Title
患者からの攻撃的行動に対する効果的看護実践の検討−
精神科看護経験を有する熟練看護師への面接調査より−
Author(s)
鈴木, 啓子; 石野, 麗子; 永田, 美和子; 大城, 凌子; 森田, 恵
子; 石川, 幸代; 金城, 祥教; 安和, やよい
Citation
名桜大学紀要 = THE MEIO UNIVERSITY BULLETIN(14):
257-269
Issue Date
2009-06-30
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12001/8582
各桜入学紀 要14号 6-30(2009)
患者か らの攻撃的行動 に対す る
効果的看護実践の検討
一精神科看護経験 を有す る熟練看護師への面接調査よ
り-鈴木啓子
日、石野麗子
2)、永 田美和子
。、大域凌子日、森 田恵子
り石川幸代 '
)
、金城祥教
L)、安和 やよい
L) 1)名 桜 大学 人 間健 康 学 部 看 護 学 科、2)聖隷 ク リス トフ ァー 大 学看 護 学 部 要 旨 近 年 、 医療 機 関 にお い て患 者 か ら看 護 師 が攻 撃 や 暴 力 を受 け る リス クが 高 ま って い る. 患者 か らの攻 撃 や 暴 力 は看 護 師 の職 務 満 足 の低 下 、抑 うつ 、離 職 に 関係 す る こ とが指 摘 され て い る が 、多 くの場 合 、 「し方 の な い こ とJ
「仕 事 の うち」 と臨床 現場 で は充分 な検 討 が され て い ない。 本研 究 の 口的 は 、 医療 機 関 を利 用 す る患者 に よ る攻 撃 的行 動 に焦 点 を 当て 、患者 、看 護 師双 方 の安 全 お よび 安 心感 を確 保 す る効 果 的看護 実 践 を 明 らか にす る こ とで あ る。 精 神 科 看 護 経 験 を 含む看護 臨床 経 験 を5年 以 上 有 す る熟 練 看 護帥8名 を対 象 に 半構 造 的 面接 調 査 を実施 し、 内容 を 質 的 に検 討 した。 そ の結 果 、患 者 か らの 攻 撃 的 行 動 の 深 刻 さに合 わせ て 、① 入 院 直 後 の 不安 や 混 乱 を緩 和 す る予 防 的 実 践 、② 攻 撃 的行 動 のエ ス カ レー シ ョン を防 ぐ実 践 、③ 患 者 看 護 師双 方 に とって の危 険 防 lLの た めの 実 践 が行 な われ て い た. ま た 、 いず れ の段 階 に も一 貫 して(む継 続 的 な心身 の状 態 のモ ニ タ リン グ、G)心身 の状 態 を整 え る看 護 実践 が行 な われ て い た。 以 」二の看 護 実践 に は精神 科 看 護 にお け る危機 予 防 的看 護 実践 技 術 が応 用 され てお り、 そ の基盤 に は 、攻 撃 的行 動 が看 護 師 の心 身 お よび看護 の質 に重 大 な影 響 を及 ぼす とい う認 識 が あ る こ とが 明 らか に な った。A St
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和や よいⅠ.はじめに
近年、医療機 関において心身の健康問題 を抱 え治療や ケアを必要 とす る人 々か ら、ケア提供 者 が攻撃や暴力 を受 ける リスクが高まってい る。 中で も内科や外科、 リハ ビリテー シ ョン病棟 な どの一般診療科 における暴力 の発生率は、精神科病棟 よ りも高 く、その内容 も深刻 なことが 明 らかになってい る(鈴木,2007)0 看護者が受 ける患者か らの暴力の問題 については、諸外 国ではすでに様 々な実態調査が行わ れている。英国(Whittingtonら,1996;Wellsら,2002;Winstanleyら,2004),米国(Coxら,1987;Carmelら,1989;Reesら,1996), カナ ダ(Duncanら,2001), ス ウェーデ ン(Arnetzら,
1996;Menckelら,2002),オー ス トラ リア(Hegneyら,2006), ニ ュー ジー ラン ド(Mckenna
ら,2003), トル コ(Senuzunら,2005)な ど各 国の看護者が、ケア対象者 か ら受 ける攻撃的行動 の実態が多数報告 され、 世界的 にも医療現場 にお ける暴力の問題 は深刻 で重人な課題 と指摘 さ れ てい るo 国際看護 師協会 (InternationalCouncilofNurses,以下ICNとす る) は、2000
年 に暴力 に関す る所信 声明を全 面改訂 し、暴力 を「個人の尊厳 と高潔 、そ して危害か らの 自由に 対す る看護 師の権利 を侵 害す る」もの とし、各 国の看護師協会 に暴力-の対策や取 り組み を積極 的 に行 うよ う強 く勧 めてい る(,海外の状況 をみ ると、暴力対策の進んでいる英国において も、 疾患 をもつ高齢の入院患者による暴力の問題 について、その実態お よび効果的対J,Lこ方法、スタ ッ フ間の組織 的連携 な ど具体的な看護 実践 は不十分である と指摘 されてい る (Pulsford,2006)0 一方、わが国では,昨年末 に 日本看護協会か ら初 めて 『医療保健福祉施設 にお ける暴力対策 指針一看護者 のために』(日本看護協会,2006)が各都道府県看護協会に提示 された ところである。 この指針 では、院外 の不審者や乳幼児連れ去 りの問題や組織 と してのこれ ら-の対策について は具体的 に示 してい るが、先に述べた入院治療 を受 けている患者 か らの攻撃や暴 力-の具体的 介入方法につ いては、示 されていない。患者 は、認 知症や精神 障害がな くても、せん妄や混乱 も起 こ しやす く、また、吸引やおむつ交換、食事介助 、入浴介助 といったケアを受 ける側 に心 身 のス トレスのかか る 日常生活場面 において、攻撃や暴力の問題 が 日常的に起 きている。 しか れ るO このため、患者 か らの攻撃や暴力の問題 は 二の次 とな り、医療従事者 が安全 に働 く環境 -の考慮 がなかなか され ない状況がみ られ る。攻撃や暴力が、看護者 の抑 うつ(三木,1997)や職 務満足度 の低下(Ito,2001)離職 にも関連す ることが指摘 され てい る(Ito,2001)。 海外 にお ける実態や 取 り組み についての先行研 究(Astrom S.ら2004,SkovdahlK.ら2004,
PulsfordD.ら 2006,Bates
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ら2004.関 ら2002)に よる と、患者 のChallenging Behavior/\の 日常的 なケア技術 に焦点 を当てた研 究は非常 に少 な く、患者 の よ り高いQOL
を 目指す ための 効果的な介 入方法 に関す る研 究の必要性 が指摘 され ている。患者か らの攻撃や暴ノJは、国際的 に も、重要な課題 である と認 め られているものの、焦点が 当て られて こなか った(Department ofHealthofUK 2002)。 この よ うな国内外 の状況か らも、本研 究に取 り組 む意義があるもの と考 える。 - 258-患者からの攻撃的行動に対する効果的看護実践の検討
Ⅱ.
