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大学生を対象とした金融リテラシー調査票の作成と調査結果について

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要旨  筆者らは,アメリカの Jump$tart の金融リテラシー調査票を日本の現状に合わせて改定し,日本の大学 生向けの調査票を作成した。この調査票を用いて,2015 年 7 月に国公立大学の学生に調査を行った。その 結果,日本の大学生は,長期的な生活設計にかかわる部分の正解率が非常に低いこと,男性の金融リテラ シー得点が有意に高いこと,文系よりも理系の学生の得点が有意に高いことが明らかになった。アメリカ の大学生は,借入金,信用情報,税金に関する設問において,日本の大学生の正解率を大きく上回ってい た。また,回答の際に判断を伴う設問では,ほとんどの設問において,アメリカの大学生の正解率が高い ことが明らかになった。 キーワード:Jump$tart,金融教育,金融リテラシー,金融リテラシー・マップ

Ⅰ.はじめに

 昨今,OECD/INFE(2012)による「金融教育のた めの国家戦略に関するハイレベル原則」(以下,ハイ レベル原則)の公表を背景として,金融教育1)の推進 が国家的な取り組みとして求められている2)。こうし た状況の下で,わが国においても2013年4月に金融経 済教育研究会から金融経済教育研究会報告書が報告さ れ,生活スキルとして最低限身につけるべき 4 分野 15 項目にわたる「最低限身につけるべき金融リテラ シー」が公表された。さらに2014年6月には金融経済 教育推進会議からライフステージごとに身につけるべ き金融リテラシーを設定した「金融リテラシー・マッ プ」が公表された。こうした取り組みにより,わが国 における金融教育に関する基盤は着々と形成されつつ ある。  ところで「ハイレベル原則」を承認した OECD や わが国の動きにおいてもまず,(最低限)身につける べき金融リテラシーが定義されたことからわかるとお り,金融教育はそのコンテンツである金融リテラシー が非常に重要である。金融リテラシーの内容を明確化 しなければ何を教えるべきなのかが定まらず,教育の 成果を計測することもできないからである。なお後述 する通り,現在求められている金融リテラシーは,単 なる金融知識ではなく,行動力や対応力などを伴うも のでなければならない。  そこで本研究ではアメリカで金融教育の支援に取り 組んでいる NPO 法人の Jump$tart Coalition for Per-sonal Financial literacy(以下,Jump$tart)が行った 大学生向けの金融リテラシー調査を参考にして,わが 国の大学生の金融リテラシーを計測できる調査用紙を 作成した。Jump$tart が作成した調査用紙は,全米の さまざまな専攻分野の大学生を調査対象としており, その調査結果から最も確度の高い金融リテラシー調査 の 1 つであると筆者らは考えている。この調査用紙を 用いて日本の大学生の金融リテラシーの計測を行うこ とで,日本の大学生の金融リテラシーが計測できるの みならず,日米の比較が可能となる。また Jump$tart の金融リテラシー調査には存在しない設問を付加する ことによって,金融経済教育研究会が公表している 「最低限身につけるべき金融リテラシー」も同時に計 測できるように工夫した。そのうえで,わが国におけ る大学生の金融リテラシーの特徴や傾向について,統

Article

The Journal of

Economic Education No.35, September, 2016

論文

大学生を対象とした金融リテラシー

調査票の作成と調査結果について

Devising a Questionnaire for a Financial Literacy Survey of Japanese Undergraduate Students and the Survey Results

小山内 幸治(滋賀短期大学) 西尾 圭一郎(愛知教育大学) 北野 友士(金沢星稜大学) Osanai, Koji Nishio, Keiichiro Kitano, Yuji

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計的に検証する。まず第Ⅱ節では先行研究の内容をレ ヴューし,これまでの金融リテラシー計測の試みや, 金融リテラシーと影響要因について考察する。次に第 Ⅲ節では,Jump$tart の金融リテラシーと「最低限身 につけるべき金融リテラシー」について考察し,本稿 が用いた調査用紙について述べる。それを受けて,第 Ⅳ節では本稿が行った金融リテラシー調査の結果を概 観し,わが国の大学生の金融リテラシーの特徴や傾向 について検証する。以上のような考察や検証を通じて, 今後の金融教育プログラム構築に向けた示唆を得るこ ととする。

Ⅱ.金融リテラシーと影響要因の考察

 本節ではまず金融リテラシー計測の試みや,金融リ テラシーと影響要因について先行研究に基づいて考察 し,次節以降の検証につなげる。 1. 先行研究  まず金融リテラシーの定義についてであるが,さま ざまな議論が存在し,筆者らも検討してきた。現在は OECD/INFE(2012)が定義した「金融に関する健全 な意思決定を行い,究極的には金融面での個人の幸福 を達成するために必要な,金融に関する意識,知識, 技術,態度および行動の総体」3)が一般的となってい る。わが国の「最低限身に付けるべき金融リテラ シー」も OECD/INFE(2012)の定義に基づいて設定 されており,本稿もこの定義に依拠する。いずれにせ よ,OECD/INFE(2012)の定義に基づけば,前述の ように金融リテラシーが単なる金融知識にとどまらず, 行動力や対応力を伴うものでなければならないことは 明らかであろう。  これまで金融教育の効果,あるいは金融教育への示 唆などの観点から,金融リテラシーの測定は,さまざ まな形で行われてきた。金融教育の経験や金融リテラ シーの高低が,金融上の行動としてどのように影響す るかという視点で行われた代表的な研究としては, Bernheim et al.(1997)や Vercoe et al.(2005),Peng et al.(2007),栗林・井上(2008)などがある。なお, これらの研究も含めて 2009 年以前の金融リテラシー の計測などに関する先行研究については,西田他 (2009)が国内外を問わず,幅広く取り上げている4) いずれにせよ,これらの先行研究は金融リテラシーが 貯蓄や投資,保険などの金融上の意思決定に影響を与 えうる可能性を示唆している。  またその金融リテラシーに影響する要因について分 析した最も重要な調査の一つとして OECD(2014)が ある。OECD(2014)では 2012 年の学習到達度調査 (PISA)において実施された金融リテラシーの測定と, その結果について考察を行っている。OECD(2014) による主な分析結果は次のとおりである。(1)金融リ テラシーは数学および読解力と正の相関を有している が,中核となる科目の 1 つにおける高いパフォーマン スは必ずしも金融リテラシーの習熟を示唆していない。 (2)非移民の生徒は移民の生徒よりも金融リテラシー が若干高い傾向を示している。(3)金融リテラシーの 平均点で男女差はみられない5)。(4)社会経済環境を 調整した後の比較において,銀行口座を持っている生 徒の方が成績の良い国と,成績が変わらない国がある。 (5)「複雑な問題を解くのが好き」という記述に同意 した生徒は,同意しなかった生徒よりも金融リテラ シーの得点が高い。こうした分析結果から,バランス の良い学力や,家庭の環境,習慣などを含めた社会環 境,本人の学習意欲や態度などが金融リテラシーに影 響していることがわかる。  なお本稿で取り上げる Jump$tart による金融リテラ シー調査の内容については次節で詳述するが,ここで は Mandell (2008) に基づいて属性ごとの調査結果に ついて簡単にまとめておく6)。スコアが良かった学生 の特徴は,白人である,親の予想年収が高い,博士号 などより高学歴の取得を目指している,当座預金口座 を持っている,卒業後の奨学金が多い,などである。 これらの結果から,本人の社会的な環境や態度,意欲 が影響を与えている可能性がある。質問内容や調査対 象こそ異なるが,これらの傾向は OECD(2014)の調 査結果とほぼ共通するといえる。ところで Jump$tart の調査では,自然科学や工学を専攻している学生の方 が経営・経済を専攻している学生よりもわずかながら スコアが高い結果となっている。統計的な有意差があ るかもわからないため,この結果から文系の学生より 理系の学生の方が金融リテラシーの面で優れている, などの安易な解釈は控えたい。しかしながらこの結果 から,Jump$tart の調査が金融知識ではなく,専攻分 野などを問わない行動力や対応力をも含む金融リテラ シーを計測する調査として優れていると考えられるこ とは指摘しておきたい。  以上,本節では先行研究に基づいて,金融リテラ シー計測の試みや,その影響要因について考察した。 金融リテラシーは金融上の意思決定を通じて各個人の 経済厚生に影響を与えうるものであり,その金融リテ

