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(1)

山口市の定住人口を増やすには

~そこに住む人が主役で、誰もが誇れるまち~

平成 22 年 11 月 1 日

政策研究グループ

最上 剛志 一村 昭 梨木 寛史 岡本 和宏

(2)

はじめに

わが国は急速な少子高齢化の進行とともに、人口減少時代を迎え、経済環境の悪化 や行政負担の増大など、様々な問題が顕在化してきています。 本市においても、今後急激な人口減少が見込まれる中、人口問題への対応は喫緊の 課題であると言えます。 今回、私たち政策研究グループは、「山口市の定住人口を増やすには」というテーマ 設定のもと、山口市の現状分析からはじめ、人口問題への対応策について検討を行っ てきました。 その一方で、定住人口の問題は、山口というまちの姿をぬきに考えることはできず、 私たちが「目指すべきまちの姿」は何なのかという議論も合わせて行ってきました。 本報告には、「そこに住む人が主役で、誰もが誇れるまち」というサブタイトルをつけ ましたが、定住人口の問題を考察するとともに、それを通じて私たちが目指すべきま ちの姿についても明らかにしています。 なお、今回の政策研究を進めるにあたっては、山口市市民活動支援センター「さぽら んて」や「ほっとさろん西門前てとてと」のスタッフの方々をはじめ、まちづくり活動や子育て に携わる多くの方々から御協力、御助言をいただきました。この場を借りて、厚くお礼申 し上げます。 平成22年11月1日 政策研究グループ 一同

(3)

目 次

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1

Ⅰ 山口市を取り巻く環境

1.少子高齢化の進行 2.経済環境の悪化 3.行政負担の増大 4.地域コミュニティの変化

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13

Ⅲ 目指すべきまちの姿

Ⅱ 定住人口増加の必要性

1.定住人口増加の施策検討にあたって 2.どうやって定住人口を増加させるか 3.目指すべきまちの姿とは 4.定住人口増加までの過程

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16

Ⅳ 戦略と視点

1.SWOT分析による戦略の立案 2.「目指すべきまちの姿」の実現に向けた3つの視点 3.戦略と3つの視点から導き出される施策

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23

Ⅴ 具体的施策

1.山口ほうめんブランド化計画~やまぐちのB級グルメの推進~ 2.デニムファッションの産地化推進 3.メディアアートによる(観光)産業振興 ~YCAMと湯田温泉のコラボレーション~ 4.子育ち支援・共助の推進 5.地域資源を活用したニューツーリズム創出による観光産業振興 及び農山漁村地域活性化 6.地元観光農園等を活用した体験型・交流型観光、地産地消の推進 7.アンパンマンこどもミュージアムの誘致

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40

Ⅵ 各施策の相乗効果と目指すまちの実現

(4)

山口市を取り巻く環境

本市の定住人口について議論する上で、本市を取り巻く環境がどのようになってい るのか、今後どのように変化していくのか状況把握が重要になります。 以下は、将来人口推移・構造変化を始めとした特に影響があると思われるものに注 目して、課題背景を整理しています。

1.

少子高齢化の進行

国立社会保障・人口問題研究所の統計データによれば、わが国の人口は、平成19 年まで増加していますが、今後は減少過程に入り65歳以上の高齢者の人口割合がさ らに上昇し、15歳未満の子どもの人口割合が減少していくことが予想されています。 総人口および人口増加:1872~2007年 年平均人 自 然 増 加 そ の 他 の 増 加 口増加率 (1,000人) 総 数 出 生 死 亡 総 数 入国超過 (%) 1872 (明治 5) 1) 2) 34,806 1900 (明治33) 1) 3) 43,847 9,041 0.83 1920 (大正 9) 55,963 12,116 … … … 1.23 1925 ( 14) 59,737 3,774 3,935 10,375 6,440 -161 50 1.31 1930 (昭和 5) 64,450 4,713 4,726 10,796 6,070 -13 49 1.53 1935 ( 10) 69,254 4,804 4,913 10,938 6,025 -109 -237 1.45 4) 年 次 人  口 人  口  増  加  数 (1,000人) 総 数 1940 ( 15) 71,933 2,679 4,316 10,513 6,197 -1,637 -1,384 0.76 1945 ( 20) 5) 72,147 8) 214 4,038 10,964 6,926 -3,824 -3,233 0.06 1947 ( 22) 6) 78,101 5,954 1,666 4,199 2,533 4,288 4,472 4.04 1950 ( 25) 83,200 5,098 4,986 7,813 2,827 112 501 2.13 1955 ( 30) 89,276 6,076 5,936 9,806 3,870 140 44 1.42 1960 ( 35) 93,419 4,143 4,676 8,256 3,580 -533 -86 0.91 1965 ( 40) 98,275 4,856 4,943 8,420 3,477 -87 -41 1.02 1970 ( 45) 103,720 5,445 5,601 9,051 3,451 -156 12 1.08 1975 ( 50) 111,940 9) 8,220 6,655 10,190 3,535 1,565 -42 1.54 1980 ( 55) 117,060 5,121 5,491 8,989 3,498 -370 -54 0.90 1985 ( 60) 121,049 3,989 4,072 7,723 3,652 -83 7 0.67 1990 (平成 2) 123,611 2,562 2,976 6,814 3,837 -414 -43 0.42 1995 ( 7) 125,570 1,959 1,858 6,126 4,268 101 -17 0.31 2000 ( 12) 126,926 1,356 1,386 6,045 4,660 -30 -22 0.21 2005 ( 17) 127,768 842 641 5,712 5,071 201 75 0.13 2006 ( 18) 7) 127,770 2 0 1,090 1,090 1 1 0.00 2007 ( 19) 7) 127,771 1 -2 1,101 1,103 4 4 0.00 出典:国立社会保障・人口問題研究所統計データ

(5)

人口ピラミッドデータ(2010、2045) 出典:国立社会保障・人口問題研究所 山口市においても、国立社会保障・人口問題研究所のデータによれば、25年後の 2035年(平成47年)には約2万人の人口減少が予想されます。 69歳までの年齢層が減少していきますが、特に20歳から24歳、35歳から 39歳までの年齢層の人口減少が著しいのに対して、70歳以上の高齢者層は増加す る結果になっております。 また、25年後の人口構造をみると、老年人口(65歳以上)の占める割合は、 32.4%まで上がることになり、年少人口(0~14歳)、生産年齢人口(15~ 64歳)の割合は相対的に低下する予想結果になります。 山口市の将来人口推移 0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 14,000 16,000 18,000 0 ~ 4 歳 5 ~ 9 歳 1 0 ~ 1 4 歳 1 5 ~ 1 9 歳 2 0 ~ 2 4 歳 2 5 ~ 2 9 歳 3 0 ~ 3 4 歳 3 5 ~ 3 9 歳 4 0 ~ 4 4 歳 4 5 ~ 4 9 歳 5 0 ~ 5 4 歳 5 5 ~ 5 9 歳 6 0 ~ 6 4 歳 6 5 ~ 6 9 歳 7 0 ~ 7 4 歳 7 5 ~ 7 9 歳 8 0 ~ 8 4 歳 8 5 歳~ 年齢層 人口 2010年 2035年 国立社会保障・人口問題研究所データから作成 山口市人口割合 23.7 29.2 32.4 60% 80% 100% 老年人口(65歳以上) 生産年齢人口(15~64歳) 年少人口(0~14歳)

(6)

2.