研究 目的
木研 究の 目的は、l束療機 関を利用す る患者か ら看護 師が受 ける攻撃的行動(例 :暴言、噛む、 たた く、蹴 るな ど)に焦点 をあて、患者 と看護 師双 方の安全お よび安心感 を保持す る上 での効 果的看護実践 とは何か を明 らかにす ることである。Ⅲ.用語の操作的定義
今回の調査対象は一般病院 を利用 してい る患者 を対象 に した看護 実践についての調査 を実施 す るが、これ まであま り注 目され て こなか った攻撃的行動 を受 ける看護師の側 に焦点 を当てて 検討す るため、本研 究では、医療機 関を利用す る患者 に よる攻撃的行動(
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を、
「市接 的に他者 、 自己 白身 あるいは物 に向け られ た有害な行動」 と し、 これ には身体的攻 撃的行動(例 :叩 く、殴 る、蹴 るな ど)、言語的攻撃的行動(例 :誹誘 、 中傷 、威嚇 な ど)、そ し て性 的攻撃的行動(例 :卑張 な発言、性 的いや が らせ 、望 まない身体的接触 な ど)が含 まれ る と した oⅣ.研究方法
1.対象者の選定手続 き 木研究の趣 旨を理解 し研 究協力の承諾 の得 られたA県内にある一般 リハ ビリテー シ ョン病院 の看護管理者宛 に、面接対象者 となる熟練看護師の選択 を依頼 した0本研 究では、熟練看護 師 を精神科における経験含み看護師 としての臨床経験が5年以上であ り、かつ病棟管理者 か ら臨 床能力の優れ た者 との推薦 があった者 と した。 これ は先行研 究(鈴木 ,石野他2
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5a、下里2
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、 鈴木2
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よ り、精神科看護 にお いてが患者 か らの攻撃的言動 に対す る危機 予防的介入 技法お よび危険防止のための介入技術が明確化 され ていることか ら、精神科 の臨床経験 を有す る看護師は経験的に これ らの技術 を修得 してお り、 これ らが効果 的に活用 され ている と考 え ら れ るためである。その後、病棟 において研 究の趣 旨を説 明 し、同意 を得て、実施 されている看 護 について参加観 察 を3日間にわた り、 8時間実施 した。 この参加観察 は病棟 の特徴や環境 な どについて研究者 白身が理解 を深 め、面接調査のデー タを補完す るための ものである。各 々の 対象者に個別 に研 究協力依頼書お よび研 究協力 同意書 を用 いて実施 した。2.
面接およびデータ分析方法 : 事前に行 った参加観察 による病棟 の特性や環境 を理解 の上で、その看護 師が受 けた患者 か ら の攻撃的行動の具体的な状況や対応 について面接ガイ ドを用 いて半構成的面接調査 を実施 した。 個 々の対象者の語 りか ら逐語録 を作成 し、患者 と看護 師双方の安全お よび安心感 を保持す る看 護実践に関連す る部分 を意味のま とま りごとに抽 出 し、意味内容が類似共通す るものグループ 化 し、その内容 を要約 した。要約 の抽象度 を比較 しなが らグループ化 と要約 の作業 を繰 り返 し 抽象度 を整 えた。 次に個別分析 で得 られたすべての要約内容 を、統合分析 にて攻撃的行動-の 効果的看護実践 とは何か とい う視点か らカテ ゴ リ化 した。結果の妥 当性 を確保す るために研 究 259-鈴 木 啓 子 、石 野麗 子 、永 田美和 子 、大城 凌 子、森 田恵 7-、石 川 幸 代 、金 城 祥 教 、安 和 や よい 者 間での継続 的検討 を重ね、また、信頼性 を高 めるために、分析結果 を対象者 にフィー ドバ ッ ク し意見 をもらい分析 を進 めた。
3.
研究 に当たっての倫理的配慮 研 究協力者 に対 しては、研 究依頼文書 を作成 し、研 究の趣 旨お よび 目的、研 究-の参加お よ び 中I
Lは 自由であること、参加協力 の有無によ り不利益や 問題 は一切生 じない こと、プライバ シーが守 られ ること、研 究成果の公 表について伝 えた。 協力の承諾の得 られ た対象者 には、面 接 当 日、再度文書お よび 口頭 で研 究の概要 と対象者 の権利 の擁護 について説 明 し、研 究協力同 意書 に署名 をもらい、研 究者 、対象者双方 で保管す るもの とした。 なお、本研究は名桜大学人 間健康学部研 究倫理審査委員会 にお ける倫理審査 を受 け、研 究倫理 に関す る承認 を得た後に、 研究 に着手 した。V.
