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簿記教育の諸問題: 沖縄地域学リポジトリ

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Title

簿記教育の諸問題

Author(s)

大城, 建夫

Citation

沖大経済論叢 = OKIDAI KEIZAI RONSO, 17(1): 93-115

Issue Date

1992-09-30

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12001/6846

(2)

簿記教育の諸問題

大城建夫

目次 はじめに 1.簿記教育のアンケート分析 Ⅱ、簿記教育の諸問題 1.簿記教育と教科書 2.簿記教育と資格試験 3.情報化と簿記教育 4.簿記教育と会計学 むすび はじめに 簿記学は、広義の会計学(以下、会計学と呼ぶ)といわれる学問領域の基礎 となる分野であるにもかかわらず、学生の中には、苦手意識を持つ者がいる。 特に初学者に多いようである。どこにその原因があるのか検討する必要がある。 さらに、簿記を講義、指導する者にとってもどのようにすれば簿記に関心を 持つのか、いろいろな工夫が必要と思われる。 我が国では、従来、会計学分野の教育は、ほとんど学問の対象として取り扱 わない傾向があったが、最近では、簿記教育に対する研究のきざしがあらわれ ている(1)。 しかしながら、将来において会計学の専門分野を職としない受講学生の増加、 我が国の企業の国際化、情報化などの問題について対応していくためには、会 計教育という観点からも探究されなければならないと考える。 -93-

(3)

本稿では、学生に対し行なった簿記教育のアンケートを分析しながら、簿記 教育の諸問題についての私見を試みるものである。

I・簿記教育のアンケート分析

簿記原理Iを受講している学生に対し、簿記教育についてのアンケートを行 なったのは、初めて学ぶ簿記の講義にどの程度の関心と理解を示しているのだ ろうかという素朴な教育上の観点からなのである。

ただし、アンケートの対象となった学生は、簿記を担当する先生方にも簿記

教育の方法論に若干の違いもあることから私の簿記のクラスの学生のみに限定

している(2)。そのため、アンケートの対象となった学生数は、少なくなって いることをお断わりしなければならない。 分母は小さいのであるが、アンケートをとおして簿記教育上の問題点が少し

でも把握されて、私自身が問題意識をもつきっかけになればよいと考えている。

以下、簿記教育のアンケート結果を分析し、考察してみる。 (1)簿記の講義が難しいと思う理由について答えて下さい。 ①問題練習が少ないため ②テキストが難しいため ③講義の進め方が早いため ④勉強していないため ⑤その他[] 11 くくくくく 59010 人人人人 JjJJJ 14.3% 25.7% 28.6% 31.4% 簿記の講義の難しいと思う理由については、勉強していないため31.4%、

講義の進め方が早いため28.6%、テキストが難しいため25.7%の順にな

っている。勉強していないためというのは学生側に責任があると思われるが、

講義の進め方が早いため、テキストが難しいためというのは私にも責任がある

-94-

(4)

のだろう。 というのは、簿記を初めて学ぶ学生にとって、講義の進め方が早かったり、 テキストが難しいと講義の内容が理解し難く感ずるのであろう。そのため、講 義の進め方に工夫が必要であるが、検定などの目標を設ける場合には、学生達 にも予習、復習に頑張ってもらわなければならないことになろう。また、テキ ストは、わかりやすい内容になっているのか常に検討する必要があると思われ る。つまり、講義で使うテキストが学生にとってわかりやすいものであるかに ついて選定する際にも十分吟味する必要がある。可能な限り、私自身単著、共 著によるわかりやすいテキスト作りにも努力したいと考えている(3)。 (2)次のどの分野が難しいと思いますか。 ①仕訳 ②合計残高試算表 ③精算表 (1 ( (1 1人) 7人) 4人) 34.4% 21.9% 43.8% 簿記の難しい分野については、精算表43.8%、仕訳344%、合計残高 試算表21.9%の順となっている。 精算表を難しいと思う学生が多いのは、決算整理の仕訳に対する理解が不十 分なためであろう(4)。合計残高試算表と精算表の作成は、表の作成技術能力 を養うものであるが、正確な表の作成のためには仕訳力が問われる分野である。 つまり、表の作成を理解させるにあたっても取引や決算整理項目を正確に仕訳 する能力が重要と思われる。 この場合の仕訳する能力は、資産、負債、資本、収益、費用の概念及び財務 諸表の内容と役割などを会計理論的にも十分に理解することによって、より正 確性が養われることになる。 最近の会計実務においては、コンピュータの利用により財務諸表が迅速に取 り出せるようになっており、表の作成よりも表の利用(財務諸表分析など)に 重点が移行していることから仕訳力をさらに強化すべきであると考える。 -95-

(5)

