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イヌにおける薬物の血漿蛋白結合が遊離型薬物の体内動態におよぼす影響

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Academic year: 2021

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Title

イヌにおける薬物の血漿蛋白結合が遊離型薬物の体内動態

におよぼす影響( 内容の要旨 )

Author(s)

池ノ上, 望

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(獣医学) 甲第075号

Issue Date

2000-03-14

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/2129

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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氏 名(本籍) 学 位 の 学 位 記 番 号 学位授与年 月 日 学位授与の 要件 研究科及び専攻 研究指導を受けた大学 学 位 論 文 題 目 審 査 池ノ上 望 (東京都) 博士(獣医学) 獣医博甲第75号 平成12年3月14日 学位規則第4条第1項該当 連合獣医学研究科 獣医学専攻 東京農工大学 イヌにおける薬物の血紫蛋白結合が遊離型薬物の 体内動塵におよぼす影響 主査 東京農工大学 教 授 小久江 副査 帯広畜産大学 教 授 西 村 副査 岩 手 大 学 教 授 小 林 副査 東京農工大学 教 授 山 根 副査 岐 阜 大 学 教 授 武 脇 一数男久 義 栄 昌 晴 義 論 文.の 内 容 の 要 旨 薬物と血祭蛋白との結合が変動すると遊離型薬物濃度が変わるため、薬効や副作用の発

現が違ってくる。病態時には薬物との結合に関係する血祭蛋白(アルブミン‥AIぷ、αl-酸性糖蛋白‥AAG)の濃度が変わると遵離型薬物濃度が変動するし、また併用薬物がある 場合も遊離型濃度は変動する。こうした遊離型薬物濃度の動態を明らかにしておくことは、 効率の良い、安全な薬物療法に必要なことである。学位論文申請者池ノ上はこの点に興味 を持ち、イヌを対象にして実験を行い、本研究科での研究テーマとした。 申請者はまず、東京農工大学及び周辺の動物病院に来院する健康犬と病態大のALBと AAG濃度を調査した。その結果ALBでは、病態時には健康時の最大50%以上の減少、AAG では最大10倍以上の上昇が観察された。この結果は、多くの国内外の文献経と概略一致し た。 この野外調査結果に基づき、病態時の血祭蛋白濃度の変動と、結合部位を同じくする競 合併用薬が存在した場合の遊離型薬物濃度の変動について、病態時のイヌ血祭を用いた実 測とシミュレーション解析により測定した。供試薬物には、血祭蛋白との結合親和性の高 い薬物を選択した;ALB結合薬物としてqrofen、diaEqam、血血、naPmXen、 phenyn?uta2Dne、Wa血血。AAG結合薬物として血danDTCin、hdocaine、鱒血叫y血、 propmok)l、quimidine。 まず病態時における血衆蛋白の変動に関してであるが、病態時のAIβ低下に伴い、結合 薬物の遊離型濃度は上昇した中でも、有効血祭中濃度が400pM付近の薬物(naproxen

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-175-やpheny払utwne)の濃度上昇率が大きかった。一方AAG濃度の上昇に伴い、結合薬物 の逓離型濃度は著しく低下した。影響の大きかったのは、有効血祭中濃度が60ドM付近の 薬物(hd血やquinidine)であった。有効血祭中濃度が特に低いAAG結合薬物 心血妃pamとp叩mmblは影響が少なかった。 併用薬物に関しては、ALB結合薬物では高結合親和性で、有効血祭濃度の高い併用薬物 (n叩椚Ⅸen、pb叩払u触舵など)が存在すると、共存する薬物の遊離型薬物濃度が有 意に上昇した。またAAG結合薬物では、血祭中AAG濃度が上昇した状態で、結合親和性 の高い併用薬物(hl∝由neなど)の存在下で、共存する薬物の遊離型薬物濃度の上昇が著 しいことが判明した。しかしこれ以外の条件下では、併用薬物による遊離型薬物濃度の変 化は臨床上間摩にならないという結果であった。 以上、病態時のイヌで観察された血祭蛋白濃度の変動によって、また併用薬物を臨床用 量で用いた場合にみられる結合部位置換作用によって、初期濃度上昇による副作用発現と、 消失半減期の短縮による薬効低下の可能性が特筆できた。供試した薬物の中で、副作用発 現を注意しなければならない薬物としては、flumixin、naPmXen、phenylbuta2Dne、Warfhrin を指摘できた。また血次pa皿とq血を除いた全ての薬物について、半減期の短縮に ょる薬効持続時間の短縮が起こる可能性が明らかになった。いずれにしても血祭蛋白結合

