Japanese Society for the Science of Design
NII-Electronic Library Service
Japanese Sooiety for the Soienoe of Design感性
と
理 性
の
融 合
の
た め
の デ
ザ
イ
ン
学
The
Design
for
a
Synergy
between
Kansei
and
Reason
森 田 昌 嗣
MORiTA
Yoshitsugu
九 州 大 学 大 学 院 芸 術工学 研
究院
Faculty
ofDesign
,Kyushu
University
1.
感 性
と理 性
近 代 合
理的知
の 「理性
」 を 基 に、
科 学 技 術の発 展 が 産 業 経 済 の成
長 を も た ら す と 期待
さ れ た20
世紀
物 的・
人工環境
の 「も の」 によ る 豊かさの実 現 を 求 め,
さ ま ざ ま な 利 便 性 や 効 率 性 を も た ら してき た.
しか し 近 年,
「もの J 中 心の物
的満
足による豊
か さ の 実 現の限 界 が 認 識 さ れ は じ め,
「もの 」 から 「こ と」 そ して 「こ ころ 」 に か か わ る 「ひ と」の質 的 満 足
に21
世 紀
の価
値 観 は転換
しつ つ ある,
「ひと 」 の理解
を深
め,
「ひと J の質
に関 する価 値
の形 成と満
足の た め に は,
「ひ と 」 の 「感 性」 か らの知 に着 目
する必要
が ある.
「感
性
」 の定義
は美学
な ど の哲 学 的,
心 理 学 的 に 多 様 な 解 釈 が行 わ れ
ており既 定 され
て いな
いが
,
非
言 語的
,
無 意
識 的,
直 感 的に 「ひ と」 に作 用 す る 外 界か らの刺 激 に 応 じて感受
する能
力
であ り,
悟 性 (
対象
を 理 解 する能 力 )の素材
と な り 理解
の も と に推 論 を 行 う 理 性 に 結 びつ く と さ れる.
人間 社 会
の永
い歴史
的 過 程 に は,
「ひと 」 とし て の根源的能
力で あ る 「感 性
」 と構築
的 能 力であ る 「理性
」 の相
互作 用
に よっ て文
明を
,
そ して文
化 を 形 成 してき た.
つ ま り 「感性
」 と 「理性
」 の関 係によっ て 文 明 と 文 化 が 形 成 さ れると考
える こと ができる.
その時 代
にお け る 人 々の 「理性
」 の構
造化
が文
明であ り,
その文
明 を 人々の 「感 性 」 に よっ て投影
して映
し出
され
たのが文 化
といえ る.
2 .
日本
に おけ る
「感 性
亅と
「理 性
」 の関 係
日
本 を例
に 「感 性
」 と 「理性
」 の 関 係 を 考 えてみ る,
極 東
(西 側 諸 国 か らみ て の東 だ が )に位置
する わが 国は,
特 有
な文 明 と 文 化 を 育 んでき た.
西 側
の国
や地 域
から の文
明と文 化
は,
伝 承の連 鎖 に よっ て最東 端
のわ
が 国へ伝
え ら れ て き た.
と こ ろ が わ が 国の東側
は太 平洋
を ひ か え,
更な る 伝 承の地 が 存 在 し な い,
そ のた めにわ が国
は、
西側
の文
明と文 化
の 終着
地 と な り伝 播す る こ と は で きず醸 成
さ せ ること に価 値 を 見いだ すこ と と な る.
伝 播
でな く醸 成
のた
め に持
ち 込 ま れ た 文 明 と 文 化 を 理 解 す る,
つ ま り醸成
の悟 性 を 繰 り返 すこ とに よっ て,
特 有
な解 釈
と なる内 在 的
「感 性
」 を育
むこ と に なっ たの で はないだろ う か.
特
に近世
江 戸 期のわ が 国 は,
鎖国
という排他 的
な政 策
の歴 史 的
な
是非
は 問 わ れている が,
公 家 社 会 を 経て武 家社 会
の室 町 期か ら 培っ て き た 他 に類
のない個 性豊
かな
思想
,
芸 術
,
文化
を醸
成 さ せ 開 花 さ せ た.
