緒
言 昆虫の体液蛋白質に雌雄差のあることは電気泳動的あ るいは免疫学的に明 らかにされている。'16)。 ヵィ コの体 液蛋白質に関 しては 5令 (最終令
)中
期 より成虫期 まで 明 らかに雌雄で異なる蛋 白質成分の存在することが明 ら かにされている(5,7,8)。 しか しこれ ら雌 で 特 異 的 に 多 く現われる休液蛋白質が どのような機構にもとづいて生 成 され るかは明 らかでない。 この点を究明するために, まず生殖巣の発育 と体液蛋白質 との関連をとりあげ,生
(1)
移植 による体液蛋 白質の変化
殖巣の摘出,移
植によって体液蛋白質成分が どのような 影響を うけるかについて電気泳動法によって調べた。さ らに卵蛋白質 と体液蛋白質 との関連についても調べ,若
千の知見を得た。 これ らの結果について述べ る。 材料および方法 供試 したカイコは普通飼育 した大造な らびに支 124号 ×大造である。 生殖巣の摘出実験は次のように行なった。まずカイコ 5令 3日 の幼虫をエーテルで麻酔した後,第
8環 節の背カイコにおける生殖巣の摘出
, /Jヽ 原隆
三 。河
合 (鳥取大学農学部応用昆虫学研究室)Changc Of Hacmolymph Protcins by Excision and lmplantation
Gonads in the SilkwOrm,お ο
陶秒χ
ηο
tt L。RyuzO KoBARA and Takashi KAttπ
AI(Dψクr椛ワ″ナ9/Jり´″¢ブ β″サο″ο
s學
,π,θ″′妙9/4g″ゲσク″″′珍, 7οttο″ゲ1/2ゲυ¢熔ゲ妙) The relationshiP between the components of haemolymph Proteins and the de― velopment of gOnads 、vas investigated by excision and implantatiOn of gonads in the 5th instar stage of silkwOrm larvae.There ttras little di£ ference in the haemolymph proteins between castrated males and males in 、vhich ovaries were implanted after testisectomizing.
In ovariectOmized females and females in which testes 147ere imPlanted after ovariectomizing,the cOncentratiOn o£ haemolymph proteins Ⅵァere little affected 4 days after pupation. Afterward, the haemOlymph Proteins oF control females de‐ creased in concentration but in the haemOlymph of ovariectonized females, fe‐ male specific PrOtein increased in quantity, though the concentration of haemo‐ lymph proteins except female specific protein remained almost unchanged after excision of Ovaries.
Female specific Protein which included a great deal of lipoprOtein was found to be especially rich in the ovaries OE control females and the haemOlymph pro‐ teins of pupae and adults 私/hose ovaries 、vere ectomized in their larval stage.
正ost fractions of haemolymph prOteins oE Females appeared in the electroPho‐ retic Pattern of ovary proteins of the same Females.
The female sPecific Protein of ovaries implanted in the body OF castrated males MIaS POOr in concentration as cOmpared Ⅵ′ith the Ovaries of cOntrol females.
These results prove that female specific PrOtein was synthesized in the silk_