(3)仕訳では次のうちどの分野が難しいと思いますか。

①曰常の仕訳

イ…現金預金取引(1人)0.8%

口手形取引(9人)7.4%

八3分法による商品売買取引(8人)6.6%

二.その他の債権と債務の取引(13人)10.7%

ホ.有価証券の取得と売却の取引(12人)9.8%

へ.有形固定資産の取得と売却の取引(14人)11.5%

②決算の仕訳

イ.現金過不足の整理(5人)4.1%

ロ.貸倒引当損(または貸倒償却)の計上(7人)5.7%

ハ.3分法による繰越商品勘定の整理(9人)7.4%

二・有価証券評価損の計上(6人)4.9%

木減価償却費の計上(11人)9.0%

へ.経過勘定(前払費用、未収収益など)の計上(15人)12.3%

ト.資本金の整理(純損益、引出金の振替)(12人)9.8%

曰常の仕訳で、かなり難しいのは、有形固定資産の取得と売却の取引が

11.5%となっている。特に、有形固定資産の売却取引では、間接控除法に

よる仕訳記入を苦手としているのではないかと思われる。具体的には、減価償

却累計額(5)の科目の性格について十分に把握されていないのであろう。

決算の仕訳では、経過勘定(前払費用、未収収益など)の計上12.3%、

資本金の整理(純損益、引出金の振替)9.8%、減価償却費の計上9.0%、

3分法による繰越商品勘定の整理7.4%の順に難しさを感じているようであ

る。

仕訳については、どの分野も難しいと感じている学生が多いようである。

仕訳力を修得させるためには、仕訳の練習も大事であるが取引や決算整理項

-96-

(6)

目を分解する場合に、何故このような科目、金額になるのかについて会計 理論(6)的にも十分に説明する必要がある。そうすることによって、簿記と会 計学の関連性が把握できるものである。しかも、物事を思考する場合の論理力 も身につくものと思われる。 仕訳は、一般的に曰常の仕訳と決算の仕訳に分けられる。曰常の仕訳は、主 に企業外部との取引を記録するために行なわれるのに対して、決算の仕訳は、 主に企業内部の決算諸表を作成するために行なわれるのである。 仕訳についての講義は、一般的に勘定科目の増減ルールの説明を中心に行な うが、特に決算の仕訳においては、決算仕訳を会計理論との関連で理解させな ければならない(7)。 例えば、貸倒引当損と保守主義の原則との関連、減価償却費と費用配分の原 則との関連、有価証券評価損と低価法との関連、経過勘定科目と発生主義会計 との関連などについても十分に説明されるべきである。 (4)簿記検定は合格していますか。 ①合格している(曰商3級1人、全経2級1人)(5人)21.7% (全経3級1人、全商2級1人、全商3級1人) ②合格していない (O) ③受験したことがない (18人)78.3% 簿記検定の合格者は、少ないと思われる。この理由には、商業高校出身の学 生よりも普通高校出身の学生が多いこと、検定曰までの講義時間が不足してい ることなどがあげられる。 しかしながら、商業高校出身の学生を含め簿記検定に既に合格している者も いる。 簿記の講義において簿記検定などの資格取得を目標として動機づけさせるこ とは教育効果を高めるのに役立つと思われる。 ところで、大学のカリキュラムとの関連で考えると講義時間数との関係で学 -97-

(7)

生を簿記検定に合格させるのはかなり困難なことではある。つまり、簿記検定 に合格させるためには大学の講義時間数ではかなり無理な面がある。 そこで、簿記検定に合格するためには経理学校に通ったり、あるいは大学の 課外講座の利用が考えられるので、次に検討してみる。 (5)経理学校に通っていますか。 ①通っている ②通っていない (O) (23人)100% このアンケートからは、大学の講義も受けながら経理学校に通っている学生 は、いないことになる。しかし、このアンケートのみでは、学生が簿記検定に 関心がないと断定できない。というのは、2~4年次の学生で簿記検定または 税理士試験合格のため経理学校に通っている者もいるからである。1年次の段 階では、多数の講義を登録したり、または既に簿記検定に合格している学生も いるためであろう。 (6)本学内で簿記検定などの課外講座は必要と思いますか。 ①必要と思う ②必要と思わない ③その他[] (22人)95.7% (1人)4.3% (0) 必要と思うと考えている学生は95.7%であり、かなりいる。つまり、学

生の課外講座に対するニーズは高いことがわかる。確かに、簿記検定の合格の

ためには、大学の講義時間数では十分ではないのであるから、課外講座などで 補う方法が考えられる。 しかしながら、現実には課外講座の担当者、予算などの確保をどのようにす -98-

(8)

べきという問題がある。例えば、担当者を専任教員または、非常勤教員にする のかという問題、予算は大学予算のみで設定するのか、学生のみに負担させる のかという問題などがある。

