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食品安全委員会では リスク評価の内容などに関して 消費者をはじめとする関係者との情報や意見の交換 ( リスクコミュニケーション ) を 意見交換会の開催 ホームページなどを通じて 行っているところです 本資料は 意見交換会などの際に 関係者の理解を助けるための基礎的な参考資料として 食品の安全性に関

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食品の安全性に関する用語集

(第4版)

平成20年10月

食品安全委員会

食品

安全性

用語集

食品安全委員会

︵第

平成

20

10

(2)

食品安全委員会では、リスク評価の内容などに関して、消費者をはじめとする関係者との 情報や意見の交換(リスクコミュニケーション)を、意見交換会の開催、ホームページなどを 通じて、行っているところです。 本資料は、意見交換会などの際に、関係者の理解を助けるための基礎的な参考資料とし て、食品の安全性に関する基本的な用語などについて解説したものです。 平成 18 年 3 月に改訂版追補を作成して以降に皆様からいただいた、用語の追加、表現の 適正化などの要望も踏まえ、その内容を見直し、この度第 4 版を作成するに至りました。 本用語集は、現時点での一般的な理解や考え方などを整理したものであり、今後必要に応 じて、見直していきたいと考えております。 お気づきの点などありましたら、当委員会事務局までご連絡ください。 平成 20 年 10 月 内閣府食品安全委員会事務局 ○問い合わせ先 「食の安全ダイヤル」 03-5251-9220・9221 ○食品安全委員会 ホームページ :: http://www.fsc.go.jp/

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� �

���� ��� 1 食品安全基本法の制定と食品安全委員会の設置··· 1 2 食品安全基本法に基づく新しい食品安全行政の枠組み··· 1 3 食品安全委員会の役割 ··· 2 (1) 食品安全委員会の構成 ··· 2 (2) 食品安全委員会の主な役割 ··· 3 1) リスク評価(食品健康影響評価) ···3 2) リスクコミュニケーションの推進 ··· 4 3) 緊急の事態への対応··· 4 ��� ������������� ��� �� ��� 1 ハザード(危害要因) ··· 5 2 リスク ··· 5 3 リスク分析 ··· 5 (参考)リスク分析3要素(わが国における食品安全行政の場合) 4 リスク評価(食品健康影響評価)··· 5 5 リスク管理 ··· 6 6 リスクコミュニケーション ··· 6 ��� ���������������� ��� ���� ��� ����� � � �� � ��� 1 リスク評価··· 7 2 定量的リスク評価 ··· 7 3 定性的リスク評価 ··· 7 4 一日摂取許容量(ADI) ··· 7 5 耐容一日摂取量(TDI)、耐容週間摂取量(TWI) ··· 7 6 許容上限摂取量(UL) ··· 7 7 無毒性量(NOAEL) ··· 8 8 無作用量(NOEL) ··· 8

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9 安全係数( 不確実係数 ) ··· 8 10 用量-反応評価 ··· 9 (グラフ)量-影響関係 / 量-反応関係 11 暴露評価 ··· 10 12 閾値い き ち···10 13 ゼロリスク ··· 10 14 危機 ··· 10 15 危機管理 ··· 10 16 自ら評価 ··· 10 17 評価ガイドライン ··· 10 18 ファクトシート ··· 11 ������������ �� ��� ��� 1 毒性 ··· 11 2 中毒 ··· 11 3 一般毒性 ··· 11 4 特殊毒性 ··· 11 5 LD(致死量) ··· 11 6 LD50 (半数致死量) ··· 11 7 単回投与毒性試験 ···12 8 反復投与毒性試験 ··· 12 9 急性毒性 ··· 12 10 急性毒性試験 ··· 12 11 急性参照用量(ARfD) ···12 12 亜急性毒性(亜慢性毒性) ··· 12 13 亜急性毒性試験 ··· 12 14 慢性毒性 ··· 12 15 慢性毒性試験 ··· 13 16 慢性参照用量(cRfD) ···13 17 生殖毒性(繁殖毒性) ··· 13 18 世代生殖毒性試験(世代繁殖試験) ··· 13 19 催奇形性(発生毒性) ··· 13 20 催奇形性試験 (発生毒性試験) ··· 13 21 免疫 ··· 13

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22 免疫毒性 ··· 14 23 遺伝毒性(変異原性) ··· 14 24 変異原 ··· 14 25 遺伝毒性試験(変異原性試験) ··· 14 26 DNA ··· 14 27 エームス試験(エムス試験) ··· 14 28 小核試験 ··· 15 29 染色体異常試験 ··· 15 30 トランスジェニック動物 ··· 15 31 発がん性 ··· 16 (参考)発がん物質分類表 32 イニシエーション(作用) ··· 16 33 プロモーション(作用) ··· 16 34 遺伝毒性発がん物質 ··· 16 35 薬理(学)試験 ··· 17 36 (体内)運命試験(体内動態試験、薬物動態試験、ADME 試験) ··· 17 ��� ����� �� ��� ��� 1 疫学 ··· 17 2 疫学(的)調査 ··· 17 3 交絡··· 17 4 精度管理(QC) ··· 17 5 定量下限(定量限界:LOQ)··· 17 6 検出下限(検出限界) ··· 18 7 酵素 ··· 18 8 スクリーニング ··· 18 9 サーベイランス ··· 18 10 エライザ法(ELISA)(酵素標識免疫測定法) ··· 18 11 ウエスタンブロット法 ···19 12 電気泳動 ··· 19 13 BSE の検査法 ···19 14 クロマトグラフィー ··· 19 15 PCR 法 ···19 16 in vivo(イン・ビボ)··· 20

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17 in vitro(イン・ビトロ) ··· 20 18 ppm(ピーピーエム)/ ppb(ピーピービー) ··· 20 19 μg、ng、pg(マイクログラム、ナノグラム、ピコグラム) ··· 20 (表)重量の単位、分率の単位 ���������� �� ��� ��� (食品添加物、残留農薬、残留動物用医薬品、器具・容器包装、汚染物質) 1 食品添加物 ···21 2 食品添加物公定書 ···21 3 キャリーオーバー ··· 22 4 加工助剤 ···22 5 既存添加物名簿 ··· 22 6 農薬 ··· 22 7 農薬登録 ··· 23 8 残留農薬··· 23 9 農薬の使用基準 ··· 24 10 ポストハーベスト ··· 24 11 ポジティブリスト(制度) ··· 25 (参考)食品に残留する農薬等のポジティブリスト制度 (食品衛生法第11条関係) 12 登録保留基準 ···26 13 最大残留基準値(MRL) ···26 14 (食品中に残留する農薬等に関するポジティブリスト制度における)一律基準 ···26 (参考)諸外国における一律基準値の設定状況 15 (食品中に残留する農薬等に関するポジティブリスト制度における)暫定基準 ··· 26 16 (食品中に残留する農薬等に関するポジティブリスト制度における)対象外物質··· 27 17 推定一日摂取量(EDI) ··· 27 18 理論最大一日摂取量(TMDI) ··· 27 19 トータルダイエットスタディ ··· 27 20 マーケットバスケット方式 ··· 27 21 陰膳方式 ··· 28 22 動物用医薬品 ··· 28 23 飼料添加物 ···28 24 ワクチン ··· 28

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25 アジュバント ···29 26 免疫増強剤 ··· 29 27 抗生物質 ··· 29 28 抗菌性物質 ··· 29 29 薬剤耐性 ··· 29 30 器具・容器包装 ···30 31 化学物質 ··· 30 32 汚染物質 ··· 30 33 内分泌かく乱化学物質 ··· 30 34 ビスフェノール A ··· 30 35 溶出試験 ··· 31 36 カドミウム ··· 31 37 鉛 ··· 31 38 メチル水銀 ··· 31 39 トランス脂肪酸 ··· 32 40 アクリルアミド ··· 32 41 ダイオキシン類 ··· 32 42 生物濃縮 ··· 32 �������� �� ��� ��� (微生物・ウイルス、かび毒、自然毒、プリオン) 1 微生物 ··· 33 2 細菌(バクテリア) ··· 33 3 芽胞(がほう) ··· 33 4 ウイルス··· 33 5 自然毒··· 33 6 ソラニン ··· 34 7 かび毒 ··· 34 8 食中毒··· 34 (参考)静菌、除菌、殺菌、滅菌 9 サルモネラ属菌 ··· 35 10 黄色ブドウ球菌 ··· 35 11 ボツリヌス菌···35 12 腸炎ビブリオ ··· 36

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13 腸管出血性大腸菌(EHEC) ··· 36 14 ウェルシュ菌 ···37 15 セレウス菌 ··· 37 16 エルシニア菌 ··· 37 17 カンピロバクター・ジェジュニ/コリ ··· 38 18 リステリア ··· 38 19 ノロウイルス ··· 38 20 A 型肝炎(HAV)と E 型肝炎 (HEV) ··· 39 21 敗血症 ···39 22 アレルギー反応 ···39 23 人獣共通感染症(人畜共通感染症、人畜共通伝染病、動物由来感染症) ··· 39 24 牛海綿状脳症(BSE)··· 40 25 地理的 BSE リスク(GBR)··· 40 26 国際獣疫事務局(OIE)による BSE ステータス評価 ···40 27 変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD) ··· 40 28 プリオン ··· 41 29 特定危険部位(SRM) ··· 41 図:BSE 感染末期牛の異常プリオンたん白質の体内分布・ 表:日本、EU 域内 、米国の特定危険部位(SRM)の範囲 30 ID50(50%感染量) ··· 42 31 肉にく骨こっ粉ぷん(MBM) ··· 42 (表)日本、EU 域内、米国の飼料規制 32 フィードバン ··· 43 33 スタンニング ··· 43 34 ピッシング ··· 43 35 レンダリング(化製処理) ··· 43 36 交差汚染(二次汚染) ··· 43 37 コホート ··· 43 38 感染経路 ··· 43 39 高病原性鳥インフルエンザ ··· 44 40 豚とんコレラ ···44 41 コイヘルペス(KHV) ··· 44 42 レセプター(受容体、受容器) ··· 44

