ライフサイクルの危機への対応と自己意識の発達
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(2) 目次. はじめに・・・・…. ,・・・・・・・・・・・・・・・・… ,・・・・・…. 第一章 予備調査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…. 第1節 問題意識と目的 第2節 方法 6. 1. 5. 5. 第3節結果 6. 第4節結果のまとめと研究課題. 11. 第二章 会社員の「経験と教訓」の検討・・・・・・・・・・・・・・・・・…. 13. 第1節 目的 13 第2節 調査方法 13. 第3節 結果. 14. 第4節 考察 、20 第三章 工業高校生と会社員の「人生展望」に関する研究・・・・・・・・・…. 第1節 目的 23 第2節 方法 23 第3節アイデンティティ・ステイタスの構成比較. 23. 25. 第4節 「自己意識の生活的側面」に関する結果と考察 ・26 第5節 「自己意識の職業的側面」に関する考察 35 第6節 アイデンティティ・ステイタス毎の「生活的側面」と「職業的側面」の考察. 40’ 第7節. 「人生展望」の考察. 47. 第四章 キャリアカウンセリングへの展開・… 第1節 ライフサイクル模型の制作 第2節 模型の活用法 58. ∵・・・・・・・・・・…. 54. 54. 第3節カウンセリングへの応用 59 おわりに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 63. 謝舌辛 ・ ・ 。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …. 。 ・ ・ ・ …. 。 ・ …. 。 ・ ・ …. 。 ・ ・. 64. 引用文献 参考文献・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…. 65. 資料・・・・・・・・・・・・・・・・… 6・・・・・… ∴・・・…. 67.
(3) はじめに (1)経済構造の転換期. 2002年11月の日本の株式市場はバブル崩壊後の最安値を更新し、第二次世界大戦 後の復興経済が完全に転換期に達し、過渡期に突入している事を再三再四現示している。. このことは日本経済構造の戦後50年とりわけオイルショック、円高ショックを克服し今. 日に至った従来型を完全に脱却し構造的に組換えなければ、1929年のウォール街のブ ラックマンデーに始まる世界大恐慌を契機として世界大戦に至った歴史を再現する恐れは ないかと危惧させる。. 歴史の流れを変えうるのはその時代に生きる当事者即ち、我々である。日本経済が峠に. 向かっていた直近20年間の価値観や行動を我々が転換しなければ、既に問題視されてい る加速度的な熱帯雨林の伐採、非分解化学物質の蓄積増大、発展途上国における目標の喪 失、生活の困窮感の増大、世界レベルの貧富差の拡大、など問題山積の現実を前にして、 地球の歴史に前回以上の破壊を刻む可能性を否定できない。. このような現下の状況を克服し日本の未来を拓く対応策は、今日の価値観のベースとな っている模倣的労働力依存型経済、即ち「寄らば大樹の陰」的な少数の指導者と大多数の 従順な大衆という構造を理想とした価値観やそれに基づき展開した諸々の理論や思考方法 の呪縛から一刻も早く、一歩でも遠く、離れ、その対極概念である独創力開発力に繋がる 多品種少量生産に着目し、その魅力を再評価し、支持する理論や価値観を広めることであ ると考えている。. 我々市民が従来とは180度異なる行動指針を持つことが日本国民を活性化し、開発途 上国との無用な経済競争を回避し、共存共栄の理想に近づく方策であると考える。市民一 人一人の個性の自立を具現化するためには、社会と個人の関係について成人の既成概念と なっている社会との関係を一度個人に還元し、再構成するプロセスが必要である。人間性 発達の視点から、その機会は一人一人の成長過程の中でそれまで育ってきた家庭教育の既 成概念から脱皮する青年期と、それまで働いてきた企業文化の既成概念から脱皮する老年 期と二度あるように思われる。. (2)長寿命社会と人生課題. 平成14年度の厚生労働省白書によれば、日本は30年後には60歳以上が人口に占め. る比率は30%を超える一方、勤労人口(18歳∼60歳)は30%となり、子どもと老 人を支える社会制度再構築の問題提起をしている。画一化標準作業は自動化に適した概念 である。機械的生産が大量生産と低価格供給による大量消費を促進し、経済の再興と拡大 に最大の効果を発揮したことは成功と評価される。しかし、その間画一化された人的教育. 1.
(4) に相当な努力を注入したのが近年の日本経済社会システムであったといえよう。それは新 技術の開発を指向するよりも、製品を自動機械に置換え、低コストにする技術開発を基調 にしていたといえよう。. 年金制度はプロイセンの社会福祉政策として、ビスマルクが始めたが、ビスマルクが年. 金支給開始年齢を65歳に定めた時の国民の平均寿命は40歳だったといわれている。現 在、退職後の生活を支える国民年金は65歳の定年後に支給開始されるが、今日、平均寿. 命は75歳に達しており、当時の感覚では25年後の100歳が年金支給開始年齢となる。 労働と人生の問題は長寿命化の中で、産業社会の生活様式は雇用と定年後の余暇との極. 端に2分化した概念でおおくくりにされている。単に職業の場に過ぎなかったものが社会 的存在の全てを意味し、会社から離れた余暇が個人的な全てを意味する心理状況は人間の 活動に対するイマジネーションを極めて狭いものにし、現実的とは言えなくなって来てい る。. 年齢で区分すると、青年や中年は中堅層として特定の役割と効率を担う立場であり、社 会関係の規定を守る職務遂行を長期に亘り継続する結果として、均一化の傾向にある。子 どもと老人は自由が大きい分、多様性の可能性を有する年齢層である。中堅層に比して自 由を得やすい高齢者が社会参加形態め多様化を促進し、そのライフスタイルが青年や中年 者の人生の目標となる多種多様な文化風土にしなければならないと考える。多品種少量生. 産という概念は今後50年にわたる少子高齢化傾向の日本経済社会と一致する。このよう な問題意識から老年期の課題を考察したい。. 人生を生きるということは、「今、この時」を全身の力を込めて活動することであるが、 退職で職場を失い、「今、この時」の場が突然足元から消え、自分が一瞬見えなくなると、. 人生が失われたように思ってしまうが、人生は消滅するわけではない。人生をしっかり捉 えておくことが最優先事項なのだ。. (3)キャリアカウンアセリングの必要性 若者に対するキャリアカウンセリングは人生展望に関するテーマがその中心となるだろ う。フリータとして確定した職業を決めず収入と時間を自己の管理下に置くことを生活ス. タイルとしている20代の勤労者が日本労働機構の報告によると2000年度で193万人と なっている。また、大卒が就職後3年間で会社を辞める者の比率が3割とならている。組 織集団に対峙する個人としての深い自己意識を経た決断であればこの数字は歓迎すべきで あるが、社会的役割に伴う責任や行動の準備が不充分とか、核として育てるべき価値観が 認識できないとすれば、その未熟さは暴走族、カルト集団、家庭内暴力、社会的引篭り等 の諸症状を示す原因となろう。思春期では既成の権威にたいする反抗過程を大なり、小な り経験して成人になっていくのであるが、就職時点に至る年齢までに何らかの理由でこの. 2.
