副詞化の
‘-게’と‘-이’について
―コーパスの用例を中心に―
中西 恭子(京都女子大学)
1. はじめに (1)の a.と b.ではどのように違うのか。これは朝鮮語教育の現場でよく耳にする質 問のひとつである。국립국어원は両者に何ら意味的な違いはないとしているが1、(2) にみるように‘-게’(副詞形語尾)と‘-이’2の置き換えが常に可能なわけではない。 (1) 영이가 방을 { a.깨끗하게, b.깨끗이} 청소했다. (ヨンイは部屋をきれいに掃除した) (2) 영이가 { a.*멀게, b.멀리} 떠났다.(ヨンイは遠く旅立った) この問題を巡り中西(2016)では、先行研究を検証する形で‘-게’と‘-이’の形態論的・ 統辞論的関係を概観したのち、両者の意味論的な違いを考察し、次のように結論づ けた。 (1-a)の‘깨끗하게’は、‘영이’が‘청소하-’という行為を行うに際しての意図・裁量、及 びそれに付随した変化について述べたものであり、(1-b)の‘깨끗이’は‘영이가 방을 청소하-’というできごとを、話者が静的に評価したものである。後者では主体に ‘깨끗하-’という結果に向けての意図・裁量があったかどうかは問題でなく、変化の 過程は問題にされていない。 これを図示すると次のようになる。영이が방に働きかけて( )、点線の囲みの 1 ‘깨끗이’와 ‘깨끗하게’는 의미 차이가 없습니다. 다만 ‘깨끗이’는 부사이고 ‘깨끗하 게’는 형용사입니다.(‘깨끗이’と‘깨끗하게’に意味の違いはありません。ただ‘깨끗이’ は副詞で、‘깨끗하게’は形容詞です)[국립국어원の SNS] 2 このような‘-이’は通常「副詞派生接尾辞」と説明される。しかし、‘[부모 없]이 자라다’, ‘[친구와 같]이’のように節を導く用法があることを思えば、すべての‘-이’を接尾辞とみ ることはできず、何よりこのような分類に基づく脚注1 のような説明は‘-게’と‘-이’の 使い分けに何ら資するものではない。なお本稿で‘-이’は、‘-히’, ‘-리’(ex.빨리, 멀리), ‘-니’(ex.멍하니),‘-스레’, ‘-로이/-러이’なども含めた‘-이’類の意で用いる。中で起こる一連の推移を영이が動的に捉えたもの(図1)が‘깨끗하게’、そのような 過程は捨象したまま、できごとの結果のみを話者が静的に評価( )したもの(図 2) が‘깨끗이’である。 冒頭の例に限って言えば中西(2016)のこの説明は有効である。しかし‘-게’形の意 味機能を「主体の意図・裁量」に限定してしまうと、無情物主語の文には適応でき ない。また同論文では、‘-게도’や‘-게 여기다’のような構文3を検証するには至らなか った。何より検証に用いた文が、先行研究で問題提起されてきた例文や自らの作例 に基づいたものであり、方法論的にも問題なしとしない。 そこで同論文の確認、修正作業として、まずは先行研究の副詞リストから‘-게’形 をもたない形容詞を抽出し、それらに共通する特徴を考察することによって‘-게’の 意味機能を探るという試みを行った。それが2 章である。ただ、「仮説の提示」と副 題を付したように、この作業を通じて得られたのは‘-게’形の意味機能に関する仮説 に過ぎなかった。そのため続く 3 章ではコーパスから‘-게’形の用例を抽出し、その 先行形容詞を‘-게’形のみ可能なものと-이’形との置換えが可能なものに分類、前者の 形態的特徴と両者の意味機能をみることで、2 章で得た仮説の裏付けを行った。 さらに4 章では‘-게도’と‘-게 여기다’構文についても簡単に検証した。 2. ‘-게’形の意味機能 ―仮説の提示 ‘-게’形は先行用言に特段の制約をもたないとされ、形態的にはすべての用言が先 行用言となり得るわけであるが、‘-이’形との関係解明を目的とする本稿では、その 対象を‘-있다’, ‘-없다’を含む形容詞4に限定する。ただ、中西(2016)でも指摘したよう 3 以下「‘-게 여기다’構文」と呼ぶ。用言は‘하다’で代表させるのが一般的であるが、‘하 다’には‘일을 성실하게 하다’(仕事を誠実にする)のようにこの構文でない用例も少 なくなく、また使役構文との誤解を避けるためにも‘여기다’で代表させる。(但し、先 行研究のなかには、先行用言が形容詞の場合も含め‘-게 하다’を「使動文」とするも のもある)。なお、本稿が主たる対象としている‘-게’と‘-게 여기다’構文のいずれにも 表れる後続用言としては他に‘만들다’, ‘되다’などがある。 4 動詞、形容詞の区分は국립국어원の‘표준국어대사전’(Web 版)に倣う。
に、すべての形容詞が‘-게’形をとるわけではない。 (3) 영이는 { a.*천천하게, b.천천히} 밥을 먹었다. (ヨンイはゆっくりご飯を食べた) (4) 영이는 { a.*가만하게, b.가만히} 앉아 있었다. (ヨンイは黙って座っていた) ‘-게’形がもし「主体の意図・裁量」を示すとすれば(3-a)も許容されるはずだが、 この作例に限らず‘천천하게’は今日では用いられない5。(4-a)の‘가만하게’も同様であ る。このような形容詞を収集・検証することで、逆に‘-게’形の意味機能が特定でき るのではないかとの期待から、次のような調査を行ってみた。 形態としてはあり得ても実際には‘-게’形で用いられることのない形容詞の目録を 作成するため、손남익(1995)巻末の副詞のリストからまず‘-이’形のみを抽出し、そこ から明らかに‘-게’形をもつもの(‘깨끗이’, ‘바삐’など)と、逆に明らかに‘-게’形をも たないもの(‘열심히’など)を除外したリスト(約 1500 語)を作成した。それを母 語話者に示して‘-게’形で用いられることのない形容詞を直観で選別してもらい、そ れをさらに国立国語院の言語情報公開サイト‘세종말뭉치’などで確認、再選別を行っ た。 その結果、得られた目録が<表1>である。‘-게도’や‘-게 여기다’構文でのみ‘-게’形 が可能なものについては‘-게’形不可とし、この目録に含めた。 〈表1 ‘-게’形で用いられない形容詞〉 가만하다, 가상[嘉賞]하다, 가[可]하다, 간신[艱辛]하다, 강녕[康寧]하다, 경거[輕遽]하다, 괜하다, 급조[急躁]하다, 기[旣]하다, 다분[多分]하다, 다행[多 幸]하다, 등한[等閑]하다, 마뜩하다, 미심[未審]하다, 방불[彷佛]하다6, 부정[不 淨]하다, 뻥긋하다, 뻥끗하다, 서서[徐徐]하다, 성왕[盛旺]하다, 안녕[安寧]하다, 암암[巖巖]하다, 어련하다, 유벽[幽僻]하다, 정[淨]하다, 천천하다 5 최현배(1929/1999, 502)には‘천천하게’という形も収録されている。 6 ‘세종말뭉치’には“꼽추 방불하게 허리가 굽은 늙수그레한 노예상인이…”(背の曲が った人を思わせる、腰が曲がり老けてみえる奴隷商人が…)のような用例が現れたが、 ‘방불하다’は通常‘방불하게 하다’の形で用いられ、ここでは後続動詞‘하는’が省略され ているにすぎない。‘-게 여기다’構文の一例とみるべきであろう。
