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IRUCAA@TDC : インターネットの普及と学術情報の変化

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Academic year: 2021

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Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/

Title

インターネットの普及と学術情報の変化

Author(s)

石原, 和幸

Journal

歯科学報, 110(6):

6i-URL

http://hdl.handle.net/10130/2200

(2)

!!!!!!!!!!!!!!

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インターネットの普及と学術情報の変化

石 原 和 幸

尖閣列島での中国漁船と日本の巡視船の衝突映像の流 出 は 日 本 国 内 で 大 き く 取 り 上 げ ら れ, WikiLeaks による機密情報の公開は世界的な問題となっている。広島球場での外野手の miracle catch がアメリカで取り上げられたのも記憶に新しい。このようにインターネットをはじめとする種々の媒体 を通じて一瞬にして世界に情報が拡がるのが当たり前になってきている。 このような変化は当然のことながら学術情報にも起こっている。以前に比べ,投稿論文の accept か ら出版までの速度が短くなっている。研究論文発表の中心は現在まで学術誌中心に行われてきた。これ に対し1990年代後半から既に出版された論文をインターネットで閲覧可能にしようとする動きが起こ り,アメリカでは2007年以降 NIH の予算を受けた成果は発表後1年以内に無料で閲覧できるようにす ることになっている。本学でも,機関リポジトリとして発表論文の一部を公開している(http : //ir.tdc. ac.jp)。このような動きによって,今までは雑誌でしか読めなかったものの多くが,ある一定の期間を 経れば internet で自由に閲覧可能になってきている。 学術雑誌においても,雑誌数が急速に増加するとともに open access を謳うものが増えてきている。 従来の雑誌では,運営のための費用を購読料に頼っているため,読者獲得のために,掲載する論文の質 を高くすると同時に読者の興味を引くような重要なテーマのものが選ばれる傾向があった。これに対し open access の雑誌では,論文は全て internet の web に掲載され,購読に料金は必要なく,誰でも読 むことができる。これらの雑誌の運営は論文の著者が払う平均2,000ドル程度の掲載料によって賄われ る。そのため,掲載する論文の内容に読者の興味が与えるバイアスが減る可能性が出てくる。Open ac-cess journal を複数運営している Public Library of Science(PLoS)の雑誌 Pros One では,その editorial policy(http : //www.plosone.org/static/guidelines.action)に,“他の雑誌では査読によってその雑誌の 必要としている重要度に達しているかどうかを判断しているが,PLoS ONE では,その論文が科学的 に問題なく,scientitic record としてその結果を出版する意義があるかどうかを判断するのに査読を 行っている。”と記載されている。重要性に左右されないという policy を持つ雑誌の出現によって,出 版されるデータの傾向が従来と変わる可能性がある。Wikipedia が従来の百科事典の代わりになりつつ あるように,無料で利用価値の高い情報源は影響力を持つようになりやすい。しかし,open access jour-nal にも,掲載費が著者の投稿に与える影響や,長期間における雑誌データの保管等で問題が起こる可 能性がある。まだ open access の雑誌が出てから日が浅く今後学術的な情報源としてどのような役割分 担を果たすようになるかはっきりするには少し時間がかかりそうであるが,このような変化は,自分の data を早くかつ広く伝える必要を持つ研究者に与える影響は大きい。研究者にとっては情報源のバリ エーションが増えた分今まで以上に,自分の期待した読者に読まれるためどのような情報源を選ぶかに ついて考える必要が増え,evidence となりうる確かな論文かを多様な情報源の中から選び出す目が必 要となってきている。皮肉にも情報量が増え,何でも知る事ができるようになった分,誤った情報も増 え何も解らなくなる可能性が出ている。研究者には,一般に流れている学術情報の正確な受信と発信に よりその方向を正しく導くことが必要となってきている。 (東京歯科大学微生物学講座 教授)

参照

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