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情報爆発時代におけるわくわくするITの創出を目指して : パートI : 情報爆発時代における新しい基盤技術 : 0.情報爆発時代の研究動向

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Academic year: 2021

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(1)特集 ★ 情報爆発時代 における わくわく する IT の 創出 を目指して. 【 パート I:情報爆発時代における新しい基盤技術 】. 0.. 情報爆発時代の研究動向. 柴山 悦哉* 1. 鳥澤健太郎* 2. * 1 東京大学 * 2 (独)情報通信研究機構.  情報が少し増えると,その利活用の可能性も少し増え. り情報検索・提示する情報コンシェルジェ」では,人間. る.しかし,情報が爆発的に増大すると,ことはそう単. 同士の日常会話に近い形で,情報コンシェルジェと呼ば. 純ではない.見えなかったボトルネックが顕在化し,状. れるエージェントと対話を行い,膨大な情報の中から欲. 況がむしろ悪化することもある.たとえば,1 日に読み. しいものを得るための研究を紹介する.音声言語による. 書きすべきメールが 100 倍に増えたとしよう.たいて. 対話と非言語情報の活用が特徴的である.. いの人は「そんなにたくさん読み書きできない」とか「そ. アルゴリズム:アルゴリズムの理論では,入力データサ. んなことは考えたくもない」と思うだろう.人間がボト. イズ N に対し, 計算量を N の関数として表すことが多い.. ルネックとなり,コンピュータ,ネットワーク,ストレー. 情報爆発時代とはすなわち,この N が非常に大きくな. ジの性能や容量も不足するおそれがある.また,従来と. 2 る時代である.その結果,計算量 O (N ) でさえ非現実. は質的に異なる情報(たとえば,機密情報やプライバシ. 的になる.2「情報爆発時代のための新しい超高速アル. 情報など)が増えると,制度面に軋みが生じる可能性も. ゴリズム」では情報爆発時代にも有効な高速アルゴリズ. ある.. ムの研究を紹介する..  爆発的な変化に適応するためには,今までのやり方を. IT システム:爆発的に増大する情報を扱い,さらに社会. 根本的に変えねばならず, これを痛みと感じる人も多い.. 基盤を担う IT システムには,スケーラビリティ,セキュ. しかし,研究者にとって,爆発的な変化ほど面白いもの. リティ,安定性が求められる.しかし,これら 3 要件. はない.なぜならば,既存技術の漸進的な進歩では対応. をすべて満たすのは容易ではない.3「情報爆発は情報. できず,革新的技術が求められるからである.パート I. システムをも「爆発」させる」ではこれらの要件を満た. で紹介する情報爆発時代の基盤技術研究は,膨大な情報. すための研究を紹介する.自己モニタリングとその結果. を有効に利活用するために,人間,アルゴリズム,IT. の解析に膨大な計算資源を投入する点に特徴がある.. システム,社会制度などに潜む根源的なボトルネックの. 社会制度:社会が機能するためには構成員をつなぐ仕組. 解消を目指している.. みが必要であり,情報の流通なくしてこれはあり得な い.爆発的に増大した情報が社会の隅々まで流通し,さ. 人間:人間の能力は昔からあまり変わっておらず,情報. らに情報の解析技術が進歩すると,社会的課題が解決で. 爆発を直接的に受け止めるには非力である.しかし,人. きる可能性が高まると同時に制度面での軋みも生じる.. 間自体の強化は難しいので,コンピュータとのインタラ. 5「情報爆発時代におけるオープン・イノベーションの. クションの改善が重要な課題となろう.対象となる情報. 活性化」では,予防医療,電子政府などの社会的課題に. の膨大さを考えると,人間からの 1 回の問合せで,コ. 情報爆発技術でアプローチする試みを紹介する.. ンピュータが常に欲しい結果を適切に返すことは期待で. (平成 20 年 7 月 7 日受付). きない.人間とコンピュータが意思疎通のための情報交 換を繰り返し,最終的に欲しい情報を入手する方式が 現実的である.1「キーワードサーチを超える情報爆発 サーチ」では,ユーザからの問合せに関連したページ群 を,従来の検索エンジンでは下位にランクされ実質的に たどりつけないものまで含めて概観表示し,さらに次の 絞り込みの手がかりも与える方式を紹介する.Web ペー ジを対象に深い自然言語処理を行っている点が特徴的で ある.一方,4「対話を通じてユーザの意図・興味を探. 柴山 悦哉(正会員):[email protected] 東京大学情報基盤センター教授.1983 年京都大学理学研究科修 士課程修了後,東京工業大学等を経て 2008 年より現職.プログラ ミング言語,ソフトウェアセキュリティ,ユーザインタフェースソ フトウェアなどに興味を持つ.本会理事.. ---------------------------------------------------------------------鳥澤健太郎(正会員):[email protected] (独)情報通信研究機構 MASTAR プロジェクト言語基盤グループ, グループリーダー.1995 年東京大学助手,北陸先端科学技術大学 院大学助教授を経て,2008 年より現職,自然言語処理の研究に従事.. http://kccc.nict.go.jp/. 情報処理 Vol.49 No.8 Aug. 2008. 889.

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