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ラシーは学力や,学習意欲,家庭環境,社会環境など に影響されている可能性があるとわかった。ただし, 影響要因のうち家庭や社会などの環境要因については, 究極的には社会全体の厚生や分配にかかわる問題であ る。また学力や学習意欲といった教育的な要因につい ても,教育改革にかかわる問題である。いずれにせよ, 国全体での議論を通じた長期的な取り組みが求められ る。しかしながら,そうした議論をしている間にも金 融教育を受けずに社会人となり,金融上の意思決定を 強いられる生徒や学生は存在する。教育資源も限られ る中で重点的に取り組むべき課題を把握することは, 短期的にも長期的にも重要である。そのような課題を 発見するには,やはりわが国においても金融リテラ シー調査を行う必要がある。

Ⅲ.大学生を対象とした金融リテラシー調査

 本節では,筆者らが Jump$tart とわが国の「金融リ テラシー・マップ」に基づいて作成した金融リテラ シー調査票と,その妥当性を検証し,調査結果の概要 を考察する。 1.金融リテラシー調査票の作成  わが国では,金融経済教育推進会議から「金融リテ ラシー・マップ」が公表され,2015 年 6 月には改訂版 が公表されている(表 1)。こうした取り組みにより, わが国における金融教育の今後の普及が期待されてい る。  これに対し,アメリカの Jump$tart は独自の金融リ テラシーに基づいて,National Standards(表 2)を策 定している。Jump$tart は,2008 年に上記の National Standards をもとに大学生向けの金融リテラシー調査 票を作成し,アメリカの大学生を対象に調査を行った。  筆者らは,この Jump$tart の調査票をもとに各設問 を日本の現状に合わせて改定した日本の大学生向けの 調査票を作成した。この際,なるべく内容や難易度が 大きく変わらないように留意した。また,金融経済教 育推進会議の「金融リテラシー・マップ」と対応させ るために,いくつかの設問を追加し,「金融リテラ シー・マップ」とも対応のとれた調査票を作成した。 調査票は,金融リテラシーに関する設問 42 問で構成 されている。Jump$rart の調査票の設問 31 問と内容 を比べると,同じ内容の設問は 16 問,日本の現状に 合わせ軽微な変更を加えたもの 10 問,日本の現状に 合う問題に差し替えたものが5問,残りの11問は「金 表1 金融リテラシー・マップにおける4つの分野と8つの分類 分野 分類 家計管理 適切な収支管理 生活設計 ライフプランの明確化およびライフプランを踏まえた資金の確保の必要性の理解 金融知識及び金融経済事情の理解と 適切な金融商品の利用選択 金融取引の基本としての素養 金融分野共通 保険商品 ローン・クレジット 資産形成商品 外部の知見の適切な活用 外部の知見を適切に活用する必要性の理解 出所)金融経済教育推進会議「金融リテラシー・マップ」2015 年 6 月より作成 表2 Jump$tart における NationalStandards の 6 つのカテゴリー,能力 カテゴリー 身につける総合的な能力 金融上の責任と意思決定 信頼できる情報や系統的な意思決定を個人の金融的な意思決定に適用する。 収入とキャリア 個人の収入の可能性を高めるキャリアプランを利用する。 計画と金銭管理 キャッシュフローを管理するために個人の金融を構造化し,予算を用いる。 信用と債務 信用力を維持し,好ましい条件で借り,債務を管理する。 リスク管理と保険 適切で費用対効果の高いリスク管理戦略を用いる。 貯蓄と投資 個人の目標と適合する分散投資戦略を実施する。 出所)Jump$tartCoalitionforPersonalFinancialLiteracy〔2007〕より作成

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融リテラシー・マップ」のカテゴリに対応させるため に追加したものである。  Jump$tart の調査票と,筆者らが作成した調査票と の違いを比較した表 3 を上に示す。  この調査票を用いることにより,アメリカにおける 調査結果との比較も可能になる。さらに,この調査票 には,金融リテラシーに影響を及ぼすと考えられる要 因も設問として 29 問含まれている(表 4 参照)。これ により金融リテラシーに及ぼす影響要因の分析も可能 である。ただし,この影響要因に関する調査結果と分 析は稿を改めて報告することとし,今回は取り上げな い。 2.金融リテラシー調査の実施 (1)調査の対象  作成した金融リテラシー調査票を用いて,2015 年 7 月に全国の 6 つの国公立大学の学生に調査を行った7) 対象学生の所属学部は文系学部が 5 学部,理系学部が 表3 調査票の比較 問番号 比較結果 備考 本調査 JS調査 ○:同一 △:微修正 ×:改変 変更点など 10 1 ○  - 11 2 △ Sales tax と消費税の違い 12 3 ○  - 13 4 △ 選択肢(金融商品)の違い 14 5 ○  - 15 6 ○  - 16 7 △ 選択肢(天引きされるもの)の違い 17 8 × 年金の種類と年金制度に関する知識 18 9 ○  - 19 10 ○  - 20 11 ○  - 21 12 ○ 表現(何の担保かは示さない) 22 13 ○  - 23 14 ○ 表現(チップを削除) 24 15 × 債務支払のカウンセリング 25 16 △ 選択肢を若干だけ変更 26 17 △ JS では若者は保険を必要としない,という選択肢 27 18 ○ 表現:Laid off を仕事に行き詰まる,としている 28 19 × クレジットカードの免責と紛失時の行動の違い 29 20 ○ 表現:ATM の使い方とキャッシュカードの使い方 30 21 ○  - 31 22 × 自動車保険について 32 23 ○  - 33 24 △ 大卒と高卒の違い。収入の表現の仕方に違い 34 25 △ 資産保護についてと預金保険について 35 26 ○ 表現:退職者夫婦と退職者 36 27 × 支払い手段についての質問⇒デビットカードの知識を問う問題に 37 28 △ 返済方法による支払額の問い。 38 29 ○ 選択肢1で共有する,という文言が抜かれているが大筋同じ 39 30 △ 政府保証と公的な教育ローンという表現の違い 40 31 △ 利息への課税の話。選択肢2と3が異なる。 本調査:筆者らが作成した調査用紙  JS:Jump$tart のオリジナルの調査用紙

