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第一章権利関係 (14 問 : 目標 9 点 ) 1-1 契約の成立 ( ) 契約とは 申込み と 承諾 という 意思表示 が合致することによって成立します 試験で直接問われることは少ないので 基本の基本として覚えておいてください Point 契約の種類 契約各当事者がお互いに債務を負担するか双務契

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~上級者向けですので、通常のインプリである程度の知識を得た後にご活用ください~ (プリントアウトしてからのご使用をおすすめします)

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第一章 権利関係

(14 問:目標 9 点) 1-1 契約の成立(★★☆☆☆) 契約とは、「申込み」と「承諾」という「意思表示」が合致することによって成立します。試 験で直接問われることは少ないので、基本の基本として覚えておいてください。 Point 契約の種類 契約各当事者がお互いに債務を負担するか 双務契約:売買、賃貸借、請負、有償委任など 片務契約:贈与、無償委任など 契約各当事者がお互いに対価を要するか 有償契約:売買、賃貸借、請負、有償委任など 無償契約:贈与、無償委任など 当事者の意思表示のみで成立するか、物の引渡しも要するか 諾成契約:売買、賃貸借、請負、委任、贈与など 要物契約:宅建試験では出題はないでしょう(消費貸借、使用貸借など) 1.売買契約は、売主と買主の契約をしようという[意思表示]が一致すれば成立する!(書面不要) 2.[公序良俗]に反する内容の契約は、無効である! 3.[意思能力]がない状態でした契約は、無効である! 4.承諾の通知を申込み者に[発した]ときに、契約は成立する! 5.承諾期間を定めた申込みは、[その期間内]は申込みを取り消すことができない! 6.定められた承諾期間を過ぎた後の承諾は、[新たな申込み]とみなされる! 7.当事者の[合意]がある場合は、承諾の通知を発しなくても契約は成立する! 8.契約締結費用は、当事者が[平分]して負担する! 「公序良俗に反する」=反社会性を帯びた行為(賭博、人を殺す契約など) 「意思能力」=行為の結果を弁識できるだけの精神能力(7~10 才程度の能力) ◎平成 18 年度出題:契約締結交渉中であり、契約締結に至っていない準備段階であっても、当事者の一 方が契約交渉を打ち切った場合、具体的な事情によっては損害賠償責任を負うことがあります。

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1-2 意思表示(★★★★★) ものすごく重要です。複数の人物が登場する問題が多いので、混乱しないように図を書いて考 えましょう。「取消し」は主張して初めて契約がなかったことになり、「無効」は何も言わなく ても当然に契約がなかったことになります。 Point 詐欺による契約の取消しは、善意の第三者に対抗することができない! 強迫による契約の取消しは、善意の第三者に対抗することができる! 錯誤無効は、善意の第三者に対抗することができる! 1.詐欺による取消しは、取消前に利害関係をもった[善意]の第三者に対抗することができない! 2.強迫による取消しは、[取消前]に利害関係をもった善意の第三者に対抗することができる! 3.第三者が詐欺をした場合、本人は、相手方が[悪意]の場合のみ取り消すことができる! 4.第三者が強迫をした場合、本人は、相手方の[善意悪意]に関わらず取り消すことができる! 5.錯誤による無効は、[善意]の第三者にも対抗することができる!(=通説) (第三者を保護するべきという有力説もあります→96 条 3 項 詐欺の取り消しを類推適用?) 6.要素の錯誤は無効だが、表意者に[重過失]があるときは、無効を主張することができない! 7.錯誤無効を主張することができるのは、原則として[表意者]のみである! (例外:表意者が認めているとき) 8.動機の錯誤は原則的に無効とはならず、その動機が相手方に[表示]された場合(明示的、黙示 的を問わず)に意思表示の錯誤が成立することがある! 例)新幹線が通ると言われたからこんな田舎の土地を買ったのに・・(←これを売主に言ったか?) 9.心裡留保による意思表示は、相手方が[善意無過失]のときは有効となる! (=冗談が通じず、信じてしまった) 10.心裡留保による意思表示は、相手方の善意悪意に関わらず[有過失]のときは無効となる! (=冗談だと分かっていた、または誰がどう見ても冗談だと分かる話を信じた) 11.心裡留保が無効となった場合、[善意]の第三者に無効を主張することはできない! 12.通謀虚偽表示による契約は[無効]であるが、その無効を善意の第三者に対抗することはできな い! 13.通謀虚偽表示による無効は、[契約当事者]以外の者も主張することができる! (過失があっても主張可) 14.契約を取り消した場合、その効果は、[契約締結時]に遡り失効する。

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A所有の土地がA→B→Cと転売され、登記も完了している場合 ・ AはBにだまされて土地を売ったとしても、Aの取り消しは善意のCには対抗できない! ・ AはBに強迫されて土地を売った場合、Aの取り消しはCが善意でも対抗できる! ・ AがCにだまされてBに土地を売却した場合、Bが悪意のとき、Aはその契約を取り消せる! ・ Aがその土地を売却した時に未成年者だった場合、Cが善意でも、法定代理人の同意を得てい なかったことを理由にその売買契約を取り消すことができる! ・ Bが代金を支払わないのでAが契約を解除しても、登記済みのCには対抗できない! ・ AB間の売買契約が公序良俗違反で無効であるときは、Cは善意悪意にかかわらずAに対抗で きない! ・ Cの善意悪意にかかわらず、Cは登記を備えておけば、AB間で契約が解除されてもCはAに 対抗できる! ・ AB間の売買契約が既に解除されていたとしても、Cは善意悪意にかかわらず、登記を備えれ ばAに対抗できる! ・ Aが本心ではなくBに売却の意思表示をしたとき、BがAの真意を知っていたときは、Aはそ の意思表示の無効を主張できる! ・ AがBにした売却の意思表示につき、法律行為の要素に錯誤があった場合、Aに重大な過失が あったとき以外は、Aはその意思表示の無効を主張できる! AとBが通謀してA所有地の登記をBに移し(通謀虚偽表示)、その土地をBがCに譲渡した場合 ・ 虚偽表示は無効なので、Bが登記を受けていても、Aは売買契約の無効を主張できる! ・ 登記を受けていなくても、Cは善意でさえあればAに対して所有権を主張できる! ・ Bは無権利者なので、登記がなくてもCはBに対して所有権を主張できる! ・ AがDにも当該土地を譲渡した場合、CとDでは先に登記を備えた方が所有権を取得する! ・ Cが更にEに土地を譲渡した場合、EはCの善意悪意にかかわらず、Eが善意であればAに対 して所有権を主張できる! ・ Eが悪意であっても、Cが善意なら、EはAに対して所有権を主張できる! 「善意」=知らなかった 「悪意」=知っていた 「善意無過失」=そのことを知らず、落ち度も無い状態 「錯誤」=勘違いによる意思表示 「要素の錯誤」=取引の重要な部分に錯誤があること 「心裡留保(しんりりゅうほ)」=真意ではないと自覚しながらする意思表示(=冗談) 「通謀虚偽表示(つうぼうきょぎひょうじ)」=2 人の者が共謀し、ウソの契約をすること

