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住民監査請求に係る監査結果 第1 監査の請求 1 請求人 新潟市西区寺尾東二丁目23番37号 山下 省三 2 請求の要旨 平成20年4月に県立がんセンター新潟病院に採用された職員に対する以下の赴任旅費の支出は違法、不当 である。 (1) 平成20年9月9日付け支出調書における「支出負担行為」の年月日欄が空欄であることから、支出負担行 為の手続なく行われた1,041,136円の支出命令は違法、不当である。 (2) 旅行命令簿の旅行命令権者の決裁印が修正されていることから、特別研修医Aに対する赴任旅費382,09 4円の支出は旅行命令に係る事務手続きが相当ではなく違法、不当である。また、特別研修医Aに対する 赴任旅費は、新潟県民に対する効果が少ないものとして費用対効果がないことから違法、不当である。 (3) 平成20年4月に採用された看護師Bに対する赴任旅費53,610円の支出は、業務上の理由を記載もせず、 必要性の低い住居移転について職務上の必要性があるとして移転料及び交通費を公金で支給することは違 法、不当である。 (4) 平成20年4月新採用とされる臨床工学技士Cに対する交通費(出頭旅費)について、新潟県庁から県立 がんセンター新潟病院間の路線バス代として支給された200円について、着後手当と移転料で賄うべき経 費であって、交通費(出頭旅費)として支給するべきではないので、この支出は違法、不当である。 (5) 平成20年4月に特別研修医として採用されたDに対して支給された赴任旅費のうち旅行雑費1,100円(早 朝日当加算)の支給については、旧在勤地と新在勤地の往復等の赴任に関する経費であり着後手当の対象 であることから違法、不当である。 上記(1)から(5)により、次の措置を求める。 ア (1)から(5)について、各支出命令権者及び病院事業管理者に対し違法、不当な公金支出と同額の金額を 新潟県に返還させる措置を求める。 イ 病院事業管理者に対し、情報公開の実施及び県民に対する費用対効果を十分に検討し、高額すぎる経費 又は不要な経費を公金で支弁しないよう勧告することを求める。 ウ 新潟県知事の事務取扱通知により行われたとみえる部分については、新潟県知事に対し県民に対する情 報公開の実施及び県民に対する費用対効果を十分に検討するよう勧告することを求める。 3 請求の受理 本件請求は、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第242条に規定する要件を具備し ているものと認め、請求書が提出された平成21年9月8日をもってこれを受理した。 第2 証拠の提出及び陳述 法第242条第6項の規定に基づき、平成21年10月19日、請求人に対し証拠の提出及び陳述の機会を与えた。 第3 監査の実施 1 監査の対象 (1) 支出負担行為の年月日欄が空欄である支出調書による支払いは、違法、不当な公金支出に当たるかどう かを監査の対象とした。 (2) 特別研修医Aに対する赴任旅費について、旅行命令権者の決裁印が修正されている旅行命令簿兼旅費請 求書兼旅費計算書(領収書)による、赴任旅費の支出が違法、不当な公金支出に当たるかどうかを監査の 対象とした。 なお、費用対効果については、請求人の主観的な評価を述べているに過ぎないので監査対象から外した。 (3) 看護師Bの赴任旅費に対する移転料及び交通費の支給が違法、不当な公金支出に当たるかどうかを監査 の対象とした。 (4) 臨床工学技士Cに対して新潟県庁と赴任先である県立がんセンター新潟病院(以下「がんセンター」と いう。)間の路線バス代として出頭旅費を支出したことが違法、不当な公金の支出に当たるかどうかを監 査の対象とした。 (5) 特別研修医Dに対する「早朝出発の加算」(請求人は支出証拠書類から「早朝日当加算」としているが

