「
無 限期 間」動学的最適化 問題 につ いて
I は じめ に 本稿 の 目的 は, い わゆ るマ クロ経 済学等 で仮定 され る 「無限期 間」の仮定か ら生 じるバ イア ス を示 す こ とであ る。近年 のマ クロ経済学 では, 各 経済主体 の 1 ) 合理的行動が前提 となってお り,な かで も各消費者,あ るいは家計の行動 は, 動的最適化問題 で記述 され るのが通常である。すなわち,各 家計は 自分が与え られた時間 を通 して, 自分 自身の効用が最大になるように,最 適消費経路 を選 択す ると仮定 しているのである。 この所言胃ミクロ経済学的基礎 に立脚 したマ ク ロ経済学の方向は今後益々当然のこととなるであろう。 しか し一方で,こ の動 的最適化問題 での各消費者の行動の記述においては,通 常,そ の数学的扱いの 容易 さか ら,か な り単純 な仮定の もとで分析 されているの も事実 である。かな り単純化 された効用関数の仮定,さ らにこの効用関数 も特定化 された ものが利 用 されているこ とも否定 で きない。 この単純化 の仮定の中で も本稿 で分析対象 とす るのは,所 言胃 「無限期 間」の仮定である。すなわち,数 学的扱いの容易 さ か ら,各 消費者,あ るいは家計は無限期 間のなかで,最 適消費経路 を選択す る とい う仮定 である。別 な言い方 をすれば,各 消費者は決 して死亡す ることな く, 2 ) 無 限 に生 存す る と仮定 してい るの であ る。 しか しこの仮定 は明 らか に非現実 的 1)近 年の一般的大学院 レベ ルのマ クロ経済学の教科書は各経済主体 の合理的行動の結果 と してマ クロ経済学 をとらえてい る。例 えば,Blanchard,O J and s Fischer(1989)等を参 照 され たい。2)確 かに Blanchard(1985)などでは正 の死亡確率 を期待効用に付与す る事 に よって,寿 命 の不確実性 を導入 している。 しか しこれは高齢になるに従 って効用関数に付与す るウエイ ト が無限小に近づ くことであって,そ の動的最大化問題 での対象期 間はあ くまで無限である。
であ り,数 学的扱いの容易 さか ら,こ の ような仮定が果た して認め られ るので あろ うか。 この ような主張に対 して,以 下の ような反論が予想出来 よう。た とえば,我 々が与えられている時間は有限ではあるが,そ の有限期間内では意思決定が無 意識 な りに も絶 え問な く行 われていると考 え,そ の対象期 間が無限小 に分割 さ れているとすれば,各 消費者の効用最大化行動においてその対象期間を無限に 仮定す るこ とは何 ら矛盾 はない とい うものである。つ ま り,時 間 自身は有限だ が,そ の無限小に分割 された時間の総和 は,あ る種の無限時間 として捕 らえら れ る と,考 えるのである。 さらに,次 のような別 な考 え方 もあろう。すなわち, 我々各消費者が与 えられた時間は有 限であるが,無 限時間の仮定において得 ら れた結論が, も しある種の有限期 間の仮定において得 られ るであろうものの極 限,別 な言い方 をすれば,有 限期 間の仮定において得 られ る結論の近似値 とし て, この無限期 間の仮定か ら得 られ る結論が表現で きるのであれば,数 学的取 り扱 いの容易 さか ら,無 限期間の仮定は容認 されるとい うものである。 しか し なが ら, も しこの 「無限期間」の仮定によって,そ の理論的結論が大 きく影響 され るこ とがあれば,こ れは話が異なって くるのである。70年代 には新古典派 経済成長論が導 く結論 は, も し,あ る種の不確実性が存在す る場合 には,無 視 3 ) で きないバ イア スが あ るこ とが示 され た。つ ま り,新 古典 派成長理論 が示す長 期 的成 長経路 は,人 口成長 に不確 実性 が存在 す る場合 ,あ る方 向に偏 ってい る の であ る。定常状 態 での成長経路 の分布 を見 てみ る と,そ れは新 古典 派経済理 論 が導 き出す経路 は平均 的経路 ではないのであ る。つ ま り,不 確実性 を明示 的 に導入す るな らば,確 実 な もとで得 られ た結論 は平均 的に見 て も,あ る種 のバ