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1-3 制限行為能力者(★★★★★) 出題ポイントが多く、要注意です。制限行為能力者の意義や、売買契約を結んだ場合の効果な ど、重要事項満載です。まだ社会のことをよく知らない未成年者や、通常の人より精神的能力 が低い人を保護するための制度です。 Point 制限行為能力者の種類 未成年者:満 20 歳未満の者(保護者→親権者、未成年後見人) 成年被後見人:精神上の障害により弁識能力を欠く者(保護者→成年後見人) 被保佐人:精神上の障害により弁識能力が著しく不十分な者(保護者→保佐人) 成年被後見人よりも症状が軽いものが被保佐人で、重度の浪費家などが含まれる場合もあります。 1.未成年後見人は、[1人]でなければならない! (cf. 成年後見人、保佐人、補助人は複数でも構わない) 2.未成年者が未成年後見人の同意を得ないでした法律行為は、原則として[取り消す]ことができ る!(無効である ←×) 取消ができない場合 1.法定代理人の同意を得た契約 2.営業の許可を受けている行為 3.処分を許された財産を処分する行為 4.単に権利を得(贈与等)、または義務を免れる(債務の取消等)契約 3.成年被後見人が[単独]で行った法律行為は、原則として取り消すことができる! (日常生活に関する行為は取り消すこと不可) 4.[法人]も、成年後見人となることができる! 5.成年後見人が成年被後見人に代わって建物等の売却、賃貸、抵当権の設定などの行為を行うと きは、[家庭裁判所]の許可を得なければならない! 6.被保佐人が[単独]で行った法律行為は、原則として取り消すことができない! 取消ができる場合 1.不動産など、重要な財産の売買 2.5年を超える土地賃貸借 3.3年を超える建物賃貸借 4.建物の新築・改築・増築・大修繕の依頼 7.被保佐人が、保佐人の同意を得なければならない行為を、同意またはそれに代わる家庭裁判所 の許可を得ないでした場合、[被保佐人]又は保佐人が共に当該行為を取り消すことができる!

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8.未成年者と取引した相手方が、未成年後見人に対して1月以上の期間内に追認するように催告 したが確答がなかった場合、未成年後見人は未成年者の行為を[追認]したものとみなされる! 9.未成年者と取引した相手方が、未成年者本人に対してした追認の催告は、[無効]である! 10.契約締結時に未成年者であった者は、成年に達しても、契約から[20 年]経過するか、追認する ことができる状態になったときから[5年]以内は取消権を行使することができる! 11.契約の相手方が被保佐人に、保佐人の同意を得て追認するように催告したが、確答がなかった 場合、当該契約は[取り消された]ものとみなされる! 12.制限行為能力者が[行為能力者]であると相手方をだまして契約をした場合、その契約は取り消 すことができない! 「追認」=契約後に契約成立を認めること 「催告」=裁判外の請求 ◎平成 20 年度宅建試験 問1-3 精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者につ き、4親等内の親族から補助開始の審判の請求があった場合、家庭裁判所はその事実が認められる ときは、本人の同意がないときであっても同審判をすることができる。 → 誤り:本人以外の者の請求により補助開始の審判をするには、本人の同意が必要 ~MEMO~

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1-4 代理(★★★★★) 代理とは、他人の行為によって自分が効果を受ける制度をいいます。本人、相手方、代理人の 3人の人物が登場します。覚えることが多くて大変です。浅くてもよいので、広く正確な知識 を習得してください。毎年出題されていますのでどこから出題されても対応できるように! 1.代理の効力が[本人]に及ぶためには、代理権があり、相手方に対し本人に代わって行うことを 示し(顕名)、相手方と契約することを要する! 2.代理人が顕名しないでした契約は、[代理人]自身のために効力を生ずる! (相手方が、代理人であることを知りえた場合は本人に生ずる) 3.代理人が[制限行為能力者]であっても、代理行為は有効である! 4.代理人が、相手方の詐欺または強迫により代理契約を締結した場合、[本人]が当該契約を取り 消すことができる!(詐欺の場合は、本人が善意のときに限る) 5.代理人が、第三者の詐欺により代理契約を締結した場合、本人は、相手方が詐欺につき[悪意] のときにのみ当該契約を取り消すことができる!(強迫は善意悪意を問わない) 6.代理人が詐欺または強迫により代理契約を締結した場合、相手方は、[いつでも]当該契約を取 り消すことができる!(本人の善意悪意を問わない) 7.代理人が錯誤により代理行為をした場合、代理人に[重大な過失]がないときに限り、本人は代 理行為の無効を主張することができる! 8.代理人が[自己の利益]のために代理行為をした場合、相手方がその事実を知りえたときに限り、 本人は代理行為の無効を主張することができる! 9.無権代理行為は無効だが、本人が追認すれば、[契約締結時]に遡り有効となる! (無権代理人に対して追認した場合は、相手方が追認の事実を知るまで対抗できない) 10.無権代理行為の相手方は、追認するかどうか本人に催告でき、確答がなければ[追認拒絶]とみ なされる! 11.無権代理行為の[善意]の相手方は、本人が追認する前に、当該契約を取り消して無効とするこ とができる! 12.無権代理行為の[善意無過失]の相手方は、本人の追認が得られなかった場合、無権代理人に対 して、代わって契約を履行させるか、損害賠償を請求することができる! (無権代理人が制限行為能力者であるときは、責任追及不可) 13.復代理人とは[本人]の代理人であり、代理行為をすれば、その効果は本人に及ぶ! 14.代理人が復代理人を選任しても、代理人の[代理権]は消滅しない!

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15.代理人の代理権が消滅すると、[復代理人]の代理権も消滅する! 16.法定代理人は、[いつでも]復代理人を選任することができる! 17.任意代理人は、[本人の承諾]があったとき、またはやむを得ない事情があるときに限り復代理 人を選任することができる! A(代理人)がB(本人)所有の建物の売却についてBから代理権を授与され、買主がC(相手方) である場合 Point こういった図を必ず書く ・ Aが買主Cから虚偽の事実を告げられて売買契約を締結した場合、善意のBは詐欺を理由に契 約を取り消せる! ・ 建物が破損したため、Bに無断でAが修繕した場合(=保存行為)、Bはその修繕代金を負担 する! ・ AはBの許諾があるとき、またはやむを得ない事情(急病など)があるときに限り、復代理人 を選任することができる! ・ CがAに対して、Aの権限内と思われる契約をBのためにすることを示して行ったときは、直 接Bに対してその効力を生じる! ・ 代理人は行為能力者であることを要しないため、Bが未成年者であるAを代理人に選んだ場合、 BはAに親権者の同意がないことを理由にAが締結した契約を取り消すことはできない! ・ AがBに隠れてCからも代理権を与えられていた場合(双方代理)は、当該契約は無効である! (BおよびCの同意があれば有効=この場合はCも本人) ・ Bが実はAに代理権を与えていなかった場合(=無権代理)、Cがそのことについて善意であ り、かつ、Bの追認がないとき、Cは当該売買契約を取り消すことができる! (cf. 「追認するか?」との催告権は、Cは悪意でも行使可能) B(本人) A(代理人) C(相手方)