経済環境の悪化

わが国の経済情勢において、景気は持ち直しているという報道も一部ありますが、 海外景気の下振れ懸念や為替レート・株価の変動などにより、景気が下押しされるリ スクも残っています。また、依然として高い水準の失業率、デフレの影響などから、 今後の見通しはたっていません。 また、大都市に経済活動が集積する中、地方都市では経済の縮小が予想され、本市 においても例外ではありません。県庁所在地としてサービス産業が中心である産業構 造で地域経済をけん引する産業が十分にない中、外部環境の変化が山口市経済にさら に悪影響を及ぼすことも予想されます。 (1)雇用情勢 山口市の有効求人倍率は平成20年度に全国平均を上回ったものの、平成18年度 以降1倍を下回っており、低い水準で推移しています。 また、各年の3月末に卒業する学生に対する求人と求職の状況を県内と県外とで比 較すると、県内での求職数については、平成21年に大幅に減少し平成22年はほぼ 横這いで推移しています。対して求人数についても求職数に比例して減少しており、 平成21年から求人倍率は 1 倍を割り、県内での就職については厳しい状況であると 考えます。 一方で、県外企業からの求人は大幅に減っているものの、依然として求職数以上あ ることから、求人倍率は高い水準で推移しています。 このことから、若い労働者が県外に流出する恐れがあることが考えられます。

有効求人倍率

0.98

1.06

1.02

0.77

0.45

0.54

1.12

1.10

1.06

0.93

0.64

1.02

0.96

0.85

0.81

0.55

0.54

0.66

0.40 0.50 0.60 0.70 0.80 0.90 1.00 1.10 1.20 17年度 18年度 19年度 20年度 21年度 22年度(8月現在) (倍) 全国 山口県 山口市 新規高等学校卒業者の求人・求職状況(山口県)

(7)

県内

1.26 0.83 0.82 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 平成20年 平成21年 平成22年 (人) 0.00 0.20 0.40 0.60 0.80 1.00 1.20 1.40 求人 求職 求人倍率

県外

6.96 3.87 3.06 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 平成20年 平成21年 平成22年 (人) 0.00 1.00 2.00 3.00 4.00 5.00 6.00 7.00 8.00 求人 求職 求人倍率

合計

2.38

1.52

1.29

0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 平成20年 平成21年 平成22年 (人) 0.00 0.50 1.00 1.50 2.00 2.50 求人 求職 求人倍率

(8)

(2)商業 山口市の小売業・卸売業の状況について、事業所数は直近調査年の平成19年には、 前回調査の平成16年から約200事業所の減少となっており、13年前の平成6年 と比較すると約400事業所の減少となっています。 また、年間商品販売額については、平成9年が最大で約8,350億円で、平成 19年には約7,140億円となっており、減少幅は1,210億円にものぼります。 従業者数については平成16年まで増加傾向にありましたが、平成19年には減少 しています。 同様に、小売業のみの年間商品販売額についてみると平成9年が最大で 約2,325億円で平成19年には2,109億円となっており、約216億円減少 しています。 それに対して売場面積は年々増加傾向にあり、平成19年には約30万㎡の売り場 面積を有するようになっています。 ここから、各年の販売効率を算出すると、平成19年には68万円/㎡まで落ち込 んでおり平成6年の105万円/㎡から35%悪化していることがわかります。

山口市の小売業・卸売業

2 951 2 796 2 728 2 754 18 522 18 737 19 296 19 634 2 552 18 926 8 355 7 608 7 713 7 145 8 263 2 000 4 000 6 000 8 000 10 000 12 000 14 000 16 000 18 000 20 000 22 000 (事業所数、人) 6 400 6 600 6 800 7 000 7 200 7 400 7 600 7 800 8 000 8 200 8 400 8 600 事業所数 従業者数 年間商品販売額 事業所数 2 951 2 796 2 728 2 754 2 552 従業者数 18 522 18 737 19 296 19 634 18 926 年間商品販売額 82 625 217 83 553 973 76 081 269 77 132 901 71 446 961 平成6年 平成9年 平成14年 平成16年 平成19年 年間商品販売額 (億円) 商業統計調査データから作成

(9)

山口市の小売業

2,049 2,326 2,171 2,240 2,109 194,940 243,098 274,376 292,118 308,079

1,900

1,950

2,000

2,050

2,100

2,150

2,200

2,250

2,300

2,350

0

50,000

100,000

150,000

200,000

250,000

300,000

350,000

年間商品販売額 売場面積  年間商品販売額 20,490,925 23,257,172 21,705,608 22,397,238 21,092,312 売場面積  194,940 243,098 274,376 292,118 308,079 平成6年 平成9年 平成14年 平成16年 平成19年 売り場面積(㎡) 年間商品販売額(億円) 商業統計調査データから作成 ○各年の販売効率(1㎡あたりの年間商品販売額) 平成6年 平成9年 平成14年 平成16年 平成19年 販売効率 105 万円/㎡ 95 万円/㎡ 79 万円/㎡ 76 万円/㎡ 68 万円/㎡ 経済環境について整理をすると、推計どおりの人口減少が進むことによって、まち のにぎわいや需要の低下が発生し、それは企業の売上低下を引き起こし、企業の流出 や経営リストラから雇用の喪失、最終的には人口減少に帰結するという負のスパイラ ルに陥るのではないかと推測されます。

負のスパイラル

にぎわい、需要の低下

雇用喪失による

更なる人口の減少

企業の売上低迷

(10)

3.

行政負担の増大

先に述べたように人口減少や人口構造が変化する中で行政負担の構造も変化してい くことが考えられます。 ここでは、生産年齢人口の減少による税収入の減少、老年人口増加による扶助費や 繰出金の増加について、以下の前提条件を基に割り出しています。 なお、本シミュレーションは、あくまでも各種施策が現状のまま継続されることを 前提としたものであるため、将来的な施策の変更や社会情勢の変化、法令その他の制 度等の変更による財政面への影響は見込んでいません。 【前提条件】 ①歳入科目 ・個人市民税(所得割・均等割)は、生産年齢人口に属する住民が納める割合が 高いものであるため、生産年齢人口の増減と連動するものとした。 ・生産年齢人口一人当たりの平均額については、平成21年度実績値を基に算出。 算出に当たって減免等は考慮せずに、人口推計での数値を採用する。 ○生産年齢人口1人当たり平均額 (単位:百万円) 個人市民税 H21実績値 生産年齢人口 1人当たり平均額 所得割 9,156 124,154 0.074 均等割 265 124,154 0.002 ・経済成長率については、山口県内の過去5年の平均値から算出。なお、算出に 当たっては実質経済成長率で算出した。 15年度 16 17 18 19 平均 経 済 成 長 率 (実 質) △ 0.9 1.8 3.8 △ 0.7 2.1 1.2 ○経済成長率 出典:山口県「平成19年度県民経済計算」 ②歳出科目 ・老人福祉費など老年人口との相関関係が強い科目について、老年人口の増加と連 動するものとした。

(11)

③人口推移と増減率 ・H21は市の推計値を採用した。 ・H27以降については国立社会保障・人口問題研究所の将来人口推移を採用し、 各年齢層の増減率を算出した。 ○人口推移 H21 H27 H32 H37 H42 H47 0~14歳 28,029 24,417 21,961 20,379 19,529 18,746 15~64歳 124,154 119,142 115,426 111,658 107,383 102,351 65歳~ 46,795 53,677 56,661 57,823 58,039 58,129 合 計 198,978 197,236 194,048 189,860 184,951 179,226 0~14歳 -12.89% -10.06% -7.20% -4.17% -4.01% 15~64歳 -4.04% -3.12% -3.26% -3.83% -4.69% 65歳~ 14.71% 5.56% 2.05% 0.37% 0.16% 推計人口(人) 増減率(%) H21:市推計 H27以降は人口問題研究所推計 【算出方法】 将来における地方税、扶助費、繰出金の算出方法は以下のとおり。 個人市民税(所得割) 生産年齢人口1 人当り平均額×将来の生産年齢人口×経済成長率 個人市民税(均等割) 生産年齢人口1 人当り平均額×将来の生産年齢人口 老人福祉費 平成21年度実績×老年人口の伸び率 生活保護費(65歳以上) 平成21年度実績×老年人口の伸び率 その他 平成21年度実績と同様 後期高齢者医療特別会計 老人保健事業会計 介護保険事業会計 その他 平成21年度実績と同様 ○人口移動に関する推計科目の算出方法 繰出金 平成21年度実績×老年人口の伸び率 地方税 扶助費 歳入 歳出 【算出結果】 山口市の平成21年度決算額をベースに、将来の歳入、歳出を算出した結果は以下 のとおりです。 歳入について、個人市民税が平成21年度の9,156百万円から平成47年度に は7,665百万円と1,491百万円の税収入減となることになります。 歳出については、扶助費(老人福祉、生活保護)・繰出金(後期高齢者医療、老人保 健、介護保険)が平成21年度の3,317百万円から平成47年には4,120百 万円と803百万円の支出増となることになります。 また、歳入歳出の財政収支をみると、平成32年度から赤字に転じて、平成47年 には約10億円を超える赤字になるという試算になり、市の財政も厳しい状況が見て

