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第4章 地域別のまちづくり構想1
成瀬地域の現況と魅力・課題
1)地域の成り立ち・現状 ❶地域の成り立ち 成瀬地域は、町田市の南東部に位置し、地域の東側は横浜市に隣接しています。地形は、成瀬台 と成瀬駅付近が丘陵地となっているほか、高ヶ坂付近は台地、恩田川とその支流周辺は低地となっ ています。 かつては、地域の大部分がみどりで覆われたのどかな田園風景の見られる地域でしたが、1961 年 に市内初の一団地の住宅施設となる高ヶ坂住宅が整備されました。また、1970 年から 1990 年代に かけて、主に丘陵地で行われた土地区画整理事業などの宅地開発や、1979 年の J R横浜線成瀬駅の 開設を契機とした、民間の団地開発などによる宅地化が急速に進んだことで、地域の北側は戸建て 住宅地、南側は戸建て住宅と中層住宅が集積する今日の姿となりました。 地域のほぼ中央には恩田川が流れ、1988 年に地域の発意によって開園されたかしの木山自然公園 のほか芹ヶ谷公園、地域の東側には奈良谷戸の斜面緑地があるなど、市街化が進みつつもなお良好 な自然環境が保たれています。 ❷まちづくりの動向 土地区画整理事業を実施した地域を中心に建築協約などが定められ、住民が主体となって、良好な 住環境の維持・保全に継続的に取り組んでいます。 恩田川では河川改修により、桜並木や自転車歩行者専用道路が整備され、毎年多くの人でにぎわう 「町田さくらまつり」の会場になるなど桜の名所になっています。 また、成瀬山吹緑地が、特別緑地保全地区に指定されるなど、良好な自然環境の保全に向けた取組 みが進んでいます。 ❸人口・世帯 本地域の人口は、宅地開発などにより1975 年頃から急速に増加しましたが、近年は横ば いで、世帯数は増加しています。また、その 内訳を見ると、高齢者人口が増加し、年少人 口は横ばいの状態が続いています。これより、 世帯分離の進行や高齢者の単身世帯の増加が 見てとれます。中でも、高齢化の進行は成瀬 台で顕著になっています。 ■成瀬地域の人口・世帯数の推移 出典:住民基本台帳 各年 1 月 1 日現在141
■成瀬地域の主な出来事 ■町丁目別年少人口割合(0〜 14 歳) ■町丁目別高齢者人口割合(65 歳以上) 地域平均の年少人口割合:14% (市平均の年少人口割合:14%) 出典:住民基本台帳 2012 年 1 月 1 日現在 地域平均の高齢者人口割合:23% (市平均の高齢者人口割合:22%) 出典:住民基本台帳 2012 年 1 月 1 日現在142
第4章 地域別のまちづくり構想 2)地域の魅力・課題 ❶魅力 ●市街地に残るまとまりあるみどり • 成瀬山吹特別緑地保全地区や芹ヶ谷公園、たぬき山、か しの木山自然公園、うさぎ谷戸公園など、住宅地の中に まとまったみどりが残っています。たぬき山やかしの木 山自然公園は地域の発意によって整備され、日常的に住 民に親しまれる空間となっています。 ●恩田川沿いの潤いある水辺空間 • 恩田川沿いの桜並木は、春には両岸に満開の桜が咲き誇 る、市内でも有数のお花見スポットとなっており、地元 商店会による「恩田川桜祭り」が行われるなど、貴重な 地域資産として住民に親しまれています。また、恩田川 沿いの自転車歩行者専用道路は、潤いある水辺景観を感 じられる空間となっており、散策路やジョギングコース などとして利用されています。 ●基盤が整ったみどり豊かな戸建て住宅地 • 成瀬台や南成瀬などの土地区画整理事業により計画的に 整備された住宅地は、道路や公園などの基盤が整い、ゆ とりある敷地内のみどりが連続し、落ち着いた住宅地と なっています。 ●寺社や史跡などの地域の歴史・文化資源 • 東雲寺や杉山神社などのみどり豊かで歴史ある寺社や、 高ヶ坂石器時代遺跡や成瀬城跡などの歴史・文化資源が 点在しています。 成瀬山吹特別緑地保全地区からの眺望 恩田川沿いの桜並木 道路基盤が整った住宅地143
❷課題 ●成瀬駅周辺、成瀬台での地域の生活を支える拠点づくり • 地域の高齢化が進んでおり、その生活中心地である成瀬駅周辺や成瀬台では、高齢者の生活を支え る商業・サービス機能の充実などを図る必要があります。 ●周辺地域との連絡性の向上 • 成瀬駅方面から玉川学園方面、町田中心方面から横浜市恩田方面へ連絡する幹線道路の整備が遅れ ており、それによる住宅地内への通過交通の流入が発生しています。 ●住宅地の耐震化・防災性の向上 • 旧耐震基準で建設された木造住宅の割合が5割を超え、高齢者人口の割合が高い成瀬台などの住宅 地では、災害時に備えて耐震化の促進や地域の防災性を向上する必要があります。 ●良好な住環境や街並みを維持しつつ多世代が暮らせる住宅地づくり • 成瀬台をはじめとして早期に開発された住宅地では、高齢化が進行しているため、良好な住環境や 街並みを維持しつつ、多世代が住みつづけられるための方策の検討が必要です。144
