A型行動パターンと競争行動の相互作用に関する精神生理学的研究 : 日本人女子大学生を対象として
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(2) . A型行動バターンと競争行動の相互作用に関する精神生理学的研究 -- 日本人女子大学生を対象として -- 田. 中. 豪. 一*・ 新. 岡. 正十・ 山. 越. 憲. 一. *北海道教育大学札幌分校養護教育学科助手 +北海道大学大学院環境科学研究科環境医学講座助手 w北海道大学応用電気研究所助教授. A psychophysiologicalstudy ofthe interaction bet「 i ア veen. ior pattern and a type A behav i i i b h t t ve e av or among japanese female students 〔 lpe con .. Gohi d i IOKA+ chiTANAKA*, TadaShi NI chi YAMAKOSHIの , an Ken- *Depar I Hea l l l i i i i tment ofSchoo do Un th ty of Educat ege ver s on ,Sapporo Co , Hokka ,Sapporo o02 , Japan , 十Depar l ~[ i ine i I Sc i tment of Envi do ronmanta ed c e school of Env ronmenta ence , Graduat , Hokkai i S 0 6 0 Uni ty J vers o r o n a a a , pp , p . 仰The Res i l i i i i do Un i i t tut t ty ty earchlns eofApp ed E1 r ec c vers . , Hokka ,Sapporo060 ,Japan. ABSTRACT i i f The presenti t nves on examinedthe cardiovascular ef ect s ofinteraction between a gat i i t type A behavior pattern andcompet vebehavior ,. The Type A behaviorc lass i f i ion was cat ’ i basedoni i d temsl tedi t ) s n T彬 SZ γ zばれ ‘ 〆 〃メ カ猛〃諺削り(Rosenman & Fr edman,1974 a n ubj ec as , i i P i imat i i i t t t scompettveness wa ses edbyhercompe veresponserateobserveddur ngthe rsoner’ l i ive type thin group ) t s Di emma Game e , Four experimental groups(N =4 wi , ,i ,compet. A. i i ivetype A ivetype B t -)andcooperat vetype B group(B+) group(A +) ,compet ,cooperat ls l i l i S l i b l d d tresstes tprotoco t t (B-)wereasses sedbythe menta r e s s u r e cblood , yso c oo p , as o inuous lydur ingastroop Col trate were monitoredcont nterf erence or-Wr ordi pressure andhear i d i k MD d i d k VG T h i i i f i tes t t r t t (CW) m r r o ( ) a ) raw ng as an v eo game as ( , e sgn can main ,a f l i i iod to terper nthedi as cbl ood pressure dur ngthelat ef ect sandinteractions were observedi. indi tthatCW÷s t ′test, Thef ngssugges ressevoked a more prolonged cardiovascular oftheCW i ia l l i tyi ject ject react sthantype Bsub ntype Asub s nthecompar vi son between A十and yi ,espec B十 groups.. 193.
