1940年代江蘇省呉江県の田租徴収状況について(下) - 「周愛蓮桟」関係簿冊の分析 -
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(2) 北海道教育大学紀要(人文科学・社会科学編)第63巻 第1号 JournalofHokkaidoUniversityofEducation(HumanitiesandSocialSciences)Vol.63,No.1. 平成24年8月 August,2012. 1940年代江蘇省呉江県の田租徴収状況について(下) −「周愛蓮桟」関係簿冊の分析−. 夏 井 春 喜 北海道教育大学札幌枚歴史学研究室. AStudyontheCollectionofFarmRentinWujiang(呉江)in1940’s(Ⅲ) NATSUI Haruki. DepartmentofHistory,SapporoCampus,HokkaidoUniversityofEducation. 概 要 本稿では1948年に作成された決算簿といえる「分記」について先ず分析を行った。「分記」には直接収租 状況の記載はないが,各字号の収租数,佃飯の支払い状況から,他の3冊の分析と同様に「顧湖施」と「南 泰」の徴収状況の差異が確認できる。見た目では年外の収租額が多いが,猛烈なインフレの進行で実質的な 徴収割合は数%に過ぎなかった。支出状況を見ると収租額の25%が租桟の経費として控除されたが,その多 くは司脹への支払いであり,租桟経営の利益は蘇州での戦前のものと比較すると減少している。次に欠租の 佃戸への「差迫」という強制徴収について見てみると,日中戦争期・内戦期とも地主自身での収租は困難で,. 地方政府の協助が不可欠であった。戦後佃租委員会という調停機関が作られ,その中に佃戸代表が入ってい るが,佃戸代表に「周愛蓮桟」の催甲と同名のものが見られ,同一人物の可能性もあり,その場合佃戸代表 は田業聯誼会と繋がりを持ったものがなり,佃租委員会は田業聯誼会の意向を受けて欠租の佃戸への追租・ 拘束等を行っていたと思われる。欠租の佃戸に対する伝票の発行,訊問,拘束,保証人の設定,支払の誓約,. 釈放という一連の過程についても具体的に明らかになった。. 四 内戦時期の田租徴収状況(承前) (3)「分記」の分析. 1948年度に作成された「分記」は「周愛蓮桟」の他の3冊の簿冊が田租の徴収状況を記載しているとは異 なり,租桟の決算簿というべき簿冊で,4冊の中で最も薄いものである。しかし情報量はかなり多く,この 簿冊の分析を通じて,1948年の呉江県における田租の徴収状況,租桟の経営について考察したい。 1948年10月30日呉江県田業聯誼会は,蘇州碧鳳坊にて各区田業聯誼会の代表を集め,第三次会員大会を挙 行した。大会では,理事・監事の改選を行うと共に,1948年度の収粗方法について次のように決定した。(1). 61.
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