Nagoya City University Academic Repository
学 位 の 種 類
博士 (薬学)
報 告 番 号
甲第1700号
学 位 記 番 号 第346号
氏 名
都築 香里
授 与 年 月 日
平成 31 年 3 月 25 日
学位論文の題名
糖新生と細胞がん化におけるシュードキナーゼ TRB1 の生理機能の解析
論文審査担当者
主査: 服部 光治
副査: 林 秀敏, 平嶋 尚英, 伊藤 佐生智
つづき かおり 都築 香里 氏 名 学位の種類 博士(薬学) 学位の番号 薬博第 346 号 学位授与の日付 平成 31 年 3 月 25 日 学位授与の条件 学位規則第 4 条第 1 項該当 学位論文題目 糖新生と細胞がん化におけるシュードキナーゼ TRB1 の生理機能の解析 論文審査委員 (主査)教授 服部 光治 (副査)教授 林 秀敏・ 教授 平嶋 尚英・ 准教授 伊藤 佐生智 論文内容の要旨
TRB1 (tribbles homolog 1) はショウジョウバエの発生や分化に関わる遺伝子 tribbles の哺乳類におけるオルソログの一 つであり、シュードキナーゼの1群として捉えられている。近年、TRB1 は種々のタンパク質と結合し、タンパク質の修 飾や分解を担う各種酵素の活性を制御していることのほか、TRB1 の遺伝子多型が脂質代謝異常症の発症と深く連関して いることや TRB1 が骨髄性腫瘍のドライバー遺伝子としての役割も明らかにされている。
本研究では、糖代謝を制御し、がん抑制遺伝子としても知られる転写因子 FOXO1 (Forkhead box protein O1) と、広くが ん細胞において異常な活性化が見られる転写因子である c-Myc に着目し、これらの転写因子の制御を介した TRB1 の機 能の解明すること目的に解析を進め、下記のことを初めて明らかにした。
1. TRB1 は FOXO1 の DNA 結合能を低下させ、ヒストンアセチル化酵素 CBP の FOXO1 へのリクルートを抑制する ことで、FOXO1 の活性を低下させ糖新生関連酵素の発現を抑制した。 2. c-Myc の転写制御に関わる LSD1 が c-Myc の新規標的遺伝子であることを明らかにした。 3. TRB1 は c-Myc の発現を制御し、また c-Myc の転写活性化能を増強することで、がん細胞の増殖や生存に関与す ることを見出した。 論文審査の結果の要旨 糖新生、およびがんの発生の調節において、ショウジョウバエの分化制御因子 tribbles のヒトオルソログの一つ TRB1 という新規シュードキナーゼタンパク質がどのように作用しているか、細胞レベル、分子レベルの解析を行った。今回、 TRB1 が糖新生の律速酵素(PEPCK, G6Pase)の発現誘導に必須の転写因子 FOXO1 の転写活性化能を抑制すること、ま た、TRB1 は c-Myc の活性制御を中心にがん化促進機能を有することを初めて明らかにした。これらの成果について、公
開発表会(1月10日)、主査・副査の先生との個人面談をそれぞれ行い、指摘・質問された内容、箇所を修正・追加し