、7or■1's body but not in ics ovaries, and the proteins o£ the body―fluids translated gradually to ovaries fro■ l the last stage of 5th instar tO puPal stage,
孝
Of
面両側にメスで傷つけ
,卵
巣あるいは精巣を摘 出した。 移植実験は同時期の幼虫を用い,そ
れぞれ同一品種内で 行なった。すなわち幼虫を解剖 して,て
いねいに生殖巣 をとり出し,EPhrusSi&Beadleの
生理的食塩水中に 入れておき,別
に準備 した卵巣摘出蚕には精巣を,精
巣 摘出蚕には卵巣をそれぞれ 2ヶ 宛,生
殖巣を摘 出した傷 口よりていねいに挿入 した。 これ らの操作に当っては器 具の消毒ならびに出血をなるべ く少な くす るよう特に留 意 した。また対照蚕 としては傷つけのみを行なった区を 設けた。その後は何漁の区も普通飼育 とした。 体液の採取は処理後3日 より各区個休別にデ ィスク電 気泳動では0・02滅 宛採血 して,そ
の蛋 白質の泳動像に ついて調べた。なお供試個休はすべ て実験終了後解剖 し て生殖巣の摘出な らびに移植の状態について調べ,不
適 当な個体はすべて除外 した。また卵は成虫を解剖 してと り出し,蒸
溜水できれいに洗 って体液を除き付着 してい る水分をとった後 50孵 とり蒸溜水 1認 を加えて小型乳 鉢です りつぶ し,そ
の試料を 13,000r,P.m。 で 10分 間遠沈 し,そ
の上清 0・5ル をデ ィスク電気 泳 動に用い た。 電気泳動はアク リルア ミドを支持体 とす るデ ィスク電 気泳動法な らびにアガロースを支持休 とす る薄層電気泳 動法を用いて行なった。 これ らの操作法は前報で述べた 方法と全 く同様であるので ここでは省略す る(7.8,21)。 蛋 白質の染色には0.1%ア
ミドブラック10B溶
液 を用 い, リポプロテ ィンの染色にはオイル レッドO溶 液 (温 メタノールに飽和に とか し,等
量の20%ト
リクロール 酢酸水溶液を加 え, 2∼3日冷蔵庫に保護 した後濾過す る)を
用いた。 実 験 結 果 カィ コ5令 3日 の幼虫を用いて,生
殖巣の摘出ならび に移植を行ない,幼
虫期か ら成虫期の体液蛋 白質への影 響についてデ ィスク電気泳動法を用いて調べた。その結 果は第 1∼ 4図 に示す とお りである。大造雄の精巣摘出 区(―TS区)な
らびに精 巣 摘出したものに卵巣移植 し た区(―TS+OV区
)の
体液蛋 白質の変動は処理か ら蛹 化8日頃まで対照区 (傷つけのみ)に
おけるその変動 と 殆んど差異が認め られなか った (第1図)。 大 造 雌にお いても卵巣摘出区 (―OV区
)と卵巣 摘 出したものに精 巣移植 した区(―OV+TS区
)の
体液蛋 白質の変動は処 理後蛹化 4日 目頃まで対照区のそれ とほ慮同様な傾向を 示 した。その後,対
照区では卵巣の発育が進むにつれて 体液蛋 白質の減少がみ られ,そ
れに伴い泳動像にも変化 第1図 生殖 巣 の摘 出,移
植 と体液蛋 白質 (大造・ 雄)A:対
照 区BI―
TStt C:―
TS+OV区
1:熟
蚕期2:蛹
化4日3:蛹
化8日 が現われた。一方―OV区
ならびに一 〇V+TS区
におい ては,体
液蛋 白質の減少が殆ん どみ られなか った。特に 雌で特異的に濃 くなる泳動帯 (矢印)で
濃度が高 くな っ た。 このような現象は成虫期においても続いて認め られ た (第2図)。+
A
I
2
3
B
I
2
3
C
I
2
3
:霞
カイコにおける生殖巣の摘出
,移
植による体液蛋 白質の変化︱
ド
2
g
3
J
4
T
5
J
6
σ
第 3図 生殖巣の摘 出・ 移植 と体液蛋 白質 大造・ 蛹化9日)1:対
照区,/11i 3:―TS+OV区
2:―
TS区4:対
照区,雌
6:
'は リポ蛋 白質染色(3)
+
+
D
I
2
5
4
E
I
2
3
4
F
I
21
第 2図 生殖巣の摘出・ 移植 と体液蛋 白質 (大造・ 雌) D:対 照 区 E:一 〇 Vtt F:一 〇 V+TS区1:熟
蚕期2:Irj化
4日 3:lFl化8日4:成
虫↑
(支124号×5:一
〇V区 ―OV+TS区
r
2
ど
3
J
4
T
P
J
鞠
また, リポ蛋 白質の泳動帯を調べ ることは,蛋
白質の 存在様式や生理的意義を考えるうえに重要であると思わ れ るので,同
一の試料を用いて実験を行ない,一
方 は蛋 白質染色,他
方は リポ染色をほどこして比較検討 した。 リポの方は濃度が淡いため非常に染ま り難いので, 2∼ 3日染色液の中に入れた後脱色 した。各処理区における 蛹化9日後のII 3の体液蛋白質の染色結果を示す と第 3図 のようである。最も濃 く染色 したのは矢印の泳動帯で雌 において特異的に濃 く現われ る蛋白質成分 と一致 した。 その他矢印の泳動帯に近い2, 3の
