2019年新卒採用
振り返りワークショップ
株式会社人材研究所 代表取締役社長
自己紹介
曽和利光
1995年 京都大学教育学部教育心理学科卒業 1995年~ 株式会社リクルート入社 人事部にて採用・教育・制度・組織開発等の担当、 HC(Human Capital) ソリューショングループでの 組織人事コンサルタントを経て、 人事部採用グループのゼネラルマネジャーとして最終面接官等を担当 2009年~ ライフネット生命保険総務部長、オープンハウス組織開発本部長等 ベンチャー企業の人事責任者を担当2011年~ 株式会社人材研究所(Talented People Laboratory Inc.)設立 代表取締役社長就任
19卒振り返り=厳しい
その他、重要数字
7 ●7月1日時点で、8割強の内定率 ●インターン学生参加率約7割、企業実施率5割(1万社以上) ●文系は7〜9月で6割、理系は1〜3月で6割(8月、2月ピーク) ●学生の就職活動量は減少 (例:説明会参加社数13社→11社、ES提出社数13社→12社、 適性検査9社→8社、面接は7社で不変) ●本選考はなんでも3月がピーク ●動画説明会・リファラル・スカウトメディア1割未満、紹介1割、リ クルーター2割、適性検査6割、動画面接1%未満、リモート4% ●就活継続率、8月で3割(速報)、10月で1割(ただし2018卒) リクルートキャリア調べ候補者集団形成
ワーク
●候補者集団形成において、苦労したことや、それに対する 工夫について、共有をしてください
対策①
エントリー&未接触者を呼び込む
ナビ エントリー リアル接触 1 2「ファン」採用は採用力を下げる
プレ エントリー リアル 接触 選考 内定 特徴① リアル接触率が少ない(抜けているのは「優秀層」) 特徴② 選考後の歩留まりは高い=うまくいっているように見える□選考受験の
条件
を説明会参加としていないか
□
目的なく
エントリーシートを導入していないか
□履歴書を
初期
の段階で要求していないか
□一度に対応する人数は何が
ボトルネック
に
なってるか(面接官?呼び込み?会議室?)
□エントリー者を無為に
放置
していないか
□
電話
を呼び込みやジャッジにうまく活用しているか
選考プロセス上の「壁」を取り除く
(事例)サイバーエージェント社
サイブラリー
・会社説明会を全て廃止 (年間100回全て) ・地方学生受験数が 2割から5割に増加 ・組織へのインパクトも来てから書かせる簡素なESの例
写真欄は設けてもよい(写真持参は歩留まりを減らさない) 属性欄 この欄の割合の多い領域毎に「これはどういうことか」質問する 情報が足りなければ、選択式アンケートなどを追加しておく プライバシーポリシー「死にリスト化」したものを復活させる
●
途中辞退者、無反応者
のクリーニング
-調べてみると辞退者の方が優秀であることも多い
-辞退理由は「選考がかぶったから」程度のことも
-辞退者は日々クリーニングして一度は再呼び込み
(特に、6月中旬以降のドリームクラッシュ組に対し)
●不合格者の
別職種
での応募案内
落としてはいけない人 (まれに、だめに見えるので注意すべき人) ●緊張度が高い ⇒緊張の理由による -志望度が高過ぎて(まじめタイプに多) -面接者の威圧感や変な質問のせいでは? ※単に対人力が弱い場合は厳しいかも ●夢の無い人 ⇒意欲の低い人にみえる -「幸せのレベルが低い」 -小さなことで喜べるのは、意味づけ力 があるのかもしれない ●特徴が無い ⇒ジャッジ不能 -バランスのとれた人は「丸く」見えて 特徴の無い人に見えることがある -基礎能力高ければ、○の可能性大 ●率直な人 ⇒マイナスが多い人に見える -本当の意味で自信があり、弱さをさらけ 出すことができる(わかってくれるだろう) -体育会的シンプルさ。言葉より行動 ※サービス精神や能力の低さと見分けにくい・・・
対策②
落としてはいけない人を「拾う」
「意欲」