率の高いと親和性の高い薬物を扱う場合には、患畜の血祭中AlBとAAG濃度を測定する

こと、また治療係数の低い薬物に関しては、TDMの活用が望まれるという結論である。 審 査 の 要 旨

血兼中遊離型薬物が薬効や副作用発現を決める。本申請者は、病態時の血兼蛋白(ア

ルブミン;AIぷ、α・1酸性糖蛋白;AAG)濃度の変動が遊離型薬物温度を変え、そ れが体内動態と薬効・副作用発現に影響を与える点について注目し、イヌを使って研

究した。

まず動物病院に来院した患犬の血発蛋白を却定し、病態時には血兼Au∋濃度は低 下(最大50%滅)し、AAG濃度は上昇(最大10倍以上)する事を確認した。次に

これらの血兼蛋白濃度の変動が遊離型薬物浪度にどの様に影響するか、それぞれ結合

親和性の高い薬物について解析した。AI慮=結合薬物としては側圧pm飴払出azepa寧,

且Ⅵ血,n叩mXen,p鮎明地血a00ne,W血を、AAG結合薬物としでは dh血叩れ追d血e,追批0叫y血,p叩mObもq血心neを軸定対象に選んだ。そ の結果、血兼AIB濃度低下時にはALB結合薬物の遊離型濃度は上昇し、AAG結合 薬物の濃度iま低下した。変化の大きかったALB結合薬物としては、有効血衆中濃度 が400pM付近の薬物(例えばnaproxenやphenylbutazone)、AAG結合薬物とし

ては、60■M付近の薬物(例えば止血伐ineやq血血e)が問題であることを明ら

かにした。

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-176-次に、血菜蛋白上の同じ結合部位を競合する併用薬物による結合部位置換作用にフ

いて、シミュレーションによって解析した。併用薬物存在下で高親和性薬物が結合部

位から置換されて、遊離型薬物濃度が上昇することについてである。その結果、高用

量・高ALB親和性の併用薬物(napmxenやpbenylb雨a00neなどの性質に近い)が 存在した場合、ALB寄合薬物の遊離型濃度が大きく上昇する。また、AAG結合薬物 の場合は、AAG上昇時に高親和性の併用薬物が存在した場合、蓬離型濃度が上昇す ることを明らかにした。 以上の研究結果を基に、病態時の血菜蛋白濃度の変動や、併用薬物による緯合部位 置換作用が、遊離型薬物の体内動慈にもたらす影響について解析・考察した。その薄 黒、ALB高結合薬物については、遊離型薬物の初期濃度上昇による副作用発現に注 意しなければならないこと、またALB・AAG高希合薬物については、消失速度定

数の上昇に伴う薬効持続時間の短縮が起こり、投与計画の変更を必要とする土との2

点を重要事項として提案した。q頑血血eについては、上記のように病態時のAAG 濃度上昇により、その遊離型薬物濃度が減少する代表的な薬物として指摘してきたが、 伴内動感は必ずしもその変動の影響を受けない点は興味ある発見であったと思う。

以上について、審査委員全員一致で本論文が岐阜大学大学院連合獣医学研究科の学

位論文として充分価値あるものと認めた。

基礎となる学術論文:Di8eaSe・indu∝dalterationsinplasma drug・binding proteinBandtheirinfluenceondrugbindingpercentagesindog8・N・Ikenoue・ Y.Saitsu,M.ShinodaandE.Eokne

TheVeterinaryQuarterlyGnpress)(オラ

ンダの獣医学会誌)

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