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1 学部であった。大学の所在地は,北海道が 2 校,東 京が 1 校,北陸が 1 校,中部が 1 校,四国が 1 校であ る。欠損値があるものを除いた 588 件を分析データと して用いた。 (2)調査票の妥当性と信頼性の検証  調査データから妥当性と信頼性を検証した。妥当性 の検証については,「Jump$tart」のカテゴリ,「金融 リテラシー・マップ」の分類(以下カテゴリと呼ぶ) それぞれについて,カテゴリと設問の関係を吟味し, 内容的妥当性を検証した。また「Jump$rart」と「金 融リテラシー・マップ」のそれぞれの金融リテラシー に関する各カテゴリ得点と,仮定した 1 因子(金融リ テラシー因子)との間の標準化係数と決定係数を検証 し た。 こ の 結 果,「Jump$rart」 と「 金 融 リ テ ラ シー・マップ」の各カテゴリ得点は標準化係数,決定 係数ともに仮定因子から影響を受けていると考えるこ とができるレベルであった(図 1・図 2)。  なお,図において線の横にしめされているのは,標 準化されたパス係数,各カテゴリの上に示されている のが決定係数(R2)である。また図1におけるe1から e6,図 2 における e1 から e8 は誤差項を示している。  信頼性に関しては,標準化された信頼性係数αが 0.68 であり,十分に高いとは言えないが一定の信頼性 があるといえるレベルであった。 表4 調査票に含まれる影響要因の設問 No. 設問 分野 問 43 小・中・高等学校で算数・数学が得意だった 学校 問 44 小・中・高等学校で国語が得意だった 学校 問 45 小・中・高等学校で現代社会や政治・経済などの社会科の科目が得意だった 学校 問 46 小・中・高等学校のいずれかで,小遣い帳などの金銭の管理に関して授業を受けたことがある 学校 問 47 小・中・高等学校のいずれかで,株式などの投資に関して授業を受けたことがある 学校 問 48 小・中・高等学校のいずれかで,就職後や結婚後,老後などの生活設計に関して授業を受けたことがある 学校 問 49 46 ~ 48 以外のお金に関連する何らかの内容について,小・中・高等学校のいずれかの段階で授業を受けたことがある 学校 問 50 親が株式などに投資をしている 家庭 問 51 親はお金の使い道について厳しい 家庭 問 52 親の年収を把握している 家庭 問 53 親から小遣いの使い方について,指導を受ける機会がある 家庭 問 54 親と株式などの投資に関して,話す機会がある 家庭 問 55 親と就職後や結婚後,老後などの生活設計に関して話す機会がある 家庭 問 56 53 ~ 55 以外のお金に関連する何らかの内容について,親と話す機会がある 家庭 問 57 学校や家庭以外でお金について学ぶ機会が多い 社会 問 58 自分はお金を計画的に使うほうだと思う 態度 問 59 アルバイトの経験は多いほうだと思う 社会 問 60 買い物をする際にポイントなどお得な支払方法を意識している 態度 問 61 お金に関する情報を積極的に得る努力をしている 態度 問 62 証券投資に興味がある 興味 問 63 新聞を読む習慣がある 社会 問 64 電子マネー(Edy,Quickpay,iD,WAON,nanaco,Suica,ICOCA など)を利用したことがある 態度 問 65 ファイナンシャル・プランナー(FP)に興味がある 興味 問 66 あなたはどの入試区分で入学しましたか。 入試 問 67 ご両親の年収(共働きの場合は合計)はどれくらいだと予想しますか。 家庭 問 68 自分で管理している銀行口座を持っていますか。 態度 問 69 株式や債券などの証券への投資経験について教えてください。 投資経験 問 70 あなたの 1 か月当たりで自由に使えるお金はどれくらいですか。一人暮らしの人は家賃(下宿代)と光熱費は除いた金額を教えてください。 経済状況 問 71 あなたは 1 か月あたりでどのくらいの金額を貯蓄していますか。およその金額を教えてください。 経済状況

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Ⅳ.金融リテラシー調査結果

1.金融リテラシー得点  調査の結果は表 5 のとおりである。全体の正解率は 60.7% であった。正解率が高かった設問(正解率が 80% 以上)は,問 1 インフレーション(83.2%),問 4 信用情報(83.3%),問 7 家計簿の目的(93.9%),問 10 インフレ率が高いときの問題(80.6%),問 11 消費税 (95.6%), 問 19 支 出 と 貯 蓄(87.4%), 問 23 収 入 源 (93.7%),問 28 クレジットカード紛失の際の行動 (96.4%),問 41 金融商品(83.2%)であった。  インフレーションの理解やインフレ率が高い時の問 題点など経済の基本的知識についての正解率は高いと いえる。また,消費税や支出と貯蓄,クレジットカー ド紛失の際の行動など身近な問題についての正解率も 高い。信用情報に関するもの,金融商品に関する内容 の正解率は我々の予想よりも高かった。  正解率が低かった設問(正解率 40% 未満)は,問 3 信用リスク(30.6%),問 5 国民基礎年金(10.4%),問 13 購買力と運用(34.7%),問 15 信用情報(33.7%), 問 20 長期運用(11.6%),問 22 所得税(31.3%),問 33 生涯賃金(32.7%),問 39 金利(32.8%),問 40 利息に かかる税金(15.5%)であった。  正解率が 20% 以下の設問の誤答を以下で分析して みる。「問 5 国民年金(基礎年金)に関する次の記 述のうち,正しいものはどれか」という設問では, 「65 歳以上で国民年金を 40 年間払い込んでいた人は, 現在月額およそ 6 万円の年金を得ている」が正解であ るが,「65 歳以上で国民年金を 40 年間払い込んでいた 人は,現在月額およそ 12 万円の年金を得ている」と 解答した学生が 47.1% で最も多かった。これは,生活 保護費などとの関連から,必要最低限の生活費は,年 金で得られると理解している可能性,および厚生年金 等との区別が不明確であることが考えられる。いずれ にせよ,年金の受給金額に対する知識が十分でないこ とは明らかである。つぎに「問 20 佐藤夫妻には赤 ちゃんが生まれたばかりである。彼らは出産祝いとし てお金を受け取り,それを赤ちゃんの教育費として運 用したい。18 年の長期にわたって運用する場合もっ とも高い運用益を見込めるのは次のうちどれか」とい 金融上の責任と意思決定 収入とキャリア 計画と金銭管理 信用と責務 リスク管理と保険 貯蓄と投資 金融リテラシー F .39 .46 .55 .57 .35 .63 .15 .21 .31 .32 .40 .12 e1 e2 e3 e4 e5 e6 図1 Jump$tart のカテゴリと 1 因子分析モデル 図2 金融リテラシー・マップのカテゴリと 1 因子分析モデル 金融リテラシー F .64 .38 .58 .33 .25 .43 .23 .15 .33 .39 .19 適切な収支管理 e1 金融分野共通 e4 ライフプラン e2 保険商品 e5 金融取引の基本 e3 ローンクレジット e6 資産形成商品 e7 外部の知見 e8 .63 .48 .41 .11 .06

