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IRUCAA@TDC : №18:歯周炎におけるPD-1/PD-L1機構を介した破骨細胞分化調節

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Academic year: 2021

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Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/

Title

№18:歯周炎におけるPD-1/PD-L1機構を介した破骨

細胞分化調節

Author(s)

今村, 健太郎; 中根, 咲; 齋藤, 淳

Journal

歯科学報, 120(2): 211-211

URL

http://hdl.handle.net/10130/5156

Right

Description

(2)

目的:歯周炎は歯周病原細菌に起因した感染症の一

つである。炎症による T 細胞の活性が歯槽骨吸収 を制御しているという報告もある。T 細胞の機能抑 制 に,が ん 免 疫 に お け る プ ロ グ ラ ム 細 胞 死-1 (programmed death-1,PD-1)/PD-リガンド-1 (programmed death ligand-1,PD-L1)経路が 注目を集めている。しかし,PD-1/PD-L1経路と 歯周病との関連においては明らかにされていない点 が多い。そこで本研究の目的は,歯周炎局所におけ る PD-1/PD-L1機構と破骨細胞分化の関連を解明 することとした。 方法:ヒト歯肉上皮細胞(Ca9-22)に Porphyromonas gingivalis ATCC 33277を12時間感染させ,PD-L1遺 伝子発現量の変化を qRT-PCR によって測定した。 全身麻酔下において,マウス上顎第二臼歯に絹糸 (6-0)を結紮し,実験的歯周炎を惹起させた。 処置後5日目に絹糸周囲の歯肉組織を採取し,PD-L1の遺伝子発現変化を健常側と比較した。さら に,眼窩より採血を行い,血中濃度の変化を検討し た。そして PD-L1の破骨細胞分化に及ぼす影響を 検討するために,マウス破骨細胞前駆細胞(Raw 264.7)に PD-L1(10−500ng/ml)を 投 与 し,破 骨細胞分化マーカーの定量および TRAP 染色によ る破骨細胞様細胞の観察を行った。

成績および考察:In vitro での P. gingivalis 感染は,

Ca9-22における PD-L1の遺伝子発現量を約5倍上 昇させた(P<0.05)。また,絹糸結紮歯周炎モデ ルマウスにおいて,絹糸結紮周囲の歯肉では,健常 側と比較して約7倍の PD­L1遺伝子発現の上昇 (P<0.05)を認めたが,血中における PD-L1発 現の変化は認められなかった。そして破骨細胞分化 マーカー(Cat-k,C-fms)の遺伝子発現量は PD-L 1(10ng/ml)投与により上昇した。TRAP 染色 による破骨細胞様細胞の観察においても同様の傾向 が示された。 以上の結果より,実験的歯周炎の局所では PD-1 /PD-L1機構を介して,破骨細胞分化に影響を及ぼ す可能性が示唆された。今後は,歯周病原細菌に感 染した上皮細胞と T 細胞の相互作用における PD-1/PD-L1機構の関与を検討し,詳細なメカニズム を明らかにしていく計画である。 目的:副甲状腺ホルモン(PTH)は,骨形成促進 作用が明らかにされており,PTH の間歇的投与が 歯周組織の創傷治癒を促進したという報告がある。 一方,中性自己組織化ペプチドハイドロゲル(SPG -178)は,細胞外マトリックス(ECM)と類似し た構造を有しており,マウス頭蓋骨の生体組織修復 に効果的な三次元的足場材料として応用された。し かし,歯周組織欠損内に応用した際の効果は明らか になっていない。そこで本研究の目的は PTH の全 身投与と SPG-178の局所応用の併用による歯周組織 治癒の影響を検討することとした。 方法:本研究は東京歯科大学動物実験委員会の承認 を 得 て 行 っ た(承 認 番 号:192201)。In vitro で は SPG-178の微細構造を走査型電子顕微鏡(SEM)を 用いて観察した。ラットの上顎前歯を抜歯後,歯根 膜由来(rPDL)細胞を培養し SPG-178との相互作 用を Cell Proliferation Assay(WST-1,BrdU)に て 解 析 し た。In vivo で は10週 齢 の Wistar 系 雄 性 ラットの上顎第一臼歯近心に規格化欠損を形成後, 根面をルートプレーニングし,外科的に歯周組織欠 損を作成した。欠損内に SPG-178を応用した群と Unfilled 群に分け,各々に PTH 全身投与・非投与 の2群に分け,計4群を設定した。術後2週で形態 学的(μCT),組織学的(H-E,Azan 染色),免疫 組 織 化 学 的(PCNA,VEGF,Osterix 染 色)に 検 討した。 結果:SEM では,ECM に類似した微細な網目状構 造が認められた。WST-1,BrdU の結果,SPG-178 内で rPDL 細胞の増殖を認めた。骨梁構造解析の結 果,術後4週で PTH 非投与/Unfilled 群と比較し, PTH 投与/Unfilled 群(p<0.001),PTH 投与/SPG -178群(p<0.001)では骨体積率が有意に大きな値 を示した。H-E 染色でも同様の傾向を示し,PTH 投与/SPG-178群ではより顕著に新生骨様構造が認 められた。Azan 染色では術後4週において,SPG-178応用群では骨欠損部付近の歯根表面に斜走する 歯根膜様線維が観察されたが,他群では歯根とほぼ 平行に走行していた。PCNA,VEGF,Osterix 陽 性細胞率では,術後2週において PTH 非投与/Un-filled 群と比較し,PTH 投与/SPG-178群で有意に高 い値を示した(p<0.01)。 考察:PTH と SPG-178の併用により歯根膜細胞や 骨芽細胞を活性化させ,新生血管形成や骨のリモデ リングを促進したことが示唆された。

№18:歯周炎における PD-1/PD-L1機構を介した破骨細胞分化調節

今村健太郎1),中根 咲1),齋藤 淳1)2)(東歯大・歯周)1)(東歯大・口科研)2)

№19:副甲状腺ホルモンの間歇的全身投与と中性自己組織化ペプチド局所応用の併用が

ラット歯周組織欠損の治癒に及ぼす影響

吉田 航1),松上大亮1)2),村上 侑1),備前島崇浩1),今村健太郎1),勢島 典1),齋藤 淳1)2) (東歯大・歯周)1)(東歯大・口科研)2) 歯科学報 Vol.120,No.2(2020) 211 ― 109 ―

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