いくつかの問題点があるにもかかわらず、就職の効果をあげるためにも課外

講座の役割は重要である。

簿記検定の資格を取得させるためには、課外講座の開講が効果的である。課

外講座の利用としては大学外部の経理専門学校と大学内部の講座が考えられる。

ここで取り上げるのは、大学内部の課外講座の開設である。このような課外講

座の充実化により資格取得と簿記教育の効果を高めている大学もある(8)。

(7)(6)で必要と思うと答えた方は、その理由を聞かせて下さい。 8人)81.8% 4人)18.2% 0人) 1 くくく ①資格取得のために必要である ②就職活動に役立てたい ③その他[ ]

課外講座の必要性の理由は、資格取得のために必要である818%、就職

活動に役立てたい18.2%の順になっている。学生は、資格取得に対し高い

関心を持っていることがわかる。つまり、資格取得が将来の就職に有利に展開

することを学生自身かなり意識しているせいであろう。このように、学生は、

資格取得に一般的に関心があると考えられることから、大学内部の課外講座の

開講についていろいろな工夫が必要ではないかと考える。

例えば、簿記検定試験の直前に課外の模擬試験を行なったり、課外ゼミでの

受験指導を行なうことなどである。この場合、就職課との協力が必要になろう。

-99-

(9)

(8)将来、簿記検定などの資格取得はどの程度まで取得したいと 思いますか。 ①取得したいとは思わない ②簿記検定3級まで取得したい ③簿記検定2級まで取得したい ④簿記検定1級まで取得したい ⑤中小企業診断士の資格を取得したい ⑥税理士の資格を取得したい ⑦公認会計士の資格を取得したい ⑧その他[より多くの資格を取得したい] 1 くくくくくくくく 23163321 人人人人人人人人 JJJjjJJJ 69599963 57547750 %%%%%%%% 31

簿記検定の2級までの資格取得を希望する学生が、35.5%であり多いよ

うである。

確かに、日商2級が中小企業の経理を理解させる程度であることから、中小

企業の多い県内の就職を志向する学生にとっては、的確な目標となるのであろ

う。そのため、大学の講義を曰商簿記検定3級から2級までを目標に理解させ

ていくべきでないかと考える。

また、国家試験の資格取得についても、簿記検定との関連性について十分に

把握して学生のニーズに答えるように指導すべきであると考える。

さらに、資格取得をとおして専門分野に興味をもち、将来職業会計人となり、

社会で活躍、貢献していくことが考えられることから簿記教育と資格取得につ

いても十分に検討されるべきである。 -100-

(10)

(9)貴方の出身高校を教えて下さい。 ①普通高校 ②商業高校 ③その他[ (21人)91.3% (2人)8.7% (O) ] 出身高校は、圧倒的に普通高校出身者91.3%が、商業高校出身者よりも 多い。 そのため、初学者に対する簿記教育について簿記・会計の担当者は、工夫と 改善が必要ではないかと思われる。すなわち、法学、経済、経営など専攻の異 なる学生が、いろいろな理由で簿記の講義を受けるのであるから、教える側で

も簿記の教育内容、教育方法、テキストの選択など常に検討することが必要で

はないかと思われる。 商業高校出身者に対しては、さらに上位の簿記検定の指導なども並行して行 なうべきである。 アンケートの結果を全体的にまとめてみると、次のようになる。 ①簿記検定との関連では、曰商3~2級の商簿・工簿の範囲が教育されるべ きではないかと考える。企業、会計事務所など就職、業務においても最低限 の簿記会計の基礎知識として必要ではないだろうか。 ②仕訳では、特に決算整理仕訳についての説明に十分考慮されるべきである。 ③課外講座に対する期待もかなりあるので、十分に検討されるべきである。 上述の簿記教育に関するアンケート結果の分析を基礎にして、簿記教育の諸 問題について、次に検討してみる。 -101-

(11)

Ⅱ簿記教育の諸問題

1.簿記教育と教科書

前述のアンケートからもわかるように簿記を難しいと考える学生のなかには、

その理由としてテキストの難しさをあげている者がいる。簿記教育において、

わかりやすいテキストの選択は重要である。 わかりやすいテキストとは、どのようなものをいうのだろうか。私見として

は、学生との対話、長年の簿記教育経験などから、例えば図、表、設例、用語

説明、索引などを多く取り入れて説明されていることが一般的にわかりやすい

テキストではないかと考えている。

最近の簿記テキストの特徴としては、共同執筆による出版が増えていること、

図、表、設例などを取り入れるようになっていることなどがあげられる。この

点は、今後の簿記のテキスト発行にあたっても望ましいことだと思われる。

しかし、情報化が社会の中でかなり進展しているにもかかわらず、簿記テキ

ストの内容は、手作業会計を前提にしたものになっていることを指摘しておか

なければならない。 そのため、多くの簿記テキストでは、依然として手作業会計で重要であった

会計帳簿への記入手続き論が重要視されている。このような手作業会計を中心

にした簿記教育は、我が国で伝統的に行なわれてきたものである。

私見としては、情報化の進展などを考慮に入れた簿記テキストの発行が必要

であると考える(9)。

また、簿記教科書の内容についても考慮していくべきである。つまり、簿記

教科書の内容が初級、中級、上級程度として区別されて編集し、発行されてい

るのかについても検討されるべきである。簿記を担当する者が、初学者の学生

に対する講義の程度は、大学における一年間の限られた時間数からすると、初

級レベルの内容である。

初級レベルを中心とした簿記教科書では、簿記の基礎概念の導入方法('0)と

して、例えば、資産、負債及び資本の概念を個人企業を対象として資本等式ア

プローチにより説明される場合が多い。これに対し、中級レベル以上を中心と

-102-

(12)