(12)

H21 H27 H32 H37 H42 H47 26,847 26,587 26,301 26,011 25,682 25,296 個人市民税(所得割) 9,156 8,922 8,644 8,362 8,042 7,665 個人市民税(均等割) 265 238 231 223 215 205 個人市民税計(A) 9,421 9,161 8,875 8,585 8,256 7,870 15,415 15,415 15,415 15,415 15,415 15,415 15,735 15,735 15,735 15,735 15,735 15,735 7,880 7,880 7,880 7,880 7,880 7,880 11,053 11,053 11,053 11,053 11,053 11,053 76,930 76,670 76,384 76,094 75,765 75,379 124,154 119,142 115,426 111,658 107,383 102,351 (単位:百万円) 生産年齢人口

○歳入

国庫・県支出金 市 債 その他 歳入合計 地方税 地方交付税 H21 H27 H32 H37 H42 H47 9,602 9,752 9,817 9,842 9,847 9,849 老人福祉費 270 310 327 334 335 335 生活保護費 749 859 907 926 929 930 老年人口支出計(B) 1,019 1,169 1,234 1,259 1,264 1,266 その他 8,583 8,583 8,583 8,583 8,583 8,583 11,707 11,707 11,707 11,707 11,707 11,707 6,095 6,433 6,579 6,637 6,647 6,652 後期高齢者医療特別会計 老人保健事業会計 489 561 592 604 606 607 介護保険事業会計 1,809 2,075 2,190 2,235 2,244 2,247 老年人口支出計(C) 2,298 2,636 2,782 2,840 2,850 2,855 その他 3,797 3,797 3,797 3,797 3,797 3,797 48,296 48,296 48,296 48,296 48,296 48,296 75,700 76,188 76,399 76,482 76,497 76,503 14.71% 5.56% 2.05% 0.37% 0.16% 3,317 3,805 4,016 4,099 4,114 4,120 6,104 5,356 4,859 4,486 4,142 3,749 財政収支(歳入-歳出) 1,230 482 △ 15 △ 388 △ 660 △ 1,057 老年人口支出計(D=B+C) 差額(A)-(D) 老年人口伸び率 繰出金 その他 歳出合計 扶助費 公債費

○歳出

(13)

山口市財政の見通し

76,930 76,670 76,384 76,094 75,765 75,379 75,700 76,188 76,399 76,482 76,497 76,503 1,230 482 -15 -388 -660 -1,057 -1,500 -1,000 -500 74,500 75,000 75,500 76,000 76,500 77,000 77,500 H21 H27 H32 H37 H42 H47 0 500 1,000 1,500 歳入合計 歳出合計 個人市民税、老年人口支出の推移 6,104 5,356 4,859 4,486 4,142 3,749 9,421 9,161 8,875 8,585 8,256 7,870 3,317 3,805 4,016 4,099 4,114 4,120 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000 9,000 10,000 H21 H27 H32 H37 H42 H47 差額(A)-(D) 個人市民税(A) 老年人口支出計(D=B+C) (百万円) 財政収支(歳入-歳出)

(14)

4.

地域コミュニティの変化

市民のライフスタイルや価値観の変化に伴い、物質的な豊かさから精神的な豊かさ が求められるようになり、これまでのような行政による公平・画一的な公共サービス の提供だけでは、十分に市民ニーズに対応できなくなってきました。 また、都市部では、都市化や核家族化の進展などにより、地域の連帯感やふれあい が薄れる部分もあり、また農村部では地縁の繋がりは強いものの次の担い手不足が課 題にあります。 そういった中で福祉・環境・教育など、多様化する地域課題を地域の人たちが自ら の問題として捉え、解決に向けて積極的に取り組む『地域コミュニティ』が求められ ていますが、人口減少・構造変化が『地域コミュニティ』に悪影響を及ぼす可能性も 考えられます。

地域コミュニティの必要性

市民のライフスタイル(生活様式)や価値観の変化

少子・高齢化

地域社会における課題

安心・安全

環境問題

担い手育成

青少年育成

子育て

介護

情報化

(15)

定住人口増加の必要性

以上のように、定住人口の減少や人口構造の変化は、山口市を取り巻く様々な環境 に対して影響を及ぼし、それはまちの魅力の低下に繋がる恐れがあります。 また、まちの魅力が失われるということは、最終的に定住人口の減少に繋がり、さ らなる悪循環を生み出すものになり兼ねません。 このことから、私たちの研究グループでは、定住人口を増加させることの重要性を 再認識し、議論を進めていくこととしました。

経済環境

行政サービス

コミュニティ

まちの魅力が低下

定住人口の減少

定住人口の減少(構造変化)

(16)

目指すべきまちの姿

定住人口を増加させるためには、自然増加(出生数-死亡数)と社会増加(転入数 -転出数)の双方を満たすことが理想的です。自然増加については、出生率の低下や 高齢化等に伴い人口構造が変化していく中で、解決への糸口の模索が続けられていま す。また、社会増加については、日本の総人口が減少する中で、都会の一極集中が顕 著になり、地方都市の生き残りをかけた都市間競争はさらに熾烈になることが予想さ れます。このような状況の中、本市が将来にわたって人口の増加を図るためには、ど のような対策が考えられるでしょうか。

1.

定住人口増加の施策検討にあたって

本市は1,000㎞2を超える広大な市域を有しており、地域によって気候や人口 構造、抱える問題等が異なるため、定住人口増加も、当然その地域に最も適した施策 を検討していく必要があります。しかしながら、今回の研究においてはこれら全てを 対象とすることは困難であるため、次の点に着目することとしました。 それは、年齢別の将来推計人口において、30歳代までの人口減少が特に大きいと いう点です。この世代を含む生産年齢人口の減少は、単純に「人口が何人減少する」 という問題にとどまらず、経済成長の鈍化、消費の低迷、税収減等さまざまなマイナ ス要因の元凶となり、さらに、子育て世代の減少は出生数の低下につながるため、市 の次世代を担うこどもたちも減少するという負の連鎖に陥ります。 こうしたことから、私たちの研究グループは今後著しい人口減少が予測される生産 年齢人口、特に30歳代くらいまでの若年層を意識して対策を検討することとします。 5,000 10,000 15,000 0~ 4歳 5~ 9歳 1 0~ 14歳 1 5~ 19歳 2 0~ 24歳 2 5~ 29歳 3 0~ 34歳 3 5~ 39歳 4 0~ 44歳 4 5~ 49歳 5 0~ 54歳 5 5~ 59歳 6 0~ 64歳 6 5~ 69歳 7 0~ 74歳 7 5~ 79歳 8 0~ 84歳 85歳 ~ 年齢層 人口 2010年 2035年 山口市の将来人口推移 国立社会保障・人口問題研究所のデータから作成

(17)

2.

