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岐阜地鶏雄に対する明期における緊縛ストレスが血漿コルチコステロン濃度に及ぼす影響

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Academic year: 2021

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(1)

岐阜地鶏雄に対する明期における

緊縛ストレスが血漿コルチコステロン濃度に及ぼす影響

有村君子*

ῌ桑山岳人**ῌ門司恭典**ῌ百目鬼郁男**ῌ田中克英**

ῐ平成 +. 年 ++ 月 +. 日受付ῌ平成 +/ 年 . 月 ,+ 日受理ῑ 要約 : 明期における緊縛ストレスが血漿コルチコステロン濃度に及ぼす影響を検討するため῍ 岐阜地鶏雄を 用いて῍ 0 : **῍ +, : **῍ +1 : ** ῐ+. L : +* D῍ / : ** 点灯ῑ における血漿コルチコステロン濃度とストレスに 対する反応性を比較したῌ 血漿コルチコステロン濃度は῍ 0 : ** ῐ,.0,ῒ*.,. ngῌmlῑ の値が最も高く῍ +, : ** ῐ+..1ῒ*..* ngῌmlῑ῍ +1 : ** ῐ+.*,ῒ*.+3 ngῌmlῑ と低い値を示した ῐP῔*.*/ῑῌ どの時刻においても῍ 血漿コ ルチコステロン濃度は緊縛ストレスにより上昇したῌ 0 : ** において῍ 血漿コルチコステロン濃度はストレ ス負荷後 *῏0* 分まで他の時刻のものより高濃度で推移したῌ ストレスに対する反応性は῍ +1 : ** が最も高 く῍ +, : **῍ 0 : ** の順で低くなる関係を示したῌ 以上の結果より῍ 岐阜地鶏雄の血漿コルチコステロン濃度 は明期開始後に高いこと῍ 明期開始後は῍ ストレス負荷後も濃度を高く維持し続けること῍ また῍ ストレス の反応性は暗期開始前に高くなることが明らかとなったῌ キ῍ワ῍ド : 緊縛ストレス῍ コルチコステロン῍ 岐阜地鶏 ῍῍῍῍῍῍῍῍῍῍῍῍῍῍῍῍῍῍῍῍῍῍῍

鶏におけるストレスの種類は῍ 心理的なものと生理的な ものを含め῍ 多数存在し῍ これらのストレスは῍ 免疫系や 生殖機能の抑制を引き起こし῍ 生産性を低下させ῍ 病気を 誘発する原因となると考えられている+ῑ ῌ 副腎皮質から分 泌されるコルチコステロンは῍ 鳥類においてストレスの指 標とされており῍ ストレスに曝されると῍ 視床下部ῌ下垂体 ῌ副腎系を介してその濃度は上昇するῌ また῍ 血漿コルチコ ステロン濃度は日内変動を示し῍ 時間によって濃度はそれ ぞれ変化する,ῌ2ῑ ῌ ニワトリにおける血漿コルチコステロン濃度の研究は実用的な面から雌を中心とする研究が多く,ῌ0ῑ ῍ 雄において は若齢の鶏を用いた研究が主であり1ῌ2ῑ ῍ 成鶏雄ではほとん ど行われていないῌ しかし῍ 希少な種のニワトリや地鶏の 様なその土地独自のニワトリにおいては῍ 種鶏としての成 鶏雄のストレス研究も必要であると考えられるῌ また῍ 日 本における地鶏は近年῍ 産業的価値が注目されつつあり῍ 地鶏としてのストレス研究も今後必要になると考えられ 岐阜地鶏は῍ 国の天然記念物に指定された日本鶏であ り῍ 有史以前から日本に飼育されていたものと推察される 古代鶏の原型を残した品種である3ῑ ῌ また῍ 岐阜地鶏は他 の地鶏に比べ小型であり῍ 扱いやすいことから実験動物と しての価値が見込まれるῌ よって῍ 岐阜地鶏のストレス反 応を明らかにすることにより῍ 他の地鶏や希少種の今後の 研究の基礎的デ῎タとして役立つ可能性があると考えられ るῌ そこで῍ 本研究では性成熟に達した岐阜地鶏雄を用い て῍ 明期中の異なる - つの時刻における血漿コルチコステ ロン濃度とストレスに対する反応性を比較した

