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CBTを活用した効果的な社会プログラム・福祉制度モデルの構築~“働く”を通じた実践領域から~

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Academic year: 2021

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日本認知・行動療法学会 第44回大会 81

-CBTを活用した効果的な社会プログラム・福祉制度モデルの構築

〜“働く”を通じた実践領域から〜

○(企画・司会者)(話題提供者)池田 浩之1)(話題提供者)谷口 敏淳2)(話題提供者)境 泉洋3)(指 定討論者者)大島 巌4) 1 )兵庫教育大学大学院/NPO大阪精神障害者就労支援ネットワーク、 2 )福山大学、 3 )宮崎大学、 4 )日本社会事業大学 近年、認知行動療法の適応範囲は益々広がってい る。代表的なうつ病への適応はさることながら、様々 な臨床像への適応がなされ、社会的な知名度も広がっ ていっている。そのような背景から認知行動療法は、 平成22年から保険適応がなされるようになり、医療分 野での実践を中心として、各領域に実践の広がりを見 せている。 この適応範囲の広がりは福祉領域においても同様に 見受けられる。就学前、就学後の発達障害のある幼 児・児童を対象としたペアレント・トレーニング、児 童デイサービスを通じたSSTの実践、知的障害、精神 障害、発達障害や高次脳機能障害のある者に対して障 害福祉サービスを通じた自立支援や社会生活・企業環 境への移行支援、介護施設でのスタッフや認知症患者 への介入など、未成年に関しては日常生活や教育環境 への適応、成人期以降に対しては日常生活を中心とし た社会生活での適応を目的とした介入が実践されてお り、本学会でも数多く発表がなされている。実際に、 本学会員の所属先の領域は医療・教育に次ぐ第 3 位を しめており(事務局調べ, 2018)、実践家は数多く在 籍している状況である。特に就学前や学童期を中心と した認知行動療法を用いた介入は、社会的な評価も高 く、福祉サービスの中に取り込まれ、全国的な動きの 中に認知行動療法が位置付けられているものも見られ ている。 一方で、思春期・成人期以降の福祉領域での認知行 動療法実践については、社会的な関心は高く、実践報 告も数多くなされているものの、就学前や学童期の福 祉領域での実践に比べると個別や集団的実践を超え た、地域や社会制度を巻き込んだ実践に関する報告は まだまだ少ない現状にあると言える。成人期福祉のひ とつ大きな関心のひとつであり、本シンポジウムの副 題である「働く」に通じた認知行動療法の実践も同様 である。それは法体制の整備が近年になって確立され てきた影響に寄る専門的な知見の少なさが原因である が、「働く」を取り巻く環境要因の多さが研究を行う 際の統制の難しさとなり足かせとなっていることも考 えられる。この「働く」ということについては、福祉 領域では多様な形態を指している。一般企業で自身の 障害を開示しない健常の者と同様の働き方から、障 害・症状を企業に告知して企業側も障害があることを 前提とした採用を行う障害者雇用、福祉施設内で雇用 契約を結ぶ福祉的な就労など、当事者の状態やニーズ に応じた働き方ができるように必要な訓練や支援、場 の提供を行うサービスが実施されている。 また現在「働く」ことについては、社会的な関心が より高まっており、成人期の障害福祉サービスとして 存在している就労系サービスだけではなく、引きこも りやニート対策として創設された地域若者サポートス テーションも対象の若者への就職を含めた進路決定の 実績について重点的に行うよう特化した実績加算の予 算配分がされるようになってきている。 この「働く」ということを目指して認知行動療法は 各支援機関において支援で用いられ、SSTや認知再構 成、パッケージ化されたプログラム実践や、スタッフ トレーニングなどが行われている状況である。従来現 場職員が必要に迫られて行っていた支援に専門性が加 わるようになり、知見が蓄えられて行っている最中で ある。 こういった知見をもとに、成人期福祉においても地 域や社会制度への認知行動療法を取り込んだ実践を考 えていく契機になってきているのではないかと考え る。 本シンポジウムでは、引きこもり支援現場、障害福 祉サービスを通じた就労支援現場、地域での課題解決 型の新たな取り組みを行っている実践家の報告を通じ て、「働く」ことや「働く」ことに向けた準備性を高 めることに関する福祉的な社会制度上の認知行動療法 の適応を考える。また現状の制度では対応がおいつか ない現場での課題解決的な実践を合わせて報告してい ただき、認知行動療法を含めた効果的な社会プログラ ムや福祉制度モデルの構築について検討していくこと とする。 本シンポジウムによって、認知行動療法の実践の視 点として、対個人や対象者が所属している環境を中心 としたミクロ的な実践だけでなく、地域や社会を中心 とした(メゾ的な)マクロ実践の必要性・重要性を認 識していく一助となればと考えている。 大会企画シンポジウム 3

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