‘가만하다’はしばしば‘-고 있다’、または連体形で用いられ7、‘천천하다’については 現代語の「徐」に相当する形容詞だったか自体が疑わしい8。‘가상하다’, ‘괜하다’, ‘미심하다’などは連体形での使用がほとんどであり、‘마뜩하다’は主に否定形で、 ‘어련하다’は‘어련하겠어?’と反語的に用いられるなど用法上、制約をもつ語が多い。 また意味的には「程度」や「変化」といった概念が希薄な語が多いように思われ、 それを確認するため①‘좀9’との共起、②連用形+‘-지다’という形態の可否を調べて みた。 〈表2 ‘-게’形で用いられない形容詞の‘좀’との共起、‘-지다’形の可否〉 項目 좀 -지다 項目 좀 -지다 項目 좀 -지다 가만하다 × × 다분하다 × ○ 서서하다 × × 가상하다 × × 다행하다 × × 성왕하다 × × 가하다 × × 등한하다 × ○ 안녕하다 × × 간신하다 × × 마뜩하다 × × 암암하다 × × 강녕하다 × × 미심하다 × × 어련하다 × × 경거하다 × × 방불하다 × × 유벽하다 × × 괜하다 × × 부정하다 × × 정하다 × △ 급조하다 × × 뻥긋하다 ○ × 천천하다 × × 기하다 × × 뻥끗하다 ○ × △:可能だが頻度はかなり低い <表2>で、たとえば‘가만하다’は「黙っている」かそうでないかの二者択一であ り、「少し黙っている」とか「とても黙っている」ということはあり得ない。‘가상하다’ や‘간신하다’も「ほめられるべき」状態や「辛く苦しい」状態のマックス値をピンポ イントで表しているのであって、そこに至るまでの「少しほめられるべき」や「少 しだけとても苦しい」というレベルは想定しにくい。つまり、形態的には‘-게’と‘-이’ いずれも可能でありながら実際には‘-이’形でのみ用いられる形容詞には、「程度の幅」 や「可変性」といった概念とそぐわないものが多いことがわかる。 7 ‘표준국어대사전’(Web 版)は‘가만하다’を形容詞としたうえで、“흔히 ‘-고 있다’구성 으로 쓰여”, “주로 ‘가만한’ 꼴로 쓰여”としている。 8 9 ここでは‘조금’の意に限定して検証している。
また漢字 1 文字を語根とする形容詞の多くは‘-게’と結合するが、上でみたように ‘가[可]하다’, ‘기[旣]하다’, ‘정[淨]하다’のように‘-이’のみと結合し‘-게’形をもたないも のも存在する10。これらもまた「可か非か」「既実か否か」「浄か不浄か」等、二者択 一的な概念の一極を表しており、そこにはたとえば、‘좀 깨끗하다’→‘아주 깨끗하다’ (깨끗해졌다)にみられるような、変化を想定した「程度の幅」は認められない。 以上のことから‘-게’形は、逆説的にではあるが、後続のできごと11に関して、先行 形容詞の如く表現するに足る12だけの変化が生じたと話者が認識したことを表すた めに選ばれているのではないか、との仮説が成立する。 これを図示すると次のようになる。横軸はできごとの進行・展開を示す。 図3 程度の幅(グラデーション) ↑ ↑ 基準点 話者が当該形容詞の意の表出を認識 3. ‘-게’形コーパスの分析 ―仮説の検証 2.の仮説を検証するため、今度は実際に‘-게’形で現れた形容詞を対象に、‘-게’形の み可能なものと、‘-게’形、‘-이’形ともに可能なものに分類し、それぞれの特徴をみて いく。コーパスには前述の‘세종말뭉치’を用いた。検索期間は 2017 年 5~10 月であ る。「現代文語」「形態素意味分析」という条件で連結語尾‘-게’を検索してみた結果、 用例数にして111,331 件がヒットした。 ‘표준국어대사전’(Web 版)に従ってそこから動詞+‘-게’、方言、古語、造語の類、 ‘-게도’や‘-게 여기다’構文でのみ現れるものを除くと、‘-게’形で現れた形容詞は全 2169 項目であった。‘-답게’, ‘-스럽게’, ‘-있게’, ‘-없게’, ‘-찮게’などについては、同辞書 10 ほかに語幹が漢字 1 文字でありながら‘-게’形で用いられない形容詞としては、‘감[敢] 하다’, ‘괴[怪]하다’, ‘극[極]하다’, ‘능[能]하다’, ‘족[足]하다’, ‘특[特]하다’, ‘필[必]하다’な どがある。‘감하다’, ‘특하다’はそれぞれ‘감연하다’, ‘특별하다’の縮約形であるが、元の 形のほうは‘감연하게’, ‘특별하게’のように‘-게’形をもつ。これらについては、縮約形 というより派生副詞とみたほうがいいかもしれない。 11 あとでみるように後続用言には形容詞や指定詞も僅かに出現するが、圧倒的多数は 動詞なので、本稿でも中西(2016)同様、この語で統一する。 12 たとえば‘예쁘게’なら‘예쁘다’、‘많게’なら‘많다’と表現するに足るレベル。
に見出し語として収録されているもののみ対象に含めた。 これら‘-게’形の先行形容詞を対象に‘표준국어대사전’(Web 版)で‘-이’形の有無を 調べてみた結果、‘-게’形のみ可能なもの(以下「-게形」)は 1035 項目で、‘-게’形と ‘-이’形の両方が形態上は可能なものは 1134 項目であった13。しかし辞書的・形態的 に‘-이’形が可能であっても、それらがすべて実際に用いられるわけではない。 そこでこれらをさらに‘세종말뭉치’にかけて用例の有無を確認し、1件もヒットし ないものについては項目から除外した。その結果、‘-이’形でも実用例が確認された もの(以下「-게/-이形」)は 515 項目(‘-게’形で収集された形容詞全体の 24%)だっ た。‘-게’形と‘-이’形の使い分けが問題となるのはこれらの形容詞(図 414網掛け部分) である。 図4 -게/-이形 -게形 -이形 3.1. 「-게形」の形態的特徴 「-게形」のリストからは次のような形態的特徴がみてとれた。 〈表3 「-게形」の主な形態的特徴〉 ①‘-답-’, ‘-겹-’, ‘-다랗-’, ‘-궂-’, ‘-맞-’, ‘-지-’ などの形容詞派生接尾辞を含む 아름답다, 힘겹다, 가느다랗다, 심술궂 다, 쌀쌀맞다, 값지다など ②語幹末が‘ㅎ’15 그렇다, 동그랗다, 빨갛다, 멀겋다など ③語幹が「名詞+動詞」 기막히다, 눈부시다など ④英語からの借用語16+‘-하다’ 로맨틱하다, 리얼하다など ⑤副詞形成成分‘-레-’+‘-하다’17 거무레하다, 거무스레하다など 13 ‘-스럽-’は形態的にはすべて‘-이’形(-스레)をとる。‘애교스레’のみは収録されていない が、ネットなどで使用例が確認できることから単なる収録漏れとみなした。 14 図 4 は、主たる検証対象(515 項目)の占める位置がわかりにくいとの査読者の指摘 に応じて加筆したもので、集合円の大きさは実際の用例数を反映させたものではな い。 15 ‘좋다’は、その使用がかなり限定的で意味機能も異なるものの‘좋이’という形をもつ。 従ってこの項目に含まれるのは、すべてㅎ不規則活用の形容詞と言える。 16 今 回 収 集 さ れ た も の は す べ て 英 語 か ら の 借 用 語 で あ っ た が 、 ‘앗사리하다’, ‘무데뽀하다’など日本語からの借用語もこの項目に該当する。 17 このタイプが‘-이’形をもたないのは、‘―레’自体が‘-이’形だからとも考えられる。