どうやって定住人口を増加させるか

では、具体的にどうやって若者の定住人口の増加を図るのか、ということを考えて いきます。 まず、一番の土台となる人口増加策に対する私たちの考え方については、ただやみ くもに補助金の支給や便宜供与をすることで若者に来てもらうということではなく、 あくまで山口市の魅力を最大限伸ばし、暮らす人にとってまちを最適化することで、 対外的な求心力を高め、それにより人口増を図ろうとするものです。 つまり、まずは内から輝くことで、現在住んでいる人の流出を抑制し、さらにその 魅力を外に向かって発信することで、新たな住民を引き寄せる力を持ち、定住人口の 増加を図ります。これは、住民獲得のために補助金を支給するというやり方に比べて 時間のかかる取り組みになりますが、住む人にとって魅力的なまちというのは、長い 将来にわたって人口増加に寄与し、まちを発展させるものであると考えます。

3.

目指すべきまちの姿とは

この、「最適化された魅力的なまち」というものを、私たちの言葉で表現すると、 「そこに住む人が主役で、誰もが誇れるまち」となります。魅力あるまちとなるため には、まずは現在山口で暮らしている一人ひとりが、山口に住むことに誇りと自信が 持てるまちであることが第一であり、これを達成することで初めて、外部からの求心 力を持ち得ると考えます。これを目指すべきまちの姿とします。

4.

定住人口増加までの過程

私たちの研究グループの考えた定住人口増加までの流れを整理いたします。 まず、時代背景として、全国的な人口減少時代に突入したという課題があり、本市 も25年後には約2万人が減少するという現実に直面する中で、まちの維持・発展の ために何とか定住人口を増加させ、この流れを断ち切りたいというものです。 そして、この定住人口増加のために、ただ漠然と対策をとるのではなく、目指すべ きまちの姿を設定し、これを実現する中で求心力を有する魅力的なまちとなることで、 人口の流出を防止し、かつ市外からの転入増加を図る、という流れになります。

(18)
(19)

戦略と視点

1.

SWOT分析による戦略の立案

「そこに住む人が主役で、誰もが誇れるまち」を実現させるためには、戦略を立案 することが必要となります。ただ漠然と戦略を練るのではなく、効率的で効果的な戦 略を立てるため、私たちの研究グループは、まずはSWOT分析の手法を用いて、山 口市を取り巻く全般的な環境・現状をしっかりと把握することにしました。 (1)SWOT分析 SWOT分析とは、一般的にはマーケティングにおいて市場環境を分析する際に用 いる手法のことで、企業などが新しいビジネスの展開を模索する中で、その自社の内 部環境を「強み(Strength)」と「弱み(Weakness)」に分け、また、外部環境を「機 会(Opportunity)」と「脅威(Threat)」の4つの要素に分けて分析するもので、それ ら4つの頭文字を並べたのが「SWOT(スウォット)」です。 (2)戦略の立案 私たちの研究グループは、マトリクス(下図参照)に山口市を取り巻く4つの要素 を落とし込んで、クロス分析を行い、強みで機会を生かす「成長のための戦略」、強み を強化して脅威を克服する「強化のための戦略」、弱みを強化して機会を逃さない「改 善のための戦略」、弱みを強化して最悪の事態を避ける「改革のための戦略」を考えま した。 S:強み W:弱み 成長のための戦略 改善のための戦略 強化のための戦略 改革のための戦略 内 部 環 境 T:脅威 O:機会 外 部 環 境

(20)

SWOT分析により導き出した戦略は、下表のとおりです。 機会(Opportunity) 脅威(Threat) ・新山口駅ターミナル開発 ・国の新成長戦略による木材・食料の自給率の向上 ・ICT技術の進歩 ・環境産業の拡大 ・環境問題に対する意識の向上 ・アジア圏の旅行者・観光立国 ・山口国体の開催 ・世界ジャンボリーの開催 ・コンパクトシティへの転換好機 ・協働の意識が醸成されて、新たな公共の担い手出現 ・定住自立圏構想など、地方分権による地域づくり ・九州新幹線の開通 ・団塊の世代の活用 ・安心・安全に対する意識の高まり ・健康意識の高まり ・製造業などが海外進出して雇用の場が失いつつある ・安価な農作物の輸入 ・道州制移行による県庁喪失と人口流出 ・ネット通販による地場小売店の減少 ・不景気による企業統廃合 ・住宅点在化 ・人口減少 ・生産年齢人口の減少 ・少子高齢化 ・単身世帯の増加 ・買物難民(交通弱者)の増加 ・自分本位主義 ・博多駅ビル(阪急阪神百貨店) 【成長のための戦略】 【強化のための戦略】 生 活 環 境 ・物価が安い ・自然災害が少ない ・地価が安い ・病院が多い ・市の面積が広い ・治安が良い ・自動車道路が良い ・県庁所在地である ・コミュニティ機能や助け合いの精神が残っている ・「赤ちゃんの駅」の推進 ・つどいの広場が市内各所にある ・地域交流センターを中心に、子育てサークル活動が展開 ・子育て支援環境が充実している 観 光 資 源 ・景観がよい ・湯田温泉がある(まちなか温泉) ・旅館が良い ・歴史がある(歴史遺産が多い) ・新幹線駅を有する ・SLが走るまち ・自然が豊かである ・失われた日本の原風景・古き良き日本が残存する ・食べ物がおいしい(海の幸や山の幸が豊富) ・森林セラピーがある ・県央部に位置し、アクセスが良好である ・観光農園がある 産 業 ・国際競争力のあるデニム ・商店街が比較的活発である ・百貨店がある ・地ビールがある ・パチンコ店が多い ・ユニクロの本社がある ・レノファ山口がある ・市内に農産物の生産地があり地産地消が可能である ・ケーブルテレビの普及率が高い 教 育 環 境 ・図書館・教育機関・文化施設が充実している ・山口情報芸術センター(YCAM)がある ・大学(3つ)など高等教育機関ある 【改善のための戦略】 【改革のための戦略】 生 活 環 境 ・行政面積が広い ・公共交通インフラが悪い ・遊び場が少ない ・若者をひきつける娯楽施設が少ない ・ブロードバンド環境が遅れている ・税金が高い ・街の知名度が低い ・人口が少ない 観 光 資 源 ・温泉情緒が足りない ・特産品の認知度が低い ・大都市に挟まれている ・集客の核となる施設が少ない 産 業 ・工業立地インフラが弱い ・大企業・有名企業が少ない ・第2次産業が弱い(これといった産業がない) 教 育 環 境 ・大学の理系が弱い 山 口 市 の 内 部 環 境 山口市の外部環境