蛋 白質 もうす く染色 された。雄蛹の体液蛋 白質は一般に リポ蛋 白質の濃度が 低 く,各
処理区問でも差異は明 らかでなか った。雌では 雄に比べて一般に濃 く,各
処理区別では対照区に比べて 一〇V,一
〇V+TSの
両区で特に矢印の泳動帯において リポ蛋 白質の染色が濃 く現われ,蛋
白質量 と同様に,量
的に多い ことを示す ものと考えられ る。 さらに成虫期における体液蛋 白質 と リポ蛋 白質につい て調べた結果は第 4図 に示す ようである。雌成虫体液蛋 白質 と一〇V区 のそれ とについて比べ ると,全
般的に一 〇V区 の蛋 白質濃度が高 く特に矢印の泳動帯において蛋 白質 と リポ蛋 白質の濃度に著 しい差がみ られ一〇V成
虫 体液にこの成分の多いことが明 らか とな った。また,成
虫の卵管内に形成 されている卵の 蛋 白質 についてみ る と,対
照雌成虫卵蛋 白質では 3っ の泳動帯がみ られた ( 第 4図・5)。 これに関連 して, 雌蛹中期 の体液蚤 白質 では同 じく8っ の泳動帯がみ られた。 しか し両者の泳動 像には若千差異がみ られた。すなわち対照区の体液で原 点ちか くにみ られたある種の泳動帯が卵ではみ られず, 逆に若千移動性の高い所に泳動帯が現われた。さらに, 精巣を摘出した雄に移植 した卵巣の発育は,正
常雌の卵 に比べて卵数な らびにその大きさが若干劣 るようであっ た。また,卵
色は対照成虫卵が黄色であるのに対 して, 一TS+OV区
の成虫卵ではやや黄 白色であ った。 この一TS+OV区
の卵蛋 白質を泳動 した結果は第 4図・ 4に 示 す とお りで,正
常卵 よりも全体的に蛋 白質濃度が低い傾 向がみ られた。そして,そ
の泳動パ ター ンは殆んど同様 であった。特に著 しい濃度差のみ られたのは,矢
印の泳 動帯であった。また この泳動帯は雌に特異的に多 く現わ れ るもので, リポ蛋 白質染色でもよく染ま り, リポ蛋 白 質でもあることが明 らか となった。 上に述べた ように一 〇V区 の成虫体液蛋 白質濃度は対 照雌体液のそれ より全般的に高か った。なかでも矢印の 泳動帯の蛋 白質成分が他の成分に比較 して著 しく多 く現 われた。 このことはこの成分が主に卵巣に とり込まれ るす
生殖巣の摘出,移
植 と蛋 白質 (支124号 ×大造 。成虫期)11-TS■
OV成
虫体液4:一
TS+OV成
虫卵2:雌
成虫休液5:雌
成虫卵3:―
OV成
虫体液'は
リポ蛋 白質染色 もので,他
の組織に利用されないためとも考えられ る。 つざにアガロース・ ゲル薄層電気泳動法によって,成
虫休液蛋 白質 と卵の蛋 白質 との関連について調べた結果 は第 5図 に示すとお りである。対照区の雌雄成虫休液蛋 白質の泳動帯は陰極側に 1本 と陽極側に うす く2∼3木+
カイコにおける生殖巣の摘出
,移
植による体液蛋白質の変化1234
(5)
一
襲
第 5図 生殖巣の摘出, 1∼2:体
液, 3∼6:体
液, 7∼8:体
液,5 6 7 8 9101! 12
移植 と蛋 白質 (支124号×大造・ 成虫期) 雄9∼
10:対照卵 雌■∼12:一
TS+OV卵
-OV雌
み られ るのみで,そ
の濃度は雌に比べて雄 に お いて高 く,特
に移動性の最も大きい泳動帯で若千 濃 く現 わ 漁 た。また,一
〇V区 における体液蛋 白質の泳動帯は陰極 側に 1本 と陽極側に4本み られた。そ してその濃度は対 照区雌のそれ より高 く,特
に矢印の蛋白質成分では著 し く高か った。 雌成虫卵の蛋 白質では陽極側へ移動する5本 の主泳動 帯がみ られ,成
虫体液中にみ られた陰極側へ移動す る蛋 白質成分はみ られなか った。また陽極側へ移動す る5本 の泳動帯のうち4本の泳動帯は体液蛋白質 と同じ移動性 をもつ蛋 白質であった。 このように一〇V区 成虫休液蛋白質濃度が対照雌成虫 のそれ より高いこと,体
液 と卵で多 くの泳動帯が一致 し てい る事実などか ら,卵
巣中にある蛋 白質の多 くの部分 は体液か らとり込まれたものであらうと考えられ る。 つぎに精巣を摘出した雄に卵巣を移植 し,発
育 した卵 の蛋 白質は泳動像において対照蚕のそれ とほぼ同様な結 果を示 した。しか し矢印の泳動帯は殆んどみ られず,逆
に移動性の最も大きい泳動帯で若干濃 く現われた。 考察 カイ コにおいては 5令 中期より体液蛋 白質に雌雄間差 がみ られ
,蛹
期においても,幼
虫期 とは移動性が異なる が,雌
雄で異なる泳動帯のあることが切 らかになってい る。 しか しなが ら, これ らの原因については明 らかでな い。一方脂肪組織は休液蛋 白質合成の重要な役割を演 じ ていることは今 までの研究か ら明 らかである。 脂肪組織の蛋 白質 と体液の蛋 白 質 との 関 連 について は,重
松 (1960),PriCe(1966, 1967), PriCe andBosman(1966)な