した簿記教科書では、株式会社を対象として貸借対照表等式アプローチにより 説明される場合が多い。 しかし、初級と中級レベル以上を内容とする簿記教科書では、簿記の基礎概 念の区別を初学者が混同しないように十分に説明を行なうべきである('1)。 2.簿記教育と資格試験 簿記教育においては、検定などの資格試験が欠かせないものとなっている。 最近の曰商簿記検定試験の受験者が年間60万人を超えたことからも、簿記教 育への簿記検定の影響力について検討していく必要がある。つまり、簿記検定 は、簿記教育への影響力が大きいことから教育効果を高めるという利点もある。 しかし、問題点もある。例えば、学生の関心が簿記検定と関係ある分野のみ に集中する傾向がある。 つまり、何故このような結果になったのかという論理的な面よりも結論重視、 暗記中心になりがちである。 このような問題点はあるが、簿記検定は簿記教育において重要であると考え る。私見としては、簿記検定の傾向を考慮にいれながらも学生の思考力、論理 力('2)を重視した講義を行なうべきであると考える。 現在では、簿記・会計に関する資格試験がかなりあることから、各資格試験 の出題内容の程度、出題量、出題方法などのほか各資格試験の相互間でも十分 に検討されるべきである。 つまり、簿記検定、税理士試験、公認会計士試験などの簿記、会計学、財務 諸表論などの試験科目の出題範囲・内容について相互間で整合性があるのかど うかについても十分に検討される必要がある。例えば、貸倒引当金の会計処理 における債権の範囲('3)、勘定科目の統一化などの問題がある。 また、同じ級の検定試験であるにもかかわらず、簿記検定の主催団体により、 出題範囲、勘定科目の使い方などが異なっているため受験生にとっても混乱す る場合もあり、考慮すべきである。例えば、貸倒償却と貸倒引当損または貸倒 損失との異同('4)、積送売掛金や対照勘定などの科目の統一化などがあげられ る。 -103-

(13)

さらに、我が国の簿記検定などが手作業会計を中心にした伝統的な簿記の出 題に固執するために、会計実務の変化などの影響が考慮されない傾向がある。 つまり、画一的、類型的に出題されるので会計実務との乖離がみられる('5)。 このように、簿記検定などの資格取得を大学の会計学教育のなかに取り入れ ていく以上、簿記検定などのあり方についても大学側からも積極的な批判と提 言が必要ではないかと考える。 3.情報化と簿記教育 簿記教育は、情報化の進展に対し、どのような対応をしているのだろうか。 この点について、社会の中で情報化がかなり進展してきているにもかかわら ず各大学の対応は、十分ではないことを指摘しなければならない。そのため、 簿記教育の内容と情報化の影響をうけた会計実務との間に乖離が生じている。 中小企業においてもコンピュータ導入による影響を受けてきているので、ど のような変化が会計実務に生じているのかについて検討してみる。 すなわち、会計システムが帳簿会計システム、伝票会計システム、パッチE DP会計システムからペーパーレス会計システムへと移行してきている。つま り、コンピュータ会計の利用が増加してきていることである。この場合コンピ ュータ会計とは、企業取引活動の会計事実をコンピュータシステムにより処理 することである。 そのコンピュータ会計では、従来、手作業会計で重要であった手作業業務 (転記、集計計算、表作成など)が、かなり省略化されるようになってきてい る。しかし、会計実務において、コンピュータによる会計情報の多様化とその 利用がますます盛んになってきており、簿記・会計教育の重要性が従来よりも 高まっていると考える。 以上から情報化に対応した、具体的な簿記教育の問題点と提言を述べると次 のようになる。

例えば、簿記全体を把握するための簿記手続きの一巡について手作業会計と

コンピュータ会計の違いを明確にすること、コンピュータ会計においては分記

法、3分法よりも売上原価計上法が重要になること(16)、手作業会計で重要で

-104-

(14)