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旅費制度上は「早朝出発の加算」であるため、以下「早朝出発の加算」という。)を出頭旅費として支出 したことが違法、不当な公金の支出に当たるかどうかを監査の対象とした。 2 監査の対象機関 がんセンター 3 関係人調査の対象機関 病院局総務課 第4 監査等の結果 1 旅費制度等 本県の旅費制度については、次のとおりとなっている。 (1) 旅費 職員が出張又は赴任した場合には、一般的に交通費、宿泊料等の経費が必要になるが、この経費にあて るために支給される費用が旅費である。 (2) 赴任旅費 ア 赴任 赴任とは、採用された職員がその採用に伴う移転のため住所若しくは居所(以下「住居所」という。) から在勤庁に旅行し、又は転任を命ぜられた職員がその転任に伴う移転のため旧在勤庁から新在勤庁に 旅行することをいう。(職員の旅費に関する条例(昭和30年条例第58号。以下「旅費条例」という。) 第2条第1項第4号) イ 赴任旅費の種類 職員が赴任した場合、住居所移転の有無等により、次の旅費が支給される。 出頭旅費、移転料、着後手当、扶養親族移転料 (3) 出頭旅費 赴任のために、新所属へ出頭する場合の経費を賄うために支給される普通旅費(交通費、宿泊料、旅行 雑費等)のことをいう。 (4) 移転料 赴任に伴い住居所の移転が行われた場合に、その移転の費用を賄うものとして支給される。 (5) 着後手当 赴任に伴い住居所を移転した場合に、新居住地に到着した後の諸雑費にあてるために支給される。 例えば、新住居を見つけるまでの旅館等の宿泊料や挨拶等に要する費用等にあてるためのもの。 2 監査対象機関に対する監査結果 監査対象機関からの聞き取り及び関係書類の精査を行った。その概要は次のとおりである。 (1) 支出負担行為の年月日欄が空欄の支出調書による支出について ア 支出負担行為年月日が空欄となっている理由 「新潟県病院局財務規程」(昭和60年3月30日新潟県病院局管理規程第5号。以下「財務規程」という。) 第20条によれば、「収入原因行為及び支出負担行為をしようとするときは、あらかじめ、当該行為の内 容、相手方、金額その他必要な事項を記載した執行伺を作成し、予算執行職員の決裁を受けなければな らない。」と規定しているが、財務規程第23条で「第20条の規定にかかわらず、次に掲げる事項につい ては、執行伺を省略できる。」としており、同第2号ウで「条例又はこれに基づく規則において支給基 準が定められている旅費」と定められていることから、本件について支出負担行為を省略している。 イ 支出負担行為を省略した支出命令決議書による支出の有効性について 「新潟県病院局財務規程の運用について(通達)」(昭和61年3月25日付け県病局第1620号)の「支出 の原則(第52条)関係」において、「規程第23条の規定により執行伺を省略した場合、形式上、支出負 担行為の決定がなされていないことになるが、当該事項に係る支出命令により当該支出負担行為の決定 がなされたものとみなす。」としている。 以上から、本件赴任旅費の支払いについては、支出調書に「支出命令年月日 平成20年09月09日」と 表示されているとおり、支出命令がなされたことにより、1,041,136円の支出負担行為の決定もなされ たこととなり、本支出調書による支出は適正なものとなる。

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なお、支出調書にある「支出負担行為年月日」の欄は、支出負担行為が必要な場合に記載されるもの であり、旅費の支出については上記の理由から記載は不要である。 (2) 特別研修医Aに対する赴任旅費の支出について ア 決裁欄の状況 決裁欄の左端から、院長、事務長、事務長補佐の順に押印されている。このうち、院長の印について は、事務長補佐が誤って押印したものを修正テープにより覆った上に院長の印を押印している。 イ 特別研修医の旅行命令権限者 「新潟県病院局事務決裁規程」(昭和36年4月1日新潟県病院局訓令第2号。以下「決裁規程」という。) 第15条で「職員(局本庁の課長補佐に相当する職以上の職にある者を除く。)の旅行の命令をすること」 を事務長の専決事項と定めている。