東日本大震災 危機発生時の対応について考える:2.携帯電話の震災対応
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(2) 暫定対策エリア. 復興後エリア. 既存基地局を利用した大ゾーン化 衛星エントランス基地局の暫定設置 衛星回線を利用した車載型基地局の設置 無線エントランスを利用した小型基地局の暫定設置. 衛星エントランス. 避難所. 基地局新設によるエリア整備. 大ゾーン化. 避難所. 衛星エントランス基地局 新設基地局. 車載型基地局 既存基地局 対策本部. 無線エントランス. 既存基地局 対策本部. 小型基地局 仮設住宅. 新設基地局. 仮設住宅. 図 - 2 au 基地局の復旧・復興イメージ. 発生に備え当社としては燃料供給会社と契約を締結し,. 基地局の早期復旧. 不測の事態でも優先的に燃料入手できる体制を構築. 長期間にわたる停電,基地局へのアクセス回線障. していたが,今回は高速道路を始めとした輸送ルート. 害および津波や地震による基地局倒壊などによりサ. も被災しており,現地へのタンクローリ輸送も時間を. ービスエリアに穴が空いている地域の早期復旧の. 要した.その後,宮城県と岩手県に燃料補給基地を確. ために,衛星回線を利用した車載型基地局をフル. 保し,そこをベースにピストン巡回輸送方式を行った.. 稼働させたのはもちろん,それ以外にも比較的短 期間で構築できる衛星エントランス回線や 5GHz 帯,. 現地作業員への支援. 18GHz および 25GHz 帯の無線エントランス回線を. 仙台市の現地対策本部を中心とした復旧活動にお. 利用した大ゾーン化など,各種暫定復旧対策を採用. いてもう 1 つ重要なのは,過酷な環境で日々復旧活動. することにより,4 月末の段階においては,避難所,. を推進している社員や協力会社の人たちへの食料や. 災害対策本部などの重要拠点を中心とした震災前と. 水,着替え等の生活物資と応援部隊の宿泊場所の確. ほぼ同等の広さのサービスエリアを構築し,復旧フ. 保である.仙台市内は停電が約 1 週間,断水が約 2 週. ェーズを終了することができた(図 -2 参照).その. 間,ガス供給停止にいたっては約 1 カ月間続いており,. 後は,新設基地局を早期に建設し,震災前と同等あ. ある程度の非常食は確保していたとはいえ,ライフラ. るいはそれ以上のエリア品質をカバーできるよう復. インが寸断された被災地での生活物資の確保は難し. 興フェーズとして全社一丸となって取り組んでいる.. く,金沢に物資補給基地を作り応援者と一緒にトラッ. (2011 年 5 月 27 日受付). クで支援物資を何度も輸送した.ピーク時には協力会 社含め約 750 名の応援者の宿泊場所のため市内のホ テル,マンションの手配,あるいは仙台市郊外にある 秋保温泉の部屋の長期確保も行った.. 南條善明 ■ ys-nanjou@kddi.com. 1980 年仙台電波工業高等専門学校卒業,国際電信電話(株)入社, 2000 年 10 月合併し KDDI(株)へ.主に固定・移動体無線分野に従事, 現在は運用本部モバイルオペレーションセンター長.. 情報処理 Vol.52 No.9 Sep. 2011. 1065.
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