イアスを含んでいるのである。本稿はこのような問題意識のもとで,寿 命の不
確実性を明示的に考察の対象にし, この寿命の不確実性の導入がどのように今
まで与えられた結論に影響するかということを考察する。
3 ) こ の事 については, 詳 し くは BrockヽVA 1977)を参照 されたい。Malliaris,A G and W A Brock(1982)に 概 説 され て い る。 なお, and L Mirman(1972,1973),Mirman,L and I Zilcha(1975,1976,
「無限期間」動学的最適化問題について 2 1 9 続 く第 2 節 は 基 本 的 な モ デ ル を示 し, 第 3 節 は その モデ ル を利 用 して,本 稿 の主題 につ い て考 察 す る。 第 4節 は簡 単 な結 び に 当 て られ る。 I I モデル 本稿 の 目的は,い わゆ るマ クロ経済学等で仮定 され る 「無限期間」の仮定か ら生 じるバ イアスを示す ことである。すなわち,無 限に生 き続け るとい う仮定 を吟味す ることである。従 って,本 稿 では素直に,我 々は有限に しか生 きるこ とがで きない と仮定 しよう。 さらに,こ の有限性はかな り不確実 である。必ず いつかは死亡す るとい うことは分かっているものの,そ れがいつ実現す るか と 言 う点は全 く不確実 である。 そこで本稿 では,各 消費者の状態 を表すパ ラメー タが不確実に変化 していると仮定 しよう。 さらにこのパ ラメー タは寿命が経つ に連れて不確実 なが ら低下 していることを表す ことがで きることが望 ましい。 例 えば,我 々の健康状態は,年 齢が経つに運れて次第に悪化 していき,あ る時 点に来 た時に取 り返 しの着かない状態に陥っていると考 えるのである。 この取 り返 しの着かない状態 こそ,我 々の死亡 である。我々の健康状態は趨勢的には 年齢 とともに確実 に低下す るものの,各 時″点での健康状態はある種の不確実性 を伴 っているか ら,各 消費者の状態 を表すパ ラメー タが不確実 に変化 している との仮定 は極めて現実的である。 さらに,こ のパ ラメー タがある種の健康状態 を表 してい ると考 えれば,こ のパ ラメー タの値が高いほ どその本人の満足は高 まる と仮定す ることは 自然であろう。健康状態は高ければ高いほ ど望 ましいの である。 このような仮定 は,こ の消費者の状態 を表すパ ラメー タを ガ で表せ ば,テ 期 での この消費者の健康状態 れ は 滅托=μ (g)彦 十げ嗣 t F f O = ダ> o
( 1 〕
( l b ) で表せ るとしよう。ここで,比 は確率変数で,その各期の増分 (△比 =比 +1-吃) は独立に平均 0,分 散 サに従 うウイナー過程に従 うもの と仮定する。 (la)式の 右辺第 1項 は平均的 トレン ドを表す もので確実的な項,一 方,右 辺第 2項 は,不確 実 な部分 で, び ( > 0 ) は ヴォ ラテ ィ リテ ィ ( 分散 の平方根 ) と 呼 ばれ, こ の 値 が大 きけれ ば それ だけ不確 実性 が高 まる と考 え るの であ る。健康状 態 を表す 〃 の増分 は,平均 的には μ の変化率 で変化 す るが,同時 に び(>0)の 値 で不確実 に変動 す るのであ る。さ らに平均 的変化 を表す トレン ドμ はマ イナ スであ る と しよう。平均的には健康状態は年齢 とともに低下すると考えられるので,そ の 変化率である トレン ドはマイナスであることが自然である。(lb)は初期での ダ 4 ) の仮定 で,初 期値 は外生 的 に与 え られてい る と仮定 す る。 マクロ経済学では政府の政策の効果を主に分析するが,こ こでも政府の政策 を含めよう。政府の政策 をgで あらわし,こ れは平均的 トレン ドに影響 を与え ると仮定 しよう。たとえば,政 府の公的医療保険制度などは,各 人の平均的健 康状態に影響 を与えるであろう。一般にはより多くの公的医療保険制度への政 府支出は各人の健康状態にとってプラスに働 くであろう。そこで,
響 評例,
響 評箕軌
μ
< 0 ,