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(�������� �� ��� ��� (遺伝子組換え食品等、新開発食品、肥料・飼料等) 1 遺伝子組換え食品(GM foods) ··· 45 2 遺伝子··· 45 3 バイオテクノロジー ··· 45 4 新開発食品 ··· 46 5 保健機能食品 ··· 46 (参考)保健機能食品制度について 6 栄養機能食品 ···47 7 特定保健用食品 ···47 8 サプリメント ···47 9 イソフラボン··· 47 10 コエンザイム Q10(ユビキノン、ユビデカレノン)··· 47 11 クローン ··· 48 12 体細胞クローン ··· 48 13 放射線照射食品(照射食品) ··· 48 14 肥料 ··· 48 15 飼料 ··· 49 ��� ��������� ��� ��� ��� 1 毒物・劇物··· 50 2 HACCP(ハサップ) ··· 50 (参考)毒物・劇物の判定基準(抜粋) 3 ISO9000 シリーズ··· 52 4 トレーサビリティシステム ···52 5 フードチェーン ··· 52 6 コンプライアンス ···52 7 リコール(食品回収) ··· 52 8 食育 ··· 53 9 食品テロ対策 ··· 53 10 原産地げ ん さ ん ち呼称こしょう ··· 53 11 原料原産地表示 ··· 53 12 特別栽培農産物 ··· 54 (参考)特別栽培農産物について

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13 消費期限と賞味期限 ··· 54 14 インポートトレランス ··· 54 � � � ���������������� ��� ��� ��� 1 リスクコミュニケーション ··· 55 2 意見交換会 ···55 3 フォーラム ··· 55 4 シンポジウム ··· 55 5 パネルディスカッション ···55 6 フォーカスグループインタビュー ··· 55 7 ワークショップ ··· 55 8 地域の指導者育成講座 ··· 55 9 リスクコミュニケーター育成講座 ··· 56 10 インタプリター ··· 56 11 リテラシー ··· 56 12 メディアトレーニング ··· 56 13 メディアカバー調査 ··· 56 14 メディア・リテラシー ··· 56 15 ファシリテーション ··· 56 16 クロスロード ··· 57 17 アイスブレーク ··· 57 18 KJ 法 ···57 19 ワールドカフェ ··· 57 20 食品安全モニター ··· 57 21 食の安全ダイヤル ··· 57 22 食品表示110番 ··· 58 23 食品表示ウォッチャー ··· 58 24 食品の表示に関する一元的な相談窓口 ··· 58 25 食品安全総合情報システム ··· 59 ��� ������ ��� ��� ��� (1)関係法律等(計 17) 1 牛海綿状脳症対策特別措置法 ··· 61 2 牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法 ··· 61

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3 家畜伝染病予防法 ··· 61 4 健康増進法 ··· 61 5 食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律 ···62 6 食品安全基本法 ···62 7 食品衛生法 ··· 62 8 飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律 ··· 62 9 水道法 ···63 10 ダイオキシン類対策特別措置法 ··· 63 11 と畜場法···63 12 農薬取締法 ···63 13 農用地の土壌の汚染防止等に関する法律 ··· 63 14 農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(いわゆるJAS 法)··· 64 15 肥料取締法 ··· 64 16 薬事法 ··· 64 17 食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(いわゆる食品リサイクル法)··· 64 �������������� �� ��� 1����� ��� ��� ��� 1 国際機関関� 1 国際連合食糧農業機関(FAO) ··· 65 2 世界保健機関(WHO) ··· 65 3 コーデックス委員会(CAC) ··· 65 4 FAO/WHO 合同食品添加物専門家会議(JECFA) ··· 65 5 FAO/WHO 合同残留農薬専門家会議(JMPR) ··· 65 6 FAO/WHO 合同微生物学的リスク評価専門家会議(JEMRA) ···· 66 7 国際獣疫事務局(OIE)··· 66 8 国際癌がん研究機構(IARC) ··· 66 9 経済協力開発機構(OECD) ··· 66 10 世界貿易機関(WTO) ··· 66 11 国際標準化機構(ISO) ··· 67 � ���� ��� 1 欧州連合(EU) ··· 67 2 欧州委員会(EC) ··· 67

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3 欧州連合理事会(閣僚理事会)(CoEU) ··· 67 4 欧州食品安全機関(EFSA) ··· 67 5 EC 科学運営委員会(EC SSC) ··· 67 6 欧州医薬品庁(EMEA) ··· 68 7 欧州標準化委員会(CEN) ··· 68 � ���� ��� 1 米国農務省(USDA) ··· 68 2 米国食品安全検査局(FSIS) ··· 68 3 米国食品医薬品庁(FDA) ··· 68 4 米国食品安全・応用栄養センター(CFSAN)··· 68 5 米国疾病管理予防センター(CDC) ··· 69 6 米国環境健康科学研究所(NIEHS) ··· 69 7 米国環境保護庁(EPA) ··· 69 � ������� ��� 1 英国環境・食料・農村地域省(DEFRA) ··· 69 2 英国食品基準庁(FSA) ··· 70 3 仏食品衛生安全庁(AFSSA)··· 70 4 独連邦食糧・農業・消費者保護省(BMELV) ··· 70 5 独連邦リスク評価研究所(BfR)··· 70 6 独連邦消費者保護・食品安全庁(BVL) ··· 70 7 カナダ保健省 ··· 71 8 カナダ食品検査庁(CFIA) ··· 71 9 オーストラリア農業・動物用医薬品局(APVMA) ··· 71 10 オーストラリア・ニュージーランド食品基準機関(FSANZ)··· 71 ������ ��� ��� 1 ������� ��� 1 地方厚生局 ··· 72 2 厚生科学審議会 ··· 72 3 薬事・食品衛生審議会 ··· 72 4 検疫所 ··· 72 5 国立がんセンター ··· 72

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6 国立医薬品食品衛生研究所 ··· 73 7 国立感染症研究所 ··· 73 8 独立行政法人国立健康・栄養研究所 ··· 73 � ������� ��� 1 地方農政局 ··· 73 2 地方農政事務所 ··· 73 3 消費者の部屋 ··· 74 4 食料・農業・農村政策審議会 ··· 74 5 食料・農業・農村基本問題調査会 ··· 74 6 農業資材審議会 ··· 74 7 動物医薬品検査所 ··· 74 8 動物検疫所 ··· 75 9 独立行政法人農林水産消費安全技術センター ··· 75 10 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 ··· 75 11 独立行政法人農業環境技術研究所 ··· 76 12 独立行政法人水産総合研究センター ··· 76 13 独立行政法人森林総合研究所··· 76 � ����� ��� 1 独立行政法人国立環境研究所 ··· 76 2 中央環境審議会 ··· 77 ����···78 �������� ···78 �� ···80 �������� ···90

