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自己表現活動を目指したライティングの授業

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Academic year: 2021

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(1)自己表 現 活 動 を 目指 した ライ テ ィ ン グ の授 業. 宮. 田. 学. 1.「 ラ イ テ ィ ング 」 の 考 え 方 と実 態 大 学 生 と もな れ ば 、 中 学 ・高 校 で の 英 語 学 習 を 通 して 英 語 の 基 本 と語 彙 を 学 び 、 限 られ て い る とは い え 、英 語 で発 信 す る 力 を身 につ け て い る は ず で あ る。 と こ ろ が 、 平 均 的 大 学 生 は 、 か な ら ず し もそ うな っ て は い な い 。 な ぜ で あ ろ うか。 1つ は 英 語 に 対 す る姿 勢 の 問 題 が あ る 。 日本 人 は と もす る と完 壁 な 英 語 を 求 め 、 日本 語 な ま り の発 音 、 片 言 の 英 語 、 誤 りの あ る英 語 で は い け な い 、 とい う気 持 ち が 強 過 ぎ る。 も う1つ の 理 由 は学 習 法 に あ る。 本 来 な ら ば 、 中学 か ら高 校 、1年 か ら2年 へ と学 習 を重 ね る に した が っ て 、 英 語 で 表 現 で き る こ とが 多 く な る は ず で あ る。 と こ ろ が 、 英 文 法 、英 文 和 訳 、 和 文 英 訳 な どの 学 習 活 動 に 多 くの 時 間 を費 や す た め 、 与 え られ た 英 語 を 日本 語 に 、 日本 語 を 英 語 に とい う こ と は で き て も 、 学 習 した英 語 を 「自分 の 立 場 で 使 う」 こ とが うま くで き な い の で あ る。 周 知 の よ うに 、1989(平. 成 元)年 告 示 の 高 等 学 校 学 習 指 導 要 領 に お い て 、 「ラ イ テ ィ ン グ」 と. い う科 目が 初 め て 登 場 した 。 そ れ 以 前 は 、 「作 文(Composition)」 た も の で あ る。 そ の 後1999(平. 成11)年. 「 英 語nC」. な ど と呼 ば れ て い. に 改 訂 され た 現 行 の 指 導 要 領 で も 、 同 じ科 目名 が 踏 襲 さ. れ て い る。 「ライ テ ィ ン グ 」 とい う呼 び 方 は 、 「 和 文 英 訳 」 と の 違 い を意 識 し、 書 く活 動 の 能 動 的 、 創 造 的 側 面 に 着 目 した も の で あ る 。 「自 由 英 作 文 」 あ る い は 「 英 文 エ ッセ イ 」 を 書 く こ とが 、 そ の 代 表 的 な 活 動 とな る。 現 行 の 指 導 要 領 で は 、 「ライ テ ィ ン グ」 の 目標 や 言 語 活 動 を以 下 の よ う に 規 定 して い る(注1)。. [目. 標]情. 報 や 考 え な どを 、 場 面 や 目的 に 応 じて 英 語 で 書 く能 力 を 更 に伸 ばす と と も に 、. こ の 能 力 を 活 用 して 積 極 的 に コ ミ ュニ ケ ー シ ョ ン を 図 ろ う とす る態 度 を 育 て る。 [言 語 活 動]生. 徒 が 情 報 や 考 え な どの 送 り手 や 受 け 手 に な る よ うに 具 体 的 な 言 語 の使 用 場 面 を. 設 定 して 、 次 の よ うな コ ミュ ニ ケ ー シ ョン活 動 を 行 う。 ア. 聞 い た り読 ん だ り した 内 容 に つ い て 、 場 面 や 目的 に応 じて 概 要 や 要 点 を書 く。. イ. 聞 い た り読 ん だ り した 内 容 に つ い て 、 自分 の 考 え な ど を整 理 して 書 く。. ウ. 自分 が伝 え よ う とす る 内 容 を整 理 して 、 場 面 や 目的 に 応 じて 、 読 み 手 に 理 解 され る よ う に書 く。. そ の他 、 「 文 章 の 構 成 や 展 開 な ど に 留 意 しな が ら書 く」 とか 「 書 く過 程 を重 視 す る 」 な どの 留.