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以下、無権代理 ・ Aの行為が実は無権代理だった場合、Cがそのことについて善意無過失であり、かつ、Bの追 認がないとき、Aに対して契約の履行の請求または損害賠償の請求ができる! ・ 実は代理権のなかったAとCの契約は、Bが直接Cに対して追認の意思表示を行えば、その契 約は有効となる! ・ Bが追認しない場合でも、CがAに代理権があると信じ、そう信じることに正当な理由がある とき(=表見代理)は、Cは直接Bに対して契約の成立を主張できる! ・ Aの行為が表権代理に該当するとき、CはAに対して損害賠償を請求するか、Bに対して契約 の成立を主張するかは自由である! ・ Aの無権代理行為をBが追認した場合、AとCが契約した時点から、当該契約は効力を生じて いたことになる! ・ 善意悪意を問わず、Cは期間を定めて、追認するか否かの催告をBに対してすることができ、 その期間内にBの確答がないときは、追認は拒絶されたものとみなされる! ・ Bが死亡して、AがBを単独で相続した場合、AはBが売買契約を追認していなくても、Cに 対して当該土地を引き渡さなければならない(当該無権代理行為は当然に有効となるため)! ・ Aが破産した場合、Aの代理権は消滅し、破産後のAの行為は無権代理行為となるが、CがA の破産を知らず善意無過失で信頼したときは、Aの行為は有効となる! (Aが死亡してBが単独相続した場合 → Bは追認拒絶可、Cが悪意 or 有過失なら一切責任なし) 追認まとめ ・追認権はB(本人)にのみ認められる! ・無権代理行為の取消権はC(相手方)にのみ認められる! ・追認するか否かの催告権はC(相手方)にのみ認められる! [ちょっと注意!試験に出るかも] 代理人が本人を代理して自分と契約することを自己契約、契約当事者双方の代理人となって契約す ることを双方代理といい、これらは原則として禁止され、もしも行われた場合は無権代理となり基 本的に無効となります。しかし、本人の同意がある場合および単に債務を履行するだけの場合には 自己契約や双方代理も許されます。

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1-5 弁済・相殺(★★★★☆) 弁済とは、債務者が約束どおり債務を果たすことによって債権者の債権を消滅させる行為をい います。相殺とは、債権者と債務者とが相互に同種の債権・債務を有する場合に、その債権と 債務を対等額で消滅させる行為をいいます。2年に1問の割合で出題されています。 1.債務者は、弁済の提供をすれば、[債務不履行責任]を免れる!(cf. 不法行為責任は免れない) 2.弁済費用(=弁済をするための費用、交通費など)は、特約がないときは[債務者]が負担する! 3.弁済場所は、特約がないときは[債権者]の住所地で行う! (特定物の場合は、債権発生当時その物があった場所) 4.弁済と[受取証書]の交付は、同時履行の関係にある! 5.弁済と[借用書]の返還は、同時履行の関係にはない!(弁済が先) 6.弁済金が不足する場合、まずは[利息]に充当される! 7.法律上利害関係のない第三者は、[債務者]の意思に反して弁済することはできない! 8.法律上利害関係のある第三者は、[債務者]の意思に反しても弁済することができる! 9.弁済につき正当な利益のない者が弁済した場合、[債権者]の承諾を得て、債権者に代位するこ とができる!(債務者に対抗するには、債権者から債務者への通知または債務者の承諾が必要) 10.弁済につき正当な利益を有する者が弁済した場合、[当然]に債権者に代位し、債務者に対抗す ることができる! 11.債務者は、[債権者]の承諾を得て、代わりの物をもって弁済とすることができる!(代物弁済) 12.相殺は、相手方に対する一方的[意思表示]によって行われる! 13.対立する債権債務の[履行地]が異なる場合でも、相殺することができる! 14.相殺をなすには、双方の債権が[弁済期]にあることを要する! (受働債権については、期限の利益を放棄すれば弁済期に達している必要はない) 15.相殺の意思表示に、[条件または期限]を付けることはできない! 16.相殺禁止特約があるときは相殺ができないが、この特約をもって[善意]の第三者に対抗するこ とはできない! 17.相殺適状になった後、[自働債権]が時効消滅した場合でも、相殺することができる!

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18.不法行為によって生じた債権を、[受働債権]として相殺することはできない! 19.相殺によって、対立する債権はその対等額で消滅し、その効力は[相殺適状時]まで遡る! A(債権者)がB(債務者)に金銭を貸し与えた場合 ・ AとBで返済の場所を定めていなかった場合、BはAの住所で弁済をする必要がある! ・ Bの親でも、Bが反対すれば、勝手にAに弁済することはできない! ・ Bの保証人が、Bの承諾なくAに弁済した場合、以後、保証人はAに代位してBに対して弁済 の請求をすることができる!(=法定代位) ・ A名義の領収証をCが持参したため、BがCに弁済した場合、Bが善意無過失のときは、Cに なされた弁済は有効となる! ・ BがAに対して領収証の発行を要求し、Aがこれを交付しないときは、その交付がされるまで Bは弁済を拒むことができる!(cf.借用書の返還は同時履行の関係に立たず、弁済が先) AはBに土地を売却し、一方BはAに金銭債権を有していた場合 ・ Bの金銭債権が時効により消滅していた場合でも、時効完成前に土地の売買契約が成立してい た(=相殺適状)場合には、BはAに対して相殺を主張することができる! ・ Bの債権について弁済期の定めがなく、Bから履行の請求がないときでも、Aは自分の債権の 弁済期が到来すれば相殺をなしうる! ・ 相殺の効力は、相殺の意思表示をしたときからではなく、相殺適状のときに遡及して生ずる! ・ Bの債権がAの不法行為によって発生した(AがBを車でひいた慰謝料など)ものである場合、 Aは自分の債権をもって相殺をすることはできない! ・ 土地代金の支払い場所と、貸金の返済場所が異なっても相殺は認められる! ・ 第三者CがAの債権を差し押さえた後に、BがAに金銭を貸し与えていた場合は、BはAに対 して相殺はできるが、それをもってCに対抗することはできない! 「債務不履行」=債務者が正当な理由なく債務の本旨に従った履行をしないこと 「保証人」=債務者に代わって債務を履行する者 「相殺適状」=2つの債権が有効に存在、対立し、弁済期にあること 「自働債権」=相殺の意思表示を申し込む側の債権 「受働債権」=相殺の意思表示を申し込まれた側の債権

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1-6 時効(★★★★☆) 時効とは、時間の経過によってこれまで持っていなかった権利を取得したり、これまで存在し ていた権利が消滅したりすることをいいます。2~3年おきに出題されています。 Point 取得時効:従来は持っていなかった権利を時間の経過により取得すること 消滅時効:従来は存在した権利が時間の経過により消滅すること 1.不動産を、所有の意思を持ち、平穏かつ公然に、[占有開始時]に善意無過失で 10 年、悪意ま たは善意有過失で 20 年占有すれば、所有権を取得することができる! 2.他人の土地を[不法]に占有開始した場合でも、所有の意思があると認められる! 3.賃貸借契約に基づき[賃借人]として占有を開始した場合、所有の意思があると認められない! 4.売買や相続により前の占有者の占有を引き継いだ者は、自己の占有期間のみを主張するほか、 前の占有者の占有期間を[併せて]主張することもできる! 5.不動産を時効取得した者は、時効完成当時の[原所有者]には登記なくして所有権を主張するこ とができる! 6.不動産を時効取得した者と、[時効完成後]に原権利者から権利を取得した者とは、登記の先後 によって所有権を決する! 7.債権は、[10 年間]権利を行使しないと消滅時効にかかる! 8.確定期限ある債権、不確定期限ある債権の消滅時効は、ともに[期限到来]のときから起算する! 9.期限の定めのない債権の消滅時効は、[債権成立]のときから起算する! 10.債権の消滅時効は、債務者のほか、[保証人]や物上保証人も援用することができる! 11.債権の消滅時効が完成したにもかかわらず、債務者が債務を[承認]した場合、債務者は、後か らやはり時効を援用するということはできない! 12.時効完成前に、時効の利益を[放棄]することはできない! 13.債権者が、裁判上の手続きにより債務者に弁済を[請求]すると、時効は中断される! (裁判外で請求した場合でも中断するが、6ヶ月以内に裁判上の手続き必要) 14.債務者が債務を[承認]すると、時効は中断される! 15.債務者が[利息]を支払うと、時効は中断される! 16.[物上保証人]が債務を承認しても、時効は中断されない! 「物上保証人」=債務者の債務を担保するため、自己所有の不動産に抵当権を設定した債務者以外 の第三者