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は じ め に 㪈㩷 㘩 ຠ ቟ ో ၮ ᧄ ᴺ 䈱೙ ቯ 䈫 㘩 ຠ ቟ ో ᆔ ຬ ળ 䈱⸳ ⟎ 㩷 食 品 の 安 全 性 の 確 保 は 人 の 生 命・健 康 を 維 持 す る 上 で 極 め て 重 要 で す が 、平 成 13 年 に は 我 が 国 初 の BSE が 発 生 す る な ど 、 食 品 の 安 全 に つ い て の 国 民 の 信 頼 が 大 き く 揺 ら ぐ 事 態 が 生 じ ま し た 。こ れ ら の 問 題 を め ぐ る 行 政 の 対 応 に つ い て 検 証 し 、今 後 の 畜 産・食 品 衛 生 行 政 の あ り 方 を 検 討 す る た め 、農 林 水 産 大 臣 及 び 厚 生 労 働 大 臣 の 私 的 諮 問 機 関 と し て「BSE 問 題 に 関 す る 調 査 検 討 委 員 会 」が 発 足( 平 成 13 年 11 月 ) し 、 審 議 の 結 果 、「 消 費 者 の 保 護 を 基 本 と し た 包 括 的 な 食 品 安 全 を 確 保 す る た め の 法 の 制 定 」や「 リ ス ク 評 価 機 能 を 中 心 と し 、独 立 性 ・ 一 貫 性 を も ち 、各 省 と の 調 整 機 能 を も つ 新 た な 食 品 安 全 行 政 機 関 の 設 置 」な ど を 政 府 に 提 言 す る 報 告 書 が 取 り ま と め ら れ ま し た( 平 成 14 年 4 月 )。こ の 報 告 書 の 提 言 を 踏 ま え 、 法 案 が 国 会 へ 提 出 さ れ 、 国 会 審 議 の 後 、 平 成 15 年 7 月 1 日 に 食 品 安 全 基 本 法( 平 成 15 年 法 律 第 48 号 )が 施 行 さ れ ま し た 。併 せ て 、食 品 安 全 基 本 法 に 基 づ き 、 同 日 に 内 閣 府 に 食 品 安 全 委 員 会 が 設 置 さ れ ま し た 。 䋲㩷 㘩 ຠ ቟ ో ၮ ᧄ ᴺ 䈮ၮ 䈨䈒ᣂ 䈚䈇㘩 ຠ ቟ ో ⴕ ᡽ 䈱ᨒ ⚵ 䉂㩷 食 品 安 全 基 本 法 は 、 「 食 品 の 安 全 性 の 確 保 に 関 す る あ ら ゆ る 措 置 は 、 国 民 の 健 康 の 保 護 が 最 も 重 要 で あ る と い う 基 本 的 認 識 の 下 に 講 じ ら れ る べ き で あ る 」 と い う 基 本 理 念 の 下 構 成 さ れ て い ま す 。 ま た 、食 品 安 全 基 本 法 に 基 づ く 新 し い 食 品 安 全 行 政 で は 、食 品 の 安 全 に は「 絶 対 」 は な く 、 リ ス ク の 存 在 を 前 提 と し つ つ 科 学 的 知 見 に 基 づ い て こ れ を 制 御 し て い く と い う 考 え 方 に 基 づ き 、 「 リ ス ク 分 析 」 と い う 新 た な 考 え 方 が 導 入 さ れ ま し た 。 「 リ ス ク 分 析 」 は 、 ① 食 品 中 に 含 ま れ る 特 定 の 物 質 や 病 原 菌 な ど が 人 の 健 康 に 及 ぼ す 影 響 に つ い て 科 学 的 に 評 価 す る 「 リ ス ク 評 価 」 、 ② リ ス ク 評 価 の 結 果 に 基 づ い て 、 国 民 の 食 生 活 な ど の 状 況 を 考 慮 し 、 基 準 の 設 定 や 規 制 な ど の 行 政 的 な 対 応 を 行 う 「 リ ス ク 管 理 」 、 ③ リ ス ク 評 価 の 結 果 や リ ス ク 管 理 の 手 法 に つ い て 情 報 を 共 有 し つ つ 、 消 費 者 、 事 業 者 、 行 政 機 関 な ど が そ れ ぞ れ の 立 場 か ら 情 報 や 意 見 を 交 換 す る 「 リ ス ク コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 」 の 3 要 素 か ら 構 成 さ れ て い る 科 学 的 手 法 で す 。 従 来 の 食 品 安 全 行 政 で は 、厚 生 労 働 省 、農 林 水 産 省 等 に お い て「 リ ス ク 評 価 」 と 「 リ ス ク 管 理 」 が 渾 然 一 体 と し て 行 わ れ て き ま し た が 、 食 品 安 全 基 本 法 に 基 づ く 新 し い 枠 組 み で は 、 リ ス ク 管 理 機 関 で あ る 厚 生 労 働 省 や 農 林 水 産 省 等 か ら 独 立 し て 、 科 学 的 知 見 に 基 づ き 中 立 公 正 に リ ス ク 評 価 を 実 施 す る 機 関 と し て 、 内 閣 府 に 食 品 安 全 委 員 会 が 設 置 さ れ ま し た 。 リ ス ク 評 価 機 関 ( 食 品 安 全 委 員 会 ) と リ ス ク 管 理 機 関 ( 厚 生 労 働 省 、 農 林 水 産 省 等 ) が そ れ ぞ れ 独 立 性 を も っ て 業 務 を 行 い 、 相 互 に 連 携 し つ つ 、 一 方 で 緊 張 感 の あ る 関 係 を 形 成 す る こ と に よ り 、 食 品 の 安 全 性 を 確 保 す る た め の 取 組 を 推 進 す る 枠 組 み が 整 い ま し た 。

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〔新たな食品安全行政〕 䋳㩷 㘩 ຠ ቟ ో ᆔ ຬ ળ 䈱ᓎ ഀ 㩷 䋨䋱䋩食 品 安 全 委 員 会 の 構 成 食 品 安 全 委 員 会 は 、 食 品 の 安 全 性 の 確 保 に 関 し て 深 い 識 見 を 有 す る 7 名 の 委 員 か ら 構 成 さ れ て お り 、 委 員 会 の 議 事 は 出 席 者 の 過 半 数 で こ れ を 決 す る こ と と な っ て い ま す 。 食 品 安 全 委 員 会 に は 、 専 門 の 事 項 を 調 査 審 議 さ せ る た め 専 門 委 員 を 置 く こ と で き ま す 。 専 門 委 員 は 、 食 品 安 全 委 員 会 の 下 に 設 置 さ れ て い る 14 の 専 門 調 査 会 に お い て 、 食 品 安 全 委 員 会 の 年 間 計 画 や リ ス ク 評 価 等 に つ い て 調 査 審 議 を 行 っ て い ま す 。 な お 、 専 門 調 査 会 で 調 査 審 議 す る 事 項 は 、 食 品 安 全 委 員 会 で 決 定 さ れ ま す 。 ま た 、 食 品 安 全 委 員 会 の 事 務 を 処 理 す る た め に 事 務 局 が 置 か れ て い ま す 。 事 務 局 は 、 事 務 局 長 、 次 長 、 総 務 課 、 評 価 課 、 勧 告 広 報 課 、 情 報 ・ 緊 急 時 対 応 課 、 リ ス ク コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 官 か ら 構 成 さ れ て お り 、 そ の 所 掌 は 以 下 の と お り と な っ て い ま す 。 < 総 務 課 > 1 . 局 務 の 総 合 調 整 2 . 委 員 会 の 人 事 3 . 委 員 会 の 予 算 < 評 価 課 > リ ス ク 評 価 に 関 す る 事 務 < 勧 告 広 報 課 > 1 . リ ス ク 評 価 の 結 果 に 基 づ く 勧 告 2 . リ ス ク 評 価 の 結 果 に 基 づ き 講 じ ら れ る 施 策 の 実 施 状 況 の 監 視 3 . 広 報 4 . リ ス ク コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン

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< 情報・緊急時対応課> 1 . 食品の安全性の確保に関する情報の収集及び分析 2 . リスク評価を行うために必要な科学的調査及び研究 3 . 食品摂取による重大な健康被害に係る緊急時への対応 (�)食 品 � � � � � �� �� � 1). リスク評 価 (食 品 健 康 影 響 評 価 ) 食 品 安 全 委 員 会 の 最 も 重 要 な 役 割 は 、食 品 に 含 ま れ る 可 能 性 の あ る O 157な ど の 病 原 菌 、 プ リ オ ン 、 添 加 物 や 農 薬 な ど の 危 害 要 因 が 人 の 健 康 に 与 え る 影 響 に つ い て 評 価 を 行 う こ と で 、 具 体 的 に は 、 食 品 中 の 危 害 要 因 を 摂 取 す る こ と に よ っ て 、 ど の 位 の 確 率 で ど の 程 度 の 健 康 へ の 悪 影 響 が 起 き る か を 科 学 的 に 評 価 し て い ま す 。 食 品 安 全 委 員 会 で は 、 主 と し て 厚 生 労 働 省 、 農 林 水 産 省 な ど の リ ス ク 管 理 機 関 か ら の 評 価 要 請 を 受 け て リ ス ク 評 価 を 実 施 す る と と も に 、 委 員 会 が 評 価 を 行 う 必 要 が あ る と 考 え る 問 題 を 自 ら 選 定 し 、「 自 ら 評 価 」 を 実 施 し て い ま す 。 さ ら に 、 食 品 安 全 委 員 会 は 、 リ ス ク 評 価 の 結 果 に 基 づ い て 行 わ れ る べ き 施 策 に つ い て 内 閣 総 理 大 臣 を 通 じ て 、 リ ス ク 管 理 機 関 の 大 臣 に 勧 告 を 行 う こ と が で き ま す 。

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2). リスクコミュニケーションの推 進 リ ス ク を 適 切 に コ ン ト ロ ー ル し て 、国 民 の 健 康 を 保 護 し て い く た め に は 、リ ス ク コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン が 重 要 で す 。リ ス ク コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン と は 、リ ス ク 評 価 の 結 果 や リ ス ク 管 理 の 選 択 肢 に つ い て 情 報 を 共 有 し つ つ 、消 費 者 、生 産 者 (農 家 、 加 工 業 等 )、 流 通 、 小 売 り な ど の 事 業 者 、 行 政 機 関 な ど が そ れ ぞ れ の 立 場 か ら 情 報 や 意 見 を 交 換 す る こ と で す 。食 品 安 全 委 員 会 で は 、リ ス ク 評 価 の 内 容 な ど に つ い て リ ス ク コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 行 う と と も に 、リ ス ク 管 理 機 関 が 行 う リ ス ク コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン に も 協 力 す る な ど 調 整 役 と し て の 役 割 も 担 っ て い ま す 。 ま た 、食 品 安 全 委 員 会( 原 則 毎 週 木 曜 日 開 催 )や 専 門 調 査 会 な ど の 会 合 は 、原 則 、公 開 で 行 わ れ て お り 、全 て の 議 事 録 を ホ ー ム ペ ー ジ に 掲 載 し て 透 明 性 の 確 保 に 努 め て い ま す 。 3). 緊 急 の事 態 への対 応 食 品 安 全 委 員 会 と リ ス ク 管 理 機 関 は 、日 頃 か ら 十 分 に 連 携 し て 食 中 毒 の 発 生 な ど の 情 報 を 収 集・分 析 し 、食 中 毒 等 の 発 生 の 未 然 防 止 や 食 中 毒 が 発 生 し た 場 合 の 健 康 被 害 の 拡 大 防 止 に 取 り 組 ん で い ま す 。 食 品 安 全 委 員 会 で は 、食 品 の 摂 取 を 通 じ て 、重 大 な 健 康 被 害 が 生 じ る お そ れ が あ る 緊 急 事 態 の 発 生 時 に 適 切 に 対 応 で き る よ う 、予 め 緊 急 時 の 対 応 マ ニ ュ ア ル を 定 め る と と も に 、 訓 練 を 行 っ て い ま す 。 ま た 、緊 急 事 態 の 発 生 時 に は 、政 府 一 体 と な っ て 被 害 の 拡 大 や 再 発 の 防 止 に 迅 速 か つ 適 切 に 取 り 組 む と と も に 、正 確 で 分 か り や す い 情 報 を マ ス メ デ ィ ア 、政 府 広 報 、イ ン タ ー ネ ッ ト な ど を 通 じ て 、す み や か に 国 民 へ 提 供 す る こ と と し て い ま す 。 な お 、災 害 や バ イ オ テ ロ な ど の 緊 急 の 事 態 に 対 し て は 、別 途 、政 府 一 体 と な っ た 対 応 が 取 ら れ る こ と と な っ て い ま す 。