あった特殊仕訳帳の省略化または廃止が行なわれるべきであること、月次試算 表による内部管理への利用も教育すること('7)、精算表作成を省略化すること、 情報化の進展は、簿記の記帳手続きの面をかなり省略化させているのであるか ら、特に簿記手続きの一巡のインプット(入力)面('8)とアウトプット(出力) 面について従来よりも重視しなければならないと考える。すなわち、インプッ ト面では、仕訳の正確性であり、アウトプット面では、出力された財務諸表な どの会計資料の外部報告及び内部報告のための有効な利用である。そのため、 財務諸表の分析についても簿記教育の中で考慮していくべきであることなどが あげられる(',)。 さらに、会計実務で利用されている会計ソフトを簿記教育に取り入れること によって、企業のコンピュータ会計システムを理解させることができる。 4鄙簿記教育と会計学 従来、我が国では、簿記学と会計学はそれぞれ別々の学問として位置づける 場合がある。例えば、簿記学は記帳技術論を、会計学は評価論を取り扱うとい う場合である(20)。その代表的論者として、沼田嘉穂博士がおられる。沼田博 士によれば、「評価論は会計学(Accounting)または財務諸表論(Theory ofFinancialStatements)の中心である。簿記学では財貨が正しく評価さ れ、正しい貨幣金額が与えられているものとして、その記録・計算の理論およ び技術を取扱う。」(21)と述べておられる。 このような考え方によれば、中村教授も指摘するように、決算期における決 算整理項目の評価は、簿記学では、取り扱えないことになる(22)。これでは、 不都合である。 むしろ、簿記学でも必要に応じて会計理論の説明が必要ではないかと考える ものである。 ところで、米国では、我が国のように簿記学と会計学を特に区別することな く、初級会計学、中級会計学、上級会計学という分野に分けている。 我が国のように簿記学と会計学を区別する考えに対し、問題点を指摘しなけ ればならない。例えば、簿記学と会計学との関連性(23)が明確にされていない -105-

(15)

ことである。具体的には、簿記は計算、技術、手続きを中心に研究、教育し、 会計学は会計行為の認識、測定、伝達を中心に研究、教育するということから、 相互に会計理論との関連性を明確にしてこなかったのではないか。そのため、 簿記学は、計算技術学としての学問として位置づけられて、会計理論の研究、 教育は、会計学の分野で行なわれてきた傾向がある。 このように、我が国では、簿記学を計算技術学と考えることから、会計学と 関連させて会計理論的に説明することが少なかったのではないかと思われる。

むしろ、大学の簿記教育は、簿記学を会計学の-分野として位置づけて、会

計理論との整合性、首尾一貫性などを重視した内容にしなければならないと考

える。最近では、簿記学と会計学を一体化した専門書も出版されるようになっ ている(24)。 私見としては、簿記学と会計学を区別することなく、同質の学問分野として

取り扱っていくべきではないかと考える。例えば、初級財務会計学、中級財務

会計学、上級財務会計学という分野にすることを提案したい(25)。というのは、 コンピュータの発達、利用により従来の手書き会計において重要視された簿記

の記帳、転記などの手続き論が少なくなってきており簿記学が技術学と呼ばれ

たことから開放されつつあることを指摘しなければならない。むしろ情報化、

国際化、グローバル化の進展による新しい取引の発生などに対する会計基準の

確立(認識、測定など)、ディスクロージヤー制度の充実などがより重要にな

ってきている。以上の点を踏まえ、「簿記教育の諸問題」を我が国の「簿記

教育における影響力要因の関係」として示すと、下記の図のようになる。

-106-

(16)

簿記教育における影響力要因の関係 (会計実務)

/[-1霄~報TE-]、

、, U‘ミ』

「震彌壼司

「薮-15W~薑可

(資格取得) し

「薄記藪青可

爪(簿記学)

「≦~許~享可

-強い影響力 <----弱い影響力 すなわち、我が国の簿記教育は、簿記検定及び簿記教科書の影響力がかなり 強く、依存的傾向があることを指摘しなければならない。 これに対して、情報化などの会計実務の発展及び変化が、簿記検定または簿 記教科書に及ぼす影響力が弱いことから、簿記教育にも影響をほとんど与えて いないのが現状である。 -107-

(17)

他方、簿記教育が簿記学との関連性をもつならば、簿記学と会計学を区別し てきたことが簿記学を技術学として位置づけ、簿記教育が技術教育としてこれ まで定着してきた理由ではなかろうか。そのため、簿記教育において会計理論 的説明を行なうことは、少なかったことを指摘しなければならない。このよう

な観点からは、会計学の理論的影響力は弱いと言わざるをえない。

今後の簿記教育の課題としては、情報化などの会計実務の変化をいかに取り 入れるのか、さらに簿記学と会計学を一体化した分野としての体系化を確立す ることであると考える。

むすび

以上のように、本稿は、学生に対する簿記教育のアンケート調査をたたき台 にしながら、簿記教育に係わる問題点をとりあげて、私見を展開してきたとこ ろである。 その結果、次のようなことを簿記教育で検討すべき点として指摘しておきた い。