材 料 及 び 方 法

+ῌ 供試鶏 供試鶏は῍ 東京農業大学畜産学科家畜繁殖学研究室῍ ウィンドレス鶏舎内の採卵用単飼ケ῎ジ ῐ./ cmΐ,* cmΐ .*cmῑ で飼育した岐阜地鶏の雄 / 羽 ῐ0* 週齢ῑ を用いたῌ 飼育条件として῍ 照明条件は +. L : +* D ῐ/ : ** 点灯開始ῑ῍ 温度は ,*ῒ,῕ とし῍ 給ῌῌ給水は 2 : -* と +0 : ** に実施 し῍ 共に自由摂取としたῌ ,ῌ 採血及び保定 採血は῍ 明期開始時刻から + 時間後の 0 : **῍ 明期の中 間に当たる +, : **῍ 暗期開始 , 時間前の +1 : ** に実施し 採血にはヘパリン処理した - ml 注射筒῍ 注射針は ,/G を使用し῍ 血液は翼下静脈より +./ ml 採取したῌ 採血は῍ 翼下静脈より実施するので῍ 採血に時間がかからないよう に前日までに採血する付近の羽を抜いておき῍ 採血する際 はアルコ῎ル綿で清拭したῌ 供試鶏にはそれぞれ緊縛保定 を行うことによりストレス刺激を与え῍ 緊縛保定直後に採 取した血液を * 分 ῐ緊縛保定直後ῑ とし῍ その /῍ +/῍ -*῍ 0*分後に採血を実施したῌ 緊縛保定は῍ ゴム製のソックス テ῎プを , 本用いて + 本を胸部に῍ もう + 本を脚に巻きつ け固定することにより実施したῌ / 分後の採血までは人に 短 報 Short Communications * ** 東京農業大学大学院農学研究科畜産学専攻 東京農業大学農学部畜産学科

Jour. Agri. Sci., Tokyo Univ. of Agric., .2 (+), +1ῌ,* (,**-)

(2)

よる手の保定を継続し῍ その後はソックステ῎プを用いて 緊縛保定を行い῍ +/ 分以降の採血時には῍ 翼を保定してい た胸部のソックステ῎プのみを外し῍ 採血し῍ 止血後に再 びソックステ῎プを巻くことによって緊縛保定を継続し たῌ 採取した血液はその都度氷中のマイクロチュ῎ブに移 し῍ 0* 分の採血終了後῍ .῕῍ +* 分間の条件で遠心分離し῍ 血漿を分取してコルチコステロンの測定を実施するまでῒ -*῕ で保存したῌ -ῌ ステロイドホルモンの抽出及びホルモン測定 ステロイドホルモンの抽出は῍ KONOῐ+32+ῑ+*ῑ の方法 に基づき実施し῍ コルチコステロンの測定は῍ MOLDONADO ῐ+323ῑ++ῑ の方法に基づきラジオイムノアッセイにより 実施したῌ 尚῍ 測定内変動係数は῍ 0.+1῍ であったῌ .ῌ 統計処理

