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国際金融の矛盾の克服に東アジアの力を生かせ

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Academic year: 2021

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国際金融の矛盾の克服に

東アジアの力を生かせ(…8・121)

・・1・m・7

東アジア総合研究所所畏

叶 秋男

 2006年後半から表面化したサブプライムローン問題は、現在もまだ国際金融、特に先進国の金融機 関を揺さぶり続けている。サブプライムローン問題とは、米国で大規模に発生した低所得者向け住宅 ローンの焦げ付きのことであったが、この問題の背景にはグローバル化する国際経済に内在する「ゆが み」がある。というのは、世界が市場経済化する中で、先進国は開発途上国の追い上げによって産業 の空洞化現象に直面し、既に蓄積した膨大な資本の国内投資先を見出しにくくなっている。もちろん、 それならば開発資金を必要とする途上国へ輸出すればいいように思うが、実のところ、話はそう簡単 ではない。  開発度が十分でない経済への資本の流入は、たちまち資本過剰からバブル現象を引き起こしかねな い。事実、90年代後半の日米欧からの東アジアへの資本流入は、先進国間一主に欧州から米国へ一の 資本移動と比べれば、10%にも満たないものであったのに、タイ、インドネシア、韓国等では大いなる バブル現象を引き起こした。これに世界的マネー・ゲームのプレイヤーである、ヘッジファンドが加わっ たために、その最終局面ではそれらの国々に深刻な経済的混乱をもたらした。それが10年前に起こっ たアジア金融危機である。  世紀が変わって、米国で低所得者向けに当初は低利を売り物にする一数年後には高利に跳ね上がる 一住宅ローンが販売されると住宅投資ブームが起きた。ローンは金融機関によって証券化され、クレ ジット・デリバティブとして広く世界に売り出され、先進国の巨額の余剰資金を引きつけた。この度 はローンの借り手がブームによる資産価値の値上がりの中で借り換えすることを前提とする危うい住 宅需要の創出であった。果たして資産価値の値上がりに陰りが出て、返済不能者が続出しだすとゲー ムオーバーとなり、世界的規模で膨大な不良債権額が発生し出した。  国際経済は、言ってみれば、巨額の資本があるのにそれを有効に働かせる場を見出せない矛盾に陥っ ている。その最も好ましい解決策は、資本を大規模に受け入れられる実需のある場を創出していくこ とだが、現在は成長に弾みがついてきた東アジアがそれに相応しい場になりつつある。そこでそこと 他の途上諸国と連係した発展を図っていくことが資本の有効活用となるだろう。ただし、そのとき野 放図な市場主義で行くならば、国際経済はこれまでと同じ罠に陥ることになろう。

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