(5) 人生課題を成し遂げる機会を持てなかったということが原因として挙げられようか。. また、中高年齢者にたいするキャリアカウンセリングは年齢と本人の抱えている課題に よってそのアプローチ法が異なってくる。学業や就職、出世や業績にあまりにも前のめり な姿勢が原因で問題を抱えた場合は「人生に残された時間を意識させ、現在所属している 組織や業務を外側から観察・評価し、生涯の場であるか否かの判断を求める」アプローチ をする。また、組織から浮き上がっている場合は「自由な状態こそ人生の転機と判断し、. 改めて、活動の場を求め、そのために必要な技能を修得する」アプローチをする。或いは 「休息を取ること」を助言する。この場合、現実的な問題として収入面と健康面に関する ことが多いが、「衣・食・住」における自立の重要さを認識する学習の機会と認識する。現. 代では自助努力抜きで一足飛びに居心地が良い、安定した職場で{充実した時問という親 世代が築いた経済力をそのまま継承する幻想の「居・職・充」の中に思春期を長期化させ ている若者や中年者がいるかもしれない。. 日本の産業構造は少品種大量生産から多品種少量生産に大転換を迫られていると筆者は 現状認識をしているが、企業の事業活動は市場を通して世界の消費者の要求を把握し提供 する主体的な活動であるからして、この状況下では「貴方と共に」とか「会社と共に」と いう社員意識はもはや評価されないのは明らかである。現実の企業においては社員一人一 人が事業の担い手である。会社は数年毎に昇格面接を行い「貴方の専門は何ですか?」「こ. れまでにどのような仕事をされてきましたか?」と質問し、本人の意欲の方向を見定めて いる。何でもできる器用な人は担当職種毎に、その職種の事業家であるという意識を持っ て仕事に当たらねば器用貧乏になってしまう恐れがある。. 多品種少量生産は単位当たりとしては極めて小規模な物やサービスの提供となる。今日 のブランド人気は、個人にとっても自己のブランドを確立し、世に問う生き方が主流にな る前兆と考えたい。自己ブランドの確立を目指す生き方は長期の人生計画に沿った職業経 験により自己の職業意識と職業スタイルを具現化させ、職業や産業活動を多様化させるだ ろう。. 人間が時代という環境を移動する動物とすれば、活力が沸くように支援するカウンセリ ングとはどのようなものであろうか。人生を変らないものと考えたり、人生は変るものと 考えたり、人間を捉える視点を「個人と集団」、「経済力と健康」、「生涯のある期間と全体」、. など多面的立体的に徳物することが人生の理解を促進すると考える。この様な視点に立っ たキャリアカウンセリングを構築したいと考えている。. (4)人間の発達について 「年々歳々花皆同じ、歳々年々人皆同じからず」は老年に至って故郷の地を訪れた詩人の. 感慨であるが、現代の50歳を超えた会社員には「人生は一回きり、一人として同じ人生. 3.
(6) は無いから自分らしく生きることを追求して欲しい」という響きとなって届く。詠われた 花とても人同様、同じものではないのだが。半生を過ぎ、子供たちに「人生の全貌」をど のように伝えるべきか、幼年期から中年期までを通した「個人と社会との関係」や、現実 的な生活感情としては「個人の才能の発揮と経済的成功の関係」或いは、「課題解決の知性 と幸福な感情の関係」といった、「人生の全貌」をライフサイクルと考え、ライフサイクル. とパーソナリティの発達とを関係付けてキャリアカウンセリングに応用したいと考えてい る。. また、「幸せに生きるとはどういうことか?」この大きな変革の時代にあってどのような. 座標軸を持ちながら自己の判断を下すべきか。本研究では、高校生と40歳成人を主な研 究対象とした。15歳の高校生が現在感じている課題はかって筆者が高校時代に感じてい た事柄でもある。その頃は40歳になったらどうしょうと思っていたのだろうか。また、. 今回調査対象とした40歳は筆者がつい10年前に過ぎてきた年齢である。彼らの課題や 願望に全て共感できるであろうか。そのありのままの心模様を浮かび上がらせ全貌を知り たいと考えた。. 「人間とは何か」「人生とは何か」を問い、「自己意識の形成」と「感情への対応」に焦. 点化し思考を集中すると、そのようにしている自分の姿が意識され、その意識が自己の主 体性であると思うことがある。. もう一つこだわりがある。30歳を越えた頃であろうか、20代とは明らかに異なる発 想をしている自分を発見し驚いた経験である。加齢によって新しい自分が生じてくるとい うことを体感した事である。単に社会経験や立場や役割がそのようにさせるということで はなく、それ以外に何か新しいものがある。いっかその事を考えたいという人生の宿題の ようなものであった。植物がその蕾を長い時間をかけて膨らませるようにその宿題に答え を出すときが来た。発達心理学を幸せに生きるための学問として活用したいという思いが ある。. 義務教育は「社会がこれまでに必要とした学習」を未成年者に提供することで現代社会 の一員として迎える準備を整えてきた。中学や高校までの教育が「これまでの社会が必要. とした学習」として60歳までの人生にたいするプレゼントであったとすれば、61歳以 降80歳を超えようとする人生にたいする「社会がこれまでに必要とした学習」のプレゼ ントは何であろうか?長寿命社会にあっては60歳以前に丁老年期に対応する学習」の機 会設置を真剣に考える必要があるのではないかと考える。. 本研究では会社員の自己意識発達と定年後の展望を調査することにより、日常の生活目 標や問題意識の関係を生涯全体の中で明らかにし、誕生から死に至るまでの生涯がどのよ うな課題によって支えられ、動機付けられているのか、その全体を傭瞼する。また、人生 課題の適切な布置を考察する過程で「老年期」の人生課題を明確にすることを目的とする。. 4.
(7) 第一章 予備調査. 第1節問題意識と目的 日本経済における雇用の流動化に対応した中高年齢者の再就職支援業務の開発を念頭に、 転職者の心理を踏まえた適切な進路指導方法を開発したいと考えた。変革の時代における 人格形成には豊臣秀吉,高橋是清、本田宗一郎のような生涯があるように、変化し成長す る主体的人間の自我発達の多様な事例を学び、アイデンティティ・ステイタスの概念を課 題解決のプロセス(岡本、1986)として心理力動的に活用する事により、人生課題に対し て積極的な対応能力を形成する一助にならないかと考える。 人格の発達と進路とを関連させた研究には多くの先行研究がある。(注1)また、現実自己. と理想自己の対比評価よりも実現可能性の有無に着目した自己形成意識の研究(水間、 1998)や大学生における自我発達と過去,現在,未来に対する関心の強さの関連を調査し た研究(都筑、1993)などの先行研究が中高年齢者の進路選定時の心理的状況を研究する に当たっての方法論の参考になる。しかし、これらは全て青年期の若者を対象としたもの であり、直接中高年齢者の進路選定過程を理解する参考とはならない。むしろ、既に人生 の半ばを過ぎた中高年者を対象とするにはライフサイクルの全体をとらえる作業を先行し、. 個別の研究成果との相対的関係を理解する方がより有効であろうと考える。それで、中高 年齢者を対象とした成人の自我同一性に関する研究(岡本・山本、1985、岡本、1986)を ベースに研究の方向性を探る事にした。. 長寿命化する時代に定年60歳は経済的にも社会活動的にも早すぎる年齢である。また、. 大企業といえども60歳までの雇用を保証し得ない、厳しく激しい企業間競争の状況下で は、従来の老年期における課題の捉え方や成人期の課題の捉え方に対する再検討が想定さ. れる。それで、40代会社員の現状の意識を自由記述で採集する予備調査を行い、今日の 状況下で人生課題をどのように捉え、何を心に刻み今日あるのか、また、人間が成長し自 立的に生きて行く具体的内容をライフサイクルの危機への対応という視点で研究の方向性 を探る。. (注1). ①中学生、高校生、大学生の自我理想と理想自己像の形成過程を分析した研究(岡 田、1987). ②高校生の進路意識を調査し悩みを感じる生徒の特徴として将来の進路の実現可能 性が低く努力もしていないこと、その悩みを減少する為の自己努力がなされるべ きであるが結果はその逆であること(鈴木・柳井、1993). ③高校生を対象に進路選択において自我の発達段階と進路成熟度を調査し模索経験. 5.
(8) の重要さを指摘した進路決定過程の研究(下山、1983、1984). ④中学生,高校生,大学生の職業的発達過程を自己実現との関連で調査した研究(望 ,月、1991). 第2節 方法 (1)調査対象者 大企業電気機械製造業C社 40代社員112名(回答者48名、男 45名、女3名、回答率42.9%) (2) 質問紙. 箇条書き自由記述とし、質問は次の6項目とした。. ①「40代の貴方にとって人生上の最大関心事、悩み、課題は何ですか?日頃考えて いる事や思いつくものを5つ具体的に書いてください(未解決、解決済みを問い ません)」. ②「将来65才になった貴方はどのような暮しをしたいとお考えですか?実現性の高 いものと願望も含めて5つ書いてください。」. ③「70才や75才ではどのように暮したいですか?」 ④「生まれてから今日まで、貴方の人生でどのような危機(ピンチとチャンス)を経 験されましたか?そのことで、変化した考えや新たに加わった考えはありました か?○○の経験で△△と考えるようになった。という様に書いてください。」. ⑤「三年後に一年以上の余裕があったら何を充電したいですか?それは何故ですか? 三つ書いてください。」. ⑥「今後二年以内に一ヶ月の休みがあってリフレッシュするとしたら何をしたいです か?」. (使用した質問紙は巻末の資料を参照). (3)調査手続. (4)調査時期 (5)結果の整理. 社員集合研修時に質問紙を配布し、郵送で回収した。. 2001年8月と9月 KJ法を応用して、回答を分類した。. 第3節 結果 (1)人生の危機の舞台と教訓の形成. ○○の経験により△△を学んだという経験の場や出来事は①20代の多感な頃:大人. 6.