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��� ������������� ��� � � 1-(1) ���������� Hazard 人 の 健 康 に 悪 影 響 を 及 ぼ す 原 因 と な る 可 能 性 の あ る 食 品 中 の 物 質 ま た は 食 品 の 状 態 で す 。 有 害 微 生 物 等 の 生 物 学 的 要 因 、 汚 染 物 質 や 残 留 農 薬 等 の 化 学 的 要 因 、 放 射 線 や 食 品 が 置 か れ る 温 度 の 状 態 等 の 物 理 的 要 因 が あ り ま す 。 1-(2) ��� Risk 食 品 中 に ハ ザ ー ド が 存 在 す る 結 果 と し て 生 じ る 人 の 健 康 に 悪 影 響 が 起 き る 可 能 性 と そ の 程 度 ( 健 康 へ の 悪 影 響 が 発 生 す る 確 率 と 影 響 の 程 度 ) で す 。 1-(3) ����� Risk Analysis 食 品 中 に 含 ま れ る ハ ザ ー ド を 摂 取 す る こ と に よ っ て 人 の 健 康 に 悪 影 響 を 及 ぼ す 可 能 性 が あ る 場 合 に 、 そ の 発 生 を 防 止 し 、 ま た は そ の リ ス ク を 低 減 す る た め の 考 え 方 で す 。 リ ス ク 管 理 、リ ス ク 評 価 及 び リ ス ク コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 3つ の 要 素 か ら な っ て お り 、 こ れ ら が 相 互 に 作 用 し 合 う こ と に よ っ て 、 よ り 良 い 成 果 が 得 ら れ ま す 。 (参考)リスク分析3要素(わが国における食品安全行政の場合) リスク評価(科学的評価) リスク管理(政策決定・実施) 食品安全��会 �生���、農����など 食品中に含まれるハザードを摂取することに リスク評価の結果に基づいて、技術的な実行可 よって、どのくらいの確率でどの程度の健康へ 能性などの状況を考慮し、規格・基準の設定 の悪影響が起きるかを科学的に評価すること などの政策・措置を決定実施する 例:農薬の安全性評価 例:農薬の残留基準の設定など 一日摂取許容量(○○mg/kg体重/日) の設定など リスクコミュニケーション(リスクに関する情報および意見の相互交換) リスク評価の結果やリスク管理の過程において、消費者、食品関連業者、行政機関など 関係者の間で、それぞれの立場から相互に情報や意見を双方向的に交換する 例:意見交換会の開催、意見募集の実施 1-(4) ��������������� Risk Assessment 食 品 中 に 含 ま れ る ハ ザ ー ド を 摂 取 す る こ と に よ っ て 、 ど の く ら い の 確 率 で ど の 程 度 の 健 康 へ の 悪 影 響 が 起 き る か を 科 学 的 に 評 価 す る こ と で す 。 例 え ば 、 残 留 農 薬 や 食 品 添 加 物 に つ い て 、 動 物 を 用 い た 毒 性 試 験 の 結 果 等 を も と に 、 人 が 一 生 に わ た っ て 毎 日 摂 取 し 続 け た と し て も 健 康 へ の 悪 影 響 が な い と 推 定 さ れ る 量 ( 一 日

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摂 取 許 容 量 ;ADI) を 設 定 す る こ と な ど が 該 当 し ま す 。 1-(5) 䊥䉴䉪▤ℂ Risk Management リ ス ク 評 価 の 結 果 を 踏 ま え て 、 す べ て の 関 係 者 と 協 議 し な が ら 、 技 術 的 な 実 行 可 能 性 、 費 用 対 効 果 、 国 民 感 情 な ど 様 々 な 事 情 を 考 慮 し た 上 で 、 リ ス ク を 低 減 す る た め の 適 切 な 政 策・措 置( 規 格 や 基 準 の 設 定 な ど )を 決 定 、実 施 す る こ と で す 。 1-(6) 䊥䉴䉪䉮䊚䊠䊆䉬䊷䉲䊢䊮 Risk Communication リ ス ク 分 析 の 全 過 程 に お い て 、リ ス ク 管 理 機 関 、リ ス ク 評 価 機 関 、消 費 者 、生 産 者 、 事 業 者 、 流 通 、 小 売 り な ど の 関 係 者 が そ れ ぞ れ の 立 場 か ら 相 互 に 情 報 や 意 見 を 交 換 す る こ と で す 。 リ ス ク コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 行 う こ と で 、 検 討 す べ きリ ス ク の 特 性 や そ の 影 響 に 関 す る 知 識 を 深 め 、 リ ス ク 管 理 や リ ス ク 評 価 を 有 効 に 機 能 さ せ る こ と が で き ま す。

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��� ����������������� �� ��� � 2-(1) ����� � � �� �

2-(1)-1

����� ���� ����� ��� 2-(1)-2

�������� Quantitative Risk Assessment

量 的 概 念 を 使 っ た リ ス ク 評 価 。 例 え ば 、 食 品 中 に 含 ま れ る ハ ザ ー ド を あ る 量 体 内 に 摂 取 し た と き 、 科 学 デ ー タ に 基 づ き 、 ど の く ら い の 確 率 で 、 健 康 に ど の 程 度 の 悪 影 響 が あ る の か を 数 値 と し て 評 価 す る こ と で す 。

2-(1)-3

�������� Qualitative Risk Assessment

食 品 中 に 含 ま れ る ハ ザ ー ド ( 危 害 要 因 ) を 体 内 に 取 り 入 れ る こ と で 、 健 康 に ど の よ う な 悪 影 響 が あ る の か を 数 値 と し て で は な く 、 「 低 い / 高 い 」 な ど レ ベ ル に 分 類 す る な ど の 表 現 に よ り ( 定 性 的 ) 評 価 す る こ と 。 具 体 的 な デ ー タ が 十 分 で な い 場 合 、 リ ス ク が 小 さ い と 推 定 さ れ る 場 合 、 迅 速 な 評 価 が 必 要 で あ る 場 合 な ど に 使 わ れ ま す 。 2-(1)-4

������� ADI:Acceptable Daily Intake

ヒ ト が あ る 物 質 を 毎 日 一 生 涯 に わ た っ て 摂 取 し 続 け て も 、 現 在 の 科 学 的 知 見 か ら み て 健 康 へ の 悪 影 響 が な い と 推 定 さ れ る 一 日 当 た り の 摂 取 量 の こ と で す 。 一 日 摂 取 許 容 量 は 食 品 の 生 産 過 程 で 意 図 的 に 使 用 す る も の ( 残 留 農 薬 、 食 品 添 加 物 な ど )に 使 わ れ 、通 常 、体 重 1 kgあ た り の 物 質 量 で 示 さ れ ま す( ○ ○ mg/kg体 重 /日 )。 2-(1)-5

������� TDI: Tolerable Daily Intake / ������� TWI: Tolerable Weekly Intake 摂 取 し 続 け て も 、 健 康 へ の 悪 影 響 が な い と 推 定 さ れ る 一 日 当 た り の 摂 取 量 を 耐 容 一 日 摂 取 量 と い い 、 一 週 間 あ た り の 摂 取 量 を 耐 容 週 間 摂 取 量 と い い ま す 。 意 図 的 に 使 用 さ れ て い な い に も か か わ ら ず 食 品 中 に 存 在 す る 化 学 物 質 (重 金 属 、 か び 毒 な ど )を 経 口 摂 取 す る 場 合 で も 、 健 康 へ の 悪 影 響 が な い と 推 定 さ れ る 量 を 耐 容 摂 取 量 と い い ま す 。 2-(1)-6

������� UL: Upper Level of Intake

ビ タ ミ ン や ミ ネ ラ ル な ど の 栄 養 素 は 、取 り す ぎ る と 過 剰 症 な ど の 健 康 障 害 を 引 き 起 こ す こ と が あ り ま す 。 許 容 上 限 摂 取 量 は 、 ほ と ん ど す べ て の 人 に 健 康 上 悪 影 響 を 及 ぼ す 危 険 が な い こ れ ら の 栄 養 素 の 1日 当 り の 最 大 摂 取 量 ( 目 安 ) で す 。 通 常 は ○ ○μg / 日 ま た は ○ ○ mg/ 日 で 表 さ れ ま す 。

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2-(1)-7

���� NOAEL: No Observed Adverse Effect Level

あ る 物 質 に つ い て 何 段 階 か の 異 な る 投 与 量 を 用 い て 毒 性 試 験 を 行 っ た と き 、 有 害 影 響 が 認 め ら れ な か っ た 最 大 の 投 与 量 の こ と で す 。 通 常 は 、 さ ま ざ ま な 動 物 試 験 に お い て 得 ら れ た 個 々 の 無 毒 性 量 の 中 で 最 も 小 さ い 値 を 、 そ の 物 質 の 無 毒 性 量 と し ま す 。

2-(1)-8

���� NOEL:No Observed Effect Level(最大無作用量、無影響量、最大無影響量) あ る 物 質 に つ い て 何 段 階 か の 異 な る 投 与 量 を 用 い て 毒 性 試 験 を 行 っ た と き 、 投 与 群 が 対 照 群 と 比 べ て 生 物 学 上 何 の 影 響 も な い と 言 え る と き の 最 大 投 与 量 で す 。 最 大 無 作 用 量 、 無 影 響 量 、 最 大 無 影 響 量 と も い い ま す 。

2-(1)-9

���� Safety Factor(不確実係数 UF:Uncertainty Factor)

