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貯蓄及び貯蓄と金融市場との關係に就いてのリストの所論-香川大学学術情報リポジトリ

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(1)

貯蓄とは何であるか、此の血見単純なるが如き問題も、之れを明確に定義せんと試みるならば、障碍を生じ容

易でないことは、従来塵者の掲げてゐる種々なる貯蓄の定義を見ても知られることである。即ち収受又は所有せ

る財貨或は管幣又は此の雨着に就いモの﹁蓄積し﹁保留﹂﹁節約﹂﹁消費の延期﹂﹁非給費﹂等といふ必しも同一と

は言へない宥馬を貯蓄と名付け、或は之等の行為の結果として残されたる貨幣或は財貨の叫部分をぼ貯藩と稀す

ると言ふが如くに、多様の定義がある。最近我国に於てはS写in的い・Sp慧nい囲p長neなる言葉に対して、﹁貯蓄﹂ といふ詩語よノりも寧ろ﹁箇約﹂なる言葉を用ふる蓼者もある。︵葦﹁︶私が本稿に於て﹁貯蓄﹂といふ詩語を用ふ るのはし只だ従来の慣例に従ふだけであるが、兎に角貯篭の概念は必しも明瞭ではない。︵謹声︶更正貯蓄に就いて

は聾に其の観念或は定義が不明確であるのみならす、従来其の研究が等閑に附せられて居ったと言ふことが出来

高昭高等商策拳校開校十周年記念論文集

貯蓄及び貯蓄ミ倉融市場ヾ1の隣備に

就いてのリストの所論

l 緒 言

小 川 蘭 太 郎

四五四

(2)

る。然し乍ら近時、特に景気攣動理論の研究の進歩に伴って、壷蓄の研究の重要性は高まりつ1ある。例へば自 畿的貯蓄︵邑unt胃tくS乳n的︶に封して﹁強制せられたる貯警︵ぎeds邑ng︶の観念の現はれ来ったことや、ケイ ンズが貯蓄と投資とを封立直しめ両者の均衡傭件を考へることに依って、彼れの基本方程式を立て1ゐるが如き は、其れを誇明するものである。 ︵謹こ 此虞忙高田博士の述べられた皇晃を借用する。 ﹁警ing完p胃enと云ふ首謀には、節約、貯留の二つの評語が窄はれてゐる1例︿ば鬼蛎仁三郎氏静ケインズ﹁貨幣 論﹂には貯蓄と静されて屠り、豊崎稔氏静ハイエク﹁貨幣と党免鍵動﹂には節約と謬されてゐる。私も多年、廟約と 云ふ評語を使ってゐる〇ところが原語は此南面を意癒してゐるので、日本語の何れの評語を使っても、その;挙げ に限ると不充分嘗蓼合がある○⋮⋮⋮﹂︵経済蓼論壌、寛四番弟諷渋、高田保馬、でイエクの最免租論、儀ぬ音︶ ︵軍一︶ デイゲイジアは次の如く述べてみる。 ﹁現在、経済聾に於ては、凝晋の眞の定義は無いと皇臼ひ侍る。多くの経済聾者は其の著啓の申で暗示的に貯晋に就 いて説いてゐるに過ぎない、叉之れを明瞭に定義しょぅとすることにも爵を掛けない。貯雷の定義なしてゐる聾者 は、非常に蟻々の定義を用ひて居って、謂はゞ、繹臍聾者の貯留に補する戟念は五ひ忙非常に攣って居旬、展の科拳 的概念よりも寧ろ主観的判断が問題であるかの如くである﹂。︵増血芋isig官弓gn⋮ニ≡i賢哲邑e蚤e・琵加 p・加︶ 此魔に紹介せんとするリストの貯蓄諭トー1それは専ら自蟄的貯蓄に関するものである﹂は、ケインズの所論 四五五 貯蓄及び貯蓄と金融市場との関係に就いてのリスーの所論

(3)

高松高等商染登校開校十周年記念論文集

四空ハ

と直接閲聯するものでもなく、叉景気轡動を主題とするものでもないが、貯蓄の観念を明確にせんとし、更に貯

蓄と金融市場との関係を蓮ぶる鮎に於て、右の如き諸問題とも全然没交渉ではないと考へられる。殊にケインズ

の貯蓄並びに投資の概念は、傾令彼れが之れに特別の意味を附してゐるものであるとは言へ、特に貯蓄の生じ来

る過程の分析に就いては不十分であるといふ批評も生じてゐるのであ古から、此瓢に於てもリストの貯蓄諭を顧

みることは無意義ではなからうと思ふ。

〓 リスト所論の概要

此虞にリストの貯蓄論とは、彼れが轟に一難誌の特別既に﹁貯蓄、其の敢禽的並びに心坪的機構﹂︵彗一︶なる 眉目の下に畿表し、且つ昨年刑版せられたる被れの論文集たる著書に於ては﹁貯蓄の理論﹂︵註四︶なる髄日の下

に殆んど其健再録してゐる論文を指すものである。

︵彗︸︶ CFRist﹀昆p賢gne、SOn鼠c邑賀e数a12−曾盲010富岳︵冒b−仙m鎗邑u21∽d2−晶eOnO恩官話∴1 穿m甘OSpe軋已de−pRe⊇ede象t旦−嵐q莞etde宮邑eこr∃i−・J㌢︼諾−pp∴吏卜恵吾 ︵詮四︶ 芦Rist﹀穿ai買堰elq蓋pr。b−みmesぎn。旦ueset星整骨esこ冨.pp﹂ヨ1琶︿碧か○卦de −よp胃管2言倫、此の﹁貯晋の増給﹂なる論文は、此の寄に於て最もま嬰なるものゝ芸であると謂ひ得る。 倫、右の外にリストは﹁貯蓄に関する若干の定義﹂なる諭英霊︶をも亜に磯表してゐる、之れは前掲の著書

(4)

の中世は載せられてゐないが、前述の﹁貯蓄の理論﹂なる論文を、貯蓄に細する徴れの積極的主張と稗するなら ば、乏れは貯蓄の定義に圃する諸蓼者の所詮の駁論とも柄すべきものであつて、被れの貯蓄諭を詳細に知るため には、之れをも参照せねぼならぬ。但し本稿に於ては右﹁貯蓄の理論﹂の申、特に、彼れが分ちたる二程の貯蓄 並に其砂金融市場に封する関係に就いて、絞れあ遊ぶと乞ろを紹介し︵此の部分は右の論文仝﹂諒中の最初のこ節に雷 や︶最後瞥痙の貯蓄に関する彼れの所論に封して卑見を付加しょうと思ふ。 ︵話五︶ 芦Rist﹀Q邑q壷d誤ni許ns del富胃管e射出哲ideeritiq完︵Reゴーed疫。n音ie謬litiq莞舛舛国憲 Ann肯こ変革pp什諾¢−宗野︶。倫、此の論文は、大蔵省調蜜月報亀十こ令弟九既に﹁経済螢より見たる貯嘗の定義﹂ と過して翻許せられてゐる。 リストの所論は彼れの付してゐる組首の節すが如く、貯蓄に関する理論が毒なるものであるが、彼れに依れぼ 其れは金融苗場に於ける現象を理解する基礎となるものである、従って金融市場に於ける現象を理解せんがため には1貯蓄の準論的研究を先づ必要とするといふ意味に於て、彼れは特に貯蓄の理論に力を注いでゐるものと思 はれるのである。此のことは彼れが論文の胃朗に掲げてゐる次の昔喪に依って知ることが出来る、即ち﹁貸簡市 場並び忙資本苗場の複雑なる諸現象は、.一つの貯蓄理論を必要ならしめる﹂︵聾ハ︶と。 ︵誰六︶ 出藍㌣p.−ヨ● 倫、誤解を速けるために此盛に二彗庶衛市鬱孤びに資本市坊なる評語及び私が用ひたる金 貯蓄及び貯蓄と金融市場との関係に就いてのリスーの所論 四五七