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成瀬地域のまちづくりの構想
成瀬地域は、計画的に開発された成瀬台や南成瀬などの住宅地と高ヶ坂などの古くからある住宅地 を中心とした地域で、地域の真ん中には恩田川が流れています。 住宅地の合間に点在するまとまったみどりや高ヶ坂石器時代遺跡などの文化財、地域のシンボルで ある恩田川を保全・活用し、身近な自然や歴史文化に親しみながら暮らせるまちをめざします。 また、整備から長い年月が経過し、成熟した住宅地などでは、上記の住環境を活かしつつ生活利便・ サービス施設の適正な配置や公共交通の充実を図り、多様な世代が住みたい、住みつづけたい、戻っ てきたいと思えるまちをめざします。 さらに、住民による公共空間の管理やイベントの開催などの地域活動を通して、日常的にも災害時 にも住民同士が助け合えるような地域コミュニティを育んでいきます。 1) 地域の目標 2)テーマ別のまちづくりの方針 ❶にぎわいと交流を創出するまちづくり(拠点活性化) ア)成瀬駅周辺、成瀬台の生活中心地の育成 • 成瀬駅周辺の生活中心地では、日常生活の利便性を支える商業機能の充実や行政・サービス機 能の維持を図るとともに、自転車等駐車場などの整備により駅周辺での交通利便性を高めます。 また、町田さくらまつりの会場となる恩田川や国体の会場となる総合体育館などの地域の資源 を活かして地域の魅力を創出、発信していきます。 • 高齢化が進む成瀬台の生活中心地では、日常生活の利便性を支える商業や福祉サービス機能の 維持・充実を図ります。 イ)成瀬街道の沿道市街地の形成 • 地域の骨格となる成瀬街道(町 3・3・7)沿いでは、商業・サービス施設などが立地する利便 性の高い複合市街地を形成していきます。 ❷安全安心のまちづくり(防災・防犯) ア)隣接市や他の地域への連絡性を高める道路網の形成 • 横浜市方面へ連絡する成瀬台けやき通り(町 3・4・9)の整備や、地域の南北をつなぐ本町田 金森線(町 3・4・34)の整備を推進し、地域内外の連絡性を高めるとともに、住宅地を抜け る通過交通の流入を抑制します。 ★ ★ ★ 恩田川などの身近な自然環境や地域に残る歴史文化資源を守り育むまち 多世代が地域の魅力を感じながら快適に暮らせる、住みつづけたくなるまち 住民の交流が活発で、地域コミュニティにより安全・安心が保たれるまち :関連する<市民のまちづくりアイデア> P.150148
第4章 地域別のまちづくり構想 • さらに、成瀬台と南成瀬を結ぶ道路の整備を進め、地域内の交通利便性を高めます。 • 道路整備にあたっては、既存のみどりや恩田川などの自然環境に配慮した整備を推進します。 イ)耐震化の促進と防災性の向上 • 高齢化が進み、旧耐震基準で建設された住宅が多い成瀬台付近について、重点的・効率的に木 造住宅の耐震化を促進し、住宅地の防災性を高めます。 • 土砂崩れなどの災害の可能性のある箇所の把握・点検を呼び掛け、緊急を要する区域について は対策を講じるなど、安全性の確保を図ります。 • 成瀬クリーンセンターや汚水幹線の耐震化を進め、災害時の下水道施設の機能確保を進めます。 ウ)高ヶ坂や成瀬での住居表示などの推進 • 高ヶ坂や成瀬は、住所をわかりやすく整理し、郵便物の誤配の防止や救急車などの緊急車両が 現地へ円滑に到着できるようにするため、住居表示や町名地番整理を推進します。 エ)安全な歩行空間の充実 • 成瀬駅周辺では、バリアフリー基本構想を策定し、だれもが快適に移動できる歩行空間を確 保するなど、歩行者の安全性向上を図る方策を検討していきます。 ❸環境にやさしいまちづくり(環境先進都市) ア)環境に配慮した汚水処理対策の推進 • 成瀬クリーンセンターでは、未利用エネルギーの利活用や、設備の更新にあわせた二酸化炭素 の低減など、環境負荷低減を考慮した施設整備を推進します。 ❹自然を活かすまちづくり(みどりとの共存) ア)「成瀬みどりの拠点」での尾根の眺望景観やみどりの保全 •「成瀬みどりの拠点」では、成瀬山吹特別緑地保全地区、成瀬奈良谷戸公園を中心としたつ ながりのある尾根のみどりと眺望景観を保全します。 イ)「芹ヶ谷・かしの木山水とみどりの拠点」での市街地のまとまりあるみどりの保全 •「芹ヶ谷・かしの木山水とみどりの拠点」では、かしの木山ふるさとの森や成瀬山ふるさと の森の都市計画決定の検討により、芹ヶ谷公園から成瀬山までの市街地のまとまったみどり を維持・保全します。 ウ)恩田川沿いの快適な水辺空間づくり • 恩田川沿いの自転車歩行者専用道路での休憩スペースや広場などの設置を検討し、地域のイ ベントを開催したり、散策する際などに水辺で快適に過ごすための空間づくりを進めます。 エ)恩田川やかしの木山自然公園、高ヶ坂石器時代遺跡などを結ぶ歩行者ネットワークの形成 • 恩田川、かしの木山自然公園や芹ヶ谷公園、高ヶ坂石器時代遺跡などを結ぶ歩行者ネットワー クの形成を図り、身近な自然・歴史資源を楽しみながら巡ることができる空間としていきます。 • また、恩田川の桜や地域の特徴である街路樹がつながる景観を大切に育んでいきます。 :関連する<市民のまちづくりアイデア> P.150149