を仮定 しよう。 ここで,ダ の不確実性の度合 いを表す (び(>0)に対 しては,政 府の行動 は何 ら影響 を与 えない と仮定 されている″点に注 されたい。本来制御が 出来ない不確実 な部分 には,政 府は全 く影響 を与 えることが出来ない と仮定 し ている。 (la),(2)は, 日々の健康状態は不確実 で,そ れは年齢の上昇 に伴 って, トレン ド的には低下す るとの定式化 である。 一方,寿 命は確実に有限であるという事実 を定式化 しよう。我々の健康状態 は (la)に従 って低下 してい くが,そ れがある下限に到達 した時 を我々の死亡 と 4)厳 密には P(ω ∈Ω :rfO(ω)=〃 )=1, であ る。ここで え 夕 はそれぞれ確率 空間 (Ω,4P)に 対 して定義 された確率測度,び一 集合 体 であ る。詳 し くは,加 藤 (1997b)を参照 されたい。「無限期 間」動学的最適化 問題 につ いて 図 1 仮定 しよう。図 1に 示 されてい るように,下 限 うに 見 が初めて到達 した時 を死 亡状態 と仮定 し,そ の時″点を T(う)と しよデ。この T(b)は 確率変数で,そ の分 布 は,〃 の分布,う によって与 えられ る。 次に消費者の効用関数 を定義 しよう。 ここでは一般に仮定 されているように, 各消費者の効用水準は消費水準に影響 を受け ると仮定 しよう。すなわち,効 用 を 物で表 し, 緋 > 軌 緋 < α
と仮定しよう。さらに各消費者は(3)で
与えられた効用を死亡までの期間にわた
って通時的に期待値の意味で最大化すると仮定しよう。すなわち,
冴 a 物 ρ 一 > ︵ P け X T e r 乳 一 〃 E 〓 C 5)(la)は 確率 1で 下 限 うに到達す るこ とが示せ る。 P(T(あ )<十 OO)=1 であ る。詳 し くは,加 藤 (1997b)を参照 されたい。 ( 4 ) す なわち, また, T ( b ) は S t o p p i n g T i m e にな る。SO=S, を最大化す るように消費経路(命:0≦方≦T(み))を選択す ると仮定 しよう。 ここ で ど7,ρ (θ<ク<α)はそれぞれ rfO=ダ が与 えられた もとでの条件付 き期待 オ ペ レー タ,時 間選好率である。 この場合,(la),(lb)の他に通常の
あ =(ノυ■)十/sr―
命)冴ち
( 5 a ) ( 5 b ) を制約 として最適経路 を選 択す る と仮定 しよ う。ただ しここで, t , 命はそれ ぞれ ナ期 での貯 蓄,消 費水 準 であ り,γ,ノ はそれ ぞれ利子率,所 得水準 であ る。(5a) 式に示 してあるように,所 得水準は各消費者の健康状態に依存すると仮定する のが妥当だろう。健康状態をも含んだという広い意味で人的資本をとらえれば, この仮定はさほど問題はなかろう。より高い健康状態は相対的に高い人的資本 の保有 と考 え, 俳 = ノ′> 0 を仮定 しよう。ここで注意を要する点は,(5a)式において れ は サ期においては 既知である″点である。ブラウン運動過程は,定義上,そ の増分 △比 (=比 +1 比) 0 は未知 であ るが, 見 は サ期 において既知 であ る。 したが って, ( l a ) 式には不権 の 実性 は存在す るが, ( 5 a ) に は存在 しない点 を強調 してお こう。 ところで, ここで通常の無限期 間におけ る動的最適化行動 を定義 しよう。無 限期 間の場合 は,(la),(lb),(5a),(5b)を制約 として, を最大にするように消費経路(a:0≦サ三十OO)が選択される。具体的には,(la), (lb),(5a),(5b)を制約 として, 6)す なわち,Fftは ィ■ 可測である。 7)後 で示 されるように,最 適経路上における消費水準の変化 沈を本は,不 確実な部分を含ん だブラウン運動過程に従 う。F=EttM輸
初疱珂
峰 Q 動 引 島X ら M 晋胡 / 9 2 1 灰羽 , ω ″ の解 として,(ゲ :0≦レ三十∞)が与えられる。 (4)〃をテイラー展開 し,伊 藤の 変換公式 を使 い,さ らに条件付 き期待値 を取 ると, 0 = 骨 島X { % ( 扮十 晩 し●托) 十勾―扮 十% わμ管) 十歩7 竹 σ2 _ ρ路) 0
が
得ら
れる
。ここ
で
, 比= ギ
挙
→( ガ
= 品
〃) ,
水準に対する一階の条件は, 緋 = グ ( の= 晩7統