山口市SWOT分析

≪農林水産業の振興・地産地消≫  ◆健康志向、食に対する安全・安心志向の高まりを 生かし、広域合併で得た、農林水産物などの豊富 な地域資源の地産地消の相互理解と、地域特産 物の開発及び地域ブランドづくりに向けての情報 発信を行う。 ≪商工業の振興・雇用の確保≫  ◆高等教育機関や企業の技術を生かし、産学官民 の連携により、新規に産業を創出し、雇用を確保 する ≪観光・交流人口の増加≫  ◆新山口駅ターミナルや九州新幹線の開通を生かし て、歴史、文化、自然や温泉といった本市の観光 資源をアジア圏からの旅行者や団塊世代等の富 裕層に対して積極的にアピールし、都市イメージ のブランド力を強化する。 ≪子育て・少子高齢化≫  ◆比較的活発な商店街やコミュニティ機能を生かし、 だれもが安心・安全に暮らせる生活環境を確保 する。特に、「赤ちゃんの駅」など子育て環境を整 備し、子育て世代を取り込む。 ≪人材の育成≫  ◆大学等の高等教育機関と地域コミュニティが連携 し、将来を担う人材を育成する。また、自然や文化、 歴史といった、山口のすばらしさについて、市民が 常に意識し、誇りに思える教育を実施する。 ≪商工業の振興・雇用の確保≫  ◆不景気による企業の統廃合や、企業の海外進出 に対応するため、国際競争力のあるデニムを生か したまちづくりを推進し、にぎわいや雇用を創出 する。  ◆アクセスの良好性、面積の広さ、地価の安という 工場立地の優位性を生かし、地域に密着したオリ ジナルブランドの開発に取り組む。 ≪農林水産業の振興・地産地消≫  ◆安価な農作物の輸入にも負けない、地域ブランド を確立し、より一層の地産地消を推進する。   ≪子育て・少子高齢化≫  ◆少子高齢化や単身世帯の増加、買物難民の増 加などに備え、地域コミュニティ機能を活性化させ、 次世代の育成に努める。 ≪農林水産業の振興・地産地消≫  ◆地産地消を推進し、地域で生産される農林水産物の 消費拡大を目指した、生産・販売・流通体制づくりを 推進する。  ◆農林水産業と商工業の連携による、新たなビジネス 化を図り、地域ブランドづくりを推進する。 ≪商工業の振興・雇用の確保≫  ◆ICT技術を積極的に活用し、温泉やデニムといった 山口市の魅力を積極的にアピールし、地域経済の 活性化を図るとともに雇用を創出する。 ≪観光・交流人口の増加≫  ◆環境意識の高まりを生かし、公共交通の利用促進 とあわせて市民や観光客が、文化や芸術、温泉な どの山口市が誇る環境資源を回遊できる街なみの 形成を目指す。  ◆九州新幹線開通や山口国体、世界ジャンボリー開 催を機に、山口市を積極的にアピールして、街の 知名度向上を図る。 ≪まちのにぎわい≫  ◆学生なのどの若者が住みやすく学びやすい 環境を整備するとともに、観光・交流産業の 強化を図り、雇用機会を創出する。 ≪人材の育成≫  ◆地域に愛着を持つような教育体制を整え、 将来を担う人材の育成に取り組む。 強み(Strength) 弱み(Weakness)

(21)

2.

「目指すべきまちの姿」の実現に向けた3つの視点

今回私たちの研究グループが目標とする「そこに住む人が主役で、誰もが誇れる まち」を実現させるということは、言い換えれば、市民一人ひとりに焦点をあて、 まちに息づく人の暮らしと人の想いを大切にしたまちづくりを行うということです。 その実現には「人」に着目した以下3つの視点が重要となります。 (1)視点1 ~ 循環する地域づくり ~ まちづくりのための施策や事業は、行政のみが行うのではなく、市民との協働に より推進していくことが重要となります。市民がそれぞれの役割を担い、施策や事 業が地域の中に根ざし、地域の発展や住みよさの向上に寄与することで、市民が地 域に愛着を持つようになります。それにより市民はさらに積極的にまちづくりに参 加するというプラスの循環が生まれます。 (2)視点2 ~ 外へ発信する産業づくり ~ 産業は単なる働き場というだけのものではなく、まちの魅力を外部に発信するた めの原動力として機能し、これを効果的に利活用することで、産業の発展とまちの 発展の相乗効果を狙うという視点です。 また、山口の魅力を外に向けて積極的に発信することは、山口の認知度を向上さ せることにつながり、交流人口を増加させることが期待されます。この交流人口の 増加は、にぎわいの創出や観光産業を活性化させることに加え、山口の良さや魅力 を広く知ってもらうための絶好の機会であり、「山口に住みたい」と思ってもらうた めの重要な第1歩となります。 (3)視点3 ~ 山口を慕うひとづくり ~ これは、数あるまちの中で、「わたしは山口で働きたい、住みたい」と思う人づく り、そして山口を一度離れたひとでも「また山口に帰りたい」と思う人づくり、さ らに、「山口に行きたい、行ってみたい」と思う人づくりです。 言い換えれば、山口に誇りと愛着を持つひとの育成であって、これらは、「循環す る地域づくり」や「外へ発信する産業づくり」を推進していく中で、まちの魅力を 向上させることによって醸成されるものです。

(22)

循環する地域づくり

循環する地域づくり

外へ発信する産業づくり

外へ発信する産業づくり

・単なる働き場ではなく、

魅力を発信する

・交流人口の増加による

地 域 活 性 化

・地域内発展の構築

・住み良さの向上

・市民との協働

山口

山口

を慕う人づくり

を慕う人づくり

山口で働きたい・住みたい・帰りたい

・訪れたいと思える魅力づくり

(23)

3.

戦略と3つ視点から導き出される施策

SWOT分析による戦略と3つの視点から導き出した具体的施策は、下表のとおり です。 機会(Opportunity) 脅威(Threat) ・新山口駅ターミナル開発 ・国の新成長戦略による木材・食料の自給率の向上 ・ICT技術の進歩 ・環境産業の拡大 ・環境問題に対する意識の向上 ・アジア圏の旅行者・観光立国 ・山口国体の開催 ・世界ジャンボリーの開催 ・コンパクトシティへの転換好機 ・協働の意識が醸成されて、新たな公共の担い手出現 ・定住自立圏構想など、地方分権による地域づくり ・九州新幹線の開通 ・団塊の世代の活用 ・安心・安全に対する意識の高まり ・健康意識の高まり ・製造業などが海外進出して雇用の場が失いつつある ・安価な農作物の輸入 ・道州制移行による県庁喪失と人口流出 ・ネット通販による地場小売店の減少 ・不景気による企業統廃合 ・住宅点在化 ・人口減少 ・生産年齢人口の減少 ・少子高齢化 ・単身世帯の増加 ・買物難民(交通弱者)の増加 ・自分本位主義 ・博多駅ビル(阪急阪神百貨店) 【成長のための戦略】 【強化のための戦略】 生 活 環 境 ・物価が安い ・自然災害が少ない ・地価が安い ・病院が多い ・市の面積が広い ・治安が良い ・自動車道路が良い ・県庁所在地である ・コミュニティ機能や助け合いの精神が残っている ・「赤ちゃんの駅」の推進 ・つどいの広場が市内各所にある ・地域交流センターを中心に、子育てサークル活動が展開 ・子育て支援環境が充実している 観 光 資 源 ・景観がよい ・湯田温泉がある(まちなか温泉) ・旅館が良い ・歴史がある(歴史遺産が多い) ・新幹線駅を有する ・SLが走るまち ・自然が豊かである ・失われた日本の原風景・古き良き日本が残存する ・食べ物がおいしい(海の幸や山の幸が豊富) ・森林セラピーがある ・県央部に位置し、アクセスが良好である ・観光農園がある 産 業 ・国際競争力のあるデニム ・商店街が比較的活発である ・百貨店がある ・地ビールがある ・パチンコ店が多い ・ユニクロの本社がある ・レノファ山口がある ・市内に農産物の生産地があり地産地消が可能である ・ケーブルテレビの普及率が高い 教 育 環 境 ・図書館・教育機関・文化施設が充実している ・山口情報芸術センター(YCAM)がある ・大学(3つ)など高等教育機関ある 【改善のための戦略】 【改革のための戦略】 生 活 環 境 ・行政面積が広い ・公共交通インフラが悪い ・遊び場が少ない ・若者をひきつける娯楽施設が少ない ・ブロードバンド環境が遅れている ・税金が高い ・街の知名度が低い ・人口が少ない 観 光 資 源 ・温泉情緒が足りない ・特産品の認知度が低い ・大都市に挟まれている ・集客の核となる施設が少ない 産 ・工業立地インフラが弱い・大企業・有名企業が少ない