(3) . 田中 豪一・新岡. 1. 正・山越 憲一. 序. 論. A型行動パターンは, 競争心が強く, その上敵意や怒りの感情を持ちながら競争し, 常に性急で, 寛容性がなく, イライラしており, 責任感が強く, 絶えず目標を達成する意欲に満ちているな どの 特徴から成る行動の集合体 であり, 反対のB型行動パターンはA型の特徴が少ないも のとさ れる i (Fr edman & Ro ) senman ,1959 . 心筋梗塞や狭心症 に代表される虚血性心疾患発症の疫学研究に. よっ て, 喫煙, 高血圧, 高脂血などのすでに確立している従来の代表的なリスクフ ァ クターとは独 立な心理社会的危険因子として, このA型行動 パターンが注目されてきた, A型行動 バターンと冠. l laborat iveGroupStudyは 39~59 動 脈 疾 患 の 関 係 を 実 証 した 代 表 的 な 研 究 の ひ と つ, Wes tern Co ,. i 歳の有職男性3,1 54名 を8年間追跡したprospe t c veな研究であり, A型者はB型者に比較して, 約 1 9 F i 7 5 2倍の発症を示 した (Rosenman et al ) tStudyは, 45~75 歳 の 男 性 及 , , . ram ngham Hear. l 0 び女性1,674名 を対象と して同様の結果を得た(Hayne ) seta り198 . 米国を中心とした欧米 では, A型行動バター ンと心疾患の関係 が実証されたことを契機として, A型行動パター ンの行動 ・ 精神 生 理 的 検 討 が 盛 ん に 行 わ れ て き た (最 近 の レ ビ ュ ー では, Hous ight et a l ton ), . ,1983; Wr ,1985. 心理学的には, この研究動向が, 疾病の生物学と相互作用 しあう動的な人-事態関係 の研究を促進 するものとして注目されており(橋本, 1980 ) , A型行動を媒介す る心理過程に関するいくつかの仮 thews 説 が 生 ま れ て い る (Mat ), ,1982. A型行動 パターン研究のひとつの大きな問題は, A型行動の評価方法に関連している, 構造面接 i 4 法 (Ros ) は, A型行動に関する被検者の自己報告に加えて, 面接時の声 enman& Fr edman ,197 の調子や身振りなどの行動評定を含むものだが, 本法を用いた精神生理学的実験研究では, 精神的 ス トレスへの A型者の過剰な心・血管反応がかなり一貫して認められている,これに対して,Jenkins. Act ivi l ion ( tySurveyfor Hea thPredi JAS:Jenki tal ct nse , ,1979) を 代 表 と す る, 質 問 紙 法 を用. i いた研究ではより不一致の結果を得ている (Wr tet al gh ,1985). こ の 違 い は, 主 に, 評 価 方 法 の 1 9 8 2 測定内容の特徴とその独自性 (Ma thews ) に起因すると考えられる , . 疾病の予測の面でも構 造面接が優れている こと (Brand et al np ) を考慮するならば, A型行動パターンの評価方 r e s s . ,i. 法としては, その行動 パターン構造の検討を基礎にしながら, 直接的な行動観察に匹敵する何らか の行動指標を組み込んでいく方法が必要であろう.. これらの課題に関するわが国の研究は数が少ない上に, その文脈も虚血性心疾患患者を対象とし i t t たre rospec veなA型行動調査が主なもの で, これら結果も不一致である(松島ら, 1 9 83;田川ら, 1 984 ) 982 ) . その原因として, 第1に, A型行動を修飾する文化的要因の重要性 が考えられ(保坂,1 , 日本人社会特有な生活行動様式などの, 行動の背後にある種々の要因と虚血性心疾患発症の関連に ついて, わが国独自の検討が必要と考え られる(松島ら, 1 83 9 ) . 第2に, わが国ではストレス下の 動的な状態における心・血管反応の反応性 の検討はほとんど行われてこなかっ たことが一因であろ . 本研究では, 2人非零和ゲーム (囚人のジレンマゲーム) における競争行動を, A型行動の一部 を構成する競争的な達成追求の指標として用いた. その行動特徴の評価を質問紙による評価と併用 することによっ て, A型行動パターン群におけるサブグルー プを抽出した. これらサ ブグルー プ間 の比較を通して, A型行動と競争要因の相互作用 が精神ストレスに対する心・血管反応にどのよう. に影響するかを日本人女子大学生を対象として検討した, 194.