統計処理は῍ DUNCAN’S NEW MULTIPLE RANGE

TESTにより行った

それぞれの血漿コルチコステロン濃度は῍ 明期開始 + 時 間後の 0 : ** で ,.0,ΐ*.,. ngῌml῍ 明期の中央の +, : ** で +..1ΐ*..* ngῌml῍ 暗期開始 , 時間前の +1 : ** で +.*,ΐ *.+3 ngῌml と῍ 0 : ** の値が最も高く῍ 他の +, : **῍ +1 : ** に対して有意な差異が認められた ῐP῔*.*/ῑ ῐ図 +ῑῌ ストレス負荷後 ῐ緊縛保定後ῑ の血漿コルチコステロン 濃度の推移は῍ 0 : ** では / 分後にかけて急激に上昇し῍ その後 -* 分まで一定で推移したῌ 0* 分では῍ 濃度が高い 個体もいれば῍ 一定のままの個体も認められた ῐ図 ,ῑῌ +, : **では῍ / 分後にかけて急激に上昇し῍ +/ 分まで一定で 推移し῍ その後 0* 分まで緩やかに上昇した ῐ図 ,ῑῌ +1 : ** では῍ / 分後にかけて急激に上昇し῍ その後 0* 分まで緩や かに上昇した ῐ図 ,ῑῌ 緊縛保定直後の血漿コルチコステロン濃度の値に対する 各経過時間の増加倍率は表 + に示したῌ 緊縛保定 0* 分後 の値は῍ 直後の値に対して 0 : ** では -..3 倍῍ +, : ** では ..++倍῍ +1 : ** では ..,3 倍となったῌ また῍ ストレス負荷 後 /῏0* 分の全ての時間において῍ 増加倍率は 0 : **῍ +, : **῍ +1 : ** の順で高くなったῌ

本実験における血漿コルチコステロン濃度は῍ 特に明期 開始 + 時間後の 0 : ** に高く῍ 明期の中間である +, : ** と 明期終了 , 時間前の +1 : ** は低濃度を示したῌ 若齢のブ ロイラ῎および七面鳥雄においても血漿コルチコステロン 濃度のピ῎クは明期開始後にあり1, +,ῑ ῍ 本実験においても 同様の傾向が認められたῌ 血漿コルチコステロン濃度は῍ 暗期開始前に低く῍ 明期開始後に高いことから岐阜地鶏雄 の血漿コルチコステロン濃度は暗期に上昇したと推察でき るῌ また῍ 明期開始後に高い血漿コルチコステロン濃度は῍ 表 + 緊縛保定後の血漿コルチコステロン濃度の増加倍率 図 , 岐阜地鶏雄の緊縛保定後の血漿コルチコステロン濃 度の推移 値は平均値ΐ標準誤差を示すῌ 図 + 岐阜地鶏雄の血漿コルチコステロン濃度 値は平均値ΐ標準誤差を示すῌ

異符号間は DUNCAN’S NEW MULTIPLE RANGE

TESTにより有意差が認められる ῐP῔*.*/ῑῌ

有村ῌ桑山ῌ門司ῌ百目鬼ῌ田中

(3)

徐῏にその濃度が減少し῍ 明期が進むにつれて濃度が低く なったと考えられるῌ しかし῍ 暗期の血漿コルチコステロ ン濃度及び明期開始直後についても以後検討する余地があ ると考えられる緊縛ストレスに対する反応は῍ 0 : **῍ +, : **῍ +1 : ** の どの時刻においても῍ 緊縛保定直後より / 分後までは * 分 の値に関係なく急激に上昇していることがわかるῌ これ は῍ ストレスに対する視床下部ῌ下垂体ῌ副腎皮質系の反応 がストレス負荷後速やかに起こり῍ 副腎皮質からのコルチ コステロン分泌を促進した結果と考えられるῌ その後῍ 0 : **において反応に個体差が生じたが῍ 0 : ** および +, : ** の血漿コルチコステロン濃度の推移は῍ 途中῍ 一定の濃度 で推移したῌ また῍ 一定濃度の推移は῍ * 分の濃度が高かっ た 0 : ** の方がより長くなったῌ * 分が最も低濃度であっ た +1 : ** においては濃度は上昇し続けたῌ 以上のことよ り῍ 血漿コルチコステロン濃度は῍ ストレス負荷後 / 分は *分の濃度に関係なく急激に上昇するが῍ その後は * 分の 濃度が低いほどストレスに対する反応は持続し῍ 濃度も上 昇し続けると考えられるῌ また῍ 0 : ** では緊縛保定後 *ῑ 0*分まで血漿コルチコステロン濃度が他の時刻よりも高 濃度で推移していることから῍ ストレス負荷直後の血漿コ ルチコステロン濃度が高い場合῍ ストレス負荷後も高濃度 が維持されると考えられる緊縛保定直後の血漿コルチコステロン濃度の値に対する 0*分後の増加倍率については῍ 緊縛保定直後の値が 0 : **῍ +, : **῍ +1 : ** と低くなるにつれて逆に高くなる傾向 を示したῌ 七面鳥雄に対するヒῐトストレスの反応におい ても῍ コルチコステロンレベルの低い時刻にストレス反応 が高く+,ῒ ῍ 本実験においても同様の傾向が認められたῌ こ のことより῍ 岐阜地鶏の成鶏雄においては῍ 血漿コルチコ ステロン濃度が低い暗期開始前にストレスへの反応性は高 くなると考えられる以上より῍ 岐阜地鶏雄の血漿コルチコステロン濃度は明 期開始後に高く῍ ストレス負荷後も῍ 明期開始後は濃度を 高く維持し続けると考えられるῌ また῍ ストレスの反応性 を緊縛保定直後の血漿コルチコステロン濃度に対する増加 倍率とした場合῍ その反応性は暗期開始前に高くなると考 えられるῌ また῍ 岐阜地鶏の飼育管理にあたっては῍ 血漿 コルチコステロン濃度の高い明期開始後に当たる朝や῍ ス トレスの反応性が高いと考えられる暗期開始前の夕刻に は῍ 人の出入りが激しい作業等は避けた方が良いと考えら れる謝辞 : 本研究を行うに当たり῍ 協力戴いた家畜繁殖学研究 室の諸星瑠美さん並びに研究室員の皆様に心から感謝の意 を表しますῌ 引用文献 +ῒ シュイナῌスチドラῐ῍ ,***῎ 鶏郡のストレスコントロῐ ルポイント῎ 鶏の研究῍ 1.῍ /+ῌ/..

