形, 除雪など一般 40度前後 表土はぎとり 最小 表5.5-3 作業の種類とブレードの推進角度 作業の種類 推 進 角 度 硬 土 の 切 削 45度 軟 土 の 切 削 55度 土寄 せ , 除 雪 60度 仕 上 げ , 均 し 60~90度

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