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マルチコアAnTにおけるAPとOSの処理分散効果

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Academic year: 2021

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(1)情報処理学会第 81 回全国大会. 1L-03. マルチコア AnT における AP と OS の処理分散効果 小林 優也 † † 岡山大学工学部 1. 佐藤 将也 ‡. ‡ 岡山大学大学院自然科学研究科. はじめに. 2.1. 䜹䞊䝛䝹. 㻔㻮㻕㻌䝰䝜䝸䝅䝑䜽䜹䞊䝛䝹ᵓ㐀㻻㻿. 図 1 処理の分散単位 表 1 分散形態 AP プロセス 集中 分散 集中 分散. 処理の分散単位. OS 処理 集中 集中 分散 分散. マイクロ. モノリシック. 可 可 可 可. 可 不可 不可 可. マイクロカーネル構造 OS の場合 (図 2(A)),2 つの AP プロセスをコア 0,対応する OS 処理 (OS サーバ) を コア 1 とコア 2 に分散させることで,各コアの PU 処 理量を均等化 (20) できる. 一方,モノリシックカーネル構造 OS の場合 (図 2(B)), AP プロセスをコア 0 とコア 1 に分散させると,対応す る OS 処理もコア 0 とコア 1 で実行される.このため, コア 0 とコア 1 の各 PU 処理量は 30,コア 2 の PU 処 理量は 0 となり,負荷分散がうまくできない.. 3 3.1. 評価 内容. 測定した分散形態を図 3 に示す.AP の処理流れを 図 4 に示す.AP は,PU 処理とランダムリード (4KB) を n 回繰り返す.負荷プロセスは,PU 処理と WAIT 状 態 (1ms) を繰り返し実行する.各プロセスの優先度は, OS サーバ,負荷プロセス,AP プロセスの順で高い.ま た,AP1 と AP2 の優先度は等しい. AP1 は n=100 とし処理時間を測定した.なお,負荷プ ロセスと AP2 は,AP1 が処理を終えるまで処理を継続 する.測定には Intel(R)Core(TM)i7-2600(3.40GHz) を 搭載した計算機を用いた.OS は, AnT と Linux3.10 (CentOS-7) を用いた.. 比較. AP and OS Processing Distribution for Multi-core AnT. Yuuya Kobayashi†, Masaya Sato‡, Hideo Taniguchi‡ †Faculty of Engineering, Okayama University ‡Graduate School of Natural Science and Technology, Okayama University. 䡕. 㻻㻿. 㻔㻭㻕㻌䝬䜲䜽䝻䜹䞊䝛䝹ᵓ㐀㻻㻿. 処理の分散形態. AP プロセスと OS 処理の 4 種類の分散形態について, 各 OS が実現可能か不可能かを表 1 に示す. 「集中」は, 複数の処理を同一コア上で実行することを示し, 「分散」 は,複数の処理を各々別コア上で実行することを示す. マイクロカーネル構造 OS は,全形態を実現できる.一 方,モノリシックカーネル構造 OS は,AP プロセスと OS 処理が同じ形態 (「集中」または「分散」) でなけれ ば実現できない. AP プロセスと OS 処理の分散形態の例を図 2 に示す. プロセッサ (PU) 処理の量を数字で表し,AP 処理の量 を 10,対応する OS 処理の量を 20 としている.. 