あ る 物 質 に つ い て 、 一 日 摂 取 許 容 量 や 耐 容 一 日 摂 取 量 等 を 設 定 す る 際 、 無 毒 性 量 に 対 し て 、 更 に 安 全 性 を 考 慮 す る た め に 用 い る 係 数 で す 。 無 毒 性 量 を 安 全 係 数 で 割 る こ と で 一 日 摂 取 許 容 量 や 耐 容 一 日 摂 取 量 を 求 め る こ と が で き ま す 。 動 物 実 験 の デ ー タ を 用 い て ヒ ト へ の 毒 性 を 推 定 す る 場 合 、 通 常 、 動 物 と ヒ ト と の 種 の 差 と し て 「 10倍 」 、 さ ら に ヒ ト と ヒ ト と の 間 の 個 体 差 と し て 「 10倍 」 の 安 全 率 を 見 込 み 、 そ れ ら を か け 合 わ せ た 「 10 0倍 」 を 安 全 係 数 と し て 用 い て い ま す 。 デ ー タ の 質 に よ り 、 100以 外 の 係 数 が 用 い ら れ る こ と も あ り ま す 。 不 確 実 係 数 と も い い ま す 。

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2-(1)-10 �量�反応�� Dose-Response Assessment 摂 取 量 と 生 体 反 応 と の 関 係 に 基 づ く 評 価 。 ○ 量-影響関係 化 学 物 質 や 微 生 物 の 暴 露 量 と 、そ れ に よ り 生 体 が ど の よ う な 影 響 を 受 け る か の 関 係 を 表 し た も の で す 。 ○ 量-反応関係 あ る ヒ ト や 動 物 の 集 団 に お い て 、化 学 物 質 や 微 生 物 の 暴 露 量 と 、そ れ に よ り 影 響 を 受 け る 個 体 の 割 合 の 関 係 を 表 し た も の で す 。

[�の�合]

大 暴露量 小 暴露量 生 体 反 応 等 が認 めら れ た 割 合 50 (%) 100 血中 鉛濃 度 赤血 球δ アミ ノレ ブリ ン酸 脱水 酵素 活 性低 下 生体反応 出現 有害反応 出現 中毒 生 体 影 響 の 程 度 0 尿中 δ アミ ノレ ブリ ン 酸増 加 末梢 神経 障害 量-反応関係 量-影響関係

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2-(1)-11 ���� Exposure Assessment 食 品 を 通 じ て ハ ザ ー ド が ヒ ト の 体 内 に ど の 程 度 摂 取 し て い る か ( 暴 露 ) 、 定 性 的 ま た は 定 量 的 に 評 価 す る こ と で す 。 必 要 に 応 じ 、 食 品 以 外 に 由 来 す る 暴 露 に つ い て も 評 価 し ま す 。 2-(1)-12 い き ち �� Threshold Dose 毒 性 評 価 で は 、あ る 物 質 が 一 定 量 ま で は 毒 性 を 示 さ な い が 、そ の 量 を 超 え る と 毒 性 を 示 す と き 、 そ の 値 を 閾 値 と い い ま す 。 2-(1)-13 ����� Zero Risk リ ス ク の 原 因 と な る ハ ザ ー ド の 暴 露 が ゼ ロ で あ る こ と で す 。近 年 、分 析 技 術 の 向 上 な ど に よ り 、 食 品 安 全 に ゼ ロ リ ス ク は あ り 得 な い こ と が 認 識 さ れ た た め 、 リ ス ク の 存 在 を 前 提 に こ れ を 科 学 的 に 評 価 し 、 低 減 を 図 る と い う リ ス ク 分 析 の 考 え 方 に 基 づ く 食 品 安 全 行 政 が 国 際 的 に 進 め ら れ て い ま す 。 2-(1)-14 �� Crisis リ ス ク が 顕 在 化 し ( 実 際 に 起 こ る ) 、 被 害 が 大 き く 、 予 想 を 超 え て い て 、 経 験 的 な 方 法 を 用 い て も 問 題 解 決 が 困 難 な 状 態 の こ と で す 。 2-(1)-15 ���� Crisis Management 危 機 の 発 生 (リ ス ク の 顕 在 化 )を 防 止 す る 手 だ て を 事 前 に 講 じ て お く こ と や 、 危 機 発 生 時 の 対 応 や 復 旧 対 策 ま で 幅 広 く 対 応 し て い く 取 組 の こ と で す 。 2-(1)-16

���� Self-tasks for Risk Assessment

食 品 安 全 委 員 会 が 、 食 品 の 安 全 性 に 関 す る 情 報 の 収 集 、 分 析 や 、 国 民 か ら の 意 見 な ど を も と に 評 価 を 行 う 必 要 が あ る と 考 え ら れ る 問 題 を 自 ら 選 定 し 、 行 う 評 価 の こ と で す 。

2-(1)-17

�������� Development of Evaluation Guidelines

リ ス ク 評 価 の 方 針 、 提 出 を 求 め る 資 料 、 評 価 の 手 順 な ど を 示 す 食 品 安 全 委 員 会 が 作 成 す る ガ イ ド ラ イ ン の こ と で す 。 こ れ ま で に 、 遺 伝 子 組 換 え 食 品 に 関 す る 安 全 性 評 価 基 準 な ど 、9種 類 の ガ イ ド ラ イ ン な ど を 必 要 に 応 じ て 策 定 し て お り 、 こ れ ら に 基 づ き リ ス ク 評 価 を 進 め て い ま す 。

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2-(1)-18 ������� Fact Sheets そ の 時 点 に お け る 国 際 機 関 、 主 要 国 の リ ス ク 評 価 機 関 が 公 表 し た リ ス ク 評 価 結 果 や 取 ら れ て い る リ ス ク 管 理 措 置 等 の 情 報 を 収 集 ・ 整 理 し 、 情 報 提 供 を す る こ と を 目 的 と し て 食 品 安 全 委 員 会 が 作 成 、 公 表 す る 危 害 要 因 ご と の 概 要 書 で す 。 継 続 し て 新 た な 研 究 結 果 等 の 情 報 収 集 を 行 い 、 内 容 が 最 新 に な る よ う 、 更 新 し て い ま す 。 2-(2) ��������� � � �� � 2-(2)-1 �� Toxicity 化 学 物 質 な ど に よ る 生 物 に 悪 影 響 を 与 え る 性 質 を い い ま す 。 毒 性 は 、 そ の 物 質 の 種 類 や 物 理 的 ・ 化 学 的 性 質 、 生 体 内 で 現 れ る メ カ ニ ズ ム を 検 討 し 、 現 れ る 症 状 に つ い て 量 ― 反 応 評 価 を 行 う こ と で 評 価 さ れ ま す 。 化 学 物 質 の ほ か に 放 射 線 、 紫 外 線 な ど の 物 理 的 作 用 を 含 め る こ と も あ り ま す 。 通 常 は 、 毒 性 は 一 般 毒 性 と 特 殊 毒 性 に 分 け ら れ ま す 。 2-(2)-2 �� Poisoning, Intoxication あ る 物 質 の 摂 取 に よ り 、 生 体 に 毒 性 の 影 響 が あ ら わ れ 、 正 常 な 機 能 が 阻 害 さ れ る こ と で す 。 2-(2)-3 ���� General Toxicity 急 性 毒 性 試 験 や 慢 性 毒 性 試 験 に お い て 、 血 液 検 査 、 尿 検 査 、 病 理 組 織 学 的 検 査 な ど の よ う な 一 般 的 な 方 法 で 観 察 で き る 毒 性 の こ と で す 。 2-(2)-4 ���� Special Toxicity 特 殊 な 投 与 方 法 ( 吸 入 、 経 皮 な ど ) に よ る 毒 性 や 、 特 殊 な 観 察 法 ( 変 異 原 性 、 発 が ん 性 、 生 殖 毒 性 、 催 奇 形 性 な ど ) で 評 価 す る 毒 性 の こ と で す 。 2-(2)-5 ������� Lethal Dose あ る 物 質 が 、 人 ま た は 動 物 を 死 に 至 ら し め る 量 の こ と で す 。 2-(2)-6

����������� Median Lethal Dose, Lethal Dose 50, 50% Lethal Dose,

化 学 物 質 の 急 性 毒 性 の 指 標 で 、 実 験 動 物 集 団 に 経 口 投 与 な ど に よ り 投 与 し た 場 合 に 、統 計 学 的 に 、あ る 日 数 の う ち に 半 数( 50%)を 死 亡 さ せ る と 推 定 さ れ る 量( 通 常 は 物 質 量 [ mg/kg体 重 ] で 示 す ) の こ と で す 。LD5 0の 値 が 小 さ い ほ ど 致 死 毒 性 が 強 い こ と を 示 し ま す 。

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2-(2)-7

�������� Single Dose Toxicity Test/Study

発 現 す る 毒 性 と 用 量 の 関 係 の 把 握 な ど を 目 的 と し 、 あ る 物 質 を 動 物 に 1 回 だ け 投 与 す る 試 験 で す 。 急 性 毒 性 試 験 と も 言 い ま す 。

2-(2)-8

�������� Repeated Dose Toxicity Test/Study

無 毒 性 量 (NOAEL) な ど の 算 定 を 目 的 と し て あ る 物 質 を 動 物 に 所 定 の 期 間 、 繰 り 返 し 投 与 す る 試 験 で す 。 2-(2)-9 ���� Acute Toxicity 1回 の 投 与 ( 暴 露 ) ま た は 短 期 間 の 複 数 回 投 与 に よ っ て 短 期 間 ( 終 日 ~ 2週 間 程 度 ) に 生 じ る 毒 性 の こ と で す 。 2-(2)-10