(9) 社会の洗礼、大学受験、病気、けが、結婚 ②会社勤めの中で:仕事に鍛えられて、立場 と役割、職場の評価 ③家庭作りの中で:子どもが生まれて、両親との境界形成、家庭と 職業との両立 ④家庭と会社の範囲外の出来事:病気、けが、兄の死、大震災、地域や社 会の事:件 に分類し、「図 1−1人生の危機の舞台」に示す。. 20代の多感な年頃. 会社勤めの中で 仕事に鍛えられて i立場と役割、職場の評価 家庭作りの中で 子供が生まれて ;両親との境界形成 1家庭と職業の両立 会社と家庭外での出来事 病気 けが 兄の死 大震災 1地域や社会の事件. 大人社会の洗礼 大学受験 病気. i結婚. けが. 図 1−1 人生の危機の舞台. また、経験から学んだ内容は ①個体維持の自覚. ②内面世界の核心 ③他者との関係. に3分類し、「表 1−1 自己意識の発展」に示す。. 表1−1自己意識の発展 自己意識の発展 教訓学習の分類. 個体維持の自覚 自立への覚悟 生命への責任. 内面世界の核心. 他者との関係. 人生に対する考え. 世間(外界)に対す る考え方 社会への信頼. 方. 自分の能力や行動. 人生は何が起こる. への自信 親孝行. 努力すれば何とか. 教訓学習の内容. 危機の舞台との関. か分らない 保守的、安全第一. 20代の多感な年 会社勤め初期から q供の誕生の頃か. 人への信頼. なる. 自分で決断する. 信頼関係の積極的. 家庭形成の主体的. な広がり. 役割 職務遂行の渦中. W. ?ゥら. ニ庭形成の渦中. 考察の視点. 生命の誕生 大人になる自分 @ (生命の成長). 仕事をする自分 家庭を形成する自分 i社会性の成長). この他に経験のみを書き教訓を書かない人、経験も教訓も書かない人、経験も教訓も「な し」と書いた人があった。. 7.
(10) (2)教訓の5つのパターン 経験によって形成された自己意識のうち共通した結論を導き出す定型化した言語を教訓 とし、関心事項と教訓との関連を考察し5つの教訓パターンを得た。「図 1−2教訓の形 成5つのパターン」に示す。. 教訓学習の分類. 自立への覚悟. 人生に対する考え方. 生命への責任. 人生は何が起こるか 守的、安全第一. @. 考え方. 社会への信頼. ェらない. ・自分の能力や行動へ. lへの信頼. フ自信. 努力すれば何とかえ.ゴ ?. 教訓学習の内容. 世間(外界)に対する. 一. .. M頼関係の積極的な. @孝行. Lがり ゥ分で決断する. C家庭形成の主体的役’割. @ 危機の舞台との関係. −. 20代の多感な年頃 ゥら. 会社勤め初期から子 氓フ誕生の頃から. 職務遂行の渦中.. ニ庭形成の渦中. 図 1−2 教訓の形成 5つのパターン. 自分の努力や能力に対する信頼や自信が強い. …. 自信. 人生は何が起こるかわからない、安全第一. …. 安全. 自分で決断する事が大事である. …. 決断. 家庭形成には自分の主体性を発揮すべきである. …. 家庭. 人や社会との信頼形成が大事である. …. 信頼. (3)40代の関心事と65歳頃の関心事 40代の現在の関心事はKJ法で分類し10項目とした。 健康、親、結婚、住居、家庭、子育τ、仕事の課穎、職務上能力、出世・安定、60歳以 降. 「個人の成長(健康、親、結婚)」1「家庭の形成(住居、家庭、子育て)」「職務上の発展. 8.
(11) (仕事の課題、職務遂能力、出世・安定)」「60歳以降」と4分類する。. 時間展望としては、個人の成長は過去に根ざし、家庭と職務は現在につながり、60歳 以降は将来の事項と言えよう。. 65歳頃の関心事をKJ法で分類し10項目とした。 健康、生活資金、住居、子供と孫、夫婦、旅行、趣味、社会参加、職業、日常行動 「健康と経済力(生活資金)」「ライフスタイル(日常行動、住居)」「家族(子供と孫、 夫婦)」「コミュニィティ(社会参加、職業)」「ライフワーク(旅行、趣味)」と6分類する。. (4)人生の危機の舞台と5つの教訓と40代の関心事項との関連. 人生の危機の舞台と5つの教訓と40代の関心事項との関連を次ページの「図 1−3 人生の危機と教訓と40代の関心事項との関連」にまとめ、経験と教訓と現実行動との関 連を示す。. ①. 人生の若い時期に危機を経験し教訓にしている人は、「自信」にこだわり、能力、. 子育て、定年後に対する関心が大きく、反面、収入、家庭に対する関心が低い。人 物イメージとしては「人生設計の関心があり、がんばりタイプ」である。 ② 職務遂行過程で危機を経験し教訓にしている人は、「安全」にこだわりぐ子育てに 対する関心が大きく、反面、収入、親、定年後に対する関心が小さい。人物イメー ジとしては「子育ての関心が高い、安定志向タイプ」である。 ③ 家庭を営む過程で危機を経験し教訓にしている人は、「家庭」にこだわり、子育て に解する関心が大きく、反面、能力、健康、家庭に対する関心が小さい。人物イメ. ージとしては「収入に対する関心よりも職場の課題や人間関係に関心が高いタイ プ」である。. ④ 危機を記述しているが教訓を書いていない人は、2つ特徴があった。1っは、親、 能力、健康に対する関心が大きい、人物イメージとしては「内的な世界から脱皮し. ていないタイプ」であり、もう1つは、子育て、仕事に対する関心が小さい、人物 イメージとしては「子育てと仕事の課題に係わらないタイプ」である。 ⑤ 危機も教訓も書かないか、無しと書いた人は、「決断」にこだわり、収入、家庭に 対する関心が大きく、反面、仕事、親、定年後に対する関心が小さい。人物イメー ジとしては「核家族の形成に関心ゐ弐強く、現実的タイプ」である。. 9.
(12) 安全. 決断. 信頼. 自信. 家庭. 人生は分からな 努力すればなんと 自分の意志で決め い、なるようにな かなる。 自信を持 人間の信頼関係が 家庭を形成する事 る:事が大事である る。安全慎重が大 って取組む事が大 が大事である 大事である 事である 大. 小. 大. 小. 事である. 大. 小. 大. 大. 小 一. 。. 置. 小. ■. 一. 一. 嘗. の若い、. 能力、 大. 子育て、. lI人生設計に対する関心. 1. ■1や頑張りの意思が強く1. ■. し教訓に. 1. 響. 収入、家. 小. 牛s過. 一. 一. 一. ■. 一. 一. 子育て. 大. 程で危. 子育ての関心が高い。. 安定志向. し教訓に. 人. ③家庭. cむ過. 1. 茁. @を経験 している. 出ている. 墨. 一. ②職業. 1. :. 機を経験. @人. 子育て. 1. 定年後、. 冾ノ危 している. 1 :. :. ①人生. イメージ. 入、 小. 親. 、定. 大. 親. 育て. 程で危. 収入に対する関心より. @を経験. も職場の課題や人間関 係に関心が強い. し教訓に している. @人. ④危機を. ヒカ、. 家族、親. 小. 大. A家庭. 能力. L述して いるが教 訓を書い ていない 人. @健康. 内的な世 ゥら脱皮し. トいない. 子育て、仕 子育て、仕 事の二大. 仕事. 小. 親、能力、. @ 事. 幕ニの係り が少ない. ⑤危機も 教訓も書. 大. 入、. 核家族の形成に強い関. ゥない. 心がある。現実主義的. か、無し. ニ書いた 人. @な傾向が強い. 事、 小. 、定. 後. 図 1−3人生の危機と教訓と40代の関心事項との関連. 10.