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A所有の土地をBが占有している場合 ・ 時効が完成した場合、Bは占有を開始したときから、その所有権を取得したことになる! ・ Bは所有の意思を持たず、賃借人のつもりで占有し続けたときは、何十年経っても時効取得す ることはない! ・ Bはその土地を自己のものであると過失なく信じて占有したときは、10 年間占有を継続すれば、 土地の所有権を取得できる! ・ Bはその土地がAのものであると知って占有したときは、20 年間占有を継続しなければ所有権 を取得できない! ・ Bは占有開始時に善意無過失ならば、途中でそれがAのものであると知っても、10 年間占有を 継続すれば所有権を取得できる! ・ Bの父が 15 年間所有の意思を持って占有した場合、相続により占有を継承したBは、その後 5年間占有すれば所有権を取得できる! ・ Bが 15 年間自己占有した後、Cに5年間賃貸した場合でも、Bは所有権を取得できる! ・ Bが 15 年間自己占有した時点で、AがDにその土地を売却した場合でも、Bはその後5年間 占有を継続すれば所有権を取得し、Dに対抗できる! ・ 当該土地が農地であっても、時効が完成すれば、農地法に基づく許可を受けずにBは所有権を 取得できる!(平成 22 年度法改正により農業委員会への届出は必要となりましたので注意) AがBに金銭を貸し付けている場合 ・ 弁済期の定めがない場合、Aが相当の期間を定めてBに催告し、この相当期間が過ぎたときか ら時効(=消滅時効)は進行する!(金銭貸借の場合は相当期間経過後←前ページ9番と比較) ・ Aの債権の担保として自己所有の土地に抵当権を設定しているCは、Aの債権が時効にかかっ たときは、それを援用して、Aに抵当権の抹消を求めることができる! ・ Aは催告をしても返済をしないBに対し、消滅時効が完成する前に支払いを求める訴えを提起 したときは、その訴え提起は関係なく、返済を催告したときに時効中断の効力が生じている! ・ AB間で裁判上の和解が成立したときは、和解成立から 10 年で消滅時効にかかる! ・ AがBに対して訴訟により弁済を求めても、その訴えが却下された場合は、時効中断の効力は 生じない! ・ 確定判決で確定した権利でも、10 年で時効に服する! 「確定期限」=○月○日 「不確定期限」=~が~したら 「時効中断」=それまで進行していた時効期間が元に戻ること

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1-7 請負(★★★☆☆) 請負とは、当事者の一方が報酬を支払うことを約束し、他方が仕事の完成を約束することによ って成立する契約をいいます。昔はよく出題されていましたが、最近はあまり見かけません。 1.注文者の報酬支払い義務と請負人の目的物引渡し義務は、[同時履行]の関係に立つ! 2.注文者が代金の全額をあらかじめ支払っていた場合、仕事の完成と同時にその所有権は[注文 者]に帰属する! 3.請負人が仕事完成に必要な材料の[主要部分]を自ら提供した場合、仕事が完成しても、注文者 が代金を支払うまでは、その所有権はいったん請負人に帰属する! 4.注文者は、[仕事が完成]する前であれば、請負人の受ける損害を賠償して、一方的に請負契約 を解除することができる! 5.請負人は原則として[瑕疵修補義務]を負うが、欠陥が重要でなく、かつ、その欠陥を直すのに 多額の費用がかかる場合は、当該義務を負う必要はない! 6.請負人が請け負った建物が火事により滅失した場合、なお工期内に[完成可能]ならば、請負人 の仕事完成義務は存続する! 7.請負人が請け負った建物が火事により滅失した場合、工事を再開しても工期内に完成不能であ るときは、請負人の仕事完成義務および注文者の報酬支払い義務は[消滅]する! =請負契約の目的物たる建物に重大な瑕疵があるためにこれを建て替えざるを得ない場合には、注文者 は当該建物の建替えに要する費用相当額の損害賠償を請求することができる⇒正(平成 18 年出題) 8.注文者と請負人との間で、請負人が[担保責任]を負わない旨の特約を結ぶことができる! (請負人があらかじめ瑕疵を知っていながら注文者に告げなかったときは責任を負う)

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A(注文者)が建築業者B(請負人)に請け負わせて住宅を建築した場合 ・ Aの報酬支払い義務とBの住宅引渡し義務は、同時履行の関係に立つ! ・ 完成した住宅に建物その他土地の工作物について瑕疵があるとき、Bは住宅の引渡しから5年 間は瑕疵担保責任を負うが、この期間は当事者間の特約により10 年まで伸ばせる! ・ 完成した住宅に建物その他土地の工作物について瑕疵があり、契約の目的を達することができ なくても、Aは契約を解除できない!(=解除ができるのは建物その他の土地工作物以外の瑕疵) ・ 完成した住宅に瑕疵があり、Bが修補可能なものであっても、Aは瑕疵の修補に代えBに損害 賠償の請求ができる! ・ AとBの間で、Bが瑕疵担保責任を負わないとの特約があった場合でも、Bがもともと瑕疵の 存在を知ってAに告げなかったときは、Bは免責されない! ・ Aが代金の全額をあらかじめ支払っていた場合、住宅の完成と同時に所有権はAに帰属する! ・ Bが建物の材料の主要部分を自ら提供した場合、住宅が完成しても、Aが代金を支払うまでは 所有権はいったんBに帰属する! ・ 完成した建物をAから譲り受けたCには、Bに対する瑕疵修補または損害賠償の請求権はない !(Bに担保責任を追及できるのは請負を依頼したAのみ) ・ 住宅完成前ならば、AはBに損害を賠償して一方的に請負契約を解除できる! 「瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)」 =目的物に瑕疵(キズ)があった場合、買主が損害を受けないように、売主に課せられた責任

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1-8 委任(★★★☆☆) 委任とは、契約などの法律行為を他人にやってもらうようお願いすることです。請負とともに 最近出題が減少傾向ですが、簡単ですので確実に覚えておいてください。委任は無償が原則で す。特約がある場合でも報酬は後払い、しかし委任事務費用は先払い、これは重要です。 1.受任者は、委任者から[請求]された場合、いつでも委任事務の状況を報告しなければならない! 2.有償、無償を問わず、受任者は[善良なる管理者]の注意義務をもって事務を処理しなくてはな らない!(善管注意義務) 3.委任者、受任者ともに、存続を望まないときは、[いつでも]委任契約を解除することができる! 4.委任契約は、委任者の死亡または破産、受任者の死亡または破産および[後見開始の審判の開 始](=禁治産)により当然に終了する! (注:不動産登記法では特例が定められており、登記申請代理権は本人死亡により消滅しない) 5.委任契約は委任者、受任者の死亡により当然に終了するので、その相続人はその地位を[相続] することはない! 6.受任者は、[特約]がなければ委任者に報酬を請求することができない!(事務処理費用は可) 7.受任者が委任者に引き渡すはずの金銭を自己のために消費したときは、その[消費した日]以後 の利息も支払わなければならない! 8.受任者は、委任者の承諾を得た場合、またはやむを得ない事情がある場合には[復受任者]を選 任することができる! 9.有償委任が、その履行の半途で終了した場合、受任者は既にした履行の割合に応じて[報酬]を 請求することができる! 「委任者」=他人に法律行為をすることを頼む者 「受任者」=他人から法律行為をすることを頼まれた者 「善管注意義務」=十分に注意して物事を行う義務 ⇔「自己のためにすると同一の注意義務」 善管注意義務が要求される者 ①留置権者 ②質権者 ③特定物の売主 ④賃借人 ⑤有償・無償の受任者 ⑥遺言執行者など 自己のためにすると同一の注意義務が要求される者 ①受領遅滞 ②親権者 ③相続放棄者 ④限定承認者など