結果
1.対象者の概要 面接調査 時間は7
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分∼1
3
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分(平均9
6
分)であった。 対象者 は 8名 であ り、年齢 は2
0
代2
名、3
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代 4名、4
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代 2名であ り、平均 臨床経験年数 は1
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.
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年 であ り、 うち精神科看護 臨床経験年数 は6
.
9
年 であった。 2.対象者 によって語 られた事例 の概要 表 1 対象 によって語 られた事例の概要 性、 * 齢※ 辛 威 厳 ;;ヰ‥状 藤 :≡:::≡:≡ 攻車 的行 動 1 男 70代 くも膜 下 出血 帰宅欲求時の対応時、暴言 2 罪 60代 胃癌術 後廃 用 件 症 候 群 離院、暴言、串柿了-を投げる 3 男 80代 脳 梗 塞 左 半身麻 療 夜間せん妄による攻撃、旗 ノJ 4 男 60代 心血 管 系術 後 入院後、混乱、攻撃、強硬な帰宅欲求があ り、家族の同意の上での外泊中、家人が Fiを離 した附に,i.二を運転し'JT;-故を 起 こす o 5 男 70代 脳 梗 塞 .パ ー キ ン ソン病 看護師-のセ クハラ 6 男 70代 脳 梗 塞 半身 麻痔 看護師-の罵声 (JJ使扱 い等) 7 男 70代 脳 梗 塞 半身 麻痔 入浴拒否時の抵抗 (蹴 る、殴る) 8 男 60代 脳 梗 塞 .パ ー キ ン ソン病 夜間せん妄による攻撃、巌力 9 女 80代 大腿 骨 頚 部 骨 折術 後 食事摂取拒否-の対JJL二時噛む 10 女 80代 毛度認 知症 、低 栄 養 、脱 水 食事摂取拒否-の対応時抵抗 ll 女 90代 重度 認 知症 、聴 覚 .視 覚 障害 人声、暴れ る、食事摂収拒否 12 女 60代 脳 梗 塞 半身 麻療 スタッフ-の中傷 13 女 90代 大腿 骨 転 子 部骨 折 術 後 スタッフ.他,tiJJ,者/家族-の巌 ノ」 対象者 が語った攻撃的行動 を受 けた事例 は1
3
ケースであ り、60歳代∼90歳代で、男性8名、 女性 5名であった。疾患では脳梗塞 6名 、大腿骨骨折 2名 、重度認知症 2名、他 3名であった。 概要 は表 1の とお りである。攻撃的行動の内容は身体的暴力 7、暴言 4、セ クシャルハ ラスメ ン ト1、 自動車運転 中の 自損事故 lであったD攻撃的行動が起 きた状況 としては、安全確保の ための介入時、食事介助時、排泄介助時、清拭時、処 置時、夜間、術後、外泊 中が上がった。-2
6
01
患者からの攻撃的行動に対する効果的看護実践の検討
3.
患者か らの攻撃的言動 に対す る効果的看 護実践 対象者が語った患者 か らの攻撃的行動- の効果 的看護 実践 につ いて以 下述べ る。 カテ ゴ リは 【 】、サブ カテ ゴ リは[ ]、対象者 の語 りは「
」 で表現す る。 1)患者 に よる攻撃的行動 に対す る看護者 の基本 的 な認識 患者 による攻撃的行 動 に対す る熟練 看護者 の基本 的 な認識 と して 【個別 性 のない看 護が提供 され ている場 で 、攻撃や暴力 が起 こる】、 【患者 の攻撃的行動 は、ケア提供 者 に とって重大 な 問題 であ りケアに影響す る】の2つ の内容 が抽 出 され た。熟練看護者 は患者 に よる攻 撃や暴力 の問題 を患者側 の問題 と認識す るのではな く、個別性 のない看護 が提供 され てい る場 で起 こる 問題 、すなわ ち看護実践 の問題 と関連付 けて認識 してい るこ とが明 らか にな った。 以 下は具体 的語 りの例 で ある。 (#jf・lL..fる}k夢や暴力a)願 を、
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)患者 による攻撃的行動-の効果 的看護 実践 デー タ分析の結果 、患者 に よる攻撃的行動- の効果 的看護 実践 は以下の2
2
サブカテ ゴ リに集 約 され 、それ らは最終的 に5カテ ゴ リに整 理 され た。 各 カテ ゴ リの内容 を表2に示 した。 (患者 の変化 とニー ズを察知す るためのモ ニタ リング】 とは、 〔(かさめ細や かな継続 的観 察〕、 〔② 患者 のニー ズや願 いの把握 〕 か ら集 約 され た。 以 下 は① のサブカテ ゴ リで あ り精神 科看 護 実践経験 の適応の具体的語 りの例 で あ る。 旬 L、rl7分が)俊の首題
帝■t違う,5㌦あ
a cとい,iば∴密着きんの部屋E7)ノ好を虚クかか
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あっカ)めi5L.符に_8度逆転のサイン′を一局逆 さ/jい=tJd願 だ●t思うL、 ′責瀞 タirやっ Tいるt,titIいiすニノ(30作者聯 【患者 の心身 の状態 を整 え る 日常的セル フケア支援 】 とは、 〔(丑身体 の生理 的状態 の調整 の ⊥夫〕、 〔②好みの食べ物 ・品物 の検討 と用意〕、 〔③ 苦痛 の緩和〕、 〔④ 睡眠の確保 のためのケア〕 か ら集約 され た。 この うち④ が精神科看護 実践経験 の適応例 であ り、具体的語 りは以 Fの とお りである。 √不軌'tい うの脚 荷 で/f
虚瀕溜社の塵鮒 ダインです/Jと1.こちら御 yノ、とLy##)lL.ノ宕Tji, らあ、#㈲ て;