どによって研究が行 なわれ,体
液蛋 白質は脂防組織で合成 され るこ と が 明 らかにされ てい る。 しか し Chippendale and Kilby(1969)は 特定な 蛋 白質成分が脂肪組織に現われ る前に体液に現われ る事 実か ら,体
液蛋 白質は防脂組織ばか りでな く他の組織で も合成 されてい るとい っている。ま た
,体
液 蛋 白 質 と 卵 巣の発育に関連 した研究は Telfer and VilHams(1953), Telfer(195■ 1960)Telfer and Rutberg(1960), orT(196o, Loughton and West(1965), ColeS(1965), 江 口ら (1966),
Bodnaryk and Morison(196の な らびに SCheurer (1969)な どにより
,種
々の昆虫を用いて研究が行なわ れ,体
液中に雌特有の蛋 白質の存在す ること,な
らびに これ らの蛋 白質が卵巣内にとり込まれ ることが明 らかに されている。 本実験でも雌の卵蛋 白質の泳動帯はその体液蛋 白質の 多 くの泳動帯 と一致 した。このことは卵巣に体液蛋 白質 の一部がとり込まれたことを示すものと思われ る。また 雄において精巣を摘出し卵巣移植を行な った区の卵の成 長は対照区に比べて劣 った。そしてその卵蛋 白質 は対照 区卵蛋 白質に比較 して雌特異的蛋 白質が非常に少な く,その泳動帯がわづかにみ られ る程度であった。このこと は雄の幼虫期ならびに蛹期に雌特異的蛋 白質が少なか っ た ことに関連するものと考え られ る。 一方
,カ
イ コの 5令 期幼虫における生殖巣の摘出,移
植が休液蛋 白質に如何なる影響を及ぼすかアガロース・ ゲルな らびにアク リルア ミド・ ゲル電気泳動により研究 した。その結果,雄
においては対照区と処理区において 体液蛋白質の泳動像において殆んど差 が み られなか っ た。雌においては対照区に比べて卵巣を摘出した区と卵 巣摘出後精巣を移植 した区において蛹の中期以後,体
液 蛋 白質濃度が高 くな り,特
に雌に特異的に現われ る泳動 帯 における濃度が著 しく高 く現われた。 どうような差異 は成虫期においてもみ られた。 このような体液蛋白質の 増加は,本
来卵巣にとり込 まれ るべき蛋 白質が卵巣を摘 出したためそのまま体液 中 に 残 ったためであ らう。ま た,対
照雌卵蛋白質中にはこれ らと同じ移動性をもつ泳 動帯が濃 く認め られた。 このことは逆に卵巣に蛋白質が 選択的にとり込ま漁 ることを示唆す るものと思われ る。 和久 。住本 (196の は変態中のカイ コの脂肪組織細胞 の変化を,特
に成虫脂肪組織の起源と関連 して光顕・ 電 顕 的方法により研究 し,成
虫脂肪組織は幼虫の脂肪組織 細胞のうち蛹期の組織破壊に耐えて生 き残 ったものか ら 作 られ るとした。そ して雌の脂肪組織細胞は蛋白顆粒が 多 く殆んど破壊されてしまうが,雄
の細胞は顆粒が少な く,生
残 るものが多い ことを報告 してい る。 このように体液蛋白質は諸組 織 や 卵]巣に とり込まれ る。雄についてみると,一
つには脂肪組織の崩壊の少な い こと,また一TS+OV区
における卵が少さく,か
つヴロ 中の蛋自質濃度の低い ことなどか ら,体
液蛋 白質濃度の 変動が少なか ったものと考 えられ る。そ して雌では脂肪 組織の崩壊も著 しく,体
液中 に蛋 白 質 が多 く放出され る。しか るに,卵
巣摘出区では本来 とり込まれ るべき卵 巣がな く,そ
のまま多 く体液蛋白質が残 ったものと考え られ る。また一〇V+TS区
において一〇V区 と殆んど同 様 な傾 向がみ られたのは,精
巣 自体それだけの蛋 白質を 吸収す る能力がないために起 きたものと思われ る。 また,蛹
期ならびに成虫期においてオイル レッドOに よるリポ蛋 白質の染色を行なった結果,体
液特に卵巣摘 出を行なった体液中の雌特異的蛋 白質においてとくによ く染色 し,雌
特異的蛋 白質に多 く存在す ることが明 らか となった。そしてこれが正常卵蛋白質にも多 く存在する ことが明らかとなった。このことは雌特異的蛋 白質はか な りの リポを合んでお り,卵
にとり込 ま れ ることを示 す。これ らの生理的意義については今後の研究にまちた ヽ。 以上のように多 くの昆虫で体液蛋 白質はその多 くの部 分が脂防組織で合成 され,体
液に放出され る。そしてそ れ らの蛋 白質が選択的に卵蛋 白質に蓄積され る。また卵 巣の摘出は体液蛋 白質濃度を増力Πさせ るものと考えられ る。 摘要 カイ コにおける雌雄の 5令 幼虫生殖巣の摘出
,移
植実 験を行ない,生
殖巣の発育が体液蛋 白質の成分に如何な る影響を及ぼすかについて調べた。 1・ 雄においては精巣の摘出な らびに精巣摘出後卵巣 移植を行なった場合,体
液蛋 白質に及ぼす影響は殆ん ど み られなかfた。2.