(2) 意 点 が 見 られ る。 こ の よ うな 学 習 指 導 要 領 の 意 図 が 実 現 され て い れ ば 、 英 語 で 発 信 す る 力 を備 え た 高 校 生 が 大 学 に 入 っ て く る はず で あ る。 そ こで 、 実 態 を 明 らか に し よ う と、 宮 田 が か つ て 所 属 したJACET (=大 学 英 語 教 育 学 会)の. 「 誤 文 研 究 会 」 で は 、 大 学1年. を1999年 に 行 っ た。 高 校 時 代 の3年 「全 然 や ら な か っ た 」80名(27 (26.1%)と. 生300名 を 対 象 に した ア ン ケ ー ト調 査. 間 で 泊 由 英 作 文 」 に 取 り組 ん だ 回 数 を た ず ね た と こ ろ 、. .5%)「1∼2回. 、7割 以 上 の 人 が せ いぜ い1年. や つ た 」51名(17.5%)「. 数 回 や っ た 」76名. に1回 程 度 しか 取 り組 ま な か っ た と い うこ とが わ か. っ た の で あ る(注2)。. 2.大. 学 にお け るライテ ィング指導 とライテ ィング教材. 高 校 で の こ う した 実 態 を踏 ま え 、 宮 田 は ラ イ テ ィ ン グ指 導 に 関 して 「accuracyより もnuency」 「和 文 英 訳 よ り も 自 由英 作 文 」 「 形 式 よ り も 内容 」 と い う3つ の 提 言 を して き た 。 習っ た 英 語 を 自分 な りに どん どん使 う機 会 を保 障 してや る こ とが 、 何 よ り も必 要 で あ る と考 え た か らで あ る。 そ れ を実 現 す るた め に 、 人 文 社 会 学 部 の 発 足 時(1996年4月)よ. り、1年 生 向 け の 「 英 語 リフ レ. ッシ ュ1」 の 授 業 を 中 心 に 、 望 ま しい ラ イ テ ィ ン グ活 動 を 目指 した 試 み を続 け て き た(注3)。 一方. 、 大 学 生 向 けの 英 作 文 の テ キ ス トに 目 を 向 け て み る と、 従 来 の 和 文 英 訳 を 中 心 に 編 集 され. た り、 パ ラ グ ラ フ の 構 成 法 に 重 点 を置 い た り、 あ るい は 、 社 会 問 題 な ど難 しい テ ー マ に 取 り組 ま せ た り と、 宮 田 の提 言 に 沿 っ た 授 業 を実 現 す る の に 適 した もの が あ ま り見 当 た らな か つ た 。 そ こ で、 「 誤 り を気 に しな い で 、 どん どん 英 文 で 自己 表 現 す る 」 こ と を念 頭 に 置 い て 、 自 己 表 現 活 動 を うな が す よ うな ライ テ ィ ン グ教 材 を 自作 す る こ と に した 。 ま ず 、 以 下 の よ うな基 本 方 針 を 立 て た。. ア)ま. とま りの あ る英 文 を た く さん 書 け る よ うに な る こ と を 目指 す 。. イ)自 分 自身 の こ とを 英 文 で 書 くの に役 立 つ よ うな モ デ ル や 例 文 を 用 意 す る。 ウ)大 学 生 活 や 日常 生 活 を 振 り返っ て 、 書 くた め の 素 材 を 集 め る機 会 を 与 え る 。 エ)自 然 に 話 され る英 語 を 聞 き 取 り、 英 作 文 に 役 立 つ 情 報 を収 集 す る練 習 を行 う。 オ)誤. りを で き る だ け 減 ら し、 書 き 手 の 意 図 を 正 し く伝 え るた め の助 言 を 与 え る。. カ)よ. り よい 英 作 文 を 書 くた め の ヒ ン トや 情 報 を 提 供 す る。. キ)以 上 の 学 習 を 通 して 、 さ ま ざ ま な 場 面 や 状 況 に お い て 自 己 表 現 で き る 能 力 を 養 う。. こ の よ うな 方 針 に従 い 、 本 学 の 外 国 人 教 師 の1人Joseph  Stavoy氏 と と もに 、 英 文 パ ラ グ ラ フや 練 習 問 題 を作 成 した 。 こ れ を 編 集 した 教 材 が 、"Can't Stop Writing〈 英 語 で 書 い て み よ う 〉"と 題 す るテ キ ス トと して 、2005年2月. に 三 修 社 よ り発 行 され る こ と に な っ た の で あ る。.