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【患者 の不安や混乱 の予防のた めの実践 】 とは、 〔①安 心 で きる人 ・物 ・場 の確保 〕、 〔② な じみの関係 づ く り〕、 〔(卦穏や かで落 ち着 いた環境づ く り〕、 〔④ 心地 よ さや リラクゼー シ ョンの 提供〕、 〔G)今 の時間 を生 き生 き と過 ごせ る工夫〕 か ら集約 され た。 【患者 の攻撃的行 動 のエ スカ レー シ ョン防止 のた めの実践 】 とは、 〔(丑さ りげない同伴 と声- 261
-鈴 木 啓 子 、 石 野 麗 子 、 永 田美 和 7-、 大 城 凌 子、森 出恵 子、 石 川 幸 代 、金 城 祥 教 、 安 和 や よい か け ・誘 導 〕、 〔② 拒 否 や 抵 抗 感 を 確 認 した と き の 介 入 の 中 断 〕、 〔③ 患 者 の 言 動 の 制 限 以 外 の 方 法 の 探 究 〕、 〔④ 攻 撃 を エ ス カ レー トさせ な い コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 技 術 の 活 用 〕、 〔(9 タ イ ミ ン グ を 見 計 ら っ た 介 入 の 再 開 〕、 〔⑥ 患 者 の 注 意 の 意 図 的 変 換 〕、 〔⑦ 本 人 へ の 直 面 化 〕 か ら集 約 され た 。 こ れ ら は す べ て 精 神 科 看 護 経 験 の 適 応 され た 実 践 で あ っ た 。 た と え ば 、 ① の 具 体 例 は 以 下 の と お りで あ る 。
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D そ うす Str7gUが 変わクi す よ J(40ltl最 新 妙【患 者 自 身 お よ び 他 者 - の 危 険 防 止 の た め の 実 践 】 と は 、 〔① 有 害 な 環 境 刺 激 の 調 整 〕、 〔② 無 理 な 介 入 を 一 人 で し な い と い う判 断 〕、 〔③ 複 数 の ス タ ッ フ に よ る 対 応 〕、 〔④ 危 険 な 場 合 に は 、 患 者 ・看 護 師 双 方 に と っ て 安 全 な 四 肢 関 節 部 位 の 確 実 な 保 持 〕、 [⑤ 攻 撃 を エ ス カ レー トさせ な い コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 技 術 の 活 用 〕、 〔⑥ 困 難 な 場 合 に は 精 神 科 - の コ ン サ ル テ ー シ ョ ン 〕 か ら 集 約 さ れ た 。 こ れ ら は す べ て 精 神 科 看 護 経 験 の 適 応 され た 実 践 で あ っ た 。 表2 患 者 に よ る 攻 撃 的 行 動 へ の 効 果 的 看 護 実 践 カテ ゴ リ サブカテ ゴ リ 具体的実践例 の要約 1 患者の変化 ①きめ細やかな継 例 1吊佼逆転などU)!1三浦 リズムの変化を見逃さない,_I 例2ベ ッドから離床 したのがわかるようにコールマットを偵川する∩ とニー ズを 例 3どのような食べ物であれば摂取できるのか そU)形態 色 暖かさ 冷たさ 硬 察知す るた 続的観察* さ、柔らかさ、大きさ、介助時にどちらのL川空側に入れるとよいのか、その'})故^.午を めのモニ タリン グ 逗)患者のニー ズや 各個人による違いを細かく傾対 し、情報を収集する〔例4何が食事摂取を拒む理山や原関があるのかを、いつも考え出井と公,iAlTTをするよう 願いの把握 にし、理由をさぐる努力をするC 2 患省 の心身 (態の調幣の工夫壬.身体のJTT_理的状 例5空腹の時間を作るようにする(例 :経管栄養の魁者cT)liJj合には、経午Ji=に上る栄養祁 給の時間帯を通常の食事の時間帯には肖内部がI'別こなるようなl相和に'ii摘出し、i郎打U) 食事時間帯には経口に上る介助をし、経 HからU)摂助を勧める) 例6尽間に摂取する水/分として、紅茶やコーヒーなどカフェインC/)入っている飲み物 の状態 を整える 日常的 セル フケア支援 を勧め、柿間の覚醒を高める,_, (品物の検討と用意亘好みの食べ物 . 例7好きな食べ物、在宅での日常牛活で使用 していた身cr)回りO-)lM勿を川音 しておくr, ③ LT-痛の緩和ケア 例 8身体的苦痛については我慢させずに、早めに鎮痛剤を佐川するr, ④睡眠の確保のた 例-誘導するなどはっきりとメリ- リのある′9起床時間になったら起床 させ、尽間cT)休息時間、夜の入眠L三活を維持する○ け刷りになった√,ベ ヅ卜 めのケア* 例10昼間は、可能な限り、Fl光浴をしたりlJrJ的)でもu)Jるい軌 叶で過ごすなど、党桝を させるための体内的ホルモンバランスのよい状態を保持するO 3 患者 のィ、安 ・CDJ女心できる人 . 例11入院直後の場合には、混乱や不安の緩和する上うに、家族あるいは関係一m こ付き や誰はLの予防のた めの 物 .場の確保②な じみの関係づ 例添いを依楯する○写真や馴染みのL12入院 したばかりの状況では、なるべく部屋を,r'U物を持ってきてもらいベ ッドサイ ドにl頻し.jJに,ij]li'ミして/rlをかけるlFltくく11-:ー.なじみ - 262
-患 者 か ら の 攻 撃 的 行 動 に 対 す る 効 果 的 看 護 実 践 の 検 討 ・lij/l穏 や か で 港 ち着 例13食事 の環境 を患清一が落 ち着いて食べ るこ とので きるよ うに、小テー ブルで、穏や いた環境づ く り かで、落 t,着 いた、楽 しい雰 LiEl気 とな る場作 りを進 め るn 〔う〕心 地 よ さや リラ 例14蛭間 に、心地 よい身体感覚 を味わ って も らえ るよ うにマ ッサー ジ等 をす るC クゼ - シ ヨンU)撹 例 15人桁 が嫌 な場 合 には、足浴や 手浴 な どを行 い、心地 よさを味わ って も ら うよ :)に 供 す る○ ⑤ 今c′丈l:_さ と過 ごせ る T_rj咋 問 を/たき 例- の参加 を誘導 し、精神 的機能 また身体的機 能 を効果 的 に活件化 させ る16口中、起 きてい る間はただ椅子 に座 ってい るのではな く、「臥 し、の あ r「)そ うな精勤