(4) . A型行動バターンと競争行動の相互作用に関する精神生理学的研究. 1 1. 方. 法. 1 , 被験者. i A 型 行 動 パ タ ー ン の 質 問 紙 は, RosenmanとFr edman(1974) が A 型 行 動 パ タ ー ン の 評 定 の た め. に考案した構造面接における質問内容を翻訳したものである, このA型行動調査表は, 30項目から なるA型行動の5段階評定である, 被験者選定のためのスクリーニング検査として, A型行動調査 表によ る 予 備 調 査 を 本 学 の 女 子 学 生 1 41名)を対象に行っ た, 項 目 分 析 に (. よ り, A 型 行 動 パ タ ー ン の 評価 と して. 不 適当 な 項 目 1 項 目 を 除 外 し た 後, 29 項 目 で A 型 行 動 得 点 を 算 出 し て, そ の. 得 点 分 布 を 得 た. 分 布 の 平 均 値 ± 標 準. Tab l e . The Type A scores(A-s )andthe core i i t t meancompe ver esponserat es(CR%) t j ofsub ec s sub ,No ,. 1. A-score. A十g r o u p lol. A-g r o u p 97. B十g r o u p 75. B‐g r o u p 70. 2. 97. 105. 73. 77. 3. 102. 102. 75. 75. 行 動 得 点 の 上 位 30名 及 び下 位 30名 の. 4. 105. 122. 7 8. 79. 中 か ら そ れ ぞ れ 10 数 名 の も の を,A 型. 1. 偏 差 は, 87,93±10,60 で あ っ た, A 型. 群 お よ びB 型 群 と して 抽 出 し, こ れ ら. の 被験者 に競 争行動に 関する 行動 実験 (補 追 参 照) に 参 加 さ せ た,. CR%. 2 3 4. 90,0. 57 ,4. 83.9. 60,3. 68,3. 49,8 42.0. 71 .0. 49.8. 70.6. 64.7. 56,4. 72.8. 65,o. 56.4. 42,7. 囚人のジレンマゲームにおける被験者の競争的方略および協同的方略の選択行動を基準にし, 各 行動 パターン群内で競争反応率が高率な者および低率な者をそれぞれ4名ずつ選択して, 上記のA. 型群およびB型群をA型競争(A+)群, A型協同(A-)群, B型競争(B+)群, B型協同(B-) 群の各群4名のサ ブグルー プに分けた. すべての被験者のA型行動得点および囚人のジレンマゲー ムにおける平均競争反応率の一覧 を表1に示す, 2. 精神作業 実験室のストレス作業として標準的に用いられる3種類の作業とした. lor Wordlnterference Te 1 )St t(CW) roop Co s Thurs ton改 訂 のSt tの カ ー ドC (干 渉 カ ー ド) を 参 考 に して roop Coror-Wordlnterf erence Tes. 自作したものを使用した. 干渉カー ドは4種類の色名 (あか, あお, きいろ, みどり) を平仮名 で, その色名とは一致しない他の3色のいずれかで印字した刺激を, ランダムに10行1 0列に配列した. ものである, 作業は, 色名を無視して印字された色を口 頭で読みあげていくもので, 反応の際に色 名と色調の認知水準での葛藤が生 じるストレス作業である, 被験者には, できるだけ速くかつ間違 えずに読みあげるように教示した.. 2 )鏡映描写作業 (MD). 星型図形の周囲線上を, その鏡映像を見ながら鉛筆でなぞっ ていく精神運動作業である. できる だけ速くかつ線上から逸脱せずに行うように教示した, 3 )テレビゲーム作業 (VG) 家 庭 用 カ セ ッ ト 式 ビ デ オ ゲー ム (任 天 堂 フ ァ ミ リ ー コ ン ピ ュ ー タ ー. HVCOOI ) を 用 い た, ゲー. ム ソフ ト は ハ ドソ ン の ス タ ー フ ォ ー ス (HFC-SF) で あ る, こ の ゲー ム は, い わ ゆ る シ ュ ー ブィ ン 19 5.
(5) . 田中 豪一・新岡. 正・山越 憲一. グゲームで, テレビ画面に次々と現われる敵 (キャ ラクター) の攻撃を避け, 弾丸を発射してこれ を破壊し得点を稼せいでいくという攻撃的なゲームである. 被験者は, 右手でジョイスティ クを操 作して行った, できるだけ高得点を稼 ぐように教示した, 3, 心臓血管反応の計測 心・血管反応のパラメータとして血圧を採用 し, その計測は容積補償法を測定原理とした連続血. 圧測定法によっ た. 本法は非観血・無侵襲的でありながら, 従来の空気力フ圧による動脈閉塞を利 用 した方法とは異なり, 一心拍 毎の動脈血圧 の連続測定を可能にする全く新しい方法である, 直接 ietal 法との相関により,本法の優れた血圧測定精度が実証され(Yamakosh . ,1979; 山 越 ら,1980), また生理心理学領域への本法の適用も期待されている G墨田, 19 83;Sawadaetal . ,1983). 