(3) 3.テ. キ ス トの 構 成 と 活 動 内 容. テ キ ス トは 、 ま ず"Warm-upUnit"で. 始 ま り、 日 本 語 を 介 入 しな い で 英 語 で 表 現 す る こ と に 慣. れ る と と も に 、 英 文 の パ ラ グ ラ フ に つ い て の初 歩 的 な 学 習 を 行 うよ うに な つ て い る。 学 生 た ち は 日本 語 の 世 界 に 安 住 し て い る こ と が 多 い の で 、[Let's. Remember]の. 問題 で、先 週 の金 曜 日に ど. ん な こ と が あ っ た の か を 思 い 起 こ させ 、 英 語 の 世 界 に 引 き 込 む 。 問 題 に 取 り組 む 前 に 、 教 師 が 英 語 で質 問 し、 各 自 の答 え を 頭 の 中 で 考 え させ た り、 指 名 した 学 生 に 英 語 で 答 え させ る よ うな 活 動 を して お く と 、 ス ム ー ズ に 書 き 始 め られ る。 そ れ に 続 く 本 編 で は 、 ユ ニ ッ トの テ ー マ を 、 大 学 生 が 自 分 自 身 の こ と を 振 り返っ て 書 く の に ふ さ わ し い も の 、 書 き や す い も の に 絞 っ た 。 つ ま り 、 大 学 生 と して の 生 活 に 足 場 を 置 い た 内 容 を 優 先 し 、 自 分 自 身 の 生 い 立 ち と 家 族 、 自 分 が 通 う 大 学 と そ こ で の 日課 、 友 だ ち 、 ア ル バ イ ト、 週 末 の 過 ご し 方 、 旅 行 、 高 校 時 代 の 思 い 出 、 な ど と い う身 近 な テ ー マ を 設 定 し た 。 ま た 、 太 田 将 人 君 、 北 川 早 苗 さ ん と い う2人 "Warml2"ま. up. Unit"か. ら1つ. の 主 人 公 を は じめ 、 身 近 に い そ うな 大 学 生 や そ の 家 族 が 登 場 し、 の ま と ま っ た ス トー リ ー が 展 開 す る よ う に 工 夫 し た 。 最 後 の"Unit. で 通 して 学 習 して ゆ く と、 主 人 公 た ち の 人 物 像 や 他 の 登 場 人 物 との 人 間 関 係 な どが わ か る. よ うに な っ て い る。 各 ユ ニ ッ トの 構 成 と 学 習 内 容 は 以 下 の と お り で あ る が 、[Let's Write]に. いた るまで の さま ざま. な 演 習 は 英 作 文 を 書 く た め の 、 い わ ば 準 備 運 動 と な っ て お り 、[Let's Write]の. 課 題 を こ なす こ と. が 各 ユ ニ ッ トの 最 終 目標 と な る 。. 1)[Let's. Pronounce. and Learn]. ユ ニ ッ トに 出 て く る 比 較 的 難 し い 語 彙 、 日 本 人 が 誤 りや す い 表 現 を 取 り 上 げ て あ る 。 音 声 教 材 を併 用 して練 習 す る。 2)[Let's. Read]. モ デ ル と な る パ ラ グ ラ フ を 読 み(テ. ー プ ま た はCDで. 聞 き)、 英 語 の 質 問 に 英 語 で 答 え る 。 奇. 数 ユ ニ ッ トは 北 川 早 苗 さ ん 、 偶 数 ユ ニ ッ トは 太 田 将 人 君 が 書 い た パ ラ グ ラ フ と な っ て い る 。 3)[Let's. Listen]. モ デ ル と な る パ ラ グ ラ フ を 聞 い て 、 そ の 要 点 を 英 語 ま た は 日本 語 で 答 え て 表 を 完 成 す る[Part A]の. 問 題 と 、 会 話 を 聞 い て 設 問 に 答 え る[Part. [Part A]の. 問 題 が あ る 。[Let's. Read]と. は逆に、. 奇 数 ユ ニ ッ トは 太 田 将 人 君 、 偶 数 ユ ニ ッ トは 北 川 早 苗 さ ん の 書 い た パ ラ グ ラ フ を 聞. き 取 る 。[Part B]の 4)[Let's. B]の. 会 話 に は 、 こ の2人. を 中 心 に 、 い ろ い ろ な 人 物 が 登 場 す る。. Answer]. 自 分 自 身 の こ と を 振 り返 っ て 、15∼20程. 度 の 質 問 に 答 え る。 質 問 に英 語 で 答 え た り、 与 え られ.