その他、‘간단명료하다’, ‘자유분방하다’など四字熟語+‘-하다’は多くが「-게形」 に含まれる。ただ、‘자신만만하다’, ‘정정당당하다’, ‘주도면밀하다’のような頻度の高 い 四 字 熟 語 の な か に は‘-이’ 形 を も つ も の も あ っ た 。 ま た 、‘구질구질하다’, ‘느릿느릿하다’などABAB型の擬音語・擬態語+‘-하다’も多くが「-게形」である。 AB하다が‘-이’形をもつ場合であっても、‘ABAB하다’では‘-이’形をもたないこと が多い。 ABAB+‘-이’は、四字熟語+‘-이’に比べると若干多く収集された。そもそも四字 熟語+‘-하다’とABAB型の擬音語・擬態語+‘-하다’における‘-게’形と‘-이’形の混在 は、四字熟語や擬音・擬態語を語根として、まず‘-하다’による形容詞化が起こった ものと、語根に直接‘-이’がついて副詞化したものがあるためと考えられる。そして 語根が名詞相当の四字熟語では原則‘-하다’による形容詞化が先行しなければならな かったのに対し、擬音語・擬態語の語根はそれ自体副詞としての用法があるため、 ‘-이’による副詞化が起こりやすかったためと言えよう18。 さらに音韻論的な影響が考えられる現象として、「-게形」の‘-하다’形容詞(661 例) で母音語根(176 例)の比率(27%)が、「-게/-이形」の場合(42 例/398 例、11%) に比べいくぶん高いことも傾向として確認された。 3.2. 意味論的特徴 3.2.1 主に‘-게’形をとる形容詞 「-게形」の意味機能と関連して、이재인(1983, 276),송철의(1992, 244),방영심 (2008, 276),장영준(2009, 110)などは「色、味、匂い」を表す形容詞の副詞形は必 ず‘-게’形をとると指摘している。これらに該当する項目としては今回、以下のよう な語が収集され、すべて‘-이’形との置換えが不可能であることが確認された19。 〈表4 色、味、匂いを表す「-게形」〉 色 거멓다, 거무레하다, 거무스레하다, 거무스름하다, 거무칙칙하다, 검다, 검붉다, 검푸르다, 까무잡잡하다, 까맣다, 꺼멓다, 노랗다, 노르께하다, 노르스름하다, 놀놀하다, 누렇다, 누르스름하다, 눌눌하다, 발가우리하다, 발갛다, 발그대대하다, 발그레하다, 벌겋다, 불그스름하다, 불그죽죽하다, 붉다, 빨갛다, 뻘겋다, 새까맣다, 새빨갛다, 새카맣다, 새파랗다, 새하 얗다, 샛노랗다, 시꺼멓다, 시뻘겋다, 시뿌옇다, 시커멓다, 시퍼렇다, 짙푸 18 ‘필연하다’のように、語根がそのまま副詞として機能するため‘-이’形はないが‘-게’形は 可能というものもある。 19 ‘향긋하다’には‘향긋이’という形態も存在するが、コーパスには現れなかった。
르다, 파랗다, 파르스름하다, 파릇하다, 퍼렇다, 푸르다, 푸르뎅뎅하다, 푸르죽죽하다, 푸릿하다, 하얗다, 허옇다, 희다, 희푸르다 味20 간간하다, 고소하다21, 달다, 담백하다, 맛깔스럽다, 맛있다, 맛없다, 맵다, 맵싸하다, 맵짜다, 밋밋하다, 새콤달콤하다, 싱겁다, 얼근하다, 얼큰하다, 짜다, 짭짜름하다22, 찝찔하다, 칼칼하다, 컬컬하다 匂い 구수하다23, 그윽하다, 향긋하다, 향기롭다24 これらの基準は‘-게’形と‘-이’形を使い分ける大きな手掛かりとなるのは確かだ。た だ、なぜ「色、味、匂い」を表す語が‘-게’形のみをとるのかについては、語そのもの の意味資質25より、後続用言との関係に注目したほうがよさそうだ。これらの形容 詞の用例では、後続用言が何らかの変化を含意しているケースが大半である。 (5) 벽지는 누렇게 바랜 채, 찢어져 펄럭거렸고 천장에서는 쥐들이 달 그락거렸다. [22213]26(壁紙は黄色く色褪せたまま破れひらひらしており、 天井ではネズミがカタカタ音を立てていた) (6) 어머니는 달게 탄 커피를 좋아했다. [25399] (母は甘くいれたコーヒーが好きだった) (7) 아침밥 먹는 냄새가 구수하게 풍겨 나왔다. [7491] (朝食を食べる匂いが香ばしく漂ってきた) 今回はこれらに加え、「-게形」では「-게/-이形」より「感情・感覚」を表す形容詞 の占める割合がやや高いことがわかった。유현경(1998, 57-114)の「心理形容詞」 20 代表的な味覚のうち‘시다’は今回、味覚としては収集されず、‘쓰다’についても比喩的 な意味で用いられた用例のみだったため、目録には含まれていない。 21 味覚、嗅覚ともに用いられるが、今回収集された用例は味覚表現だった。“그런데 꽁치 맛은 이상하게도 고소하게 혓바닥에 퍼졌습니다”.(ところがサンマの味は妙に香 ばしく舌に広がりました)。‘고소하다’は「いい気味だ」の意では‘-이’形も現れる。 22 匂いを表す場合もあるが、今回収集された用例は味覚表現だった。 23 味覚にも用いられるが、今回収集された用例は(7)にみるように嗅覚表現だった。 24 7 件のうち 6 件は比喩表現であり、唯一匂いの表現として用いられた次の用例もま たいくぶん特殊な用法である。“그곳 음식은 달고 부드러우며 향기롭게 깨끗해서 인간의 요리와는 비교도 안 된다”.(そこの食べ物は甘くやわらかで、香ばしいほ どに美しく、人間の料理とは比較にもならない) 25 たとえば이재인(1983)は、모양, 짜임세, 크기を表す語彙も含め색깔, 맛, 냄새の 共通資質として「+本有性」という概念を提示しているが、抽象的にすぎる感を否め ない。 26 [ ]はコーパスの検索番号。表記のないものは作例。
「感覚形容詞」を参考に抽出した項目(115 例 /1035, 11%)が<表 5>であるが、同 論文の分類に拠るなら「味、匂い」もここに含まれる。さらに‘미끄럽다’, ‘보송하다’, ‘끈적하다’といった「触感」まで含めるなら27、「-게形」164 例 /1035 (16%)、「-게/-이形」28 例 /515 (5%)となる。 〈表5 感情・感覚を表す「-게形」〉 가렵다, 가엽다, 간들어지다, 거북하다, 겸연쩍다, 계면쩍다, 고깝가, 고되다, 고맙다, 귀찮다, 그립다, 근질근질하다, 기똥차다, 기막히다, 기쁘다, 껄끄럽다, 노엽다, 눈부시다, 느글느글하다, 느껍다, 달갑다, 덥다, 두렵다, 따갑다, 따스하다, 따습다, 뜨겁다, 뜨끈뜨끈하다, 뜨악하다, 띵하다, 매섭다, 목마르다, 무섭다, 뭉클하다, 믿음직하다, 밉다, 배고프다, 부럽다, 분통하다, 불편하다, 뻘쭘하다, 뼈아프다, 뼈저리다, 서글프다, 서럽다, 선득선득하다, 선뜩선뜩하다, 섧다, 섬뜩하다, 섬찟하다, 속상하다, 송구하다, 시다, 시들하다, 시리다, 시원찮다, 싫다, 싱겁다28, 쌀랑하다, 썰렁하다, 쓰다, 쓰디쓰다, 쓰라리다, 쓰리다, 씁쓰레하다, 아깝다, 아니꼽다, 아리다, 아릿하다, 아쉽다, 아슬아슬하다, 아찔하다, 아프다, 안쓰럽다, 안타깝다, 알싸하다, 알알하다, 애닯다, 얼얼하다, 역겹다, 역하다, 오싹하다, 우습다, 울분하다, 울적하다, 으시시하다, 으쓱하다, 저릿저릿하다, 저릿하다, 조마조마하다, 졸깃하다, 지겹다, 징그럽다, 짜릿짜릿하다, 짜릿하다, 짠하다, 쩌릿하다, 찌릿찌릿하다, 찜찜하다, 찡하다, 차갑다, 차다, 차디차다, 창피하다, 춥다, 쾌적하다, 텁텁하다, 피곤하다, 허탈하다, 화끈하다, 홧홧하다, 후끈하다, 흥겹다, 힘겹다, 힘들다 「感情・感覚」を表す形容詞の用例には次のようなものがある。 (8) 집에 오니 엄마와 언니가 기쁘게 맞아 주었다. [16095] (家に帰るとお母さんとお姉さんが喜んで迎えてくれた) (9) 민족적인 대의를 믿음직하게 실천할 수 있는 사람이다. [37871] (民族的な大義を頼もしく実践できる人だ) (10) 태어나서 뺨을 그토록 아프게 맞아본 건 처음이었다. [57117] (生まれてから頬をあれほど痛く殴られたのは初めてだった) 27 文構造的には「心理形容詞」、「感覚形容詞」などの区別は有用であろうが、‘-게’と ‘-이’の使い分けという本稿の目的に照らすなら、「感情・感覚」で括ったほうが有用 と思われる。 28 「味」と重複するが、「感情・感覚」と解される用例も収集された。