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1-9 地役権(★★☆☆☆) 地役権とは、ある土地の便益を上昇させるため、他の土地を利用できる権利をいいます。この 「ある土地」を要役地(ようえきち)、「他の土地」を承役地(しょうえきち)と呼びます。ほ とんど出題されませんので、サラッと確認程度に読んでおいてください。 1.地役権は、[要役地]から分離して処分することはできない! 2.共有者の1人が地役権を時効取得すると、[他の共有者]も地役権を取得する! 3.要役地、承役地の共有者は、[自己の持分]についてのみ、地役権を消滅させることはできない! Aが自己所有の甲土地の一部について、通行目的で、隣地乙土地所有者Bのために、乙土地の便益 に供する通行地役権設定契約を締結した場合 ・ Bは、この通行地役権を、乙土地と分離して単独で第三者に売却することはできない! ・ Aが甲土地をCに譲渡した場合、Cが通行地役権の存在を知っており、かつ、通路として継続 的に使用されているときは、CはBに対して通行地役権を否定することができない! (A→Cに所有権移転登記あり、Bは地役権の登記必要なし) ・ Bが乙土地をDに譲渡した場合、DはAに対して通行地役権が自己に移転したことを主張する ことができる!(B→Dに所有権移転登記あり、Bは地役権の登記必要) ・ Bは、地役権が定められていない部分の甲土地の土地を、継続かつ表現の形で使用を継続した 場合、その部分についても通行地役権を時効取得することができる! 「継続かつ表現」=使用を続け、それが客観的にも明らかな状態 <相隣関係> 囲繞地通行権⇒ある所有者の土地が、他の所有者の土地又は海岸・崖地等に囲まれて、公道に接し ていない場合に、囲まれている土地の所有者が公道まで他の土地を通行する権利。このような土地 の位置関係にある場合に、囲んでいる側の土地を「囲繞地」といい、囲まれている側の土地を「袋 地」という。通行者は、通行のために必要かつ囲繞地にとって最も損害の少ない方法、場所を選ば なければならない。通行権者は、必要があるときは自ら通路を開設することができ、囲繞地所有者 の承諾を要しない。通行権者は、囲繞地の損害に対して、原則として1年ごとに償金を支払う。袋 地の所有権を取得した者は、所有権移転登記を受けていなくても囲繞地通行権を主張できる。 隣地との境界付近で建物の修繕等を行うときは、隣地の使用を請求できる。(立ち入るには承諾必要) 隣地の竹木の枝や枝が境界線を越えてきた場合:枝=切除請求 根=自ら切除可能 土地所有者は、隣地の所有者と共同費用で境界標(境界を表示するもの)を設置することができる

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1-10 債務不履行(★★★★★) 債務不履行とは、債務者が、正当な理由もないのに約束どおりの履行をしないことをいいます。 売買契約の一連の流れをイメージしながら覚えるようにしてください。 1.履行遅滞とは、債務者の責任により、履行期に[正当な理由]なく履行しないことである! 2.履行不能とは、債務者の責任により、履行が[不可能]になってしまうことである! 3.不完全履行とは、一応[給付]はなされたが、それが不完全な場合をいう! 4.債務者が履行を遅滞しているときは、債権者は相当の期間を定めて履行を[催告]し、その期間 内に履行がないときは契約を解除することができる! 5.履行遅滞により契約を解除する場合、その催告期間が不相当に短くても、[客観的]に相当の期 間を経過しているとみられるときは、債権者はその契約を解除することができる! 6.履行遅滞により契約を解除する場合、債権者は解除とあわせて、[損害賠償]の請求もすること ができる! 7.買主が支払期日に代金を支払わない場合でも、売主が目的物の[提供]をしてこなければ、買主 は履行遅滞とはならない! 8.債務者の責任により履行が不能となったときは、債権者は催告することなく[直ちに]契約を解 除することができる! 9.履行不能による損害賠償額は、[請求者]が証明できた額である! (よく出る問題:損害賠償額は手付金の倍額である→×) 10.金銭債務の履行が遅れた場合は、[不可抗力]を抗弁とすることができない! 11.金銭債務の債務不履行では、[損害]を証明することなく、損害賠償を請求することができる! 12.確定期限付き債務の履行期は、[期限到来]のときである! 13.不確定期限付き債務の履行期は、債務者が期限到来を[知った]ときである! 14.期限の定めのない債務の履行期は、債権者から[請求]を受けたときである! 15.不法行為(P.37)による損害賠償債務は、[成立]と同時に履行期となる! 16.損害賠償額の予定をしておくと、[債務不履行]の事実さえ証明すれば、損害額を証明すること なく、予定された賠償額を請求することができる!(増減不可) 17.違約金の定めをした場合、[賠償額の予定]をしたものと推定される!(みなされる→×)

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AがBに金銭債権を有している場合 ・ 金銭の返済期日が定まっている場合、その期日を過ぎれば、Aから履行の請求を受けなくても Bは履行遅滞の責任を負う! ・ 金銭債権の場合、Bが債務の履行をしないとき、Aはその損害の証明をすることなく、Bに対 して損害賠償の請求ができる! ・ 金銭債権の場合、AがBの債務不履行について損害賠償を請求したとき、Bは不可抗力を理由 に責任を免れることはできない!(金銭に不可抗力は有り得ないため ※) ・ AB間であらかじめ、損害賠償額を予定していたとき、裁判所はその額を増減することはでき ない! AB間で建物の売買契約を締結した場合 ・ 当該建物の引渡し期日前にBがAに代金の全額を支払った場合でも、Aはその引渡し期日から 遅滞の責任を負う! ・ Aの父が死亡したら当該建物を引き渡す特約があった場合でも、Aは父の死亡を知ったときか ら遅滞の責任を負う! ・ 当該建物の引渡し期日を定めていなかった場合、BがAに対し、引渡しの請求をしたときから Aは遅滞の責任を負う! 履行遅滞の時期(消滅時効起算点) 確定期限:期限到来のとき(期限到来のとき) 不確定期限:債務者が期限の到来を知ったとき(期限到来のとき) 期限の定めがない場合:債務者が履行の請求を受けたとき(債権が成立したとき) ※金銭に不可抗力は有り得ない! 世の中どこにでもお金は存在します。例えば平成○○年○月○日に出荷された製造番号××番の△ …などまで特定された物でしたら他に代わりの物はありません。しかしお金はいくらでも代わりが あります。火事で燃えてしまいました、泥棒に盗まれました、と言っても他から調達しろ、という 話ですね。