特別研修医に対する旅行命令は、特別研修医が局本庁の課長補佐に 相当する職より下位であることから、院長ではなく事務長が旅行命令権限者となる。 ウ 院長の押印がなされた理由 医師の状況を院長が把握するために便宜上行っているものであり、本件旅行命令簿兼旅費請求書兼旅 費計算書(領収書)の手続きに影響するものではない。 (3) 看護師Bに対する赴任旅費の支出について ア 赴任に伴う移転 病院局職員の旅費制度については、「新潟県病院局企業職員旅費規程」(昭和30年10月1日新潟県病 院局管理規程第6号)第2条で「企業職員等の旅費の種類、額及びその支給方法に関しては、別に定める もののほか、職員の旅費に関する条例(昭和30年新潟県条例第58号)の例による。」として知事部局の「職 員の旅費に関する条例の例による」こととしている。 この旅費条例第7条第2項で、「移転料は、赴任に伴う住所又は居所の移転について、路程等に応じ定 額により支給する。」とされている。 また、移転料の支給については、旅費条例、規則等に住居所移転の距離により支給できないという規 定がないことから、同一地域内での移転であっても移転料が支給される。 イ 本件における赴任に伴う移転の根拠 看護師Bの旧住所は民間病院所有の寮であり、新潟県に採用されたことから、退寮しなければならな くなったものであり、「赴任に伴う移転」と認められる。 (4) 臨床工学技士Cに対する交通費の支出について ア 臨床工学技士Cの実際の移動について 実際の移動経路は、4月1日は旅行命令の移動経路とおなじであるが、4月6日(日曜日)の移動経 路は旅行命令の経路とは異なり、研修所から県庁まで公用車(バス)で移動した後、県庁からは新住所 へ帰っている。 イ 臨床工学技士Cの出頭旅費の認定について 新採用職員の出頭旅費の取扱については、平成20年3月28日付け県病局第1326号病院局総務課長通知 に「旧住居所から県庁までの旅行及び県庁から新所属までの旅行に係るものを支給する」取扱いとなっ ている。本件でバス代として支給された200円は、この取扱いにより「県庁から新所属までの旅行に係 るものを支給」したものである。 なお、請求人は交通費として支給された200円は着後手当及び移転料の中で賄うべきと主張するが、 支給された200円は上記の取扱いにあるように出頭旅費であることは明らかであり、新居を見つけるま での旅館等の宿泊料や挨拶等に要する費用を賄う着後手当や赴任に伴う引越し代等を賄う移転料とはそ の趣旨が異なり、別に支給されるものである。 (5) 特別研修医Dに対する「早朝出発の加算」の支出について ア 「早朝出発の加算」について 早朝の6時30分以前に住居所を出発する場合に旅行雑費として支給されるものである。 イ 特別研修医Dの旧住所及び新住居間の距離 旧住所と新住居間の自家用車による走行距離は342.8キロメートルである。 ウ 「早朝出発の加算」を支出した根拠 平成20年3月28日付け県病局第1325号病院局総務課長通知において、赴任日前に住居所を移転する場 合の出頭旅費の取扱いについて、「赴任の経路である旧住居所から新住居所に至る経路の旅費を支給す る。ただし、新住居所から新在勤庁に至る経路と、赴任日の属する月に支給される通勤手当の支給対象 経路が同じ場合は、旧住所から新住所に至る経路の旅費のみ支給する。」とされている。

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本件出頭旅費については、ただし書きの部分の、旧住居所から新住居所に至る経路の旅費のみ支給す る場合に該当するものである。 なお、請求人は住居移転が完了した3月29日以降の支出については、着後手当で賄うべきと主張する が、上記の取扱いにあるように旧住居所から新住居所に至る経路の旅費は出頭旅費であることは明らか であり、新居を見つけるまでの旅館等の宿泊料や挨拶等に要する費用を賄う着後手当とはその趣旨が異 なり、別に支給されるものである。 3 関係人調査 法第199条第8項の規定に基づき、病院局総務課に対して関係人調査を行った。その概要は次のとおりであ る。 (1) 支出負担行為の年月日欄が空欄の支出調書による支出について 「新潟県病院局財務規程の運用について」の「支出の原則(第52条)関係」において、「規程第23条の 規定により執行伺を省略した場合、形式上、支出負担行為の決定がなされていないことになるが、当該事 項に係る支出命令により当該支出負担行為の決定がなされたものとみなす。」と規定されている。 旅費については、規程第23条において執行伺を省略することができるとされており、したがって、本支 出調書に表示されている「支出命令年月日 平成20年09月09日」のとおり1,041,136円の支出負担行為の 決定がなされたものである。 以上のことから、本支出調書による支出は適正なものである。 なお、支出調書にある「支出負担行為年月日」の欄は、支出負担行為が必要な場合に記載されるもので あり、旅費の支出については上記の理由から記載は不要である。 (2) 特別研修医Aに対する赴任旅費の支出について 決裁規程第15条に「職員(局本庁の課長補佐に相当する職以上の職にある者を除く)の旅行の命令をす ること」が事務長の専決事項と規定されている。 本件についての旅行命令権者は事務長であり、本件旅行命令簿兼旅費請求書兼旅費計算書(領収書)に 事務長の決裁がなされていることから、本支出調書による支出は適正なものである。 なお、決裁欄を修正して院長(所属長)が押印しているが、これは医師の状況を院長が把握するために 便宜上行っているものであると聞いており、本件旅行命令簿兼旅費請求書兼旅費計算書(領収書)の手続 きに影響するものではない。 (3) 看護師Bに対する赴任旅費の支出について 病院局職員の旅費制度については、「新潟県病院局企業職員旅費規程」の中で知事部局の「職員の旅費 に関する条例の例による」こととされている。 旅費条例第7条第2項において、「移転料は、赴任に伴う住所又は居所の移転について、路程等に応じ 定額により支給する。」と規定されている。 また、移転料の支給について、旅費条例、規則等には住居所移転の距離により支給できないという規定 がないことから、近接したところでの移転であっても移転料が支給されるものと解される。 本件については、がんセンターの採用に伴い、寮を退去しなければならなかったという理由により住居 所を移転したものであると聞いており、赴任に伴い住居所を移転したものであると認められることから移 転料及び出頭旅費が支給されたものである。 したがって、旅費条例に基づいた適正な支出であると考えている。 (4) 臨床工学技士Cに対する交通費の支出について 新採用職員の出頭旅費の取扱いについては、平成20年3月28日付け県病局第1326号病院局総務課長通知 に「旧住居所から県庁までの旅行及び県庁から新所属までの旅行に係るものを支給する」取扱いとなって いる。(なお、この取扱いは平成20年3月25日付け人第577号人事課長通知にある取扱いと同じものである。) 本件におけるバス代として支給された200円については、この取扱いにあるとおり「県庁から新所属ま での旅行に係るものを支給」したものである。 なお、請求人は、支給された200円は着後手当及び移転料の中で賄うべきと主張するが、支給された200 円は上記の取り扱いにあるように出頭旅費であることは明らかであり、新居を見つけるまでの旅館等の宿 泊料や挨拶等に要する費用を賄う着後手当や赴任に伴う引越し代等を賄う移転料とはその趣旨が異なり、 別に支給されるものである。 (5) 特別研修医Dに対する「早朝出発の加算」の支出について 平成20年3月28日付け県病局第1325号病院局総務課長通知において、赴任日前に住居所を移転する場合

