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アオムシコマユバチの寄生活動に関する研究 XV 被寄生寄主の頭巾並びに寄生蜂脱出後の寿命について-香川大学学術情報リポジトリ

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Academic year: 2021

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(1)

香川大学褒学部学術報告

アオムシコマエバチの寄生活動に関する研究

ⅩⅤ 坂寄生寄主の顔巾並びに.寄生蜂脱出後の寿命に∴ついて一堂

於 沢 冤

Investigations on the parasitic activities of A♪antCles glomeYaius.

XV On the head capsule width ofthe host,Pieris y郎ae CruCivoYa which wasparasitizedby A.glomeyatu・S and the survival Of the host after the emergence of the parasite.

HiroshiMATSUZAWA(Laboratory of AppliedEntomology)

(ReceivedSeptember19,1956) 124 緒 アオムシコマユノミチA♪α乃≠βg♂Sgわ∽♂γαf〟Sがモソ∵′ロチョウ(幼虫)タg♂γjS7勿αβCγ〝C加アαの天敵として著 名な寄生嘩であることは今更述べる蓬もないが,凍寄生蜂の畜生を受けたそシロチョウ幼虫は正常な個体軋比し て,その摂食情動の上に.も変化を来し,摂食漁畳も低下する傾向の存することは既に磯告したところであるとこ ろで斯様な摂食酒動の異常が明らかに存するとすれば,寄主の形態又は大きさの上に・も何等かの影響がもたらせら れはしないか,叉突撃に,1寄主体内に非常に多数の泰寄生蜂が寄生するのであるから,一層期間を経過して成長 を遂げたアオムシコマユバチ幼虫が寄主体を脱出した後に・於ける寄主の生存力というものは,寄主体内の寄生蜂 数や,気象条件等に相当額著に彪響されるものではなかろうか.斯様な問題を明らかにするために従来本研究は行 われたのであるが,義にほ靡めて最近の実験或感度もととして大要を述べることとする 本文に虎だって,日頃懇篤なる御指導をたまわる恩師元京都大学数段、現岡力大学教援春川息蕾樽士,京都大学 教授内田俊郎時士,本研究を行うに当ごって種撞御度宜を与えられた本学盛挙部長果上泰治樽士,並びに.始終熱心に 研究に御協力をねがった東学助教授宮本俗三見岡東秀俊餞,野崎伸夫既に対して深甚の謝意を表する 研 究 方 法 寄主の大きさの代表値としての頭巾調査: 調査研究に供試した昆虫ほ,寄主寄生蜂共香川県産のもので,野外の材料は1955年10∼11月及び1956年6月東学 の存する香川県木田部に.於いて採集したものであるけ突放的に碍た材料は,すべて秋季佐野外より採果したモ1/シ ロチョウ雌成虫を用いて,60W電飾こ.よる保温照明溝に・より採卵を行い,それより帰化した幼虫を用いて,適時寄 生蜂の産卵を行わしめ,爾後ガラスチユ門プ(2..5×9..Ocm)に・て定温器内個体飼育を行い,所要の今に到るを待つ て測定に供した..測矧こはミクロメーターを装香したグリノー双眼解剖頑健鏡を用い,測定の都度その寄生,非寄 生の別を確認の上記録した 寄生蜂脱出後の寄主の生存調査: 建材料もすべて香川県産のもので,老熟寄生蜂(幼虫)寄主体脱出の当日,すべてその寄主丈を個体別にシャレ ー内に移し,毎日それ等の生死を検しつつ記録を取った“主として室温,時に240cの定温で管理した 研 究 成 績 (1)被寄生寄主の頭巾の大きさ 紆 槌香川大学農学部応用昆虫学研究室業績 No..24

(2)

第、8巻第1葛(1■956) 125

まず聾者は,自然状態で事実アオムシコマユバチの寄生をうけたモシシロチョウ幼虫と然らざるものの間に,頭 巾の:大きさに顕著な差が存するか否かを知るために,野外より第5合静主を採集し来り,之をミクロメータ←にて 測定した.その成績を示すと第1表のごとくである。(但し,葦位は便宜上ミクロメーターの目盛の数乾て示す).

Tablel.Head capsulewidth of the parasitized and the unparasitized hostsbelong to the5thinstar(wild samples)

Note:Thedatawereshownwiththenumberofscalesofocularmicrometer(1scale=0小041mm). A:Autumn samples, B:Spring samples.