施 策 一 覧

山口市の外部環境 山 口 市 の 内 部 環 境 強み(Strength) ≪農林水産業の振興・地産地消≫  ○山口ほうめんブランド化計画  ○学校給食の地場産食材使用促進  ○農畜産物のブランド化 ≪商工業の振興・雇用の確保≫  ○デニムファッションの産地化推進  ○最先端技術・体感都市構築  ○戦略的企業誘致  ○知的クラスター創生  ○起業支援  ○新山口ターミナルパーク整備  ○バイオマスタウンの構築 ≪観光・交流人口の増加≫  ○交流人口活性化協議会の創設  ○自然とSLを活用した体験型観光振興  ○高度医療検診付旅行誘致  ○メディアアートによる(観光)産業振興  ○地域資源を活用したニューツーリズム創出による   観光産業振興及び農山漁村地域活性化  ○地元観光農園等を活用した体験型・交流型観光、   地産地消の推進  ○団塊世代のUJIターン対策  ○湯田温泉街整備  ○森林セラピー事業の充実  ○既存観光資源の高付加価値化 ≪子育て・少子高齢化≫  ○子育て家族が安心して外出できる支援体制の強化  ○アンパンマンこどもミュージアム誘致  ○子育ち支援・共助推進  ○産科・小児科医の確保、地域医療の確保 ≪人材の育成≫  ○山口に愛着を持たせるための教育  ○地域交流センターのまちづくり強化  ○「新たな公」の育成・強化 ≪商工業の振興・雇用の確保≫  ○デニムファッションの産地化推進  ○最先端技術・体感都市構築  ○戦略的企業誘致  ○知的クラスター創生  ○起業支援  ○企業と学校教育の連携  ○シルバー人材センター支援  ○中心市街地活性化 ≪農林水産業の振興・地産地消≫  ○山口ほうめんブランド化計画  ○担い手・経営体の育成  ○未利用農地等の利用促進  ○第6次産業化の推進  ○農畜産物のブランド化   ≪子育て・少子高齢化≫  ○子育て家族が安心して外出できる支援体制の強化  ○アンパンマンこどもミュージアム誘致  ○子育ち支援・共助推進  ○不妊治療支援  ○産科・小児科医の確保、地域医療の確保  ○高齢者の生きがいづくり推進  ○乳幼児医療費の助成  ○居住環境の整備・補助  ○ICTを活用した買物支援 弱み(Weakness) ≪農林水産業の振興・地産地消≫  ○山口ほうめんブランド化計画  ○農畜産物のブランド化 ≪商工業の振興・雇用の確保≫  ○デニムファッションの産地化推進  ○最先端技術・体感都市構築  ○戦略的企業誘致  ○起業誘致 ≪観光・交流人口の増加≫  ○メディアアートよる(観光)産業振興  ○アンパンマンこどもミュージアム誘致  ○湯田温泉街整備  ○既存観光資源の高付加価値化 ≪まちのにぎわい≫  ○婚活支援  ○基幹交通の維持・確保  ○コミュニティ交通の整備・充実  ○企業と学校教育の連携  ○中心市街地活性化  ○居住環境の整備・補助 ≪人材の育成≫  ○山口に愛着を持たせるための教育  ○地域交流センターのまちづくり強化  ○「新たな公」の育成・強化  ○担い手・経営体の育成

(24)

SWOT分析と3つの視点から導き出した具体的施策のうち、私たちの研究グルー プでは、次の施策について議論を深めました。次章ではそれらについて紹介します。 ①山口ほうめんブランド化計画 ②デニムファッション産地化推進 ③メディアアートによる(観光)産業振興 ④子育ち支援・共助の推進 ⑤地域資源を活用したニューツーリズム創出による観光産業振興及び 農山漁村地域活性化 ⑥ 地元観光農園等を活用した体験型・交流型観光、地産地消の推進 ⑦ アンパンマンこどもミュージアム誘致

(25)
(26)

具体的施策

1.

山口ほうめんブランド化計画

~やまぐちのB級グルメの推進~ ■SWOT分析 山口市の特性 食べ物がおいしい(海の幸や山の幸が豊富) 市内に農産物の生産地があり地産地消が可能である 特産品の認知度が低い 戦略 農林水産業の振興・地産地消 事例(他市・民間の事例、山口市の関係実績等) 津山市「津山ホルモンうどん」 甲府市「甲府鳥もつ煮」 備考 ・山口市には広島のお好み焼き、福岡のとんこつラーメンのような、ご当地グルメと いわれるものがない。 ・津山市の「津山ホルモンうどん」について、岡山経済研究所の調べによると、経済 波及効果が、岡山県全体で8億円にのぼることがわかった。(B級グルメブーム) ■内容 趣旨(要旨、定住人口増加のストーリー) ・原料を地元調達することで、第1次産業等の活性化につなげる。 ①麺 うるち米(徳地米、阿東米など農家から調達) ②スープ 牛肉(阿東牛、阿知須牛、徳地和牛など畜産農家から調達) 鳥肉(養鶏農家など) 魚醤(漁協など) ③具材 ネギ、レモン ・米粉、魚醤等の原料の製造による第2次産業の創出。 ・飲食店、販売を通じて第3次産業の創出となる。 ・B級グルメを発信することにより、観光等のインセンティブのひとつになる。

(27)

計画概要 山口市に、B級グルメ「山口ほうめん」を根付かせる。 「山口ほうめん」とは、ベトナム料理を代表する平打ちの米粉の麺「フォー」を山口 で生産、飲食店舗にて販売。山口市の特産品として認知させようとするもの。 ・「山口ほうめん」についての紹介、コンセプトを載せたパンフレットの作成 ・連携可能性がある機関について訪問、相談 ・山口ほうめんブランド化協議会の立ち上げ ・試作品の品評会 ・店舗出店(まずは、市役所の食堂から) ・愛Bリーグ(B級ご当地グルメでまちおこし団体連絡協議会)加盟 ・B-1グランプリ出場(3年後を目途) ■視点 循環する地域づくり 第6次産業の可能性 ・原料となる、農産物、畜産物、海産物の第1次産業の活性化 ・米粉・魚醤等の製造による第2次産業の活性化 ・飲食店、販売を通じての第3次産業の雇用創出 外へ発信する産業づくり ・観光等のインセンティブ 山口市を慕う人づくり ・給食化による食育(地産地消) ・ブランド創設での山口市の知名度UP

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■参考 米粉用米の市場規模の推移(農林水産省「新規需要米取組計画認定結果」より抜粋) 「フォー」とは フォーはベトナム料理を代表する平打ちの米粉の麺である。形は日本のきしめんに似るが、原料は米粉と水であり、 ライスヌードルの一種である。水に漬けた米を挽いてペースト状にしたものを熱した金属板の上に薄く流し、多少固 まったものを端から裁断して麺の形状にする。 多くの場合、鶏や牛から出汁を取った透明なあっさりしたスープにコシのない米麺を入れ、鶏肉や牛の薄切り肉、 肉団子などが典型的な具材としてのる。生卵を追加できる店舗もある。最後にライムの絞り汁や、チリソース、ニョ クマム、唐辛子やスライスしたニンニクをつけ込んだ酢などを加えて各人が好みの味に仕上げる。またサイドメニュ ーにクワイという油条をオーダーし、汁に浸して食べることも多い。牛肉入りフォーの場合は、牛肉の茹で具合をリ クエストすることも可能である。 一般に、本場とされるハノイのフォーは肉の他はネギを入れる程度のシンプルな盛りつけが多い。一方、南部のフ ォーは甘めの味付けで、たっぷりのバジル、コリアンダー、青唐辛子などのハーブや生のモヤシなどをトッピングし て食べる。トッピング自体もテーブルの上に置いてあって無料で好きなだけ投入できる店舗が多い。 ベトナムでは高級レストランから街角の屋台までフォーを作っており、朝昼晩の 3 食すべてで食されるほどに極め て生活に密着した食べ物である。ただし家庭で作ることはあまり無く、基本的に外食する料理であり、多くの店舗で テイクアウトすることが可能である。本国では生麺使用が基本だが、生麺の入手が難しい日本など国外のベトナム料 理店では乾麺を使っているところも多い。

(29)

2.

