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個人の体型・身体組成の違いを考慮した身体部分慣性係数の算出

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Academic year: 2021

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(1)個人の体型・身体組成の違いを考慮した身体部分慣性係数の算出                             教科・領域教育学専攻                         生活・健康・総合内容系コース.                             M09208K楠本一樹  【緒言】  バイオメカニクスのスポ]ツパフォーマンス 向上への利用が拡がる中,汎用ハイスピードカメ ラ等の普及により,動作中の変位,速度,加速度 などのキネマティクステータを容易に知ること ができるようになった.しかし,外力や,筋力や 関節間力などの内力といったキネティクステー タを知りたい場合には,外力は危rcep1a脆rmな どで直接測定ができる反面,内力は現状では推定 算出する以外に方法が無い1これらを算出し,ス ポーツ動作の要因を知るためには,剛体リンク系 の運動方程式を解く必要があり,その際,身体部 分の質量,質量中心位置,慣性モーメントの身体 部分慣性係数(以下BSP:body segment inertia parameters)の情報が必須となる..  BSP算出の方法として,MRIを用いた手法が 筋肉,骨,脂肪等の身体組成を考慮でき,CTや X線のように被ばくによる悪影響も無いことから. び標準偏差はそれぞれ,21.5±1.91years,173.5 ±9.71cm,66.75±9.64kgであった..  核磁器共鳴画像装置(MRI装置:1.5T,SIGNA. HDxt)を用いて,全身安静時のT1強調画像を SSFSE(sing1eshotFSE)にて,1pixe1あたり画 像分解能0,078×O.078cm∼O.188XO.188cm,ス. ライス厚10mmで撮像した.全身の各横断MR 画像からVcat(理化学研究所)を用いて,本研究 で考慮した身体組成(脂肪・骨・筋肉・心臓・肺・ 脳)ごとにマニュアルトレーシングを行い全身ボ. クセルモデルを作成した.また,スライス厚 10mmの間は画像と同様の形状・身体組成である と仮定した..  作成した全身ボクセルモデルを阿江ら(1992) の方法を用いて14のセグメントに分け,セグメ ント毎の質量・質量中心位置・質量中心を通る3 軸(前額軸・矢状軸・長軸)まわりの慣性モーメ. ントを MATLAB so舟ware p1a此rm (The Mathwork,Natick,Mんで作成したプログラム. 最も優れていると考えられる (Mar止in et a1.,1989;Matsuo et a1.,1991).しか. を用いて算出した.. し,現状として日本人の報告は無く,他の方法に よるものも複数対象からの平均値がほとんどで ある.また,日本人アスリートの動作解析に多く. 用いられている阿江らのBSPは,公表されてか ら約20年が経過し,現在の日本人アスリートに どの程度適用できるのか不明な部分があること,. 各セグメント内の密度は均一であると仮定して いるため,身体組成毎の密度の差を考慮できてい ないといった問題点がある.トップアスリートと. 一般人のBSPに大きな差があること(阿江 ら,1992),同じ東洋人である日本人と中国人の体. 型やBSPに顕著な違いが認められていること (湯ら,1994)などから,丑SPは年齢,性別,体型 はもとより個人で算出するべきである..  バイオメカニクスの主要な方法の1つとしてコ ンピュータ・シミュレ]ションがあり,その中に 順動力学,逆動力学の2つの流れがある.本研究 では,順動力学におけるシミュレーション精度の 向上と,逆動力学における関節トルク算出までの 精度向上の観点から,MRIを用いて個人の体型・ 身体組成の違いを考慮したBSPの算出を行うこ. 図1MR画像からのポクセルモデル作成.  【結果】.  体重の実測値とモデルから得られた推定体重. とを目的とした..  【方法】.  被験者は陸上競技短距離選手である男子大学. 生4名(被験者A22years,170cm,72㎏,被験 者B20years,168cm,65kg,被験者C20years, 168cm,54㎏,被験者D24years,188cm,76kg) とした.被験者の年齢,身長,体重の平均値およ. との平均誤差は,5.04±3.44%であった.本研究 で得られた,質量・質量中心位置・質量中心を通 る3軸(前額軸・矢状軸・長軸)まわりの慣性モ ーメントは表の通りである(表1).質量比は身体 質量に対する比,質量中心はセグメント長に対す る中枢端からの比である(体幹部は胸骨上縁から, 足関節は足先からの比).また,表のkx・ky・kz はセグメント長に対する回転半径比としている.. 一400一.