3.2.2 「-게/-이形」の意味論的違い では「-게/-이形」の‘-게’形と‘-이’形では意味論的にどのような違いがあるのだろう。 それを知るためには、項目ごとに用例をひとつひとつ比較してみるのが最も厳密で あろうが、515 項目それぞれに用例が多いもので 2000 例以上も現れるため、現実 には不可能である。そのため項目を頻度上位の5 項目に、用例も抽出順 1~100 番 に対象を絞って比較検証する。 5 項目を選択するにあたっては「-게/-이形」の中から‘-게’形、‘-이’形ともに用例数 の多いものを優先したが、用例数がいずれかに偏っているものや両者に明らかな意 味的差異が認められるものは除外した。‘가깝다’(‘-게’143 例 /‘-이’1198 例)は用例 数の偏りもさることながら、‘가까이’に名詞としての機能もあり副詞との境界が明確 でないため除外した。 ‘많다’(‘-게’18 例 /‘-이’5891 例)も用例数が極端に違うため除外した例であるが、 これほど頻度の低い‘많게’がなぜ敢えて選ばれているのか、その理由も気になるとこ ろである。‘많게’は、‘-게 여기다’構文を除くと残ったのは以下の 4 例だけで、いず れの用例でも‘많게’が「(本来の分量より)多めに」、つまり「比較」の意で用いられ ていることがわかる。 (11) 우리 근로자들의 휴일 수를 왜곡하여 실제보다 훨씬 많게 부풀렸다. [31726](我々勤労者の休日数を歪曲し、実際よりはるかに多く膨らませ た) (12) 근수를 많게 말하면 사기꾼이라고 온갖 욕설을 퍼부으면서… [31736] (重さを多めに言えば詐欺師だと、ありとあらゆる悪口を浴びせながら…) (13) 언니는 많은 것을 적게 표현하고 적은 것은 많게 표현한다. [31737] (お姉さんは多いものを少なく、少ないものは多く表現する) (14) 어떻게 해서 나이가 무려 네 살이나 많게 나왔는지 따져보려고… [31739](どういうわけで歳が 4 歳も多くなったのか問い質してみよう と…) 以下、用例数的にも意味的類似性という意味でも、その解明が必要と思われる‘-게’ 形と‘-이’形の検討に入る。(1)の例に限らずこの両者は意味の違いが認識されないこ とが多く、後続用言にも概ね似た語が現れる。しかし形態が異なる以上、その使い 分けには話者の認識に何らかの違いが潜んでいるはずである。 対象とするのは、‘급하다’, ‘깨끗하다’, ‘분명하다’, ‘빠르다’, ‘정확하다’の 5 項目で、
それぞれの‘-게’形と‘-이’形を 100 個ずつ比較した。以下の表は各項目の‘-게’形と‘-이’ 形で用いられた後続用言で29、表内の< >は全用例数である。 〈表6 급하다〉 게 만들다, 부탁하다, 내리다, 먹다, 행동하다, 날아오다, 달리다, 타다, 쓰다, 두들기다, 서두르다, (주사를) 놓다, 구부러지다, 외치다, 변화하다, 기울다, 잃어가다, 변조하다, 누르다, 뛰어나가다, 떠나다, 이어가다, 적다, 퍼마시다, 잡다, 생각하다, 끊다, 이사하다, 막다, 덤벼들다, 벗다, (발길을) 돌리다, 꽂다, 열다, 얻어듣다, 터지다, 선회하다, 펼치다, 찾다, 굴다, 향하다, 쫓아가다, 흔들다, 열리다, 물러서더, 삼키다, (몸을) 틀다, 돌리다, 가다, 돌아보다, 깜박이다, 알리다, 피하다, (필요로) 하다, (일을) 치르다… <285> 이 꾸려들다, 가다, 서두르다, 묻다, 올라가다, 달아나다, 돌아오다, 누르다, 낚아채다, 구하다, 들어오다, 내리쏟다, (손을) 쓰다, 삼키다, 끊다, 부르다, 돌리다, (눈을) 감다, (예를) 들다, 걸다, 달려가다, 타다, 느끼다, 피하다, 다가오다, 구조하다, 흐르다, 추격하다, 귀국하다, 그리다, 돌리다, 켜다, 챙기다, 울다, 옮겨가다, 부탁하다, 굴리다, 빼다, 지나가다, 도망치다, 데려가다, 전화하다, 움츠리다, 차리다, 맡겨놓다, 보내다… <570> ‘급하게’と‘급히’で後続用言が同じ用例を比較してみると、次のとおりである。 (15) 급하게 부탁하면 실수가 발생하곤 한다. [15721] (慌てて頼むと失敗したりする) (16) 점심때가 늦어, 급히 부탁한 음식점에서 국수를 맛있게 먹었다. [497] (昼が遅くなり急遽お願いした店でおいしく麺を食べた) (15)では‘부탁하다’という行為の行われ方が‘급하다’なのに対し、(16)では‘부탁하 다’というひとまとまりの行為が‘급하다’な状況下で行われたと解される。つまり、 ‘급하게’は後続のできごとがどのように展開したかを表すもの、‘급히’はそのできご とを包括的にとらえて話者が評したものと言えよう。 (17)(18)についても同様のことが言える。下線を付したほうが実際に現れた形態 である。 29 同じ用言が複数回用いられていることもあり、また‘도망치다’と‘도망을 가다’のように 同義の動詞についてはいずれか一方のみ採用したため、合計は100 になっていない。
(17) 꽹과리를 { a.급하게 / b.급히} 두들기기 시작했다. [15737] (ケンガリを{ a.せわしなく / b.急いで}叩きはじめた) (18) 뭔가 { a.급하게 / b.급히} 생각을 굴리는 복잡한 눈빛이다. [374] (何か{ a.せわしなく / b.急いで}考えをめぐらせる複雑な目つきだ) いずれの用例でもa.では後続するできごとが慌ただしく行われていることが読み 取れるのに対し、b.では当該できごとが行われるに至った状況が急であったことが 読み取れる。‘-게’形であれ‘-이’形であれ、文自体はいずれも正文であるが、それらを 置き換えることで話者の言わんとするところは若干違ってくる。後続用言が‘흔들다’, ‘외치다’, ‘깜박이다’などの用例も比較的、両者の違いを認識しやすいケースである。 〈表7 깨끗하다〉 게 먹다, 만들다, 어울리다, 씻어내다, 생기다, 청소하다, 포장하다, (마음을) 가지다, 낫다, 갈라지다, 읽다, 가꾸다, 치워지다, 정리되다, 보다, 집행하다, 하다, 살다, 연소되다, 세척되다, 씻겨주다, 잊다, 짓다, 해결하다, 빨다, 죽다, 버리다, 치우다, 되다, 차리(어 있)다, 쓰다, 지어지다, 정돈되다, (토막을) 내다, 풀리다, 사라지다, 단장되다, 서(어 있)다, 소실되다, 남(아 있)다, 늙다, 닦다, 수사하다, 헹구다, 떨어지다, 말려지다, 걷어치우다, 다듬어지다, 시작하다, 뽑히다, 인화되다, 나오다, 다듬다… <151> 이 닦아놓다, 수리하다, 하다, 청소하다, 펴다, 입다, 가시다, 빨다, 사라지다, 쓸다, 낫다, 치유하다, 훑어내다, 씻다, 사라지다, 먹히다, (안녕)이다, 남다, 잊어버리다, 벗어버리다, 막다, (백지로) 돌리다, 없어지다, 막히다, 치워지다, 자르다, 마르다, 정돈되다, 죽이다, 부수다, 숙청하다, 넘다, 발라내다, 남기(지 말)다, 비우다, 소독하다, 칠하다, 되다, 들어오다, 침식시키다, 인정하다, 파헤치다, 물러나다, (책임을) 지다, 불식되다, 당하다, 세수하다, 청산하다, 떨쳐버리다, 물러나다, 처리되다, 해결되다, 자수하다, 없애다, 잊혀지다… <480> ‘깨끗하다’については、後続用言が同じ用例を比較してもあまり効果的でないこと は(1)にみたとおりである。‘깨끗하-’という語幹自体に「きれいに→すっかり/見事に」 のような意味領域の広がりがみられるため、すべての用例で互換可能と言っても過 言ではない。そこで、互いに置き換えることでニュアンスに違いが生じる用例を選 んで比較してみることにする。まず、実際に‘-게’形で現れた例をみよう。下線を付 したほうが実際に現れた形態である。