本 法 に よる容積補償型血圧計 (ウエ ダ製作所USM‐801‐S) を用い1拍毎の連続血圧測定を行った.. 4, 手続き 被験者を防音室の椅子にすわらせ, 血圧測定装置の容積脈波センサーを左手第3指基部に装着し た後, 約1分の間血圧計測を行い被験者に血圧測定状態を会得させた, 血圧測定中断後, 精神作業 の教示を与え, CW, MD, VGの順に各30秒ずつ練習をさせた. 続いて, 安静3分作業3分の手順 を3回繰り返した. 血圧測定は安静の後半1分間と作業中3分間 に連続測定し, 安静の前半2分間. 0時から午後3時までの中で, は測定中断した, 作業の順序はランダムとし, 実験実施時間は午前1 約3 0分間であっ た.. 5. データ解析法 血圧曲線は記録紙上4mmHg/mmで描記されるが, 2mmHg以下の読みとり精度で一拍毎の収 縮期血圧 (SBP) および拡張期血圧 (DBP) を直読した. 各精神作業の直前の安静1分間の中で最. も反応の安定している30秒間を安静ベースライ ン ブロ ッ ク(BL)とし, 各血圧値の平均値を算出し た.各精神作業毎のBLの中でその日の最初に測定したBLをもって,初期安静ベースラインブロッ ク IBL) とした, 精神作業の3分間を 30 秒 ず つ 6 作 業 ブ ロ ッ ク (BK I ~BK6) に 分 け, 各 ブ ロ ッ ( ク毎のSBP及びDBP平均値を算出した. また, 各 ブロ ッ クにおける圧脈波を数えて心拍数(HR)を 求めた. 上記の ブロッ ク毎の平均値すなわち反応の絶対水準に加えて, 精神作業による相対的な反応変化. の程度の指標と して, ブロッ ク毎に求めた平均値からIBLの平均値を減じた差スコアをSBP , DBP 及びHRについて求めた, 統計処理は, 初めに,IBLおよ びBLの絶対水準を対象とし, 被験者の4群間の有意差を2要因分 散分析で検定した. すなわち, A型行動パターン群およ び競争群の2要因の主効果とその交互作用 の検定である.,続いて, 精神作業中の反応の絶対水準および差スコアを対象にして, 各作業ブロッ. ク別に, 同様の2要因分散分析で検定した. 統計的有意性の基準は, 有意水準5%およ び1%とし た. 1 1 1. SBP) 1 , 収縮期血圧 ( 196. 結. 果.
(6) . A型行動バターンと競争行動の相互作用に関する精神生理学的研究. 1 ) 安静時の群間差 IBLおよび各BLのSBP絶対水準において, 要因の主効果と交互作用に有意性は認められなかっ. た.. ) 作業時の群間差 2 反応の絶対水準および差スコアには, いずれの作業, ブロックにおいても要因の主効果と交互作 用に有意性は認められなかっ た. 2, 拡張期血圧 (DBP) 作業時の差スコアを4群別に示した (Fi ) g ,1 . 山 ぴ Zエ コ山 ー の ヒー ヒ 0. q m - < ー ヒ プX ロ. ・ . O. き. 。. ミ. O. 0 α 5 斗 山α 0 Uの 山 O Z q工 U 0 Qm o. H H. A十. 帖…◎ A -. B十. o ‐……o B ‐. CVV ー l i. MD l. l l. ー. I. VG L I. I I. I. ー. 1 ー. 1. 1. 1 2 3 ム 5 6 1 2 3 4 5 6 1 2 3 4 5 6 B LO C K Fig, 1 ハdean DBP changescoresf ineforeach exper imentalgroupsdur ing Cv i i lbasel v rom i t n a n4D and VG tasks .. ,. 1 ) 安静時の群間差 IBLおよび各BLのDBP絶対水準において, 要因の主効果と交互作用 に有意性は認められなかっ. た,. 2 ) 作業時の群間差 CW におけるDBP差スコアには, 作業後半に特徴的な群間差が認められた すなわち A型行動パ , , ターン群の有意な主効果が, BK4(F(1, 1 2 )= 095, P <0.05), BK5 (F (1, 12)=7.238, P<0, 05 ) 2)=8,622 05 ) で認められた, この有意性は, A型者がB型 , BK6 (F (1,1 , P<0,. 者に比較して作業後半の差スコアがより大であること によっ ている,競争群要因の有意な主効果は, BK2で認められた (F (1, 1 2 )=5.5 4 0 ) ,05 , P<0 , さらに, A型行動群要因と競争群要因の有 意 な交 互 作 用 が, BK2(F(1, 12)=4,902 ), BK3(F(1 ′ , P <0.05 , 12)=7,789 , P <0,05),. 197.