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表5 金融リテラシー調査結果 NO. 問 正解率 1 インフレーション(インフレ)についての説明で正しいものは次のうちどれか。 83.2% 2 定期預金,個人向け国債,社債,株式について,収益(リターン)が見込める順に並んでいるのは次のうちどれか。 57.8% 3 定期預金,個人向け国債,社債,株式について,危険性(信用リスク)が低い順に並んでいるのは次のうちどれか。 30.6% 4 金融機関における信用情報について正しいものは次のうちどれか。 83.3% 5 国民年金(基礎年金)に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。 10.4% 6 所得税に関する次の記述のうち正しいものはどれか。 70.2% 7 家計簿をつける目的に合致しないものは次のうちどれか。 93.9% 8 10,000 円を 1 年複利・年利率1%で預けた時,2 年後に受け取る金額は次のうちどれか。 50.9% 9 現在 50 歳の鈴木さんは,現在手持ちの 300 万円を老後の資金として使う予定である。できるだけ増やしたいが,万が一の場合に大きく減るのは困ると考えている。この資金をとっておく手段として最も適切なものは次のうちどれか。 52.9% 10 インフレ率が高い期間に最も大きな問題を抱えるのは次のうちどのグループか。 80.6% 11 消費税に関して正しいのは次のうちどれか。 95.6% 12 鈴木さんは大学生活のためにアルバイトで 100 万円を貯蓄してきた。翌年には入学予定であり,貯蓄したお金はすべて学費に必要である。彼女のお金をとっておくのに最も安全な方法は次のうちどれか。 76.2% 13 インフレ率の上昇に対して自分の保有しているお金の価値(購買力)を目減りさせない最も良い方法は次のうちどれか。 34.7% 14 お金を借りて何かに支出する際,経済的に最も有益なのは次のうちどの状況か。 48.8% 15 金融機関の信用情報に関する個人の権利について,正しいのは次のうちどれか。 33.7% 16 手取り収入は額面給与よりも少ない。額面給与から差し引かれるものとして正しいのは次のうちどれか。 48.8% 17 国民年金について正しいものは次のうちどれか。 79.3% 18 緊急時に,最も現金化しにくいものは次のうちどれか。 61.1% 19 田中くんは手取り収入が月額 20 万円の職を得た。彼は毎月 9 万円の家賃と 1 万 5,000 円の食費を支払っている。また交通費として毎月 2 万 5,000 円を支出している。もし彼が毎月衣服に 1 万円,外食に 2 万円,その他に 2 万 5,000 円の予算を計上するなら ば,6 万円を貯蓄するまでにどれだけかかるか。 87.4% 20 佐藤夫妻の間には赤ちゃんが生まれたばかりである。彼らは出産祝いとしてお金を受け取り,それを赤ちゃんの教育費として運用したい。18 年の長期にわたって運用する場合最も高い運用益を見込めるのは次のうちどれか。 11.6% 21 高橋さんはクレジットカードを申し込んだばかりである。彼女は財産をほとんどもたず借り入れの経験もない高卒の 18 歳である。クレジットカード会社がリスクを削減するために行っているのは次のうちどれか。 51.4% 22 渡辺さんは大学の在学期間中にアルバイトをして年間 150 万円を稼いでいた。卒業後の就職先での年収は 300 万円である。彼女が就職後に支払う所得税はいくらか。 31.3% 23 年齢が 20 ~ 35 歳である多くの人にとっての主要な収入源として最も適当なものは次のうちどれか。 93.7% 24 クレジットカードの返済が滞りそうなとき,もっとも適切なのは,次のうちどれか。 52.7% 25 山本くんと中村さんは今年 65 歳である。中村さんは老後資金のために,現在まで 40 年間にわたり毎年 20 万円の貯蓄をしてきた。山本くんは,同じ目的で現在まで 20 年間にわたり毎年 40 万円の貯蓄をしてきた。どちらの方がより多く貯蓄しているか。 68.7% 26 通常,若者は保護者の被扶養者として健康保険の給付を受ける。健康保険について正しいものは次のうちどれか。 68.5% 27 小林くんと斉藤くんは同じ会社の財務部門でともに働き,同じ給与を受け取っている。小林くんは自由な時間に業務に関するスキルを磨けるように友人たちと仕事に関連した講座を受けているが,斉藤くんは自由な時間に友人と楽しい時間を過ごしたり, フィットネスクラブで運動したりしている。5 年後,もっともあり得そうなのは次のうちどれか。 75.5% 28 クレジットカードの紛失に気づいた時点でとるべき行動として正しいのは次のうちどれか。 96.4% 29 キャッシュカードについて正しくない文章は次のうちどれか。 79.9% 30 伊藤さんは地元の企業に良い就職ができた。過去 2 年ほど,伊藤さんの住む県では近隣の県よりも企業に対する税金の税率がかなり高くなってきた。このことは伊藤さんの仕事にどのような影響を及ぼすか。 69.2% 31 自動車保険について述べた文章で正しくないものは次のうちどれか。 56.6% 32 鈴木くんと斎藤くんは若者であり,これまでの借り入れに対する返済もきちんとなされている。彼らは同じ企業で働き,また給与も同額である。鈴木くんは海外に旅行するために 60 万円を,斎藤くんは自動車を買うために 60 万円を,それぞれ同じ銀行か ら借り入れた。利率に関して正しいものは次のうちどれか。 46.8% 33 終身雇用を前提としたとき,大卒の男性と高卒の男性との生涯賃金の差はおよそいくらか。 32.7% 34 預金は預金保険によって保護されているが,預金保険の対象に含まれないのは次のうちどれか。 78.7% 35 同額の手取り収入があるとすれば,もっとも生命保険を必要とするのは次のうちどれか。 63.6% 36 次のうち買い物に利用した時点で,銀行口座から即座に利用金額が引き落とされるものは次のうちどれか。 61.9% 37 2000 万円を年利率 2.5% で 30 年の住宅ローンとして借り入れて返済が完了した。もっとも少なく金額を支払ったのは次のうちどれか。 66.5% 38 信用情報に関する次の文章のうち正しいのはどれか。 63.6% 39 入学した大学の授業料支払いのためお金を借りるとき,金利を低く抑える要因にならないものは次のうちどれか。 32.8% 40 銀行の預金から得られる利息に関して正しいものは次のうちどれか。 15.5% 41 金融商品に関する次の選択肢のうち正しいのはどれか。 83.2% 42 株式や金融商品を購入するにあたり,最も適切なものは次のうちどれか。 67.9% 選択肢は省略