「感性
」 と 「理性
」 の調 和が生 み だ し た 「ひ と」 の 「こ こ ろ」を美
しい作 法
,
も
の,
そ し て場
の連 撓
し た“
し く み”
に か た ちつくっ て い る.
『こ の国の かた ち (文 藝 春 秋社 )
』 で司
馬遼 太郎
は,
わ が 国で永 年 培
わ れて き た 有 形 無 形の 美し く誇
るべ き“
か た ち”
を語っ て いる.
明
治 維新
以降
積極
的 に 西 洋 文 明 を取
り 入 れ た近代 化
の流 れ
にも,
わが
国の 「感 性
」 と 「理 性」 の調 和による卓
越 し た進 展 が 伺 え る.
ところ が 司 馬 が指 摘
するよ うに,
昭和期 前 半
の大戦
に 至 る 時 代 は 美 しい“
か た ち”
を 忘 れ た 悲し むべ き時
代で あっ た.
そ して戦 後 も 敗 戦 に よる打撃
か ら 立 ち直
り,
欧米
との経済
図1
.
春の長 谷 寺 (奈 良 )22
デ ザ イ ン 学 研 究 特 集 号tデ ザ イン学7メ タ デ ザ イン への桃戦Specia)1ssue
ot
Japanesg
Sockety
tOrthe
Science
efDeslgn Vol
.
18・
1 No.
6920 「1Japanese Society for the Science of Design
NII-Electronic Library Service
Japanese Sooiety for the Soienoe of Design図
2
.
祇 園 祭・
長 刀 鉾 (京 都・
夏 ) 戦争
でわが
国 を勝 利
へ導
くた めに猛
進 し た特
異 な 状 況で あっ た.
戦 災 復 興 か ら高 度 経 済 成 長,
そし て パブ
ル経 済 崩 壊
に至る 約 半 世 紀 は,
欧 米 に 追い つ け 追い越
せ を か け声
に,
性
急 な 近代
合
理化
を 「技 術 」 優 位 に 推 し進 め て き た.
「技術
」 の手 本
は欧
米
で あ り,
わが 国 が 培っ てき た 「こ こ ろ」 の“
し く み”
は非 効率 的
・
非合
理的
な前
近代
の遺 物 と なっ た.
し か し 現在
,
物 的 満
足 だ けで は真
の豊
か さ が得
ら れ ない こ と が 現 実 な 課 題とな り,
ま た情
報技
術の飛 躍 的 な 進 展 も 加 わっ て多様
な社 会
や生 活
の現
代 的
課 題 が浮
き彫
りになっ てき た.
そ して,
その課 題 解 決に向
け て 「こ こ ろ」 の“
し く み”
による取 り 組みが 再 評価
されてき て いる.
3.
「感 性
」と
の調 和
,
連 鎖
,
そ し
て感 性 価 値 創 造
例 え ば
,
生 活 と 社 会の基盤
となる まち づ く りにおい ては,
複
雑 化 多 様 化 するま ちの課 題解 決
の た め に,
これ まで の行
政 主導
型,
上 意 下 達 型の階 層 的 な 人 的 ま ち づ く り 組織
か ら の転換
が試
み られて い る,
NPO
や ボラ ン ティ ア団 体 な ど 公 益 活 動 団 体と 図3.
秋の仙洞御所 (京 都・
京 都 御 苑 ) 住 民,
そ して行政
が 互い の持
ち味
を活
か し て,
地 域
に根
ざした非 階
層で フ ラ ッ トな 共 助 社 会の 実 現に向 けた取 り組み な どが あ る.
こ のま ち づ く り に は,
隣 組 な どの地 縁
に よ る自治
コミュ ニ テ ィに よ り街
を 運営
して き た わ が 国の学 ぶべ き 先 達の知の[
」
か た ち”
が あ る.
わが 国の 歴史に は,
社 会の課 題 を 生 活 者 個 々の 課題
に受 け止
める 「感 性
」,
そ して互いに協 働
して解 決 に 向 か う 「感 性
」 の連鎖 (
コ ミュ ニ ケー
ショ ン)の知 が ある,
も う
一
つ,
「こ こ ろ」 を 揺 さぶ る 「もの」 づ く り をみ て み よ う,
戦 後
の高 度 経済
成長
を推
進 して き た わ が 国の高 機 能,
高 性能
であ りな が
ら価 格 を 押 さ
え た技 術 力
は,
東
ア ジア の台 頭
な ど,
今 後,
国 際 的 優 位 性 を 維 持して い く こ と は難し い と予 想 さ れている.