(4) た 答 え の 中 か ら選 ん だ り し な が ら 、 自 己 表 現 す る た め の 素 材 を 整 理 整 頓 し 、 ユ ニ ッ トの テ ー マ に 関 して 英 作 文 す る 内容 を ふ く ら ませ る。 5)[Let's . Practice]. 日本 の 大 学 生 が お か しが ち な 誤 りを取 り上 げ て 解 説 して あ る。 そ れ を 読 ん で か ら、 誤 りを 訂 正 し た り 、 正 し い 形 に 変 え た りす る 練 習 問 題 に 取 り組 む 。 問 題 に 出 て く る 誤 文 例 は 、 か つ て 宮 田 が 担 当 した ク ラ ス の 大 学 生 た ち が 実 際 に書 い た 英 作 文 に 見 られ た も の で あ る。 6)[Let's  Write] ユ ニ ッ トの 学 習 の 総 仕 上 げ と し て 英 作 文 を 書 く こ と に な る 。 易 し い も の か ら 難 し い も の ま で 、 3種 類 の 課 題 を 用 意 した 。[Task  A]は[Let's  題 、[Task  B]は[Let's  [Task  C]は. Answer]の. Read]の. パ ラ グ ラ フ を 自分 の 立 場 で 書 き 換 え る 問. 答 え を も と に し て レ ポ ー ト用 紙1∼2枚. レ ポ ー ト用 紙2∼3枚. に ま とめ る 課 題 、. を 目標 に 自 由 に 英 作 文 す る 課 題 で あ る 。1つ. の課 題 を選 ん で. 英 作 文 す る よ うに指 示 が 与 え られ る。 7)[Writing . Tips]. 英 作 文 上 達 法 を伝 授 した り、 英 語 の 句 読 法 や 文 章構 成 法 の基 本 に つ い て 解 説 す る。. 巻 末 に は 、 自 己 表 現 に 役 立 つ 語 彙 を13の 分 野 ・項 目別 に ま と め た"Word 各 ユ ニ ッ トの[Let's  Pronounce  and Learn]を. Bank"を. 収 録 した。. 補 う た め の 語 彙 リ ス トで あ る 。 学 生 た ち に は 、 で き. る 限 り英 語 レ ベ ル で 英 文 を 綴 る こ と を 心 が け て ほ し い の だ が 、 よ い 表 現 が 出 て こ な い 時 に は 、 日 本 語 が 頭 に 浮 か ん で く る に 違 い な い 。 そ ん な 時 に 手 軽 に 利 用 で き る 語 彙 リ ス トが あ る と よ い の で は な い か と考 え 、 英 作 文 す る 際 に 学 生 た ち が 一 番 困 る と思 わ れ る名 詞 表 現 を 中 心 に整 理 、分 類 し て あ る。. 4.テ. キ ス トを 用 い た 授 業 展 開. 2005年. 度 前 期 に 、 宮 田 が 担 当す る. ラ ス:27名)に [資 料1]に. て 、"Can't. Stop. 「英 語 リ フ レ ッ シ ュ1」(人. Writing"を. 文 社 会 学 部 人 間 科 学 科1年Aク. 用 い た 授 業 を 実 施 し た 。 計13回 行 つ た 授 業 の 内 容 を. ま と め て お い た 。 各 ユ ニ ッ トの 学 習 に は1授. 業 時 間 を 充 て た が 、 ほ ぼ 以 下 の よ うな. 手順 で行 っ た 。. (1)[Let's. Pronounce. and Learn]の. 学 習(5分. 1)テ. ー プ の あ とに つ い て発 音 練 習. 3)再. 度テ ープ を用 いて発音 練 習. (2)[Let's 1)テ. Read]の. 学 習(10分. 2)必. 程 度) 要 な 説 明 を加 え る. 程 度). ー プ を 聞 き な が ら本 文 を黙 読 す る. 2)質. 問 に 対 す る答 え を 記 入 す る.