(7) . 田中 票一・新岡. 正・山越 憲一. BK4 (F (1, 12)=9.930 ), BK5 (F (1, 12)=6.291 ), BK 6 (F (1, , P <0,01 , P <0.05. 1 2 )=5.438 ) で認められた. 平均値の差異とその時間的変動を合せて みると, A十群と , P<0.05 B十群の作業後半での開きの増大が, 交互作用に反映している. 一方,CW における反応の絶対水準 には有意性は認められなかっ た, MDおよ びVG作業中のDBP絶対水準およ び差スコアには, いずれの作業, ブロッ クにおいても要 因の 主効果と交互作用に有意性は認められなかっ た.. 3, 心拍数 (HR) 1 ) 安静時の群間差 IBLおよび各BLのHR絶対水準において,要因の主効果と交互作用に有意性は認められなかった .. 2 ) 作業時の群間差. CW のBKIにおけるHR絶対水準に, 有意な交互作用が認められたこと(F(1,12 )=6.027 , P< 0,05 ) を除けば, 反応の絶対水準およ び差スコアには, いずれの作業, ブロッ クにおいても要因の 主効果と交互作用 に有意性は認められなかっ た.. IV. 考. 察. 本実験において, CW 作業後半におけるA型者のDBP差 スコア がB型者のそれより大であっ たこ とは, 構造面接法によっ て同定されたA型者の精神作業における心・血管反応の反応性の増加 がB ightetal 型 者 よ り も 大 で あ る と の, 欧 米 の 大 方 の 研 究 結 果 (Kranzt& G1ass , ,1985; Wr ,1985) と. 一致している, これに対して,IASに代表される質問紙に基づく精神生理学的研究では, A型者の過. 剰反応性を必ずしも実証してこなかっ た. 本研究では, A型行動 パターンの分類を基本的には質問 紙 に よ っ て い る が, 得 点分布の上位・下位のそれぞれ2 5%から被験者の選択を行っ ているために, 質問紙法の欠点をあるいはまぬがれているかもしれない, これに関し, jenki 1 971 )はとりわ nsら( け極端なA型得点を示す者とB型得点を示す者の間では, 虚血性心疾患の発症率が有意に異なると. している. すなわち, 被験者の選択を質問紙検査によっ て行う場合, その選択基準によって結果 が 左右されるのであり, 質問紙検査の意義はスクリーニン グ検査としての適用 に認められよう, A型 行動要因の主効果に加えて, A型行動要因と競争行動要因の交互作用 に有意性が認められ, 囚人の. ジレンマゲームで競争的反応をしめした者の中で大きなA-Bの群間差が生じたことから, A型行 動の質問紙検査の多因子性が示唆される, さらに, 競争行動の評価をA型質問紙検査と併用する評. 価法の有効性を実証するものである. ストレス事態に誘発され交感神経に媒介される, 心・血 管反応の覚醒機序には2種類があり, β i -adr energ c活動は, 心筋の収縮力と心拍出量を増加させることで, 主にSBPを上昇, HRを増加さ i 981 i t せ る (obr s ) energ c活動は末梢血管収縮をもたらしてDBPを増加さ ,1 , これに対し, α-adr M k S h f 8 8 k 1 7 M i i せ る ( anuc & c a e t t ) o e ; anuc & Pr ,1982 . 以前の研究では, A型者とB型者 の反応性の差がSBPに最も明瞭に現われるとの報告が多く, その生理学的な機序としてA型者の過. ighteta l lら (1984) 剰 なβ-adrenergic活 動 が 推 定 さ れ て き た (Wr jnde , ,1985), し か し, vanschi. は, アナ グラム作業中のA型者とB型者 の 血圧増加 の有意差がSBPよりDBPの方に認められたと報. 告 して い る. 本 実 験 では, DBPに お い て A - B 群 間 差 に 有 意 性 が 認め ら れた こ と か ら, α-adrener ‐. i c活動の反応性 がA-B群間で異なることが示唆された, すなわち, A型者の血圧上昇の一つの原 g 198.