(13) 第4節 結果のまとめと研究課題. (1) 結果のまとめ. ①人生の危機の経験とそれに伴う教訓の有無が現在の関心事や生活スタイルに関係 していることが認められた。. ②危機の経験と教訓とが一対一で対応するというよりも、いくつもの経験から機能的に 教訓が引き出されたり、ある観念が演繹的にあらゆる経験に対してその適応程度が検 証されたり、そのような複合作用或いは学習の検証がなされた結果として言語化され たものが教訓であると考える。自己意識は個体にとってその時必要なものが意識に上 ってくる(梶田、1988)からして、心の中に価値判断基準として記憶され機会あるご とに繰り返し反糊される観念を教訓と考えたい。教訓が実用的であるには常時思い出 されなければならない。本調査では5個であった。. ③ 40代会社員の現在の生活関心事項と65歳時の願望を10項目に整理できた。 ④ 「危機」と「教訓」には関連がありそうである。(同一体験に根ざした表現だから当. 然か). ’. (2) 研究課題. 予備調査から「経験と教訓」「生活関心事項と人生展望」を軸に「人生全体」を{府冷す ることととし、下記事項を研究課題とする。. ①アイデンティティ・ステイタスの比率は加齢によりどのように変化するか ②アイデンティティ・ステイタス毎に人生課題は加齢によりどのように変化するか. ③40代社員の危機と教訓とアイデンティティ・ステイタスとの関係はどのようになつ. ているか ④キャリア(生涯をかけた職業)と就職(当面の仕事)、アイデンティティと行動、をど う考察したらよいのか. ⑤職業進路指導は人生全体の中でどのように考えたらよいのか(キャリアの基盤形成を ライフサイクルの視点でとらえるとどのようになるか). ⑥アイデンティティ・ステイタスや教訓の枠組みを手がかりとしたカウンセリングでの. 活用を図る. 11.
(14) ⑦質問紙に「同一性地位尺度(加藤、1983)」を加え、今回の研究がアイデンティティの 先行研究と比較できるようにする。 以上の研究課題を持って本調査を実施することとした。. 12.
(15) 第二章. 会社員の「経験と教訓」の検討. 第1節 目的 予備調査では経験と教訓に関連があるらしいことを指摘したが、第二章では40歳会 社員を対象に調査し、アイデンティティ・ステイタスを手がかりとして、経験の内容/ 種類と教訓の内容/種類を検討する。マーシャのアイデンティティ・ステイタスは危機 の経験の有無と危機に対する関与の程度により、アイデンティティ達成、モラトリアム、 予定アイデンティティ(本論文では権威受容)、アイデンティティ拡散の4っのパターン に区分している。(鐘、1990). 「経験」は質問を受けた時点の関心事に沿ったエピソードを喚起するであろう。また、. それを「教訓」と結び付けて質問することにより、その人の自己意識が何等頃、即ち幼. 年期、青年期、成人期、現在、のどの時期に形成されたか。また、40歳会社員の日常 を支える意識の中核はどのようになっているかを調べる。更に、「教訓」は価値観の形成 にどのような影響を与えているかを検討する。. 第2節 調査方法. (1)調査対象者大企業電気機械製造業C社 40歳社員 184名(回答者70名、男68 名、女2名、回答率38.0%) (2)質問紙. 箇条書き自由記述と「同一性地位尺度(加藤、1983)」とし、自由記. 述の質問は次の3項目とした。 《自由記述》. ①「現在のあなたにとって人生上の最大関心事、悩み、課題は何ですか?日頃考え ている事や思いつくものを5つ具体的に書いてください(未解決、解決済みを 問いません)」. ②「将来65才になったあなたはどのような暮らしをしたいとお考えですか?願望も. 含めて5つ書いてください。また70才や75才ではどのように暮らしたいです か?」. ③「生まれてから今日まで、あなたの人生でどのような危機(ピンチとチャンス) を経験されましたか?そのことで、変化した考えや新たに加わった考えはあり. ましたか?「□才の頃○○の経験で△△と考えるようになった」という様に書 いてください」. 質問①②は、第三章で高校生との比較をおこなう。この章では質問③のみを検討する。. 13.
(16) 《同一性地位尺度》. 同一性地位判定尺度(加藤、1983)は「現在の自己投入」「過去の危機」「現在. の自己投入への希求」の3つの変数の値から、次の6っの同一性地位(同一性達 成地位、権威受容地位、積極的モラトリアム地位、同一性拡散地位、同一性達成 一権威受容中間地位、同一性拡散一積極的モラトリアム中間地位)を特定するこ とが出来る。. (3)調査手続. 一日社員研修の後、質問紙を配布し、郵送で回収した。. (4)調査時期 (5)調査結果の整理. 2001年11月∼2002年2月 KJ法を応用し、記述内容を分類した。. 第3節 結果 KJ法を援用し、記述内容を分類した結果を「図 2−140歳会社員の人生経験」「図. 2−240歳会社員の人生教訓」に示す。図中のA、AF,F,M,DM,Dの記号の意味は次 のとおりである。. Aは自我同一性確立. AFはAとFとの中間 Fは権威受容(自我早期確立). Mは積極的モラトリアム. DMはDとMとの中間 Dは自我同一性拡散 (1) 経験の分類. 「図 2−1 40歳会社員の人生経験」は年齢を横軸に出来事を縦軸に配置したもので ある。明朝体は「DとMの中間」に区分された人の記述であり、「DとMの中間」以外はゴ シック体で表記している。対象者が記述した経験は時間軸と内容により実線で囲んだよう に、6つのグループに分けることができる。 ①「少年期から大人の世界に入る時期にかけての学校や進学」 ②「一家を構える時期から人生半ばの時期にかけての会社の人事評価」. ③「30歳の過渡期から一家を構える時期にかけての職場での能力発揮や対人関係」 ④「少年期から成人期の過渡期にかけての親の家庭下での育ち」. ⑤「30歳の過渡期から一家を構える時期にかけての異性との出会いから家庭の形成」 ⑥「乳幼児期から人生の半ばの過渡期に至る我が身に起った事件や健康上の問題」 である。. 14.
(17) 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 乳幼児期. 8. 9 10 11 12. 13. 融. 14. 小. 15. 16. 17. 案. 曾8. 19. 20. 21. 23 24 25 26 27. 22. 人への測. 人の. 28. 29. 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49. 30 砺渡. へ. 一. え. 人生判まの’・. .. Eメキシコ旅行や読啓で大企業の人生なんてっまらないと数ヶ月失業 ・就職と転職の経験. ・店のスイカに傘で穴をあけて逃げて帰って先生にこっぴどく3回も怒られ一 ・いじめに会い不登校 AFいじめといじめられたの両方を経験. に入. ・大学教官になりたいと考えた. ・ある本を読んだ. 自由人の意識. ・校内暴力が激しく不愉快な事が多かった. @. 齊閧ネ英語教師に当たった Aクラブ活勤 F高校受験に失敗. ・退職し貯金で生活強い恐怖を感じた 。職務に閉塞感があり転職 ・セミナーを受講し何が大切かを知った. ・.. ①. .転置験. ② ・関西から関東に紙勤 ・転勤で新築したばかりの家を売った. 。寮生活で田舎に行き都会とのギャップを経験・宇宙との出会いで自然科学が更に好きになった・ラグビー部の夏合宿しんどくてしんどくて堪らなかった. A怖い教諭から主体性と他人に迷惑をかけないことを口ずっぱく言われた ・進路を理工系とした、更に電気系の大学にした. 社会の制約、企 業人の制約. A今までやってきた事業が駄目になり転勤 AF人事異動で環境の変化で評価が変る M生麺に会う「人事は不公平」と聞かされる. ・補導され停学処分、もうこれで最後にしょうと誓った. AF大学受験に失敗 F浪人生活一年 ・大学の授業が解らず ・学生生活を通して怠け癖が付く @ ・大学院に進学. ・大学、院で冬一パーマンに多く会’. 学校から. ?ミ. ・出向先で上司と衝突. AF上司と衝突. ・何をやっても裏目味方がいなくなり自信喪失. AF上司と衝突反発もあり人間関係がこじれた A昇格試験に落ちた ・昇進が遅れた. Fもう自らの手で製晶を作る時代は終わった @ A闇闇に失敗した ・異動 @ ・プロセス技術が限界と感じた @ ・開発品の性能が出ず出荷の見込み立たず周りからプレッシャーをかけられた @ F生産技術スタッフに異動 @ ・上司の期待に沿う成果を上げられず職種変更 ・色々と悩みの有った仕事が3年たった時点で光が見えてきた M課題の整理と称する個人攻撃を受けた. 仕事の課題と人. ヤ関係能力. ③. Hα. ・仕事上大きなミスを犯したが周りの塙力にうりリカバリーできた. A国際学会の発表で高い評価を受けた AF研究開発者の在るべき姿について考える機会を得た M海外で学会発表をするチャンスを得た. 仕事のチャンス・ 成功. ・仕事のビッグチャンスに恵まれた F親とぶつかる事多く一:臼家出した. 育った家 庭. A母の死. ・母が急死. ・父の死. ・父の死 ・父の死. ・母が病弱で家事・食事は自分が担当. 親と環境.寿命. @ ・父の死大学の学費は自分で手はずする ・父の死. ④. @ M肉親の死 A祖父を看病する母を見た. 老いと生命. ・知人の自殺 ・失恋、急性アルコール中毒で入院. F大失恋. 異性との 出会いか ら家庭の 形成. ・付き合っていた彼女に振られた ・恋愛で色々な本を読み、考えた、 自分の全てをさらけ出した、悩みました ・夫婦仲が悪くなり離婚を考えた. 異性との出会いと 関係形成. ・オーストリア客先との商談で西欧の夫婦の考え方に触れた. ・. ・結婚したてで共働き・結婚3年目ですが結婚早々単身赴任で妻との関係が危機です. ・海外出向命令がきっかけで協議離婚 A妻の義兄や義父との新しい出会い 一鷲。子身_明 ⑤. ・子供が出来た. ・妻が病気になる. ・第一子誕生. 子供の誕生. D階の緒が首に巻いて息をしていなかった 予期せぬ. 予期せぬ事件. @. 膜盾ニ健 康. 健康. ⑥. ・スポーツで顔に大怪我をした c友人を投げ飛ばして肩の骨を折った. ・大震災に遭う. ・留年の可能性が出て. @ F交通事故 @ D一般企業実習 F入院. ・自転車事故. @ ・大震災で毎日が忙しく張り詰めた日々を送った @ ・大震災で被災し安全健康の重要さと脆さを感じた. ・肝炎 E六甲山で遭難しかけた・マラソン大会で熱中症で倒れ一日意識不明. @. 図2−140歳会社員の人生経験. ・病気で入院. 50 51 52 53 50 の亀1.
