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ボイラ通風用高性能軸流ファン

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Academic year: 2021

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特集 火力発電新技術 ∪.D.C.る21.る34_253.る7:る占2.923.3:る21.181.1-る占1

ボイラ通風用高性能軸;充フアン

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PerformanceAxialFlowFansforThermalPower

Plants

火力発電プラントの大容量化と省エネ運転のニーズから,従来の遠心フアンに代 わってボイラ通風用の各種用途に動翼可変軸流フ7ンの採用が増加している。軸流 フアンは遠心力による昇庄作用がなく,遠心フ7ンに比べて翼面の汚れや粗さによ り性能が影響されやすい。軸流フアンの採用に当たっては,ボイラシステムと軸流 フアンの特徴の十分な理解に基づく最適機種選定と最適設計が必要となる。 本稿では,モデルフアンによって,翼面の粗さ,汚れの位置などが性能に及ぼす

影響を定量的に求め,汚れによる件能低下のメカニズムの解明について述べた。そ

の結果に基づいて開発された動翼可変軸流フアンでは,巽の高さ方向に仕事を最適 配分することによって,低い間遠で世界に類のない高圧力と高効率を得て実用化した。 山 緒 言 プラントの大容量化と,石油や天然ガ、スかごっ石炭への燃料 の移行,更に中規模プラントの部分負荷効率の向上のための 変圧運転など,火力発電70ラントは技術的に再検討されてい る。ボイラ通風用の送風機でも、従来の遠心フアンから,大 容量及び部分負荷運転に適した軸流フアンへ移行しつつある。

FDF(Forced Draft Fan:押込通風フアン)については,効

果取付角度が運転中に変更できるいわゆる動翼可変式軸流フ ァンが,既に昭和51年ごろから採用きれ高効率と高信頼性が 実証されている1)。 石炭燃料の採用によって,ボイラの通風方式が強圧通風か ら平衡通風になり,ボイラの燃焼ガスを煙突に噂きボイラ内 の圧力を大気圧近くに保つためのIDF(Induced DraftFan: 誘引通風フアン)が必要となるが,高温で石炭灰を含む燃焼ガ スを取り扱うため,従来この用途には遠心フアンが有利とさ れてきた。最近計画されるプラントは大容量でLかも運転の 経済性から,IDFにも動翼可変式軸流フアンが採用されるよ

うになってきた。また,PAF(Primary Air Fan:一次空気

フアン)や排煙脱硫装置のBUF(Boost Up Fan:昇庄フアン) にも同様に軸i充フアンの才采用が検討されている。国=に石炭 火力プラントに採用される各種フアンのシステム内の位置を 示し,火力発電所の規模と用いられるFDF,IDF及びBUFに 要求される風量の関係を図2に示す。 軸i充フアンは遠心フアンに比べて大風呈に適し,設計点及 H-EP GRF De-Nox AH

注:略語説明など FDF(押込通風ファン) PAF(一次空気ファン) lDF(誘引通風ファン) BUF(昇圧ファン) GRF(ガス再循環ファン) M(石炭ミル) B(ポイラ) H-EP(高温電気集塵器) De-Nox(脱硝装置) AH(空気予熱器) GGH(ガス・ガスヒ…タ) De-Sox(脱硫装置)

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1、200 00 00 00 00 0 00 6 4 言∋ニ醐沸上八小卜紆粁 200

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遠心式 横山英二* 高田 昭* ′ト林淳一**

審Eけ∫

y()んoyαmα 力ん才rα 了'皿丘αdα J≠氾'fcんg∬0占αガαβんf 10 20 30 40 50 (∋0 フアン吸込風量(m3/min) 70×103 図2 火力発電プラントの規模とFDF,lDF,BUFに要求される 風.量の関係 プラントの大容量化によって,従来の遠心フアンに代わって 大風量に適した軸流ファンが採用される。

臣∋臣∋

ST(煙突) 昏(軸流ファン検討対象) GGH ST De-Sox 図l 石炭火力発電 システムにおけるフ アンの役割 発電 プラントの大容量化と 部分負荷運転の効率向 上のニーズから,FDFや IDF,BUF,PAFにも動 翼可変式軸流ファンが 採用される傾向にある。 * 日立製作所土浦工場 ** 日立製作所機械研究所 コニ学博士 23