(5)

高雪辱商染畢校開校十周年記念論文集

四五入

融市蓼な豊H讐就いて、其の区別−還べて慧ねばならぬ。﹁貨幣市警及び﹁資本市瘍﹂は、旨n学岩胃ket⋮ Ge−dm胃kご苧eI−かmOn賢乳岩及びC隻已m象㌣皆il已m蔓⋮胃C訂c阜已。⋮邑か賢an思量字

過り終したもあで雪が、此の中前者の繹管して屡々﹁金融墓﹂な鼻薬が用ひられ、金融市蓼と資本市警が

分立適しめられてゐきとが雪が、警此盛に﹁金融市警な豊違を以て、右の﹁貨幣市警と﹁資本市蓼﹂と

を包括するものとして用ひたのである0

し 放てリストの貯蓄及び貯蓄と金融市場との関係に就いての所論は概東夷の如きものである。被れは貯蓄に創造

的貯蓄︵骨gn?Q曇阜と保留貯蓄︵官等診且とのこ橿あることを明かにしー且つ些ぢの貯蓄は性質

の異るものであるとする、而して前者は資本市場に供給せられ後者は貨幣市場に供給せられる。更に叉此の丙申

場に於て金利の動き方を異音るは、苦して此の供給せられる貯蓄の性質が興るためである。侍又、物情騰貴

の時期に於て金利の昂臆する理由に就いても、右二擾の貯蓄の区別に應じて稔明を輿︵ることが根来る。︵慧︶ ︵慧︶ リストの此のこ種、の貯警金驚警の漂に就いての所管、土ガ博士が夙遠目せら晶単に滋介せられ たととがある。︵土方成共、財政拳の基礎概念、義十四牽﹁公債と金融市警の中、pp.琵1釜︶

芸トに依れぼ、右二様の貯蓄を﹁世人は通常甚しく混同するが、然し此の二桓の貯蓄は、其の目的に於て其

の影響に於て叉其の横棒に讐、何れも興るものである﹂そして﹁此の︵ニ種の貯蓄の︶区別は、貸簡苗場と朗

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謂資本市場との問に存する程々の相違の基礎となるものである﹂。︵諌入︶ ︵ま八︶ 野獣︸P・とご 三 貨幣牧入の意義正英の螢逸 然らば創造的貯蓄と保留貯葛とは如何にして額生するか。雨着盟ハに収入︵re喜己又は貨幣収入︵﹁3n白 眉象t已re︶︵註九︶より控除せられるものであるが、此の接除が如何なる過程を経て行はれるかを詮明すること は、貨幣収入の愛途を分析することに依って達せられるものとして、リストは其の分析を行ふのである。然し其 前転彼れは先づ、貨幣収入及び其の支出の意味を明かにする。 ︵藷九︶ 此のきnu叉釘㌢牒mOn賢reを、所得又は墓所待と許する時は、リスよ意味するものよりも狭く ’ヽヽヽ ヽヽ 且つ限定せむれた意味を持っが如き感じを典へるが故に、吸入又は鹿藤収入と謬する。此のことは以下記するところ に依っても、叉被れが書1卦smOnぎir認な皇違を諾孟n仁mOnel乳諒と同じ意味に用ひてゐることに依っても 明かであらう。 ︳ヽ▼ヽ リストが収入と呼ぶものは寄ら貨簡牧人を指すものであつて、現物収入︵詫十︶を包含してゐない。そして貨幣 tヽヽ 収入に於ける貨幣は、最も贋い意味に於て用ひられ、現有の貯蔵財貨や労務を直ちに要求し得る債構といふ意味 四五九 貯蓄及び貯蓄と金融市審との関係忙就いてのりスーの所論

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に解せられてゐる、従つて貸簡の中には鐸貸、不換紙幣.銀行券並びに小切手に依つて移持せられる銀行預金を 包含する。︵註十︶ ︵藷十︶ 現物収入が今日の経済盆暗忙於ても若干の役割を持つことは、彼れも認めてゐるが、経済理論は劇定の型のへ変 換放骨を基礎とする必要があるととに依って、此の除外は林護せられるものとしてゐる。]紛監i︶P.1芦 ヽヽヽ 次に被れが総収入︵re喜≡邑︶又は簡単に収入と柄するは、﹁排渡される理由の如何に拘らす、〓尼の時間内 ヽ’ヽヽ に或人の手に落つる金額全部﹂を指すものである。従つて其の中には、物品費却代金、労務の代償、貸借金の如 ヽヽヽ︳ヽヽ きは勿論、胎輿、遺贈、相摸等に因る無償の金額と碓も、兎に角それが貨幣に依って梯渡される限り凡て包含せ ヽヽヽヽヽ’ られてゐる。侍、右の放牧入の意義に於て﹁鵬定の時間しと柄するは、彼れに依れぼ、﹁此の時間を出来るだけ短 ヽヽヽ いものとして考へるのが便利であつて、それは叫日でも、仮令劇時間でも或は一分間でもよいので.ある﹂。次に ︳︳ 右の如き総収入より支出が行はれるが、彼れは、収入の支出へd骨nse︶︵話十ことは﹁収入享受者の行ふ貨幣の如 何なる梯渡をも凡て﹂包含するもので、収入享受者の財布或は金庫より出て行くものは凡て支出であるとしてゐ る。︵話十こ 、ヽヽヽヽ ︵話十こ=訝風p・−00ごtp﹂00∽・本稿に於てはd骨nseを大抵、支出と繹するが、筋合に依っては党風は費用と許 する。後考は前者に姥ぺて限定された意味を持ってゐる? 高松高等商菜畢校開校十周年記念論文集 四六〇

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放て支出應如何なるものより成立つてゐるか、彼れに依れば、﹁之れを明確にすることに依って、二鱒に行はれ ’ヽヽ’ヽヽ︳ヽヽ てゐる貯蓄の現念が明かとなるものであり、其の貯蓄の観念は、消費し得ペき純収入︵ヨen占net毒Sつ計邑e︶に 就いて務め窟義することに依存するものである﹂。︵註十二︶此のりストの言葉を敷街するならば、仙般に行はれて ゐる貯蓄の観念を明かにする軋は、消費し得ペき純収入なるものが、絶収入の中の如何なる部分に普るか、揆音 すれば、粗収入の中より如何なる軽類の支出が行はれたる時に何埋る部分を以て、純収入となすべきかを決定せ ねぼならぬといふのである。 ︵謹十ニ︶ 謬s乳一P・l㌶ 今此魔に、彼れが滑資し得べき純牧人をぼ粗収入の中よ′り導き出す過粍を、預め述べて雷くならば、或の如く である。彼れは定型の牧人享受者を考へて、此の収入享受者の資本の概念を定める、そして其の者の貨幣収入申 より、其の資本を維持し且つ之れを運挿するに必要なる費用を安出したる後に残る部分を以て、清野し得べき純 収入としてゐる。︵註十三︶ ︵註十三︶ 謬s昇pp●−00∽−︻00ひ 右の如くにして純収入の導き出される過程を、被れの富ふところに従って次に詳述する。 ヽヽ 第仙に、定型の収入享受者といふのは、﹁共著の貨幣収入が、共者の盛供する人的努務よりのみならす、錦其 貯蓄及び貯蓄と金融市醤との関係忙就いてのリスーの所論 四大鵬

