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IRUCAA@TDC : 一医専進

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Academic year: 2021

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Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/

Title

一医専進

Author(s)

石上, 惠一

Journal

歯科学報, 109(1): 2-3

URL

http://hdl.handle.net/10130/1918

(2)

研究室の歴史 近年,スポーツに対する国民の関心は高まりをみ せており,スポーツに参加する年齢層は大きく拡大 してきている。そして,若年者から高齢者に至るま で,それぞれが興味に応じて種々のスポーツに参加 するようになった。しかし残念ながらスポーツ中の 事故や障害は増加傾向にある。 こうした状況に相応して,スポーツ障害に対する 専門的な対応と対策が求められる。さらに,競技力 向上におけるスポーツパフォーマンスと顎口腔系の 状態との関連が注目されている。このような状況下 に国際オリンピック委員会(IOC)の医事委員会に, 下部組織の一つとして,スポーツ歯科ワーキンググ ループが設置されたのが2000年である。国際スポー ツ医学連盟(FIMS)が設立されたのが,1928年の第 2回冬季オリンピック・サンモリッツ大会で70年以 上の歴史を有する。しかし,学会組織の設立からみ ても,スポーツ医学に比較してスポーツ歯学の歴史 は浅い。 このような経緯の中で,世界で初めてスポーツ歯 学の本格的な研究と臨床の場として本学に1998年10 月水道橋病院に DEPARTMENT として我がスポー ツ歯学研究室が開設された。2002年4月にはスポー ツ歯学研究室のさらなる組織の充実を図る為,その 活動中心の場として水道橋病院から千葉校舎に研究 室が移転された。さらに千葉病院においても特色あ る病院として水道橋病院と同様スポーツ歯科外来の 標示化が行われ,一般歯科診療の他,プロ・アマの 一流選手を始め千葉県内のスポーツ選手や一般ス ポーツ愛好家などに対し臨床を提供してきており, 徐々にその存在が認知されて来ている。しかし,残 念な事に現在水道橋病院においてはスポーツ歯科外 来の標示はなく,選手の要望で千葉病院から水道橋 病院に赴いて総合歯科の中で対応しているが,選手 の中には都心での対応を希望する者も少なくなく, 専門外来としてその表示化は希望したいところであ る。 研究に関して 我が国におけるスポーツ歯学に関する研究は,過 去の文献より1925年大久保信一先生がマウスガード を製作・発表されたのが最初である。さらに,1930 年にはこの分野における生理学的研究論文を歯科学 報に投稿されている。この大久保信一先生,実は驚 いた事に本学の昭和2年卒業の OB であった。日本 で始めてスポーツ歯学を研究された先生という事 で,我々の研究室が世界で最初である事に何か因縁 めいたものを感じる。ただ,残念なことは,すでに 先生が他界されておられる事である。 さて,現在我が研究室では,顎口腔系の状態と全 身状態との関連に関する研究をメインテーマとし て,これまで国内外で活動してきている。近年,厚 労省はじめ他の分野でも口腔と全身との関係をテー マとした研究が見られるようになってきているが, 我々は1987年にすでにこの研究テーマを立ち上げ, その基でいろいろな角度からその関係について検討 し報告してきた。特に,最近では全身運動機能・ス ポーツパフォーマンスへの影響との関係を電気生理 学的,運動力学的視点から検討を行い,その結果を フィールドにフィードバック出来るよう実践的活動 を視野に入れて研究活動している。その他,スポー ツ外傷予防としてのマウスガードの有効性等につい て,武田友孝准教授が精力的にそのエビデンスを求 め幾つかの研究成果を DENTAL TRAUMATOL-OGY に数編投稿し,国際的にも高い評価を得てい る。世界的にもスポーツ歯学に関してこのような活 発な活動はあまり見られないと言う事からスポーツ