❺住みつづけたいまちづくり(住環境・コミュニティ) ア)多世代が住まう良好な住環境の保全・形成 • 成瀬台などの面的に整備された戸建て住宅地では、敷地内の緑化、街路樹の維持・管理などに より、みどり豊かな住環境を保全するとともに、住民と協働して、実態にあわせた地区計画、 建築協定、地区街づくりプランなどの活用を視野に入れ、良好で風格のある住環境を維持・保 全しつつ、多世代が住みつづけられるまちづくりを進めていきます。 • 高ヶ坂・成瀬などでは、狭あいな道路が多いため、生活道路の拡幅や、歩道の段差改善などに より、安全で快適に歩ける道路環境を形成します。 • 成瀬に残る農地や樹林地の保全、敷地内の緑化などを進め、恩田川や周辺のみどりと一体となっ た良好な住宅地づくりを推進します。 • 戸建て住宅を主体とする住宅地の幹線道路沿いでは、地域に必要な商業・サービス施設が立地 する一般住宅地の形成をめざします。 • 成瀬コミュニティセンターなどの既存施設の活用により、地域の交流拠点や保育・子育て環 境の充実を検討するなど、子どもから高齢者まで、多様な世代の人々が住みつづけられるまち をめざします。 イ)高ヶ坂住宅の良好な住環境の保全 • 建設後長期間を経た高ヶ坂住宅では、関係機関に働きかけながら、居住者の需要を踏まえた施 設の修繕や改修などの適切な対応を推進し、周辺の戸建て住宅地と調和した、みどり豊かで良 好な住環境を保全していきます。 ウ)公共交通の維持・充実 • 交通不便地域においては、だれもが不便なく移動・生活できるまちとするために、コミュニティ バスなどの公共交通の充実を住民とともに検討していきます。 エ)成瀬コミュニティセンターの更新や市有地の活用などによる交流の場の創出 • 成瀬コミュニティセンターの更新や高ヶ坂の都営住宅跡地などの市有地の活用により、地域の 活動を支える場や地域内外の人々の交流を促進する場を創出していきます。 オ)公共空間の管理などによるコミュニティ活動の推進 • 住民による公園や空き地などの管理、イベントの実施、町内会・自治会をはじめとする地域活 動の主体間の連携などについて検討し、地域コミュニティの活発化を図ります。 :関連する<市民のまちづくりアイデア> P.150150
第4章 地域別のまちづくり構想 自転車を中心にしたまちづくりを進められないか。 既存の緑地などを活用しつつ、 少しずつみどりを広げてはどうか。 良好な住環境を維持しつつ、 子育て世代が住みやすいまちづくりを進めてはどうか。 多様な世代が参加しやすいイベントや、 テーマ型コミュニティ活動への参加を促進してはどうか。 例えば… *母親が幼児を乗せて走っても安全な自転車専用レーンの整備を進める。 *レンタサイクルの活用、電動自転車の活用などを進める。 例えば… *市民によるみどりを増やす・守る活動に対して、必ずしも助成金や税制の優遇などではない、 市の支援の仕組みづくりを進める。 例えば… *成瀬地域の特徴である良好な街並みを守っていく。 *子育て世代も入居できる敷地規模の検証や、高齢者が子育てを支援する仕組みの検討をする。 例えば… *公園などの公共空間のガーデニングや環境保全活動を促進し、参加者を募ることで、地域の コミュニティ活動を活発化する。 *テーマ型活動の周知・広報活動を充実し、町内会・自治会の活動との協調を図る。 P.147 関連する方針: P.148 関連する方針: P.149 関連する方針: P.149 関連する方針:みんなで考えよう
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ここでは、「まちづくり検討会」で提案された市民意見の中で、今後、市民・事業者・市などがま ちづくりに取り組む際に参考となるアイデアを掲載しています。<市民のまちづくりアイデア>
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3)ゾーン別の方向性 ここでは、土地利用、市街地開発の経緯、生活行動範囲などを踏まえて、地域内の類似する特性 を持つ範囲をゾーンとして設定し、それぞれのまちづくりの方向性を示します。 ●ゾーンの設定とまちづくりの方向性 • 成瀬街道北側に位置し住宅地が広がる成瀬・成瀬台ゾーン、恩田川と芹ヶ谷公園の間に位置 し住宅地が広がる高ヶ坂ゾーン、成瀬駅北側に住宅地が広がる南成瀬ゾーンの方向性を示しま す。 ■ゾーン図 ゾーン まちづくりの方向性 成瀬・成瀬台 ゾーン 周辺エリアの日常生活の利便性を支える成瀬台の生活中心地の形成。 尾根沿いなどのみどりを保全し、みどり豊かでゆとりがある良好な住環境を形成。 高ヶ坂 ゾーン 道路などの生活基盤を整備するとともに、身近な水とみどりに親しめる良好な住環境 を形成。 南成瀬 ゾーン 成瀬駅東口を中心に日常生活の利便性を高め、にぎわいある生活中心地を形成。 駅近の利便性を活かした良好な住環境の形成。152