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高率向等商業登校開校十周年記念論文集 望ハニ 者が虚分し得る有形的或は法律的語源泉より生するが如き者﹂を指すのである。そして斯かる収入享受者の資本 とは、共著に貨幣収入を生ぜしむる右の如き甜瀕泉を指すものである、従って此の資本は、常識収入享受者の職 共に應じて﹁原料、磯妙、建物、倉庫内の貯蔵商品、受取り得べき年金債樵、株式、敢債等より成立してゐる﹂1。 偽、此の資本より生する﹁貨幣収入の中、只表分のみが、﹃清澄し得べき純収入﹄を構成するものであり、その 純収入を目的として収入享受者の資本は構成せられたのである﹂J︵苧四︶然るに前述の如く貸簡廠入の中純収入 を構成する部分は、牧人享受者の資本を維持し且つ之れを違縛するに必要なる費用を、貨幣収入申より支出した る後に筒凍る部分である。然らば資本の維持とは何であるか、其の意味を確定せねぼならぬ。 ︳ ヽ ヽヽヽヽヽヽヽヽ 彼れは﹁資本の維持︵rec星i︷▼邑。nd⋮旦已︶といふことに依つて、物質的磨損或は紙料約数用の麗先のため に必要となりたる、資本の更新と解すペきものである﹂とし、更に﹁資本の最初の貨幣倍額が、抱え孟ハの最初 の数字に保持せられる時には、資本の維持が茸現せられたものノと、吾人は認める﹂と述べてゐる。︵話十五︶ ︵註十四︶ 謬s風prp︼00“−︸芝 ︵謹十草︶ ︼汐風p・−監∵倫、右の資本碓挿の意義が批評の蝕飽あることは彼郎も認めるもので、被れは閲藷に於て、 資本の維持といふことが非常に異った意味、即ち、=︶物質的生産力を完全に保持する楼に、物質的に棄本を維持 、、、、、、、、、、、、、、1、、 、、1ヽ、ヽヽヽヽヽヽヽヽ ナるー︵ニ︶同=㌘純収入を常に密生せしむる機忙、脛汐的に資本を経緯すそ ︵三︶資本の最初の貨解倍額を保持 ヽヽヽヽ する様に、経済的に資本を維持する、といふ楼忙解膵せられ得るととを述べてゐる0そして此の三様の解繹の中、

(10)

︵こは閲係簸きものとし、︵二︶と︵三︶との申何れかを選ぶぺきものとしてゐる。然し之れを決するには長い議論を ヽヽ ヽヽヽヽヽヽヽ 必要とL、それは個人或は社食の貯貰を構成する組版入中の部分を精確に測定せんとする場合には好要ではあるが、 ヽヽ 被れの如く翠忙貯蓄を定義せんとする時には必要ではないとして、省略してゐる。︵謬spi︸P.︼芸才○︷・nOte﹀∽︶然し、 本文に於ては︵三︶Ⅵ解輝を抹つてゐる。 ヽ’ヽ 上述の如き意味に射ける資本維持のために必要なる費用を、彼れは維持費︵−袋敦pensesde琵○邑i−ま・i昌︶と名 付け、償却費︵−ぎ蔓is巨ent︶や保険料を之れに廃するものとする。次に此の維持費せ資本の遅時のため・に必要 ヽヽヽヽヽ なる費用即ち資本嘩樽費︵訂d晋n琵de敷een。e∃ed⋮首t已︶ぎ此の中状袋銀、俸給、借入資本の利子、 \ ヽ ヽ ヽ’ヽ ヽ ヽ ヽ ▼’︳ 賃料が包含せられる旨とが、総収入の申より支出せられて商連る部分が、純収入又は将資し得べき収入と柄せら ヽヽヽヽ れるものである、即ちそれは﹁資本を損耗せすに、全部拘費卜得られる牧人部分である﹂。︵謹十六︶ 看の如く純収入は全部消費し得られる部分であるが、先にリストは、貯蓄の胡念は純収入の意義に依存すると いふことを冨つてゐる。従って此の純収入は消費することも出来れば、叉貯蓄することも出来るものとなる。 それ故に彼れは﹁此の純収入の申より二つの新なる程類の支出が接除せられる、即ち拘費支出︵d音en芳弘de 。。n00音m註On︺と貯蓄支出︵d昔nse∽ dぜ屋neS︶とである﹂と述べてゐる。此鹿に彼れが、貯蓄を支出の二鱒類 ヽヽ●ヽ ヽヽ としたこと時空思すぺきことである。街、油蛍支出に就いては彼れは﹁牧人享受者が、其の直接の或は﹃最路﹄ ︵老し斯く表現し得るならば︶の繍足を引出し得るが好き物財或は労務を拉樽する、凡ての支出と解する﹂と逃 貯蓄及び貯蓄と金融市醤との幽係に就いてのリスl﹁の俳論 閤六≡

(11)

高松眉等南米畢校開校十周年記念論文集 ′ 四六四 ペ、単に消費の意義に就いても若干首を資してぁるが、此虚には省暑する。︵革丁七︶ へ謹十六︶ 醇s風pマ∴忘や1︻00ひ ︵謹十七︶ Es風もP.−漂ト一芸 四 創造的貯蓄ビ保留貯蓄 上述するところに依つて明かなるが如く、リストの貯蓄は、収入享受者の総収入の中より資本の維持費並びに 其の蓬特発を軽除して或る部分たる純収入に基くものであり、此の純収入の中より吏に治費支出をなすべきもの があれぼ、それを支出して残る部分が、貯蓄として支出せられ得るものである。然らば貯蓄支出は如何なる目的 のために行はれるものであるかに就いては∵彼れの次の言葉に依って知ることが招来る。 、、 、−、−ヽヽ、ヽヽヽヽヽヽ ﹁⋮⋮⋮貯蓄は、倖統的なる紋癖的術語としては、貯蓄者に依る滑螢し得べき純収入の漸減泉の創出︵株式或は 社債の購入、エ場或は店舗の建設又は域大、土地の改良等︶に外ならない、∵そして此の新礪泉は貯蓄者が既に自 由に匠用せる緒濾為に附加せちれること1なる。それ故に貯蓄は、元の資本の維持費と外見上何等区別鍵きち ︹ ▼ヽ の支出である。それが特別の名を有するのは、最初の二種類の支出︵蹄者濠1−慈本の維持費並び其還将費を指す︶ が行はれた後でなけれぼ介入せないためである﹂。︵註十七︺﹁其れ故に貯蓄︵しかも之れはアダム・スミス、ワルラ、 ︳ヽ キヤナンの定義である︶は、単に特別の性質の支出であることが判る。言其の意味の撰張に依って、斯くの如く