(5) 3)答. 合 わせ. (3)[Let's . Listen:  Part  A]の. 学 習(15分. 程 度). 1)テ. ー プ を 聞 き な が ら(2回)表. 3)ス. ク リ プ トの 一 部 を ブ ラ ン ク に し た 書 き 取 り用 紙 を 配 布 し 、 小 テ ス ト と し て 実 施 す る 。. (4)[Let's . Listen:  Part  B]の. を 完 成 す る  . 学 習(10分. 2)答. 合 わせ. 程 度). 1)設. 問 を 黙 読 す る  . 2)テ. ー プ で 会 話 を 聞 き な が ら(2回)答. 3)答. 合 わ せ  . 4)ス. ク リプ トを 配 布 し 、 テ ー プ で 確 認 す る. (5)[Let's  1)各. Answer]の. 学 習(10分. 程 度). 自 、 自 分 の 答 え を 記 入 す る  . (6)[Let's . Practice]の. えを記入 す る. 学 習(15分. 2)残. りは 宿 題 とす る. 程 度). 1)解. 説 部 分 を 指 名 さ れ た 学 生 が 読 む  . 2)必. 要 な 説 明 を加 え る. 3)練. 習 問 題 の 答 え を 記 入 す る  . 4)答. 合 わせ. (7)[Writing  1)指 (8)課. Tips] ,の 学 習(5∼10分). 名 され た 学 生 が 読 む  . (1)英 "C. 要 な説 明 を加 え る. 題 の指 示 [Let's  Write]で. 5.自. 2)必. 取 り組 む 課 題(最. 後 のTask C)を. 確 認 して 終 わ る. 由 英 作 文 と誤 文 指 導 作 文 の 提 出 と添 削 an't Stop Writing"の. 目的 は. 「誤 り を 気 に し な い で 、 ど ん ど ん 英 文 で 自 己 表 現 す る こ と 」 に. あ る の で 、 必 ず し も英 作 文 を 毎 回 提 出 させ る 必 要 は な い 。 英 作 文 を書 く だ け で も抵 抗 を覚 え る 学 生 も い る だ ろ うか ら 、 提 出 を 義 務 づ け ず 、 気 楽 に 書 か せ た ほ う が 良 い 。 ま た 、 英 作 文 を 添 削 す る 必 要 もあ ま りない と考 え て い る。 少 な く と も、 英 作 文 が 提 出 され る た び に 必 ず 添 削 して 返 す の は 、 か え っ て 逆 効 果 と な る の で は な い だ ろ うか 。 学 生 た ち に と っ て は 、 添 削 さ れ て 赤 ぺ ン ば か り が 目 立 つ 英 作 文 を 返 さ れ る の は 、 書 く 意 欲 が 減 退 す る こ と に な り か ね な い 。 「読 み ま し た 」 と い う サ イ ン だ け す る 、 読 ん だ 感 想 を1行. 程 度 の 英 語(ま. た は 日本 語)で. 書 い て や る 、 添 削 しな い で 誤 り. の あ る箇 所 を示 す だ け に す る 、 な どの 方 法 で 返 せ ば よい 。 課 題 を毎 回 提 出 させ る場 合 に は 、 これ らの 方 法 を 適 当 に 混 ぜ る とい うや り方 も考 え られ る。 宮 田 の 場 合 は 、2∼3ユ. ニ ッ ト毎 に1回(合. 計4回)提. 出 させ 、 誤 りの あ る 箇 所 を 指 摘 す る だ. け に と ど め 、 評 価 を つ け て 返 却 し た 。 こ の 方 法 を と る と 、 学 生 た ち に と っ て は 、2∼3の の 中 か ら好 き な テ ー マ を1つ. テー マ. 選 ん で 課 題 に じ っ く り取 り組 め る 。 教 師 に と っ て は 、 英 作 文 を 点 検. す る 回 数 を 少 な く 抑 え られ 、 添 削 す る ほ ど の 作 業 量 で も な い と い う こ と で 、 ラ イ テ ィ ン グ 指 導 に つ き も の の 負 担 を 軽 減 す る こ と が で き る。.