第1表の成績をみると秋材料でほ雄の場合寄生,非寄生寄主で,可成顔著な差を作っているが,雌の場合は殆ん ど差が認められない..しかしこの雄の場合では換定を行づてみたところ同・一母集団に属すると考.えることが無理 で,従ってその差が有意であるかどうかを吟味することが出来ないので何とも云えない.蓉材料の場合は雌雄5令 幼虫共に可成の差があり,分散分析に・よってその差を険してもそれ等は一応粛意と認められた..けれ共この場合測 定個体数が余り多くないので,事実,寄生,非寄生両寄主で頭巾の大きさに羞が存するものか否かをここで直ちに 断定することは出来そうにない..仮に多少の差があったとしてもそれほ検定にかかるか,かからないかの極めて僅 かの差ではないかというととが想像される 次に実験的に第1令及び第3令寄主に層生蜂をして産卵せしめ,爾後の寄主頭巾が寄生,非寄生でどんなに変つ てこ来るかを調べた.その成抗を示すと第2,3表のようで,按産後の各令寄主の頭巾は寄主,非寄生でやはりそれ ほど顕著な差を生ずることはなかった.

Table2・・Head capsule width ofthe host which was parasitizedby A..glomeralvs atthe stage of thelstinstar.

Confidence limit of population mean (95%) Variation COeff. (%) Min.′→Max. Varian(:e 12{′15 14′}16 13・11−13・89 】 0.49 14.30′・■14.70 0.37

1ご∴ 二 _

「 21.50′・・′22〃72 l.47

22.51∼23.49」1.00

ごこ。∴

34∼37l34・91

33∼38!35.20

34・67”35・15 34.79∼35.01

l O・48 fl.00

_∴∵ 一丁二

4.33 3.74 Y

(3)

香川大学農学部学補報償

Table3.Head capsule width of thehost which was parasitized

by A.glomeyslus at the stage of the3rdinstar., 126 這暦聖霊耳こ忘訂晋 諾意茸Min・∼Max・・ l Instar of host (95%) 33り66′−34。74 33.88′・・−35.32 31′・一36 32一−・37 50一40′・一51.58 51..27′→52.97 48ノ・一56 51′−57 34.99′−35.91 35.17′→36.23 51.42∼52.48 51.99′−53.41

只,傾向的にはいずれの場合にも,きわめて僅かずつ非寄生寄主のカが頭巾大きく,最終令で最も差が大きく開

いてい挙が,分散争析の結果有意の差と認めら叫る場合もそうでない場合もみられたい従って各成績を通じて,寄 主の頭巾は寄生,非寄生で常に放熱こかかるようなそれ程朗著な差は生じないものではないかと考えられる (2)寄生蜂脱出後の被害生寄主の生存力 次に膚生蜂が寄主体内で生長を遂げ,寄主体を離脱した後に於ける寄主の生存力について述べるまずいろいろ な季節について寄主の生存期間を調べた成践を示すと,第4表のごとく,春秋は可成長生するが,夏季のものは ̄ 肢に非常に短いようである.

Table4..DuIation of suIViving of the hosts after the emergence Of paIaSites Rema工ks (Mean tempe一 ∃Confidencelimit VaTiation COeff. Number of

individuals population mean

OC

17.2 21巾5 26.5 23,4 17.4 12.4 days 2.98′一4.22 2.39一−2.87 1.30−′1..94 2‖87一−3.31 3.85−・5.41 8.85′−10〃41

1”晋yS閲S

。._6l2.63

0”4 ∃1・62】 2 0 3 6 し9・63岳 9.301 39.35 3′−・16 勿論,かかる寄主の寿命ほ,体内に寄生していた寄生蜂の数とも密接な関係がある啓であるから,第4奉の成置 を直ちに季節のちがいに基ずく気温其他の影響と解することほ早計に・過ぎる訳であるが,塞者の従来の経験からし で本寄生蜂の寄主に濃ける寄生数が,季節のちがいに・よつで一億の傾向を以つで変動することはあり得ないので・ 第4表は・一応季節のちがいによって起ったものと解して差支えなさそうである.従ってこの場合,特に気温と密接 な関係があるものと考えてよかろう.第4表のごとき成置は1950年以来,毎年これを見,常に金く同様な成績を得 ている. (3)寄生蜂の寄主体内密度と被寄生寄主の頭巾及び寄生蜂脱出後の生存期間 次に層主体内に於ける寄生蜂の棲息密眉と前に述べた寄主の頭巾並びに寄生蜂寄主体脱出後の生存期間を,寄生 蜂の産卵回数を積憲ね的に増加せしめる男法によって実験した,その成績を掲ぐれば第5表のごとくであるが,各 産卵回数ごとの寄主体内寄生蜂密度(平均値にて示す)は備考欄に示した通りである・

(4)

第8巻第1骨(1956)

Table5.The head capsule width andthe durationof survivingof the hosts

afterthe emergence of parasites as the times of attacks differ昔.,

127

RemaT・k$

(Pa工aSiteden− Slty per host bodyキり

楊ExtTaCtedfIOm“Report XI”of ourinvestigation$On the parasitic activities of APanleles ggo∽gγα≠〟ざ.

舶Shownwith themear)Value of the numberofpaIa占ites perho$tbody.