(12)

に使用せられたる収入を代表する金銀をも亦、・﹃貯蓄﹄と呼ぶ。⋮⋮⋮﹂︵藷十七︺ ︵諌十七︶ 野獣﹀P﹂霊

夢するに、サストの貯蓄とは、純収入を劇に生み出すべき濾泉とする日町を以て、収入享受者が其の純収入中

よや支出した部分である、そして此の意味の貯蓄は、経済聾者の傍流的なる貯蓄の勒念である、といふことにな

− ︳ヽヽヽ る。彼れは此の意味に於ける貯蓄をば、特に支出貯蓄︵骨rgn?J菅宏e︶又は創造的貯蓄と呼んでゐる。︵話十八︶ ヽヽ ︵ま十八︶ 紆昇p・−諾・簡、リスー・は、アダム“ス、、、スが﹁貯啓せられたるものは凡七、最後には消費せられる﹂と ヽヽ 貰ったが、之れを少Lく欒夏して﹁貯蓄せられたるものは凡て、支出せられる﹂とすれば温い、姦し貯欝は上慧定

慧如く。支出の妄淡に過ぎないからである、只婁泊塵支出は現存せ忠昭の減少或ほ磨税と成右に反して、貯帯支

出は新なる収入の創造と成るのであるごミスは礁の申で斯かる二つの省令を比較Lてゐる、といふとと妄品慧てゐ る。︵Ess風p●−彗︶

ところで、貯蓄に就いて、は空つの観念がある、。それは収入の支出を保留したるものといふ意味に於ける貯蓄

である。之れをリストは保留貯蓄と名付けるのである。彼れは田く﹁貯蓄の観念は僻語に於ては保留の観念と密 ヽヽ

按に開脚してゐる、此の観念を貯蓄の理論の申実れる飴票無いであらうか﹂。﹁否、此の警窟潜の群論の

中へ全く自然に導き入れられる。只だ収入を保留して畳くといふことは、鹿のものとは全く興った行馬である、

貯蓄及び貯蓄と金融市場との関係に就いてのリストの所論 四六五

(13)

ヽヽヽヽ 従つて之れを保留貯蓄なる特別の育英に依って示して、先のものから区別すべきものであると考へる﹂と。.︵註十九︶ 然らば保留貯蓄は如何なる鮎に於て創造的貯蓄又は支出貯蓄と異るものであるか、それは、吹灯記する彼れの 訟明に依って明かとなる。 ﹁吾人は、放牧入の支出が、必ず凶つの運河︵野望守﹃盛本の維持費及び其の遮時盈、消費支出及び貯蓄支出を指す︶の 一つを通って行はれ、此の四つの運河は集って粗収入を全部吸収することを示したのである。然し吾人は、此の ヽヽヽヽヽヽヽヽ 縫取入が、支出されるに兜立って、屡々剛つの貯水他に滞溜するといふこと堅ゴ己はなかつた。賛際上蓮の支出は ヽヽ︳ヽヽヽヽヽ▼ヽヽ︳ヽヽヽヽ︳ヽヽヽヽヽヽヽヽ 何れも、収入が到宛すると直ちに或は更に後に行はれ得る。革質、牧人受入の時と其の支出の時との問には、其 の支出が如何なるものであつても、若干の時間が屡々経過する。斯く収入を保留して置くといふこと目それは ヽ︳ヽヽ︳ヽヽヽヽヽ 収入の後日の到着地が何鹿であつても、収入の凡ゆる部分に無差別に常飲る彗は、凡ゆる他の用途に封立すると ころの用途である這血しそれは正に支甘と世反封のものであり、月つ収入の他の凡ての用途穿共中に貯蓄も包 ’ヽヽヽ 合せられる!−しは、支州であるがためである。吾人はそれを保留貯蓄と名付けんとする、之れは、辟臍単著が短く ヽヽヽヽ 貯蓄と名付け吾人が支出貯蓄又は収入の源泉の創遷的貯蓄と呼ぼんとするもの!そして之れが普通、経済単著 の考察する唯仙の貯蓄である旨と区別せんがためである﹂。︵註こ十︶ ︵ま十九︶ ロ沃ai﹀P七●l00↓−−笠 ︵註二十︶ b.深昇p.−笠 高率向等商染畢校開校十周年記念論文集 四六六

(14)

ヽヽヽヽ 次に絞れは右の如き保留貯蓄が今日の経臍姓満忙於て潰する役割或は其の寮嬰性に就いて述べる。﹁保儲せら ヽ.ヽヽ れたる金額は非常に変化するものであり、しか盈日は殆んど知られて屈なかった増大的なる役割を演じてゐるも ヽヽ’ のである。此の金融の中には、翌日或は翌々日の支出に勤して発音せらるペき凡ゆる特別の準備金−−死亡、病 戴或は事欒の如き将来の出来事に勤して保留せられる金額−ヨや、倫、明確なる冒皆無くして只だ﹃後日の用に 取って坦くもの﹄として、兎に角保留して置く金額が含まれてゐる。其中の仙部分は統動的金銭の形で直接に退 赦して保存せられることがある︵退蔵th罫u訃a︷i昌は貯蓄﹂般の典型では無くして単に保留貯蓄の典型である︶。 ヽヽヽヽヽヽ 然し乍ら現時の祀昏に於ては、此の保留せられたる金舶も亦、益々投資せられる︵p︼誓色、此の投資とは、保留せ られたる金融が其の供留の日常たる支出の時期が到解する時には引出され得る様に、一時的に貸興せられること を意味する。それ故に之等の金胡は預金鈍行、貯金局、保険禽政の如き大貯水池に集中し、之等の銀行其他のも のは亦、之等の金額をば、必要とせらる1場合には回収し得る様に魔球することに依って、再流通させるもので あ牒。斯くの如く蓄磯せられ貸興せられる裁十億の金額の盈要性己その重要性はアダム・スミスも疑ふことが 出来なかつた白uは、日々に増大するのみである﹂.︵註二十こ ︵註二十こ 謬s風pp.−0000ー一芸. 以上述べたるところに依って、リストの分つ創造的貯蓄と保層貯蓄との観念、其の由来する應並びに役割は明 貯蓄及び貯蓄と金融市場上の関係に就い七のリスーの所論 四六七

(15)

高松高等蘭染畢校開校十周年記念論文集 、 望ハ入 かとなつたのであるが、引績いて爾貯蓄と金融市場との紺係に就いての彼れの朗諭を紹介する。

五 貨幣市場ビ資本市場

−−、ヽヽヽ 彼れは日ふ﹁保留貯蓄と創造的貯蓄との屡々閑却せられる置別は、諒貸衛市場又は短期資太市場、畑は資本 ヽヽ 市場又は長期資本市場と柄せられる二大市場の区別の基礎である。右の区別は両市場を分つ主なる相違を説明す る。之れ即ち右の直別をじて重要ならしめるものである﹂。此の常葉に依って前述二種の貯蓄の隈別が如何に軍要 なるものとなつてゐるかは明かであるが、彼れは右の言草に授けて次の如くに冨ふ、﹁勿論、之等弼市場の分界 ヽヽヽヽ 線は、精確には宮人の引いた分界線とは一致せない。経済の理論的分類は、それに封雁する嘗際の諸制度の分類 と、確臼の跡無しに選り合ふことは稀である。寄資に於ては、保留貯蓄の叫部分は局期資本市場に供給せられ る。反封に創造的貯蓄は時として貨幣市場に滞留する。然し乍ら之等二つの市場は、其の澱も根本的なる特徴に 就いては、其鹿に供給せられる二類型の貯蓄の異れる性質に依つて支酎せられてゐる﹂りへ謹二十二︶ ︵詰二十二︶ E蓄ri︸P●︼00P 右の如く貨幣市瘍と資本苗場との根本的特徴を豆配するものとせられてゐる爾貯蓄の異れる性質の申、最も興 味あるものとして彼れの貌ぐるもの︵但し既に述べられた事柄と葦分蚤復することを免れないが︶を、次に嬰暑