(SPI) 社会的内向性:対人接触面での積極性、社交性 内省性:ものごとを深く考えることを好む傾向 身体活動性:体を動かし、気軽に行動することを好む傾向 持続性:粘り強く、コツコツと頑張り抜く傾向 慎重性:先行きの見通しをつけながら、慎重にものごとを進めようとする傾向 達成意欲:大きな目標を持ち、第一人者になることに価値を置く傾向 活動意欲:行動や判断が機敏で意欲的な傾向 敏感性:神経質で、周囲に敏感な傾向 自責性:不安を感じたり、悲観的になりやすい傾向 気分性:気分に左右されやすく、感情が表にあらわれやすい傾向 独自性:独自のものの見方・考え方を大切にする傾向 自信性:自尊心の強さや強気な傾向 高揚性:調子のよさや楽天的な傾向 言語的理解:文の要素である語の意味を正しく把握し、文章の構成や要旨を的確に理 解する力 論理的思考:すでに獲得した情報をもとに、新しい情報や的確な判断を導き出す力 数量的処理:加減乗除の計算能力や、グラフ・表を正確に解釈する力どちらの「意欲」が評価されるか
○Aさん : 達成意欲(高) > 活動意欲(並)
○Bさん : 達成意欲(並) < 活動意欲(高)
○
面接では
、Aさん>Bさんとなりがち
●ほとんどの人は「相対感」しかない
-面接で絞り過ぎるのは
危険性
が高い
-
4分の1~半分
程度がいいところ
-
「何%上げて」
でも十分通用する
UP率 想定値 時間
「歩留り」全体についての黄金則
落としすぎる リスク 無理して採る リスク 「初期には良い人が来る。その後、合格率は徐々に下がっていく」対策③
紹介による候補者集団形成
(リファラル採用)
●縁故採用(=縁故自体に価値を置く採用)
ではない
●社員や内定者のネットワークを利用して、紹介から
母集団形成を行う手法
●古くて新しい手法で、昔から、日系大手も、
新卒の体育会系や理系研究職採用などでは実施
リファラルの利点
●自社を最初から
志望していない層
にもアプローチ可
●
評価情報の信頼性
が高い(当たりはずれが少ない)
●
定着率
が高い(企業文化へのフィット感を事前に
確認できている)
●
コストパフォーマンス
高い(広告費、紹介フィー不要)
●
インフォーマルネットワーク
の強化
リファラルの難点
●お金を払えばできるという採用手法ではない
●採用担当者の
スキルの修練
が必要
●やればやるほどやりやすくなるが、
最初の起点づくり
が難しい
●
紹介する
モチベーション作りが特に難しい
●やり方を間違えれば、
逆に悪い印象をばらまく
ことに
紹介の募り方における工夫
●内定者や新入社員に個別に会って依頼する ●内定や入社直後など、できるだけ、すぐ紹介を依頼する ●参加者に対し、(ストーカー的に)しつこく入社を勧誘したりしな い等、趣旨を明確に伝え、依頼・紹介者として安心させる ●採用の重要性を説明し、動機づける ●紹介してもらいやすいように、会社やイベントの説明資料等、 簡単に配布できるものを準備する ●紹介された人には、必ず会うダイレクトリクルーティングメディアの活用
●起点となる学生がいない場合、どうするか
●小規模の合同セミナーなどが増加している
●最近ではリクナビスカウトやOffer Boxなど、ダイレク
トリクルーティング(≒スカウト型採用)がしやすいメディ
アが出てきている
●ターゲティング力(ブルーオーシャン)および、採用担
当者のメディアリテラシー(スカウトメール、ブログ、SNS
での投稿)、発信力が求められる
採用体制の構築・マンパワー
ワーク
●採用体制を構築することや、人手を確保することで、苦労した ことや、工夫したことを共有してください
対策
オーディション型採用の効率化
●最大限、追加施策にパワーを注げるように、
オーディション型で用いるパワーは
最小化・効率化
する
●効率化方法のいろいろ
-
RJP(Realistic Job Preview)
によるセルフ
スクリーニングの実施
-
適性検査の厳格化
による母集団早期絞り込み
-
TELジャッジ
の実施
RPOできる業務
29 母集団形成 ●最終面接以外「全部」 動機形成 選考 口説き ・求める人物像設計 ・集客チャネル選定 ・採用広報コンテンツの策定 ・エージェントマネジメント ・スカウトメール代行 ・リファラルにおけるリスト収集 ・採用イベント企画 (会社説明会、インターン) ・採用イベント運営 (アテンド、スピーカー) ・個別面談/フォロー ・書類選考/ES選考 ・適性検査実施、選考 ・面接代行 ・行動観察 (グループディスカッション等) ・リクルーター 後工程になればなるほど 内製化が進むRPOの効能