(2) 表1MRIを用いて算出された個人BSP 櫨酸老  年齢    身長    体重  胎定 国. D−4 1調 而了丁.珊  4壇。 宜量比、. 聞i中心  1茸. 宜旦中山. 1面’唱OOO.  }. {佃60』=o 引日^o. ㎞ 畦 宜量比、. ○目昌コ高.  包.胡  3.{宮.  ■坤.  11.  3s j4. ㎞.  31月O. ㎏. 皿亜比、. −1日月5. 1」4 1、一目. 聞董中山.  Iv. コ5、・記. 10.了O.  ㎞. 30j島.  1王.  ∼  ㎏ 聞,批、. 質量中山  1}.  ㎞. ○宮j■. 14月4.  o.珊. }.{o. 11壇一.  目£3  4.一5.  1}. ㎏ ㎞ 吐. 聞i比. 旺i中一一.  1買  1Ψ. ㎞ ㎞. 肥比、. 盟中山  1坤. 一目工田. 153珊f旧 1丁O口;j=□〕. 3そ刷壇。 −o月{ 1一.フ4.  一塩0  3.{包. そ。.了;. {1丁.”.  }. 一16.14. ㎞. 31え=一〕. 甑比、 趾里中山. ■o月ヨ. 1ヰ!3.  }.  1王. ㎞ ㎞. 囲比. 聞量中心  1世.  }.  1= ∼. 目.71. 11.4一 曲j=ほ. !胆比、. 宜旦中心. 1111.■D. 1110丘0 193目1 {百{o ○日虫8. 1口坦7 5」{7. 13由{. 110 11価. 4邊丘9 4フ巧昌. ■3j目. 4皿〕. 聞皿比、 亙,=中山. }. 朝5ヨ.  l■. 距道中心  1児. ㎏.  坦〇.  31』=唱. 靱]ヨ. 亜ユ比..  一罧. 目一.  41j3 宮10月3. 亜1中山. 宜量比、.  o j3  51壇O 曲目肥。o0.  }. 朋刃包. 11月5 一昌59 30.1{ 1ヰ.,フ. ○扇  珊 1{」1 君工0. 5工5 04.τo. OO.14.  月6 11方自 ヰ了.τヨ. 1、珊.目0. 110〕蛆O −o月ヨ ー。 j畠. ㎞. 閉居0 11正目. 410. ,囮比.. 51仙. 41.一0 551j=由 馳ロエ田 94.丁4. 胆中山  }. 5目50 1報.了‘. 0τ目3. ㎞. ”畠。. 11月. 1コ4. 0口止了. コ5j4 ヨ4壇7. 33正8 05]1.  1は. 41丘4.  質量比で差がみられたのは,体幹部・上腕部・ 足関部である.体幹部はL群が阿江らの値より大 きくなり,S群が小さくなった.このことは,体. 幹部の密度をBMIや体脂肪率などによって,個 人値で考慮する必要性を示している.データを比 較すると,実測値と本研究の推定値の誤差の多く を体幹部が含んでいるため,今後は体幹に着目し た詳細な検討も必要であろう.上腕部は阿江らに 比べて全被験者で大きい値になったが,セグメン ト分け手法の影響であると考えられる.阿江らが 肩峰で分けたのに対し、本研究では内部の筋構造 でセグメントを分けたため,阿江らのセグメント 分けでは体幹部に含まれていたものが,本研究で は上腕部に含まれた.足関部は,阿江らが宇部・. 足関部については2cmゾ]ンモデルでは再現不 十分であったと述べているため,その影響である と思われる..  質量中心で差がみられたのは,頭部・上腕部・ 宇部・足関部である.頭部は、阿江らのモデルが. 競泳用の帽子内に髪を入れ撮影した影響である と考えられる.上腕部・宇部・足関部については. ∼. 筥3.47. 肥比、 宜量中心  1封. 54山0. 質量比と同様の影響であると思われる..  ∼  11. 34,1島.  慣性モーメントは多くの項目について差がみ. ∼. ,o互。. 05.靱. 14.10. 1 0 1.フ目. 031コ. コ4.1コ. 筥5㎜.  【考察】.  