一 医 専 進

石 上 惠 一

スポーツ歯学研究室 2 ― 2 ―

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歯学関連の国際誌より我が研究室の臨床を含めた活 動を紹介してほしいと連絡を受けている。その他, 歯,歯槽骨,顎骨への障害,脳震盪などに関するも の,さらにインプラント治療がスポーツ選手におよ ぼす影響,そして身体(運動)活動に関するもの等に ついては,日本スポーツ歯科医学会や日本臨床ス ポーツ医学会,体力医学会等,関連学会での学術活 動を行なっている。また新しいテーマとしては,ス ポーツ選手が緊張高まるような大会前,ストレスと して脳機能にどう影響を及ぼすのか,そのストレス を顎口腔領域の対応から少しでも緩和することが出 来るのかを目的とした研究を日本大学医学部脳神経 外科酒谷薫教授のご協力のもと,大学院生がその研 究を進めているところである。さらに私共では,臨 床においていろいろな競技選手を診る機会がありそ の中で顎偏位をもつ選手が多い点に注目し,成長発 育期にある一定の負荷が常に掛かるような場合,骨 や筋の成長に何らかの影響が及ぶのではという仮説 を立て,マウスやラットを使って骨や筋細胞の成長 に負荷を掛け実験を試みその仮説を大学院生の一つ の研究テーマとして,臨床検査学研究室と解剖学教 室のご協力のもと検討を進め,一定の成果を得る事 ができた。今後,臨床面から検討も必要と考え,現 在ある競技において成長発育期の子供たちを対象に 地元の教育委員会,ご父兄の承諾を得,運動による 負荷が顎口腔系の発達におよぼす影響に関する疫学 的調査を3年スパーンではじめたところである。も し,この仮説が基礎的・臨床的に立証されればス ポーツ歯学からのサポートの重要性が説える事にな ると考える。スポーツ歯学の研究成果は,論文の為 の研究でなくあくまでも臨床で実 践 さ れ る よ う フィードバックできるものが不可欠と医局員一同肝 に銘じて研究に取り組んでいる。 診療に関して 千葉病院では,スポーツ歯科外来において一般歯 科診療の他,スポーツ選手では特にコンタクトス ポーツ選手への歯科診療が多くマウスガードの提供 を含め行なわれている。一般スポーツ愛好家にも希 望があればカウンセリングを含め同様な対応をして いる。本校が千葉マリーンスタジアムに近い事から 数年前より千葉ロッテマリーンズの選手達の口腔ケ ア管理をおこなっている。特にシーズンオフになる と選手全員の体力測定を含めたメディカルチェック 時に歯科検診(咬合力・握力等簡単な測定を含め)や 歯とスポーツに関する話を30分程度行っている。検 診結果は,後に広報事務局に報告し選手に伝わるよ うになっている。選手が治療およびカウンセリング を希望する場合は,連絡が入り千葉病院か水道橋病 院で対応するようにしている。その他,ラグビーの トップリーグ・クボタやリコーとチーム契約を結ん でおり,医局員らが合宿所に赴き印象採得からマウ スガードの提供まで行っている。さらに地元市立船 橋高校のサツカー部へも同様な対応をしている。そ の他にも同様な対応を行っているチームが幾つかあ る。また,私が日本スケート連盟から日本オリン ピック委員会強化スタッフとしてスポーツドクター を委嘱されているところから年数回国立スポーツ科 学センターに赴きスピードスケート,フィギァス ケート,ショートトラックのオリンピック強化選手 の歯科検診を行い,必要ならば千葉病院か水道橋病 院で歯科治療・カウンセリング等の対応を行ってい る。更に,最近では日本スキー連盟からの依頼もあ りモーグルやアルペンスキーのオリンピック強化選 手に対しこれまで得られた情報を選手にフィード バックするため,白馬などの合宿所に赴き印象採得 からオーラル・アップライアンスの提供を含めた活 動をしている。手間と時間・労力を考えると十分に 病院に還元できるには足りないが,日本スポーツ界 に貢献しているという実感はある。実際,我々が対 応始めてから最近ではモーグルでワールドチャンピ オンになった女子選手も出た様に日本一になったり メダルをとったり世界チャンピオンになったりして いるアスリートもみられる。現在,アスリートに対 する診療科という事だけでなく,健康スポーツ歯科 として中高齢者のスポーツ愛好家を対象に,噛み合 わせや咀嚼機能等を含めた顎口腔領域の状態と平衡 機能,四肢の等尺性筋力等の筋機能(握力等),動体 視力,反射等の神経機能,さらに脳機能(ストレス) 等々のいわゆる全身機能とを絡めた評価が出来るプ ログラムを作製し,特色ある活動を展開できるよう 検討中である。 歯科学報 Vol.109,No.1(2009) 3 ― 3 ―

参照

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