(2)

732 日立評論 VO+.64 No.10(1982-10) ぐリ

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(1 i/2 J上1 動翼 静翼 (a)遠心式 又又口 車車出 板張謹ハ 「=イ一「一つ争 「一一ハJ∃.土日 1 23 字 添

′し 〓リ 〃 r 明 説 五日 配 は動翼入口 は動翼出口

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動翼列 ∠ZZ7一斗 静翼列 (b)軸流式

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図3 遠心ファンと軸流ファンの羽根車における流れの速度 遠心式では,流れは径方向外向きに羽根車を通過するのに対し,軸流式では常に軸に 沿って流れる。遠心式では遠心力が昇圧に役立つが,軸流ではその効果がない。 び部分負荷運転での効率が高い反面,翼の汚れ,摩耗による 巽の表面粗さ,形状の変化が性能に及ぼす影響は,遠心フア ンよりもはるかに大きいという本質的な相通がある。 本稿では,遠心フ7ンと軸流フアンの昇圧のメカニズムの 差,巽表面の粗さが性能に及ぼす影響についての研究及びそ の研究成果を考慮して設計された日立高性能動翼可変軸流フ アンについて述べる。 何

遍心式と軸流式の比較

図3は,遠心フアンと軸流フアンの羽根車での流れの速度 の関係を示したものである。遠心フアンでは流れは回転軸の 方向に吸い込まれ,90度向きを変えて径方向に羽根車を通過 するのに対し,軸流フアンでは流れは常に軸に沿って流れる。 ターボ機械での流れの速度(図3)と圧力上昇との関係は,オ イラーの式と呼ばれる次式によって示される。 8 nU 坦暗中叫‖)蝶顆6月や咽 0 6 一月 2 0 0 咄→只坦G車軸 山】 や β2 ヽ

2好j

】 軸 ご士 〟lし フ ア ン 0・5 0.6 0フ 0.8 0.9 羽根入口/出口直径比上ノ1ハノ2 1.0 図4 遠心ファンの昇庄作用における遠心力の役割 遠心ファンの 羽根車の内・外径比が小さいほど∴充体に与える遠心力による昇圧が全体の圧 力上昇に占める割合が大きくなる。一姫の遠心ファンでは30∼60%になるのに 対し,軸;充フアンでは0となる。 24

』P=r〃=孟†(ぴ-2-ぴ22)+(c22-C12)+(叫2-伽12)i

ここに 』P:圧力上昇(k〆/m2) 〃:ヘッド上昇(kgf・m/kgw) ぴ:相対速度(m/s) 伽:間遠度(m/s) r:気体の密度(kgw/m3) g:重力加速度(m/s2) c:絶対速度(m/s) 添字1:入口状態,2:出口メ犬態 本式で,右辺の第1項は羽根車の中で相対速度が減速するこ とによる昇庄を,第2項は羽根車によって与えられる絶対速 度,すなわち速度エネルギーの増加分で,羽根車の下流の静 翼あるいはケーシング内で減速されて圧力に変換される部分 を,第3項は遠心力の作用による昇庄分を示す。軸流フアン では,従之=以1となるため,第3項は0となるのに対し,遠心 ファンでは,名前か示すとおりこの遠心力の作用が昇圧に大き い役割を果たしている。図4は,代表的な遠心フアンの遠心 力による昇庄が,フアン全体の昇庄に占める割合を示す。遠 心力の効果はフアンの設計によって異なるが,同図からおよ そ30∼60%に及んでいることが分かる。一方,軸手充フアンで は,流れは常に軸方向に流れるために遠心力の効果はなく, 昇圧はすべて異に沿ってのi売れの向きを変えることによって なされる。このことから,軸流.フアンは遠心フアンに比べて, 発表面の汚れや形状の変化などにより,性能が変わりやすい ことが理解できる。 同

ダストが軸流フアンの性能に及ぼす影響

ガスタービンやジェットエンジンでは,軸流圧縮機の異の 汚れがエンジンの出力を著しく低下させるため,水洗したり, 米粒,くるみの殻などを吸い込ませて,翼面の付着物を除去 し,性能を回復させる方法がとられている2)。FDFでも,大 気中のダストによる翼面の汚れがフアンの性能を低下させる。