一
毒多で
あ
る
。
な
お
,消
費
で与えられ る。ところで,(6)式は偏微分方程式であるか ら一般には解 くことは 不可能である。 しか しなが ら,あ る種の特定化 された効用関数の場合は,価 値 関数 路 ls,ガ)の形状が どのような ものであるか知 られている。経済学ではい くつかの効用関数に対して実際の価値関数 る(る
,7)の形状が知られているが,こ
こでは (6)を明示的に解 くために,絶 対的危険回避度一定の効用関数,す なわち,勿
(の
=―(芋)exp[―
α
刺
を仮定 しよう。ここで αは正の値で一定であるとする。この場合,価値関数路
( る, 〃) の 形 状 は路G,7)―
孝exp[一
φ
20(7)十
″
D]
8 ) である事が知 られてお り, φl , φ2 を与えられたパ ラメータで求めることにより, 8)例 えば,TurnOvsky,SJ(1995)を 参照 されたい。路 ほ,瓦め=一 号戸eXp[/(μ(g),αFr,る)], (の として求められる。ここで以下のようにノ(見)を特定化 して議論を進めよう。先 に述べたように広い意味で Ffrをとらえれば,以 下の定式化は 切 を賃金率 とし て所得水準を表す と考えられよう。 ノ(■)=御見, 御> 0 この特 定 化 に よ って ( 9 ) はさ らに単 純 化 され,
路ほ
,瓦
め=一
場戸
eXp[/(μ
(g),α
7,3)],
/し む ),α7,る )=1-考 │{〃 惣 )切― 基 字 上 }一 チ ー α(切7+γ る) と表すことが出来る。さらに,(ゲ :0≦サ三十OO)を最適消費経路 として, 冴Qネ=(切 μ(g)一 ″て)冴サ十切sttt (10) が 与 え られ る。 た だ し, 【 = 十 五身戸{ γ一α{ μ( g ) 切 一王堅 単摯2 生) 一ρ) で あ る。 次に同じようにして(4)に対応する価値関数 路 ほ,7)を 以下の通 り定義 しよ う。すなわち,(la),(lb),(5a),(5b)を制約 として, 晩 G , 瓦め= 号 島x E 予[ イ8 繋と[ 一ρサ] 物( a ) 冴サ] , ( 1 1 ) 9)詳 し くは,加 藤 (1997a)を参照 されたい。なお,上 記問題 に対す る横 断性条件 も満 たされ るこ とを示す こ とが 出来 る。「無限期間」動学的最適化問題について で (4)に対 応す る価値 関数 路 (る,〃)を定義 す る。 ところで (11)式は 路 ( る, 万) = m a x { c か =rnax ( c セ) > p p し X X T e ∞ e r イ 一 ガ 一 ″ E E
W
物 命 冴珂
p a倫
M
ガ
判
か
陶
的
的
に
瞬
印
評
︻幼
( 1 2 ) = 路 ( る, ダ) ―m a x ( Q } と表すことが出来るから,T(b)<十 OOという事実から,(12)式の右辺第 2項 が 無限期間の仮定か ら生 じうるバイアスに相当する。 したがって,こ の右辺第 2 項の値が無視 し得 るものであるかによって,無 限期間,あ るいは有限期間の仮 定の違いか ら生 じる価値関数の違いが有 り得 るか ということになる。 IH 定 式化バイアス (12)に示 されたように,右 辺第 2項 が異なった定式化によるバ イアスである。 この右辺第 2項 を詳細に分析す るために以下の準備 をしよう。は じめに,れ が は じめて みに到達 した時″点 T(b)を 起″点として,次 の ような確率変数 を定義 し よう。すなわち, 命務=び 子(b)十わ け≧0 ( 1 3 ) を定義 し, さらに次の性質 を持った,ボ レル集合体が定義された実数上への可 測関数 ノ, また,ブ を以下のように定義 しよう。 _ _ 1 2 ) ダ ∈ R 1 0 ) ブ ラウン運動過程 の強マル コフ性が利用 されている。 1 1 ) 以 下 の議論 は, す べ て T ( b ) < 十 ∞ が成立 しているこ とが条件 であ る。 り, T ( あ) < 十 O O の 記述 を省略す る。 1 2 ) は じめの条件 は, 絶 対値の意味で可積 であるとい う条件 である。 ∞ 河 < が ︱ ブ伊
駒
/ 一 〓引
洵