(8) . A型行動バターンと競争行動の相互作用に関する精神生理学的研究. i 因として, α-adr ene rg c活動に媒介される末梢血管収縮が考えられ, 心・血管疾患の病因論におけ l ds i 982 t る 多 因 子 説 (Marx,1976; Shapi ) を支持するものである. ro & Go e n ,1. A型者の集団は, Dembr 1 9 ) が指摘した, 敵意が高くかつ競争的な下位集団のような, 97 oski( hewsら( t t 幾つかの異質の下位集団から構成されていることが考えられる. 敵意に関して, Ma 1 986 ) は公衆の前でスピーチするという自然発生的なストレス事態における高校生の 心・血管反応を調べ, 不安の高い者がSBPとHRの増加を示すのに対して, 怒りの水準の高い者はDBPの上昇を示すと報 laborat iveGroupStudyの デー タ を 再 分 析 し て, 潜 thewsら ( 告した, Mat 1 97 7 ) は, WesternCol i 19 86 在的敵意の得点が高い男性が狭心症になりやすいことを見いだした. さらに, Sp )は, 本 ga( i huka 1 9 8 7 t 実験において競争群を決定するのに用いたのと同様のゲーム (Toda&Sh ) によっ no s ,. て, A型とB型の小学4, 5年生のゲーム行動と心・血管反応の関係を調べ, 競争的で相手に罰を 与える行動と敵意の間に強い相関関係を報告した. A型の少年が相手に優位を維持・達成する仕方. で敵意を表出すことを示唆しているのは興味深い知見である, 本実験で示されたA-B群の差, 特 に, 囚人のジレンマゲームで競争的行動をとる群におけるA-B群の差がDBPに現われた事実は, 競争的なA型群の敵意の高さがDBPの上昇となっ て現われたことを示唆するものである, , A型者とB型者のCW におけるDBPの有意差は作業後半において認められた.すなわち,作業前半. で同程度に上昇した反応水準が, B型者ではしだいに減少してベー スライ ンに回復する傾向を示す のに対して, A型者ではそれが持続的に上昇あるいは高い水準が維持されることが示された, 前出 i lら ( のvans j 1 9 84 ) もA型者の血圧変化において同様の報告をしている, すなわち, 作業に ch nde. 対する初期の反応性においてよりも, 時間的な回復機能においてA型者とB型者の差異が存在する のかもしれない. このような, A型者の反応の時間的特性が, ノルエ ピネフリン内分泌反応におい i 1 i ), 心・血管の障害につながる重要な因子と推測される (E t& ても見られ (Fr edmanetal o , ,1975. Forker ), ,1976. 精神作業間では, CW のみで有意差が認められた, 実験室で行われる標準的な作業は, 例えば, α. i t (Manuck & Schaef t -adrenergi c活 動 を 誘 発 す るcold pressortes er et ,1978; Manuck & Proi , ime 1982), β-adrenergi c活動 と 関 連 が深 く, 能 動 的 対 処 を 誘 導 す るshock avoidance reaction t. i t t ) のように特異性が実証されているものもあるが, 種々の認知, 感覚運動作業の s ask(obr ,1981 l 1985 ta ) 影響はある程度非特異的であり (McKi nneye , , , 被験者によっても非特異的に反応する者 b i MD V G o 1 9 8 t も同定されている ( rs ) および で有意差が認められなかった原 因は明らかではな , 7 , いが, これら作業の課題困難度の影響が考えられる, ス トレス作業による心・血管反応は課題困難 i i 978;L t t 度が中程度の場合に最も増大することが認められている (obr s gh ,1983), ,1 ,& obrist. t また, Hous 1 983 )は, A型行動の精神生理学研究のレビューの中で, A-B群間差が中程度に on( 困難な状況において最も明確となると論じている,本実験のMD作業は,練習による習熟効果の著し. い作業であり, 作業中にしだいに困難度が減少し作業後半では比較的容易な作業に変化 していくと 推測される, また, VG作業は, 敵の攻撃を回避するのがかなり困難 であり, A-B群間の差をもた らす作業としては困難度が高過 ぎたのかもしれない, 謝. 辞. 本研究は北海道大学大学院環境科学研究科環境医学講座の施設を利用して行われたものであり, 豊教授及び関係各位に対して深謝致します, また, . 常日頃御指導頂いている北海道大. 同講座小島. 学医学部斎藤和雄教授に感謝致します,. 199.