デニムファッションの産地化推進

■SWOT分析 山口市の特性 国際競争力のあるデニム ユニクロの本社がある 大学など高等教育機関がある(山口県立大学服飾研究会) 第2次産業が弱い(これといった産業がない) 戦略 商工業の振興・雇用の確保 事例(他市・民間の事例、山口市の関係実績等) 平成12年~平成21年「ジャパン・ファッションデザインコンテスト in 山口」 →応募者1,000人、来場者700人(世界最大規模) 平成17年「匠山泊」設立(山口発デニムブランド) 平成18年「街じゅうデニム」開催、デニムDEどうもん 備考 ・ジャパンファッションは世界(特にアジア)で評価が高い。 ・縫製工場の海外(特にアジア)への移転等により、日本のものづくり技術の空洞化 が進んでいる。 ・山口県は、ブルーウェイ(山口市)、ボブソン(下関市)、ビッグジョン(平生町) の縫製工場が立地する西日本最大のデニム縫製基地である。 ・山口県繊維加工協同組合(山口市)において、デニムファッション関連の取り組み が進められている。(第2回ものづくり日本大賞受賞) ・デニム主要産地:広島県福山市(カイハラ)、岡山県井原市・倉敷市 ■内容 趣旨(要旨、定住人口増加のストーリー) ・山口市を「デニムファッションの街」として定着させる。 ・デニムファッションを志す若者にとって魅力的な職場を創出し、転入を促す。 計画概要 ・街じゅうデニムの拡大 ・デニム製品(クラフト)の普及 ・湯田温泉におけるデニム浴衣の導入(京都にて実績あり)

(30)

■視点 循環する地域づくり ・市民参加型イベントの開催 (例)街じゅうデニム ・デニム製品(クラフト)の地域内循環 (例)市民主体のデニム関連スモールビジネス支援 外へ発信する産業づくり ・山口発デニムブランドの販売促進→海外展開 ・デニム関連産業・事業所の集積(ものづくり技術の蓄積) ・観光産業への波及 山口市を慕う人づくり ・「デニムファッションの街」としての知名度・魅力向上 ■参考 『ジーパン』に関するアンケート(「ネットリサーチDIMSDRIVE」ホームページより抜粋) Q.あなたはジーパンを何本くらい持っていますか。 Q.あなたはジーパンを大体どれくらいの頻度で履きますか。

(31)

3.

メディアアートによる(観光)産業振興

~YCAMと湯田温泉のコラボレーション~ ■SWOT分析 山口市の特性 湯田温泉がある(山陽路随一のまちなか温泉) 山口情報芸術センター(YCAM)がある 温泉情緒が足りない 戦略 観光・交流人口の増加 事例(他市・民間の事例、山口市の関係実績等) 平成20年「湯田アートプロジェクト」(YCAM5周年) 平成25年「ナレッジキャピタル」(大阪市)、映像文化都市(横浜市) →メディアアートの産業化 国際現在美術展覧会(横浜市)、大地の芸術祭(十日町市)、瀬戸内国際芸術祭 →芸術文化による地域活性化 備考 ・アジア人(特に中国人)観光客は、日本の温泉文化、若者文化、先端技術等に興味 を持っている。 ・国(経済産業省)のクール・ジャパン推進のように、コンテンツ産業に注目が集ま っている。 ・広告業界やデザイン業界では、メディアアートに対する関心が高まっている。 ・芸術文化による地域活性化や高付加価値化の取り組みが進んでいる。 ・YCAMは、NTTインターコミュニケーションセンター(新宿区)と並ぶメディ アアートの拠点で、中四国で唯一、「音響家が選ぶ優良ホール100選」に選ばれ ている。 ■内容 趣旨(要旨、定住人口増加のストーリー) ・メディアアートを活用した日本中どこにもない、クールでおしゃれな温泉街をつく る。 ・湯田温泉を中心とした観光産業の振興(観光客の増加)により、雇用を創出する。 ・メディアアートの産業化により大学や企業を誘致し、また、メディアアートを志す 若者にとって魅力的な職場を創出し、転入を促す。

(32)

計画概要 ・湯田アートプロジェクト(湯田温泉街の高付加価値化) (例)湯田温泉街におけるメディアアートの常設展示 アーティストの滞在制作(市民参加型) 仮想現実による昔の風情体験、メディアアートによる湯けむり ・アート等を活用した美化・クリーン化(湯田温泉街のイメージアップ) (例)LEDちょうちんの設置 EVタクシー・レンタカーの導入 空き店舗や公共空間のアトリエ化・アート化 ・山口発メディアアート(インスタレーション・アニメーション等)の産業化 ■視点 循環する地域づくり ・市民とアーティスト、観光客との交流促進 ・市民を巻き込んだ、アート等による温泉街の美化・クリーン化推進 外へ発信する産業づくり ・山口発メディアアートの販売検討→海外展開 ・観光産業への波及 山口市を慕う人づくり ・YCAM、湯田温泉の知名度向上→山口市の魅力向上 ■参考 「インスタレーション」とは インスタレーションとは、1970 年代以降一般化した、 絵画・彫刻・映像・写真などと並ぶ現代美術における 表現手法・ジャンルの一つ。 ある特定の室内や屋外などにオブジェや装置を置い て、作家の意向に沿って空間を構成し変化させ、 場所や空間全体を作品として体験させる芸術。 ビデオ映像を上映して空間を構成することもあれば、 出典:山口情報芸術センター(湯田アートプロジェクト) 音響などを用いて空間を構成することもある。 空間全体が作品であるため、鑑賞者は一点一点の作品を「鑑賞」するというより、作品に全身を囲まれて空間全体を 「体験」することになる。鑑賞者がその空間を体験(見たり、聞いたり、感じたり、考えたり)する方法をどのよう に変化させるかを要点とする芸術手法である。最初はおもに彫刻作品の展示方法の工夫や、ランドアート・環境芸術 の制作、パフォーマンスアートの演出に対する試行錯誤から誕生したが、次第に彫刻などの枠組みから離れ、独自の 傾向を見せるようになったため独立した表現手法として扱われるようになった。

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ナレッジキャピタル(「ナレッジキャピタル」ホームページをもとに作成) 大阪駅北地区開発計画として、平成25年春に竣工予定。 企業、研究者、クリエイターが世界の「感性」「技術」を持ち寄り、交わり、コラボレーションすることで新たな価値 を生み出していく複合施設。イノベーション創出のための多彩なワークプレイスや、未来生活を体験できる賑わい施 設が有機的に連携し、人々の知的交流を促進。 サロン、オフィス、ショールーム、ショップ、シアター、広場、多目的ホール、サイバーアートセンター(先端技術 とアート&デザインにより、未来を生み出す研究開発展示拠点)の機能を有する。 映像文化都市(「横浜市創造都市事業本部」ホームページより抜粋) 「創造的産業」の中でも、特に今後の成長が見込まれる映像・コンテンツ系の産業の集積を図ることにより、新産業 の創出や雇用の拡大といった経済の活性化を目指します。また、アジアの最新の映像作品を紹介するフェスティバル や映画祭等の開催により、最先端の情報を発信し、横浜がアジアにおける映像の拠点となることを目指します。 さらに、創造的人材の育成を進めるため、映像文化施設の整備や東京芸術大学大学院映像研究科等の誘致を行ったほ か、エンタテインメント施設の集積を図ることにより、新しい観光資源を発掘し、都市の賑わいを創出します。

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4.