同 時 に 成 熟 社 会 を 迎 え,
「もの 」 へ の感 性価 値
を求
める,
「もの 」 と 「ここ ろ」 が 呼 応 す る デ ザ インが求め られて い る.
極 東の地で独 自の 「もの コ づ く り文 化 を醸
成 してき た わ が国
の美
意識
には,
「もの 」 と 「ひ と」 を 結ぶ時 間 軸で 物 語 る 「こ と 」 が存 在
する.
例 え ば 幽 玄 や 花 鳥 風 月の美のよ う に,
第2部■ メタデザイン への挑 戦 デ ザ イン学 研 究特 集 号〆デ ザ イン学:メタ デザイ ンへ
の桃 戦Sp ial
lssue
ofJapanese
Secietyiorthe
Scienoe
of
Design Vol
.
18−
1 No.
69 2011N工 工
一
Eleotronio LibraryJapanese Society for the Science of Design
NII-Electronic Library Service
Japanese Sooiety for the Soienoe of Design図4
.
冬の白川 郷 (岐 阜・
荻町) 時の変化
を 「感性
」で感 受
し,
そ の 「こ こ ろ」 の“
か た ち”
を 「こと 」 の作 法
と 「もの(
場
も 含 む)
」 の 有 り様 の 関 係 に よっ て表
現 する.
つ ま り 「感性
」 を 物 語 る 価 値 に 創 出 す る 能 力 は,
過去
の学 び
だ けでな く,
近年
,
世 界 的 に 評 価 さ れ る わ が 国の漫画
や アニ メ文 化にも 相 通 ず る もの であろう.
次 代 を 拓 く た め に 「感
性
」は 重要
な キー
ワー
ドとな
る.
戦後
の近 代 合 理 的 な 「技 術 i 優 先の時代
が 置き忘れ て い た生 活 社 会の 「こ こ ろ 」 を 「ひと」 と して読
み取 り
「こ ころ」 を 「美 し い“
か た ち”
」 に可 視 化 する こ とが 肝 要で あ る.
そ の た め には,
わ が国
の先
達 が残
した,
「感 性
1 と 「理性
」 の調 和,
「感 性」 の 連 鎖(
コ ミュ ニ ケー
ショ ン)
に よ る共 助,
「感 性」 を 物 語 る 価値 創 出
,
な どのわ
が 国の 「美
しいか た ち」 か らの学 びこ そが,
「感 性
」を学
と成
す手
が か り に な る のでは ないだ ろ う か.
4 .
感
性
と地
域
と デ ザ イ ンこ こでわ が 国の デザ イン業の実 態 を
,
も のづく り を担
う インダ
ス ト リ ア ル デ ザ イン で考
えて みたい.
や や 短 絡 的 な 解
釈
か もしれ ないが,
わ が国のインダ
ス ト リ ア ル デ ザ インは,
主 に工業製 品
を対 象
に区分
された デザ
イン業 種 の一
つであ り,
欧米
を手本
としたキ
ャッチ アッフ 型 の デ ザ イン プ ロ セ ス を重 視して きた,
わが国の近 代 化 と 高 度 経 済 成 長 期のも
のづ くり
の一
端
を担
っ ていた と もいえ る が,
複 雑化
し多 様 化
す る fひ と」 の質 的 満 足 が 求 め ら れる現 在
におい て は,
物 的
な 「もの の か た ち化
」 に傾 斜 した グロー
バ ル ス タンダー
ド を目 指 すデザ インプロセスは 限 ら れ た一
部
の 工業製 品
のみで し か通 用 し ないもの と なっ て い る.
デ ザ インは
,
スキ ル別 や 要 素 技術 別
に 区分
さ れ る も のでは な く,
生 活 者の立 場で統合
的.
横 断
的に取 り組 むべ きであ る.
