• 検索結果がありません。

構成管理システムを活用したソフトウェア開発プロセス改善への取り組み事例

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "構成管理システムを活用したソフトウェア開発プロセス改善への取り組み事例"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)1G-5. 情報処理学会第66回全国大会. 構成管理システムを活用したソフトウェア開発プロセス改善への 取り組み事例 會澤 実 1. 1. 白井 保隆. 1. 大木 雅彦. 杉山 昭洋 2. 株式会社東芝 ソフトウェア技術センター 3. 2. 吉崎 浩二. 3. 株式会社トプコン 設計合理化推進部. 上武大学 経営情報学部. 1. はじめに 現在,構成管理システムを利用し,成果物のチェック インとともに入力された開発情報を分析することで,ソ フトウェア開発での進捗管理やプロセス改善に活用する 仕組みの実現を目的とした実践研究を進めている. 本稿では,実際の開発で試行した事例をもとに,本取 り組みで期待される効果や課題などの考察について述べ る. 2. 取り組みの背景 2.1 現状の課題 筆者らが現在対象として改善に取り組んでいる組織で は,従来から,ソフトウェア開発にフィードバックする ためにさまざまな開発データの収集を行ってきた.しか し,実際の開発現場では依然として定性的な報告に頼っ てプロジェクト管理を行っていることが多く,また,デ ータを利用したとしても人手の計測による負担が原因と なり,タイムリーかつ効果的にプロジェクト管理やプロ セス改善に活用することができないことが課題とされて いた. 2.2 構成管理システムの活用 本取り組みの対象組織では,構成管理システムの組織 的な展開を行ってきており[1][2],現在までにほぼ全て の製品開発で利用されるまでに定着している. この構成管理システムをベースに,2.1 節で述べたよ うな問題を解決することを目標として開発プロセス分析 システムに着手し[3],現在普及を進めている. このシステムでは,構成管理システムから得られたデ ータの活用による開発状況の可視化により, z. 2. 分析結果をタイムリーに開発へフィードバックすること による,生産状況管理,工程管理などの改善の強化. z. 分析結果を長期的に蓄積し, 統計的に分析することによる, 実績データの可視化や改善点の把握. を行うことを主な狙いとしており,成果物のチェックイ ンと同時に構成管理システムに登録された,工程,作業 目的,不具合原因,工数等のプロセス情報と,成果物, 成果物サイズ,登録者,登録日時等の成果物情報をもと に分析支援を行う(詳細については[3]を参照). 構成管理システムから得られる成果物量をもとにした プロジェクト進捗状況の把握については,従来から多く の取り組みが行われてきているが,単に成果物量の情報 のみを利用するのではなく,チェックイン時にプロセス 情報を付加して登録することにより,開発状況をより正 確に捉えることができるように工夫した. 3. 試行 3.1 本試行の目的 2.2 節で述べたようなシステムを用いた改善への取り 組みについて,実際の開発プロジェクトを対象に,その 効果や課題について検討することを試みた.ここでは, 以下の 2 点についての考察を行うことを主な目的とする. 1. プロジェクトメンバーに対して有効な情報をタイ ムリーに提供できるか 2. 開発プロセス上の問題点を把握し,その解決と改善 につなげられるか 3.2 試行の概要 今回の試行の対象となった開発プロジェクトは,組み 込みソフトウェアの開発であり,規模は約数万行,メン バーは 3 名程度による開発である.開発は各機能ごとに インクリメンタルに行われた. 試行にあたり,コーディングの期間中,開発メンバー に対して以下の点について構成管理のルール化を行った.. A Case Study of Software Process Improvement by utilizing Software Configuration Management System Minoru Aizawa1, Yasutaka Shirai1, Masahiko Ohki2, Akihiro Sugiyama2, Kouji Yoshizaki3 1 {minoru.aizawa, yasutaka.shirai}@toshiba.co.jp 2 {m.ohki, akihiro_sugiyama}@topcon.co.jp 3 [email protected] 1 Software Engineering Center, TOSHIBA Corporation 2 Technical Design Rationalization Promoting Dept., TOPCON Corporation 3 Dept. of Management and Information Science, JOBU University. 1−181. z. 毎日のコーディング作業が終わるごとに当日作業した 成果物は必ず構成管理システムにチェックインする. z. 構成管理システムにチェックインを行う際に,機能毎 に,開発開始,開発中,開発終了のいずれかの情報を 付加してチェックインを行う(構成管理システムのユ ーザインタフェースから入力可能). z. 工程(コーディングまたはテスト),作業目的(仕様変更.