断 りの な い 眼この と き, 強 マ ル コフ性 に よ り, E予 [ブ(がキ)│ど行]=ブ (角ⅢⅢ)=ブ (σTネ), (14) が得 られ る。 次 に この ( 1 3 ) , ( 1 4 ) を使 って, ( 1 2 ) 式の右辺第 2 項 を書 き換 えてみ よ う。 ま ず, / 岳誇正 切 和 妨 = e x p l 一ρ剣 イ数 正 / 9 r l 灰ゲつれ に注意 し, また,
ブ
の=イ
置
X正
初灰のカ
を定義 して, 骨島Xご 予[r岳 市p[一 ρサ]ク(命)あ] =E予[/岳 市p[一 /9サ]ク(ゲ )冴サ]=E予 [eXp[― /9T]】iごXp[一 ρナ]ク(ゲ*)冴サ] = 五 < 朝 [ e x p [ ―ρ剣 イ晋X p [ 一 ル ( 周 珂 残 = ゑ < 窃E r l e x p [ 一 ρ列 方置X p [ ― ル ( 刺 渉 I Z ] 施 = 五 < 朝e X p [ 一ρt t E t t M t t x p [ ― 河 施 均 冴 │ % ] 施 王 上 < 句e X p [ 一 ρt t E r 1 / 側 1 拓 ] 娩 = 五 < 句 e X p [ 一 ρ 列 ブ し T Ⅲ ) 施 位 0 が得 られ る。 ( 1 6 ) は( 9 ) ′, ( 1 4 ) , ( 1 5 ) をつ か って さ らに,
(19
「無限期 間」動学的最適化問題について 2 2 7
五<弱
eXp[一
ρ
Tレ
(σ
剤施
=転く
り
eXp[一
1/9■
派)剣
残, 位
の
一 ∞ < D < 十 ∞ と簡単化できる。ただしここで つ は一定値である。ところで,Iく∞fXp[一(ρ 十"て)T]冴ち は ど予[exp[一(ρ十月ζ)T(b)]]であるが, これをさらに詳 しく 見てみよう。E予[exp[一(ρ十派 )T(あ)]]を求めるため,任意の実数 β∈足 に対 して, 7(サ)=exp[碑 、一?(β)レ],抑=メ
かβ
―
孝 ,
を定義 しよう。 ただ し,?(β )≧0を 仮定す る。 この とき,マ ルチンゲール停止 定理 よ り, E予[7(T(b))]=ご 予[7(0)]=exp[β 〃], とな り, さ らに, e x p [ β 乃 咽 = ど 子 [ 7 ( T ( b ) ) ] 三 ど 予 [ e X p [ β あ―? ( β ) T ( b ) ] ] =exp[β う]E予[exp[一 ?(β)T(b)]] =exp[β あ]φⅢ(万1?(β)), となる。 ただ しここで, " キ ( ェr l ρ 十 ガて) 三 ど 予 [ e X p [ 一 ( ρ十 ガて) T ( b ) ] : 万 r = あ ] で あ る。ここで,T(b)に 関 して ラプ ラス変換 を行 い,さ らに ?(β)=γ 十だ と お くこ とに よって, 13)測 度変換に使 われ るものである。ご 予 [exp[― ( ρ 十 % 【 ) T ( b ) ] ] = φ 中 ( アチ lρ 十 %【 )三 eXp[gⅢ ( ρ 十 % 【 ) ( b ― 工つ ](18) が求 め られ る。 ただ し, gⅢ竹 十宏 )=弓 ン(協2は)+2び2し十だ )力 十〃む))>0 で あ る。 したが って, ( 1 8 ) を使 って ( 1 7 ) は
れ<瑚
eXp[一
ρ
列れつ
残
= D え < 剣e x p [ ―竹 十 圧 ) T ( の ] 残 = D E 予 降x p [ ― し 十宏 ) T ( の ] ] 位 の = D e x p [ 幹 ( b 一万 ) ] と書 き表 す こ とが 出来 る。 ( 1 2 ) は最 終 的 に は,隆ほ,瓦
め=る (る
,7)一D exp[幹(う
-7)]
となる。(20)に示 されているように,一 〇〇<D<十 ∞ を満たす Dに 対 して,あ →―OOの とき,路 ls,7)→ レ午ほ,7)で ある。しかし一方で,必 ず一∞<つ <十 OOで あるので,あ→一∞ なる以外の時は,任 意の うに対 して(20)式第 2項 は 0 には収束 しない。丹Jな言い方をすれば,寿 命が無限に続かない限 り,路 (る,ガ) =路 ls,7)とはならない。特に政策的変化を分析する場合,そ の政策の効果は 路 (る,7)の みならず,2年 を通 して 路 ls,〃)に影響 を与える。従って,政 策 間の効用比較 を行 う場合には,こ の第 2項 を通 しての影響 を無視できない。