(16)

する。由、以下の︵一︶︵こ︶等の項冒は破れの附するものである。 ︶ T先づ創造的貯蓄は或は其の持主に依って直接使用せられ、或は株式敢低の買入又は應寡のために資本市場に ︵ 捷供せられる。之等二つの場合に於ては、創造的貯蓄は企菜の創設、農工発の改艮に役立つが、侍、国家や地方 自治牌に勤しても其の経費支塀に必要なる金額を提供する。之等の方面に用ひられたる金額は、世人が﹃¶囲の 貯蓄﹄と柄するものを構成するものであり、叉之れを精確に見領り、在来の資本の損失∵破壊、滑耗を差引くな くならば、諸閲民の富有と成る速度を比較することが机来る。此の創造的貯蓄の年々の金額は平常の場合には徐 々に欒化するもので、恰も之れを絶えざる水流に誓へることが出来る。︵話二十三︶ ︶ 〓それに反して、保留貯蓄は一時的にしか貸興せられ得ないものであるから、後日掩通より引上げられること ︵ ヽヽヽ▼ヽ が出来なけれぼ、最初から流通に入り込まぬものである。従って保留貯蓄には梯戻の械構︵銀行、取引所、貯金 局の如き︶を常然必要とする。それ故に此の機構の設けられる迄は、保留貯蓄は過赦せられるより以外には相法 は無い′。此の理由に依って、保留貯琴の役割の生じたのは、比較的故近のことである。 右の彿虞の機構の原理とも言ふべきものは、銀行、貯金局等の樺開が新に預入を受くる金額を以て、以前に預 入を受けたる金顧の中退遠を要求せられるものに、常に應することである。しかも通常引出よりも多き新なる預 入金朝と返還を要求せられたる以前の預入金額との積極的差額は、之等の機関の﹃投蟹﹄し得るものとなる。又 有偶語券取引所に於ても、新なる創造的貯蓄の絶えざる流入に依って保留貯蓄の引出が確保せられる。 貯蓄及び貯蓄と金融市蓼との関係隼就いてのリスーの所論

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︶ 三貨幣市坂と資本市場との軍費なる仙つの相違として、リストは此の項に於て、長期金利と短期金利との欒動 ︵ め等しくないことを訟喝する。 創造的貯蓄は先に、絶えざる月つ多少規則的なる水流杵昏へられたが、之れに勤して保留貯蓄は貯水池を浦し 且つ絶えず新しくなる水に響へられる。此の貯水池の水準は非常に欒化的であつて、其虞に流入する水蚤と其魔 より流出する水盤とは決して同一でなく虎魚があるために、其の水準は屡々且つ奨然に欒化する。此の水準の斯 高松高等南米聾校勘校十周年記念論文集 四七〇 若し右の如き祀脅的機構が叫時停頓した、即ち銀行への保留貯蓄の絶えざる流入、叉、投資︵pl琵men−︺を求む る創造的貯蓄の取引所への絶えざる寄興が停止せられたと恨定すれぼ、忽ちに保留貯蓄は出口を封鎖せられ、取 戻し得ないものとなる。保留貯蓄の引出は平常の海食には、仙般の人々が右の如き傭件を忘れてゐる梓、平穏且 っ簡単に行はれてゐるのであるが∵経済恐慌が勃敬し教卒が量呂せられるといふが如きことになれば、保留貯蓄 の新なる寄輿は減少或は停頓し、二カには其の引出が増加することになる。共時には次の如き敢命単著に酎つ・て 、、、、、、、、、 、 1 −、、−、、、、、、、− 、, 1 −、、 ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ 興味ある事柄、即ち﹁現時の敢禽に於ては、特に個人的行馬たる保留貯蓄は、一の敵脅的槙構の力に依らなけれ ヽヽヽヽヽヽヽヽヽ ぼ、共働きを馬さない﹂といふことが、〓目瞭然となる。︵話こ十四︶ ︵ま〓十三り ]野獣ふや﹂涙γ︼苫 ︵話二十四︶ 謬s風pp●−箋−︼讐.

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かる変化は保留貯蓄の需蓼供給の不平等性及び攣勤性牢不すものである。例へば利札の支梯別田の翌日とか或は 叉亘額の募債の手取金が劇時預金として存置せしめられる場合には、保留貯蓄は銀行に集積するが、反封に三ケ 月末とか若干の季節とか或は収穫の時期等には、短期資金の大需要が規はれる。※斯かる事情に依つて保留貯蓄 の貸借せられる利率亀其の最も代表的なるものは割引歩合であるが・白は、絶えす又急激なる欒化を蒙るので ある。之れに反して創造的貯蓄の利子歩合は、多年竺見る長き期間を置いて、綬漁に欒化する︵千八百七十五年 より千八百九十五年迄の間に、利子歩合が露分よ旦二分に下る迄には二L・年を要し、吹でそれが欧洲大戦の瞭に 於て約掴分牛に上る迄ぬは殆んど二十年を要した︶。璧︵話こ十五︶ ︵詮二十皐︶ ︼哲風pn︼岩0※之等の例ば主としてフランス忙於けるものを奉げたものと見るべきであらう。 、、ノ 四輪仙つ、二種の胞苔の置別に依って説明し得られる現象として、リストが此の項に於て述べてゐるものは、 ′√\ 物情胎資の時代に於て何故に長期及び短喝の金利が下落せすして寧ろ騰貴するかの珊由である。彼れは偲づ轟親 \ 金利に放いて述べる。 潰金屠の濠灘増加或は紙幣の造出に基く貨幣の大増加の結果として起る、物慣の一般的騰貴の如何なる時代に 潜ても、世人が﹃資本﹄と柄し然し蜜は貨幣に過ぎないものが豊富であることに基いて、利子の下落が起り得る ヽヽ をいふ幻想的凝る期待が生れる。﹁然るに此の貨幣の豊富であること−11それは名目吸入の増加北伐って察知せら 貯落及び貯蓄と金融市場との関係に就いてのウスlの所論

(19)

商整偽等南光拳校開校十周年記念論文集

四七二

、、、、、−▼、、、1−、、、−、、I− −、、、、、−−、、、、、−、 、ヽ−ヽ ヽ ヽ ヽ れるがーは、各人が其の創造的貯蓄と其の消費支出との問笹保擬して屈った従舞の割合をば、少−も野党せな