������ Acute Toxicity Test/Study

ある物質を動物に投与して急性毒性徴候を調べる試験です。急性毒性試験の結果を参考 にして、毒物及び劇物取締法における毒性・劇物の判定を行います。

2-(2)-11

������ ARfD : Accute Reference Dose

食 品 や 飲 料 水 を 介 し て 特 定 の 農 薬 な ど 化 学 物 質 の ヒ ト へ の 急 性 影 響 を 考 慮 す る た め に 設 定 さ れ て い ま す 。ARfD は 、 ヒ ト の 24 時 間 ま た は そ れ よ り 短 時 間 の 経 口 摂 取 に よ り 健 康 に 悪 影 響 を 示 さ な い と 推 定 さ れ る 一 日 当 た り の 摂 取 量 で 表 さ れ ま す 。

2-(2)-12

����� Subacute Toxicity(亜慢性毒性 Subehronic Toxicity)

比 較 的 短 期 間 ( 通 常 1ヶ 月 ~ 3ヶ 月 程 度 ) の 連 続 又 は 反 復 投 与 に よ っ て 生 じ る 毒 性 の こ と で す 。 亜 慢 性 毒 性 と も い い ま す 。

2-(2)-13

������� Subacute Toxicity Test/Study

あ る 物 質 の 亜 急 性 毒 性 徴 候 を 調 べ 、 慢 性 毒 性 や 発 が ん 性 試 験 の 用 意 を 設 定 す る た め 情 報 を 得 る 試 験 で す 。 一 般 状 態 観 察 、 体 重 、 摂 餌 量 、 血 液 学 的 検 査 、 血 清 生 化 学 的 検 査 、 病 理 組 織 学 的 検 査 な ど が 行 わ れ ま す 。 2-(2)-14 ���� Chronic Toxicity 長 期 間 ( 通 常 6ヶ 月 以 上 ) の 連 続 又 は 反 復 投 与 に よ っ て 生 じ る 毒 性 の こ と で す 。

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2-(2)-15

�性毒性試験 Chronic Toxicity Test/Study

あ る 物 質 を 動 物 に 投 与 し て 慢 性 の 徴 候 を 調 べ る 試 験 で す 。一 般 状 態 観 察 、体 重 、 摂 餌 量 、血 液 学 的 検 査 、血 清 生 化 学 的 検 査 、病 理 組 織 学 的 検 査 な ど が 行 わ れ ま す 。 2-(2)-16

�性���� cRfd : Chronic Reference Dose 米 国 でADIと 同 意 で 用 い ら れ る 用 語 で す 。 2-(2)-17 生殖毒性 Reproductive Toxicity(繁殖毒性) 生 物 の 生 殖 能 ( 生 殖 器 官 の 形 態 異 常 や 、 受 精 、 性 周 期 、 受 胎 能 、 分 娩 の 異 常 な ど の 機 能 異 常 ) 、 さ ら に 胚 ・ 胎 児 へ の 障 害 な ど の 毒 性 の こ と で す 。 繁 殖 毒 性 と も い い ま す 。 2-(2)-18

世代生殖毒性試験 Generation Reproductive Toxicity Test/Study(世代繁殖試験)

あ る 物 質 を 動 物 に 投 与 し て 生 殖 毒 性 に 関 す る 一 般 的 な 情 報 を 得 る こ と を 目 的 と し て 行 う 試 験 で あ り 、 繁 殖 試 験 と も い い ま す 。 こ の 試 験 に お い て 、 継 代 を 行 わ な い 場 合 は 単 世 代 生 殖 毒 性 試 験 と い い 、 継 代 を 行 い 、 複 数 世 代 に わ た っ て あ る 物 質 を 連 続 投 与 す る 場 合 は 特 に 多 世 代 生 殖 毒 性 試 験 と い い ま す 。 2-(2)-19 ���性 Teratogenicity(発生毒性)妊 娠 中 の 母 体 に あ る 物 質 を 投 与 し た 時 に 、 胎 児 に 対 し て 形 態 的 、 機 能 的 な 悪 影 響 を 起 こ さ せ る 毒 性 の こ と で す 。 2-(2)-20 ���性試験 Teratogenicity Test/Study(発生毒性試験) あ る 物 質 を 動 物 に 投 与 し て 催 奇 形 性 に 関 す る 情 報 を 得 る こ と を 目 的 と し た 試 験 で す 。 受 胎 後 の 雌 動 物 に 対 し て 、 胎 児 の 主 要 な 器 官 が 形 成 さ れ る 時 期 に 物 質 を 投 与 し た 後 、 妊 娠 末 期 に 妊 娠 動 物 を 帝 王 切 開 し て 子 宮 を 摘 出 し 、 胚 ・ 胎 児 死 亡 、 発 育 遅 延 、 奇 形 発 生 な ど に つ い て 調 べ ま す 。 ま た 、 一 部 の 妊 娠 動 物 に つ い て は 自 然 分 娩 さ せ て 出 生 児 の 成 長 や 機 能 発 達 に つ い て も 調 べ ま す 。 2-(2)-21 �� Immunity 生 体 が 非 自 己 で あ る 異 物 ( 病 原 菌 な ど ) を 識 別 し て 排 除 す る 防 衛 機 構 の こ と で す 。 例 え ば 病 原 菌 に 一 度 感 染 す る と 、 抵 抗 力 が で き 、 二 度 目 か ら は か か り に く く な る こ と で す 。

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2-(2)-22 ���性 Immunotoxicity 化 学 物 質 な ど の 投 与 ( 暴 露 ) に よ り 免 疫 系 に 悪 影 響 を 及 ぼ す こ と で 健 康 被 害 が 生 じ る こ と で す 。 病 原 体 や 腫 瘍 細 胞 に 対 す る 抵 抗 性 の 低 下 を ま ね く 免 疫 系 の 抑 制 と 、 自 己 免 疫 疾 患 の 悪 化 や 過 敏 症 ( ア レ ル ギ ー ) 反 応 が 引 き 起 こ さ れ う る 免 疫 系 の 亢 進 ( こ う し ん ) が あ り ま す 。 2-(2)-23 ���性 Genotoxicity(変異原性) 遺 伝 情 報 を 担 う 遺 伝 子 (DNA) や 染 色 体 に 変 化 を 与 え 、 細 胞 ま た は 個 体 に 悪 影 響 を も た ら す 性 質 で 、 変 異 原 性 と も い い ま す 。 主 な 変 化 と し て は 、 遺 伝 子 突 然 変 異 、DNA傷 害 ( 二 重 鎖 切 断 、 ア ル キ ル 化 ) や 染 色 体 異 常 ( 重 複 、 欠 失 ) な ど が あ り ま す 。 こ の よ う な 異 常 を 引 き 起 こ す 物 質 は 、 発 が ん に 結 び つ く 可 能 性 が あ り 、 生 殖 細 胞 で 起 こ れ ば 次 世 代 の 催 奇 形 性 ・ 遺 伝 病 の 誘 発 に つ な が る 可 能 性 が あ り ま す 。 2-(2)-24 変異原 Mutagen 遺 伝 子 (DNA) や 染 色 体 に 突 然 変 異 を 引 き 起 こ す 物 理 的 、 化 学 的 、 生 物 学 的 な 因 子 の こ と で す 。 2-(2)-25

���性試験 Genotoxicity Test(変異原性試験 Mutagenicity Test)

遺 伝 子 突 然 変 異 やDNA傷 害 、 染 色 体 異 常 等 を 引 き 起 こ す 物 理 的 、 化 学 的 、 生 物 学 的 な 因 子 ( 変 異 原 ) で あ る か 否 か を 調 べ る 試 験 を い い ま す 。 変 異 原 性 を 検 索 す る 手 段 と し て 、 細 菌 な ど の 微 生 物 、 培 養 細 胞 、 実 験 動 物 を 用 い る 方 法 が あ り 、 通 常 、 幾 つ か の 遺 伝 学 的 指 標 の 異 な る 方 法 を 組 み 合 わ せ て 、 結 果 を 総 合 的 に 評 価 し ま す 。 変 異 原 性 試 験 と も い い ま す 。 2-(2)-26

DNA Deoxyribonucleic Acid

地 球 上 の ほ ぼ 全 て の 生 物 に お い て 遺 伝 情 報 を 担 う 物 質 と な っ て お り 、 デ オ キ シ リ ボ ー ス ( 糖 ) と リ ン 酸 、 塩 基 か ら 構 成 さ れ て い ま す 。 こ の DNAは 四 種 類 の 分 子 ( 塩 基 が ア デ ニ ン (A) 、 グ ア ニ ン ( G) 、 シ ト シ ン ( C) 、 チ ミ ン ( T) の 四 種 類 が あ り ま す )が 連 な っ た 長 大 な 二 本 鎖 か ら な る 分 子 で 、必 ず 一 方 の 鎖 のAと 他 方 の 鎖 のT、 ま た 一 方 の Gと 他 方 の Cが 対 合 し 、 二 本 の DNA鎖 は 全 体 と し て 二 重 ら せ ん 構 造 を と っ て い ま す 。 こ の 相 補 的 二 本 鎖 構 造 は 、 元 のDNAを 鋳 型 に し て 元 と 全 く 同 じ コ ピ ー を 作 る こ と が で き (DNAの 複 製 ) 、 生 体 内 で 一 個 の 細 胞 が 分 裂 し て 複 製 さ れ た 二 個 に な る と き 、 複 製 さ れ た 二 本 のDNA鎖 が 二 個 の 細 胞 に 分 配 さ れ 遺 伝 情 報 を 伝 え て い き ま す 。 2-(2)-27 ����試験(���試験) Ames Test サ ル モ ネ ラ 菌 を 用 い て 化 学 物 質 等 を 作 用 さ せ て 遺 伝 子 (DNA) が 突 然 変 異 を 起

(29)