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う設問では,「株式投資」が正解だが,「定期預金」と 解答した学生が 57.5% と最も多かった。この結果は, これまでの金融教育が,投資よりも貯蓄を重視してき たことが解答に影響している可能性が高いと考えられ る。「問 40 銀行の預金から得られる利息に関して正 しいものは次のうちどれか」という設問では,「利息 には一律に 20% の税金がかかる」が正解だが,「利息 には税金はかからない」と回答した学生が,69.0% と 最も多かった。この結果は,源泉分離課税であり,か つ自動的に税金が支払われており,納税の意識がない ことが解答に影響していると考えられる。  年金に関すること,運用に関すること,預金の利息 の税金に関することは,長期的な生活設計に大きくか かわる部分であり,これらの正解率が非常に低いこと は,大きな問題であると考えられる。これらの教育に ついて初等中等教育を含めて早急に何らかの手立てを 講じる必要性を示している。 2.基礎知識と属性が金融リテラシー得点に及 ぼす影響  本項では前項で考察した金融リテラシー調査の結果 について,属性別の金融リテラシー得点について比較 を行う。 (1)属性別の金融リテラシー得点  ここではまず,金融リテラシー得点が,調査票回答 者の属性とどのような関係があるかを明らかにする。 そのために,性別(男・女),専門分野(理系・文系) について,その得点に差があるかどうかを t 検定を用 いて確認した。得点は素点を用いている(満点 42 点)。  性別における金融リテラシー得点については,表 6 に示すように,男性の平均値が 25.83 に対して,女性 の平均値は 25.06 であり,10% 水準で男性の平均値が 有意に高いという結果が得られた。これは,前述した Jump$tart や OECD(2014)の調査結果とは異なるも のとなった。  また,Jump$tart のカテゴリと金融リテラシー・ マップの対応カテゴリごとの得点を比較した。比較し た結果を表 7 と表 8 に掲げる。Jump$tart のカテゴリ では,「貯蓄と投資」において,1% 水準で男性の平均 値(4.88)が女性の平均値(4.53)よりも有意に高 かった。  それ以外では有意な差は認められなかった。金融リ テラシー・マップのカテゴリでは,「金融分野共通」 において 0.1% 水準で男性の平均値(4.76)が女性の平 表6 男性と女性の金融リテラシー得点の差 性別 度数 平均値 標準偏 金融リテラシー得点† 男 360 25.83 4.798 女 219 25.06 4.488 †:p=0.056<0.10 表7 Jump$tart カテゴリにおける男性と女性の金 融リテラシー得点の差 カテゴリ 性別 度数 平均値 標準偏差 金融上の責任と意 思決定 男 360 2.39 0.907 女 219 2.27 0.861 収入とキャリア 男 360 4.25 1.231 女 219 4.16 1.308 計画と金銭管理 男 360 5.91 1.243 女 219 5.78 1.310 信用と債務 男 360 4.41 1.529 女 219 4.18 1.512 リスク管理と保険 男 360 3.99 1.215 女 219 4.15 1.120 貯蓄と投資 * 男 360 4.88 1.658 女 219 4.53 1.386 *:p<0.01 表 8 金融リテラシー・マップのカテゴリにおける男 性と女性の金融リテラシー得点  カテゴリ 性別 度数 平均値 標準偏差 適切な収支管理 男 360 6.83 1.408 女 219 6.73 1.387 ライフプラン 男 360 2.68 0.972 女 219 2.68 1.017 金融取引の基本 男 360 0.81 0.39 女 219 0.87 0.34 金融分野共通 *** 男 360 4.76 1.423 女 219 4.24 1.362 保険商品 男 360 2.65 0.932 女 219 2.73 0.928 ローン・クレジット 男 360 5.87 1.761 女 219 5.63 1.68 資産形成商品 男 360 1.58 1.009 女 219 1.47 0.89 外部の知見 男 360 0.66 0.476 女 219 0.73 0.447 ***:p<0.001

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均値(4.24)よりも有意に高かった。それ以外では有 意な差は認められなかった。  専門分野(文系学部・理系学部)における金融リテ ラシー得点については,表 9 に掲げたように,理系学 部の平均値が 26.05 に対して,文系学部は 25.28 であり, 10% 水準で理系の平均値が有意に高いという結果が得 られた。これは Jump$tart が行ったアメリカにおける 大学生を対象とした調査結果と一致している。  専門分野(文系学部・理系学部)における金融リテ ラシー得点についても Jump$tart のカテゴリと金融リ テラシー・マップの対応カテゴリごとの得点を比較し た。比較した結果を表 10 と表 11 に掲げる。  Jump$tart のカテゴリでは,「金融上の責任と意思 決定」において,5% 水準で理系の平均値(2.49)が 文系の平均値(2.28)よりも有意に高かった。それ以 外では有意な差は認められなかった。金融リテラ シー・マップのカテゴリでは,「金融分野共通」にお いて 5% 水準で理系の平均値(4.79)が文系の平均値 (4.47)よりも有意に高かった。また「ローン・クレ ジット」に関する設問も,5% 水準で理系の平均値 (6.04)が文系の平均値(5.66)よりも高かった。それ 以外では有意な差は認められなかった。 (2)基礎知識が金融リテラシーに及ぼす影響  筆者らの作成した金融リテラシー調査票の中に,問 1 インフレーションに関する知識,問 7 家計簿の知識, 問 8 複利計算に関する計算問題が含まれている。これ らの知識が金融リテラシー得点に影響しているかどう かを,確認するために,金融リテラシー得点を従属変 数,問 1,問 7 および問 8 を説明変数とする重回帰分 析を行った。その結果,決定係数が 0.240,問 1,問 7, 問 8 とも 0.1% 水準で有意であり,標準化係数は,問 1 が 0.247,問 7 が 0.158,問 8 が 0.346 であった。  この結果から,インフレーションの基礎知識,家計 簿の知識,および複利計算の知識は金融リテラシーに 影響を及ぼしており,とくに複利計算の知識が最も大 きく金融リテラシーに影響を及ぼしていることがわ かった。これは,数的な能力が金融リテラシーに大き く影響を及ぼしている可能性を示唆している。 (3)日本とアメリカの大学生の金融リテラシーの比較  Jump$tart では,2008 年にアメリカの大学生 1,030 名を対象に,金融リテラシー調査を行った。筆者らは, この Jump$tart による調査と,今回の日本の大学生を 対象に行った調査との比較を試みた。アメリカにおけ る調査は,平均値のみが示されており,標準偏差等の 統計的なデータは公開されていない。また時期的にも 表9 文系と理系の金融リテラシー得点 学部 度数 平均値 標準偏差 金融リテラシー得点† 文系 434 25.28 4.723 理系 154 26.05 4.765 †:p=0.081<0.1 表 10 Jump$tart カテゴリにおける文系と理系の金 融リテラシー得点 表 11 金融リテラシー・マップのカテゴリにおける 文系と理系の金融リテラシー得点 カテゴリ 学部 度数 平均値 標準偏差 金融上の責任と意 思決定* 文系 434 2.28 0.897 理系 154 2.49 0.873 収入とキャリア 文系 434 4.17 1.242 理系 154 4.35 1.316 計画と金銭管理 文系 434 5.9 1.237 理系 154 5.71 1.376 信用と債務 文系 434 4.24 1.538 理系 154 4.49 1.479 リスク管理と保険 文系 434 4.03 1.185 理系 154 4.1 1.216 貯蓄と投資 文系 434 4.66 1.59 理系 154 4.91 1.54 *:p<0.05  カテゴリ 学部 度数 平均値 標準偏差 適切な収支管理 文系 434 6.73 1.427 理系 154 6.93 1.353 ライフプラン 文系 434 2.67 0.961 理系 154 2.68 1.060 金融取引の基本 文系 434 0.83 0.372 理系 154 0.82 0.381 金融分野共通* 文系 434 4.47 1.411 理系 154 4.79 1.446 保険商品 文系 434 2.69 0.931 理系 154 2.64 0.968 ローン・クレジット* 文系 434 5.66 1.749 理系 154 6.04 1.660 資産形成商品 文系 434 1.55 0.953 理系 154 1.47 0.998 外部の知見 文系 434 0.68 0.468 理系 154 0.68 0.467 *:p<0.05