(2) に伴う修正や,不具合による修正など),不具合原因(設 計ミス,コーディングミスなど)の各情報をチェックイ ンと同時に登録する(構成管理システムのユーザイン タフェースから入力可能). 製品品質の安定度合いを視覚的に確認できると考えられ る.その他,このような情報を蓄積し次の機能の開発の 見積もりの参考とすることで,見積もりプロセスの改善 (見積もり精度の向上)につなげることも期待できる.. 製品開発中の複数回にわたり,データの分析,グラフ による可視化を行い,支援グループから開発メンバーに 対して分析レポートの提出やヒアリングを行うことで, 結果のフィードバックを実施した.図 1 に,今回の試行 の流れについて示す. 開発者 プロセス情報. 開発作業. 組織、工程、工期、工数、 予定等 構成管理 ツール 成果物、日付、 作業者. DB. 図 2. データ例 (開発作業量の推移). フィードバック. 分析. 支援グループ. 開発プロセス分析システム. 図 1. 開発プロセス分析システムの利用 4. 考察 4.1 開発メンバーへのフィードバック 試行期間中,計 4 回のフィードバックを行った.フィ ードバックでは,開発量の推移や,入力されたプロセス 情報をもとに,分析結果をメンバーに提示した. 今回の試行でフィードバックした情報として用いられ たグラフの例を図 2 に示す.これは,製品のある一機能 について,そのコーディング開始から実機試験終了まで の開発作業量の累積と成果物サイズの推移を追ったグラ フの一部を拡大したものである.破線が開発作業量の累 積の推移を,実線が成果物サイズの推移を示している. なお,抜粋元のグラフの横軸は作業日数を,縦軸はソー スコード行数を示している.ここで,開発作業量とは, 追加または変更されたソースコードの行数であり,成果 物サイズとは,その機能を構成する各ファイルのソース コード行数の総数である(コメント行も含む).このグラ フは開発プロセス分析システムから得られるものである. 図 2 のグラフからも分かるように,開発途中で成果物 サイズと開発作業量の累積が大きく乖離している.開発 メンバーに対してフィードバックを行ったところ,仕様 変更が多く落ち着いていないとのことであった. その後, しばらくして仕様変更が少なくなるとともに,乖離も少 なくなったことがグラフから読み取れる. 今回の場合,フィードバックにより直接何らかの是正 処置を取ったということはなかったが,状況によっては このような開発量推移が見られた時点でフィードバック を行うことで,開発上の問題を検出し,タイムリーな是 正処置につなげることができると考えられる. また,このような分析を続けることで,リリース後の. 4.2 課題 今回,チェックイン時に作業目的や不具合原因などの 情報を選択入力してもらうことにしたが,現時点では, 作業目的として通常の開発であることを示す以外の情報 は入力されていない.不具合に伴う大きな手戻りが特に 発生していないことや,結合テストに伴う修正に対する 分類が難しかったことなどが原因として考えられるが, 選択入力項目の分類や手続き上に問題がないかを再度確 認した上で,より有効な分析につながる情報を得ること ができないかどうか検討する必要があると考えられる. また,現在は図 1 のように支援グループを通してのフ ィードバックとなっているが,開発者,管理者がシステ ムから直接分析結果を得るようにすることで,よりタイ ムリーなフィードバックにつながることが期待できる. 5. まとめ 筆者らが取り組んでいる構成管理システムを活用した ソフトウェア開発プロセス改善について,実際の開発プ ロジェクトに対する試行とその考察を説明した. 試行の結果,構成管理システムに入力された情報を開 発プロジェクトへフィードバックし,活用できることを 確認することができた. 一方,今回は定性的な情報による考察が中心であった が,今後データ量をさらに蓄積しながら,この取り組み に対する定量的な評価を行っていくことが必要であると 考える.また,データを継続的に蓄積していくことで統 計的な分析を行い,その結果を開発現場にフィードバッ クして,より効果的なプロセス改善へとつなげていく予 定である. 参考文献 [1]會澤他:"ソフトウェア構成管理プロセス改善の一手 法(1)", 第 60 回情報処理学会全国大会, 2000. [2]大木他:"ソフトウェア構成管理プロセス改善の一手 法(2)", 第 60 回情報処理学会全国大会, 2000. [3]大木他:"構成管理データに基づく開発プロセス分析 の一手法", 第 64 回情報処理学会全国大会, 2002.. 1−182.

(3)

参照

関連したドキュメント

に文化庁が策定した「文化財活用・理解促進戦略プログラム 2020 」では、文化財を貴重 な地域・観光資源として活用するための取組みとして、平成 32

土木工事では混合廃棄物の削減に取り組み、「安定型のみ」「管理型

例えば「駿河台ビル」では、2002 年(平成 14 年)の農薬取締法の改正を契機に植栽の管 理方針を見直して、総合的病害虫管理(Integrated Pest

将来の需要や電源構成 等を踏まえ、設備計画を 見直すとともに仕様の 見直し等を通じて投資の 削減を実施.

問 19.東電は「作業員の皆さまの賃金改善」について 2013 年(平成 25 年)12

事例1 平成 23 年度採択...

航続距離(約 700km ) 水素充填時間(約 3 分). 氷点下始動性(

施設設備の改善や大会議室の利用方法の改善を実施した。また、障がい者への配慮など研修を通じ て実践適用に努めてきた。 「