第4章 地域別のまちづくり構想 4)市民が主体に進めるまちづくり ここでは、実際に行われている市民活動を踏まえて、今後考えられる市民が主体となって進めるま ちづくりの例を示します。 ●民有地の緑地の維持・保全活動によるまちなかのみどりの活用 • 住民の憩いの場であるたぬき山の冒険遊び場は、住民が民有地である緑地を維持管理・運営 することで成り立ってきました。このような取組みを広げ、市街地に点在するみどりを住民 が手を掛けて育みながら、日常的にみどりを感じられるまちづくりを進めていくことが考え られます。 ●住民によるコミュニティバスの維持・導入 • 現在、成瀬地域には成瀬台と玉川学園前駅を結ぶコミュニティバスが走行しています。この 路線を維持するために、引き続きPR活動などを実施すると同時に、地域内の交通不便地域 の精査により、新たなコミュニティバスの運行ルートの設定など、よりきめ細かに住民の生 活を支える交通手段の検討を進めることが考えられます。 ●高齢化が進む住宅地での住みつづけられるまちづくり • 成瀬台などの計画的に開発された戸建て住宅地では、居住者の高齢化の傾向がみられるため、 高齢者の見守りや買物の代行などの仕組みを充実し、地域で支え合い安心して住みつづけら れるまちづくりをさらに進めていくことが考えられます。 ●住民・地権者などによる地域の価値の維持・向上に向けた取組み • 土地区画整理事業で開発された住宅地である成瀬三丁目周辺のしあわせ野地区では、住宅需 要の変化などにより、集合住宅に空き家や空き地ができている状況です。建物の更新時期を 迎える前に、今後の社会状況の変化や土地利用の可能性を踏まえて、住民や地権者が集まり 良好な環境を維持しながら、これからの時代にあわせたまちづくりのルールの見直しについ て検討を進めています。今後もこうした取組みで築いたつながりを継続しながら、地域の価 値の維持、向上に取り組んでいくことなどが考えられます。153
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第4章 地域別のまちづくり構想1
南地域の現況と魅力・課題
1)地域の成り立ち・現状 ❶地域の成り立ち 南地域は、町田市の南端に位置し、そのほとんどが横浜市、大和市、相模原市に接している地域です。 1950 年代までは、町田街道の沿道やその西側の台地に集落がみられるだけでしたが、1960 年代 半ば以降の東急田園都市線の開通に伴って、町田街道東側の丘陵地で土地区画整理事業が行われ、 宅地化が進められました。 地域南部では、1965 年から 1968 年にかけて、国道 246 号線や東名高速道路のインターチェン ジが整備され、それ以降に工業施設や倉庫などの物流施設が集積してきました。 2000 年には、南町田駅南側に大規模な商業施設が建設され、にぎわい・交流の拠点として、住民 のみならず広域からの来街者を含む多くの人々に親しまれています。 ❷まちづくりの動向 土地区画整理事業を実施した地域を中心に、建築協定や建築協約が定められ、住民が主体となって まちづくりが進められています。特に、つくし野三丁目地区や、小田急金森泉地区では、町田市住み よい街づくり条例に基づく地区街づくり団体が立ち上がり、住環境の保全に向けた取組みなどを進め ています。また、街づくり市民団体である「NPO法人境川緑のルネッサンス」が、境川の環境美化 を進めています。 近年、金森付近では生産緑地などが宅地へ、鶴間・小川などでは準工業地域の工場や倉庫の跡地 がマンションなどへと土地利用の転換が進んでいます。 また、国道 16 号線の慢性的な渋滞の解消に向けて、国道 16 号町田立体(町 1・4・1)の立体化 事業が進んでいます。 ❸人口・世帯 本地域の人口は、1960 年代半ばから 1990 年代にかけて急速に増加し、その後も微増を つづけており、世帯数も一貫して増加を続け ています。人口割合の内訳を見ると、生産年 齢人口と年少人口は減少に転じ、高齢者人口 が増加しています。特に、つくし野など早期 に土地区画整理事業が実施された地域では高 齢化の進行が顕著になっています。一方、後 発して土地区画整理事業が実施された南町田 駅周辺や工場跡地などでのマンション開発の 進む鶴間地域において、子育て世帯の定住に よる人口の増加が進んでいます。 ■南地域の人口・世帯数の推移 出典:住民基本台帳 各年 1 月 1 日現在 ※町丁目の一部の人口・世帯数は、面積按分で算出成瀬が丘 1~3丁目 金森1~7丁目 金森東1~4丁目 小川1~4丁目 つくし野1~4丁目 南つくし野 1~4丁目 小川 鶴間 鶴間 1~3丁目 東名高速道路 国道 246 号線 国道 16号線 東 急 田園都市 線 長津田駅 成瀬駅 つくし野駅 横浜市 すずかけ台駅 南町田駅 つきみ野駅 JR横浜線 つくし野3丁目自治会 街づくりを考える会 NPO 法人 境川緑のルネッサンス 小田急金森泉自治会 街づくりを考える会 大和市 相模原市 横浜町田IC 境川 1979 年 JR 横浜線 成瀬駅開設 1960 年代半ば~ 80 年代 土地区画整理事業による 計画的な住宅地整備 1968 年 東急田園都市線 つくし野駅開設 2000 年 南町田駅南側に 大規模商業施設開店 1965 ~ 1968 年 国道 246 号線、 東名高速自動車道、 横浜町田インターが開設 1972 年 東急田園都市線 すずかけ台駅開設 国道 16 号線 立体化事業を実施中 1976 年 東急田園都市線 南町田駅開設 1000m 500 0
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■南地域の主な出来事 ■町丁目別年少人口割合(0〜 14 歳) ■町丁目別高齢者人口割合(65 歳以上) 地域平均の年少人口割合:14%(市平均の年少人口割合:14%) 出典:住民基本台帳 2012 年 1 月 1 日現在 地域平均の高齢者人口割合:22% ( 市平均の高齢者人口割合:22%) 出典:住民基本台帳 2012 年 1 月 1 日現在 ※ 2012 年 10 月 8 日より金森地区は住所整理の実施により、「金森一丁目」が拡大され、「金森二丁目~七丁目、金森東一丁目~四丁目」 が新設されました。実施区域は、金森の全部、高ヶ坂、小川、鶴間、及び原町田二丁目の各一部です。158
第4章 地域別のまちづくり構想 2)地域の魅力・課題 ❶魅力 ●市内外から人が集まる南町田駅前周辺 • 南町田駅周辺は、駅の南側に大規模商業施設が立地し、 市内外から多くの人でにぎわっています。 ●複数の鉄道駅と広域的な幹線道路による高い交通利便性 • 地域内には東急田園都市線とJR横浜線の 2 本の鉄道網 と4つの鉄道駅があり、また、地域南部には、東名高速 道路の横浜町田インターチェンジや国道 16 号(町 3・2 ・1)、国道 246 号(町 3・2・2)などの幹線道路がある など、広域的な交通利便性が高い地域です。 • このような交通環境を背景として、横浜町田インター チェンジ周辺や町田街道(町 3・4・31)沿いには、工 場や倉庫・運輸関係施設などとともに大型店舗の立地が みられます。 ●公園や生産緑地などの身近に親しめる水とみどり • 地域内には、鶴間公園やつくし野セントラルパーク、松 葉谷戸公園、西田スポーツ広場などの地域のシンボルと なる公園や広場があります。また、鶴間公園と境川、横 浜水道道路などは、身近な水とみどりに親しみながら散 策できる空間となっています。 • 金森地区を中心に生産緑地をはじめ市街地内の農地や樹 林地が多くあり、市街地の貴重なオープンスペースと なっています。 ●みどり豊かで閑静な低層住宅地 • 東急田園都市線沿線での土地区画整理事業により計画的 につくられたつくし野や南つくし野、小川などの住宅地 では、風格のある低層住宅地が広がっています。 • また、つくし野では街路樹の桜並木と一体となった落ち 着きある住宅地を形成しています。 人々でにぎわう南町田駅前 鶴間公園内の横浜水道道路 南つくし野の閑静な住宅地159
❷課題 ●南町田駅周辺のさらなる魅力づくり • 広域的な交通利便性が高い地域にもかかわらず、駅前の商業施設以外の魅力が創出できていないた め、既存の資源の活用や都市機能の集積による副次核としてのさらなる魅力づくりが必要です。 • 交通広場が無く、自家用車などの利用が不便なため、駅前の交通利便性の向上が必要です。 • 線路や国道 16 号(町3・2・1)により、地域が分断されている状況にあるため、南北方向のア クセスの改善が必要です。 ●住工が混在する地域での工場などの操業環境の改善 • 近年、横浜町田インターチェンジ周辺や町田街道(町 3・4・31)沿いでは、工場や倉庫などから マンションへの土地利用転換により、住工用途が混在し、工場の操業環境が悪化する傾向にありま す。このため住宅と工場が共存できる環境づくりが必要です。 ●広域的な幹線道路につながる道路での慢性的な渋滞の改善 • 国道 16 号町田立体(町1・4・1)及び国道 16 号(町3・2・1)や国道 246 号(町3・2・2) などの広域的な幹線道路につながる道路整備が完了していないため、町田街道(町 3・4・31)な どで慢性的に渋滞が発生しています。 ●多世代が住みつづけられる住環境づくり • つくし野などの早期に開発された住宅地では、高齢化が進行しており、多世代が住みつづけられる ための方策の検討が必要です。 • つくし野駅周辺では、商店街に空き店舗が目立つなど、買い物や病院など日常生活を支える利便施 設が不足しています。 • すずかけ台駅周辺では、最寄品を扱う商店や保育所などが少ないため、マンションの立地により増 加した、子育て世帯などの生活を支える施設の立地が必要です。160
