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2. 事例 Q&A [1] 公的年金制度の仕組み Q. 私は昭和 37(1962) 生まれの男性で 現在 55 歳のサラリーマンです 何歳からどのような年 金が受け取れるのでしょうか A. 65 歳から老齢基礎年金と老齢厚生年金が それに加えて配偶者が 65 歳になるまで加給年金が 支給されます 確

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公的年金制度に関する最近の相談事例

水野高太郎

相談部 東京相談室 老後のライフプランを考えるうえで、公的年金制度は、非常に重要な役割を果たして いますが、その制度の内容を理解することは大変難しいものです。 今回は、みずほ総合研究所相談部に寄せられる相談事例を通して、公的年金の基礎を 解説します。

1. はじめに

公的年金制度は、現役世代の支払う保険料と国庫負担(税金)により、安定的に運営されています(社 会保険方式)。老後の収入面からの生活実態を見ると、高齢者世帯の 55.0%が公的年金や恩給のみで生 活をしています(図1)。また、65 歳以上の高齢者世帯の平均所得 297.3 万円の 67.5%を公的年金が占 めるなど、老後の生活における重要な柱となっています(図2)。 すべて公的年金・ 恩給の世帯 [55.0%] 80~100%未満の 世帯[13.0%] 60~80%未満の 世帯[11.5%] 40~60%未満の 世帯[11.5%] 20~40%未満の 世帯[5.8%] 20%未満の世帯 [3.2%] ■図1 公的年金・恩給が総所得に占める割合 公的年金・恩給 [200.6万円/67.5%] 稼働所得 [60.2万円/20.3%] 仕送り・企業年金・ 個人年金・その他 [16.6万円/5.6%] 財産所得 [15.3万円/5.2%] 公的年金・恩給以外の 社会保障給付 [4.5万円/1.5%] ■図2 高齢者世帯の平均所得に占める公的年金の割合 資料:厚生労働省 国民生活基礎調査(平成27年) 2018.10.15

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2018.10.15

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2. 相談事例Q&A

[1]公的年金制度の仕組み

Q. 私は昭和37(1962)生まれの男性で、現在55歳のサラリーマンです。何歳からどのような年 金が受け取れるのでしょうか。 A. 65歳から老齢基礎年金と老齢厚生年金が、それに加えて配偶者が65歳になるまで加給年金が 支給されます。 わが国においてすべての国民は、国民年金に加入することになっています。厚生年金の被保険者、お よびその配偶者も国民年金の被保険者であり、厚生年金加入者であるサラリーマンや公務員などは、2 つの年金に同時に加入することになっていることから、「2階建て構造の公的年金制度」と呼ばれてい ます(図3)。 例えば、厚生年金に加入しているサラリーマンや公務員は「第2号被保険者」と呼ばれていますが、 「老齢」を事由とする年金を受け取る場合は、1階部分の国民年金の老齢基礎年金と2階部分の老齢厚 生年金を受け取ることとなります。保険料は、報酬額に応じて労使で折半して納付しています。さらに 企業や個人の任意加入による企業年金や、厚生年金基金など公的年金に上乗せして受け取れる年金もあ ります。第2号被保険者に扶養されている配偶者は「第3号被保険者」と呼ばれ、保険料の負担はあり ません。 2階部分の老齢厚生年金は、加入期間が1カ月以上ある人が、65 歳から受け取ることができます。 なお、厚生年金については、男性は昭和 36 年4月1日以前に、女性は昭和 41 年4月1日以前に誕生日 のある人は、生年月日によ って 65 歳以前でも特別支 給の老齢厚生年金を受給 することができます。 加給年金は、厚生年金 加入期間 20 年以上の年 金受給者に生計を維持さ れる 65 歳未満の配偶者、 18 歳未満の子供、20 歳未 満の1級・2級の障害を もつ子供がある場合には、 各 224,300 円(3人目の 子 か ら の 年 金 額 は 各 74,800 円)が加算されま す。さらに配偶者特別加 算として 165,500 円が加 算されます。 上 乗 せ 年 金〈 2 階〉 基 礎 年 金〈 1 階〉 付 加 年 金 国 民 年 金 基 金 確定拠 出 年 金 ( 個 人 型 ) 厚生年金 厚生年金基金 国民年金 第1号被保険者 〈自営業者など〉 第2号被保険者 〈サラリーマン〉〈公務員〉 第3号被保険者 〈第2号被保険者 の配偶者〉 ■図3 年金制度の体系