①アンケートからもわかるように、簿記を苦手とする学生がかなりいる。

簿記学が会計学を学ぶ最初の基礎科目とするならば、教育・指導する者に とっても、興味や関心をもつ講義の導入方法や進め方、良きテキスト・問 題集の選択などについて、学生の反応も確かめながら常に検討しなければ ならない。

②簿記検定などが、大学の簿記教育に大きな影響を及ぼしてきたにもかか

わらず、検定試験、資格試験を簿記教育の中でどのように位置づけるのか

などについて必ずしも十分に検討してこなかったことを、指摘しなければ ならない。 そのため、簿記教育の中で簿記検定など考慮していくのであれば、今後、

資格試験などの出題方法、内容などについても、批判と提言が必要ではな

いかと考える。 -108-

(18)

③情報化との係わりでは、情報化の進展という会計実務の変化をいかに簿 記教育の中に取り入れるのかについても当然考慮されるべきである。 例えば、簿記手続きの一巡の手作業会計とコンピュータ会計の違い、コ ンピュータ会計における売上原価計上法の重要性、特殊仕訳帳の省略化、 月次試算表の内部管理的利用、インプットにおける仕訳力の強化とアウト プットにおける企業内部管理のための会計資料分析及び財務諸表分析(26) などについて重点的に教育指導されるべきである。 ④我が国で簿記学と会計学とを区別する傾向があったことが、簿記学を 技術論、手続き論として位置づけてきた原因でもあったと考えられるので、 簿記学と会計学を一体と考えた分野についての研究・教育の確立が必要で はないかと考える。 我が国の大学における会計学の分野においては、簿記・会計教育を研究対象 とする研究者が少なかったことが、会計教育論の体系化を妨げた原因でもある と考える。 さらに、簿記・会計学を必修としない学生数の増加、会計をとりまく隣接分 野の発展と変化の会計への影響などを考えると大学における会計教育を再検討 することは重要である。 拙稿に対して、簿記・会計学などの研究者および教育関係者のご批判をお願 いするものである。 [注] (1)例えば、日本簿記学会が、昭和60年に設立され、昭和61年に簿記理論・簿 記教育・簿記実務の各研究部会が承認された。その後、かなりの研究成果を生み だしてきている。つまり、我が国の簿記教育の研究は、まだ始まったばかりであ ると指摘できる。 (2)アンケートの実施は、1922年7月に行なった。30名の登録学生のうち、 欠席者などを除き23名がアンケートに協力してくれた。質問に対して、原則と して一項目を選んでもらったが、アンケートの(1)、(2)、(3)、(8) -109-

(19)

Iま、複数回答となっている。 (3)簿記原理Iで使用しているテキストは、次のようなものである。 阪本安一編『基本簿記演習」改訂版、同文舘、1992年。 つまり、共同分担執筆のテキストではあるが、今後、その内容、説明などさら に工夫をしていきたいと考えている。 (4)合計残高試算表よりも精算表が難しいと考えている学生が多いのは、仕訳に原 因があると考える。すなわち、両者とも仕訳を行なった後に表を作成するという 点は共通している。ところが、合計残高試算表の仕訳は、会計期間中の企業外部 との取引の仕訳であるのに対し、精算表では決算整理のための仕訳である。決算 整理のための仕訳は、本来会計理論との関連性の強い項目であるが、決算整理項 目が類型的(減価償却、貸倒れの見積り計上など)となっていることから、精算 表の作成を急ぐあまり暗記的になりやすく、また教えがちでもある。このような 簿記教育指導法は、学生の会計学に対する興味や関心を失わせる恐れもあること に注意しなければならない。つまり、ある程度の暗記もやむを得ないのであるが、 あくまで会計理論と結びつけて理解させるべきである。 (5)減価償却累計額とは、資産に対する控除的性格を持つ評価勘定と定義される。 しかし、評価勘定は、初学者にとって、理解するのに難しい科目の一つである。 その説明では、直接法との比較のほか勘定記入、さらに表示形式(取得原価から 減価償却累計額を控除する形式)によってわかりやすく理解させるべきである。 ほとんどの簿記書は、表示形式は省略されて、勘定記入の説明が中心となってい る。つまり、表示形式については、会計学の分野に任せているのである。 しかし、減価償却累計額を表示形式も含めて説明された簿記書もあり、代表的 なものは、次のとおりである。 武田隆二箸『簿記一般教程』第3版、中央経済社、1991年、178頁。 (6)ここでいう会計理論とは、財務会計論における基礎理論としての会計公準論、 会計原則論などを指している。 (7)決算仕訳を会計理論との関連で説明されている代表的簿記書は、次のとおりで ある。 武田隆二箸、前掲書、147,161,162,178<193~196頁。 -110-

(20)