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1-11 契約の解除(★★★★★) 解除とは、契約の一方当事者の意思表示によって、いったん有効に成立した契約を解消し、そ の契約を初めからなかったこととする制度です。買戻しとは、売主が不動産を売却する際に、 後日買主から受け取った代金および契約費用を返還して、売買契約を解除する旨を特約するこ とをいいます。 1.解除権は法定の解除原因以外に、当事者間の[契約]によっても発生する!(手付金の交付など) 2.解除権を行使しても、損害があれば、[損害賠償]の請求をすることができる! 3.売主が[引渡し]を行うまでは、買主は金銭を支払う必要はない! 4.解除原因が発生した場合でも、当事者が解除の[意思表示]をしなければ契約は解除されない! 5.一度行使した解除権は、その後[撤回]することはできない! 6.買主が[履行期]前に金銭を提供して売主に目的物の引渡しを求め、売主がこれを拒否したとし ても、買主は契約を解除することはできない! 7.買主が売主から建物を買い受け入居したが、2ヶ月後に契約が解除された場合、買主は売主に 建物を返還するとともに、2ヶ月分の使用料を[不当利得]として支払う必要がある! 8.解除により金銭を返還するには、[金銭受領]のときからの利息を付けることを要する! 9.売買契約が解除されると、売主及び買主はお互いに[原状回復義務]を負う! 10.「催告期間内に履行がない場合は改めて解除の意思表示をしなくても契約を解除できる」との [条件]があるとき、改めて解除の意思表示は必要ない! 11.解除権の行使期間を決めていない場合で、売主が買主に解除を行うか催告し、返事がないとき は、買主の[解除権]は消滅する! 12.「買主のローン不成立の時は契約を解除できる」との定めがある契約においてローンが不成立に なった場合でも、買主が解除の[意思表示]をしない限り契約は解除されない! 13.解除の当事者が複数の場合、その[全員]から、または全員に対して解除の意思表示をする必要 がある!(=解除権不可分の原則) 14.売買契約において、売主が履行期に引渡しをしない場合でも、買主は金銭を[提供]しないと契 約を解除することはできない!(=同時履行の原則) 15.買主が金銭を支払った後、売主の[過失]によりその物が滅失したときは、買主は契約を解除す ることができる!(買主は売主に対して、代金の返還、その間の利息、損害賠償を請求できる)

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16.初めに損害賠償額が予定されている場合は、それ以上の損害額を証明しても[予定額]以上の請 求はできない! 「原状回復義務」=契約前の状態に戻す義務 17.買戻し特約は、売買契約と[同時]にしなければならない! 18.買戻しの目的物は、[不動産]に限られる! 19.買戻し期間は、[10 年]を超えることはできない! (10 年を超える定めをしたときは 10 年に短縮され、定めないときは5年) 20.買戻し期間は、後日これを[伸長]することはできない! 21.買戻しの対価は、売買代金と[契約費用]を足した額以内でなければならない! 22.買戻し特約は、売買契約と同時に[登記]をすれば第三者に対抗することができる! ~ちょっと細かいですが…10 番と 12 番の違い~ 契約のときに、「これこれの事態が生じたら、意思表示無しで解除だ」と決めておいたらどうなる? → 解除条件付の契約は、催告も解除の意思表示も無しに自動的に解除の効果を生じる。 これが原則です。一方 12 番は、「解除権留保型のローン特約」と呼ばれるものです。この解除権留 保型のローン特約があっても、解除するには相手方に対する意思表示によらなければなりません。 10 番の「解除条件付き法律行為」の場合は、解除の意思には関係なく、条件成就のときよりその効 力が失われます。 つまり、「買主がローンを受けられなかったときは、この契約の効力は消滅する」という「条件」 があるときは解除の意思表示は必要なく、「買主のローンが不成立のときは契約を解除することが できる旨の定め」という「特約」がある場合は意思表示が必要となるわけです。

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1-12 手付(★★★★☆) 手付(解約手付)とは、買主・売主それぞれが、自分の都合で自由に契約を解除できるとする ために、買主が売主に、契約に際して金銭(手付金)を支払うことをいいます。 1.手付は特別の意思表示がない場合、[解約手付]と推定される! 2.代金等の弁済期前であれば、[売買契約締結後]の手付契約も有効である! 3.買主自ら履行に着手(中間金の支払い等)していても、売主が履行に着手していなければ、買 主は手付金を[放棄]して当該契約を解除することができる!(中間金は返還される) 4.売主が履行に着手していても、買主が履行に着手していなければ、売主は手付金の[倍額]を現 実に買主に提供して当該契約を解除することができる! 5.買主の債務不履行を理由に契約が解除された場合、買主は売主に違約金を支払わなくてはなら ないが、[手付金]は返還される! 6.債務不履行を理由に損害賠償を請求する場合、その額は交付した[手付]の額とは関係ない! 例)売主の責により履行不能となった場合、損害賠償額は手付の倍額である=× 7.買主が手付を放棄して契約を解除したことにより、売主が手付の額を超える損害を受けたとし ても、売主は買主に対して[損害賠償]を請求することはできない! 8.手付の額が売買契約の額に比べ[僅少]であっても、手付は有効である! まとめ 手付解除 損害賠償請求 → 手付と別に請求不可 手付金 → 買主が解除した場合は返還されない(手付放棄) 売主が解除した場合は返還される(手付倍返し) 債務不履行解除 損害賠償請求 → 手付と別に請求可 手付金 → 買主に返還される(原状回復義務)

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1-13 保証債務(★★★★★) 保証債務とは、主たる債務者が債務を履行しない場合に、その保証人に主たる債務者に代わっ て債務を履行させる義務を負わせる制度をいいます。保証・連帯保証・連帯債務と細かい知識 は問われませんので、基本的な性質と効果、それぞれの違いを覚えておいてください。 1.保証債務は、[主たる債務者]の意思に反しても締結することができる! 2.保証債務は、[主債務]が成立しなければ成立せず、主債務が消滅すれば消滅する! 3.保証債務は、[主債務]より重くてはならない!(主債務の限度を減らす) 4.保証契約は、[書面]でしなければ効力を生じない!(電磁的記録でも可) 5.保証人は、行為能力および[弁済の資力]を有する者でなければならない! (債権者が資力ない者を指名することは自由) 6.債権者が自ら保証人を指名した場合、[制限行為能力者]でも保証人となることができる! (保証人に選ぶのは自由であって、契約後に制限行為能力者となった場合は取消事由となる) 7.保証人は、その[保証債務]についてのみ、違約金または損害賠償の額を約定することができる! 8.主たる債務者が債権者に対して[反対債権]を有しているときは、保証人はそれを用いて債権者 に対抗(相殺)できる!(主債務者が保証人の反対債権を行使することは不可) 例)債務者が債権者に 600 万円の債権を有している場合、債権者が保証人に 1,000 万円の支払いを求 めてきても、600 万円の債権による相殺を主張して 400 万円を支払えばよい 9.主債務が[免除]された場合、保証債務も免除される! 10.主債務の[期限が猶予]された場合、保証債務の期限も猶予される! 11.主債務が、[履行の請求]により時効が中断した場合、保証債務も時効中断される! 12.主債務が、[債務の承認]により時効が中断した場合、保証債務も時効中断される! 13.主債務者が[時効の利益]を放棄しても、保証人が時効の利益を放棄したことにはならない! 14.主債務が[消滅]する場合を除き、保証人に生じた事由は、主債務に影響を与えない! 15.保証人は、弁済などにより債務を消滅させた場合、主債務者に対し[求償]することができる! 「時効の利益」=人は皆、時効を援用するかどうかの自由を持つ