体重の実測値と本研究のモデルから得られた 推定体重をそれぞれ実測値と比べると,被験者A. られた.4名は陸上競技短距離選手であるため, ランニングに大きく影響のある大腿部・下腿部に 着目し,本研究のモデルから得られた推定慣性モ. 被験者D+1.88%と対象によりばらつきがみら れた.体重の実測値と誤差の大きかった2名をL. ーメントと阿江らの推定慣性モーメントを比較 すると,10%以上の差や,被験者によっては最大 で119.69%もの差が観察された、回転半径につい ても同部位に着目すると,kzの項目に標準偏差を. 群,少なかった2名をS群とした場合,BMIの. こえる値が多くみられた.. +8.83%,被験者B+7.07%,被験者C+2.38%,. 標準値(22)をL群が上回り,S群は下回る傾向 があり,平均でみるとL群23,97に対しS群20.32 であった.. 表2BSP比較表 自. セ  メ’ 豆頁口同.  続いて,日本人アスリートの動作解析に多く用 いられている,阿江ら(1992)のBSPに対して,本 研究の結果を比較した(表2).このとき,阿江ら の質量比・質量中心・回転半径比は平均値とし, 質量・慣性モーメントは報告されている部分長と 体重を独立変数とした重回帰式により算出した. {本車字音β. 質. 質量比 質 中心 質. ㎞ ky 屹. 定体重の平均誤差は,本研究が5.04±3.44%であ るのに対し,阿江らのものは8.18±3.00%であっ た.また,阿江らの被験者の平均身長175.1cm,. 平均体重69.6kgからBMIを算出すると,22−70 とL群が近かった.これらや比較表から,阿江ら の推定式はL群2名のような筋肉が多くついた体 型は推定可能だが,S群2名のような細身のアス リートは推定が困難であるといえ,BSPの個人値 を用いることの有効性が示唆された.. 一401一. 1星. 35.98 2.50. ’L、. 1=. 4.86 6」39 51.5宮. 329. 質 中心 質 宇部 右大腿音β1其 1y. 疋 重 7フ43. 4■.35. 部質 質量比. 1y.  本研究の推定体重と阿江らのモデルからの推. MRl. ■. 下腿部1買. ものとした.. MR1. 体重. 被験者 D. 40.フ5. 4562. 1143.40 1160.80. 20189 2638 26.5呂. 11.09 565.フ5. 58656 14376. k其. 2フ.96. ky 屹. 28.47. 14.10. 阿)工り. 疋 重. 疋. 重. 一641盟. 82フ3. o“ 。■. 男. フ79k且. 一3フ62. 冊. 一051. %. 4096kg. 一3052 一1215. 6.90盟 82.10男 8.90%. 一「.55. 男 %. %. 2247. %. 兜. 05目. %. 52.90冊. ]12.15 一43.48. %. 204k且 270. 目9」10% 121538k且一〇r[■ 1151.54k宮一〇m’. 333.24k亘.om■ 27.昌O% 2フ。o冊. 1520%. 509.84kg−orn3 500「1 』9.om’ 6544k目.ornユ 27.40%. 27r0% 9.フ0%. 一5.92. % 緕. 0.馳克 一39.42 一1.42. 亮 完. 一〇.42. 晃. 一4.11. 緕. 10.9−7. 晃. 1フ29. 盟. 119.69. %. O.56. 兜. 137. 晃. 4ヰ0. 男.  【結論】.  BSPは個人で算出する必要があり,特に細身の アスリートを対象に動作解析を行う場合には,阿 江らの推定式では推定が困難であり,個人値が重 要であると示唆された.           (主任指導教員 山本忠志)             (指導教員 小田俊明).

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