イ ンダスト
リアルデザ
インは、
私 た ちの生 活そ のものを 支え る産業
と の関わ り に おける トー
タルデ ザ イン とい える.
トー
タル デ ザ イン は,
グ
ロー
バルスタンダ
ー
ド を 目 指 すこと よ り も、
よ り 具体
的 な ひ と の 生 活のシー
ンを と ら え な け れ ば ならない.
つま り 国 や 地 域の生 活 シー
ン の違いから生 ま れる 「感性
」 に着
目し24
デザイ ン学研究 特集号 ノデ ザ イ ン 学:メ タ デ ザ イ ンへの挑 戦Specla冂ssug otJapanese Societyforthe Scienceot Design
Vol
.
18−
1 No.
69 2011 たデ ザ インプロセ スが 必要
である.
と言
い換
え る こ と も でき る.
筆 者
が 生 活 を 営 む 九 州 を 例 に考
えると,
極 東
に位
置 するわ が 国 特 有 な 内 在 的 「感性
」 や,
そ の極 東
の南
西に位
置 し古 来
よ り アジアとの交 流の深
い九州
地域
の 「感性
」 などを 育 み,
「ひと」 「場
」 「こと」 そ して 「も
の」 の 関係 性
か ら 「美 しいか た ち1 を 可視 化
す る」
閥係
の デザイン”
に と ら えなおすこ とであ る.
国
や 地 域
のロー
カ ル・
インダ
ス ト リアルデザ イン の受 発 信 と 交 流 が 次 代のグロー
バ ル・
インダス ト リアルデザ イン の種
を生
む,
っ ま り“
グロー
カルな 発 想’
による“
関 係
の デザイ ゾ を き め 細 や か に 思 考 し 実践
する こと ができる のが,
世
界で の日 本,
日 本で の九 州 といっ たロー
カルだと考
え る.
工
業 製 品
のインダス トリ ア ル デザ
イン活 動
が少
ない九 州 地 域 だ が,
イン テ リ アや グラ フ ィッ ク,
そして ク ラフ トな どの生活
に密 接
に関係 す
る デザ
イン は多
く,
ま たNPO
福 岡デザ イン リー
グ
な どのデ ザ イン領 域 を 横 断 す る 活 動の先 進 地 域で も あ る.
デ ザ インの 役 割 と は,
広い (グロー
バ ル)
視 野 から イ ンダ ス ト リ ア ル デ ザ インを と ら え,
九 州 や福
岡 な ど(
ロー
カル)
の 生 活シー
ンの 「感 性 」 を 感 性 価 値に 可視化
,
つま り デザインす る“
グロー
カ ル な 発 想”
の‘
憫 係
の デザ イ
ン”
を
,
地 域
か ら 日 本,
そ して世 界
に発 信
し相
互に結
びつ け るこ と と考
えている,
5 .
「感 性
と理 性
の融 合
亅と
デザ イ
ン学
こ れ ま で述べ て き た よ う に
,
感 性と理 性の融 合 を 可 視 化 する た めの方 法 が
デザ
イン であ る.
再度
整 理 す る とデザ インとは,
人々 の生
活の観 点か ら物 的 要 素(
もの)
と事 柄 (
こと)
,
そ し て環境 (
ば)
との 関 係 を,
感性
と 理性
の融 合
に よっ て統 合 化 し,
」
」
もの,
こと,
ばの関係
の価 値
冒
を“
か たち
’
に 可視 化
し事
業 に 結 びつ ける こと と位置
づけ る こ と が で き る.
つ ま りデ ザ イ ンは,
科 学 技 術の進 展によ り高 度 化
・
個
別 化 す る 要 素 技 術 を,
生 活 者の立 場 か ら 社 会 状 況 を見 据
え,
安 心
・
安
全 な 生 活 の 利 便・
適 応 を満
足 さ せ,
心 地
・
感動 を 与
え る魅 力
的 な 物 的・
質 的環 境
に変換
・
統
合 す る 感 性 価 値 形 成 プロセスと定義
で き る,
こ の
考
え方
の根底
に は,
半 世 紀 程 前に小 池新
二先 生
が九
州 芸術
工科 大 学 の 設 立 に 伴 っ て提 唱 し た芸 術
工学 (
Design
の 日 本 語 訳とし た )の理 念 「技 術の人間化
」 と深い関 係があ る.
