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薬害被害者の声を聴く

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Academic year: 2021

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95 はじめに  本紀要に掲載しましたのは,平成  年  月 日の  時限に & 講義室で行われました「薬 害被害者の声を聴く」の講義のレジュメです.大 阪薬科大学では,薬学教育  年制開始にあわせて 年次生を対象に,表  に示すように平成  年 度から,「薬害被害者の声を聴く」ということで, 薬害被害者の方々から直接生の声をお聴きする 講義を,「社会薬学 」の講義の一環としておこ なって来ました.今回で勝村講師には  度講義を していただきました.そのほかに,サリドマイド 薬害被害者の増山ゆかり氏,+,9 薬害被害者の 花井十伍氏にも講義をしていただいています.  「薬害を根絶する」 という高い目標を掲げて全 国の医療系大学でこのような講義が行われるよう になったその発端は, 年に国と製薬企業が その責任を正式に認めて,薬害スモン被害者との 和解が成立し,「薬害根絶の誓い」 が当時の厚生 大臣によってなされたことにあります.しかし, 産官学の癒着による薬害構造の打破という課題 は,今も実現していないというのが現状です.そ のなかで,今年度も講師の先生をお呼びでき,そ の切実な体験を通して,どのようにして薬害を乗 り越えて行けばよいのかをお話しいただきまし た.ここに,あらためて勝村先生に心より感謝の 意を表したいと思います.  学生たちは先生の講義で,お子様を陣痛促進剤 の常軌を逸した使用によって殺され,また無理や り陣痛促進剤の注射を打たれた奥様の悔しさと悲 しみをお聴きして,そのような反医療的行為をお こなった病院スタッフたちに対して,持っていき ようのない怒りに駆られたことを感想文に書いて います.薬害の責任の所在はどこにあるのか,ど のように取り組めば薬害を根絶できるのかを,将 来薬剤師として医療を担うものとして真剣に問う 姿勢が,すべての学生諸君に喚起された様子が見 て取れました.このような大きな成果を得ること ができ,本講義をお願いした者として,その責任 を果たすことができたように思っています.あら ためて,直接,薬害の被害に遭われた方々の声を 聴くということの重要性を確認させていただきま %XOOHWLQRI2VDND8QLYHUVLW\RI3KDUPDFHXWLFDO6FLHQFHV   ―5HSRUWV―

薬害被害者の声を聴く

勝 村 久 司*,西 野 隆 雄**,松 島 哲 久***

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96 した.  この貴重な講義を少しでも多くの学生諸君にも 知っていただきたいということもあり,今回,紀 要に,先生が準備された講義のレジュメをそのま ま掲載することにしました.掲載を快諾いただき ました勝村先生に感謝いたします.  (松島記) 表 1 大阪薬科大学における薬害被害者の方の講義 演       題 講師 年月日  陣痛促進剤被害者の実状と背景   ∼医療倫理と患者の人権について考えながら∼ 勝村 久司  サリドマイド薬害について 増山ゆかり  薬害被害者の声 花井 十伍   薬害の実態と背景∼陣痛促進剤被害と患者の人権について考えながら∼ 勝村 久司   陣痛促進剤被害者の実状と背景   ∼医療倫理と患者の人権について考えながら∼ 勝村 久司   サリドマイド薬害について 増山ゆかり  陣痛促進剤被害者の実状と背景   ∼医療倫理と患者の人権について考えながら∼ 勝村 久司  〃 勝村 久司  「薬害被害者の声を聴く:陣痛促進剤被害者家族の立場から発言する」

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106 編集後記  医療系学部の教育には,知識,技能だけでなく 態度に関する教育が求められる.我が国の医療の 場で,今日まで様々な薬害被害者を出してきた. これら薬害の発生の場には,医療倫理の欠落が一 因としてあった.将来医療従事者になる学生が, 薬害被害者ご自身から,意見・体験を直接聞くこ とは悲惨な薬害を繰り返さないためにも,また医 療倫理を考える貴重な体験につながると考えられ る.このため,医療系学部の講義に被害者の方々 が率先して協力していただき,学生に医療倫理を 学習する機会を与えていただいている.  大阪薬科大学では,「社会薬学1」を中心とし た講義科目において薬害を「社会と薬学」という 観点でシラバスに取り入れ,薬害被害者の方の協 力のもと毎年薬害被害者の意見・体験を直接聴か せていただく機会を設けている.今年度も  月 日に全国薬害被害者団体連絡協議会 副代表世 話人 勝村久司先生から昨年に引き続き,陣痛促 進剤被害者家族の立場で「陣痛促進剤被害の実状 と背景∼薬害・医療倫理・患者の人権について考 えながら∼」と題して,ご自身の貴重な体験をご 教授していただいた.今回の講義後,医療現場に おける人権に関するアンケートを受講学生に対し て松島先生が実施されていましたが,本アンケー トには,今後医療現場において,薬の適正な使 用,医療安全の観点から,患者の視点に立った医 療の必要性や,医療従事者と患者さんとのコミュ ニケーションだけでなく,医療従事者間のコミュ ニケーションの大切さ等,多くの学んだ内容の回 答が寄せられていた.  今後も,本学では,薬害被害者の方々のご協力 が得て,医療倫理・医療の場における人権教育の 機会を設ける予定です.最後になりましたが,勝 村先生に改めて御礼申し上げます.  (西野記)

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