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3)市民からの意見 まちづくり検討会などで整理した、地域の特性に関する意見です。 ■市民が考える地域の特性図
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南地域のまちづくりの構想
南地域は、にぎわいある南町田駅周辺を核として、広域的な道路網を活かした産業機能が集積する とともに、戸建て住宅や中高層住宅など多様な住宅地が広がる地域です。 南町田駅周辺は地域のにぎわいの中心であるとともに、横浜市、大和市など市外も含めた市南部一 帯の商業拠点となっています。周辺には境川や鶴間公園などの魅力ある自然環境があり、これと一体 となったにぎわいづくりにより、住民と来街者の交流が生まれる副次核の形成をめざします。 また、道路や公園などの基盤が整い、みどり豊かで風格のある住宅地においては、これを継承する とともに、境川やその周辺のまとまった樹林地や農地などの地域のみどりと住宅地のみどりを結び、 身近な水とみどりをめぐり親しみながら、健康的に住みつづけられるまちをめざします。 さらに、東名高速道路や国道 16 号線などの周辺においては広域的な交通利便性を活かし、周辺の 大学や事業者などと連携し、新たな産業の立地を誘導する検討や周辺の住宅地と産業が共存していく まちを考えていきます。 1) 地域の目標 2)テーマ別のまちづくりの方針 ❶にぎわいと交流を創出するまちづくり(拠点活性化) ア)広域的な商業機能を中心としたにぎわいと交流が生まれる副次核の形成 • 南町田駅周辺は、市南部一帯の拠点として、交通の利便性や駅に隣接する商業施設の立地など を活かして、さらなる商業機能の集積や良質な都市型住宅の誘導を図るとともに、文化・交流 機能の立地誘導を推進し、にぎわいと交流が生まれる副次核を形成していきます。 • また、南町田駅北口の交通広場や自転車等駐車場の整備、国道 16 号町田立体(町1・4・1) 及び国道 16 号(町3・2・1)を南北に横断し駅につながる地下道や駅の南北をつなげる自 由通路の整備などにより、駅前の交通利便性の向上と駅周辺の安全なアクセス路の確保を図っ ていきます。 • 境川や鶴間公園などの周辺の自然資源と商業地とのつながりを強化し、潤いを感じる楽しい まちづくりを進めます。 イ)成瀬、つくし野、すずかけ台の各駅周辺、金森の生活中心地の育成 • 成瀬、つくし野、すずかけ台の各駅周辺や金森周辺は、生活中心地として歩いて暮らせるコン パクトなまちの中心となるよう、それぞれの地域特性を活かしながら、生活の利便性を向上さ ★ ★ ★ 南の玄関口である副次核を中心に、にぎわい・交流が生まれるまち 良好な住環境を継承しながら、身近な水とみどりに親しみ健康的に住みつづけられるまち 広域的な交通利便性を活かして新たな産業をよびこみ、産業と暮らしが共存できるまち :関連する<市民のまちづくりアイデア> P.166164
第4章 地域別のまちづくり構想 せるような機能の充実を検討します。 • 成瀬駅南口周辺では、日常生活の利便性を支える商業機能の維持・充実を図ります。 • つくし野駅周辺では、つくし野コミュニティセンターを中心とした地域の交流機能の維持と 空き店舗が増えている商店街などの身近な商業機能の活性化や、医療・福祉施設の誘導を図り ます。 • また、すずかけ台駅周辺では、不足する生活利便施設や保育所など、子育てを支援するサー ビス施設の立地誘導を検討します。 • 金森では、町田街道(町 3・4・31)沿道の商業機能や南市民センターを中心とした交流機能 の維持・充実を図ります。 ウ)横浜町田インターチェンジ周辺の流通・業務機能を主体とした産業市街地の形成 • 横浜町田インターチェンジ周辺については、広域的な交通拠点という特性を活かして、流通・ 業務機能の集積を図りながら、産業市街地を形成していきます。 エ)鶴間、小川などでの産業機能の誘導 • 鶴間、小川などの住宅と産業施設が共存する場所では、周辺の大学や事業者と連携した新しい 産業の立地誘導の検討や、周辺環境との調和に配慮した都市型産業機能の導入・定着をめざし ます。 オ)町田街道などでの周辺環境に配慮した沿道市街地の形成 • 町田バイパス(町 3・3・36)や町田街道(町 3・4・31)などの都市計画道路の沿道では、周 辺の住宅地に配慮しながら、産業、商業・サービス施設と住宅が共存する複合市街地の形成を 誘導します。 ❷安全安心のまちづくり(防災・防犯) ア)国道 16 号線、国道 246 号線や東名高速道路と連絡する骨格的な道路網の形成 • 国道 16 号町田立体(町1・4・1)及び国道 16 号(町3・2・1)、国道 246 号(町3・2・2) や東名高速道路とのつながりを重視し、町田街道(町 3・4・31)や藤沢街道(町 3・4・37)、 町田バイパス(町 3・3・36)などの都市計画道路の整備を継続して推進し、通過交通の流入 抑制と、町田駅方面、横浜市方面への連絡性を高めます。 