例 えば, 2つ の政策 白,め において │ │ > │ │ │ │ < │ │「無限期間」動学的最適化問題について 229 ということは十分に考えられ, この場合,政 策評価が全 く逆転 してしまうこと も十分考えられよう。 IV 結 論 本稿 で は,い わゆ るマ クロ経 済学等 で仮定 され る 「無限期 間」の仮定 と 「有 限期 間」 の仮定 とか ら生 じる違 い を間接効用 関数 の視 点か ら分析 を行 った。各 消 費者 の寿命 は本来不確 実 であ り, ま た,そ の終 了は確 実 であ る。 しか しなが らなマ クロ経 済学 にお け る通 時 的効 用最 大化 問題 では寿命 の不確 実性 は一般 に は あ ま り取 り入れ られ ていない。特 にその仮 定 の違 いか ら生 じ得 る違 いにつ い ては議論 が な され ていなか った。本稿 では この″点を議論 の対象 とし,そ の違 い か ら生 じる所謂バ イアス を示 した。 中で も政策 的 な影響 を見 る場合, このバ イ ア スの部分 を通 して,政 策 の評価 が異 な り得 る″点が示 され た。従 って, この仮 定 の違 い を十分 に認識 して,一 般 的 な無 限期 間最 適化 問題 を援 用す るこ とが望 ま しいで あ ろ う。 参考文献
Blanchard,OJ(1985),“ Debt,Deficits,and Finite Horizons,"/PE 98,223-247 Blanchard,O J and S Fischer(1989),こ 夕σ物%夕sθ%ソ%αび殉夕びθ%θ物ガ岱,MIT Press Brock,W A and L lMirman(1972),``Optimal Economic Growth and Uncertainty:The
Discounted Case,"ノ ET 4,479-513
(1973),“Optimal Economic Growth and Uncertainty:The No Discounting Case,''五ER 14,560-573
Grimmett,G R and D R Stirzaker(1992),Pttbα うグ′ガ秒 α%グ ズα%冴θtt P拘 留N2s2%グ E冴ガナグθ%, Clarendon Press,Oxford
Harrison,JN質 (1985),β ttztl%筋%ソ'″θナゲο%α %グ S力びんαsけた Fブθ御 せ勤sル物s,`Viley Kato,R(1997a),“ Human capital Uncertainty and the Optimal Government Spending on
W【edical Care,"mimeo,Sた 夕gα し「%ゲυ夕容グリ,Japan
一 一 一 一 一
(1997b),“ Time HOrizon and the Specification Bias,'',mimeo,Sカ タgα び %わ 夕容 グ
ゥ ,
Japan
Malliaris,A G andヽ V A Brock(1982),Sわ びんαsナル M2tんθて木 ブ%ご σθ%θ物ゲ岱,α%冴 F″%α%σ夕, North一Holland
Merton,RC(1992),Cθ ″″%″θ夕容一分 %リタF″%α%び夕,Blackwell
Mirman,L and I Zllcha(1975),``On Optimal Growth under Uncertainty,"ガ T ll,329-339 (1976), “Unbounded Shadow Prices for Optimal Sotchastic
Gro、vth WIodels,"如 ER 17,121-132
(1977),“Characterizing Optimal Policies in a One― Sector A/1odel
of Economic Gorowth under Uncertainty,"プET 14,389-401 Ross,S(1996),Sわ が筋sサ″ P/oびess容2%冴 Eat″θ%,John Wiley
Turnovsky,SJ(1995),〃 夕滋θゐ ゲ M2σ仰夕σοttθ物を 2ル%α初ガσS,MIT Press Williams,D(1991),P的 仇カガ″り ″グ滋 舟物材″呼 ↓cs,Cambridge Univ Press