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表 12 アメリカと日本の大学生の金融リテラシー得点の比較 本調査 JS調査 ○:同一 △:微修正 ×:改変 問題 日本(%) 米国(%) 分類 10 1 ○ インフレ率が高い期間に最も大きな問題を抱えるのは次のうちどのグループか。 80.6 5.7 判断 11 2 △ 消費税に関して正しいのは次のうちどれか。 95.6 55.9 知識 12 3 ○ 鈴木さんは大学生活のためにアルバイトで 100 万円を貯蓄してきた。翌年には入学予定であり,貯蓄したお金はすべて学費に必要である。彼女のお金をとっておくのに最も安全な 方法は次のうちどれか。 76.2 89.6 判断 13 4 △ インフレ率の上昇に対して自分の保有しているお金の価値(購買力)を目減りさせない最も良い方法は次のうちどれか。 34.7 39.9 判断 14 5 ○ お金を借りて何かに支出する際,経済的に最も有益なのは次のうちどの状況か。 48.8 74.6 判断 15 6 ○ 金融機関の信用情報に関する個人の権利について,正しいのは次のうちどれか。 33.7 74.2 知識 16 7 △ 手取り収入は額面給与よりも少ない。額面給与から差し引かれるものとして正しいのは次のうちどれか。 48.8 74.2 知識 17 8 × 改変問題のため省略 18 9 ○ 緊急時に,最も現金化しにくいものは次のうちどれか。 61.1 64.0 知識 19 10 ○ 田中くんは手取り収入が月額 20 万円の職を得た。彼は毎月 9 万円の家賃と 1 万 5,000 円の 食費を支払っている。また交通費として毎月 2 万 5,000 円を支出している。もし彼が毎月 衣服に 1 万円,外食に 2 万円,その他に 2 万 5,000 円の予算を計上するならば,6 万円を 貯蓄するまでにどれだけかかるか。 87.4 77.8 計算 20 11 ○ 佐藤夫妻の間には赤ちゃんが生まれたばかりである。彼らは出産祝いとしてお金を受け取り,それを赤ちゃんの教育費として運用したい。18 年の長期にわたって運用する場合最 も高い運用益を見込めるのは次のうちどれか。 11.6 19.2 判断 21 12 ○ 高橋さんはクレジットカードを申し込んだばかりである。彼女は財産をほとんどもたず借り入れの経験もない高卒の 18 歳である。クレジットカード会社がリスクを削減するため に行っているのは次のうちどれか 51.4 58.8 知識 22 13 ○ 渡辺さんは大学の在学期間中にアルバイトをして年間 150 万円を稼いでいた。卒業後の就職先での年収は 300 万円である。彼女が就職後に支払う所得税はいくらか。 31.3 47.1 判断 23 14 ○ 年齢が 20 ~ 35 歳である多くの人にとっての主要な収入源として最も適当なものは次のうちどれか。 93.7 92.6 知識 24 15 × 改変問題のため省略 25 16 △ 山本くんと中村さんは今年 65 歳である。中村さんは老後資金のために,現在まで 40 年間にわたり毎年 20 万円の貯蓄をしてきた。山本くんは,同じ目的で現在まで 20 年間にわた り毎年 40 万円の貯蓄をしてきた。どちらの方がより多く貯蓄しているか。 68.7 61.6 知識 26 17 △ 通常,若者は保護者の被扶養者として健康保険の給付を受ける。健康保険について正しいものは次のうちどれか。 68.5 69.5 知識 27 18 ○ 小林くんと斉藤くんは同じ会社の財務部門でともに働き,同じ給与を受け取っている。小 林くんは自由な時間に業務に関するスキルを磨けるように友人たちと仕事に関連した講座 を受けているが,斉藤くんは自由な時間に友人と楽しい時間を過ごしたり,フィットネス クラブで運動したりしている。5 年後,もっともあり得そうなのは次のうちどれか。 75.5 83.2 判断 28 19 × 改変問題のため省略 29 20 ○ キャッシュカードについて正しくない文章は次のうちどれか。 79.9 86.6 知識 30 21 ○ 伊藤さんは地元の企業に良い就職ができた。過去 2 年ほど,伊藤さんの住む県では近隣の県よりも企業に対する税金の税率がかなり高くなってきた。このことは伊藤さんの仕事に どのような影響を及ぼすか。 69.2 83.8 判断 31 22 × 改変問題のため省略 32 23 ○ 鈴木くんと斎藤くんは若者であり,これまでの借り入れに対する返済もきちんとなされて いる。彼らは同じ企業で働き,また給与も同額である。鈴木くんは海外に旅行するために 60 万円を,斎藤くんは自動車を買うために 60 万円を,それぞれ同じ銀行から借り入れた。 利率に関して正しいものは次のうちどれか。 46.8 61.5 知識 33 24 △ 終身雇用を前提としたとき,大卒の男性と高卒の男性との生涯賃金の差はおよそいくらか。 32.7 53.0 知識 34 25 △ 預金は預金保険によって保護されているが,預金保険の対象に含まれないのは次のうちどれか。 78.7 37.4 知識 35 26 ○ 同額の手取り収入があるとすれば,もっとも生命保険を必要とするのは次のうちどれか。 63.6 61.4 判断 36 27 × 改変問題のため省略 37 28 △ 2000 万円を年利率 2.5% で 30 年の住宅ローンとして借り入れて返済が完了した。もっとも少なく金額を支払ったのは次のうちどれか。 66.5 77.9 計算 38 29 ○ 信用情報に関する次の文章のうち正しいのはどれか。 63.6 75.5 知識 39 30 △ 入学した大学の授業料支払いのためお金を借りるとき,金利を低く抑える要因にならないものは次のうちどれか。 32.8 42.7 判断 40 31 △ 銀行の預金から得られる利息に関して正しいものは次のうちどれか。 15.5 39.0 知識 日本 n=588  アメリカ n=1030  網掛けは 5 ポイント以上の差があるもの