(18) 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9 10 11 12 13 14. 15. 16. で7. 18. 1. 生き方と自己意識挫 折と葛藤. 自己意識 の覚醒. 19. 20. 21. 22. 23. 24. 25. 26. 27. 28. 29. 30. 31. 32. 33. 34. 35. 人への’渡. 璽. ’、. 36. 37. 38. 39. 40 .41. 42. 43. 人の へ. 44. 45 46 47 48 49 50 51 52 53. 30 の塾。. え. 人生◎ばの. に入る. ・今でも一番生きていたな楽しかったなと思い出す一年です ・自分と人生について考えたがよい答えは見出せなかった ・人間素直に謝ることが重更 . ・. ・なるだけやりたいことに近いところを遷んでいる D暴力は二度と使わないと決めた . F出億しがきかない後戻りできない覚悟をした ・怪我をしてから危険予知能力が向上した .・. ・.自分の行動の原点を改めて認識した A社会ルールを守る事を教えられた ・ M自分に不本意な異動であってもその職務で全力を出す事が重要 AFなんでも自分の思うように行くとは限らない事を認識した ・悔いが残らないよう一生懸命業務に取組めば後ろ髪を引かれる思いはない ・事前準傭は前広に行い余裕を侍って事に当たれるようにしておく必要がある 」 ・酒は飲んでも飲まれるな F命の算さ社会の厳しさを心に染みて掌んだ ・ヤバイと思った時は勇気を持って引き返すと思うようになった F健庫は全てに優るときめた ・大学教官になりたいと一時考えた ・体の健康について考えるようになった ・会社に対する自問のかけ方や別の仕事給料の事をより考えるようになった .・健康に留意するようになった ・健康である事大切さを痛感した AF人1ま夫々価値観が違うので自分が正しいと思う行き方行こうと決めた ・自分のことは自分で守る AF話しを簡潔に、自分の心と体の健庫は臼分で守る F男性と対等に生きていく見下せる位になりたい A会社生活の厳しさを考えるようになった .・全てをやり直し自分のための人生を歩みたい ・会祉の非情さを知り自分自身が頼りであることを痛感した. ・自分の信念を通す事の重要性を知った A会社を思いきって辞める事ができなくてキャリアを身に付けたいとかんがえるようになった. ・で. ,_3つ」 ・学校(私学}が続けられるか悩んだ. ・夫協仲が悪くなり離婚を考えた. ・転勤理由が不明確であり会社に対する不信感を持った ・家庭と仕事の両立が苦しいと考えた ・自分のお金について真到に考えるきっかけを得た ・日頃一体感を持っていたメンバーに攻撃され挫折感を抱いた Mリーダシップを取る事に恐怖を感じるようになった ・エキスパティーズが不要になった. ・就職と進学の選択を迫られた 危機と不信. 」. ヌ」こ. 子’. ・早く自立する覚悟が出来た ・自然科学が好きになった ・合宿の苦しさに何でも出来ると思うようになった. F諦めずに最後まで遣り抜けば明日が開けると考えるようになった. H①. ・自立について早い時期から考えるようになった F天職に出会った感じ全霊を没じても損はないと考えた ・この後の人生進路が決まった . . ・他人の評価を気にして生きるのではなく、自分の目的に適う生きかたが大切 ・人生何事もなせば成る ・努力すれば未開拓の能力が闘発される F新人・バートの直接作業者にどう指導すれば良いかを考えるようになった ・何事も諦めずに手段を尽くせば結果がそれなりについてくる A・M自分には出来ないと思うことでも周りの協力や自分の頑張りがあれば出来るもんだと思えるようになった ・合わない仕事を無理してっづけるより思いきってやり直した方が幸せと考えるようになった ・設計に具悪した ・杜外に飛び出す事で自分を知り能力の可能性を発展させる事が出来た ・仕事のビッグチャンスに恵まれた. 自己意識と個性化. 社会性と臼 己. ・, 1. 社会性と対人関係 能力の発達. 、. 兀⇔ フこ四つこ. Aお互いを詔め合う協調性の大切さを学んだ ・自立に向けて良い訓練 ・幅広く経験する事で人生観が大きく変る ・学費を稼ぐ為にした仕事は役立った ・スーパーマンに多く会えた F自分の気持ちを伝える努力が大事だ ・できるだけ人の考え意見を闘くように心がけるようになった D人間として好感を持ってくれないと受入れてくれない. AF上司からの評価が良くなる≧自分は頑張る良い循環が起る AF守ってくれる人がいたため潰されずに済んだ ・相手に気持ちを常に理解してあげることを学ぶ ・新しいアイデアを考えることの大切さを考えるようになった AF意思の大切さと能力の向上について継続的考えるようになった A人間としていろんな人と広く付き合っていくことの大切さ F自らの事より子供の養育の重要性を認議 ・社会的弱者の問題に関心が深まる ・地域の人々と共有できる考えが醸成されお互いを思いやる心を知った. F. 必蒙に着1ていていこつ. Mどんなに丈夫でも簡単に死んでしまう弱いものだと思うようになった ・もうしょうがないと考えるようになった. ・夢を追い求める人生から1なるようになるさ」的な人生観になってしまった. ・生死について深く考えるようになった ・状況が好転するまでじっと醗えるしかない. 生命観と日常観. 命のつな がり. ・見込みが立つまではプレッシャーに耐えるしかない ・人生とは何かを考えるようになった ・剃那的な生き方も大切と患った ・人生観が変った ・一生懸命をモットーとしてきたが程々でも良いのではと思うようになった A全力を尽くして失敗したらそれはそれで仕方がないという悟りの境地になった ・物欲が相当に減った ・少々の事では動じなくなった ・何事も山あり谷あり現時点だけで判断しない. つ二. ・親に申し訳がない親に迷惑をかけないよう常に意識するようになった. 親族と親和. A家族の大切さ責任を考えるようになった ・家族の大切さを考えるようになった ・妻を慮って行かなければならないと思うようになった ・家族を守る為に健康でいたいと思うようになった ・死は人にとっての終わりではなく次のステップの始まりである ・家族の為にもポックリ死にたい. 図2r240歳会社員の人生教訓. 母を助けていかなければ成らないと思うようになった. ・夫婦は対等なパートナーの関係でありお互い協力して生活していくものである. 50 砺.渡.