4 魅 甘 U)攻 撃 〔とi亘〕さ りげ ない 同伴ナチか け .誘導 * 例 l7患者U)移動が確認 され た ら、職 員は ピ ッチ を もち、状態 に よ り1-2%.a)スタ ッフ が見守 りなが ら付 き添 う 例18歩行時 には、様 +を見 なが ら、 「む こ うで声が聞 こえます ね」「あち らか ら呼んで い る ようです ね」等 と自然 に気 が 向 くよ うに声 をか け るリ 例19食事 を勧 める ときに も、 世間話 を しなが ら気分 を変 え る言葉が けをす る (妥lAE,:否 や抵抗 感 を 例20Lj,]服 を勧 める ときに も、兜与件 に勧 めず に、断 られ た ら、引 き下が る∩ 確 .iJLJ,した とき の 介 例21食事 の介助 を していて 「も う嫌 だ」 と抵抗 が強 く.LHた場合 には、1蛇椎 に食卓 を勧 人cT)Iい断 * めない (限以 外 の 方法 の究 *3船 首 の 言動 の御)探 例22患者に対 して行動 を制限す るよ うな声か け (例 :「戻 りま しょ う」「危険だか ら」「静 か に しま しよ う」等)や身体- の接触 は原則 と して しない. 邪魔 にな らない よ うに スタ ッフが付 き添 うC 例24ベ ッ ド」吉J辺 の床頭 台、 タンス、 pトイ レ等 の位 筒を工夫 し、安 全に 白内に軌 きLn] 的 行 動 の エス カ レー シ るこ とので きる スペ ー スを確保す るC 〔ij攻 幣 をエ スカ レ 例 25夜 間のせ ん妄時 の対応 (絹 で夜 間 は過 ごす 等)と して必 要 なケアの理 由をあ らか じめ尽 間の意 識 が明瞭 な とき例 :部屋 の電気 をす べて消灯 しない、看護 宅 の近 くの部 ヨン防止 の - トさせ な い コ ミ に、わか りやす く説明 を してお くO た め の 尖 践 ユニ ケ- シ ヨン技 例26患首 との コ ミュニケー シ ョン時 には、声の トー ンを低 めに して、ゆっ く りと明快 術 U)FlT用 * な言葉で短 く話 しかけ るよ うにす る(‥ 例27患者 の主張に耳 を傾 け、説得 した り、 口論 にな るこ とを避 け る(, 何 タイ ミン グを 見 計 らった介 入 ♂)再 脚 * 例 28食事 の誘導や介助 が無理 な場合 には、一皿 引き下が り、また訪 F糾し、声 をか ける○ ・ 取 出者 の 注怨 の息 例か J等29内服 の拒否 があった場合 には、 「と服薬 ではない ことに一旦話題 を変 えてみ る.の どが渇 きませ んか」「甘い飲み物 を飲 み ませ ん 図的変換 * 例30排御崎 には、様子 を見なが ら、 「む こ うで声 が聞 こえますね」「あち らか ら呼んで い るよ うです ね」等 と自然 に気が 向 くよ うに声 をか ける 深.本 人- 〟)画 rhA化 例 31セ クシャルハ ラスメン トが あった ときに、病人 だか ら高齢者 だか ら什JJ-ない とせ ず に 「その よ うな ことを され る とC)○ さんの看護 がで きな くな りますJrこれ は Luの * 中では犯罪 です よ」 と明確 に伝 える仁 物 品) は、混 乱 してい る ときには避 け るよ う調整 す るか 、患者 白身 を静か な環境 に誘 導す るo かかわ る とィ、安 があ る場 合には、一人で無理 に介 入 しない と判断す るO (謡.複 数 の スタ ッフ 例 33攻撃や暴 力行為の リスクの高い患者 さんのケアをす る ときには、複数 の スタ ッフ に よる対応 * がそ ろってか ら行 うつ ・Eは 、患 者 .看 護叔な 川肢 Fij危 険 な 場 合 にjj'に とつて安全*-]節 部位 U)帥 確 ノkiな保持 * 例 34更衣lLFに蹴 る、殴 るな どの行動が 多い ときには、複 数の スタ ッフが lJu肢 関節 部仰 な どを安全 に注意 して保持す る,J ('ー トさせ な い コ ミi''j攻 撃 をエ ス カ レ 例ざれ る よ うに話題 を変 えた り、本 人の好 きな物 、昔謁 な どを詣 なが ら注唐 を転換 させ35話 しか けるスタ ッフは、IRり押 さえにはかかわ らず に、ゆっ く りと本 人の気が ま ユニ ケ- シ ヨン技 術U)fF.-用 * 例る36患者 との コ ミュニ ケー シ ョン時 には、声 の トー ンを低 めに して、ゆっ く りと明快 *は 対 象 者 に よ り語 られ た 精 神 科 看 護 経 験 か ら適 応 で き た 看 護 実 践 内 容 を さ して い るC た とえば、 〔②無理な介入 を一人で しない とい う判断〕の具体例 は以下の とお りである。 儲 柳 デで ば jh 撃 や 暴 /カ の 危 鈴 錐 が 高 い
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また、 〔③複数のスタ ッフによる対応〕の具定例 は以下の とお りである。 - 26 3-鈴木啓子、石野麗子、永田美和子、入城唆子、森田恵子、石川幸代、令城杵教、安和やよい rhせいtき/I/i,顔-#、虜産2^Ljl で対ガlLiす1ね o aL、
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卿〔①危 険 な場合 には、患者 ・看護 師双方 に とって安全 な四肢 関節 部位 の確 実 な保持〕 の具体的 な例 は以下の とお りで あ る。
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効果 的看 護実践 に関す るカテ ゴ リの関連 対象者 の語 りよ り、患者 か ら看護 師が受 け る攻 撃的行動 には危険性 の低 い段階か ら高 い段 階 が あ り、それ ぞれ の段 階 にお いて実践 内容 が異 なっていた。 このため抽 出 され たカテ ゴ リを患 者 の攻撃的言動 の リス クのエ スカ レー シ ョン段 階 に合 わせ て関連惟 を検討 した結果 、患者 と看 護 師双 方の安全お よび安心感 を保持す る上での効果 的看護 実践 は図 1の よ うに整理 され た。 サ ブ カ テ ゴ リ カ テ ゴ リ 攻 撃 的 行 動 の エ ス カ レー
シ ョ ン 自 他 - の 危 険 性 の 増 大 ● 1.∼ ●.