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[2]年金の支給額

Q. 私は40代のOLです。学校を卒業して以来20年間、厚生年金に加入してきました。将来、年金 はいくらもらえますか。 A. 年金の支給額については、毎年1回、誕生月に届く年金定期便に、老齢年金の種類と1年間 の受取り見込額などが記載されていますので、そちらでご確認ください。 老齢基礎年金の支給額は、保険料を払った月数により決まりますが、老齢厚生年金の支給額は、加入 した期間と、その間の平均標準報酬月額等により決まります。標準報酬月額とは、被保険者が受け取る 給与(基本給のほか残業手当や通勤手当などを含めた税引き前の給与)を一定の幅で区分した報酬月額 に当てはめて決定した標準報酬月額を、保険料や年金額の計算に用います。 老齢厚生年金の支給額は、標準報酬月額などから計算された報酬比例部分と、下記計算式により計 算された経過的加算に加え、該当する場合に支給される加給年金を合計したものとなります。標準報 酬月額などは、「ねんきん定期便」(5ページ参照)で確認します。

[3]セカンドライフプラン

Q. 私は58歳のサラリーマンです。私の会社は60歳定年で、65歳までは嘱託で雇用を継続してく れます。また希望があれば70歳まで働くことも可能です。年金について、繰り下げ受給、あ るいは繰上げ受給という制度があると聞きましたが、どのような制度でしょうか。 A. 65歳から受け取る老齢基礎年金と老齢厚生年金について、一部、あるいは全部を1カ月単位 で受給を早める、あるいは遅らせることができる制度です。受給を早めることを「繰上げ受 給」といい、1カ月繰上げるごとに0.5%が減額されます。一方、受給を遅らせることを「繰 下げ受給」といい、1カ月繰下げるごとに0.7%が加算されます。 サラリーマンの場合は、60 歳定年で退職金をもらい、65 歳まで再雇用で働くケースが多いと思いま す。この時に、受け取る退職金を一時金で受け取る方法と、60 歳から 70 歳まで 10 年確定給付年金で 受け取る方法、あるいは一時金と年金の併用で受け取ることができるケースがあります。 ここで注意しなければならないのは、一時金で受け取る場合は、退職所得控除が使えますが、年金で 779,300円 × 保険料納付済 月数 全額免除月数 × 4/8 半額納付 月数 × 6/8 4分の3納付 月数 × 7/8 4分の1納付 月数 × 5/8 + + + + 40年(加入可能年数)×12カ月 ■老齢基礎年金の計算式(昭和16年4月2日以降生まれの人) 1,652円 × 生年月日に応じた乗率(1~1.875) × 被保険者期間月数(上限480カ月) - 779,300円 × 被保険者月数 加入可能年数 × 12 ■経過的加算の計算式

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受け取る場合は、公的年金控除を差し引いた残りが雑所得として課税されます。まずは、60 歳から 65 歳、65 歳から 70 歳、70 歳以降と3段階に分けて、平均余命などを参考にして、セカンドライフプラン を考えるのがよいかと思います。 ライフプランを作成するときのコツは、まず毎月の支出を固めることです。一方、収入については、 実際に見込まれる収入を入れていきます。そこで生じる過不足については、場合によっては現役世代か ら計画的に貯蓄する必要があります。 退職金、年金の受取り方については、老齢基礎年金、老齢厚生年金を 70 歳まで繰下げたうえで、退 職金の一部を所得税のかからない公的年金控除の範囲で年金形式で受給するのも1つの方法かと思い ます。 繰上げ受給 最大 60 歳まで繰上げることができます。60 歳まで繰上げると減額率 30%となり、 生涯減額された年金額が支給されることとなります。60 歳まで全額を繰上げた場 合、76.6 歳以上長生きすると生涯で受け取れる年金受取額は、65 歳から受け取っ た場合に比べて少なくなります。 繰下げ受給 最大 70 歳まで繰下げることができます。70 歳まで繰下げると 42%の増額率とな り、生涯増額された年金を受給することとなります。最大 70 歳まで全額を繰下げ た場合、82 歳以上長生きしないと生涯で受け取れる年金額は、65 歳より受け取っ た場合に比べて少なくなります。なお繰下げ対象額は、働いている場合は在職老 齢年金の仕組みを適用した場合に受け取れる金額であり、在職老齢年金が適用さ れる前に支給される老齢厚生年金の全額ではありません。