主 に 芸 術 の 分 野 は,
非 言 語 的,
無意 識 的
,
直 感 的
な感 性
の 表 現 活 動 を おこなっ て いる,一
方,
工学
,
理学
な ど は,
言 語・
数 理 的,
合 目 的 的,
計 画 的
に理性
の体 系 化 を構 築
する.
これら芸 術と 工学 (
こ の 工学
に は理学
,
医 学,
農 学 等 の 諸 科 学領
域 を指
す)
の 融合
,
つ まり 「感 性 と理 性の融 合 」 が 「技 術の人 間化
」 の た め のデザ
イン 学 と す る 考 え 方であ る,
「技 術
の人 間 化
」 は,
生
活 の 主体で あ る 人 を 中 心 に据 えて,
人のため の“
も の,
こ と,
ば の 関 係の価 値’
を“
か た ち”
に あらわす
デザ
イン の根
本 的 な 理 念であ る.
感性
と 理性
の融 合
を 可視 化
す る デ ザ インを 学 と して N工 工一
EleotronioJapanese Society for the Science of Design
NII-Electronic Library Service
Japanese Sooiety for the Soienoe of DesignsTAR
」
・\
1
漕 往 劇 監と 電ffの 馳 含 課 題提 案型 サイク く実 踉 手法 型 デ ザイ ン 生 活賓 (ユー
ザー
》 ボ 人 聞 帳キ
11難
籖博齶
廱性と畷性の融台 生活 探 究型サ イクル K人 聞 生 活 チ ザ イン 碁 礎 的 研 究 〉L
/ ST”
C「
性 と電 性 の 融 脅 鎮提 案型サ イクル 実 践 検 証 型テザイ!
研 究 〉 モ ノ・
コト・
場 図5,
感 性 と理 性の融 合 サ イ クル 〈 デザ イン研 究の3
型〉 と ら えると図
5
に 示 すこと ができ る.
デザイ ン学は
,
課 題 解 決へ の直 線 的 プロ セ ス では な く,
人間
,
生活
開
発,
評 価
の いず れ か ら もアプロー
チでき る サ イ ク ル型の研 究 プロ セ スが 存 在 する.
ま ず 人の生 活 を 形 成 する“
も の,
こ と,
ば”
と人
の関係
を評 価
する こと か らニー
ズの実 態
を探
る,
生
活探 求 型
サイ クル の 「人
間生 活
デザイ ン基 礎 的
研究
」 が あ る.
二つ に は,
生活に お け る潜 在
的ニー
ズを抽 出
し,
新
た な“
b
の,
こと,
ば
の関係
の価 値
のあ り方
”
を提 案 す
る課 題
提 案 型サイ クルの 「実 践 手 法 型デ ザ イン研 究 」.
そ して“
も の,
こと,
ばの関 係の価 値”
を』
具 体 的 な か た ぢ’
に 創 造・
実 施 す ること に よっ て,
どのよ う な価 値
形 成 に寄
与 す るのか を検 証
す る価 値 提 案
型サ イ クル の 「実 践検 証
型デザイ ン研 究」 が ある.
こ こ で
,
筆者
の 「実践 手 法 型
と実 践 検 証 型
デザイ ン研 究
」 の概
要を例 示 する.
ま
ず
「実 践 手 法 型
デザイ ン研 究
」 は,
U
もの,
こと,
ば”
の 提 供 価 値に お け る機 能 (理性)
面の評価
と,
暗
黙知 と さ れ て き た感性 面
の評価 を可視 化
し,
送
り手
・
作
り手
・
受
け手 等
の評 価
者
の 立場の違い に起 因す る評価
のズレ の 要 因 を抽
出し,
提 供価
値
に適 応
す る デザ
イン評価
・
診 断
シ ス テ ム(
ク オリ テ ィカル テ)
研 究 を 進 めて いる.
これ まで にク オリ テ ィ カ ル テ を用い た評 価 実 験の対 象は,
椅 子 や 家 電 等の製 品か ら,
駅や博 物
館,
ショ ッピ
ング センター
等
の空
間 ま で多 岐
に 及 ん でいる.