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不 安 ・苛 立ち.●
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通 常 の 状 態 5患
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防 止 の ため の 実技
4 患 者 の 攻 撃 的 行 動 の エ ス カ レー
シ ョン 防 止 の た め の 実 践 3 患 者 の 不 安 や 混 乱 の 予 防 の た め の 実 践十十十
1 患 者 の 変 化 とニ ー ズ を 察 知 す る た め の モ ニ 少 )ン グ 2 患 者 の 心 身 の 状 態 を 整 え る 日 常 的 セ ル フ ケ ア 支援
(1)イ「.lrA7'LtFrNLJ先刺激の.淵解 (参無用!Tな介入 を 一人で し/八 、とい -'中日trr I :3:・複数の Y^タ ン-/に 上る対応 I a7位険/L糊 付に「L .・'ihP;.lT..QlWJL)パこと.'⊂ /1二乍/亡川肢指脚J.・fr.I・'Iの錦上なlIiH■( (r':・.攻撃 をエ ス1)レー トさせ ない 「 ミ ⊥I-/ /-/ヨン技術のT.T.川 も)囚徒な鶴 介に托 IlrdJに打一神ノ打-uJ=Lンサ/レ (むさりげないIL・)伴 とitTかけ・.ik噂②JT・/.・や帆tJ-tJ,Eを疏iliした とさu)介入V)・lrPr (迭
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(D身体のII-_群rrrJ状 態 の調無 のl
人 (診bfみの食,<物 ・品物の検J寸と川,迂 C.1).-I-.71riの毒発fIJJr
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匂)1億批LJ)臓保のための ケア 凶1 心 省 か ら の 攻 撃 的 71動 - の 効 果 的 看 護 '夫 践 - 264-患者からの攻撃的行動に対する効果的看護実践の検討
Ⅵ.
考察
木研 究では、精神科 臨床経験 を含 む看護経験 が平均15.3年 で あ り、臨床 実践能力 の優れ た看 護師た ちがLd復期 リハ ビ リテー シ ョン病院 にお いて受 けた患者 か らの攻 撃的行動 に対す る看護 実践 の うち、効果 があ った と対象者 自身お よび研 究者 が判 断 した もの を詳細 に分析 した。 1.患者か らの攻撃的行動へ の効果 的看護実践 の検 討 本研 究 にお ける対 象者 は、患者 か らの攻撃的行動 -の効果 的実践 と して、患者 の入 院後 か ら 退院 ま での時 間経過 にお いて、一 貫 して 【患者 の変化 とニー ズ を察知 す るた めの モニ タ リン グ】お よび 【患者 の心身 の状態 を整 える 日常的セル フケア支援 】を実践 していた。 また、 一方 で患者 の怒 りや 苛立 ち とい った攻撃的言動 のエ スカ レー シ ョンの段 階 に合 わせ て、
【入院直後 の患者 の不安や 混 乱の 予防 のた めの実践 】、 【患者 の攻 撃 的行 動 のエ スカ レー シ ョン防止 の た めの実践 】、 【患者 自身 お よび他者 - の危 険防止 のた めの実践 】 を実施 して いた。 これ らの実 践 には、既述 した 【個別性 の ない看護 が提供 され てい る場 で、攻 撃や 暴 力が起 こる】、 【患者 の攻撃的行動 の問題 はケア提供者 に とって重大 な問題 で あ りケアに影 響す る】の基本 的 な認識 が基樵 になってい るこ とが明 らかにな った。 わが国では身体疾患 の治療 目的で一般 診療科 に入 院 してい る患者 か らの攻撃的行動- の危機 の段 階 に合 わせ た介 入 モデル は存 在 しない た め、今 回 、精神 科領 域 で 開発 され た プ ログ ラム (F里 ら、2
0
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4
)
と比較 してみ た(表3