[4]遺族年金

Q. 老齢厚生年金を受給している夫が亡くなりました。遺族年金は受け取ることができますか。 なお、私は独身時代会社に勤務した経験があり、主人ほどではありませんが、厚生年金を受 給しています。また、私たち夫婦には未成年の子供はおりません。 A. 遺族厚生年金を受け取ることができます。ただし、奥様自身が老齢厚生年金を受給している 場合、遺族厚生年金は奥様の老齢厚生年金の額が支給停止となります。 一家の生計を支えている人が万一死亡してしまったときに、失う収入を公的に補うものとして「遺族 年金」があります。「遺族年金」も2階建てとなっており、遺族基礎年金(1階部分)は国民年金から、 遺族厚生年金(2階部分)は、厚生年金保険から支給されます。 遺族基礎年金は、被保険者または受給資格期間が 25 年以上ある人が亡くなったときに、18 歳到達年度 の末日を経過していない子、あるいは 20 歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の子を持つ配偶者 に支給されます。遺族厚生年金は、被保険者が死亡したとき、老齢厚生年金の受給資格期間が 25 年以上 ある者が死亡したとき、あるいは1級・2級の障害厚生年金を受けられる者が死亡したときに遺族に支 給されます。遺族とは、配偶者、子供、父母、孫、祖父母で、妻は年齢に関係なく遺族となります。 遺族年金は、①死亡した人が確かに保険料を納付していたこと(保険料納付要件)と、②遺族が死亡 した人により生計を維持されていたこと(生計維持要件)――という、遺族の受給要件の両方が充たさ

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【自身の年金】 【遺族年金】 老齢厚生年金 老齢基礎年金 支給 支給停止 (老齢厚生年金の相当額) 遺族基礎年金 遺 族 厚 生 年 金 れた場合に支給されます。 保険料の未納がある場合は、保険料納付要件を充たせず、遺族年金が支給されないケースもあります。 したがって、失業して収入がない期間など保険料の納付が困難な場合は、保険料免除の申請(免除申請) をしておくことが肝要です。この免除申請をしておかないと、保険料の納付を怠っていたとして保険料 未納と扱われることになるので十分に留意する必要があります。 65 歳以上の遺族厚生年金の 受給権者が、自身の老齢厚生年 金の受給権がある場合は、自身 の老齢厚生年金が全額支給と なり、遺族厚生年金は、老齢厚 生年金をに相当する額が支給 停止となります。 国民年金、厚生年金に加入している人に1年に一度、誕生月に年金制度の加入記録などが記された「ね んきん定期便」が郵送されます。その内容は以下のとおりです。 【1】35 歳、45 歳、59 歳の人 節目となる 35 歳、45 歳、59 歳を迎える年には、大型の封筒に入った年金定期便が届きます。封筒 を開くと ①これまでの年金加入期間 ②加入実績に応じた年金額(35 歳、45 歳)、老齢年金の見込み額(59 歳) ③年金加入歴 ④これまでの標準報酬月額と納付保険料 などが記されています。 【2】上記【1】以外の人 シール式のハガキが届きます。ハガキを開くと ①これまでの年金加入期間 ②加入実績に応じた年金額(50 歳未満)、老齢年金の見込み額(50 歳以上) ③これまでの納付保険料額 ④最近の月別の加入状況 などが記されています。 年金定期便が届いたら、年金の加入歴を十分に確認しましょう。万一、記録に漏れや誤りがあったら、 同封されている年金加入記録回答票を提出するか、最寄りの年金事務所に相談するとよいでしょう。 みずほ総合研究所 相談部東京相談室 03-3591-7077 / 大阪相談室 06-6226-1701 https://www.mizuho-ri.co.jp/service/membership/advice/ 本情報は、法律、会計、税務などの一般的な説明です。個別具体的な法律上、会計上、税務上等の判断や対策などについては専門家 (弁護士、公認会計士、税理士など)にご相談ください。また、本情報の全部または一部を無断で複写・複製(コピー)することは著作権法 上での例外を除き、禁じられています。 内容は2018年3月19日時点の情報に基づいて作成されたものです。 ねんきん定期期便の見方

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