第39回埼玉・群馬乳腺疾患研究会
日 時:平成 20年 6月 14日 (土)
会 場:高崎ビューホテル
世話人:柳田 康弘 (群馬県立がんセンター 乳腺科)
セッション1>
患者支援
座長 原 一茂
1.術前化学療法後に乳房切除術となった症例からみる
支援の方向性
小林万里子
(群馬県立県民 康科学大学 看護学部)
市川 加代 (伊勢崎市民病院 看護部)
二渡 玉江 (群馬大医・保・臨床看護学)
【目 的】 乳房温存術を目指して術前化学療法を行った
ものの術式決定の際に切除術となった乳がん患者の術前
術後の面接内容を 析し, 受容過程と看護支援の方向性
を検討する. 【症 例】 40歳代, 女性, 左乳癌 T N M
StageⅡb 【受容の過程】 術前は[乳房を残したい希望]
と[乳房を切除した方が安全という現実]との中で[乳
房を喪失してしまう自 に折り合いをつけ], 温存から
切除への気持ちを切り替えようとしていた. 術後は[乳
房切除に伴うさまざまな身体症状の出現]や[思うよう
に挙がらない左腕]に気持ちが集中し, 乳房の喪失に関
して[思ったより冷静]であった.また[左腕を無意識に
かばってしまう身体のもどかしさ]や[術前より術後の
方が日常生活できないことが多く苦痛]を感じていた.
さらに,[自 の価値の縮小化]がみられ,[乳房を喪失し
た自 を模索]していた. 【支援の方向性】 症例の個別
な体験を理解し, 乳房を喪失した自 の身体と価値の再
構築を促す必要性が示唆された.
2.乳癌患者のがん性潰瘍に対する援助―処置方法を習
得し外来へ継続できた1事例―
下永吉麻里,急式 玲子,佐久間寿恵
楮本 生恵
(埼玉県立がんセンター 第11病棟看護師)
赤坂 和美
(同 皮膚・排泄ケア認定看護師)
小林美智子(同 在宅支援センター看護師)
小野 亮子,永井 成勲,井上 賢一
田部井敏夫 (同 乳腺腫瘍内科)
【はじめに】 乳がん患者にとって, がん性潰瘍は難治性
であり, 痛みや臭気, 浸出液などを伴い患者の QOL を低
下させる. また, 用する軟膏や 傷用品が高コストで,
処置が長時間に及ぶなど患者への負担は大きい. 今回,
外来,相談支援センター,皮膚・排泄ケア認定看護師と地
域と連携し, 本人ががん性潰瘍の処置方法を習得できる
ように指導 し, 外 来 へ 継 続 で き た 1事 例 を 報 告 す る.
【症 例】 50代女性, 左乳がん, 肺・縦隔リンパ節転移,
StageⅣ,家族構成 : 夫・娘 【看護の実際】 左腋下中心
の潰瘍を伴う 15cm大の腫瘤があり病気や死に対する不
安が強かった. 処置と精神的支援を中心に, 病棟, 外来,
地域との連携を図り, 家族の協力を得ながら早期に介入
した. 患者の精神的な安定が図れ, 患者と共に個別性に
合わせた処置方法を検討し, 在宅療養に移 行 で き た.
【結 語】 がん性潰瘍に対する援助は, 医療者の早期介
入と他部署の連携で, 患者背景に合わせた処置方法を患
者と共に選択することができた.
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Kitakanto Med J
2009;59:79∼85