図5はFDFが長期間の運転によって翼が汚れた状態(ダスト

付着量0.5∼1mm)での性能と,清掃後の回復した性能を示す。 動翼可変式では,汚れによる風量の不足分は,動翼角を変更 することによって増加できるが,サージング圧力の低下は清 掃による以外に回復の手段がなく,発電に支障を来すこと

(3)

nU O O O β ヰ 00 ■ 00 っ√ (山 (音∈∈)出漁+ヨガ 0 0 〔lU

‥薦′へ

01ハ脈Ⅵ離・・

′⊂しJ 一一一--8 10 12 注:…▼ムーーー清掃前 ・・-0一着掃後 14 16 18 20 吸込風量(m3/min) ぞ:動翼取付角 ∩) × 2 2 図5 翼面の汚れによる軸流ファンの性能低下の一例 FDFの翼 面が汚れた状態での性能と,さ青掃によって回復した性能の対比を示す。軸流フ ァンの性能は翼面粗さの影響を受けやすい。 250 0 nU O O 5 0 2 (首∈∈)昧叫坦軸 前縁

負圧面 圧力面

嘲弼発熱

注: 、 一-・0・・-・・全面5∼7/川1 …・べ・・・圧力面160∼22恥m,負庄面5∼7〃m -・-△r・一圧力面5∼7ノ州,負圧面160∼220/一州 -・・廿…-全面160∼220ノJm 複線 0 3 言ヱ只裔宗 20 0 400 500 600 700 吸込風量(m3/m什り 図6 翼面の汚れがフアンの性能に及ぼす影響 巽の表面の粗さの 影響に関する実験の一例で,圧力面よりも負圧面の粗さの影響が大きいことを 示している。 ボイラ通風用高性能軸流ファン 733 なく清掃する有効な手段がなければ,あらかじめ汚れによる 性能低下を見込んだサージング圧力の高いフ7ンを設計して おく必要がある。FDFよりも使用条件の患いIDFやBUFに軸 i充フアンを採用する場合は,以上は特に留意すべき事項であ る。汚れに対するサージング圧力の余裕を定量的に決完三する ためには,汚れによる惟能低下のメカニズムを宕・違的に究明 し把握しておく必要があり,日立製作所の研究所で,翼表面の 1乱さがフフ,ン惟能に及ぼす影響に関する一連の研究を実施し た3)。,図6にその一例を示す。発表面の粗さは,あらかじめ メッシュによってふるい分けられた鋳物砂を,軸流.フアンの 二翼の表面に接着剤で固着させることによって与えられた。翼 面の粗さ,負庄面と圧力面の粗さによる影響の差,前縁付近, 中央部,複線付近,蛍光端部,根元部などの汚れの位置が性 能に及ぼす影竿を実測し、汚れによる件能低下のメカニズム を定量的に究明した。この研究により,概略下記の事項が明 らかとなった。 (1)FDFの発表何の汚れによる性能低下は,巽の形メ大の変化 によるものではなく,翼面の粗_さによるものであること。