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con-centrations of coticosterone relative to photoperiod, oviposition, and ovulation in the domestic hen. General and comparative endocrinology, .-, +*ῌ+0.

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1ῒ SMOAK, K.D. and BIRRENKOTT, G.P., +320. Daily variation of corticosterone and thyroid hormones in broiler cock-erels. Poultry Science, 0/ (+), +31ῌ+32.

2ῒ LAUBER, J.K., VRIEND, J. and OISHI, T., +321. Plasma cor-ticosterone in chicks reared under several lighting schedules. Comparative biochemistry and physiology. A, physiology, 20 (+), 1-ῌ12.

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(4)

E#ect of Immobilization Stress on Plasma

Concentration of Corticosterone During Light

Periods in Gifujidori Roosters

By

Kimiko A

RIMURA

*, Takehito K

UWAYAMA

**, Yasunori M

ONJI

**, Ikuo D

OMEKI

**

and Katsuhide T

ANAKA

**

(Received November +., ,**,/Accepted April ,+, ,**-)

Summary : In order to consider the e#ect of stress on plasma concentration of corticosterone during light periods, we compared plasma concentration of corticosterone with reactivity to stress at 0 : **, +, : **, and +1 : ** (+. L : +*D, light on at / : **) in Gifujidori roosters. Plasma concentration of cor-ticosterone was the highest value at 0 : ** (,.0,ῌ*.,. ng/ml), and became low in order of +, : ** (+..1ῌ *..* ng/ml) and +1 : ** (+.*,ῌ*.+3 ng/ml) (P῍*.*/). At all times, plasma concentration of corticosterone increased after immobilization stress. At 0 : **, plasma concentration of corticosterone showed a higher level than that of the other time *ῌ0* minutes after restraint. Reactivity to stress was the highest at +1 : **, and became low in order of +, : ** and 0 : **. Therefore, in Gifujidori roosters, it became clear that plasma concentration of corticosterone was high after the onset of light period, it also continued to be high after stress, and reactivity to stress became high before the onset of dark period when plasma concentration of corticosterone became low.

Key Words : immobilization stress, corticosterone, Gifujidori

* **

Department of Animal Science, Graduate School of Agriculture, Tokyo University of Agriculture Department of Zootechnical Science, Faculty of Agriculture, Tokyo University of Agriculture

有村ῌ桑山ῌ門司ῌ百目鬼ῌ田中

参照

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