(19) 내 기억 속의 모든 것들이 허무하게 사라져갔다 해도 어느 조촐한 툇마루, { a.깨끗하게 / b.깨끗이 } 늙은 노인의 얼굴에서 잊어버린 내 어릴 적 동무들의 이름을 되살려낼 수 있으면 나는 족하리라. [17646]30(私の記憶の中のすべてのものが空しく消え去ったとしても、あ るこじんまりとした縁側、美しく老いた老人の顔から、忘れてしまった私 の幼い日の友たちの名を蘇らせることができれば、私は満足だ) (20) 우뚝 { a.깨끗하게 / b.?깨끗이 } 서 있어 멀리서도 바라볼 수 있지만 함부로 가지고 놀 수는 없다. [17643]31(亭亭として浄 きよ く植 た ち、遠観すべ くして褻 翫 せ つ が ん すべからざる<を愛す>) (19)で‘-이’形が可能なのは言うまでもない。しかし筆者は、「すっかり老いた」で はなく、「きれいに(美しく)老いた」と表現するために‘-게’形を選択したのである。 (20)は漢詩の訳文という特殊な例で様々な現代語訳が試みられているが、いずれも ‘깨끗하게’と訳されている。‘-게’形を選択することで「きれい(美しい)」の意がより 鮮明になっている。 次に‘-이’形で現れた用例をみてみよう。 (21) …담당자는 게토레이를 “신속하게 흡수되어 갈증을 { a.깨끗하게 / b.깨끗이 } 없애주고… 세계적인 본격 스포츠 드링크”라고 정의하고 있다. [50](担当者はゲータレードを「迅速に吸収され、渇きをすっかり 解消し…世界的な本格スポーツドリンク」と定義している) (22) 무슨 일이 있어도 자기 접시에 담은 음식은 { a.깨끗하게 /b.깨끗이 } 남 기지 말고 먹어야 해. [59](何があろうと自分の皿に盛った食べ物は、き れいに残さず食べなければならない) (23) 먹이를 다 먹은 애벌레는 사면이 { a.깨끗하게 / b.깨끗이 } 막힌 방 안에서…평온하게 잠을 잔다. [36](餌を食べ終えた幼虫は、四面がすっ かり遮られた部屋の中で…平穏に眠る) (21)の後続用言‘없애다’は今回収集した 100 例中‘-이’形で 3 例も現れたのに対し、 ‘-게’形では 1 例も現れなかった。‘깨끗하게 없애-’ももちろん可能だが、ネット検索 30 박완서の“두부”から収集された用例。文脈をみるため、原書から少し長めに引用した。 31 ‘愛蓮説’の一節「亭亭浮植、可遠観而不可褻翫焉」を引用・現代語訳した紀行文から 収集された用例で、主語は연꽃。
で得られた用例はみな、「何かを除くことできれいな状態にする」との意であった32。 (22)で‘깨끗이’が修飾しているのは‘남기지 말-’とも‘먹-’だけとも、さらには‘남기지 말고 먹-’全体とも解せる。(23)については、‘깨끗하게 막히-’もネット検索で出ない わけではないが、数はかなり限られている。 これらのことから‘깨끗하다’では、[+程度性]の「きれいに(美しく)」という意味 から離れて、ほとんど「程度の幅」をもたない「すっかり/見事に」の意に近づくほ ど、‘-이’形が選択される傾向にあると言える33。‘깨끗하다’は全体として‘-게’形と‘-이’ 形でほとんど違いが認識されないのは確かだが、そんな‘깨끗하다’にあってもなお ‘-게’形は「きれい(美しい)と表現するに足るレベルへの到達」という意識に基づい て選択されていることがわかる。 〈表8 분명하다〉 게 말하다, 변하다, 요구하다, 나무라다, 교차되다, 앞당기다, 표현하다, 응시하다, 전달하다, (비우호적)이다, 드러내다, 밝혀주다, 자극하다, 대답하다, 드러나다, 가지다, 밀고 나가다, 찾아보다, 나타나다, 제시하다, 이동하다, 제시되다, 인식하다, 강조하다, 전하다, 이해하다, 알다, 구별되다, 발음하다, 기록되다, 비춰지다, 증명하다, 마련하다, 보여주다, 이루어지다, 알아보다, 판단하다, 천명하다, 확인하다, 자각하다… <258> 이 기이하다, (비경제적)이다, 그렇다, 존재하다, 찬성하(ㄹ 것이)다, 옳다, 돌아오다, 하다, 크다, 있다, (획기적)이다, 믿다, (자생적)이다, (주기 위해) 쓰다, (연관을) 시키다, 훌륭하다, 좋다, 가져오다, 잘라내다, (~같이) 되다, (외세에 의한 것)이다, 규명하다, 갖(고 있)다, 인식하다, (비윤리적)이다, 드러나다, 밝히다, (거슴츠레) 감기(어 있)다, (기인)이다, 깨닫다, 원하다, 예고하다, 기억하다, 보다, 비다, (남쪽에서부터)이다, 표현하다, 다르다, (사람들)이다, 달라지다, 사다, 틀리다, 발전하다, 불과하다, 구성하다, 중시하다, 말하다, 보여 주다, 확대하다, 구분되다, 가리다, (보물)이다, 강조하다, 경험하다, 드러내다, (의술 행위)이다, 해치다, (일탈)이다, 이해하다, (인간)이다, 지배하다, 같다, (산물)이다… <1151> 32 ‘간에 독소를 깨끗하게 없애주는 놀라운 음식’(肝臓の毒素をきれいに失くしてくれ る驚くべき食べ物)など。 33 정연욱(2012)が「具体性を帯びた意味」では‘-게’形、「抽象性を帯びた意味」では‘-이’ 形が現れやすいとしていることとも一脈相通じる。脚注21 参照。
‘분명하게’と‘분명히’も後続用言が同じ用例を比較してみると、いずれも互いに置 換え可能で、意味的な違いも認められない。 (24) 공인되어 있는 저술연구와 그렇지 못한 것의 차이를 분명하게 인식하는 데 도움이 될 것이다. [42811](公認されている著述研究とそう でないものの違いをはっきりと認識するのに役立つだろう) (25) 후보자의 정책에 대한 입장을 유권자가 분명히 인식하도록 하는 데에는 효과가 있다. [1124](候補者の政策に対するスタンスを有権者が はっきりと認識するようにするには効果がある) しかし、‘분명히’の後続用言にはいくつか特徴的な点がみられた。まず指定詞‘이다’ の頻度が高い。 (26) 그 사람은 분명히 기인임에는 틀림없다. [1117] (その人は明らかに奇人には違いない) (27) 그때는 분명히 남쪽에서부터였지? [1110] (その時は明らかに南方からだったよね) (26)(27)を含め‘이다’が 8 例、‘-적이다’34が 4 例、その他‘(~에 의한) 것이다’, ‘(~에) 불과하다’, ‘~같다’などが収集された。これらの例で‘분명히’が意味的に修飾 しているのは‘~’部分であり、‘이다’あるいはそれに相当する例と言えよう。指定詞 ‘이다’は言うまでもなく「AはBだ」とピンポイントで指し示すことをその基本的機 能とし、「程度の幅」という概念とは両立しにくい。 また‘분명히’が後続用言を含む文法的なかたちにかかっているケースも散見され た。<表8>ではそれらを活用形のまま収録した。たとえば、‘분명히 찬성할 것이다’ は[[분명히 찬성하]ㄹ 것이다]ではなく[분명히 [찬성할 것이다]]であり、‘분명히 (~에게) 주기 위해 쓰다’の例35は、[[분명히 (~에게) [주기 위하]여] 쓰다]あるい は[분명히 [(~에게) 주기 위해 쓰다]]である。 ‘분명히’に文修飾、句修飾の例が多いのは、‘분명하다’という語の意味によるとこ 34 ‘분명하게’にも‘-적이다’の例が 1 例がみえる。“분명하게 비우호적인 상징의 사용 등이다”. [42730](明らかに非友好的なシンボルの使用などだ) 35 “이 시는 분명히 소년들에게 주기 위해 쓴 것입니다”. [1137](この詩は明らかに少 年たちに与えるために書いたものです)