子育ち支援・共助の推進

■SWOT分析 山口市の特性 つどいの広場が市内各所にある 地域交流センターを中心に、子育てサークル活動が展開 子育て支援環境が充実している 戦略 子育て・少子高齢化 事例(他市・民間の事例、山口市の関係実績等) 杉並区「杉並子育て応援券」 備考 ・育児休業や保育サービス等、仕事の側面から子育て支援は進みつつあるが、在宅 で育児を行っている世帯の子育て負担は大きい。 ・出産を機に家庭に入っていった主婦(主夫)は、十分に能力を活用する機会が整 備されていない。 ・「保育所利用世帯に対する支援がある程度進んでいる一方で、在宅育児世帯に対し ては、教育施策や児童手当、母子保健などを除き公的支援は少ない状況」次世代 育成支援施策の在り方に関する研究会報告書(平成15年8月7日)より抜粋 ■内容 趣旨(要旨、定住人口増加のストーリー) 家庭内育児の不安を取り除くとともに、専業主婦(主夫)の能力が活かされるような 自主的な活動組織を下支えし、共助の輪が社会で循環していく。(自助・共助・公助 のうち、共助に注目する) 計画概要 子どもが育つだけではなく、子育てを通じて親も成長していく仕組みづくりとして、 「子育ちクーポン券」を創設する。 ・子育て世代にとっては、安価で容易にサービスを利用できるきっかけを与える。 ・サービス提供者(NPO、事業者、地縁組織、子育てサークルなど)にとっては、 サービスを安定的に継続するための資金源となる。 ・子育て世代の外出増加による消費拡大の契機となる。 結果として、サービスを利用してきた子育て世代は、今度は経験者として、将来の 子育て世代に手を差し伸べることになり、NPO活動の活発化や共助の輪の広が り、そして、時代時代の子育て世代のニーズにあったサービスの持続的かつ柔軟な 提供につながっていく。

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■視点 循環する地域づくり ・子育て中の親の能力が活かされるような自主的な活動組織の下支え ・子育て中の親が望むことを親自身が実現することができる手段を社会に整備 外へ発信する産業づくり ・活発に活動するNPOの増加 ・子育て中の親の外出・購買の増加 山口市を慕う人づくり ・家庭内育児の不安軽減 ・子育て中の親の社会参画の促進 ・地域の活性化 ■参考 NPO先進国では、雇用の10%程度がNPOの活動により創出されている。 出典:産業構造審議会NPO部会

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杉並子育て応援券(「すぎなみ子育てサイト」より抜粋) 「杉並子育て応援券」とは、一時保育、子育て講座、親子参加行事などの有料の子育て支援サービスに利用できる券(チ ケット)を、就学前のお子さんがいる家庭に発行し、サービスを利用しやすくすることで、地域の子育てを支援するも のです。 応援券が利用できるサービスは、子育て家庭が地域の中でいろいろな人と関わりながら子育てをするきっかけとなる ものとし、杉並区が登録基準を定めています。その基準を満たしたサービスを提供できれば、たとえ小さな団体でも サービスの提供事業者として登録できます。しかし、最終的に登録されたサービスの中からどのサービスを利用する かは、利用者自身の選択となります。 そして、利用者が選んだサービスを提供した事業者に、杉並区が応援券相当分の代金を支払うというのがこの応援券 のしくみです。 平成19年6月の事業実施後、応援券をお持ちの方々の積極的な働きかけもあり、サービスを提供する事業者が増え ています。また、親自身もサービスの提供者になるなど、様々な子育て支援の活動が広がっています。

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5.

地域資源を活用したニューツーリズム創出による観光産業振興及び

農山漁村地域活性化

■SWOT分析 山口市の特性 景観がよい 自然が豊かである 失われた日本の原風景・古き良き日本が残存する 戦略 観光・交流人口の増加 事例(他市・民間の事例、山口市の関係実績等) 埼玉県飯能市などがエコツーリズム推進モデル事業として、里地里山の身近な自然、 地域の産業や生活文化を活用した取り組みを行っている。 備考 ・観光立国推進基本法・・・平成19年1月施行 ・観光立国推進基本計画・・・平成19年6月策定 ・地域独自の魅力を生かした体験型・交流型観光へのニーズが高まっており、旅行需 要の創出による地域活性化のため、地域密着型のニューツーリズムの促進は極めて 重要である。 ■内容 趣旨(要旨、定住人口増加のストーリー) 山口市の広大な土地を十分に活用し、多様なニューツーリズムを創出することにより 観光産業を振興させ、雇用の創出による定住人口を増加させる。また、市内外の都市 部住民と農山漁村地域との交流を拡大させることにより、農山漁村への定住を促進さ せる。 計画概要 山口市の農山漁村地域の特徴的な地域資源を生かした、体験型・交流型の観光プログ ラムを開発し、国内外からの観光客誘致に取り組む。 ・積水ハウス、マツダ防府工場など、他市と連携した産業観光ツアー ・大内のお殿様まるごと体験 ・おとなのサッカー合宿

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■視点 循環する地域づくり ・農山漁村の活性化 外へ発信する産業づくり ・山口の隠れた魅力の外部への発信 山口市を慕う人づくり ・ふるさとの魅力の再確認 ・地域住民の生きがいの創出 ■参考 ニューツーリズム(国土交通省観光庁ホームページより抜粋) ニューツーリズムについては、厳密な定義はなされていませんが、従来の物見遊山的 な観光旅行に対して、テーマ性が強く、体験型・交流型の要素を取り入れた新しいタ イプの旅行を指します。テーマとしては産業観光、エコツーリズム、グリーンツーリ ズム、ヘルスツーリズム、ロングステイなどが挙げられます。旅行商品化としても地 域の立場から特性を活かすことが必要で、その意味でニューツーリズムは地域活性化 につながる新しい旅行の仕組み全体を指すとも言えます。

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6.

地元観光農園等を活用した体験型・交流型観光、地産地消の推進

■SWOT分析 山口市の特性 観光農園がある 自然が豊かである 目立った特産品がない 戦略 観光・交流人口の増加、農林水産業の振興・地産地消 事例(他市・民間の事例、山口市の関係実績等) ・「やまぐち食彩店」登録制度(山口県) ・市民農園(奥湯田ふれあい農園、畑楽会農園、藤尾農園、卿上の里農園など) ・緑の提灯応援隊(民間) ・森林セラピー(しいたけ駒打ち体験) 備考 近年消費者の農産物等食への関心の高まり、安心安全思考を踏まえ生産者との距離を より近づける必要がある。 ■内容 趣旨(要旨、定住人口増加のストーリー) 地元の農産物の地産地消を推進し、第一次産業の活性化を図る。 農業体験等とおして、都市部と農山漁村の人々の交流を促進する。 計画概要 ・体験型・交流型観光 ①滞在型市民農園 農園付き宿泊施設の整備を行い、農林業を通して地域住民との交流も活発に行わ れ、充実した田舎暮らしの体験ができるもので団塊の世代の方や学生の体験学習 の場としての活用が見込まれる。また、利用期間も差別化をはかり、ニーズに合 わせる。 ②日帰り型市民農園 近隣の希望者に対して農地を貸付けて農作物を栽培してもらうもの。 ③観光農園の整備 既存のぶどう園、りんご園等の果樹園に加え、しいたけ、たけのこ、山菜等の観

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特産品であるぶどう、りんご等の果実を利用した酒類造り。規制緩和策として構 造改革特区の認定により小規模な主体も酒類製造免許を受けることが可能。新た な主体の参画により市内飲食店、ホテル、旅館、道の駅、お土産屋への卸売市場 の拡大にもつながる。 ②地産地消店登録制度 独自に地産地消店等についての登録制度を実施。対象を市内の産物の使用割合等の 要件を満たすことで、市が積極的PRを行う等のメリットを付与する。 ■視点 循環する地域づくり ・都市部の人々との交流による地域活性化 ・地産地消を通じての第1次産業の活性化 外へ発信する産業づくり ・特産品等のブランド化による観光産業への波及 山口市を慕う人づくり ・田舎体験と地域住民との交流によるファンづくり ・地産地消による地域への愛着の芽生え ■参考 「緑提灯」とは 日本の農林水産物をこよなく愛でる粋なお客様のため、カロリーベ ースで日本産食材の使用量が50%を超えるお店で緑提灯を飾ってい る。2005年4月、北海道小樽から始まり、現在では加盟店舗が2 800店舗以上ある。 カロリーベースでの日本産食材の提供量がより、☆の数が一つから 5つまで分かれている。

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