• 検索結果がありません。

研究論文紹介 情動が学習を促進する脳メカニズム

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "研究論文紹介 情動が学習を促進する脳メカニズム"

Copied!
1
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

25 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 0 10 20 30 40 50 60 70 80 エラー数 試行数 Fear ¥100 Neutral ¥100 Fear ¥1 Neutral ¥1 0 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 Fear Neutral 学習率 ) *

B

A

私たちが日々生活の中で行っている「学習」の出来 不出来は、学習によって得られる報酬量や報酬確率など の客観的情報のみに左右されるだけでない。例えばクラ スの雰囲気や、先生が恐いかなど、学習とは直接は関係 ないがその場で誘起される情動(感情)や社会的要因が 学習のレベルに影響することもあるだろう。しかしなが ら、どのように情動が学習を変化させているのか、また どのような神経基盤によって学習と情動の相互作用が実 現されているかについてはこれまで明らかにされてこな かった。そこで、より現実社会で起こっている学習の脳 内メカニズムを理解するために、情動と学習の関係に着 目し、その相互作用を解明することを目的として研究を 行った。 本研究ではまず行動実験で、確率的連合学習中に報 酬とは無関係な情動を喚起する刺激(恐怖表情)を報酬 予期刺激(Cue)の直前に提示すると、情動を喚起させ ない中立表情刺激を提示したときと比較して学習のス ピードを加速させられることを明らかにした。そして強 化学習モデルを用いた解析により、この現象は報酬予測 誤差を調節する「学習率」が増加することで引き起こさ れていることが判明した。この学習率という要因は、強 化学習理論においては報酬予測誤差信号の大きさを変化 させる役割がある。そこで行動実験に対応した機能的磁 気共鳴画像法(fMRI)を用いた実験によって、情動を 喚起させる恐怖表情刺激が線条体の報酬予測誤差信号に 相関する fMRI 信号強度を調節し、強めるかを検証した。 fMRI による検証の結果、我々の仮説と一致して報酬 予測誤差(Reward prediction error)に相関する活動は

中立表情刺激を提示した時より恐怖表情刺激を提示した 際の方が大きくなることが明らかとなった。一方で、予 測価値(Expected value)に相関する信号は変化しなかっ た。また顔が提示されたタイミングの扁桃体の活動は中 立表情より恐怖表情刺激で有意に強かった。 情動の中枢である扁桃体は、報酬予測誤差情報を持っ た線条体と強い神経線維結合もあり、我々の発見した情 動による報酬予測誤差の修飾現象も、この扁桃体からの 信号によって実現されている可能性がある。そこで、増 加した報酬予測誤差信号に一致する線条体の活動と、表 情刺激が提示された際の扁桃体の活動との間に相関関係 があるかを psychophysiologic interaction (PPI) analy-sis を用いて検証した。結果、扁桃体と線条体の間に機 能的リンクが見出された。 本研究によって情動が刺激報酬連合学習を促進させ ることが明らかとなり、また情動による報酬予測誤差信 号の増大は扁桃体 - 線条体の相互作用によって生み出さ れていることが明らかとなった。     ( 工学研究科 脳情報専攻・2012 年修了 渡邊言也)

情動が学習を促進する脳メカニズム

Watanabe N, Sakagami M, & Haruno M

Reward prediction error signal enhanced by striatum-amygdala interaction explains the acceleration of probabilistic reward learning by emotion.

The Journal of Neuroscience, 33(10) 4487-4493, 2013

Development of the MacBrain Face Stimulus Set was overseen by Nim Tottenham and supported by the John D. and Catherine T. MacArthur Foundation Research Network on Early Experience and Brain Development. Please contact Nim Tottenham at tott0006@ tc.umn.edu for more information concerning the stimulus set.

研究論文紹介【B】 本号 pp.32-38 * 【図3】 腹側線条体の報酬予測誤差信号は、情動 刺激によって 増強された扁桃体の活動 と相互作用する。 この相互作用によって学習(連合学習) が亢進される。 【図1】学習(連合学習)過程は情動を喚起させられること (恐怖表情刺激提示 * )で影響を受ける。 【図2】

(A)学習曲線。特に学習の初期で Fearful face 条件においてエラーは早 く低下する。(B)学習率。強化学習モデルを用いて学習率を計算した 結果、Fearful face 条件で高い学習率が見られた。

参照

関連したドキュメント

1982 1984 1986 1988 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 0. 10 20 30 40 50 60 70 80

Taking care of all above mentioned dates we want to create a discrete model of the evolution in time of the forest.. We denote by x 0 1 , x 0 2 and x 0 3 the initial number of

○事 業 名 海と日本プロジェクト Sea級グルメスタジアム in 石川 ○実施日程・場所 令和元年 7月26日(金) 能登高校(石川県能登町) ○主 催

(0 .10 - 0 .25) TETRABAN applications should begin prior to disease development and continue throughout the season on 7- to 21-day intervals following the resistance

30-45 同上 45-60 同上 0-15 15-30 30-45 45-60 60-75 75-90 90-100 0-15 15-30 30-45 45-60 60-75 75-90 90-100. 2019年度 WWLC

OLYMPUS 70% WATER DISPERSIBLE GRANULAR HERBICIDE Rate* (oz/A)Remarks Fall 0 .6 Apply 0 .6 oz OLYMPUS 70% WATER DISPERSIBLE GRANULAR HERBICIDE per acre tankmixed with glyphosate

   遠くに住んでいる、家に入られることに抵抗感があるなどの 療養中の子どもへの直接支援の難しさを、 IT という手段を使えば

26‑1 ・ 2‑162 (香法 2 0 0