ろもあろうが、‘분명하게’と比べてもその傾向が顕著であることから、‘-이’形にはや はり「できごとを包括的にとらえた話者の評価」という機能があると言えよう。 ま た 後続用言 に‘기이하다’, ‘그렇다’, ‘옳다’, ‘크다’, ‘있다’, ‘훌륭하다’, ‘좋다’, ‘다르다’, ‘불과하다’, ‘같다’など多彩な形容詞が現れるのも‘분명히’の大きな特徴であ る 。 後 続 用 言 に 形 容 詞 が 現 れ た の は ほ か に‘정확하게’ の ‘동일하다’ の み36で 、 ‘분명하게’でも、あるいは他の‘-이’形でも形容詞は収集されなかった。参考までに調 べてみると、‘많이’ですら 100 例中に있다が 2 例現れるのみである。 なお、‘거슴츠레 감겨 있었다’37は、[분명히 [거슴츠레 감겨 있었다]](文修飾)、 あるいは[[분명히 거슴츠레] 감겨 있었다]と解すのが自然であろうが、後者の解釈 に拠るなら、‘-이’形が修飾しているのは副詞‘거슴츠레’ということになる。 〈表9 빠르다〉 게 전개되다, 바꾸(고 있)다, 가버리다, 진행되다, 채택하다, 하다, 걷다, 접어들다, 부딪히다, 발견하다, 끌어들이다, 잡다, 마련하다, 확산되다, 변하다, 변화하다, 고조되다, 증대하다, 증가하다, 돌다, 확장되다, 가다, 흐르다, 살다, 망가지다, 지각하다, 파악하다, 감지되다, 늘어나다, 제시되다, 성장하다, 확산되다, 알리다, 나타나다, 날다, 달리다, 노래하다, 연주하다, 오다, 바뀌다, 들어오다, 몰아넣다, 달리하다, 회전하다, 이겨내다, 이룩하다, 노령화하다, 춤을 추다, 음직이다… <479> 이 오다, 학습하다, 멀어져가다, 적응하다, 입학하다, 해결되다, 걷다, 변화 하다, 만들다, 잊어버리다, 그만두다, 지나가다, 끝나다, 먹다, 흐르다, 익히다, 확인하다, 벗어나다, 청산하다, 뜨다, 가다, (식사를) 하다, 시집가다, 증발하다, 덮다, 보내다, 쓰다, 찾아오다, 마시다, 보다, 깨이다, 낚아채다, 안기다, 나오다, 외우다, 발급하다, 지치다, 도망치다, 항복하다, 그리다, 제거하다, 열다, 모아들이다, 깨닫다, 개선되다, 치워버리다, 청산하다, 탈출하다, 퇴색하다, 적발하다, 차리다, 사귀다, 보내다, 마시다, 섭취하다, 식어버리다, 경과하다, 가리다, 되찾다, 고치다, 낫다, 멎다, 얼어버리다, 움직이다, 풀다, 일어나다, 순산하다, 익다, 낳다, 버리다, 알아보다, 귀가하다… <2215> ‘빠르게’と‘빨리’で後続動詞が同じ用例には、次のようなものがある。 36 “어떤 눈송이도 정확하게 동일한 지점에서 생성되지 않는다”. [90488](どんな雪片 も正確に同一(の<な>)地点で作られるのではない) 37 “그 순간 나의 눈빛은 분명히 거슴츠레 감겨 있었으리라”. [1118](その瞬間、私の 目は明らかに眠そうに閉じられていたであろう)
(28) 더 빠르게 가기와 더 느리게 가기라는 속도 문제가… [44512] (より速く行くこととよりゆっくり行くことという速度の問題が…) (29) 내가 알겠다고 하니 나에게 빨리 가보라고 재촉했다. [2176] (私がわかったと言うと、私に早く行けと促した) (30) 그러나 조미료 제품 특성상 구매 패턴이 빠르게 변화하지 않고… [44465](しかし調味料の製品特性上、購買パターンが急速に変化するこ とはなく…) (31) 빨리 변화하는 현대를 살아가는 우리에게… [2207] (急速に変化する現代を生きている私たちには…) (28)(29)については‘급하다’の場合同様、‘빠르게’が‘가다’というできごとが展開す る有り様について述べている38のに対し、‘빨리’はできごとそのものを(それが行われ る状況という観点から)包括的に評していることがわかる。 一方、(30)(31)では後続用言‘변화하다’の意味特性から、‘빠르-’ができごとの有り 様を表しているのか、そのできごとを包括的に評しているのか、違いは明らかでは ない。ただ、(30)が次の(32)に続く文であることを思えば、話者に「比較」の意図が 働いていたことは確かで、それが‘빠르게’を選択させている可能性が考えられる。 (32) 소비자의 수요경향이 대형 텔레비전을 선호하는 추세로 빠르게 변한 데에서 원인을 찾을 수 있다. [44464](消費者の需要傾向が大型テレビを 好む趨勢へと急速に変わったところに遠因を求めることができる) すでに‘많게’の例でみたように、図 3 の「基準点」は必ずしも、先行形容詞の如く 表現するに足る状況がまったく表出していない「0」である必要はなく、当該できご とと対比される別のできごとが「基準点」となっているケースもある。その場合の ‘-게’形は、他のできごとと比較して、当該できごとの有り様が先行形容詞のように 表現するに足るレベルに達していることを示している。 38 ‘더’に注目して「比較」の意を読み取ることも可能であろうが、ここでは‘가다’の展開 の有り様が速いか遅いかという対比が行われているのであり、「速さ」同士の「比較」 との見方はとらない。
〈表10 정확하다〉 게 말하다, 표현하다, 알다, 되다, 파악하다, 이야기되다, 구사하다, 예축 하다, 대표하다, 반영하다, 보도되다, 전달하다, 배달하다, 도달하다, 주문하다, 표명하다, 드러내다, 설명하다, 기억하다, 찾다, 살펴보다, 밝히다, 기록하다, 측정하다, 쓰다, 사용되다, 포착하다, 발음하다, 띄다, 교정하다, 처박다, 안내하다, 얘기하다, 담기(어 있)다, 알아맞히다, 드러나다, 식별하다, 인지하다, 이해되다, 알리다, 듣다, 기억하다, 간파하다, 작성하다, 제시하다, 기입하다, 완성되다, 소리내다, 투표하다, 악수하다, (공대를) 하다, 서다, 동일하다, 묘사하다, 올라가다, 가꾸다… <464> 이 정의하다, 알다, 담당하다, 간파하다, 말하다, 예측하다, 보다, 치다, 하다, (밤 12 시)이다, 맞추다, 보도되다, 파악하다, 대표하다, 일치하다, 확인하다, 가르치다, 예감하다, 알아듣다, 측정하다, 받아들이다, 계산되다, 규정하다, 서술되다, 세다, 모르다, 짐작하다, 재어보다, 이해하다, 계산하다, 사용하다, 재생하다, 재현하다, (전제로) 하다, 전달하다, 구분하다, 조준하다, (누구)이다, 따져보다, 위치하다, (뜻)이다, 구워지다, 따르다… <516> ‘정확하게’と‘정확히’では後続用言に‘알다’が多く現れるが、これらの例でもやはり 置換えによる意味の違いは明確ではない。 (33) 여성은 그 어느 것에도 구애됨없이 자신의 본질을 정확하게 알 권리 가 있다. [90426](女性はその何物にもとらわれることなく、自身の本質 を正確に知る権利がある) (34) 문장 부호에 대해서도 정확히 알고 있어야 할 것이며… [426] (表記符号についても正確に知っていなければならないであろうし…) ただ‘정확히’には、否定的な表現がかなりの頻度で後続するという、他の項目には みられない特徴が確認された39。(21 例/ 100 例、‘정확하게’では 6 例40/ 100 例) 39 たとえば‘분명하다’では、‘분명하게’で 6 例、‘분명히’で 5 例と大差はみられなかった。 40 6 例には“그토록 정확하게 찾아낼 수는 없을 것 같다”. [90424](それほど正確に探 し出すことはできそうにない)のような用例も含まれる。この場合、否定表現が後続 しているとはいえ、‘그토록’といった「比較」の基準点が明示されており、それによ って‘-게’形が選択されていると考えられる。