(19) また、経験の場面と内容で4っのグループに分けることができる。 ① 学校から会社のグループには:自由人の意識、社会の制約・企業人の制約、仕事の 課題と人間関係能力、仕事のチャンスや成功、などをまとめた。. ・自由人の意識に含まれるものは:メキシコ旅行、ある本の影響、転職経験、大学教 官への憧れなどである。. ・社会・企業人の制約に含まれるものは:受験の失敗、怖い教師、転勤、クラブ活動 などである。. ・仕事の課題と人間関係能力に含まれるものは:上司の評価、仕事や職務の変化など である。. ・仕事のチャンスや成功に含まれるものは:海外での発表、仕事の成功などである。. ② 育った家庭のグループには:親と環境、寿命、老いと生命、などをまとめた ・親と環境、寿命に含まれるものは:親との衝突、親の死、などである。 ・老いと生命に含まれるものは:祖父の看病、友人の自殺などである。. ③ 異性との出会いから家庭の形成のグループには:異性との出会いと関係の形成、子 どもの誕生、などをまとめた。. ・異性との出会いと関係の形成に含まれるものは:失恋、離婚、共働きの調整などで ある。. ・子どもの誕生に含まれるものは:子どもの誕生である。. ④ 予期せぬ事件と健康のグループには:予期せぬ事件、健康、などをまとめた ・予期せぬ事件に含まれるものは:スポーツでの大けが、交通事故、大震災などであ る。. ・健康に含まれるものは:山での遭難、病気での入院、意識不明などである。. 以上を「図 2−3経験の分類」に示す。. 学校から会社 自由人の. モ識. 社会の制. 、企業. lの制約. 育った家庭. 仕事の課. 仕事のチ. 閧ニ対人・. ャ塔X・成. ヨ係能力. @功. 親と環. ォ、寿命. 老いと生. @命. 異性との出会いから家. @ 庭の形成 異性との. o会いと. ヨ係形成. 予期せぬ事件と健康. 子供の誕. 予期せぬ. @生. @事件. 図 2−3 経験の分類. 次に、年齢を27歳の大人の世界へ入る時期までと30歳の過渡期の境である28歳よ り上で区分し、アイデンティティ・ステイタス毎にエピソード項目数の比率を比較し、「表. 17. 健康.
(20) 2−1経験の時間軸とアイデンティティ・ステイタス」に示す。28歳より上の時期に項. 目数が多いのは「A」とrM」であり、27歳より若い時期に項目数が多いのは「F」と rD」である。. 表2−1経験の時間軸とアイデンティティ・ステイタス 区分. とFの中間. 27歳より若い時期. 28歳より上の時期. 実数. (%). 3 3 7. 33 50 70 25. 実数 6. 1. とMの中間. 3 3. 67 50 30 75 54. 28. 46. 33. 3. 100 48. 0. 0. 48. 52. 45. 合計. 3. (%). 次に、経験の社会化軸を比較的狭い個人的な範囲として、「育った家庭」と「予期せぬ事. 件と健康」対比較的広い「学校、会社、異性、家庭」の範囲とに区分し、アイデンティテ ィ・ステイタス毎にエピソード項目数の比率を比較し、「表 2−2経験の社会化軸とアイ. デンティティ・ステイタス」に示す。比較的広い範囲に項目数が多いのは「A」と「F」 と「M」であり、比較的狭い範囲に項目数が多いのは「D」である。. 表 2−2経験の社会化軸とアイデンティティ・ステイタス 区分. とFの中間. とMの中間 合計. 育った家庭/事件と健康 学校・会社/異性・家庭 (%) (%) 実数 実数 2 7 78 22 0 0 6 100 3 7 70 30 1 3 25 75 18 71 29 44 3 0 0 100 27 29 71 67. 今回の調査では自己同一性拡散(D)が一人だけという特殊な状況であり、Dの回答を 一般化するのは不適切である。但し、今回の事例では幼児期児童期における心を重くする エピソードが人生半ばの過渡期におけるエピソードよりも大きな比重を占めていた。. 18.
(21) (2) 教訓の分類. 「図 2−2 40歳会社員の人生教訓」は年齢を横軸に内容を縦軸に配置したものであ る。対象者が記述した教訓は内容:で3つのグループに分けることができる。 ①自己意識. の覚醒:生き方と自己意識、挫折と葛藤、危機と不信 ②社会性と自己:自己意識と主体 性、社会性と対人関係能力の発達。 ③命のつながり:生命観と日常観、親族と親和 に 分類し、「図 2−4 教訓の分類」に示す。. 自己意識の覚醒 生き方と自己意. 危機と不信. ッ、挫折と葛藤. 社会性と自己 社会性と対人関係 自己意識と主体性. @能力の発達. 命のつながり. 生命観と日常観. 親族と親和. 図 2−4 教訓の分類. 次に、教訓の年齢を27歳の大人の世界へ入る時期までと30歳の過渡期の境である28 歳より上で区分し、エピソードの項目数の比率を比較し、「表 2−3教訓と時間軸」に示 す。. 表 2−3 教訓と時間軸 区分. (%). 実数. (%). 15. 48. 16. 52. 3. 30. 7. 70. 主体性. 10. 55. 8. 44. 対人関係能力 生命観’. 9. 50. 9. 50. 7. 47. 8. 53. 2. 20. 8. 80. 45. 56. 55. 田頭と不信 土会性と自己. のつながり. 28歳より上の時期. 実数. 生き方/葛藤. 自己意識の. 27歳より若い時期. 親族. 合計. 46. 年齢の区分で「生き方と自己意識/挫折と葛藤」「自己意識と主体性」「社会性と対人関 係能力の発達」「生命観と日常観」と名付けた教訓はエピソード項目数の変動は微小であり、 「危機と不信」「親族と親和」と名付けた教訓は高齢になって増えている。. 19.
(22) 第4節 考察 (1)アイデンティティ・ステイタスと時間軸、社:会主軸. 「経験」はその時々のエピソードであり、「教訓」は抽象化された気付きである。経験 と教訓は加齢が進むに従って複合化し、渾然化し、具体的な事柄に即応して、処理しやす い行動パターンとして表出されると考えられる。. 自己意識を自我同一性地位で捉えた場合、アイデンティティ・ステイタスを時間軸と社 会化軸の上で「図 2−5経験:の時間軸と社会化軸」のように示すことができる。このこ とはカウンセリングにおいて来談者の心理状況診断に利用できる概念であると考える。. 現在. A. 自我同一性確立 (現実的な行動). M. 積極的モラトリアム (期待的な感情). 狭い. 広い. 社会化軸. D. F. 自我同一性拡散. 権威受容 (保守的な行動). (悔悟的感情). 過去. 図 2−5 経験の時間軸と社会化軸. (2)教訓と自己意識. 一内面形成と表面行動一. 加齢につれて経験や教訓が人生に取り込まれて行くという観点から、経験の分類と教訓 の分類を検討してきた。特に教訓と時間軸の関係から、加齢と共にエピソー、ドが新たに増. えてくる教訓と加齢とは関係なく常にエピソード更新している教訓の2種類があることが 分った。このことは人生の若い段階で4っの分野(4っの軸)が形成されており、その周 辺で経験や教訓が集積され、純化していると推測される。今回の調査対象者の年齢は40. 20.