ま た,
評 価 者の立 場の違いの評 価のズ レ や,
評 価 者の居 住 地 域の違い に 起因
するズ レ や、
評 価
対象
相 互のズ レの研 究 も 試 みて いる.
こ のよ
う に評価 者 間
,
地 域 間
や対 象 間
な ど に よる評 価
のズ レ を 可視
化す る こ と に よ り,
企 画・
プロ トタイプ制 作
か ら製品
・
商
品 化の各
段階
で,
営
業 従事 者
や イン 八 ウ ス デザイ ナー
な どの内
部
で の評価
比較
,
フ リー
ラ ン ス デザイ ナー
やエ ン ドユー
ザー
な ど外 部
と の評価
比較
,
ま た地 域 別
の評 価
の違
いな ど を分 析
し,
そ の要 因を診 断す るこ と が可 能と な る.
ク オ リ ティ カ ル テ に よ る デザ イン評 価 は,
今後
のもの,
こと,
ば
づ くり
の企 画 開発 支
第2部■ メタデザイ ンへ
の桃 戦 援ツー
ル とし て役 立て る こと を目指し て い る.
筆 者のデ ザ イン実 務のパ ブ リック デ ザ インに よ る 「実 践
検 証
型 デ ザ イン研 究」.
パブ リックデザ インも 感 性 価 値 形 成のた め の関 係のデ ザ イン 「ひ と,
もの、
こと,
ばの魅 力 的で最
適 な関
係
をデザ インする実 践 的 方法
」 の一
つ であ
る,
私
た ちの生 活 を
支 える街の街 路,
広 場 な どの パ ブリックスペー
ス は,
魅 力 的な さ ま ぎ ま な要 素
が 用意
され
るこ と によ
って快 適 な 場 を 提 供
す る.
快
適な場
を か た ちつく る た め に は,
パブリッ ク スペー
ス の多様
な 要素
の秩 序
化と個性
化 の 方法
を検
討 す る 必 要 が あ る.
秩 序 化のた め に は,
例 え ば 街路
に 無秩
序 に 設 置 さ れ た諸 要
素 を 整 理 する こと か ら は じ め な け れ ば ならない.
個 性 化のため に は,
例
え ば街 路
の環 境 特 性
にあっ た性 格
づけを行
い、
そ の性格
づけ から必 要 と さ れる要 素 を 選 び 出し,
要 素相
互の協 調 したま と ま りのあ る 魅 力 を導
き 出 すこと が 求 め ら れる,
そ して重要
なこと は,
個 性 化のため に は,
秩 序 化 が 欠 かせない前 提 条 件とな り整 理 さ れ た環
境の中
では じ めて個 性
的で魅 力 的 な 場 を か た ち つ く る こと がで きる.
つ ま りパブリックデザイ ンは.
機 能 的 整 理の 「秩 序 化
」 デザ イン と感 性 的 魅
力の 「個 性 化
」 デザイン の関 係
の デザイ ン と い え る.
「秩 序 化
」 の方 向
は,
クオ リ テ ィ カ ル テ の 「機 能 (
理性 )
」評価
に関連 し,
「個性
化」 の方向
は,
ク オ リ ティカ ル テの 「感性
」 評価
に関連 す
る.
現 在
,
産 学 官
民連 携
の 共 同 研 究 等による河 川 や 地 域 環 境 など の具 体 的 な グロー
カ ルな 空 間 デ ザ イン提 案 か ら ク オ リ ティカ ル テ に よ る デ ザ イン評 価 に 至 る一
貫
し た プロジェ ク ト研 究
を 進 めてい る.
図6
.
JR
博 多 駅 前 広 場2011
.
3
:(上 ) 信 号 共 架 型 道 路 照 明 は,
駅 ビル と調 租 し た 秩 序 化のデ ザ イン。
(下 ) 駅 広の舗 装 は,
東 西 南 北のグ ラ デー
ションに よ り双 子都 市 (福岡・
博多)の地 域の個性化のデ ザ イン。
デ ザ イン学研 究 特集 号ノデ ザ イン学:
メ タ デ ザ イン への挑 戦Sp ial lssue ofJapanese SeGiety ter the SGトence of Design
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1 No.
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