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の出頭旅費の取り扱いについて、「赴任の経路である旧住居所から新住居所に至る経路及び新住居所から (辞令交付場所又は旧在勤庁を経由し)新在勤庁に至る経路の旅費を支給する。ただし、新住居所から新 在勤庁に至る経路と、赴任日の属する月に支給される通勤手当の支給対象経路が同じ場合は、旧住居所か ら新住居所に至る経路の旅費のみ支給する。」とされている。(なお、この取り扱いは平成20年3月25日付 け人第576号人事課長通知にある取り扱いと同じものである。) 本件出頭旅費については、ただし書きの部分の、旧住居所から新住居所に至る経路の旅費のみ支給する 場合に該当するものである。 なお、請求人は住居移転が完了した3月29日以降の支出については着後手当で賄うべきと主張するが、 上記の取り扱いにあるように旧住居所から新住居所に至る経路の旅費は出頭旅費であることは明らかであ り、新居を見つけるまでの旅館等の宿泊料や挨拶等に要する費用を賄う着後手当とはその趣旨が異なり、 別に支給されるものである。 4 判断 請求人は平成20年4月にがんセンターに採用された職員に対し、以下の赴任旅費の支出等を行ったことは 違法、不当であると主張している。 これに対し事実関係の確認及び関係人調査に基づき、次のとおり判断する。 (1) 支出負担行為の年月日欄が空欄の支出調書による支出について 請求人は、「支出負担行為」の年月日欄が空欄であることから、支出負担行為の手続なく行われた支出 命令は違法、不当であるとしている。 財務規程第20条によれば、「収入原因行為及び支出負担行為をしようとするときは、あらかじめ、当該 行為の内容、相手方、金額その他必要な事項を記載した執行伺を作成し、予算執行職員の決裁を受けなけ ればならない。」と規定しているが、同第23条で「条例又はこれに基づく規則において支給基準が定めら れている旅費」については、執行伺を省略できることが定められている。 さらに、「新潟県病院局財務規程の運用について」の「支出の原則(第52条)関係」において、「規程 第23条の規定により執行伺を省略した場合、形式上、支出負担行為の決定がなされていないことになるが、 当該事項に係る支出命令により当該支出負担行為の決定がなされたものとみなす。」と規定されており、 平成20年9月9日に支出命令が行われていることは支出調書から確認できることから、本支出調書による支 出は適正な手続きによりなされていると判断され違法、不当な点は認められない。 (2) 特別研修医Aに対する赴任旅費の支出について 請求人は、旅行命令簿の旅行命令権者の決裁印が修正されていることから、赴任旅費の支出に係る事務 手続きが相当ではないとしている。 決裁規程第15条で「職員(局本庁の課長補佐に相当する職以上の職にある者を除く)の旅行の命令をす ること」を事務長の専決事項と規定しており、臨時的常勤医である特別研修医は局本庁の課長補佐相当職 よりは下位となることから旅行命令権者は事務長であると認められる。 本件においては、事務長の印が押印されていることで適正な決裁がなされていると判断されることから 支出について違法、不当な点は認められない。 (3) 看護師Bに対する赴任旅費の支出について 請求人は、看護師Bに対する赴任旅費は、必要性の低い住居移転について職務上の必要性があるとして 移転料及び交通費を公金により支出したものであり違法、不当であるとしている。 病院局職員の旅費制度については、旅費規程の中で知事部局の「職員の旅費に関する条例の例による」 こととしており、移転料の支給については、旅費条例第7条第2項で「移転料は、赴任に伴う住所又は居所 の移転について、路程等に応じ定額により支給する。」と規定している。その運用は、平成20年3月28日 付け県病局第1325号病院局総務課長通知により「住居所の移転が同一地域内で行われる場合であっても、 赴任に伴う住居所の移転であることが明らかな場合は移転料を支給する。」としており、本件のような近 接地の移転であっても、「赴任に伴う移転」であれば移転料の支給を認めている。 さらに、看護師Bの住居移転は、旧住所が前勤務先の病院の寮であり、本県職員となったため退寮しな ければならないことから行われたものであり、「赴任に伴う移転」であると認められる。 なお、「職員のための旅費制度ハンドブック」(平成19年11月人事課作成)で、「4月1日付け採用者の場 合は、原則として3月1日以降の住居所の移転の場合」は、「赴任に伴う移転」として取り扱って差し支え ないこととしており、本件における住居移転は3月31日であることから要件を満たしている。 したがって、本件看護師Bに対する赴任旅費及び交通費は、条例等に基づき適正に支出されたものであ