(35) 지금으로서는 북한의 의도를 정확히 알수 없지만… [513] (今となっては北の意図を正確に知ることはできないが…) また‘분명히’の場合同様、後続用言に‘이다’が 3 例、‘이다’相当の用例が 1 例現れ た。(36)が前者、(37)が後者の例である。(37)の後続用言は構文的には‘구워져야 하-’ であるが、意味的には‘정확히 80 개(이다)’と解される。 (36) 아리안족은 정확히 누구인가? [420](アリアン族とは正確に何者なのか) (37) 한 규정은 평균 한 포대의 밀가루에서 정확히 80 개의 빵이 구워져야 함을 명시했다. [416](ある規定は、平均1袋の小麦粉から正確に 80 個の パンが焼かれなければならないことを明示していた) 一方、‘정확하게’にも‘이다’相当の例が現れないわけではない。(38)(39)で後続用言 は そ れ ぞ れ‘되다’ と ‘올라가다’ で あ る が 、意味的 に は ‘정확하게 여덟 배(이다)’, ‘정확하게 5 도(이다)’と解される。ただこれらの例では後続用言の‘되다’, ‘올라가다’ が「変化」を含意しているため「可変性」の意識が、[-程度性]の‘-이’形ではなく ‘-게’形を選択させているものと考えられる。 (38) 가령 몸 전체는 정확하게 머리 길이의 여덟 배가 되어야 하며… [90490] (たとえば体全体は正確に頭の長さの8 倍とならなければならず…) (39) 현의 길이를 1/3 줄이면 음은 정확하게 5 도가 올라가고… [90492] (弦の長さを1/3 短くすると音は正確に 5 度上がり…) 4. ‘-게’をめぐるその他の問題 4.1. ‘-게도’ 次に形容詞+‘-게도’についてみていく。コーパスでは 1591 件がヒットした。この うち頻度の高い上位10 位は以下のとおりで、‘안타깝게도’ (31 件)、‘역설적이게도’ (30 件)、‘묘하게도’ (27 件)などがこれに続く。
〈表11 ‘-게도’形の先行形容詞〉 順位 先行形容詞 件数 備考 1 그렇다 170 2 이상하다 157 이상스럽다を入れると162 3 놀랍다 133 4 공교롭다 85 5 불행하다 71 불행스럽다を入れると73 6 이렇다 58 7 엉뚱하다 51 엉뚱스럽다を入れると52 8 유감스럽다 47 9 아쉽다 33 10 다행스럽다 32 다행하다を入れると40 計 837 ‘그렇다’や‘이렇다’では‘-게도’の‘도’が「添加」または「強調」の意を表している。 (40)(42)が前者、(41)(43)が後者の例である。 (40) 엄마는 그렇게도 말씀하셨습니다. [323] (お母さんはそのようにもおっしゃいました) (41) 무슨 할아버지가 그렇게도 많니? [312] (なんだっておじいさんがそんなにも多いんだ) (42) 이렇게도 표현할 수 있을 것이다. [2195] (このようにも表現できるだろう) (43) 모두 다 놓고 나니 이렇게도 편한 것을. [2211] (なにもかも捨ててみるとこんなにも楽なものを) その他の項目でも‘-게도’が後続用言を「強調」していると解されるものがなくは ないが、その多くは文修飾としてできごとに対する話者の評価を述べる働きをして いる。そして‘-게도’の先行形容詞はほとんどが‘-이’形をもたないか、形態的にはあり 得てもコーパスには現れないものである。 (44) 그는 지금 놀랍게도 그녀의 허락을 구하고 있었다. [753] (彼は今、驚くことに彼女の許可を求めていた) (45) 내가 사는 아파트는 공교롭게도 축구장 바로 옆이었으니까. [158] (私の住むマンションは偶然にもサッカー競技場のすぐ横だったから)
‘-게도’の用例の先行形容詞のうち、コーパスで‘-이’形が確認できるのは‘이상하다’1 例のみであった41。そこで、実際には‘이상하게도’で現れた用例でそれを‘이상히’に置 き換えてみたのが次の(46)である。これでも文自体は成立するが、文全体に対する 話者の評価を示していた‘이상하-’が、後続の‘비가 왔다’に対する話者の評価を示す 結果となり、文意が変わってしまう。 (46) 내가 외박을 나오는 날은 { a.이상하게도 / b.??이상히 } 비가 왔다. [2252] (私が外泊をする日は妙なことに/妙に雨が降った) では‘이상하게도’を‘이상하게’に置き換えるとどうか。この場合も文自体が成立す ることは言うまでもないが、それが何を修飾しているのかはやや曖昧である。文修 飾ともとれるし、後続するできごとのみを修飾している(「雨の降り方がおかしい」 の意)ようにもとれる。つまり‘-게도’は、主に‘-이’形による文修飾が不可能な形容詞 に付いて、‘-게’形自体には本来備わっていない42「文全体に対する話者の評価」を示 す働きをしていると言えよう43。 4.2. ‘-게 여기다’構文 最後に、‘고맙게 여기다’のような‘-게’形についても簡単にみておく。後続用言とし ては‘여기다’のほかに、‘생각하다’, ‘보다’, ‘보이다’, ‘생기다’, ‘하다’, ‘만들다’, ‘되다’な どがある。これまでみてきた‘-게’形が基本的には文の必須成分ではなかったのに対 し、‘-게 여기다’構文の‘-게’形はそれを欠いては文が成立しない必須成分である。 通時論的な研究によると、形容詞を先行用言とする‘-게’形は‘-게 여기다’構文か ら一般化していく44。それ故か、‘-게’研究の多くはこの構文を分けて扱うことをせ 41 “어떤 한 젊은 여자가 이 이상히 똑딱거리는 구두 소리에 안심이 되지 않는 모양 으로 슬쩍 고개를 돌려…”(ある一人の若い女性がこの妙に甲高い靴音に心穏やか ならぬ様子でさっと振り向き…) 42 口語では“구질구질하게 왜 그래?”(未練たらしく、何だよ)のような文修飾も現れる。 43 ‘-게도’との比較でいまひとつ考慮すべき形に‘-이도’がある。今回収集したコーパスに ‘이상히도’は現れなかったが、(46)の用例で置換えは可能である。別途‘이도’で検索し てみると、‘같이도’, ‘끔찍이도’, ‘많이도’, ‘무척이도’, ‘공손히도’, ‘급히도’, ‘다행히도’, ‘불행히도’, ‘우연히도’, ‘천천히도’, ‘빨리도’など全 28 項目が収集された。いずれも文 修飾で、‘-도’により「強調」の意が添えられるものであった。‘-게도’、‘-이도’共に可能 なものについては、‘-게’と‘-이’の違い(たとえば‘행복하게’と‘행복히’などの違いにつ いては中西<2016>参照)を留めたまま、それが強調されることになる。 44 박성현(1989)は、中期語で「ほとんどの{-게}形は‘다’や‘외다’との結合形で現れる」と し、このような{-게}形は「副詞語の役割を逸脱しており…‘-게 다’という構成全体の一