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大きくずれているため,統計的に厳密な比較はできな い。また経済システムや文化の相違もあり,解釈が難 しい面もある。しかしながら,2008 年の時点で既に いくつかの州で高等学校までの段階で金融教育が導入 されていたアメリカの大学生と比較することは,わが 国の初等中等教育での金融教育の導入を検討するうえ で重要な示唆を得られる。日本とアメリカにおける大 学生の金融リテラシーに関するある程度の傾向を比較 することは可能だと思われる8)  前述した Jump$tart がオリジナルの調査票(31 問) を用いて,2008 年に行ったアメリカの大学生の金融 リテラシー得点の正解率は 62.2% であった。今回,筆 者らが作成した調査票を用いた日本における大学生の 調査では,対応する 31 問(改変したものも含む)の 正解率は,60.1% であった。全体の平均値に関しては, アメリカの大学生の方が高いが,顕著な差は認められ なかった。  設問ごとに比較するために,アメリカの大学生と日 本の大学生の金融リテラシーの得点を表 12 に示す。 比較の対象としたのは,Jump$tart の調査票と筆者ら が作成した調査票の設問のうち,同じ内容の設問 16 問,日本の現状に合わせ軽微な変更を加えたもの 10 問の合計 26 問である。分析を行うために,設問を, 主に知識を問うもの,計算を問うもの,判断を問うも のの 3 種類に分け,表中の分類に記述した。  日本の大学生の得点が高かったものを設問ごとに見 ていく。Jump$tart の問 1 のインフレ率に関する設問 は,日本の学生の正解率が高く,差が非常に大きい (日本とアメリカの学生の正解率の差は 74.9 ポイン ト:以下数値のみを示す)。日本の学生はインフレに 対する基本的な知識を有し,それをもとに判断できて いると解釈できる。また,問 2 の消費税に関する設問 の正解率も日本の学生が非常に高い(39.7)。消費税 (アメリカでは SalesTax)に関しては日本では一律だ が,アメリカでは州ごとに異なっており,州によって は課さない場合もある。また品目によって税率が異な る場合もあり,このことが正解率に影響を及ぼしてい る可能性が考えられる。問 16 の複利に関する設問は, やや日本の大学生の正解率が高いが,顕著な差は見ら れなかった(7.1)。問 25 の預金保険に関する設問も日 本の学生の正解率が高かった(41.3)。  これに対して,アメリカの大学生が日本の大学生よ りも顕著に得点が高いものを抜き出してみると,問 5 の借入金の有益性(25.8),問 6 の信用情報に関する個 人の権利(40.5),問 7 の給与からの天引き(25.4), 問 13 の所得税(15.8),問 21 の企業に対する税金の影 響(14.6),問 23 の借入金に関する利率(14.7),問 24 の大卒と高卒の賃金の差(20.3),問 28 の繰り上げ返 済(11.4),問 29 の信用情報(11.9),問 30 の借入金の 金利を低く抑える要因(9.9),問 31 の銀行預金の利率 に対する税金(23.5)などである。  これらの傾向を見ると,借入金に関する設問,信用 情報に関する設問,税金に関する設問などにおいて, 日本の大学生の得点が非常に低く,アメリカの大学生 の正解率が日本の大学生の正解率を大きく上回ってい ることがわかる。これは,日本における初等・中等教 育から高等教育までにおいて,借入金や信用情報,税 金に関する教育プログラムや教育内容をもう一度見直 す必要があることを示唆している。   各設問の正解率のうち,5 ポイント以上の差がある ものについて,設問の種類別に見てみると,日本の大 学生が,アメリカの大学生より得点が高かったものは, 知識を問うもの 3 問,判断を問うもの 1 問,計算を問 うものが 1 問である。これに対して,アメリカの大学 生が高かったものは,判断を問うものが 8 問,知識を 問うものが 8 問,計算を問うものが 1 問であった。  判断を問う設問では,ほとんどの設問でアメリカの 大学生が,日本の大学生の得点を上回っている。この データだけでは判断はできないが,初等・中等教育か ら高等教育までのなかで,知識だけでなく判断をとも なう意思決定を訓練する必要性が示唆されていると考 えることができる。これについては,今後,さらに詳 細に調査を行う予定である。

Ⅴ.まとめ

 筆者らは,アメリカで金融教育の支援に取り組んで いる NPO 法人の Jump$tart の調査票をもとに各設問 を日本の現状に合わせて改定した日本の大学生向けの 調査票を作成した。この際,なるべく内容や難易度が 大きく変わらないように留意した。また,金融経済教 育推進会議の「金融リテラシー・マップ」と対応させ るために,いくつかの設問を追加し,「金融リテラ シー・マップ」とも対応のとれた調査票を作成した。 調査票には,金融リテラシーに関する設問 42 問と, 金融リテラシーに影響を及ぼすと考えられる要因に関 する設問も 29 問含まれている。作成した金融リテラ シー調査票を用いて,2015 年 7 月に全国の 6 つの国公 立大学の学生に調査を行った。  この結果,日本の大学生は,年金に関すること,運