武田教授は、この本の中で有価証券と商品における低価法、商品及び減価償却 と原価配分の原則、経過勘定と発生主義の原則との関連性について説明されてい る。 (8)例えば、東京経済大学では、課外講座として「特修コース」を設けている。会 計関連のコースには、日商3~1級、税理士試験、公認会計士試験の講座がある。 指導講師は、非常勤の先生方に依頼し、受講料は、例えば日商3~1級の講座が 4年間で5万円となっている。(1990年度東京経済大学「特修コース」受 講要領参照) (9)我が国の簿記書は、コンピュータ導入による会計実務の変化を説明したものは、 ほとんどない。しかし、次のようなアメリカの会計学の入門書では、どのように 変化しているのか詳細に説明されている。例えば、HomgrenandHarrisonでは、 コンピュータを利用した予測財務諸表の作成、棚卸資産の数量計算における実施 棚卸法から継続記録法への移行、コンピュータによるキャッシュフロー計算書の 作成などについて、具体的事例もあげながら説明されている。 CharlesT・HorngrenandWalterT・Harrison,Jr.,ACC”"!!)29 2eZf,(NewJersey:Prentice-Hall,Inc.,1992),pll8,pp、432-433,pp、 831-832. (10)このほかにも、例えば、簿記の導入としてサービス業にするのか、商品売買業 にするのかという問題がある。この点については、特にサービス業にこだわる必 要はないと考える。 神森智稿「簿記の基礎概念」松山大学論集、第4巻第3号、1992年8月、 186頁。 (11)武田教授は、簿記の基礎概念における収益・費用の説明について、「収益・費 用をまず貸借対照表アプローチで定義し、その内容を損益計算書アプローチで説 明する方法が、読者の理解を容易にする。」と論述しておられる。詳しくは、次 の論文を参照のこと。 武田安弘稿「簿記の一巡に関する諸問題」愛知学院大学論叢商学研究、第32 巻第2号、1987年9月、50~51頁。 大薮教授は、簿記教育の導入方法として、従来の勘定形式導入法のほか発生史

(21)

-111-的導入法の必要性を強調しておられる。詳しくは、次の論文を参照のこと。 大薮俊哉稿「情報化社会と簿記教育のあり方」(若杉明編著『ソフト化社会と 会計』)ビジネス教育出版社、1989年、74~75頁。 (12)論理力を重視していくなら、会計学の基礎概念(会計公準、期間損益計算、発 生主義、原価配分の原則など)についても説明しておくべきであると考える。 (13)貸倒引当金の設定対象となる債権の範囲は、売上債権から金銭債権まであって かなり広くなっているが、日商簿記検定試験と税理士試験などにおいてその範囲 が不明確な問題があった。 (14)貸倒損失と貸倒引当損は、明確に異なる科目であるにもかかわらず、貸倒償却 という科目で両方の内容を説明させるのは、大変疑問である。財務諸表を利用す る利害関係者にも誤解を与える恐れもある。簿記検定でも、今後貸倒償却の科目 の使用について検討されるべきである。 (15)例えば、会計実務では、商品の売買などにおいて消費税が導入されているにも かかわらず、各種簿記検定では、まだ出題されたことがない。つまり、会計実務 の変化に対する対応があまりに遅すぎることを指摘しなければならない。私見と しては、商品の売買等に限定して、3級または2級で消費税を考慮に入れた仕訳 問題などが出題されるべきであると考える。 (16)安平教授は、売上高・売上原価表示法(すなわち、継続記録法による売上原価 計上法のこと)を首尾一貫した商品売買の処理法として説明すべきことを論述し ておられる。詳しくは、次の著書を参照のこと。 安平昭二箸『簿記その教育と学習』中央経済社、1992年、80~84頁。 (17)情報化の進展などを考慮に入れた簿記のテキストの内容としては、月次試算表 の経営管理的機能、財務諸表分析の基礎なども説明されるべきである。すなわち、 試算表の役割を検算及び検証表としてのみ位置づけるのではなく経営管理表とし ても活用されるべきである。 中村・大薮教授は、毎月の比較などによる月次試算表の経営管理的機能を強調 しておられる。 詳しくは、次の著書を参照のこと。 中村忠・大薮俊哉共著『対談簿記の問題点をさぐる』税務経理協会、1987 -112-