(23) 歳であり、更に加齢を重ねる中で新たに概念化される教訓が今回の調査対象では発見され ていない可能性はある。. 梶田(1988)は自己意識の重層的な構造として「社会的自己概念」「実存的自己概念」「対. 人関係的自己概念」「有機的自己概念」の4っの基本レベルがあるとしている。. 梶田の自己意識. 教訓の分類 自己意識と主. 社会的自己概念. フ性. 実存的自己概念. モ識/挫折と. 生き方と自己. 挙。 社会性と対人. 対人関係的自己概念. ヨ係能力の発. B. 生命観と日常. 有機的自己概念. マ. 教訓の内容 能力とは将来を含め環境が必要としている状況に対し自分が提 氓キべく準備する素材の概念であり、環境と自己認識が一致し ス時に明確化される。能力は自己の内面を探す方向と外部環境 探る方向から成り立っている 自己意識とは現実対処に必要な自己の内部から収集された素材 ナある。判断は仮説と確率及び、行動検証により行われる.現 タ行動により自己意識が表現され、ライフスタイルやその人ら オさが特徴である。 自己存在とは成功に向かう戦略的な自己統制である。「己を知 閨A敵を知る者は百戦するも危なからず」社会的関心と個人的 」力の情報収集とその対応は社会的成功の中心的要素である。 生物として出生には両親が不可欠であり、子を得るには異性の ヲ力が不可欠である。生命の原理は両性と寿命といえよう、こ フ立脚点を外さない人生観がすべての基盤といえる。生・老・ a・死がどのように受容されるかである。. この4項目は社会(社会的自己概念、対人関係的自己概念)と個人(実存的自己概念、. 有機的自己概念)という2っの側面、また、それぞれの自己概念には認識対象と認識主 体という2つの側面が合わさっていると考えられる。行動分析では外的刺激により内的 反応が誘発され、表面行動にいたる。本論では未だ行動に至らない状態の意識を「内面 形成」と称する。また、「表面行動」は内面に蓄積されたものが閾値を超えて表出され たものとし、本論文では行動表出に至らなくても希望や動機など明確に意識された概念 を含むものとする。筆者による内容と要素を夫々内面形成と表面行動に分け、8項目と した。(注2). 梶田の自己意識 社会的自己概念 実存的自己概念 対人関係的自己概念 有機的自己概念. 論文の分類 自己意識と主体性. 生き方と自己意識 ^挫折と葛藤 社会性と対人関係 ¥力の発達 生命観と目常観. 21. 区分 内面形成. 表面行動 内面形成 表面行動 内面形成 表面行動 内面形成 表面行動. 項目. 能力向上/個人属性 学校、仕事/集団帰属 生活、生き方 活動 社会的関心 恋愛、結婚 健康、養育 世代間行動、世代間感情.
(24) 内面形成は内的統合を図る内的自己像とも言えるだろう。また、表面行動は外的刺激に 反応する社会的自己像と言えるであろう。「図 2−6 内的自己像と社会的自己像の関係」 に示す。. 内的統合を図る内的自己像. 世代間行. 能力向上、. 集団帰属、. 個人属性 内面形成. 仕事、学校. 生活、生き方. ・活動. 内面形成. 表面行動. 表面行動. 社会的関心 内面形成. 恋愛、結婚. 表面行動. 健康、養育 内面形成. 動、世代間. 感情 表面行動. 外的刺激を受けた社会的自己像. 図 2−6 内的自己像と社会的自己像の関係. 自己意識はこの8項目で構成されており、その組み合わせで内的自己像の形成(社会適 応の前段階)及び、社会的自己像の形成(個性化の前段階)がなされるとの仮説を立て、「人 生展望」に関する研究を第三章にて行う。. (注2). 第一章で調査した教訓の5つのパターンと40代会社員における現在の関心事と65 歳時点での関心事をこの8項目に従い、整理したものを「表2−4 4つの自己概念 による区分」に示す。. 表 2−4 4っの自己概念による区分 梶田の自己意識 ニ本論文の分類 社会的自己概念. 蜻フ性 実存的自己概念. カき方 対人関係的自己 T念 対人能力 有機的自己概念. カ命観. 8項目 能力向上、個人属性 仕事、学校、集団帰. ョ. 生活、生き方 活動 社会的関心 恋愛、結婚 健康、養育 世代間行動と感情. 教訓の5つの pターン 自信. 安全. 40代会社員の関心事項調査 現在の関心事:. 65歳時の関心. 職務遂行能力 仕事の課題、出世. 生活資金、職業. 住居. 日常行動. 結婚 健康、子育て. 夫婦. 親、60歳以降. 子供と孫. 決断 信頼 家庭. 22.
(25) 第三章 工業高校生と会社員の「人生展望」に関する研究. 第1節 目的 アイデンティティの発達から見た場合、高校生=青年期はアイデンティティ確立の時期. である。また、40歳は人生半ばの過渡期で俗に中年の危機とか人生の正午(ユング)と 言われる時期である。人生展望を考えた場合、安定期には過去や未来についてさほど意識 する必要はないが、こうした移行(transition)の時期には、自分の過去や未来について 展望する必要が生じ、新たな展望が作られていく。従って、青年期及び人生半ばの過渡期 の人生展望を検討することは意義があると考える。また、これから長い人生に船出してい く高校生とある程度実績も経験も積んだ40歳の会社員の人生展望を比較する事により、 人生展望の発達的な変化過程を検討できるであろう。 以上より. (1). 15−16歳高校生の現在の課題. (2). 15−16歳高校生のほぼ25年後の40歳時の願望. (3). 40歳会社員の現在の課題. (4). 40歳会社員のほぼ25年後の65歳時の願望 40歳会社員のほぼ35年後の75歳時の願望. (5). を比較し、「人生展望」の内容を明らかにする事を目的とする。. 第2節 方法 (1)高校生の調査. ①調査対象者A県B市工業高校一年生279名(回答者272・名、男211名、 女61名、回答率97.5%) ② 質問紙. 箇条書き自由記述と「同一性地位尺度(加藤,1983)」を使用し、. 箇条書き自由記述は次の2項目について回答を求めた。 ・「10代のあなたにとって人生上の最大関心事、悩み、問題は何ですか?日頃考. 23.
(26) えている事や思いつくものを5つ具体的に書いてください(未解決、解決済 みを問いません)」. ・「将来40才になったあなたはどのような暮らしをしたいとお考えですか?願 望も含めて5っ書いてください」 (使用した質問紙は巻末の資料を参照). ③調査手続. 職業講話の後、感想文と同時に教師が教室で回収した。. ④調査時期 2001年10月 ⑤調査結果の整理 KJ法を応用して、回答を分類した。. (2)会社員の調査. ①調査対象者大企業電気機械製造業C社. 40歳社員 184名(回答者70名、. 男68名、女2名、回答率38.0%). ②質問紙. 自由記述と「同一性地位尺度(加藤、1983)」を使用し、自由. 記述は次の3項目について回答を求めた。高校生への質問との違いは、将来の 年齢が高いごとと、これまでの人生経験における危機についての質問を加えた ごとである。これは、人生経験を積んだ40歳中年期会社員の人生展望をより. 詳しく捉えるためである。また、40歳の会社員が65歳や75歳になった時 の願望について、箇条書きでなく自由記述方式としたのは、会社員を取り巻く 経済社会環境が変革の渦中にある状況を考え、新たな発見を期待しての事であ る。. ・「現在のあなたにとって人生上の最大関心事、悩み、課題は何ですか?日頃考え. ている事や思いつくものを5つ具体的に書いてください(未鯉決、解決済みを問 いません)」. ・「将来65才になったあなたはどのような暮らしをしたいとお考えですか?願望. も含めて5つ書いてください。また70才や75才ではどのように暮らしたいで すか?」. ・「生まれてから今日まで、あなたの人生でどのような危機(ピンチとチャンス). を経験されましたか?そのことで、変化した考えや新たに加わった考えはありま したか?『□才の頃○○の経験:で△△と考えるようになった』という様に書いて ください。」. (使用した質問紙は巻末の資料を参照). 24.
(27) ③. 調査手続. 一日社員研修の後、質問紙を配布し、郵送で回収した。. ④. 調査時期. 2001年11月∼2002年2月. ⑤. 調査結果の整理. KJ法を応用して、内容を分類した。. 第3節 アイデンティティ・ステイタスの構成比較 (1)結果 同一性地位尺度の得点から、各調査対象者のアイデンティティ・ステイタスを加藤(1983). に従って同定した。各ステイタスに分類された人数と、各年齢における割合を 表3−1 に示した。なお、この表には参考のため都筑(1993)による先行研究の結果も付加した。. 表 3−1アイデンティティ・ステイタスの構成比較 大学生(都筑. 高校1年生. @1993) 同一性達成(A). 12. 4.6. AとFの中間. 24. 92. 28 29. 18. 6.9. 7. 権威受容(F). 積極的モラトリアム(M). DとMの中間 同一性拡散(D). 28 150. 573. 30. 11.5. 262. 人数合計(%). 10.7. (%). 10.3. 4. 5.7. 10.3. 5.7. 15.9. 4 4 4. 53.0. 53. 8.2. 1. 2.5. 44 150 23 281. 40歳会社員. (%). 5.7 5.7. 75.7 1.4. 70. (%). 表3−1に基づいてκ2検定をおこなったところ人数の割合に有意な偏りがみられた (κ2(10)=29.59、p<.01)。残差分析の結果を 表3−2に示す。. 表 3−2 アイデンティティ・ステイタスの残差分析結果 大学生(都筑、 高校1年生 40歳会社員 P993). 同一性達成(A). 12▽. 28▲. AとFの中間. 24. 29. 権威受容(F) 積極的モラトリアム(M). 18▲. DとMの中間 同一性拡散(D). 28 150 30▲. 7▽. 44▲ 150. 23. (▲有意に多い、▽有意に少ない、p<.05). 25. 4 4 4 4. 53▲ 1▽.