㻭㻼. 㼤㻝. 㻻㻿䝃䞊䝞. マイクロカーネル構造 OS の処理の分散単位を図 1(A) に示す.マイクロカーネル構造 OS は,大半の OS 機能 を OS サーバとして実現する.OS サーバを各コアに分 散することで,AP プロセスと OS サーバをそれぞれ別 のコアで実行できる.つまり,AP 処理と OS 処理を別 の単位 (x0 と x1) として分散できる. モノリシックカーネル構造 OS の処理の分散単位を 図 1(B) に示す.モノリシックカーネル構造 OS は,AP プロセスのシステムコール発行によって OS 処理を実 行する.このため,AP プロセスを各コアに分散するこ とで OS 処理を分散できる.逆に言えば,AP プロセス を各コアに分散しない場合,OS 処理を分散できない. つまり,AP 処理と OS 処理を 1 つの単位 (y) として分 散する.. 2.2. 㼤㻜. 㻭㻼. プロセッサ内のコア数が増加している.マイクロカー ネル構造 OS は,大半の OS 機能をプロセス (OS サー バ) として実現する.このため,AP プロセスを各コア に分散するかどうかに関係なく,OS サーバを各コアに 分散することで OS 処理を分散できる [1].本稿では, マイクロカーネル構造 OS であるマルチコア AnT オペ レーティングシステムとモノリシックカーネル構造 OS である Linux について,AP プロセスと OS 処理の分散 形態の違いに着目した性能を比較し,マルチコア AnT の有効性を示す.. 2. 谷口 秀夫 ‡. 3.2. 結果と考察. 結果を図 5 に示す.図 5 より以下のことが分かる. (1)当然のことながら,AnT と Linux ともに,負荷プ ロセスの PU 処理時間が増加する (つまり,コアの PU 負荷が増加する) と,処理時間は増加する.AP プロセ スは負荷プロセスよりも優先度が低いため,負荷プロ セスが PU 処理を実行している間は処理を実行できな. 1-35. Copyright 2019 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

(2) 情報処理学会第 81 回全国大会. ϮϱϬ. ྛ䝁䜰ẖ䛾ฎ⌮㔞. 㻞㻜. 㻞㻜. 㻝㻜. 㻟㻜. 㻟㻜. 㻝㻜. 㻝㻜. AnT. 㻜. 㻝㻜 㻻㻿䝃䞊䝞 㻞㻜 䝁䜰㻜. 㻞㻜. 䝁䜰㻝. 䝁䜰㻞. >ŝŶƵdž. ϮϬϬ. ฎ⌮᫬㛫㻔㼙㼟㻕. 㻞㻜. 㻞㻜. 㻞㻜. 㻜. 䝁䜰㻜. 䝁䜰㻝. 䝁䜰㻞. ϭϱϬ. ϭϯϬ ϭϬϭ ϵϬ. ϭϬϬ ϱϬ. ϭϭϬ ϭϭϵ. ϭϰ ϭϰ. Ϯϳ ϭϵ. ϰϬ Ϯϰ. ϱϮ ϯϭ. ϳϲ. ϲϲ. ϳϮ. ϱϰ. ϲϬ. ϰϴ. ϲ. ϳ. ϴ. ϵ. ϭϬ. ϲϱ ϯϲ. ϰϮ. ϰ. ϱ. Ϭ. 䈜ᩘᏐ䛿ฎ⌮㔞䜢⾲䛩. Ϭ. ϭ. Ϯ. 㻔㻭㻕㻌䝬䜲䜽䝻䜹䞊䝛䝹ᵓ㐀㻻㻿 㻔㻮㻕㻌䝰䝜䝸䝅䝑䜽䜹䞊䝛䝹ᵓ㐀㻻㻿. ϯ. ㈇Ⲵ䝥䝻䝉䝇䛾㻼㼁ฎ⌮᫬㛫㻔㼙㼟㻕. 図 2 AP プロセスと OS 処理の分散形態の例. 㻔㻭㻕㻭㻼䛾㻼㼁ฎ⌮㻜㼙㼟䛾ሙྜ ϮϱϬ. ㈇Ⲵ䝥䝻䝉䝇. AnT. >ŝŶƵdž. ϮϬϴ ϭϵϱ. 㻭㻼㻝. 㻭㻼㻞. ฎ⌮᫬㛫㻔㼙㼟㻕. ϮϬϬ. 㻭㻼㻞. 㻭㻼㻝 㻻㻿䝃䞊䝞 㻻㻿㻝 䝁䜰㻜. 䝁䜰㻝. 㻻㻿㻞. 㻻㻿㻝. 㻻㻿㻞. 䝁䜰㻞. 䝁䜰㻜. 