こ す 頻 度 を 調 べ る 復 帰 突 然 変 異 試 験(Reverse Mutation Test)の こ と で 、変 異 原 物 質 の 第 一 次 ス ク リ ー ニ ン グ 法 と し て エ ー ム ス 博 士 が 開 発 し 、 広 く 世 界 で 用 い ら れ て い る 試 験 で す 。 し か し 、 エ ー ム ス 試 験 で 探 索 さ れ た 変 異 原 物 質 は あ く ま で も 発 が ん 候 補 物 質 で あ っ て 、 必 ず し も 発 が ん 性 が あ る と は 限 ら な い こ と 、 エ ー ム ス 試 験 で は 検 出 で き な い 発 が ん 物 質 も あ る こ と か ら 他 の 変 異 原 性 試 験 と 組 み 合 わ せ て 利 用 さ れ ま す 。 2-(2)-28 ���� Micronucleus Test 遺 伝 毒 性 試 験 の 一 種 で 、 あ る 物 質 に よ っ て 誘 発 さ れ る 生 体 内 で の 染 色 体 異 常 を 細 胞 内 の 小 核*の 出 現 に よ っ て 検 出 す る 試 験 で す 。 * 小 核 : 遺 伝 子 (DNA) に 生 じ た 切 断 が 修 復 さ れ ず に 残 る た め に 生 ず る 細 胞 核 の 断 片 で 、 遺 伝 子 損 傷 の 指 標 と な り ま す 。 2-(2)-29

������� Chromosome Aberration Test

化 学 物 質 や 放 射 線 な ど の 変 異 原 性 を 調 べ る 試 験 の 一 つ で す 。 化 学 物 質 や 放 射 線 な ど の 作 用 に よ り 遺 伝 子 (DNA) に 多 数 の 損 傷 が 加 わ る と 、 染 色 体 の 構 造 に 重 大 な 変 化 ( 染 色 体 異 常 ) が 起 こ り ま す 。 染 色 体 異 常 を 検 出 す る 方 法 と し て は 、 マ ウ ス な ど の 実 験 動 物 や 培 養 細 胞 を 用 い た 染 色 体 の 形 態 的 ま た は 数 的 変 化 を 観 察 す る 方 法 な ど が あ り ま す 。 2-(2)-30 ����������� Transgenic Animal あ る 動 物 の 染 色 体 に 他 の 生 物 の 遺 伝 子 (DNA) が 人 為 的 に 挿 入 さ れ 、 そ の 遺 伝 子 に よ り 新 し い 性 質 や 能 力 を 持 っ た り 、 あ る 機 能 を な く し た り し た 動 物 の こ と で す 。 こ の よ う な 遺 伝 子 組 換 え 動 物 は 、 医 学 領 域 な ど の 研 究 の た め に ヒ ト の 病 気 と 同 じ 症 状 を 発 症 さ せ た マ ウ ス や 、 安 全 性 評 価 に お け る 化 学 物 質 等 の 変 異 原 性 を 調 べ る こ と が で き る マ ウ ス な ど の 実 験 動 物 と し て 既 に 世 界 的 に 利 用 さ れ て い ま す 。 ま た 、 肉 ・ 乳 な ど の 畜 産 物 の 生 産 性 の 向 上 、 家 畜 の 病 気 に 対 す る 抵 抗 性 の 付 与 、 医 薬 品 原 料 な ど の 有 用 物 質 の 生 産 な ど を 目 的 と し た 遺 伝 子 組 換 え 動 物 の 開 発 が 進 め ら れ て い ま す 。

(30)

2-(2)-31 ���� Carcinogenicity あ る 物 質 を 生 体 に 摂 取 す る こ と に よ っ て 、 そ の 影 響 で 体 内 に 悪 性 腫 瘍 を 発 生 さ せ る 、 ま た は 発 生 を 促 進 す る 毒 性 の こ と で す 。 (参考) 発がん物質分類表 国際が ん癌研究機関(IARC:WHOに設置されている専門機関)による発がん物質分類 グループ 評価内容 例 1 ヒトに対して発がん性がある。 コールタール、アスベスト、たばこ、カドミウム、ベ ンツピレンなど (carcinogenic to humans) 2A ヒトに対しておそらく発がん性がある。 (probably carcinogenic to humans)

アクリルアミド、クレオソート(木材の防腐 剤)、ディーゼルエンジンの排気ガスなど 2B ヒトに対して発がん性の可能性がある。

(possibly carcinogenic to humans)

漬物、わらび、ガソリンなど

3 ヒトに対する発がん性について分類できない。 (cannot be classified as to carcinogenicity in humans)

カフェイン、お茶、コレステロールなど

4 ヒトに対しておそらく発がん性はない。 (probably not carcinogenic to humans)

カプロラクタム(ナイロンの原料) 2-(2)-32 ������������ Initiation 化 学 物 質 や 放 射 線 な ど に よ っ て 遺 伝 子 (DNA) に 損 傷 が 起 き 、 修 復 さ れ ず に 突 然 変 異 と し て 遺 伝 子 に 固 定 さ れ る 発 が ん の 最 初 の ス テ ッ プ を い い ま す 。 た だ し 、 こ の 作 用 だ け で が ん に な る と は 限 り ま せ ん 。 2-(2)-33 ����������� Promotion 言 葉 の 意 味 は 、 「 促 進 」 、 「 助 長 」 で す 。 そ れ 自 身 が 発 が ん を 引 き 起 こ す も の で は あ り ま せ ん が 、 イ ニ シ エ ー シ ョ ン 後 に 作 用 す る と 発 が ん が 起 こ り ま す 。 2-(2)-34 ��������� Genotoxic Carcinogen 遺 伝 毒 性 発 が ん 物 質 は 遺 伝 子 (DNA) に 損 傷 を お こ し 、 遺 伝 子 の 突 然 変 異 を 起 こ す 物 質 で 、 イ ニ エ ー シ ョ ン 作 用 を 有 し 、 発 が ん の 最 初 の 原 因 と な る 物 質 を 指 し ま す 。 ま た 、 多 く は プ ロ モ ー シ ョ ン 作 用 も 有 し て い る と 考 え ら れ て い ま す 。 な お 、非 遺 伝 毒 性 発 が ん 物 質(non-genotoxic carcinogen)は 変 異 原 性 は 示 し ま せ ん が 、 タ ン パ ク 質 へ の 作 用 な ど に よ り 細 胞 増 殖 を 誘 発 し 、 プ ロ モ ー シ ョ ン 作 用 を 示 す こ と で 、 発 が ん を 引 き 起 こ す 物 質 で す 。

(31)

2-(2)-35

薬�(�)試験 Pharmacological Test

あ る 物 質 が ど の よ う に 生 体 に 作 用 す る ( 望 ま し い 効 果 、 望 ま し く な い 効 果 、 副 次 的 効 果 を 与 え る ) か を 科 学 的 に 明 ら か に す る こ と を 目 的 と し た 試 験 で す 。 2-(2)-36

(体内)��試験 Animal Metabolic Fate Tests(体内動態試験、薬物動態試験、ADME試験) あ る 物 質 を 動 物 に 投 与 し て 、 そ の 物 質 の 体 内 動 態 ( 吸 収 、 分 布 、 代 謝 、 排 泄 等 ) に 関 す る 科 学 的 知 見 を 得 る た め の 試 験 で す 。体 内 動 態 試 験 、薬 物 動 態 試 験 、ADME 試 験 と も い い ま す 。 2-(3) ����� ( � �� ) 2-(3)-1 �� Epidemiology 人 間 集 団 の 中 で 起 こ る 健 康 に 関 連 す る 様 々 な 問 題 の 頻 度 と 分 布 、 そ れ ら に 影 響 を 与 え る 要 因 ( 例 え ば 、 喫 煙 、 飲 酒 な ど ) を 明 ら か に し て 、 健 康 に 関 連 す る 問 題 に 対 す る 有 効 な 対 策 に 役 立 て る 学 問 で す 。 2-(3)-2 ��(�)�� Epidemiological Survey 人 の 健 康 事 象 ( 障 害 、 疾 病 、 死 亡 な ど ) の 頻 度 と 分 布 、 そ れ ら に 影 響 を 与 え る 要 因 を 明 ら か に す る た め に 行 わ れ る 調 査 で す 。 2-(3)-3 �� Confounding 暴 露 と 疾 病 の 関 連 性 が 、 第 三 の 要 因 の 影 響 に よ っ て 過 大 ま た は 過 小 に 評 価 さ れ て し ま う 現 象 を い い ま す 。例 え ば 、喫 煙 と 肺 が ん の 関 連 性 を 調 べ よ う と す る 場 合 、 調 べ よ う と す る 要 因 ( 喫 煙 ) 以 外 の 要 因 ( 飲 酒 な ど ) が が ん の 発 生 率 に 影 響 を 与 え て い る 可 能 性 も あ り ま す 。 こ の と き 、 飲 酒 が 交 絡 要 因 に 該 当 し 、 飲 酒 が 調 査 に 影 響 を 与 え な い よ う に 、 デ ー タ を 補 正 す る 必 要 が あ り ま す 。 2-(3)-4

���� QC: Quality Control, Proficiency Test

検 査 機 関 な ど が 、 試 料 の 採 取 か ら 目 的 物 質 の 測 定 結 果 の 報 告 ま で の 一 連 の 作 業 ( 検 査 ) に つ い て 、 「 一 定 の 水 準 が 維 持 さ れ て い る か 」 、 「 他 の 施 設 と の 互 換 性 が あ る か 」 を 担 保 す る た め の 管 理 ・ 判 断 の 仕 組 み の こ と で す 。 そ の 施 設 内 部 で 行 う 内 部 精 度 管 理 と 第 三 者 機 関 が 複 数 施 設 に つ い て 行 う 外 部 精 度 管 理 が あ り ま す 。 2-(3)-5

���� Quantitation Limit、(����LOQ:Limit of Quantitation)

