ブリッジT回路による絶縁物の誘電特性の測定
富
塚
剛
Measurements of Dielectric Characteristics of
Insulator by Bridged T Circuit
TakeshiTomitsuka
Figure l shows the connection diagram and shielding method of bridged T circuit. This shielding method is simple and perfect, so it is available by relatively high frequCncy. The cal culat ions of C and R from the experimental data are slightly complicated, but the accu−r rate regults are obtained by choosing the proper circuit and circuit constants.1.緒 言
ブリッジT回路やそれに近い双T回路などの平衝条 件の一般式などについて既に詳しく検討して発表して ある(1)。その中で最も簡単なのがプリツジT回路であ るが、その回路の中には絶縁物の誘電特性の測定に役 立つものがあることがわかつた。最もよさそうなもの 三例については既に発表してあるが(2)、理論上可能な 回路は其他にもあるので、これからそれらの主なもの について説明する。2.回路の基本的考察
ブリツジT回路とはFig. 1に示すものである。端子 a,b間に交番電圧を與え、四個のイソピーダソスの 「一一一一一「 わ zlr:一:::二ごr「r
LL’二=:二卍工…’
Fig. 1 値を適当に調整すると、端子c,d間に現われている 電圧が0になる。その状態を平衡したという。平衡条 件の一般式は Z3(Z十Z1十Z2)十ZlZ2=0………(1) である。この式は見たぶけではわかりにくいけれど も、四個のイソピ・…ダソスとして具体的にR,L, C, を置けば(1)式の条件が成立する場合と不能の場合 とがあることがわかる。この条件が成立するものだけ がブリツジとして使用することができる。 この回路のよい点は電源の端子bと検出器の端子d とが共通であるから、それらを共通にアースすること ができることである。従つて静電遮蔽をすることが容 易である。また平衡したときには端子cもアース側と 同電位になるので、ZおよびZ2を遮蔽した電極は何れ もアースすることができる。Fig.1にはそれらの基本 的な形を示してある。 絶縁物の誘電特性の測定には四個のイソピーダソx の中のどこかで、抵抗と静電容量とから成つている部 分を使えばよい。然し保護電極を使つて精密な測定を するにはZの部分を使うのが最もよい。それは保護電 極は上記の理由で単にアースするだけでよく、ワグナ ー接地のような調整をしなくてよいからである。Z以 外の部分を使うならば保護電極の電位の調整には手数 がかXつて不便である。またZの所を使えぱ平衡した ときに試料には電源電圧と同一の電圧がかXることに なるので、電源側に電圧計をつけておけば、その読み が直ちに試料に加わる電圧となることもよいことであ る。 この回路は接続図を書き改めるとFig.2のようにな る。従つて平衡条件は直並列回路の関係を使つて求め147
昭和32年7月
山梨大学工学部研究報告
第 8 号乙
Fig. 2z
Fig.3P
ることもできる。平衡するにはZ3の電圧降下をZ2の 電圧降下で打消さなければならない。リアクタソスに は正のものも負のものもあるから便利であるが、普通 の抵抗は正だけであるために、インピPtダンスの具体 的な組合わせには制限を受けることが多い。借この回 路は負性抵抗の測定に応用することもできるのである が、それについては本論文では触れないことにする。3,回路の実例
平衡条件の成立する回路は多数考えられる。それら の実例を示したのがFig.3∼Fig・ 17である。図中に (0)或は(の)と書いてある所は、それの値を0或は のにしても平衡するということを示したものである。 実際はそのようにすると回路の素子が少なくなるから 便利である。そうすると図に示してある回路の幾つか は同一回路になつてしまうが、本論文ではそれらを別 々に示しておく。電源と検出器との位置を交換してもFig.4
Fig.5Fig.6 Fig.7 Fig.8
Fig.9 Fig.10 Fig.11
__ユL』__」L
Fig.12 Fig.13
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ブリツジ丁回路による絶縁物の誘電特性の測定
Fig.15 よいことは勿論であるから、図に示した回路の左右を 置換えた形の回路も図のものと同一に考えてよい。 この回路の中で絶縁物の誘電特性を測定するために はFig.1のZの部分が静電容量と抵抗とになつている ものが最も適する。Fig・ 3∼Fig・11がそれである。ま たこの部分が自己イソダクタソスと抵抗になつている ものは誘導リアクタソスの測定をすることができる。 Fig.12∼Fig.17がそれである。 各プリツジについての平衡条件は概して複雑であ る。その中で比較的簡単な関係になるもの数例につい てあげると吹のようである。 Fig.3において、 C 1・=ののときは ・・・・・・・・・・・・・・・… (2) この回路でR3・・Oのときは平衡条件は遙かに簡単にな り、次の如くなる。i議竃欝醐@+c,R、R2)}
……… (3) Fig・4, Fig・5でも最も簡単にすればこの形になる。 Fig.4において、 Rs= Oならば:こ盤蒜;漂識11Lめ}…(4)
Cがのであつても測定できる。 Fig. 5では:霊灘蕊㌫霊;}……(5)
Fig.6では三瓢漂潔;篇㌫;R,1(6)
Fig.7において、 R1 =・0のときは …………・・……・(7) Fig.16 Fig.17 この回路はCがのの時にも測定できる。 Fig・8において、 R1=R2=0のときは1:1:;::蕊:蕊㌶)})
………一・・(8) この回路ではRがあまり小さ過ぎると測定不能にな る。そのような時には適当な値の既知抵抗をRに付加 すればよい。Cがののものも測定できる。 Fig・9は簡単な関係にならない。 C1をのにしても まだかなり複雑な式になるのでこXには示さないこと にする。Fig・10, Fig・11も上と同様である。街Fig. 11はL3==OとするとFig. 6になる。 Fig・12∼Fig.17は誘導リアクタンxの測定に応用で きる回路である。よく使われるのはFig.12である。 この回路において、R1 =R2 =o, Cs = coとすると:二㌫ぽ⇒・一・一・一(9)
誘導リアクタソスの測定は本論文の目的から外れるの で、これ以上は触れないことにする。 以上いイソピーダソスZの部分で誘電特性を測定す ることについて考えたのであるが、Zl, Z2, Z3の部 分でも測定できる所があることはFig.3 ・vFig.17を見 れば直ちにわかることである。それらについて少し検 討しているが、何れも関係式が複雑になるようであ る。 全部の回路について、各種の周波数を用いて実験し たのではないので、優劣をあげることは無理であるけ れども、僅かの経験からでは1,000c.p.s・の周波数で 使うとFig.3は良く、Fig.7はあまり良くなかつた。4.結
言 ブリツジT回路はかなり高い周波数を用いての誘導 リアクタソス測定用として重要であるが、絶縁物の誘 電特性を測るにも使えることがわかつた。然しその値 を求める式が複雑であるから、計算に手数がかXり、149
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