Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/
Title
東京歯科大学千葉病院味覚異常外来における現状
Author(s)
田﨑, 雅和
Journal
歯科学報, 111(2): 222-222
URL
http://hdl.handle.net/10130/2397
Right
「食」に対する意識の高まりからかあるいは高齢者人口の増加によるものか,味覚に対する異常を主訴で味 覚異常外来へ来院する患者が多くなっている。味覚検査を本格的に行うようになった平成11年は,口腔外科で 行った舌癌切除後や他院での抜歯時の舌神経損傷後の味覚検査を行う程度であった。味覚検査を行うことに なったものの,口腔外科依頼の味覚異常を主訴とする患者の味覚検査は極めて少ない状態であった。おそらく 味覚異常を主訴とする患者の多くは耳鼻咽喉科あるいは内科へ受診していたものと思われる。そこで病院内や 大学のホームページに味覚異常に関する案内を行うと,患者数は増えてきた。耳鼻咽喉科や内科を受診したも のの,問診と投薬のみに不安を抱き,来院する患者も多くいた。当初は週一日の午後の時間帯での診療であっ たが,週三日に増え,現在は臨床検査病理学の医局員の応援もあって,月曜日から土曜日まで受診可能となっ た。現在は味覚異常外来の窓口ができ,他科依頼の患者以外に直接受診する患者が増え,今後さらに増えるも のと思われる。 味覚異常の原因は多様で複雑である。また味覚検査も主観的な検査であり,検査結果から原因が把握できな いことが多い。そのため治療方針もハッキリせず,プロマック(亜鉛製剤)の投与や漢方を頼ることになる。 結果として前述の耳鼻咽喉科や内科を受診した治療と同じになるが,味覚検査結果の説明,味覚障害の症状や 多様な原因を説明することで,味覚異常が軽減する患者もいる。このことから味覚異常の病態を知ることは重 要と思われる。 治療は亜鉛製剤の投与が主になるが,味覚異常発症後できるだけ早い時期での服用が重要である。これは亜 鉛製剤の服用時期は時間経過とともに予後が悪くなるという報告があるからである。できるだけ早く血清亜鉛 値を高めることが重要である。しかし血清亜鉛値を高めると血清銅値は減少する傾向にある。血清銅値の減少 は貧血を誘発することから亜鉛製剤の服用量は血清亜鉛値と血清銅値を把握しながら決める必要があるかと思 われる。 ここでは千葉病院でおこなった味覚検査結果をまとめと同時に味覚障害の症状や亜鉛製剤の投与に当たって 考慮すべきことを示したいと思っている。 ≪プロフィール≫ <略 歴> 昭和53年3月 東京歯科大学卒業 昭和53年4月 東京歯科大学大学院歯学研究科入学(生 理学専攻) 昭和57年10月 東京歯科大学大学院歯学研究科修了(歯 学博士 東京歯科大学) 昭和57年11月 東京歯科大学生理学講座助手 平成3年4月 東京歯科大学生理学講座講師 平成3年10月 エジンバラ大学研究員 平成7年4月 東京歯科大学生理学講座助教授 平成18年4月 東京歯科大学生理学講座主任代行 平成18年7月 千葉病院勤務(兼任) 平成18年12月 東京歯科大学生理学講座主任 現在に至る <所属学会> 東京歯科大学学会 歯科基礎医学会 日本生理学会 国際歯科研究学会日本部会 日本咀嚼学会 日本歯科医学教育学会 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会