ヽヽヽヽヽ

心のである﹂。利子歩合の下落を招爽するためには、右の割合が貯蓄に取って郡合よき方向に欒化するごとを要

し1更に倫、創造的貯蓄の増大に封して其の需要が依然とトて同〓であるか或は同じ割合で生する、と仮定せね

ばならぬ。﹁然し斯かる仮定は確かに、今吾人が想像せるが如き事情の場合に於ては、嘉的に発明し得ない。驚

し紙簡︵若し紙簡のみを問題とするならば︶は、凡ゆる慣格を騰費せしめて、有形的資本並びに消費財の慣格を ヽヽ 騰資せしめるからである。械械や原料を新償格で買ふためにはより多くの貨幣を罫するG斯くして貯蓄の需要は

ヽヽヽヽ

減少せすして却って増加する﹂。一方に於ては、物慣騰貴の必然的結果として名目故人が増大することに依って、

魔分の自由なる貯蓄を寧ふ企発着は、従前と同じ貯蓄に封して忘多くの報酬を椚すことが可能となる。それ故

に右の如き禦昆於て世人の目撃するのは、利子歩合の下落ではなくして其の騰費である。︵註二十六︶

リストは放いて短期金利に就いて述べる。

﹁割引市場に於いても前岡梯の考察をすることが机釆る〇貨幣の増加竺般物情水準並びに名目収入を高めて

ヽヽ 企発着及び凡ての個人をして、より多くの準備金︵準備金に就いてのみ述べるならば︶豪快持せざるを得ぎらし

め、又同時に其の保持を可能ならしめる。之れがために保留貯蓄の金額は増大し、之れは就中銀行預金の増加に

依って察知せられる⋮・⋮・・。然し此の保留貯蓄の増大は割引歩合の下落を来さずして、通常其の騰貴を件ふので

ぁる⋮⋮⋮﹂。﹁然し此の騰貨は誠に常然であ渇、蓋し︷貨幣増加の時期に於ける︶・短期貯蓄の需嬰増加は、吾人

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ノ ヽヽ・ヽ が創造的貯琴に就いて示したものと同山の影響を受けて、鞄常其の供給増加に先行し、且つ熱後は従前よりも高 き割合にて生じ得るからである。此の現象は、千八百九十瓦年より千九百十川年迄即ち大戦に発つ金流入の時別 に於て、特に詮明せられたのである。それは梅今日に於ても譜明せられる﹂。︵話二十七︶ 経りにリストは、物傾聴藁の時期に於ける長短繭金利に就いての前述の詮明を質的して日く﹁要するに、貨幣 の薪なる大増加は粗収入の貨幣的凝視を欒じ、絶収入を示す金額を増大せしめる。︹然し︺その貸簡の大増加は、 線取入が通過する四つの支出遥河の間、並びに之等四つの遷河と粗収入の⋮部分が保留して愚かれる貯水池との ,ヽ ヽ,、、, ヽヽヽ’ヽ 問とに於ける、放牧入の比例的分配をぼ欒更せないのであかJ貨幣は増加する、然し貯蓄の供給は増加せない。 然るに此の供給の攣更のみが、貯蓄の貸借せられる利率を欒化せしめ得るものである﹂と。︵註二十入︶ 以上四項目に分ちて詮明せられたる諸現象に就いての総括的緒言とも謂ふべきものを、リストは左の如く述べ てゐる。 ﹁吾人が注意したる諸現象は、人々が、先に吾人の隈別したる二つの貯蓄を分つ根本的相違を、能く記憶に留め ︵註二十六︶ ︵謙二十七︶ ︵話こ十八︶ 貯蓄及び貯蓄と金融市場との鏑係に就いてのりスlの所論 房担i︶p.︼諾 ︰野∽ai︶PP●︼器−1思 崗ss昇p.烹芯

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るならば、非常に簡単に了解せられる。保留貯蓄は組版入の金牌より捧除せられ、創造的貯蓄は専ら純収入より 控除せられる。雨貯蓄の供給せられる市場は、斯くの如く興れる源泉に依つて給養せられてゐるから、伺叫の現 \ 象む壊し得ないのである﹂。︵註二十九︶ ︵話二十九︶ 謬s風p−︼芝● 最後に尚リストは、保留貯蓄の現象に就いて、其の興味ある配合畢的方面として、概略次の如きことを述べてゐ ヽ■′ る︵之れは前掲の項目〓の保留貯蓄に関する妓れの所詮と併せ読むを可とするものと思はれる︶。 ′−\ 薬園的生活の諸現象が、必しも個人的生活の諸現象の革なる合計ではないことの仙つの謹榛を、保留貯瞥が提 供する。即ち保留貯蓄が或る銀行に質入れられると、それは其の銀行に依っても其の預金者に依っても共に利用 ヽヽヽヽヽヽ せられることになる。之れは敢倉が保留金の統通︵㌻cir邑邑。ndesr筈3S︶といふことを案臥するがためであ る。葡、マルクス及び其の〓準に依って屡々述べられ、しかも事賓に依って例語せちれることの少い叫つの虞理 の点き例を、鹿留貯蓄が提供する、それは敢禽生活に於ける数盈的欒化が歴々質的欒化を招来するといふことで ある。即ち保留金の銀行に集中することが多くなる程、預金者附其の欲する時に引出し得る保護は大となり、同時 に亦銀行が之れを利用する強さも大となり、退赦の無益なることがそれだけ長く判る。取引所の有償音容に投下 せられたる保留貯蓄に就いても同様であつて、有偶語雰の苗場が大なる程、其の市場に於ける有償語券の需要は 高松高等商米袋校開校十周年記念論文集 四七四

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犬であり叉不断に偏在すること1なり、保留貯蓄の斯かる利悶方法も二掻藩及する。従って取引朗或は銀行の横 棒が乱され其の働きが鋏められると、退蔵といふことが保留貯蓄の普通の形態と成るー︵註≡十︶ ︵謹三十︶ 崗訟pi一P・︻芝−︼謡 六 リストの二柁の貯蓄の院別に就いて 私は、最初に限定したる範囲に於てリストの朋諭を紹介したが、此魔に紹介の全部に亙って卑見を逃ぶる畷が ないために、只だ彼れの二種の貯蓄の導き出される準備階梯たる諸概念並びに二種の貯蓄の区別に就いて卑見を 述べること1する。 二百紋れの所論の表鳩方法に就いての感想を述べるならば、被れは蹄暢なる筆致を以て所々に適切なる比喩を 交へて其の所見を明快に述べてゐることが感じられる。しかも驚際の硯象を親祭し、綿密なる考慮の下に甥論を 築かんとする態度が看取せられる。 然し被れの尉論の中には、私の首肯L得る鮎と疑問とする鮎とがある。次に之等を、兜に破れの所論の紹介に 際して分ちたる順序に従って述べる。 ヽ、ノ ー貨幣収入の意養と其の費途。リストが其の区別する二倍の貯蓄の由来するところを明かにするために、先づ ︵ 貯蓄及び貯蓄と金融市場との紺係忙就いてのリスー.の所論 四七五

(23)