䝁䜰㻝. ϭϯϰ. ϭϯϰ. ϭϱϬ. ϭϮϯ. ϭϭϯ ϲϴ ϭϬϬ. ϰϲ ϯϯ. Ϯϰ. ϭϭϮ. ϵϬ. ϵϬ. ϰϰ. ϭϬϮ ϳϵ. ϲϳ ϱϲ. Ϯϯ. Ϭ Ϭ. ;Ϳ>ŝŶƵdž. ;ͿAnT. ϭϲϴ ϭϱϲ. ϱϬ. 䝁䜰㻞. ϭϴϬ. ϭ. Ϯ. ϯ. ϰ. ϱ. ϲ. ϳ. ϴ. ϵ. ϭϬ. ㈇Ⲵ䝥䝻䝉䝇䛾㻼㼁ฎ⌮᫬㛫㻔㼙㼟㻕. 図 3 測定した分散形態. 㻔㻮㻕㻭㻼䛾㻼㼁ฎ⌮㻜㻚㻝㼙㼟䛾ሙྜ. 図 5 処理時間 といえる. (3)AP の PU 処理 0.1ms の場合 (B),PU 負荷を 0% から 90.9%にかけて増加した各 OS の処理時間の差は 73ms((208ms-24ms)-(134ms-23ms)) であり,AP の PU 処理 0ms の場合 (58ms((130ms-14ms)-(72ms-14ms))) よ りも長くなっている.したがって,AP の PU 処理増加 によりコアの負荷が大きくなり,マイクロカーネル構 造 OS の負荷分散の効果が大きくなっているといえる.. 㼞㼍㼣䝕䝞䜲䝇㻭䜢㼛㼜㼑㼚㻔㻌㻕 㻼㼁ฎ⌮. 㼞㼍㼣䝕䝞䜲䝇㻭䛛䜙㻠㻷㻮䜢㼞㼑㼍㼐㻔㻌㻕 㻺㼛. ᐃ༊㛫. 䝷䞁䝎䝮䛺఩⨨䛻㼘㼟㼑㼑㼗㻔㻌㻕. 㼚ᅇ┠㻫 㼅㼑㼟. 4. 㼞㼍㼣䝕䝞䜲䝇㻭䜢㼏㼘㼛㼟㼑㻔㻌㻕. 図 4 AP の処理流れ いことに起因する. (2)AP の PU 処理 0ms の場合 (A),PU 負荷を 0%(負荷 なし) から 90.9%(負荷プロセスの PU 処理時間 10ms) に 増加しても,AnT の処理時間の増加は 58ms(72ms-14ms) と短い.これに対し,Linux は 116ms(130ms-14ms) と 非常に長い.これは次の要因による. AnT は,AP1, AP2,および負荷プロセスの処理をコア 0 上で実行す る.Linux は AP1,OS1,および負荷プロセスの処理を コア 0 上で実行する.AP の処理はシステムコールを発 行するだけであり,ランダムリードを実行する OS 処理 と比べて負荷は小さい.したがって,マイクロカーネ ル構造 OS の AnT は,モノリシックカーネル構造 OS の Linux に比べ,うまく処理の負荷分散ができている. 1-36. おわりに. マイクロカーネル構造 OS である AnT とモノリシッ クカーネル構造 OS である Linux について,AP プロセ スと OS 処理の分散形態の違いを述べ,実測による性 能の評価を述べた. マイクロカーネル構造 OS は,AP プロセスと OS 処 理を各コアに自由に分散できるが,モノリシックカー ネル構造 OS は AP プロセスと OS 処理を同じコアで実 行してしまう.評価により,AnT では,AP の PU 処理 0ms の場合,処理時間の増加は 58ms に抑えられるのに 対し,Linux では 116ms も増加することを述べた.ま た,AP の PU 処理 0.1ms の場合,各 OS の増加した処 理時間の差は 73ms であり,AP の PU 処理 0ms の場合 (58ms) より長くなる. 参考文献 [1] 佐古田 健志, 山内 利宏, 谷口 秀夫:高スループットを実現す る OS 処理分散法の実現,マルチメディア,分散,協調とモ バイル (DICOMO2013) シンポジウム論文集,Vol.2013,No.2, pp.1663–1670 (2013.07).. Copyright 2019 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

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