イ)防災機能を担う場づくり • 公共の敷地や民間施設などの活用による防災機能を担う空間づくりを検討し、地域の防災性を 高めます。 ウ)歩行環境の安全性確保 • 南町田駅周辺などでバリアフリー基本構想を策定するとともに、幅員の狭い道路の歩道整備な どにより、歩行環境の安全性を確保します。 エ)つくし野での浸水対策及び下水道管の延命化 • つくし野地区において雨水管渠の整備を進め、大雨の際の浸水対策を進めていきます。 • 汚水管の敷設年度の古いつくし野地区では、損傷確認調査を進め、損傷部分の改築更新にあわ せて汚水管の耐震性の向上、延命化を図ります。 ❸環境にやさしいまちづくり(環境先進都市) ア)鶴間、小川などでの工場と住宅が共存する環境づくり165
• 準工業地域などの産業と住居が共存する地域では、工場などの操業環境に配慮するために住宅 の緑化を図るなど、工場と住宅が共存する環境づくりを検討します。 ❹自然を活かすまちづくり(みどりとの共存) ア)金森と鶴間の「水とみどりの拠点」の形成 • 金森峯山特別緑地保全地区、西田スポーツ広場とその周辺の生産緑地からなる「金森水とみ どりの拠点」は、市民のレクリエーションや防災上の観点から重要な拠点となっています。 緑地の保全や生産緑地の活用を進めつつ、(仮称)西田公園を整備し、市民の憩いの空間を 確保していきます。 • 鶴間公園や鶴間第2スポーツ広場、境川の水辺環境からなる「鶴間水とみどりの拠点」では、 隣接する商業・業務地と連携しながら市民のレクリエーションの場を確保するとともに、水 辺を中心とした市民のふれあいと情報発信の場となる拠点をめざします。 イ)公園・緑地などの保全・活用 • 樹林地や農地の保全や緑化の充実を図りながら、住民が主体となった美しい街並みやみどり の維持管理を推進し、みどり豊かで良好な住宅地づくりを進めます。 • 旧河川敷などの有効利用について検討するなど、新たなみどりの創出をめざします。 ウ)境川沿いの潤いある水辺空間づくり • 境川沿いのまとまった樹林地や農地などの保全、公園の整備、河川沿い宅地の緑化、散策路 の整備などにより、潤いある水辺空間を推進します。 • 境川沿いを身近な水とみどりに親しみながら散策できる安全な道(境川ゆっくりロード)と していきます。 エ)地域資源をつなぐ歩行者ネットワークの形成 • 河川沿いの自転車歩行者専用道路や横浜水道道路などをつないで、金森や鶴間の「水とみどり の拠点」、南町田駅周辺、境川などの地域の資源を回遊できる、みどり豊かで安全な歩行者ネッ トワークの形成を図り、多世代が散歩やジョギングなど健康づくりをしながら憩える空間とし ていきます。 • つくし野の高樹齢化した街路樹を計画的に剪定・植え替えし、将来にわたって地域のシンボ ルとなる桜並木などを継承します。 ❺住みつづけたいまちづくり(住環境・コミュニティ) ア)多世代が住まう良好な住環境の保全・形成 • 土地区画整理事業等で計画的に整備された住宅地では、住環境の保全を通して培ってきたコ ミュニティを活かし、実態に合わせた地区計画、建築協定、地区街づくりプランなどの活用に ついて検討し、良好で風格ある住環境を維持・保全しつつ、多世代が住みつづけられるまちと していきます。 • 狭あいな道路が多い金森や鶴間などでは、生活道路の拡幅などにより、安全で快適に歩ける道 路環境を確保します。 • 戸建て住宅を主体とする住宅地の幹線道路沿いでは、地域に必要な商業・サービス施設が立地 する一般住宅地の形成を誘導していきます。 • 金森保育園に地域の子育て相談センターを設置するなど既存施設の活用などによって、保育・ :関連する<市民のまちづくりアイデア> P.166166
第4章 地域別のまちづくり構想 子育て環境や地域の交流拠点の充実を図り、子育て世帯など多様な世代の人々が住みつづけら れる環境づくりを進めます。 イ)公共交通の維持・充実 • 交通不便地域においては、コミュニティバスなどの公共交通の充実を住民とともに検討し、だ れもが不便なく移動・生活できるまちをめざします。 世代交代が円滑に進むように、 若い世代が住める工夫をできないか。 来街者にわかりやすいように、 地域の資源をアピールしてはどうか。 生活圏単位でのまちづくりを進めてはどうか。 例えば… *地域の高齢者が、親に代わって子どもたちの面倒をみる場づくり。 *戸建エリアと低層集合住宅を許容するエリアに分け、親子が近居しながら住み替えできるよう にする。 例えば… *駅前に、道路や公園、河川などの場所や歴史を紹介する案内標識を立てる。 *境川沿いの散歩道をボランティアやNPOなどが案内する。 例えば… *空き家や空き地を地域交流の空間に活用する。 *住宅地でも生活利便施設やコミュニティ施設などを一定程度建築できるように工夫をする。 P.165 関連する方針: P.165 関連する方針:みんなで考えよう