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り、違法、不当な公金支出に当たるとは言えない。 (4) 臨床工学技士Cに対する交通費の支出について 請求人は、臨床工学技士Cに対して新潟県庁と赴任先であるがんセンター間のバス代200円を交通費と して支出したことは違法、不当な公金の支出に当たるとしている。 まず、4月6日(日曜日)の移動経路は旅行命令(新潟県庁からがんセンターへ移動)の経路とは異な り、研修所から県庁まで公用車(バス)で移動した後、県庁から新住所へ帰っていることが確認されてい る。 実際の移動経路が旅行命令と異なっていても交通費を支給する理由は、「新採用職員の赴任旅費等の取 扱いについて」(平成20年3月28日付け県病局第1326号病院局総務課長通知)において、交通費について は「旧住居所から県庁までの旅行及び県庁から新所属までの旅行に係るものを支給する」ことによる。こ れにより本件バス代200円が「県庁から新所属までの旅行に係るもの」として支給されることとなる。 したがって、平成20年度にがんセンターへ赴任した臨床工学技士Cに支給された赴任旅費のうち県庁か らがんセンターまでの交通費200円は、通知に基づき適正に支出されたものである。請求人は、支給され た200円は着後手当及び移転料の中で賄うべきと主張するが、支給された200円は上記の取り扱いにあるよ うに出頭旅費であることは明らかであり、新居を見つけるまでの旅館等の宿泊料や挨拶等に要する費用を 賄う着後手当や赴任に伴う引越し代等を賄う移転料とはその趣旨が異なり、別に支給されるものであり、 違法、不当な公金支出に当たるとは言えない。 (5) 特別研修医Dに対する「早朝出発の加算」の支出について 請求人は、特別研修医Dに対して「早朝出発の加算」を出頭旅費として支出したことが違法、不当な公 金の支出に当たるとしている。 「早朝出発の加算」とは、旅費条例第19条及び「職員の旅費の支給に関する規則」(昭和30年9月1日新 潟県人事委員会規則第6-10号)第9条の2から午前6時30分以前に住所若しくは居所を出発した場合に支給 される旅行雑費で、1,100円(県外の場合)と定められている。 平成20年3月28日付け県病局第1325号病院局総務課長通知において、赴任日前に住居所を移転する場合 の出頭旅費の取り扱いについて、「赴任の経路である旧住居所から新住居所に至る経路及び新住居所から (辞令交付場所又は旧在勤庁を経由し)新在勤庁に至る経路の旅費を支給する。ただし、新住居所から新 在勤庁に至る経路と、赴任日の属する月に支給される通勤手当の支給対象経路が同じ場合は、旧住居所か ら新住居所に至る経路の旅費のみ支給する。」としている。 特別研修医Dについては、上記通知のただし書きに該当することから、旧住所から新住居間の旅費を支 給することになる。さらに、午前9時にがんセンターで勤務に就く必要があったため、300キロメートル 以上離れた場所から赴任するためには高速道路を利用したとしても午前6時30分以前に旧住所を出発する 必要があったことになる。この場合、特別研修医から「早朝出発の加算」について、旅費の請求があれば 支給を行う必要が生じるものである。請求人は住居移転が完了した3月29日以降の支出については着後手 当で賄うべきと主張するが、上記の取り扱いにあるように旧住居所から新住居所に至る経路の旅費は出頭 旅費であることは明らかであり、新居を見つけるまでの旅館等の宿泊料や挨拶等に要する費用を賄う着後 手当とはその趣旨が異なり、別に支給されるものであり、違法、不当な支出には当たらない。 以上のことから、上記(1)から(5)に対する支出が違法、不当な公金の支出に当たるとの請求人の主張につ いては、理由がないものと判断する。

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