尤もこの実験は他の意図もあって行ったのであるから,木論文と別に.発表予定の論文(6)に.許しく取上げてあるの で,努め1て簡略に述べることにするが,第5表の成績から寄生蜂の産卵回数の増加による寄主体内寄生蜂蜜眉と寄 主の頭巾の大きさの間には何等特別な傾向をもった関係もなければ,非接毯の寄主の鼓巾に、比して将に著しく小と なる傾向も見出ゼないい(.但し有意の差と.認められた場合もないではない) 只寄生蜂脱出後の寄主の生存期間は,寄生密度と極めて密接な関係を有し,産卵回数の増加による寄生密度の上 昇に伴って明か軋短縮していくことが分る.従って寄生者に・よる発着の亡失,寄生蜂脱出時の創の数等が,明かに 寄主の生存期間を左右するものであることがこの表の成拭から察知される.

次匿以上の成置をもとに.して若干の考察を試みる‖ まず被寄生寄主の頭巾であるが,前にも述べたように・ぢれは たとえ轟生蜂の寄生数が増えても増え.なくても,或はまた寄主のいずれの時期(令)に寄生されても非寄生寄主の それとの間にそれ程麒著な叉常に・検定にかかるような差はなかった.同様な研究は,BECR(1950)(1)やMcGじGAy (1955)(2)等も行って屠り,特にMcGuGAyのSpruCe budwormに・放ける研究では,AbantelesやG(ypia等 の寄生に.よって相当著しい影響の現わて来ることが明かにされている..モソシロチョウにアオムシコマユバチが ㌍する場合も,食物のとり方が相当に・正常の場合と異な又コマ・ユパチの寄生数も非常に・多いのであるか ら,相当に著しい差が寄主の頭巾の大きさの上にも現われそうに思われるのであるが,実際にほそれ程でもない 結果が見られたい若しこの成績が全く正しいとするならば,アオムシコマ・乱バチ寄生の影響というものは,もつと 臭った面に現われてくるのであろうか, 寄生蜂寄主体脱出後の寄主の生存期間は,季節のちがいや,寄主体内寄生数によって相当著しい差が見られ,気 温の高い季節程,文体内寄生数の多い程生存期間が短縮した一.寄主体内の栄養が,多数の寄生蜂によって掠萄され $

() くS) ること,寄生蜂の寄主体脱出に当って,一時に無数の生生しい脱出創口が体壁にあけられることを思う時.之等の

成掛こ現われたごとき傾向は全く期待し得るところで,又高温に・よって一層死期を早められることも当然と考えら れるい

産卵回数の増加による寄主体内寄生数の増加が寄主並びに.寄生蜂自体にどのような影響をもたらすかについて (4) (5)

は,すでに講演発表を行い,一偏して別途に論文発表の予定であるが,寄生蜂相互間及び寄生蜂一寄主聞の相

(5)

香川大学畏学部学術報曽 128 互関係を明かにする上紅は,極めて霊草な契験と考え.られる、.本研究成拭(1),担)で取上げた事項も(3)を京しで一層 具体的に把握することが出来た..別途発表予定の論文と多少の塞接が起ることを知りつつ放て関係事項を取上げた 次第である 摘 要 寄生蜂アオムミ/コマチバチとその寄主モソシロチョウ問の生理的な関係を知る仕事の1部として東研究を行い, 次のごとき成績を得た 1.)アオムシコマユリミチに寄生せられたアオ・ムシ頭巾の大きさは非寄生寄主のそれに比してそれはど著しい淑少を 来さなかった。.寄主体内の寄生蜂数が非常に多くなって来た場合にも,余り著しい減少は見られなかった. 2)寄生蜂寄主体脱出後に於ける寄主の生存期間は季節によって著しく異なり,高温な季節程短かかった.叉寄主 体内の寄生虫数が多い樫著しく短かぐなった. 参 考 文 献 (1)B】王CE,S.D.:Pゐγ5わJ.Z〃∂Jり23,353叫361 (1950). 担)McGuGAN,B.M.:Can.Ent.,87,178・−q187 (1955). (3)松沢 寛:香川農大学術報告,■7(1),6ひ−−66 (1955). 牲)∵ ,岡本秀俊,宮森裕三:昭和31年摩日本 応用昆虫学会応用動物学会合同大会講演要旨集, (11956). ,一一叫,叫一一W【− =芯用昆虫,(’印刷 申).

(6)州

,野崎伸夫:香川大学農学部学術報告, 8(1),121−・123(1956). R昌S u mる

As a paIt Ofthe study ofthe physiologicalrelationbetweenthe host,PieYis rqPae crucivora and

itsparasite,A?a7tieles glomcraius,these researches were made and got thefollowiユ1g reSultsi:

1)The head capsule width ofthe parasitized host was not smallerthan that of the unpaIaSitized

host,althoughthere was a slight difference betweentheminsome cases。Moreover,it did not

Showed any considerable reduction evenif the parasite densityin the host body was raised.

2)The surviving ofthe host f工Om Which the parasites $eparated already,Changedit$duration

remarkably asthe season wenton andit wasvery short at the seasonof hightemperature.

Moreover,the duration of surviving of the host was very short when the parasite densityin

the ho$t body washigh.

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