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AがBの保証を受け、C銀行から金銭を借り受けBからマンションを購入した場合 ・ Bは自己の保証債務についてのみ、違約金または損害賠償額を約定することができる! (AがC銀行に支払うべき違約金および損害賠償とは別に) ・ C銀行がBに債務の履行を請求したとき、Bは「まずAに催告せよ」とC銀行に請求できる! (催告の抗弁権) ・ C銀行がBに債務の履行を請求したとき、Bは「まずAの財産について執行せよ」とC銀行に 請求できる! (検索の抗弁権) ・ 催告(検索)の抗弁権は保証人の権利なので、Aは「まずBに催告せよ」とは言えない! ・ C銀行がAに債務の履行を請求したときは、Aの債務の消滅時効とともに、B保証債務の消滅 時効も中断される!(主たる債務に生じた事由はそのまま保証債務にも影響する) CがBに 1,000 万円を貸し付け、AがBの保証人となった場合 ・ Aが破産したとき、CはBに保証人の変更を請求できるが、最初にC自らAを保証人に指名し たときは、変更を請求することはできない! ・ BC間の契約が成立していなかった場合、当然ながらAもCに対して保証債務を負わない! ・ AC間の保証債務締結後、BC間の合意で債務が減額された場合、保証債務もそれに応じて軽 くなる! ・ AC間の保証債務締結後、BC間の合意で債務が増額されても、Aはその増額部分については 保証債務を負わない! 保証債務と連帯保証債務の違い 主従の関係 主債務者に 対する付従性 主債務者に 対する補充性 保証人間の 分別の利益 保証債務 あり あり あり あり 連帯保証債務 あり あり なし なし 付従性:主たる債務が成立しなければ、保証債務も成立しない 主たる債務が消滅すれば、保証債務も消滅する 保証債務の内容は、主たる債務の内容よりも重くてはならない 補充性:催告の抗弁権 検索の抗弁権 分別の利益:各保証人は、主たる債務の額を保証人の頭数で割った額についてのみ保証債務 を負担すればよいとする利益

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1-14 連帯保証債務(★★★★★) 前ページでお伝えしたように、保証債務は、保証人にとってかなり優しい制度となっています。 これは債権者にとっては無意味に等しいのです。そこで実社会では、この連帯保証という制度 が多く用いられています。主たる債務者と保証人が連帯して、つまり同列で債務を保証するの です。保証債務よりも債権者が安心でき、保証人には厳しい制度です。 1.連帯保証人には、[催告・検索]の抗弁権がない! 2.連帯保証人は、複数人での共同保証においても、[債務全額]につき保証しなければならない! AがBに 1,000 万円を貸し付け、C(およびD)が連帯保証人となった場合 ・ Aは1,000 万円全額の請求をBCDいずれに対してもすることができる! ・ 連帯保証人は催告の抗弁権を持たないので、CはAに「まずBに催告せよ」とは言えない! ・ 連帯保証人は検索の抗弁権も持たないので、Bに豊富な財産があっても、CはAに「まずBの 財産について執行せよ」とは言えない! ・ 1,000 万円の請求を受けたCは「500 万円はDに請求せよ」とは言えない!(連帯保証人に分 別の利益はない) ・ 保証人について生じた事由は、弁済など主たる債務を消滅させる事由以外は、主たる債務者に 影響を及ぼさない! 例)AがCの連帯保証債務を免除してもBはその債務を免れない 主たる債務者にも効力を及ぼすもの5つ! 弁済(履行)・相殺・履行の請求・更改・混同 ・ Cが債務の承認をしても、Bの債務には影響を与えない! ・ CがAに全額弁済した場合、Cは、AがBに対して有する抵当権を、Aの承諾を得ることなく 代位行使できる! ・ CがAに 1,000 万円を弁済した場合、Cは、BとDいずれにも求償することができる! ・ AがCに対して請求の訴えを提起すると、Bの債務の消滅時効も中断する!(cf.保証債務) ・ AがBに対して請求の訴えを提起すると、Cの債務の消滅時効も中断する!(保証債務も同様) ・ AがBに対して訴訟により弁済を求めても、その訴えが却下または取り下げられたときは、時 効中断の効力は生じない! ・ B(債務者)の債務の承認により時効は中断するが、それはBが被保佐人でも同様である!

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1-15 連帯債務(★★★★★) 債務者が数人いて、債権者がその中の1人に対して債務全額の履行の請求等ができる債務を連 帯債務といいます。CD収録文章はありませんので、事例で内容を把握しておいてください。 AおよびBが、Cと、Cの所有地を買い受ける契約を締結し、連帯してCに代金を支払う債務を 負担している場合 ・ Aの債務が時効消滅した場合、BもAの負担部分について支払いを免れる! ・ CがAに期限の猶予を与えても、Bの債務については期限の猶予されない! ・ CがAに支払請求し、Cの債権の消滅時効が中断した場合、Bの債務についても中断される! ・ Aが債務承認し、Cの債権の消滅時効が中断されても、Bの債務の消滅時効は中断されない! ・ CがAの債務を免除した場合、BはAの負担部分の支払いを免れる! ・ Cが当該契約を解除する意思表示をAに対してした場合、その効力はBには及ばない! (連帯債務者全員に対して解除の意思表示をしないと契約は解除されない) 連帯債務は相対的効力(債務者の1人に生じた事由は他の債務者に影響を与えない)が原則 他の連帯債務者にも効力を及ぼすもの(絶対効)7つ! 弁済(履行)・相殺・履行の請求・更改・免除・混同・時効 (免除・時効は負担部分のみ) ・ Cは、AおよびBそれぞれに代金全額(または一部)の請求ができる! ・ AおよびBの負担額が半分ずつと定められていても、Cから全額請求された場合、A(B)は 全額を支払わなくてはならない! ・ Bの負担額を超えてCに支払ったAは、負担額を超えた額と、支払った日以後のその法定利息 分もBに求償することができる! ・ AがCに債権を有している場合、Bもこれを援用して相殺することができる! 「更改」=前の債務とは違う新しい債務を成立させること 「混同」=債権と債務が同一人に帰属すること 「絶対効」=連帯債務者の1人に生じた事由で他の債務者の債務にも影響を与えるもの 「相対効」=連帯債務者の1人に生じた事由で他の債務者の債務に影響を与えないもの

