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低炭素社会の実現とカーボンオフセット
2008年11月28日
株式会社日本政策金融公庫 国際協力銀行
環境ビジネス支援室 参事役
宮部 大輔
大阪カーボンカンファレンス2008
2新JBICの概要
• 設立: 2008年10月、株式会社日本政策金融公庫の国際金
融部門として新体制発足
• 概要: 日本企業の海外事業、日本の資源確保や途上国の
経済開発などを金融面から支援する政府100%出資
の政府機関
• 規模: 出融資額
約1兆円(2007年度)
出融資残高
約7.3兆円(2007年度末)
保証残高
約1.6兆円(2007年度末)
• 使命: (1)日本にとって重要な資源の開発及び取得の促進
(2)日本の産業の国際競争力維持・向上の支援
(3)国際金融秩序の混乱への対処
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低炭素社会実現に向けたJBICの方針
• 気候変動問題に効力のある投資の促進
– GHG削減を伴うプロジェクトの発掘・開発
– 日本の技術の普及促進
• 民間資金の導入
– 公的部門と民間部門の橋渡し
– 民間投資を促進するインフラ整備
• 持続可能な開発への貢献
– 新しい分野への事業拡大
– 環境影響度の低減(環境ガイドラインの整備・遵守)
• 金融と産業の融合
– 技術の基準作りへの参加
– 国際的な協力による仕組み作りへの参加
4 CO2などの 削減事業削減
事業
経団連自主 行動計画 カーボンオフ セットなど日本政
府
京都議定書温
暖化対策
農業 漁業 売り 手 買い 手 青物市場 鮮魚市場 スーパー 家庭 <生産> <流通> <消費> 排出権取引プラットフォーム国際協力銀行
貸付 共同運営 アドバイス 排出権 申請国連
JBICの排出権取引事業
上流
中流
下流
5
代表的な排出権取引事業例1
~ブルガリア共和国/カリアクラ風力発電事業~
ブルガリア
国営電力公社
国際協力銀行
(民間協調融資)三菱重工
カリアクラ風力 発電事業ブルガリア政府
京都議定書
(UNFCCC)
排出権 政府所有 温暖化ガス削減事業支援に対する業務協力 (2004年12月) 返済 融資(2007年3月) 申請 (JI第二トラック) 承認 (予定) 出資事業推進の協力
(2005年12月) 電力料金 (優遇価格) 電力 グリーン電力優遇制度に関する助言 支払 JCF/ 日本温暖化削減基金 投資・技術上流
上流
6代表的な排出権取引事業例2
~CDMアンタイドローン~
ICICI
民間銀行JBIC
CDM事業
日本政府
排出権 技術・機械 協力関係 融資JCF
民間企業 政府 購入側 MOU (2006年5月) 融資枠 (2007年8月, USD 200百万) 優先交渉権 同様のクレジットラインをブラジル、ペルー、上流
上流
7
中流
中流
排出権取引プラットフォーム
~①発行済み(セカンダリ)クレジットの流通~
信託
排出権 排出権排出権取引プラットフォーム
買い手 / 売り手情報
運営はJOI
A社
(売り手)
B社信託口座
CDM
プロジェクト
B社
(買い手)
目的: 排出権取引の円滑化
運営開始: 2007年10月
対象排出権: 発行済みCER又はERU
参加者: JOI(海外投融資情報財団)会員企業
A社信託口座
8中流
中流
排出権取引プラットフォーム
~②プライマリ・クレジットの流通~
Project
A
金融機関
京都議
定
書
JBIC
会員登録 共同運営JOI
情報仲介者
Project B
•Project A
---•Project B
---パートナーシップ アクセス 掲載 融資 クレジットラインプライマリー市場
案件情報
プロジェクト
オーナー
排出権取引プラットフォーム
プライマリー市場 参加日本企業 クレジット 交渉9
中流
中流
排出権取引プラットフォーム
~③プライマリ・クレジット情報の取り扱い開始~
Ⅰ.目的 発行前の京都クレジット案件(プライマリー案件)を日本企業に紹介し、日本企業の京都クレジット取得を促進する ことを通じ、京都議定書の温室効果ガス削減目標達成に貢献する。(2008年11月運営開始) II. 概要 ・JBICの取引先等の海外企業よりJBICに対しプライマリー案件の情報提供。 ・提供されたプライマリー案件情報を排出権取引プラットフォームに掲載。 ・案件情報に基づき、JOI会員企業が直接、プロジェクト実施主体にコンタクトを取り、交渉を進め、ERPA締結。 ・JOI会員企業が京都クレジットを取得。 III. 情報提供されるプロジェクト ・JBICがCDM推進アンタイド・ツーステップ・ローンにて融資する案件 ・JBICのビジネスパートナーが紹介する案件 IV. 手続き 1.アンタイドCDMローンに関するホスト国金融機関との融資契約または、JBICのビジネスパートナーとの業務提携 2.ホスト国金融機関およびビジネスパートナーからのJBICに対するプライマリー案件の情報提供 3.JOIとJBICで共同運営されている排出権取引プラットフォーム案件情報に掲載 4.JBICの融資案件については優先交渉権を日本企業へ付与 5.JOI会員企業とプロジェクト実施主体者と直接交渉 6.ERPA締結・京都クレジット取得 V. 暫定案件 ・中国、ヨルダン、メキシコ、ルーマニア、インドなど合計31件、約460万トンを一括で ・水力(72.59%)、コンバインドサイクル(13.83%)、N2O(12.52%) ・進捗状況:Validation以降 82% 10日経JBIC排出量取引参考気配
(N-J Carbon )
中流
中流