適 切 な 管 理 ・ 操 作 の も と に 、 あ る 分 析 法 で 目 的 物 質 の 定 量 ( 検 査 試 料 中 に 目 的 成 分 が ど の 程 度 含 ま れ て い る か の 計 測 ) を 行 っ た 場 合 に 、 定 量 検 知 が 可 能 な 最 小

(32)

値 、 ま た は 濃 度 の こ と で す 。 定 量 下 限 値 未 満 と は 、 定 量 で き る ほ ど の 量 で は な か っ た と い う 意 味 で 、 0( ゼ ロ ) と は 意 味 が 異 な り ま す 。

2-(3)-6

検出�限 Detection Limit (検出限界:Limit of Detection)

適 切 な 管 理・操 作 の も と に 、あ る 分 析 法( 定 量 試 験 で あ る 必 要 は な い )で 信 頼 を お い て 検 出 可 能 な 、 検 査 試 料 中 に 含 ま れ る 目 的 物 質 の 最 低 量 ま た は 最 低 濃 度 の こ と で す 。 2-(3)-7 酵素 Enzyme 生 物 が 物 質 を 摂 取 し て か ら 排 泄 に い た る ま で 、 生 体 内 で 起 こ る 化 学 反 応 の 多 く に 関 与 し て お り 、 生 命 の 維 持 や 活 動 に 不 可 欠 で す 。 生 体 内 に は 極 め て 多 く の 物 質 が 混 在 し て い ま す が 、 酵 素 は 作 用 す る 物 質 を え り 好 み す る 性 質 ( 特 異 性 ) と 目 的 の 反 応 だ け を 進 行 さ せ る 性 質 ( 選 択 性 ) を 持 つ た め 、 様 々 な 化 学 変 化 が 秩 序 立 っ て 進 み ま す 。 基 本 的 に は 、 タ ン パ ク 質 か ら 構 成 さ れ ま す が 、 カ ル シ ウ ム な ど タ ン パ ク 質 以 外 の も の を 含 ん で は じ め て 機 能 す る 場 合 も あ り ま す 。 現 在 そ の 働 き が 知 ら れ て い る 酵 素 の 種 類 は 約 4,000種 類 あ り 、 酒 や 味 噌 な ど の 発 酵 食 品 や 、 医 薬 品 製 造 な ど に 幅 広 く 利 用 さ れ て い ま す 。 2-(3)-8 ������� Screening 疫 学 の 分 野 で は 、 迅 速 に 実 施 可 能 な 検 査 ・ 手 技 を 用 い て 無 自 覚 の 疾 病 や 障 害 を 持 つ 人 を 暫 定 的 に 識 別 す る こ と を い い ま す 。 ま た 、 分 析 ・ 検 査 の 分 野 で は 、 迅 速 に 実 施 可 能 な 検 査 、 手 技 を 使 っ て 対 象 と す る 物 質 や 生 物 な ど を 含 む 試 料 を 暫 定 的 に 選 び 出 す こ と を い い ま す 。 ス ク リ ー ニ ン グ の 結 果 は 決 定 的 な も の で は な く 、 そ の 後 の 詳 細 な 検 査 や 診 断 な ど に よ っ て 結 論 が 出 さ れ ま す 。 2-(3)-9 ������� Surveillance 疾 病 対 策 に 必 要 な 情 報 を 得 て 、 迅 速 な 対 応 に 利 用 す る た め に 、 疾 病 の 発 生 状 況 や そ の 推 移 な ど を 継 続 的 に 調 査 ・ 監 視 す る こ と で す 。 ま た 、 あ る ハ ザ ー ド に つ い て 、 ど の よ う な 食 品 に ど の 程 度 含 ま れ て い る の か を 知 る た め の 調 査 で す 。 2-(3)-10

����法 ELISA: Enzyme-Linked Immuno-Sorbent Assay(酵素標識免疫測定法)

抗 原 抗 体 反 応 を 利 用 し 、 試 料 中 に 含 ま れ る 特 定 の タ ン パ ク 質 ( 病 原 体 な ど ) を 検 出 ま た は 定 量 す る 分 析 法 の 一 つ で す 。 生 体 試 料 中 に は 様 々 な タ ン パ ク 質 が 存 在 す る た め 、 特 定 の タ ン パ ク 質 を 検 出 ・ 定 量 す る に は 、 「 様 々 な 物 質 が 混 在 す る 試 料 か ら ど れ だ け 正 確 に 特 定 の タ ン パ ク 質 を 識 別 で き る か ( 特 異 性 ) 」 と 「 微 量 で あ っ て も そ の 濃 度 を 再 現 で き る か ( 定 量 性 ) 」 が 求 め ら れ ま す が 、 エ ラ イ ザ 法 は こ の 条 件 を 満 た し て い ま す 。 ま た 、 複 雑 な 操 作 が い ら な い こ と か ら 、 迅 速 ・ 簡 便 な 分 析 に 用 い ら れ て い ま す 。 酵 素 標 識 免 疫 測 定 法 と も い い ま す 。

(33)

2-(3)-11 ���������法 Western Blotting 抗 原 抗 体 反 応 を 利 用 し て 試 料 中 に 含 ま れ る 特 定 の タ ン パ ク 質 を 検 出 ・ 定 量 す る 免 疫 化 学 的 検 査 法 で す 。 試 料 中 に 存 在 す る 様 々 な タ ン パ ク 質 を 電 気 泳 動 に よ っ て 分 離 し 、 そ れ を ニ ト ロ セ ル ロ ー ス な ど の 樹 脂 で で き た フ ィ ル ム 上 の 膜 に 転 写 し 、 特 定 の タ ン パ ク 質 に 対 す る 抗 体 と 反 応 さ せ 検 出 し ま す 。 タ ン パ ク 質 の 存 在 だ け で な く 、 機 能 を 調 べ る こ と も で き ま す 。 2-(3)-12 ���� Electrophoresis タ ン パ ク 質 や 遺 伝 子 (DNA) な ど の 生 体 分 子 を そ の 分 子 量 の 大 き さ や 電 気 的 な 性 質 ( 荷 電 状 態 ) の 違 い な ど で 相 互 に 分 離 す る 技 術 で す 。 タ ン パ ク 質 やDNAは 荷 電 を 持 っ て お り 、 水 溶 液 中 や ゲ ル 中 で 電 気 を 流 す と 、 一 方 の 極 (+ , - )に 向 か っ て 移 動 し ま す 。 こ の 現 象 を 利 用 し て 、 試 料 中 に 含 ま れ る 複 数 の 成 分 を 分 離 し て 調 べ る 方 法 が「 電 気 泳 動 」で す 。一 般 に 、タ ン パ ク 質 は 立 体 構 造 を 取 っ て い ま す が 、 化 学 的 に 一 本 の ひ も 状 に 変 性 し 、 ゲ ル 中 で 電 気 を 流 す と 高 分 子 の も の ほ ど ゲ ル の 網 の 目 に 引 っ か か り 移 動 し に く く な る た め 、 分 子 量 の 大 き さ に 従 っ て 成 分 を 分 離 で き ま す 。DNAも 同 様 の 原 理 で 分 子 量 の 大 き さ に 従 っ て 分 離 す る こ と が で き ま す 。 ゲル:ゼリーのような半固体の状態を言い、細かい網の目のような構造となっています。 2-(3)-13

BSE���法 Detection system of BSE

BSEの 原 因 と 考 え ら れ て い る 異 常 プ リ オ ン タ ン パ ク 質 が タ ン パ ク 質 分 解 酵 素 に 耐 性 を 持 っ て い る ( 正 常 プ リ オ ン タ ン パ ク 質 は こ の 酵 素 で 分 解 さ れ る ) こ と を 利 用 し て 、 タ ン パ ク 質 分 解 酵 素 に よ る 処 理 を 行 っ た 試 料 と 行 わ な い 試 料 に つ い て 、 ま ず ス ク リ ー ニ ン グ 検 査 と し て エ ラ イ ザ 法 を 用 い て 検 査 を 行 い ま す 。 陽 性 と 判 断 さ れ た 場 合 は 、 同 様 の 処 理 を 行 っ た も の と 行 わ な か っ た も の に つ い て ウ エ ス タ ン ブ ロ ッ ト 法 に よ る 確 認 試 験 を 行 う と と も に 免 疫 組 織 化 学 検 査 、 病 理 組 織 学 的 検 査 を 行 い 判 定 し ま す 。 2-(3)-14 ��������� Chromatography 混 合 物 か ら 特 定 の 成 分 を 分 離 ・ 精 製 す る 方 法 で 、 食 品 中 の 農 薬 や 添 加 物 な ど の 成 分 を 調 べ る 際 に 利 用 さ れ る 分 析 手 法 で す 。 固 定 相 ( 紙 、 シ リ カ ゲ ル 、 高 分 子 樹 脂 な ど ) の 表 面 や 内 部 を 移 動 相 ( 溶 剤 、 ガ ス な ど ) が 通 過 す る と 、 混 合 物 中 の 各 成 分 が 物 質 の 大 き さ 、 電 荷 、 吸 着 力 な ど の 違 い で 二 つ の 相 と 相 互 作 用 し ま す が 、 そ の 作 用 の 差 で 分 離 さ れ る と い う 原 理 で す 。 ガ ス ク ロ マ ト グ ラ フ ィ ー 、 液 体 ク ロ マ ト グ ラ フ ィ ー 、 薄 層 ク ロ マ ト グ ラ フ ィ ー 、 ペ ー パ ー ク ロ マ ト グ ラ フ ィ ー な ど が あ り ま す 。 2-(3)-15

PCR法 PCR: Polymerase Chain Reaction

極 め て 微 量 な 遺 伝 子(DNA)を 含 む 溶 液 の 中 か ら 自 分 の 望 む 特 定 の DNA領 域( 数 百 か ら 数 千 塩 基 対 ) を 短 時 間 で 効 率 的 に 大 量 に 増 や す こ と の で き る 技 術 で す 。 原

参照

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