(6) (2)誤. 文指導. 「 誤 文 指 導 」 と は 誤 りの 発 生 を低 く抑 え るた め の 指 導 で 、 宮 田 は これ を 「 使 わせ る指導 」 「 ま とめ の 指 導 」 「 治 療 的 指 導 」 な ど、7つ. の タイ プ に 分 け て 考 え て い る(注4)。. 自由英作 文は 、 こ. の う ちの 「 使 わ せ る 指 導 」 に あ た る。 日本 の英 語 教 育 の 現 状 は 、学 習 した 英 語 を 「自分 の 立 場 で 使 う」機 会 が き わ め て 少 な い 。 使 う機 会 を設 け れ ば 、 言 語 使 用 の 量 が 増 え る。 使 用 量 が 増 え る と 誤 りも増 え る が 、 誤 りを 恐 れ て い て は 何 も始 ま らな い 。 誤 り を気 に しな い で 、 どん どん 英 文 で 自 己表 現 す る こ とで あ る。 そ れ が"Can't  Stop  Writing"の 最 大 の 目的 で あ っ た 。 た だ し、 学 生 た ち が お か す 誤 り をそ の ま ま に して お く と、 同 じ誤 りを繰 り返 す こ とに な る。 そ こで 「 治 療 的指 導 」 が 必 要 とな る。 宮 田が 行 っ た 治 療 的 指 導 は 、 個 人 レベ ル の 指 導 と ク ラ ス 全 体 を 対 象 に した 指 導 の2種 類 で あ る 。 (3)個. 人 レベ ル の 治 療 的 指 導. 05年 度 の 「 英 語 リフ レ ッシ ュ1」 の授 業 で は 、 す で に 述 べ た よ うに 、 自由 英 作 文 の 課 題 を 合 計 4回 提 出 させ た。 提 出 され た 課 題 は 、 次 の よ うな 要 領 で 返 却 した 。 まず 、 英 文 を 読 み な が ら、 文 法 的 誤 りや 綴 り ミス に 赤 エ ン ピ ツで 下 線 や 印 を施 す 。 イ ン デ ン ト や パ ラ グ ラ フ の構 成 に つ い て も、 注 意 を うな が す([資 内 容 や 誤 りの 数 を考 慮 して 、A、B、Cと+一. 料2]参. 照)。 読 み 終 わ っ た ら、 英 作 文 の. を併 用 して9段 階 で 評 価 す る。 これ を ひ と通 り終. え た 時 点 で 、 同 じ評 価 を つ け た 作 品 を 集 め 、 そ の グ ル ー プ 毎 に 再 読 す る。 これ は 評 価 を調 整 す る こ とが 目的 な の で 、 英 文 を 素 早 くサ ッ とな が め る よ うに して 読 む こ と に な る。 英 作 文 を 学 生 た ち に返 却 す る 際 に 、 赤 エ ン ピ ツ で 示 され た 箇 所 に つ い て 自分 で 修 正 を 施 す よ うに 指 示 す る。 誤 りを減 らす た め に 添 削 す る、 とい う教 師 もい る だ ろ う。 確 か に 誤 りは 個 性 的 な も の で 、 英 作 文 を 丹 念 に 点 検 す る と、 書 い た 学 生 の 特 徴 が 浮 か び 上 が る。 しか し、 す べ て の誤 りを 教 師 の 手 で 直 す の は 、 そ れ に要 した 労 力 と時 間 に は必 ず し も見 合 っ て い な い 。 教 師 に よ る 一 方 的 な訂 正 作 業 に よ っ て 英 文 を 改 良 し て も、 学 習 者 に そ の よ うな 力 が つ く とい う保 障 は な い 。 治 療 的 指 導 にお い て 大 切 な こ と は 、 学 習 者 自身 の 手 で誤 り をみ つ け 、誤 りを な くせ る よ うに 方 向 づ け て や る こ とで あ る。 誤 り を指 摘 す るだ け に と どめ る の は 、 そ う した 経 験 や 方 針 に 基 づ い て い る。 (4)ク. ラ ス レベ ル の 治 療 的 指 導. 誤 りは 個 人 的 な 性 格 を備 え て い る と は言 うも の の 、 日本 人 の お か す 誤 りに は 共 通 した 一 定 の 傾 向 が 見 られ る。"Can't Stop Writing"で. は 、[Let's Practice]に て 大 学 生 が 過 去 に お か した誤 りを. 取 り上 げ 、 ユ ニ ッ ト毎 に特 定 の誤 りに 的 を 絞 っ て 解 説 す る と と も に 、 練 習 問 題 を 盛 り込 ん で あ る。 こ の セ ク シ ョ ン の 学 習 で 、 日本 人 特 有 の誤 り を か な り減 らす こ とが 可 能 だ と考 え て い る が 、 「 英 語 リフ レ ッシ ュ1」 で は 、 最 初 の 課 題 を返 却 す る前 に 時 間 を確 保 して 、 ク ラ ス レベ ル の 治 療 的 指 導 を 実 施 した 。 提 出 され た 課 題 を 読 み な が ら誤 りを 指 摘 す る 作 業 を行 うこ とは 、 す で に 述 べ た とお りで あ る。.