(28) 工業高校1年生では「同一性達成」が有意に少なく、「権威受容」と「同一性拡散」が 有意に多い結果となった。大学生では「権威受容」が有意に少なく、「同一性達成」と「積. 極的モラトリアム」が有意に多いと言える。40歳会社員では「同一性拡散」が有意に 少なく、「DとMの中間」が有意に多いと言える。 (2)考察. 中学2年生、高校2年生、大学生を各150人調査した青年期における同一性地位の発達 的変化に関する先行研究(松田・広瀬、1982)は、同一性拡散(混乱の表現を使用)は中 学生頃から増大し始め、高校生の時期に最も顕著となり、その後大学生の時期にかけて減. 少すると指摘している。今回の調査においても工業高校1年生で「同一性達成」が有意に 少なく、「権威受容」と「同一性拡散」が有意に多い結果となった。「同一性拡散」には工. 業高校の専門科目の学習に困難を感じている生徒や、学校生活全般に違和感がある生徒が 多いことを示しているが、学習環境の物理的対策よりも、生徒一人一人に対応した発達心 理的対応が求められる年齢特性と理解すべきであろう。また、「権威受容」が有意に多いの. はこの高校の体育系の活動が全国トップレベルの活動をしており、その活動に参加する事 を高校生活の目標にしている生徒が多いことが考えられる。. 大学生で「権威受容」が有意に少ないのは、青年期を終える頃と関係しているかも知れ ない。「同一性達成」と「積極的モラトリアム」が有意に多いのは、大学生になるという大. きな課題の達成感と大学生活に将来にむけての期待と不安があることの反映であろうと推 察される。. 40歳会社員を対象とした同一性地位の発達的変化に関する先行研究は無いので、今回の 対象に限り考察をすれば、会社員の「同一性拡散」が有意に少ないのは、大企業での収入 を確保している事で、経済的安定を得ている状況を理由に挙げることができよう。「DとM の中間」が有意に多いのは、大企業といえども安心できない、日本経済の不安定感を反映. しているかもしれない。また、会社における昇進を過敏に期待して励んでいる40歳の心 情を反映しているのかもしれない。. 第4節. 「自己意識の生活的側面」に関する結果と考察. 第二章の「経験と教訓」において、梶田(1988)の自己;概念に対応した教訓の分類と、. 夫々の分類項目に対応した内面形成と表面行動の2側面、8項目を手掛かりとして、「自己 意識の生活的側面」として調査データを分析する事にした。. 8項目の内容は 表2−4「4つの自己概念による区分」を手がかりとして、ここではそ れぞれの項目の内容をより詳しく説明した。. 26.
(29) 表3−3 自己意識の8項目 内容. 項目. 能力向上/個人属性 仕=事・進路/集団帰属. 生活・生き方 活動. 社会的関心. 恋愛・結婚/個人的魅力. 健康/養育. 世代間行動/世代間感情. 勉強の成績や学力。職務遂行能力や評価。将来や現在の不安の 綷?ニして、自己努力で備える向上心が基底に有る 安全を確保したいという動機が基底に有る。仲間はずれになら ネい事、生活資金が確保される事、そのためには進路や就職や d事の成果や評価、出世などが関心事となる。行動目標が現実 I、具体的である 決断が明確である。あるいは、他人とは違う自分という決断が 謔ノ行われる。意思の明確さが特徴的である 行動が明快である。他人とは異なる行動も厭わない。目標は具 フ的、現実的である 自己を客観的に捉え、環境との相対的関係で評価する。自己や シ人にたいする信頼が基底に有る 身体的成長は異性の存在を意識する。恋愛、結婚、家族は異性 ニの共生関係無しには成り立たない。異性を意識した自己評価 ヤ度である 容貌、身長、体重、病気、性格、家庭環境など、生立ちや、両 eとの関係に自己存在を関係付ける。また、自身の健康や子育 ト、子弟の教育にたいする関心が高い 世話をする、世話を受ける。親の介護や孫の世話。自身の老後 フ課題など、個人の範囲を超えたところで種として、人間に係 チていることを基底としている. これら8項目を手がかりとして人生展望の考察を進めるが、自己意識に対するアプロー チの方法として、発達の視点から現実自己像と理想的自己像とを対比させる(砂田、1979、. 松田・広瀬、1982、岡田、1987)研究がある(2分類)。また、梶田(1988)の研究は自己 意識を重層的な構造として4つの基本レベルがあるとしている(4分類)。本論文ではキャ リアカウンセリングでの活用を目的としており、社会生活との係わりの観点から、生活的. 側面で4分類、職業的側面で4分類を提案する(8分類)。梶田の自己意識の概念は本論文 における生活的側面の4分類とほぼ一致する。梶田(1988)との対応で整理すれば、社会 的自己概念は社会的役割(経済力)、実存的自己概念はライフスタイル(生活)、対人関係 的自己概念は対人関係(夫婦)、有機的自己概念は生命をつなぐ(健康)とした。これらを 整理し「図 3−1 生活的側面:個人性の構造」に示す。. 27.
(30) 個人性 理性. 感情. 生活スタイルと社会的役割. 生命のつながりと対人関係. 経済力. 夫婦. 健康. 自尊感情、尊敬の欲求. 養育された体験の追体験. 対人関係. 生命をつなぐ. 生活 眺める自己と眺められる自. 安全、帰属の欲求. @. 社会的役割. 己 ライフスタイル. 能力向上、. 集団帰属、. 生活、生き. ツ人属性. d事、進路. @方. 内面形成. 表面行動. 内面形成. 社会的関. 活動. @心. 表面行動. 恋愛、結. 世代間行. 健康、養育. ・、個人的. ョと感情. @魅力. 表面行動. 内面形成. 表面行動. 内面形成. 図 3−1 生活的側面:個人性の構造. (1)高校生の結果. 高校生272名の現在の課題を記入したカードは632枚であった。KJ法により小分類を 行い勉強、自分の性格、進路のこと、将来のこと、友達関係、など46の小グループに分 類し、第二三二4節の内的自己像と社会的自己像の8項目を基準として分類した。その結 果を「表3−4高校生にみる現在の課題」に示す。 表 3−4高校生にみる現在の課題 社会的役割 ①能力の向上 ②学校、進路 項目 項目 数 数. ライフスタイル. ③生き方 項目. 数. ④活動 項目 数. 生命をつなぐ 対人関係 ⑤恋愛、結婚 ⑥社会的関心 ⑦健康、養育 ⑧世代間感情 項目 数 項目 数 その他 項目 項目 数 数. したい. 勉強の 事. 71. 進路に ついて. 将来の. 37. こと. る. 14. 恋. 15. 13. 恋愛. 15. 係. 親に対. 自分の. 友達関. 事があ. 36. 31. 性格. 41. 12. 身体. 17. 1. 自覚症 状. 7. して. 10. がんば. 成績が 悪い. 大学進. 24. 学. 8. 自分の 生き方. る. 何をし. 進級が 心配. 就職で 8. きるか. 27. たいの か. 自分の. 15. 時間. 家族に. 対人関. ってい. 19. 9. 異性の 友達. 係 先輩と やりに. 13. くい. 学校で 自由が. 希望の 仕事あ. 資格取 得. 8. り. 5. 具体的 夢. 頭悪い. 3. 格好の 状況 学校が. 19. 高校受 験時. 2. 8. 他人が 気にな. できな 9.. ・い. 5. 今後の 生活. 7. 趣味. 1. 死. 7. 結婚. る. 7. 3. 顔. 4. 男女・. 性. しんど い. 4. 眠くな る. 28. 5. 対して. 9. 合計.
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