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年、77~78頁。 (18)山本氏は、コンピュータ入力において金額の貸借複記が省略される場合がかな りあるため、入力ミスの発見が遅れることを指摘しておられる。 山本巌稿「仕訳の構成要件」税務セミナー、第37巻第1号、税務経理協会、 1992年1月、12~13頁。 私見としては、このようなインプットの段階でのミスを防ぐため、コンピュー タ会計の特徴を手作業会計との比較で十分に説明されなければならないと考える。 さらに、インプット段階でのミスをチェックする内部牽制機能の重要性を認識す るため、監査に対する理解も必要になると思われる。 (19)我が国の簿記書では、財務諸表の分析に関する説明は、ほとんどなされていな い。しかし、会計学の著書には、財務諸表の分析に関する説明がなされているも のもある。例えば、次の著書を参照のこと。 中村忠箸『現代会計学』白桃書房、1990年、283~307頁。 新井漬光著『現代会計学」第3版、中央経済社、1991年、239~251頁。 安平昭二箸『入門会計学」東京経済情報出版、1992年、145~163頁。 イギリスの簿記書でも、財務諸表分析及び会計学の基礎概念を一つの独立した 章として説明されているものがある。例えば、次の簿記書を参照のこと。 G、lLWhitehead,Booh-heepjiZg化。.,(Oxford:Butterworth-Heinemann Ltd,1992),pp、417-447,pp489-497. このように我が国では、簿記学が記帳技術論として位置づけられているため、 さらに簿記検定の影響もあって、簿記教科書では、財務諸表分析の章及び会計学 の基礎概念の説明が取り入れられていないのであろう。 (20)武田教授は、簿記と会計との関係について「簿記は記帳技術論であるのに対し、 会計はその認識対象の内容の大きさを決定する評価論としての性格を持ってい る。」と述べられている。 武田隆二箸、前掲書、5頁。 (21)沼田嘉穂箸『簿記教科書」四訂新版、同文舘、1991年、6頁。 (22)中村教授は、沼田説について、「簿記学は会計学の助けを借りなければ決算の 説明ができないことになる。これは簿記学にとって致命的な欠陥といわなければ -113-

(23)

ならない。」と論述されている。 中村忠稿「簿記学と会計学」税務セミナー、第35巻第13号、税務経理協会、 1990年9月、6頁。 (23)簿記学と会計学との関係について、中村教授は、3つの考え方があると指摘し ている。つまり、第1は、簿記学と会計学は、内容的に同一のものであるという 考えである。第2は、簿記学は、企業計算の技術面を取り扱い、会計学は、その 理論面を取り扱うという考えである。第3は、簿記学は、評価を取り扱わないが、 会計学は、評価を主目的とする考えである。沼田博士は、第3説であり、中村教 授は、第2説である。私見としては、第1説である。 中村箸、前掲書、『現代会計学』、1990年、12~13頁。 (24)簿記書の内容を会計理論的に説明された著書のうち代表的なものは、次のとお りである。まだ、数少なくほとんどの簿記書は、記帳技術論的説明が中心である。 武田隆二箸、前掲書。 また、最近の初級、中級財務会計学の著書では、簿記的処理(仕訳または簿記 手続きの一巡など)を取り入れて説明がなされている。簿記学と会計学との一体 化という点からは、好ましい傾向と思われる。代表的著書は、次のとおりである。 安平箸、前掲書『入門会計学』。 新井箸、前掲書『現代会計学』 飯野利夫著『財務会計論』改訂版、同文舘、1991年。 武田安弘箸『現代会計学入門』改訂版、税務経理協会、1991年。 嶌村剛雄著『図解会計学入門』税務経理協会、1991年。 (25)簿記学と会計学とを一体化した場合の初学者を対象にした初級財務会計学の内 容は、次のように考えるものである。 ・会計の社会的役割(会計情報としての財務諸表の役割など)

・会計学の基礎概念(会計公準、会計原則、期間損益計算、発生主義、原価配分

の原則など)

・簿記手続きの一巡(取引の意味、勘定科目の増減ルール、仕訳と仕訳帳、転記

と元帳、試算表作成、精算表作成、帳簿の締めきりと決算) ・財務諸表の種類と形式(損益計算書及び貸借対照表の区分形式など) -114-

(24)

・財務諸表分析の基礎(売上利益率、流動比率、固定比率など) 財務諸表分析の基礎では、中小企業の財務諸表を事例にして分析を行なってみ る。 なお、中級財務会計学は、財務会計論における会計公準、会計原則、損益計算 書原則、貸借対照表原則などの説明のほか商法との比較、株式会社会計を中心に して多くの取引事例に対する仕訳力に重点をおく。さらに、財務諸表分析につい ても説明されるべきである。 上級財務会計学では、財務会計論の応用領域として、本支店会計、特殊商品売 買、連結財務諸表、外貨建取引等会計などか説明されるべきである。 大雄教授は、簿記と会計学総論を融合し、「会計原理」という基礎科目の新設 を提案しておられる。その場合の内容は、会計の意義、会計の発展、会計の基礎 概念、財務諸表の体系、会計の前提と諸原則、会計(簿記)手続の一巡、財務諸 表分析入門となっている。 大雄令純稿「簿記と会計学総論」日本簿記学会年報第5号、1990年10月、 44~45頁。 (26)コンピュータ会計教育では、財務諸表の基本的な分析も行なわれるべきである。 例えば、次の論文を参照のこと。 三澤一稿「パソコン簿記と大学における簿記教育」成躍大学経済学部論集、第 19巻第2号、1989年3月、161~163頁。 拙稿「情報化時代における簿記教育の課題」沖大経済論叢、第16巻第2号、 1992年3月、53頁。 -115-

参照

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