(7) これ らの 誤 りの 中 か ら適 当 な も の を選 ん で 、 順 次 ワー プ ロ入 力 す る。 そ れ を 冠 詞 、 前 置 詞 、 時 制 の 誤 りな ど に 整 理 ・分 類 し 、[資 料3]の こ が お か し い か?」. よ う な プ リ ン トを 作 成 す る 。 こ れ を 授 業 で 配 布 し、 「ど. と 問 い か け て 順 に 考 え さ せ 、 誤 りの 種 類 が 明 ら か に な っ た と こ ろ で 、 正 し い. 表 現 を確 認 す る。 こ の 作 業 が す べ て 終 わ っ た 時 点 で 英 作 文 を 返 却 し、 学 生 た ち に 自分 の 誤 りを 訂 正 させ た の で あ る。. 6.学 "C. 生 た ちの反応 an't Stop Writing"を. 用 い て 進 め た授 業 を 、 従 来 の 和 文 英 訳 の 授 業 と比 較 して そ の 特 色 を ま. と め て み る と 、 だ い た い 以 下 の よ うに な る で あ ろ う。. 最 後 の 授 業 に て 、 この よ うな特 色 を確 認 した あ と で 、 授 業 ア ンケ ー トを 実 施 した 。 そ の 主 な 結 果 を[資 料4]に. ま とめ て み た 。. 新 しい 方 式 の ラ イ テ ィ ン グ 授 業 に つ い て(質. 問1)は. 、 全 員 が 「(とて も)よ か っ た 」 と 回 答. して い る。 そ の理 由 を 多 い順 に整 理 す る と、 「自分 自身 の こ とを 自由 に 書 け た 」 「リス ニ ン グ が た め にな った 」 「 予 習 が な くて よか っ た 」 「 英 作 文 を 先 生 に チ ェ ック して も らえ た 」 「 い ろい ろな活 動 が で き た 」 とな る。 以 下 に 、代 表 的 な 記 述 を紹 介 して お こ う。. ・従 来 の もの よ りず っ と実 用 的 で あ るか らで す. 。 「書 く」 「 聞 く」 の 両 面 を鍛 え て い く こ と に よ っ. て 、 一 方 的 で な い 、 双 方 的 な コ ミ ュニ ケ ー シ ョン へ と近 づ け た の で は な い か と思 い ます 。 文 法 を気 に しす ぎ ず 、 と に か く書 く!要 は 「 伝 え る」 こ とが 大 事 な の で す 。 ・全 員 の 英 作 文 が 添 削 され る の は うれ しい 。 自分 の 興 味 あ る こ との 英 作 文 の ほ うが 日本 文 を 英 文 に 直 す よ りた め に な る。 ・リス ニ ン グ が 苦 手 な の で 、 毎 回 や る聞 き 取 りは 勉 強 に な りま した 。 家 で じつ く り考 え られ る の が よか っ た で す 。 予 習 が な くて あ りが た か つ た で す 。 発 表 しな くて い い こ と も よか っ た 。 ・予 習 を し な くて も 責 め られ な い か ら 。 英 作 文 が い つ か役 立 ちそ うな 、 自分 自身 の こ とだ っ た か.

(8) ら。 ・「聞 く 」 活 動 が よ い と 思 う。 穴 埋 め で 、 英 語 独 特 の 音 の く ず し 方 が 少 し わ か る よ う に な り ま し た 。 英 作 文 で も 、 誤 り を 指 摘 さ れ て 自 分 で 調 べ る の で 、 面 倒 だ け れ ど 、 力 が つ く 気 が しま す 。. 「英 作 文 す る の に 役 立 っ た も の 」(質 Answer],[Let's . Practice]の3セ. 問2)に. 対 す る 回 答 の 上 位 に[Let's . Read],[Let's. ク シ ョ ンが 入 っ て い る。 身 近 な 大 学 生 が 書 い た パ ラ グ ラ フ を 読. み 、 自 分 自 身 の こ と を 振 り返 る こ と が 英 作 文 の 構 想 に 役 立 ち 、 誤 り を 少 な く抑 え る 学 習 が 英 文 の 質 を 高 め る の に 効 果 が あ っ た と 考 え て い る こ と が うか が え る。 「英 文 を 書 く こ と に 対 す る 抵 抗 感 」(質 問3)が 人(77.8%)、. 「英 文 で 自 己 表 現 」 す る 目 標(質. (70.4%)お. 「か な り/少 問4)が. し な く な っ た 」 と い う 学 生 が21. 「多 少 達 成 で き た 」 と 考 え る 学 生 が19人. り、 ライ テ ィ ン グ の 望 ま しい 授 業 が 多 少 な り と も実 現 で き た の で は な い か と判 断 し. て い る。 「英 作 文 の 添 削 パ タ ー ン 」 に つ い て(質 で よ い と 答 え て い る 一 方 で 、9人(33.3%)が 要 望 は 、 改 善 点(質. 問6)を. 問5). は 、17人(63.0%)が. 「誤 り を 指 摘 す る の み 」. 「誤 り を 直 して 」 欲 し い と答 え て い る 。 こ う し た. 書 い て く れ た16人 の う ち3人. が あ げ て お り、 一 部 の 学 生 に 根 強 く 見. 受 け られ る 。 改 善 点 や そ の他 の 記 述 で は 、 英 作 文 の テ ー マ に 関す る も の が 目立 っ て い た 。 そ れ ら を 含 め て 、 主 な 意 見 を 紹 介 し て お こ う。. ・誤 り を 指 摘 さ れ る だ け な の で 、 結 局 、 ど うい う風 に す れ ば 良 い の か わ か ら な か っ た と こ ろ が あ っ た の で 、 文 法 的 な ミ ス と か は 直 し て ほ しい で す 。 ・先 生 が 大 変 で な け れ ば 、 提 出 さ れ た 英 作 文 に1∼2行. で い い の で 、 コ メ ン ト等 を つ け て く だ さ. る と 、 先 生 と も コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン が とれ て 良 い の で は な い で し ょ うか 。 ・英 作 文 の テ ー マ を も う少 し 幅 を 持 た せ た ほ う が 良 い と 思 い ま す 。 何 回 か 書 く の に 苦 労 し ま し た の で ー..。 ・意 外 と 書 き に く い テ ー マ が 多 か つ た 気 が す る(3つ. の う ち1つ. か2つ. く ら い そ うい うの が あ. る)。 ・Unit3つ. か ら選 ぶ と き に 、 書 き や す い(書. き た い)も. の が3つ. と も だ っ た り 、3つ. と も気 が 進. ま な い も の だ っ た り した こ とが 、英 作 文 を書 く と き に 困 っ た く らい で した 。 ・レ ポ ー ト2枚. 以 上 つ て の は 最 初 長 い と 思 っ た け れ ど 、 慣 れ て き ま した 。 よ か っ た で す 。. ・解 答 す る 時 間 を 長 く し て ほ し い. 7.結. 。. びにか えて. 日本 の 英 語 教 育 の 現 状 を な が め て み る と 、す で に 述 ベ た よ うに 、 言 語 使 用 の 場 面 が 少 な く、 ラ.