国際協力銀行(JBIC)と日本経済新聞デジタルメディアは、日本国内における確定排出量取引の 価格情報に対するニーズに応えるべく、2008年4月21日から「日経・JBIC排出量取引参考気配」の 算出・公表を開始。 《 標準排出量取引の定義 》 ・排出量の種類:国連により発行済みの現 物 ・排出量が登録されている登録簿:日本、 国連、その他先進国(Annex1国)のいず れかに所在の登録簿 ・排出量の取引単位:5万トン ・排出量を生み出す案件の種類:省エネ、 再生可能エネルギー、HFC(フロン)など 工業ガス案件を含み、森林クレジット、 グリーン投資スキーム(GIS)に用いられ るAAU(割当量単位)などを除く。 ・排出量売買契約の締結日:当日 ・排出量売買の資金決裁時点:契約時 ・排出量売買の決済通貨:円排出量の引 渡し時点:即時を原則とする。但し、登 録手続きを考慮し現状契約後1ヶ月以 内。 《 情報協力企業 》 エコセキュリティーズ日本株式会社、JPモルガン証券株式会社、ナットソース・ジャパン株式会 社、フォルティス銀行、丸紅株式会社バークレイズ・キャピタル証券株式会社、オルベオ/ロー ディアジャパン、住友商事株式会社 1 0 0 0 1 5 0 0 2 0 0 0 2 5 0 0 3 0 0 0 3 5 0 0 4 0 0 0 Da t e 2 00 8/ 1 / 00 8 /1 /2 20 08 / 2/ 0 08 / 2/ 1 20 08 /3 / 0 08 /3 / 1 0 08 /3 / 3 00 8/ 4 /1 00 8/ 4 /2 0 08 / 5/ 1 0 08 / 5/ 2 2 00 8/ 6 / 00 8 /6 /2 20 0 8/ 7 / 00 8/ 7 /2 20 08 /8 / 0 08 /8 / 1 00 8 /8 / 2 2 00 8/ 9 / 00 8 /9 /2 0 08 / 10 / 08 /1 0/ 2 0 08 / 11 / B i d A s k N - J C a r b o n JPY 2680 JPY 1680 JPY 1050 JPY 1875 Primary market price1 0 0 0 1 5 0 0 2 0 0 0 2 5 0 0 3 0 0 0 3 5 0 0 4 0 0 0 Da t e 2 00 8/ 1 / 00 8 /1 /2 20 08 / 2/ 0 08 / 2/ 1 20 08 /3 / 0 08 /3 / 1 0 08 /3 / 3 00 8/ 4 /1 00 8/ 4 /2 0 08 / 5/ 1 0 08 / 5/ 2 2 00 8/ 6 / 00 8 /6 /2 20 0 8/ 7 / 00 8/ 7 /2 20 08 /8 / 0 08 /8 / 1 00 8 /8 / 2 2 00 8/ 9 / 00 8 /9 /2 0 08 / 10 / 08 /1 0/ 2 0 08 / 11 / B i d A s k N - J C a r b o n JPY 2680 JPY 1680 JPY 1050 JPY 1875 Primary market price
11 CDM 事業 国連 承認 排出権の発行 ソトコトグループ 排出権 (現物) 信託 受益権
Fortis 銀行
信託 受益権 日本政府 国際協力 銀行 年間 購読者 ⑦寄付 ⑧移転 信託銀行 排出権 (現物) 365Kg相当排出 権(ソトコト証書) 年間購読契約 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥カーボン・オフセットの取り組み1
~排出権付定期購読誌「ソトコト」の調達支援~
下流
下流
12 JBIC Pavilion世界中から集まる排出権見本市で
も二酸化炭素が・・・・
CO2
CO2
CO2
移動 準備作業 移動 展示会場 移動CO2
カーボン・オフセットの取り組み2
下流
下流
オフセットしてみよう!
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オフセットプルーフ
(会場で携行したもの)
カーボン・オフセットの取り組み3
~オフセット証明書~
下流
下流
14ステップ1
二酸化炭素排出量を計算
ステップ2
排出量の目標を決めよう
ステップ3
どんな排出権を使うか決めよう
ステップ4
排出権の行き先を確認しよう
排出権見本市の事例
オフセットの対象範囲 往復航空機と展示場の電気使用 → 58トン 「2050年50%削減」 航空会社や電力会社も削減努力 → 乗客も協力:50%以上 信頼性・確実な削減効果 → 京都議定書・国連の認めた排出権 「確定排出権」を利用(「ソトコト証書」) 十分な量の排出権の確保(排出量の95%) 流用はダメ → 日本政府に寄付: 京都議定書の削減目標に貢献情報公開が重要
カーボン・オフセットの取り組み4
~オフセットの手続き~
下流
下流
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カーボン・オフセットのチェックポイント
本当に減ったの?
オフセットのお金は
削減事業に使われたの?
クレジットの価格は妥当?
排出量の計算は大丈夫?
クレジットの最終処分は?
情報がきちんと公開されている?
「証明書」を確認しよう 会計処理を確認しよう N-J Carbonは大口取引価格 小口化の手数料が上乗せされている 過小評価はだめ!専門家に頼むか、 あるいは、自分で計算しよう 政府に寄付したら証明書をもらおう ホームページなどで確認しよう 16排出権活用の弱点
・木を植えて二酸化炭素を減らせませんか?
・夜型の生活をやめて二酸化炭素を減らしました!
京都クレジットは国連(気候変動枠組み条約事務局、UNFCCC)が厳
密に管理。
→ 民間規格、独自規格の必要性
注目の森林クレジット
発展途上国
投資家
政府など
世銀
森林管理
ファシリテイ
森林管理、
職業訓練など
二酸化炭素吸収
拠出
森林クレジット
投資
投資
吸収・固定効果
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