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ここでは、「まちづくり検討会」で提案された市民意見の中で、今後、市民・事業者・市などがま ちづくりに取り組む際に参考となるアイデアを掲載しています。<市民のまちづくりアイデア>
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3)ゾーン別の方向性 ここでは、土地利用、市街地開発の経緯、生活行動範囲などを踏まえて、地域内の類似する特性 を持つ範囲をゾーンとして設定し、それぞれのまちづくりの方向性を示します。 ●ゾーンの設定とまちづくりの方向性 • 成瀬駅の南側に位置し住宅地が広がる成瀬が丘・小川ゾーン、つくし野駅とすずかけ台駅を中 心に田園都市線沿いに住宅地が広がるつくし野・南つくし野ゾーン、町田街道を軸に商業地が あり、後背地に住宅地が広がる金森ゾーン、南町田駅周辺の商業地や横浜町田インターチェン ジ周辺の業務地を中心に住宅地が広がる鶴間ゾーンの方向性を示します。 ■ゾーン図 ゾーン まちづくりの方向性 成瀬が丘・小川 ゾーン 成瀬駅南口を中心に日常生活の利便性を支えるにぎわいある生活中心地の形成。 駅近の利便性を活かした良好な住環境の形成。 つくし野・ 南つくし野 ゾーン つくし野駅、すずかけ台駅を中心に日常生活の利便性を支え、多様な世代の交流が生 まれる生活中心地の形成。 駅近の利便性を活かしたみどり豊かで良好な住環境の形成。 金森 ゾーン 町田街道沿道の商業施設や公共公益施設を中心ににぎわいや交流が生まれる生活中心 地の形成。 点在する農地や樹林地などのみどりを活かした良好な住環境の形成。 鶴間 ゾーン 広域的商業機能を中心ににぎわいと交流が生まれる副次核の形成。 駅近の利便性や点在する農地を活かした良好な住環境の形成。 工場と住宅が共存する環境づくりとインターチェンジ周辺の流通・業務機能を主体と した産業市街地の形成。168
第4章 地域別のまちづくり構想 4)市民が主体に進めるまちづくり ここでは、実際に行われている市民活動を踏まえて、今後考えられる市民が主体となって進めるま ちづくりの例を示します。 ●他地域のモデルとなる地域ぐるみの安全・安心のまちづくり • 南地域では、東京防災隣組にも認定された南町田自主防災組織をはじめ、防災や防犯に対す る活動が活発です。こうした活動をさらに発展させ、他地区のモデルとなるような先駆的な 取組みを行いながら、住民の多くが防災や防犯に対する関心を深め、地域ぐるみで安全・ 安心なまちづくりを進めていくことが考えられます。 ●持続可能な戸建て住宅地のまちづくり • つくし野や小川など計画的に開発された戸建て住宅地では、建築協定や建築協約などの地域 のまちづくりルールに基づき、ゆとりある住環境が維持されてきました。開発から数十年が 経過し、居住者の年齢構成や社会状況も変化しています。これまでの住環境を保ちながらも、 地域のルールのあり方についてあらためて話し合うなど、住民が主体となって持続可能なま ちづくりを進めていくことが考えられます。 • また、居住者の高齢化が顕著になっているため、地域が主体となって高齢者の見守りの仕 組みを整えるなど、地域で支え合い、安心して住みつづけられるまちづくりに取り組むこ とが考えられます。 市民が主体となって進められてきた街づくり活動 (地区街づくり団体、街づくり市民団体) ○つくし野三丁目地域でのまちづくり • •「つくし野三丁目自治会街づくりを考える会」が中心となって、街並みを維持保全し、豊かで活き活き とした安全な生活環境を実現するため、地区住民全体の合意を図りつつ具体的な街づくり計画の立案 に向けて活動している。2011 年 3 月に地区街づくりプラン(目標・方針)を策定。 ○小田急金森泉地区でのまちづくり • •「小田急金森泉自治会街づくりを考える会」が中心となって、現在、そして未来のまちにとって必要な「新 しい街づくりのルール」の策定をめざして活動している。 ○境川周辺でのまちづくり • •「NPO法人•境川緑のルネッサンス」が中心となって、地域を流れる境川の環境美化と “ ふるさと再生 ” をめざし、河川環境づくり(「境川鶴間せせらぎ広場」の維持管理及び地域の森林緑地保全の働きかけ)、 快適なまちづくり(地域のまちづくり構想の提案、河川清掃及びアダプト・ア・ロード活動)、民俗や 歴史学習(地域文化や歴史を地域の方々と学ぶ、散策会の定期開催)などを実施。発 行 日 2011 年(平成 23 年)6 月 移行版 2013 年(平成 25 年)6 月 初版 発 行 者 町田市 〒 194-8520 町田市森野 2-2-22 電話 042-722-3111 刊行物番号 11 -•9 編 集 町田市都市づくり部都市政策課 印 刷 コムネッツ株式会社 町田市都市計画マスタープラン《 地域別構想編 》 2013年改定