ず45、‘-이’形との比較にあっても、‘-게’が節を導いて複文を構成するのに対し、「派生 副詞‘-이’」の文は単文であるとの説明が広く行われてきた。 しかし次の用例をそれぞれ比較してみると、(47a)(48a)の下線部が‘-게’に導かれる 内包文で文全体は複文であるのに対し、(47b)(48b)の下線部はそれぞれ‘받아들였다’, ‘밀었다’を修飾しているにすぎず、文としては単文であることがわかる46。前者は 必須成分、後者は必須成分ではない。 (47a) 영이는 [그의 호의를 고맙]게 여겼다. (ヨンイは彼の好意を有難く思った) (47b) 영이는 그의 호의를 [고맙게 받아들였다]. (ヨンイは彼の好意を有難く受け入れた) (48a) 영이가 [나를 강하]게 만들었다.(ヨンイが私を強くした) (48b) 영이가 나를 [강하게 밀었다].(ヨンイが私を強く押した) 本稿の主たるテーマである‘-게’形は先行用言の[+程度性]をその前提としている のに対し、‘-게 여기다’構文でそれは必ずしも必要ではない。だからこそすべての形 容詞がその先行用言となり得るのであり、一般に‘-게’形の先行用言に制約がないと 言われるのはこのような構文まで同列に論じられてきたためである。2 章でみた‘-게’ 形をとらない形容詞、‘嘉尙하다’を例にとると次のようになる。 (49a) 영이는 [영희를 가상하]게 생각했다. (ヨンイはヨンヒを称賛に値すると考えた) (49b) *영이는 영희를 [가상하게 칭찬했다]. (*ヨンイはヨンヒをすばらしく賞賛した) 部としてその機能を把握しなければならない」と述べている。 45 たとえば이소현(2006)や정연욱(2012)では‘그 아이가 똑똑히 보인다’(その子がはっき りみえる),‘그 아이가 똑똑하게 보인다’(その子が賢そうにみえる)のような作例を もって‘-이’と‘-게’の使い分けを論じているが、後者は‘-게 여기다’構文である。 46 이종희(1994)は‘-게’には内包文を導くものと導かないものがあることを指摘し、本稿 の‘-게 여기다’構文に当たるものは内包文のうちでも「特殊‘-게’構文」と呼び、後続動 詞別に分析している。また形容詞研究の유현경(1998)は副詞形語尾‘-게’と冠形詞形語 尾の類似性を指摘していて注目されるが、同論文では従来、一律に内包文とされてき た冠形節のうち先行用言が形容詞の場合は単文とみなすべきと主張している。
なお‘-게 여기다’構文を調べる過程で、後続用言が‘여기다’, ‘생각하다’, ‘보다’, ‘보이다’などの場合、‘-게’には引用に似た機能のあることがわかった。これは冠形詞 形の「外の関係47」に比定される。(50a)は‘-게 여기다’構文、(50b)は「外の関係」の 冠形詞形の例である。 (50a) 영이를 예쁘게 생각했다. ←영이가 예쁘다고 생각했다. (ヨンイをかわいく思った<かわいいと思った>) (50b) 고향으로 돌아가는 생각을 했다. ←고향으로 돌아간다(고 하)는 생각을 했다. (故郷に帰る(という)考えをした<帰ろうと思った>) 5. まとめ ‘-게’形と‘-이’形の特徴を表にまとめると次のようになる。 〈表12 ‘-게’形と‘-이’形の比較〉 ‘-게’形 ‘-이’形 先行形容詞 ‘-게’ 先行形容詞 ‘-이’ <形態的特徴> *形容詞派生接尾辞を含む *‘ㅎ’不規則 *語幹が「名詞+動詞」 *借用語+‘-하다’ *副詞形成成分 ‘-레-+-하다’ *四字熟語+‘-하다’の多く *ABAB型擬音語/擬態 語+‘-하다’の多く <意味論的機能> *後続のできごと の展開する有り様 が、「変化」ある いは「比較」によ り、先行形容詞の 如く表現するに足 るレベルに到達し たことを示す <形態的特徴> *‘하다’形容詞で語 根末が母音のもの は少ない <意味論的機能> *文全体、あるいは 後続のできごとに 対する話者の包括 的な評価 <意味的特徴> * [+程度性] *「色、味、匂い」を表す ものすべて *「感情・感覚」を表すも のも多い <統辞論的機能> *成分副詞 <意味的特徴> * [-程度性]、 あるいは[+程度 性]の捨象 <統辞論的機能> *主に文章副詞 47 日本語の連体節について寺村秀夫(1993/1999)が提唱した概念。‘밥을 먹는 영이’は ‘영이가 밥을 먹다’と再構築できるが、‘밥을 먹는 장면’ではそれができない。前者 を「内の関係」、後者を「外の関係」という。これを現代朝鮮語の冠形節に適用した 研究としては中西(2002)を参照。
(1)の例に戻るなら、‘청소하다’というできごとの展開する有り様が、図 3 でみた ように「基準点(たとえば、きれい度 0 の状態)から乖離し、‘깨끗하다’と表現するに 足るレベルに到達した」と話者が認識すれば‘-게’形、話者が‘영이가 방을 청소했다’ という文全体、あるいは‘청소했다’というできごとを包括的に捉え、それが「きれい に(すっかり)なされている」と評する場合は‘-이’形ということになる。 ‘-게도’は、‘그렇게도’,‘이렇게도’で「添加」「強調」を表す場合もあるが、主に‘-이’ 形をもたない形容詞に文修飾の機能をもたせるために用いられる。また‘-게’形が後 続用言を修飾する成分副詞で、通常は文の必須成分でないのに対し、‘-게 여기다’構 文の‘-게’は文の必須成分たる内包文を導く働きをしており、これらの‘-게’は分けて考 える必要がある。 参考論著 박성현(1989), ‘국어의 부사화소 {-이}와 {-게}에 대한 사적 연구 ―기능과 분포를 중심으로 ―’, 서울대학교 석사학위논문. 방영심(2008), ‘한국어 부사형어미 ‘-게’의 확장에 관한 통시적 고찰’, “한국 문화연구”14, 273- 297. 서정수(2005), “한국어의 부사”, 서울대학교출판부. 손남익(1995), “국어부사연구”, 박이정출판사. 송철의(1992), “국어의 파생어형성 연구”, 태학사. 유현경(1998), “국어 형용사 연구”, 한국문화사. 유혜원(2007), ‘‘-게’에 대한 형태론적 고찰’, “형태론” 9-1, 25-45, 박이정. 이소현(2006), ‘‘-이/히’형 부사어와 ‘-게’형 부사어의 한국어 교육학적 연구’, “언어와 문화” 2-2, 135-160. 이재인(1983), ‘‘-이’ 부사의 형성과 그 특성’, ‘‘서강어문” 3, 267-298. 이종희(1994), ‘‘부사형 어미 {‐게}의 통어적 기능에 관한 연구”, 탑출판사. 임채훈(2007), ‘‘형용사+게’ 부사어의 문장 의미 구성’, “국어학” 49, 159-188. 임홍빈(1976), ‘부사화와 대상성’, “국어학” 4, 39-60. 장영준(2009), ‘한국어 두 가지 부사형 ‘-이’와 ‘-게’의 의미 차이와 분포양상’, “현대문법연구” 58, 89-111. 정연욱(2012), ‘국어의 ‘-이’, ‘-게’ 부사형 비교 연구’, 울산대학교 석사학위논문. 최현배(1929/1999), “우리말본”, 정음문화사.
寺村秀夫(1993/1999)『寺村秀夫論文集Ⅰ―日本語文法編―』くろしお出版 中西恭子(2002)「現代朝鮮語の連体形語尾-는について― -ㄹとの使い分けという観 点から―」『朝鮮語研究1』 7-35、くろしお出版 中西恭子(2016)「現代朝鮮語の副詞化‘-게’と‘-이’類について」『人文論叢』64, 15-32 仁田義雄(2002)『副詞的表現の諸相』くろしお出版 표준국어대사전(Web 版):http://stdweb2.korean.go.kr/main.jsp 세종말뭉치:https://ithub.korean.go.kr/user/guide/corpus/guide1.do
【要旨】