参 照)。 本研 究 の 【患者 の変化 とニー ズ を察 知す るた めの モニ タ リング】カテ ゴ リは下里 らの く攻撃性 に対す る 「リス クアセ ス メン ト」 >に相 当す る と 考 え られ た。本研 究では、患者 の変化 とニーズ を探 るためのモ ニ タタ リングに よ りリス クアセ ス メン トが実施 され てい る点が特徴 的で あ った。 また、 【患者 の心身 の状 態 を整 え る 日常的セ ル フケア支援 】は、下里 らにはない内容 であった。 この カテ ゴ リは、食 事 、睡眠 、水 分摂 取、 排他 といった身体 の4_理的機 能 を整 えるこ とが、患者 の苛立 ちや怒 り、不安 、混乱 を緩和す る ための基本 的に重 要な実践 内容 で あ るこ とを示 してお り、本研 究の対象者 が受 ける攻 撃的行動 は、身体疾患 を基盤 に してい るこ とに よる。 表3
先行研究 との比較検討 精神科看護モデル(下里ら、2004) 本研究結果 攻撃性に対する「リスクアセスメント」 1.患者の変化とニーズを察知するためのモニタリング 2.患者の心身の状態を整える日常的セルフケア支援 怒りや攻撃性を静める「ディエスカレーシヨ 3.患者の不安や混乱の予防のための実践 ン」 4.患者の攻撃的行動のエスカレーション防lLのための実践 廉ノ)了了為に対して身体的介入「チームテク ニクス」 5.患者EJ身および他者-の危険防止のための実.堤 突発的に酔われた際に逃げるrブレイクア ウェイ」 また、本研 究の 【入院 直後 の患者 の不 安や 混乱 の予 防の た めの実践 】、 【患者 の攻 撃的行 動 のエ スカ レー シ ョン防止 の た めの実践 】カ テ ゴ リは、先行 モデル の <怒 りや 攻撃性 を静 め る - 265-鈴木啓子、石野麗子、永田美和子、入城凌7-、森口恵子、石川幸代、金城祥教、安和やよい 「デ ィェ スカ レー シ ョン」 >に相 当す る と考 え られ た。 これ は、本研究の対象者 は精神科看護 経験があ り、精神科臨床 にお ける脱エスカ レー シ ョンのための コ ミュニケー シ ョン技術 を活用 した患者へのかかわ り方 を熟知 してい ることか ら出た共通性 と思われた。 また、 【患者 自身お よび他者-の危険防止のための実践 】は先行モデル の<暴力行為 に対 して身体的介入 「チーム テ クニ クス」 >に相 当す ると思われた。 ただ し、その介入方法 については、明 らかに異なって お り、これ も対象者の身体的疾患の有無 の違いが影響 しているもの といえる。 一方、先行 モデル の <突発的 に襲われ た際 に逃 げる 「ブ レイ クア ウェイ」 >、<暴力がお さ まった後のア フタケア と しての 「デ ィブ リー フィング」>は本研究結果において確認す ること ができなか った。突発的に襲われ る事例 についての語 りがなかったためであるが、攻撃的行動 の中には、 こ うした事例 もない とはいえない ことか らも、検討 してお く必要はあるのではない か と思われ た。 〔デ ィブ リー フ ィング〕-の意識がなか った点は、アフタケアその ものは、多 くの場合カンファレンスな どの場が活用 され ることが多い ことや、精神科ではないために、デ ィ ブ リー フィングその ものが一連 の看護実践であるとい う認識 を対象者たちが持 っていないこと、 また精神科領域 において もわが国では暴力がお さまった後の 「デ ィブ リー フィング」 を明確 に 位置づけた看護 は普及 していないためではないか と考 え られ る。 以上 よ り、本研 究で明 らかになった患者か らの攻撃的行動-の効果的看護実践には精神科看 護 にお ける危機 予防的看護実践技術が応用 され てお り、その基盤 には、攻撃的行動が看護帥の 心身お よび看護 の質 に重大 な影響 を及ぼす とい う認識 があることが明 らかになった。身体疾患 を持つ入院患者 に よる攻撃的行動 に対す る危機 ㌢防的看護実践や危険防止のための看護技術 に つ いては、現段階では明確化 され ていない。本研 究で明 らかになった よ うな実践か らモデル を 作成す ることは、環境や対象の条件が限定 され るものの、 ・般診療科 の入院治療 の場における 患者 か らの攻撃的行 動に対す る危機 γ防 ・危険防止のために、今後必要 になって くるもの と考 える。
2.