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用に関すること,預金の利息の税金に関することなど, 長期的な生活設計に大きくかかわる部分の正解率が非 常に低いことが分かった。また,性別の比較では,男 性の金融リテラシー得点が有意に高いということが明 らかとなった。さらに,理系と文系では,理系の得点 が有意に高かった。経済の基礎知識,家計簿の知識と 計算力は金融リテラシーに影響を及ぼしていることが 分かった。アメリカの大学生との比較では,借入金に 関する設問,信用情報に関する設問,税金に関する設 問などにおいて,アメリカの大学生の正解率が日本の 大学生の正解率を大きく上回っている。設問を知識, 計算,判断を問うものに分類すると,判断を問う設問 では,ほとんどの設問において,アメリカの大学生の 正解率が高い。  以上のような調査結果から今後わが国において,初 等・中等教育から高等教育にいたるまでの金融教育プ ログラムを構築する際に,長期的な生活設計の理解, 女性の金融リテラシーの向上,基本的な計算力,アメ リカと比較した場合の意思決定能力や借入金に関する 知識の弱さ,などに配慮する必要性が示唆されている。 謝辞  本研究を進めるにあたり,愛媛県金融広報委員会の金融広報 アドバイザーである氏兼惟和氏および金沢大学の松浦義昭氏に は筆者らの主催する研究会にご参加いただき,貴重なアドバイ スをいただいた。また匿名の 2 名のレフェリーからは有益なコ メントをいただき,内容が大幅に改善されている。ここに記し て深く感謝したい。なお本稿において誤りがあれば,すべて筆 者らの責任である。  本研究は,科研費基盤研究(C)「大学生への調査に基づく金 融リテラシー概念の再検討と金融教育プログラムの構築」研究 課題番号:26381296(研究代表者 小山内 幸治)によって行 われたものの一部である。 註 1) わが国において金融教育が論じられるとき,金融経済教 育研究会や金融経済教育推進会議などの名称が表すよう に,「金融経済教育」という用語が好んで用いられる。こ の用語には関係者のさまざまな願いや配慮が含まれてい ると思われる。しかしながら,OECD では単に financial education,また本稿で取り上げる Jump$tart は personal financial education と表現している。本稿は日米の大学生 の金融リテラシー比較を目的としていることもあり,金 融教育(financial education)と表記する。 2) わが国においても第 186 回国会の財政金融委員会(平成 26 年 5 月 20 日)でアベノミクスの第三の矢である民間投 資を喚起する成長戦略との関連で金融リテラシーの向上 の必要性が指摘されている。 3) この定義自体は OECD のワーキングペーパーである At-kinson and Messy(2012)に依拠している。この点も含 めて金融リテラシー概念の検討については北野他(2014) を参照されたい。 4) Bernheim et al.(1997)は金融教育の実施が貯蓄に与える 影響,Varcoe et al.(2005)は金融教育の実施が金融知識 と金融行動に与える影響,Peng et al.(2007)はパーソナ ルファイナンス教育が投資知識に与える影響,西田他 (2009)は統計学の初歩の知識が金融資産選択に与える影 響,栗林・井上(2008)は金融リテラシーの高低が生命 保険の選択に与える影響について,それぞれ論じている。 5) 性別による金融リテラシーの影響について検証した近年 の研究として,Agnew and Harrison (2015)がある。な お,Agnew and Harrison (2015) に お い て は, 分 野 に よっては男女での差が見られるケースが指摘されている。 6) ただし,以下で紹介する Jump$tart の調査結果は統計的 な検定が行われておらず,単に属性ごとの平均(mean) が示されているに過ぎないため,有意差が認められたも のではない。 7) 北野他(2014)の検証結果から大学生の金融リテラシー は入試区分(≒基礎学力)の影響を受けている可能性が 示唆されている。そこで,今回の調査では高等学校卒業 までの学習経験の同質性が確保されている国公立大学の 学生のみに限定している。 8) むろん,今回の筆者らの調査のサンプルは国公立大学で あり,日本の大学生の中でも比較的上位層を対象とした 調査であり,それに対してアメリカの調査対象はそれよ りも幅広いという違いはある。しかしながら,サンプル 間の平均点に顕著な差が見られないため,国や文化の違 いを大まかに抽出することはできると考える。 参考文献 [1] 北野友士・西尾圭一郎(2013),「大学生の金融リテラ シーの実態把握と影響要因の分析」,『金沢星稜大学総合 研究所年報』第 33 号,13-16 ページ。 [2] 北野友士・小山内幸治・西尾圭一郎(2014)「新たな金融 リテラシー概念に基づく大学生の金融リテラシー調査」 『金沢星稜大学総合研究所年報』第 34 号,13-16 ページ。 [3] 金融庁(2004)「初等中等教育段階における金融経済教育 に関するアンケート調査 結果報告書」(http://www.fsa. go.jp/news/newsj/16/sonota/f-20040831-3b.pdf(2004 年 8 月 31 日))。 [4] 栗林敦子・井上智紀(2008)「金融リテラシー計測に関す る試論と考察─生命保険知識の分析から─」『ニッセイ基 礎研究所』第 52 号,23-54 ページ。 [5] 西田小百合・西村佳子・村上恵子(2009)「家計の金融資 産選択行動と統計的素養についての考察」『東海大学紀要 政治経済学部』第 41 号,179-208 ページ。 [6] フィデリティ退職・投資教育研究所(2009)「女性の老後 と資産運用観─アンケート自由回答欄とグループインタ ビューの結果から─」『フィデリティ退職・投資教育研究 所 レ ポ ー ト 』,http://www.fidelity.co.jp/retirement/pdf/ report200909women_interview.pdf(2014 年 12 月 17 日)。 [ 7 ] フィデリティ退職・投資教育研究所(2014)「勤労者 3 万 人の退職準備状況─20 代,30 代の現状と改善へのアプ ローチアイデア」『フィデリティ退職・投資教育研究所レ ポート』,http://www.fidelity.co.jp/retirement/pdf/201405 22.pdf(2014 年 12 月 17 日)。 [8] 文部科学省(2013)『文部科学白書 2012』。 [9] 金融経済教育研究会(2013)「金融経済教育研究会報告 書」,http://www.fsa.go.jp/news/24/sonota/20130430-5. html。 [10] Agnew, S., and N. Harrison (2015), “Financial literacy and student attitudes to debt: A cross national study ex- amining the influence of gender on personal finance con-cepts,” Journal of Retailing and Consumer Services, No.25,

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pp.122-129.

[11] Atkinson, A. and F. A. Messy(2012), “Measuring Finan- cial Literacy: Results of the OECD / International Net-work on Finacial Education(INFE) Pilot Study,” OECD Working Papers on Finance, Insurance and Private Pen-sions, No. 15, OECD Publishing. [12] Bernheim, B. D. , D. M. Garrett, and D. M. Maki (1997), “Education and Saving: The Long-Term Effects of High School Financial Curriculum Mandates”, NBER Working Paper, No. 6085. [13] Jump$tart Coalition for Personal Financial Literacy(2007), National Standards in K-12 Personal Finance Education: With Benchmarks, Knowledge Statements, and Glossary, 3rd Edition.

[14] Mandell, L. (2008), The Financial Literacy of Young American Adults: Results of the 2008 National Jump$tart

Coalition Survey of High School Seniors and College Stu-dents, the Jump$tart Coalition for Personal Financial Lit-eracy.

[15] OECD(2014), PISA 2012 Results: Students and Money (Volume VI), OECD publishing. [16] OECD/INFE(2012), “High-level Principles on National Strategies for Financial Education,” OECD. [17] Peng, T. M., S. Bartholomae, J. J. Fox and G. Cravener (2007), “The Impact of Personal Finance Education De-livered in High School and College Courses”, Journal of Family and Economic Issues, Vol.28, No.2, pp.265-284. [18] Varcoe, K.T., A. Martin, Z. Devitto and C. Go(2005),

“Using A Financial Education Curriculum For Teens”, Financial Counseling and Planning, Vol.16, No.1, pp.63-71.

Title

Devising a Questionnaire for a Financial Literacy Survey of Japanese Undergraduate Students and the Survey Results

Author

Osanai, Koji; Nishio, Keiichiro; Kitano, Yuji

Abstract

  The authors adapted the original Jump$tart college questionnaire to measure the financial literacy for Japanese college students. With this questionnaire, we conducted a financial literacy survey among Japanese students at national and local public universities in July 2015. The results are as follows: (1) Japanese college students had the extremely low rate of correct answers in questions relating to long-term life planning, (2)Male students’ financial literacy was significantly higher than female students’ one, (3) Students majoring in the natural sciences scored significantly higher than did students majoring in the humanities or social sciences, (4)The mean rate of correct answers for American college students was much higher than that for Japanese college students in questions relating to borrowing, credit infor-mation, and taxes, and (5) The American college students also showed excellence in most questions in the cognitive category of “judgement.” Thus, this article concludes that financial education for life plan-ning and decision-making is required for Japanese young people before their graduating from high school.

Keywords

Jump$tart, financial literacy, financial education, financial literacy map

表 12 アメリカと日本の大学生の金融リテラシー得点の比較 本調査 JS調査 ○:同一 △:微修正 ×:改変 問題 日本(%) 米国(%) 分類 10 1 ○ インフレ率が高い期間に最も大きな問題を抱えるのは次のうちどのグループか。 80.6 5.7 判断 11 2 △ 消費税に関して正しいのは次のうちどれか。 95.6 55.9 知識 12 3 ○ 鈴木さんは大学生活のためにアルバイトで 100 万円を貯蓄してきた。翌年には入学予定であり,貯蓄したお金はすべて学費に必要である。彼女のお金をとっておくのに最

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