(2)翼の員庄而の粗さは特に性能に影響を及ばし,勧奨先端

近くは効率の低下に,前縁近くは翼のなす仕事の低下に影響 すること。

(3)蛍表面の粗さによる圧力上昇の減小は,f肇擦損失の増加

によるものと,仕一事の減小によるものとに分けられ,粗さが 増すと前者の割合が増加し,ある程度粗くなると約50%程度 となること。

(4)現地での追跡調査結・果から,汚れによる表面のラ阻さは比

較的短期間の運転である限界に達し,その後は付着物が成長 とはく離を繰り返し,性能に大きな変化は起こらないこと。 8

日立高性能動翼可変軸流フアン

以上に述べたような一連の研究によ-),サージングライン 及び汚れによるサージングラインの低下韻の高精度の予測が 可能となり,また軸i充フアンの本質的な特徴,翼面の汚れが 性能に及ぼす影響とそのメカニズムを考慮に入れ,長期例の 連続運転により巽が汚れて性能が作も【Fしても,プラントの運 転に支障を来すことがないように十分に余裕をもたせた高性 能のj軌巽吋変軸流フアンを開発し,実用化した。その主な特 技は,従来から-一般に行なわれている巽高さ方向に沿って仕 事を一定とする設計とは異なり,巽の高さ方向に仕事を最適 に配分することによって,二の椎の軸流フアンとしては類の ない高い圧力係数をもち,動翼可変機構に強度上無理のない 低い間遠で,十分高い圧力と,しかも高い効率が確保できる ことである。図7にその動翼の写真を,また図8には開発さ れたフアンのJISに基づく性能試験結果を示す。単段勃発可 変軸流フアンとしては世界に類のない高い吐.11し静圧で,し かも高い効率を示している。図9に,実機の外観を示す。 火力発電プラントでの軸流フアンには,高い信頼性が要求 されることはいうまでもないが,特に動翼可変機構は軸‡充フ ァンの信頼性を決定する重要な要素であr),開発の段帽て、は, 動巽各部の実働応力の測定及び動翼軸′受,シール部,可変機 構などの耐久試験を実施した。その詳細については既に発表 されておりl),ここでは重複を避けるが,_研究の成果は昭和 51年以来納入された実機に適用され,フィールドで信頼性を 実証し,顧客から高く評価されている。その後,動翼軸受.に ついては更に研究を続け,オイルパック式軸受を実用化した。 これは従来の強制給油式構造の複雑さを回避し,またグリー ス給油式やグリースパック式の遠心力によるグリースの分離, 25

(4)

734 日立評論 VOL.64 No.10=982-10) (a)従来の葉形 ∩) × 2 2 0 6 2 2 (音∈∈)地盤+ヨガ 仝断熱効率

ヽも-、0

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㌢ヽ㌔l。-() 50 (訳)俸禄礁義朝 100 80 60 40 20 0 8 12 16 20 24×103 吸込風量(m3/mm) 図8 高性能動翼可変軸流ファンの性能曲線の一例 動翼可変機構 の強度から制限された低し、周速で,Lかも阜J設で頬のない高い吐出し静圧と高 い効率を実証した。 劣化の問題点をなくしたもので,長期連続運転でも安定した 潤滑を確保し,構造も簡単で耐久性,信頼性の高い軸受である。 切 結 言 火力発電プラントで,遠心フアンに代わって動翼可変軸流 フアンの手采用が急速に増加する現二伏にあって,軸ラ充式の才采用 に当たり留意すべき遠心式との昇庄のメカニズムでの本質的 な相違点と,軸流フアンの性能が汚れにより影響されやすい 理由を解説し,また翼面の汚れが性能を低下させるメカニズ ムを明らかにし,その結果に基づいて開発し実用化したFDF の一例を紹介した。 火力プラントの大容量化により,IDFやBUFにも軸流フア ンが採用されようとしているが,これらはFDFよりも使用さ れる環境が悪く,燃料としての石炭の種類や集塵装置,脱硝 26 ㌔∫言i壬ぎ)ジ‡も√i..N

(b)開発された高性能翼形 図7 高圧力係数の翼 形と従来の葉形の比重校 閲発された高圧力係数の翼 は,翼の高さに沿って仕事 が最適に配分され.低い周 遠で高い圧力と高い効率が 得られる(写異は尺度-をの モデル翼である)。 図9 日立高性能動翼可変軸流ファンの外観 石炭火力用FDFの現地据付け中の写真を示す。

我が国最大の700MW 装置,脱硫装置などの性能はもちろん,これら装置とIDFや BUFの相対的な設置位置の相違によr)、フアンの異の灰によ るJ肇耗や巽の付着による性能低下が,ケースバイケースで異 なることが予想される。ボイラシステムとしての十分な検討, 実証テスト,実績と経験によって,今後の方向が明確にされ るべきと考える。 参考文献 1)尾崎,外:大容量火力発電プラント用動翼可変軸流フアン, 日立評論,60,5,365∼370(昭53-5)

2)JtW・Sawyer,et al∴Sawyer's TurbomacbineryMaintenance Handbooklst

Ed.TurbomachineryInternationalPublica-tionsl-3(1980-11)

3)小林、外:軸流フアンの性能に及ぼす翼面あらさの影響,機 寸戒学会,日立地方講演会講演論文集、82∼84(1980-10)

参照

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