雌では卵巣の摘出な らびに卵巣摘出後精巣移植を 行なった場合 蛹化 4日 日頃までは体液蛋 白質に変化が み られなか った。その後対照雌においては体液蛋 白質が 減少す るにも拘 らず,処
理雌においては変化少な く特に 雌特異的蛋 白質が量的に著 しく増大 した。 この現象は成 虫期においてもみ られた。3.蛹
期な らびに成虫期の蛋 白質の リポ染色の結果, 雌特異的蛋 白質 は濃 く染色された。 この特異的雲 白質 は 特に難の卵巣摘出処理を行なった体液中には多 く現われ た。また卵蛋 白質 中の難特異的蛋 白 質 も 濃 く染色され メと。4.卵
某蛋 白質 には体液蛋白質 と同 じ泳動性を示す成 分が多 く見 出された。また精巣摘 出後卵巣移植を行 なっ た場合 発育 した卵の蛋白質は対照卵蛋 白質に比べ て雌 特異的蛋 白質が著 しく僅少であった。5,以
上の事実か ら睡特異的蛋 白質は卵巣で生成 され るのではな く,雌
幼虫体内で合成 された雌特異的蛋 白質 が 5令 末期頃か ら蛹期にかけて卵巣へ移行するものと考 察 した。 最後に,本
研究に対 して御指導いただいた東京大学農 学部教授有賀久雄博士,吉
武成美博士 ならびに鹿児島大 学農学部橋 口勉博士 に対 して深 く感謝の意を表する。 引 用 文 献1,鮎
沢啓夫・ 小林勝利・ 阿部文子:日蚕雑,2乳 197(1960)2. Bodnaryk, R. P, andヽ江orrison, P, E.: ア.力sπチFウノsゲοA,14,1141(196め
3. Chippendale, G. M. and Kllby, A. B.:
カイコにおける生殖巣の摘 出
,移
植による休液蛋白質の変化(7)
4. Coles, G.C.:J.Exp.Biol.,43, 425(1965) Pれ伊§ゲο九, 12, 741(1966)5.土
井良宏 :九大農学芸雑,23,205(196め
14.Scheurer,R.:ア
.力Sワ'P力
Sゲοれ,15,16736.江
口正治 。政山享・ 西村允子:日蚕雑,35,435 (1969)
(1966) 15.重
松孟 :蚕 試報,16,141(1960)
7.小
原隆三 :応 動昆,11,71(1967) 16.Tel£
er,W.H.:デ
.C♂″.Pゎ
sゲοた,37,539
8.小
原隆三・ 河合孝 :鳥 農学報,21,18(196の
(195o
9. Loughton,B,G.andヽ
げest,A. S, :ア. 17. Tel£
er,W.H.:』
ゲο′,B″れ,118, 338(1960) 乃sι″Pttsゲοテ,11, 919(1965) 18. Te]fer,
V.H.and Rutberg,L.D.:Bゲ
0′.10.Orr,C.W.M.:デ
.rtts¢ひサPヵSゲολ,10,53 Bク
肱,118,352(1960)(1964) 19, TeI£
er,ヽヽ「.H.and S1/1lliams,C,M.:デ
.11. Price, Go M.:ア.′″SπナPttdゲοれ