●ヽ 第一忙牧人の意義む定め、之れを貨幣収入に限れ現物収入を除外してゐる瓢に就いては、間躇とするものが無い と思ふ。蓋し其の除外の理由と⊥てゐることが首骨せられ、叉特に貯蓄と金融市場との関係を見るに雷っては、 ●ヽヽ 現物牧人又従って現物貯潜を考慮に入れる必要がないからである。第二に被れの富ふ総収入がr彿渡される確由 の如何に拘らず劇定の時間内に或人の手に落ちる金融全部﹂を指すものであ.りい最も廉い意味に解せられてゐるこ とに封しては、之れをそれよりも狭い意味に限定すべき必要を見ないが故に、之れも亦安富であると思ふ。第三 ヽヽ に彼れの支出の意義に就いてもー見聞題とすべせものが無い棟であるが、之れに就いては後に二曙の貯蓄の置別 に摘聯して一.晋述べること1する。 ヽヽ 滞週に彼れの謂ふ資本は、定型の収入享受者に貨幣収入を生ぜしむる源泉となるものを凡て包含してゐるもの であるが、斯かる意味の資本は、私鮭酒的資本或は営利資本と柄せられる庵のに常り、恨令其の資本の内容を蘭 成する物財、権利等は職発に依って粒々異るものであつても、 額であるか放た、個々の物財、硬利が本郊資本なりや否やを開ふ必要は無い。此の意味に於て彼れの資本概念も 亦是認せられるものと考へる。 ︳ヽヽ︳ 第五に右の如き資本概念に閲聯して絞れの謂ふ資本維持の意義に就いては、眈述の如く絞れ眉身批評の蝕鞄あ ︶ヽノ ることを認めてゐるものであり、叉彼れが脚証に於て掲げてゐる三棟の解繹の中、二と三との何れを選ぶべきか ︵︵ は確か些問題であるが、然し﹁資本の最初の貨幣倍額が給えす其の液初の数字に保持せられる時には、資本の維 高祖高等商量笹校開校十周年記念論電集 四七﹂ハ

(24)

持が賛現せられたもの﹂とする彼れの本文に於ける解繹は、前述の資本概念に封應するものと考へられるが故に 此虚には之れに従ふこと1する。 ヽヽヽ 第六に彼れの純収入は、資本維持費及び資本運縛費を総収入の中より柊除して飼喋る部分であ牒、従って﹁資 本を損耗せずして全部滑資し得られる収入部分﹂であるが、此の意義そのものには異論は無いとしても、資本の維 持費及び其の遷樽費を構成する諸農用の項目如何が問題となるであらう。固より事葵に依って種々雑多の費椙が あり、 ける主要なるものを以て満足すべきであるが、特に少しく簡単であると思はれるのは、資本継祷費に属するもの モして償却費と保険料とを撃ぐる佗過ぎないことである。此の中保険料に就いては之れを資本緋持費に入れ得べ きものであるかの疑ひが起るが、叉一方の償却費に就いては之れを特に贋い意味に解Lて、常に磯城建物等の償 却費や修籍費のみならす製品に含まる∼原料代金や動力費等をも包含するものと解搾せざる限り、単に償却贋と いふのみにては誤解を生するであらうと思ふ。 ヽ−ノ 〓創造的貯撃と保留貯蓄。此の二種の貯蓄を院別することはリストの所論の中軸であり、貨幣市場と資本市場 ︵ とを分つ基礎となるものである。 放て世人が貯蓄をなすといふ場合には、或は之れを収入の源泉たらしめんこと凄主たる目的とし或は常に後日 の用に保留して撞くことを克たる目的として、∴収入︵総収入たると純収入たるとを間はす︶の中よれ其の幾分を 貯蓄及び貯蓄と金融市場との関係忙就いてのリスーの所論 四七七

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高松高等簡兼聾校開校十周年記念論文集 四七八 接除することは、共に行はれてゐることである。斯く収入の申より控除が行はれるといふ瓢に於て濾リストの柄 、、 −ヽヽ 貯蓄は共通鮎を持つが、彼れは其の控除の客牒と言ふべきものを創造的貯蓄にあつては純収入とし、保層貯蓄に ヽヽヽヽヽヽ ヽヽ あつては雑収入の全鰭とすることに依って両者の差異を示し、更に其の拉除の目的が創造的貯蓄に於ては純収入 の新濾泉たらしむることであり、保留貯蓄に於ては北ハの名の如く箪に保留Lて遣くことにあるといふ鮎に於て嗣 者の差異を示して、厳に補貯蓄を区別するのである。 、、、、−ヽヽ 兜づ創造的貯蓄に就いて見るに、彼れは此の貯蓄が﹁元の資本維樽費と外見上何等隈別無き一つの支招である﹂ ︳︳︳ヽ ヽヽ として、之れに一名支出貯蓄なる名栖む輿へてゐるJ此の支出といふ言葉は後述するところに依っても明かなる ヽヽ が如く保留といふ富来に封して用ひられてゐるものであるから、d骨nseを支出とせす費用と謁する時は、創 造的貯蓄は費用なりやといふ間組を生する︶、その意味に於て創造的貯蓄が叫つの支出であるとすれぼ、それは共 ヽヽヽ ヽヽ の鮎に於て被れの富ふ如く外見上資本維持費と騒別は無い、然し資質に於ては両者は勿論具る、即ちリストの旨 ヽヽ ふところに従って、創造的貯蓄は純収入より支出せられるに封し資本維持費は粗収入より支出せられるといふ差 遣の外に、更に目的に於て且肌着は純牧入を生むこと、換言すれば新賓本の形成を自的とすると富玖村るに封し て、後者は曹資本の維持を目的とするものである。 tヽ 薗、私はリストの創造的貯蓄と投資と稲せられるものとは差違があるか否かを此鹿に調べて見ることゝする〇 リストは先に紹介したる範国内に於ては投資︵pl琵men什︶といふ富美を飴り用ひてゐないが、﹁投資を求むる創造

(26)

的貯蓄﹂といふことを逮べてゐる。之より判断すれば彼れは両者を一應虞別して居る枝であるが、州南に於ては 次に引用する文章︵話三十こに於て見る如く、両者を同じものに解してゐる櫻である。▼私は投資と創造的貯蓄と偲 観念上区別し得るものと考へる、投資は資本の形成であると見るならば、創造的貯蓄は部費本の形成を目的とす るものであるから、此の鮎に於て投資と合致する、然し投資は創造的貯蓄のみに依って・生するとは言へない。 ︵ま三十こ 彼れは﹁貯蓄に踊する若干の定義﹂なる別の論文に於て次の如く述べてゐる。﹁貯蓄をば、最後には収入の 源泉に変化せしめられる金額の雷稜であるとする、此の屡々見る見解は、二つの鮎に於て不精確である。寛二虹投 資は、それに先立って改め蓄税することを何等必婁としない。⋮⋮⋮⋮朕入は、それを受取って間もなく投炎せられ 純収入の新濾泉に欒ずることが出来る。例へぼ私は、同じ日に入草すべき利札の手取金を以て、成る義憤に應ずる指 疏を自分の銀行に典へる。私は貯蓄といふ富貴が普通用ひられてゐる意疲忙於て貯蓄する ︵それは此場合アダム‖ ス ミスの意味である︶。然し私は何等の金融をも保留せなかった。此の鬱合に於て貯蓄を構成するものは投資そのもの である。其盛に二っの異心る行馬彗即ち㌻嘗貯蓄と呼び他を投資と呼ぶ彗を、如何にして見出し得るかを知るこ とは出米ない。他方に於て逐次的に金銀を改め蓄碩することは、ジード氏の﹁投資﹂或は﹁消費の延期﹂以外の他の多