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1-16 売主の担保責任(★★★★★) 売主の担保責任とは、売買契約の目的物に問題があった場合に買主が損害を受けないよう、売 主に課せられた特別の責任をいいます。 1.建物の移転登記後に第三者の放火により建物が[半焼]した場合でも、買主は代金の全額を払わ なくてはならない! 2.建物の移転登記後に、地震により建物が[滅失]した場合でも、買主は代金の全額を払わなくて はならない!(売主が受け取った保険金から償還請求可) 3.契約締結前に建物が滅失していた場合、契約は[無効]となる! 4.売主負担で内装工事後に引き渡すことが約定されていた建物売買契約において、内装工事前に 建物が滅失した場合、売主は[代金請求]ができるが、内装工事費用を返還しなければならない。 (=損益相殺) 5.目的物に隠れた瑕疵があった場合、善意の買主は、[損害賠償請求]および[契約の解除](契約 目的が達成できないとき)をすることができる! 6.他人物売買において、売主が買主に権利を移転できなかった場合、買主は、契約を[解除]する ことができる!(善意なら損害賠償も可) 7.他人物売買であることにつき[善意だった売主]は、契約を解除することができる! (買主も善意であった場合は損害賠償を要する) 8.一部他人物売買において、売主が買主に権利を移転できなかった場合、買主は、足りない部分 の割合に応じて[代金減額請求]をすることができる!(善意なら解除、損害賠償も可) 9.目的物に抵当権が付いており、抵当権の実行により所有権を失った場合、買主は、[契約の解 除]および[損害賠償請求]をすることができる! 10.目的物に抵当権が付いていた場合、買主は、[抵当権消滅請求]の手続きが終わるまで、代金の 請求を拒むことができる! 11.目的物につき権利を主張する者がいて、目的物の全部または一部を失う危険がある場合、買主 は、その危険の限度に応じて、代金の全部または一部の[支払い]を拒むことができる! 12.目的物に借地権や借家権が設定されていた場合、善意の買主は、[損害賠償請求]および[契約 の解除](契約目的が達成できないとき)をすることができる! 13.数量指示売買において、目的物の数量が足りない場合、善意の買主は、[代金減額請求]および [損害賠償請求]、[契約の解除](数量不足なら買わなかった場合)をすることができる! 14.売主は、[悪意]で買主に告げなかった瑕疵については、責任を免れることはできない!

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AがBに 1,000 ㎡の土地について、数量を指示して売却する契約を締結した場合 ・ その土地を実測したところ 700 ㎡しかなかった場合、Bは善意なら代金減額請求ができる! ・ その土地を実測したところ、著しく面積が足りなかったときは、Bが善意ならば契約を解除で きる! ・ 実はその土地の 300 ㎡がCの所有地だったために 700 ㎡しか移転できなかった場合、Bは善意 悪意に関係なく代金減額請求ができる! 土地について、Aを売主、Bを買主とする売買契約が成立した場合 ・ その土地がCの所有であり、Cに譲渡の意思がなくても、AB間の契約は有効に成立する! ・ その土地の一部がCの所有であったため、その部分の移転ができないときは、Bは善意悪意に 関係なく代金減額請求ができるが、善意であれば、解除、損害賠償請求もできる! ・ その土地の全部がCの所有であったため、所有権を移転することができなかったときでも、B は善意でなければAに対して損害賠償請求ができない!(善意悪意に関係なく解除はできる) ・ その土地がCの所有であることを知らなかったAは、Bが悪意のときは、損害賠償もすること なく契約を解除できる! ・ その土地に抵当権が設定されていたときは、Bは善意悪意に関係なく、所有権保存登記に費や した費用をAに償還請求することができる! ・ その土地に抵当権が設定されており、抵当権実行の結果、Bが所有権を失ったときは、Bは善 意悪意に関係なく契約を解除できる! ・ 抵当権者に債務を弁済したBは、もともと抵当権の存在について善意悪意に関係なく、Aに対 して弁済額の償還と損害賠償の請求ができる! ・ その土地に隠れた瑕疵があることをAが知っていた場合には、瑕疵担保責任を負わない旨の特 約を予め締結していたとしても、Aは担保責任を負う!(Bが知ったときから1年間) ・ その土地に瑕疵があることを知らなかった善意無過失のBは、その瑕疵によって契約の目的を 達成できない場合のみ、契約を解除できる! ・ その土地に瑕疵があることを知ったBは、Aの善意悪意に関係なく、Aに対して損害賠償の請 求ができる!(瑕疵担保責任の追及は、裁判外でも可能) ・ その土地に権利を主張する者がいて、Bが権利を失うおそれがあるとき、Bは、Aが相当の担 保を提供しない限り、その危険の限度に応じて代金の支払いを拒むことができる!

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< 売主の担保責任早分かり一覧表 >

買主の態様 解除 代金減額請求 損害賠償請求 除斥期間 全部他人物 善意 悪意 ○ ○ - - ○ × なし なし 一部他人物 善意 悪意 ○(目的不達成時) × ○ ○ ○ × 知ったときから1年 契約のときから1年 数量指示 善意 悪意 ○(目的不達成時) × ○ × ○ × 知ったときから1年 - 用益的権利 善意 悪意 ○(目的不達成時) × - - ○ × 知ったときから1年 - 担保的権利 善意 悪意 ○(所有権喪失時) ○(所有権喪失時) - - ○(所有権喪失時) ○(所有権喪失時) なし なし 隠れたる瑕疵 善意無過失 悪意 ○(目的不達成時) × - - ○ × 知ったときから1年 - [これは絶対に覚える!] 1.まず、買主が悪意でも担保責任を追及できるものを覚えてください ⇒ 全部他人物の解除、一部他人物の代金減額、担保権が付いていた場合の解除と損害賠償 2.全部他人物と担保権が付いていた場合に担保責任を追及できる期間制限がないという点に注意 3.担保権が付いていた場合の「所有権喪失時」の中身に注意 ⇒ 抵当権などが実行され所有権を失った場合だけでなく、抵当権消滅請求などで買主が抵当権を消 滅させた場合にも適用される

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1-17 抵当権(★★★★★) 抵当権とは、債務者が債務を履行しない場合、目的物を競売にかけてお金に換え、そのお金か ら優先的に弁済を受けるための権利をいいます。毎年1問は出題され、問題のレベルも低くあ りません。事例も含めてしっかりと覚えてください。 1.抵当権の目的となるのは、[不動産]、[地上権]、[永小作権]である!(賃借権×) 2.抵当権を第三者に対抗するには、[登記]を要する! (抵当権の設定自体は、抵当権者と抵当権設定者の合意だけで成立します) 3.抵当権は、被担保債権がなければ[成立]せず、被担保債権がなくなれば消滅する!(付従性) 4.抵当権は、被担保債権が移転すると、それに随伴して同時に[移転]する!(随伴性) 5.抵当権は、一部の被担保債権がなくなっても[残りの目的物]に対して効力が及ぶ!(不可分性) 6.抵当権の効力は、目的物に[付加]して一体となった物、および、抵当権設定当時に存在した[従 物]にも及ぶ! 7.抵当権の効力は、その担保する債権に不履行があった場合、その後に生じた抵当不動産の[果 実]にも及ぶ! 8.抵当権者は、被担保債権から生じる利息につき、満期となった最後の[2年分]についてのみ優 先弁済を受けることができる! 9.抵当権者は、設定者および第三者が抵当目的物の価値を低下させる行為をした場合、その行為 に対して、[妨害排除請求]を行うことができる!(弁済期の前後を問わない) 10.抵当権者は、第三者が抵当目的物を不法に占拠している場合、[設定者]の妨害排除請求権を代 位行使することができる! 11.抵当権者は、他の債権者のために、自己の有する[抵当権]を担保として、抵当権に抵当権を設 定することができる!(=転抵当) 12.抵当権の順位の変更は、その[登記]をしなくては効力を生じない! (順位変更によって影響を受ける抵当権者全員の合意と、利害関係人の承諾必要) 13.抵当権設定後の対抗要件を備えていない[建物賃借人]は、抵当物件の競落人に、その賃借権を 主張することができない!(6ヶ月の明渡し猶予期間あり) 14.抵当権者全員の[同意]を得た賃貸借であり、その同意を登記したときは、賃借権を抵当権者に 対抗することができる!

参照

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