高齢患者か らの攻撃的行動の検 討 本研 究で語 られた事例は60歳代∼90歳代 で、すべて高齢患者 の事例であった。木研究成果は、 高齢者 による怒 りや攻撃的言動-の熟練看護師 による看護 実践内容 ともいえる。 語 られた攻撃 的行動 は、① 自宅-の帰宅欲求か らの安静保持 困難 ・排桐 ・離院、②食事 を摂取す ること-の 拒否 ・食事介助-の拒否、③夜 間せ ん妄 時にお ける混乱、④入浴介助-の拒否 、⑤処置や身体 的介助時の性 的言動 といった状況おいて分類 された。 この結果か ら、高齢者か ら看護師が受 け る攻撃や暴力は、高齢者 のセル フケアが低 下した状態 において、高齢者がケア提供者か ら直接 的ケアを受 ける相互交流場面において起 きていることが明 らかになった。 高齢者 に よる怒 りや 攻 撃 的言動 につ い て は、 一般 的 に英 国お よび先進 国で はPulsford D (2006)が指摘 してい るよ うに、暴力 とい う表現 をほ とん どせず に、攻撃や攻撃的行動 といった 用語が使用 され てい るO これ は高齢 に よる精神 的問題やせ ん妄 な どの認知機能の低下が伴 う場 合、攻撃や暴力 を起 こす加 害者 として高齢者 を捉 えること自体、看 護者 に とって困難 であるこ と、また、暴力 とい う言巣 には深刻 な内容が含まれていると思われ るため、看護師に とっては、 そ う簡単に使 うことができない用語であるためだ(Astrom他,2004)0 本研 究では、対象者 に よ り高齢者 による攻撃的行動 も実際 にあ り、その間題 に どの よ うに対 -266-患者からの攻撃的行動に対する効果的看護実践の検討 策 をとってい くべきか を現場の中で試行錯誤 している旨が語 られ ていたO対象 となった熟練看 護師たちは、かつては高齢患省か らの攻撃や暴力的言動 の問題 をP山srordD(2006)が指摘 して いるよ うに、取 り しげること-の抵抗感 を強 く抱 いていた。 それが様 々な精神科看護領域 か ら の攻撃や暴力の問題 に関す る情報や 自身の研修経験 な どを通 して大 き く変化 し、医療 チーム内 での問題 と認識 し、 きちん と対応 す るこ と自体 が、高齢者 のQOLを尊重 したケア を提供す る 上では不可欠であるとい う認識 を明確 にもってい ることが明 らかになった。 すなわち、高齢者 か らの攻撃は看護師の受 け止 め方 によっては暴力 にもな りうるが、暴力 と受 け とめる看護帥 自 身の認識がおか しい と看護師側 の問題 と して しま うのではな く、また、身体的な外傷があって 初 めて暴 ノJと意味づ けるのではな く、た とえ原 因や理 由が様 々な疾患や病状 に よるもの とはい え、看護師 Fl身の心身 に深刻な影響 を与 える可能性 があることを認識 していた点が共通 してい た。 高齢者 による攻撃や暴 力には、 「ひっかかれ る」、 「つね られ る」、 「かまれ る」、 「たたかれ る」 な どの行為が含 まれ、あま りにも 日常的 に生 じているために、 しば しば大 した ことではない と 認識 され ことが多いo仕事 L・_は些細な不便 さであ り、攻撃 を受 けてい るスタ ッフ間で も共有 さ れ ることはない。 しか し、慢性 的で継続的 に生 じる不快感や苛立 ちは、ケア提供者 自身の高齢 者-の対応 を攻撃的で高圧的なものに して しま う可能性が大 きく、ケアの悪循環 を引き起 こ し かねない
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ら(2005)は似 た よ うな施設 にお いて も攻撃的事例 の発作率 は大 き く異な るこ とを報告す る中で、攻撃性 に対応す るス タッフの さま ざまなや り方が影響 してい ることを指摘 している。 高齢者による攻撃的行動の問題 について正 しい知識や情報 を共有す る機会 をもっ こと、また、 各 々の看護師が高齢患者 か ら受 けた攻撃や暴力の問是副こ関す る体験 を率直に語 り合 える機会 を 定期的にもっことも必要になって くると思われ る。 熟練看護師 自身が 日ごろか ら教育的に攻撃 や暴力に関す る情報 を職場で流す 、職場の同僚 と話 し合 うことを意識的に実施 していることか らも、看護師 自身が 自分が前提 と している高齢者の攻撃や暴力-の認識 について、互いに話 し 合 うことが重安 になって くることが示唆 され た。3.
本研究の限界 と課題 につ いて 本研究の対象者 はネ ッ トワー クサ ンプ リングに よ り選定 された対象者であ り、地域や 医療機 関の特性 、医療機 関を利用 してい る患者 の特性 、対象 となった熟練看護 師個人の特性 が及 ぼす 研 究結果-の影響 を考慮すべ きであるC また、対象者数が少 ない とい うことも、結果 を一般化 できない研究の限界であると考 え られ る。 また、今回は医療機 関を対象 に調査 を実施 したが、 老人保健施設や介護施設におけ る熟練介護士あるいは熟練看護師 による効果的看護実践に関す る調香や 、本研 究結果 よ り明 らかになった食事介助 、排他介助 、入浴介助 、安全を保持す るた めの介入 といった高齢者 による攻撃や暴力的言動が比較的多 く見 られ る状況に、重点的に焦点 を当てた詳細な参加観 察や 面接調査 を実施す ることによ り、介入技術 を明確化す ることは今後 の課題 であるo 1 267-鈴^啓了、石野麗+、永田美和子、大城凌子、森田恵子、木川幸代、金城祥教、安和やよい
ⅥⅠ
.
おわ りに
本研 究 は、近年 問題 になってい る一般 の医療機 関 を利 用す る高齢者 に よる怒 りや攻撃 的言動 (例 :暴言 、噛む、たた く、蹴 るな ど)に焦 点 をあて、高齢者 のQOL
を尊重 し、かつ高齢者 と看 護者双 方の安全 お よび安心感 を保持す る看護 実践 は何 か を明 らか にす るために、 リハ ビ リテー シ ョン病院 に勤務 す る精神 科看護経験 を有す る熟練看護 師 を対象 にケア場 面の参加観 察そ して 面接調査 を実施 した。本研 究の対象者 は、先進 的 な取 り組 み を ここ数 年 にわた り実施 している 施設 の看護 管理者 、看護者 が 中心 であ り、数 も少 ない。対象者 が限定 され てい るが、ある地域 にお け る患者集 団や看護 師集 団 に特徴 的 な実践モデル が導 かれ た もの と考 え られ る。 今後、 さ らに対象者 数 を増やすな ど して、本研 究で得 られ た結 果 に関す る妥 当性の検証 を していきたい。謝辞
本研 究 に御 協力 を頂 きま した医療 関係者 の皆様 、特 に面接調査 に御協 力を頂 きま した看護師 の皆様 には貴重 な ご経験 を語 っていただ きま した こ と感謝 申 し上げます。 最後 にな りま したが、本研 究の一部 は財団法人 フランスベ ッ ド ・メデ ィカル ホームケア研究 ・ 助成財 団か ら平成19年度 の研 究助成 を受 けて実施 した ものです。 関係者 の皆様 には改 めて感謝 申 し上 げます。引用文献
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