(9) イ テ ィ ン グ 分 野 で は 、 英 文 を 自 ら綴 る 量 が 圧 倒 的 に 不 足 し て い る 。 ま ず は 書 く こ と、 つ ま り uencyを. 目 指 す べ き で あ る 。 次 の 段 階 は 、 誤 り を 少 し で も 減 らす よ う に(accuracyに)配. 慮 して fl 、. 英 文 の 質 の 向 上 を は か る こ と で あ る 。 そ して 、 最 終 的 に は 、 さ ま ざ ま な 問 題 に 関 し て 、 自 分 自 身 の 意 見 を 要 領 よ く ま と め て 書 け る よ う に 努 力 す る こ と で あ ろ う。 "C. an't Stop. Writing"の. 最 後 のUnit. l2"My. Opinion"は. 境 問 題 を考 え る ユ ニ ッ トとな っ て い る。 英 語 を使 っ て. 、 さ ま ざま な 社 会 問 題 、 教 育 問題 、 環 「自 己 表 現 」 で き る よ う に な っ た 大 学 生 に. は 、 少 し レ ベ ル の 高 い エ ッセ イ ・ラ イ テ ィ ン グ や ス ピ ー チ 、 デ ィ ス カ ッ シ ョ ン な ど の 活 動 に 取 り 組 ん で 欲 し い と考 え て の こ と で あ る 。. [注] 1)文. 部科 学省. 1999『. 高等 学 校 学 習 指 導 要 領 』 pp.126∼127. 2)宮. 田学編著. 2002『. こ こ ま で 通 じる 日本 人 英 語 一 新 しい ラ イ テ ィ ン グ の す す め 』 大 修 館 書 店. 3)宮. 田学. 1998「. 新 しい 英 語 カ リキ ュ ラ ム の 展 開 ー ラ イ テ ィ ン グ 分 野 に お け る 誤 文 指 導 一 」 『名 古 屋 市 立. 大 学 人 文 社 会 学 部 研 究 紀 要 』 第4号 宮 田学. 1999「. 田学編著. pp.21∼40. 新 しい 英 語 カ リキ ュ ラ ム の 展 開(2)ー. 人 文社 会 学 部 研 究 紀 要 』 第7号 4)宮. p .7. 前掲 書. pp.1∼18. pp.163∼166. 教 養 英 語 の 完 成 に 向 け て 一 」 『名 古 屋 市 立 大 学.

(10) [資 料2]  個 人 レベ ル の 治 療 的 指 導 例.

(11) [資 料3]. Errors. 全体 指導に用 いた プ リン ト. and Mistakes. : Correct. the errors..

(12) [資 料4]  授 業 ア ン ケ ー トの 結 果(2005年7月. 実 施:回 答27人).

(13)

参照

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