●採用担当の負荷軽減によるコア業務(戦略立案/最終面接/口説き等)に 集中することができる ●他社や市場のことを知っている「採用のプロ」に任せることで、負荷軽減だけでは なく、ノウハウの提供も同時に行ってもらえる(cf:ERP) -人事は自社のプロ -RRO会社は採用手法や採用市場についてのプロ(ex:歩留まり比較等) ●ノウハウの形式知化 -外部化すると、定例会などでの報告業務も同時発生 -第三者が入ることで、「あうんの呼吸」でなく、きちんと言語や数字で明確化 ※RPOするからこそ、ノウハウが溜まる ●コストの低減 -一時費用はかかっても、閑散期にはかからないため、最終コストは減ることも内定受諾率の向上
ワーク
●内定の出し方や、内定者のフォロー、辞退の防止などで、 苦労したことや工夫したことを共有してください
まず、内定を出す前からフォローする
●内定をもらう前からフォローをしている企業は強い
●選考中は、人事の顔をし、内定を出すと擦り寄る
というのでは、学生は冷めてしまう
●最終面接前からフォローを開始し、「最終面接を
一緒にがんばろう」という共闘のスタンスで
対策①
「最終面接」と呼ぶのかどうか
●学生に、どのタイミングで会社として内定を出すかの
最終判断をしているかを伝える
必要性があるか
●採用倫理やレピュテーションの問題は重要
●「最終面接」と呼ばず、「次の面接」「○回目の面接」
と呼べば、志望度の低い学生を次に呼べる可能性
が高くなる(=内定を出すともう来てくれない)
対策②
「最終面接合格」と「内定」の区別
●
「最終面接合格」≠「内定」
。「内定」は企業を拘束し
学生を自由にさせる。軽く出す内定は軽い
●「選考は合格、後は
あなたの意思次第
。意思確認の
面接後に正式に内定を出す」
●
「オワハラ」
(「就活終われハラスメント」)にならない
ように注意する
対策③
1 to 1 での丁寧な内定出し
●内定を伝えるのは、必ず内定者と
リレーション
のある
人事担当者か、もしくは内定付与の権限を持つ
責任者
クラスの方が行う
●機械的にメール・電話等で
あっさりと内定告知しない
●「
呼ぶ
」「面接の感想・就活状況・気持ちを聞く」「入社
意思」が
高まっていたら
内定
●
重要感
を演出。「握手」「お祝いの食事」「書面」
対策③
意思決定スタイルで内定出し方法を変える
論理型 (HIERARCHIC) 統合型 (INTEGRATIVE) 決断型 (DECISIVE) 柔軟型 (FLEXIBLE) 多くの情報から熟慮 少ない情報から仮説検証 初 志 貫 徹 / 一 つ に 決 め る 臨 機 応 変 / 選 択 肢 を 残 す 多量・継続的に情報 提供しながら待つ 噂・デマに対して 「予防注射」を行う 情報を取捨選択し、 矛盾ないストーリーで 押しの一手。 タイミングを逃さない「入社動機はドラマティックに語れ」
●WHAT(何が好きなのか) -「人が良い」「風通しが良い」というような抽象度の高い話で 終わらない。もっと具体的なレベル(「どんな風に良いのか」) へブレイクダウンする ●WHY(なぜ好きなのか) -「なぜ」「あなたが」そう思うのか、という「自分の話」をする。 「事業説明」「仕事説明」で終わってはいけない -生育史などから「どうしてそうなったのか」についても語るその他、磨くべきフォロートーク
●特にスカウト型採用では「口説き力」をつけておかないといけない C ・事業・仕事・・・「ビジネスモデル」は学生には刺さらない。 「社会的意義」もしくは「知的好奇心」に訴える ・組織風土・・・「風通しが良い」等の抽象的な言葉ではダメ。 「象徴的な事実」「社内でよく使われる言葉」を ・ネック・・・・否定する場合、数字や事実できっぱりと。 肯定しなければならない場合は、 「問題認識×対策」か「トレード・オフ」を伝えるインターンシップ
ワーク
●インターンシップで苦労したこと、工夫したことを共有してください (15分)