大 阪女 学院 大 学 国際共 生研 究所 通信 第
6号
Octher29,2012
笏
Osaka」
ogakui∩
(WnlYlina)∪ni∨ersityResearch l∩ stitLlte of lnternational Collaboration and Coexistence
大阪女学院大学
国際共生研究所
htto//wwwN/vnmina ac」p/OC/edu/国ICC540-○○
04大
阪市中央 区玉造2-26-54 e―
manitticcOwnmina acip ・巻頭エッセー「保健・衛生分野を巡る国際協力の歴史と現状」1
・研究所プロジェクト活E_l。 最近の研究活動紹介 Project l国際共生研究所 2012年 度 公開研究会 『 人権と国際共生のありかた』………………
2-3
Project 2研 究会 ″Cuttcatum pes/g77拗 佑ere万 りeογ Meθお おa//ty″ : ………2-3 ・連載シリーズ6「 核兵器廃絶への3つ のアプローチ
J
………… ……4 ・ 書籍 紹介 乃′o力rr 4・ “ ερ"′ “?油満″OFF12ノお力as′九ヮgυ′角“′_4
保健・ 衛 生 分 野 を巡 る国際協 力 の歴 史と 現状
国際保 健・衛 生分 野 の関心事である感 染症 の流入 を防ぐ手 段 としての 「検 疫 J(quaranine)は 、今 回重要な防疫 措 置 と理解 されている。 沿岸 国近海 を外 国Inhが航行する際の取締 について、 国際法 は次 のように規 定する。 沿岸 国は、 自国領海 (領海 の基 線から12カイリ以 内)に
おける外 国船の通航 に関して、国際法の 規則 に従つた衛 生上の法令 を制 定することができ、その違反 を防 止するためZ、要な措置をとることができる(国連海洋法条約 21条・ 25条)。 また沿岸 国は、 自国の領海 に接続する水域 (領海 基線 から24カ イリ以 内)で
、同法令 の違反 の防止 のため必要な規制 を行うことができる (同33条)。 沿岸 国のとる防疫1昔置に、外国船 舶 は、国際協力として当然従わなければならないと考えられている。 しかし、他 のLLI家が検疫措置への協 力を抵抗なく受 け入れてき たわけではない。歴 史を振 り返ると、ペストの流入防止 に、アドリ ア海 に面した小 国が 30日 間の 「検疫J措
置を実施 したのがその 最初 (1377年)とされる。 14世 紀 には、フランスがペ スト患者 の発 生した船を港外 に 40日 間停 泊させ 、乗組 員や貨物の上陸を阻止 した事例もある。 19世 紀 になると、コレラの進 入防止のための検疫 措置が各 国でとられるが、それらの措置 に対して、貿易や旅行の 制 限であるとして非協 力的な国家も多かつた。 1851年 コレラ規制 のためのパ リ国際会議(12ヵ国 )は 、統 一的な仕 方で検疫 を行 う ことには合意したが、採択された条約 は未発効のままに終わつた。 1892年 の国際衛生会議(IntemajOnd Santaly Convenion,ISC)で 、 感染症 の規制を定めた条約 が採択され発効 した。 しかし、LI際衛 生条約(lSC)は、「商業取 引や旅行者 の交通を無益 に妨 げること なくJコレラ流行 中の間のみ、公衆衛生を保護するため共通の措 置を設 ける (前文)と 述べており、国際貿易や旅行への妨害を最 小限にしつつ、感染症の拡散から諸 国を守ることを意図したもので あつた。 国際衛 生条約 の1'で各 国のとる措 置 は、国際法 が許 容 する範 囲 内の厳格 な規則 に限られ、諸 国は国 内に病気 を持ち込 むことを望まないが、それ以上 にlI境を越 える物資の移動 の停止 を好まなかつたのである。 201L紀 に入ると、 1902年 に米州で設置された国際衛生事務局 OSB)や 、1907年 に欧州で設置された国際公衆衛生事務局(OI IP)が登場する。前者 は、米州の港や領 域の衛生状態 について報告 を受IPす る権 限が 与えられたが、 事務局 固有の職 員も施設もなく 予算も限られてお り、米国公 衆衛 生局 にその活動を委 ねていた。 西 井 正 弘 後者も、検疫 による欧州諸 国の保護 に任務 が限定されていた。保 健 問題 に大きな転機 をもたらしたのは、第 1次 大戦後 の国際連盟 期 においてである。 1921年 に連盟は、国際連 盟保健機 関 (HOLN) を創設したが、活動費用がかさむことを国家代表は怖れていた。そ のためIIOI,Nは、ロックフェラー財 団から多額の支援を受けていた。 保健 分野については、技術分野の協 力や広範な種類 の病気 に関 心が向けられ、そこに真の国際協力の利益が存在することは認 めら れたが、諸国間の主たる関心は 一致していなかったのである。 1946年 に創 設 された世界保健機 関 師