くの行馬の前に起る 叫般的の方法であ去﹂。︵霹,RぎQue首−認d芸nitiOnS de1.官軍習e.Re言e d一かeOnOmiゐ

P01i凰ue・一語︼.p・諾e 此の引見先に依って、ジスtは創造的貯蓄と投登とを同様に解してゐると雷ふことが出来、露に投賓は改め金銀の蓄 積或は保留を必要としないといふ考へを持ってゐると富ふことが出凍る。私は此の二つの鋸に就いて備後に述べるこ とゝする○ 次にリストの保留貯蓄は保留して置かれることが目的であり、従ってそれは﹁支出とは反射のものであり﹂、他の 貯留及び貯蓄と金融市第とわ踊係に就いてのリスーの俳論 四七九

(27)

高松高等商薬畢校開校十周年舐念論文集

四八〇

諸支出︵既述の如く此の中には創造的貯蓄が一つの支出として含められてゐる︶が規資に行はれざる限りに於て

現はれ来るものである。それ故に彼れは﹁斯く収入を保留して琶くといふことは、収入の後日の到達地が何魔で

あつても、吸入の凡ゆる部分に償飲る﹂と雷ふのである。

ヽ 以上、創造的貯蓄及び保留貯苔に就いて考察したる結果として知られることは、純収入の中より路除せられて

本来創造的貯蓄︵或は支出貯蓄︶と成すべきものであるが、それに先立って保留せられる、即ち保留貯蓄となるも

のがあるといふことである。然し此のことゝ、兜の引用文に於て見る如く、投資即ち創迫的貯蓄は預め金鐘の蓄

積或は保留を必姿とせないといふこと1は、如何に調和するか。勿論リストの冨ふ如く投資又は創迫的貯蓄が純

収入の生ずると同時に行はれ得ることは認められる。然し同時に行はれすして時間が経過する時は、その純収入

は其健蓄積せられる或は保留せられてゐる、即ち預め保留貯蓄となつてゐると富払得る、そして之れは被れの保

留貯蓄の挽明に従ふ解繹である.それ故にリストの創造的貯蓄は諌め純収入の蓄積或は保留を必しも必要とする ものではないが、文一面には純収入の蓄積又は供留の後に生ずることも認めてゐると冨はねばならぬことyなる。

此魔に注意すべきことは、リストの冨ふところに従へば、橡め保留せられて居って庵、右のものと政違って、如

ヽ 法的貯蓄とならざるものが存することである。それは放牧入の中より軽除せられて支出の時期迄単に保留せられ

て畳くに過ぎないところⅥ伽留貯蓄である。例へぼ資本の償却費に充てらる、ペきものが其の支出を保鰯亙られて

ゐるが如き場合である。然るに彼れの主張の中に矛盾するものと感ぜられるものは、保留貯蓄の今日の経臍生椚

匿於て演ずる役割に就いて彼れが述べてゐる歩合に﹁現時の赦魯に於ては此の伽留せられたる金額も亦益々投資

(28)

せられる、此の投資とは、保留せられたる金額が其の保留の日常たる支出の時期が別解する時には引川され縛る 楼㌃二時的に貸興せられることを意味する﹂と晋へることである。此の場合の投資は、備に彼れが創造的貯蓄即 ち投資と見たる場合のものとは明かに相違するが、今恨りに投資の意味を腐張して、右の如く保嘲貯蓄が其の支 出の時期の到来する迄貸興せられるものをも投資とする。之れは例へぼ絶収入より保層せられたるものを劇時銀 行に定期預金として預入れる場合と、純収入の中よ針接険したるものを以て公偶政情を買ひ純収入の淑とする場 合とを、選撞的なるものとして、共に投資と見るが如きものである。然し莞し今の場合の投資を以て、保留貯蓄 なりしものが創造的貯蓄となることを意味するものと考へるならば、初めに注意したるところと反することゝな り、りストの丙貯蓄の直別は失はれるのである。諾しリストの創遭的貯蓄は純収入け中より搾除せられたるもの であり更に英日的は純収入を生む源泉となる、即ち新資本を形成することにある。之れに反して保留貯背は粗収 入の中より軽除せられて単に保留せられることが目的である。従って之れが支出の時期の到東する迄叫時貸興さ れる︵之れは叉本来の保留の意味に反し、且つ﹁貨幣の如何なる沸渡をも凡て﹂包含するとなすリストの支出の 意義の制限となるが︶としても、之れは純収入を生むぬ泉とはなちないものと解すべきものである︵従って此の 場合に貸出に依って得る利子は純収入と見ることは出来ないことになる︶。其れ故に右の如き保留貯蓄の一時的貸 輿に依って純収入を生むものと解する時は、それは、純収入より軽除せられて創造的貯蓄となるべきものが二呼 保留貯蓄となり、後に創造的貯蓄となりたるものと同じく、共時には最早保儲貯蓄ではなく、創造的貯苦と欒る ところは無くなり、雨着の直別は立て得なくなる。 ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ 貯蓄及び貯蓄と金融市場との調係に就いてのリスーの所論

(29)

高松高等商発現校閲校十周年記念論文貧

四八二

右の考察に於て、絶敬入より経験せられたる保留貯蓄が銀行に定期預金とせられるといふ例が通常でなけれ

ぼ、之れを首座預金と代へてもよい。リストの銀行預金とは、.首座預金の如きものを指すものとも考へ得られる

が故に。此の場合に於ては預金の利子は微弱であるか或は無利子であるがために、公債、政債の買入の場合とは

収入の大さを異にするが、然しリストが斯かる場合をも投資と見ることには攣りが触⋮い。更に叉、若しリストが

ヽヽヽ 保留貯蓄の斯かる違約貸輿をも投資と冨ふことは、特に其の山時的、即ち支出の時期の到来魔といふ鮎に於

て、創造的貯蓄の投資とは輿るものであると椴定する。然し之れに別しては、公債、酷使の買入が山時的のもの

として行ひ得ること、即ち其の賛却の容易なることに依つて、恰も銀行預金の引出と攣りなきことが考へ得られ

るのである。特に雨着の問に葦違を付けるならば、由者には憤格の攣動のために充本と同じ金額の回収を受け▼得

ない危険があるに反して、後者は斯かる危険無くして回収し得られることである。

以上は、リストの創造的貯蓄と保留貯蓄との置別の梗準に従って、両者の区別を経由する結果として生すると

ころを吟味したるものである。然し之れに依って私は彼れの二種の貯蓄の儀別を無用とするものでは無く、天龍

に於て豊ハれを認めるものであるが、丙貯蓄の償別の梗準に咋庸不明確なるところが存すると思ふものである。

偽叉、元来リストの閣貯蓄の院別は私樺溶室腰︵彼れの言ふ収入享受誉の収入配分に摘する計算的考慮に基い

て生じたものであることは、其の準備階梯たる諸概念の規定に依っても看取し得ることである。従って彼れの爾

貯蓄の直別は社命経臍的剋鮎より見たる場合の其の区別とは叫致するものではないといふことも、注意せねばな

らぬと思ふが、之れに就いて述べ各ことは他日に譲る0

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