(9) . 田中 豪一・新岡. 引. 用. 正・山越 憲一. 文. 献. Brand J 1 tz i son of , ,R, , Rosenman,R,H. , , Jenkins , C.D, , Shol ,R. , & Zyzanski ,SJ, Compar i t di l laborat ive Group study using the coronary hear t tern Co sease predi c on i n the vves St ivi ty Survey assessments ofthe coronary‐prone ructuredlnterview andtheJenki ns Act Type A behaviorpat i t ern c Disease,ln press. ,JournalofChron Dembroski T M M D l l M H d A l ds 1979 f l of ) e ect of l eve . . , . . ,, , ac ouga ,J , er,J , & shi ,L, ( . Ef ,j l l l fA cha engeon pressorand heartrateresponsesi i n TypeA andBsub jects J o u r n a o ed ppl , soc i aIPsychology . ,9 ,209-228. E1 i S. & Forker ionalstress and cardiac di 1 976 l of A merican ot ) sease ,R. ,A.D.( ,Emot .journa ndedi IASS0ciat ion ca , ,236 ,2325-2326. Fr i 1959 iat ion ofspec i f i edman ) th c overt behavior pattern wi ,M, , & Rosenman . Assoc ,R.H.( bloodandcardiovascu larf i i IASS0c i i ndings ler can Medi ca at on .Journalofthe An ,169 ,1286. -1296 , Fr i 1975 edman ) neresponseof , ,Byers ,P1asmacatecholami ,M, ,s, ,Diamant ,J ,& Rosenman ,R.( T A f i i h l l M b coronary‐prone sub l i 2 4 ject )t 2 s( ype oaspec cc a enge . eta o sm, , 05-210 ,. 橋本. 宰( 1 980 ) , TypeA行動をめ ぐる最近の諸問題-ストレ ス・不安との関連, 心理学評論, 23 ,. 322‐332 ,. Haynes s G Fe b,M, l 1980 lat ionshi ialfactors to nl ei ) p ofpsychosoc , ,. , i . There , & Kanne ,▽ B,(. tdi 1 1 coronary hear idence of coronary tudy:1 seaseinthe Frami ngham s . Eight-yearinc. heart d i i lofEpide logy sease canJourna - mi o , Amer , ,1980 ,111 ,37‐58 Hous 1983 ton io l i ) ty and the Type A behavior pattern, ogi cal respons vi , Psychophys ,B,K, ( lof Researchin Personal i Journa ty , ,17 ,22‐39. Jenki iat i ns onofcoronary-pronebehavior ,C.D. ,Zyzanski .& Rosennlan,R,H,(1971) ,Assoc ,SJ. th recurrence ofcoronary heartdisease,JournalofChroni scores wi c Di sease . ,24 ,601-611. . Jenki 1979 J ivi ns ) ty ns Act , & Rosenman , Mannual for the Jenki ,C,D, , Zyzanski ,s. ,R,H, ( survey. New York: The Psycho C i logi I t ca orpora on,. Krantz 1 984 ) sk ofcardio ‐ ,D,s. , & Manuck,s,B.( , Acute Psychophysiologic reactivity and ri l i d i A h d d l r i i vascu a l in t sease: rev ew an met o oogi ccr caIBul et que .Psychologi , ,96 ,435‐464. Li i 1983 f f i t ty s ) t rate reactivity, and cardio-vascular cul ght , Task di ,K,C. & obr ,P,A.( ,hear t i i i imetask.Psychophys responses o an appe io logy ttve reacton t , ,20 ,301-312 MCKi l l lva in I l l i nney t s. ner te ot , .E, ,M.E, , Mi , 1H. , Rude ,r .C, , Macl ,E ,VVi ,日, , Bue ,J , E1 ,R, ,& Grant L B 1985 tandard mental stress test protocol: Test-retest re ) l i l i ty and abi , Thes , . .( ing compar th ambul io logy IS0n wi tor atory blood pressure moni ,Psychophys , ,22 ,453‐463. l l i 松島, 道場, 日野原, Wi 1 983 ) ams , ,R.B ,& 篠田 ( , 冠動脈性心疾患における行動型A, および 敵意評価の検討. 心身医学, 23 ‐ 3 2 2 3 2 8 , .. Manuck,s.B, i 1982 l hypertension and cardiovascular response to t ) et ,M.( . Parenta ,J , & Proi i iveand isometric chal l t i co enge ol ogy 実 り □ ,Psychophys , ,19 ,481一489. Manuck,s.B. 1978 l i dua l di f f ty ofi ) er ndi vi erences in cardiovascular , & schaef , stabi ,D,C.( 200.
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