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化学工学実験 I

工業物理化学実験テキスト

(2)

1 目 次 頁 1 実験を始めるにあたって 3 2 実験実施要項 4 2. 1 実験担当 4 2. 2 実験日時 4 2. 3 実験場所 4 2. 4 実験に際し持参するもの 4 2. 5 実験開始前日までの用意(予備学習) 4 2. 6 実験日の出欠について 4 2. 7 実験報告書の提出について 5 2. 8 実験実施上の注意 5 2. 9 実験報告書、実験ノート 5 3. 吸着 8 3.1 はじめに 8 3.2 吸着操作 8 3.3 実験目的 10 3.4 実験方法 10 3.5 実験結果のまとめ方 14 3.6 エクセルによる吸着データの整理法 16 3.7 実験結果の考察方法 17 3.8 Langmuir の等温吸着式による相関 22 3.9 Freundlich の等温吸着式による相関 26 3.10 吸着等温線とは 29 3.11 吸着等温式 30 3.12 活性炭の批評面積の計算 36 4. 粘度・密度測定 37 4.1 はじめに 37 4.2 低分子溶液の粘度 37 4.3 密度測定 39 4.4 高分子溶液の粘度 41 5. 植物からの DNA の抽出 44 5.1 はじめに 44 5.2 試薬および器具 44 5.3 実験方法 44 5.4 電気泳動装置による DNA の観察 44 5.5 電気泳動装置の原理 45 5.6 制限酵素とは 46 6. 染色 48 6.1 はじめに 48

(3)

2 6.2 試薬および使用器具 48 6.3 実験方法 48 7. ガスクロマトグラフ質量分析計による茶葉中の カフェインの分析染色 50 7.1 はじめに 50 7.2 原理および装置 50 7.3 実験サンプルの設置と GCMS 装置の操作方法 53 7.4 マススペクトルによる物質の構造解析 54 付表 最小二乗法 56

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1. 実験を始めるにあたって

工業物理化学実験の重要性 化学工学では、蒸留、抽出、調湿、乾燥、吸着、粉砕、ろ過、機械的分離(遠心力、重力)、 混合、撹拌などの単位操作が中心であるが、それらの分離および混合操作は、すべて物理化 学の原理に基づいて行われる。物理化学は、単位操作の基礎となる学問である。3年後期に 行われる化学工学実験Ⅱ、4年次の卒業研究および就職後の生活においても、工業物理化学 実験の経験が役に立つ。したがって、2年前期に工業物理化学実験として、物理化学に接し 馴染むことの意義は大きい。 また、ケミカルエンジニアは、大量の混合物を扱い、各単位操作を統合して系全体のプロ セスを設計・操作しなければならない。大量の混合物を扱うためには、より正確な温度、圧 力、流量、組成の制御が必要となる。これらに関する測定の基礎技術を拾得することは、有 意義である。工業物理化学実験を通じて、ケミカルエンジニアとしての基礎力を養われたい。 講義および化学工学実験Ⅱとの関係 工業物理化学実験は、3年後期の化学工学実験Ⅱと密接な関係にある。また、個々の実験 に関わる理論については、既に講義されているものもあるが、3年前・後期に講義されるも のもある。大学での学習は、高校までの受動的なものと異なり、自主的なものである。この 機会に、おおいに独創性を養われたい。 工業物理化学実験は、一年次において受講した基礎物理化学、化学工学計算法およびその 他の基礎的な知識、今までの実験的経験および予備学習をもとに、安全かつ円滑に実験を進 めてもらいたい。

(5)

2. 実験実施要項

本指針書の実験(工業物理化学実験)は、配布の実験日程にしたがって行います。 2.1 実験担当 化学システム工学科 三島健司 松山清 2.2 実験日時 火曜日 : 4 限・5 限 金曜日 : 4 限・5 限 2.3 実験場所 617 実験室(6 号館 1 階西側)の所定の実験台で実験を行います。 2.4 実験に際し持参するもの 工業物理化学実験指針書、レポート提出用のレポート用紙(A4サイズ)、実験ノート(形 式は自由です。)、グラフ用紙(A4方眼紙)、筆記具(自在定規、テンプレートなども含む)、 計算用具(関数電卓)、白衣(清潔なもの)、名札。 実験に必要な物品以外の物(バッグ,衣服など)は所定のロッカーに納め、白衣を必ず着 用する。実験に必要なものだけをもって実験室に入る。退出の際、忘れ物がないことを確認 する。 注) 実験ノートは、実験中に指導担当者がチェックするので指示に従うこと。 また、物品にはすべて氏名、学籍番号を記入し紛失を避ける。 2.5 実験開始前日までの用意(予備学習) 実験を行う前にその内容を熟知しておくことは、事故の防止、円滑な実験、内容に対する より深い理解などの観点からきわめて重要です。 1)指針書を熟読する。 2)実験開始前に既に記述できることがら(目的、実験方法、実験結果を記入するデータシ ートなど)を実験ノートおよびレポート用紙に事前に記入しておく。実験終了時から提 出までの期間が短いので、問題点に関する質問は、早期に行う。 3)持参すべき物品の確認をする。 2.6 実験日の出欠について 出欠のチェックは時限開始直後と時限終了時(実験終了時)の2 回を行う。「2 回目のチェ ック時に不在の者」は当日を「欠席扱い」となります。遅刻者は必ず指導担当者に報告する。 遅刻および欠席は、減点の対象となるので注意する。実験時間中の「不在が著しいとき」は 当日を「欠席扱い」とする。 2.7 実験報告書(レポート)の提出について 1)提出期限:各実験報告書提出の締切日は「実験終了日より 7 日後(15 時まで)」です。 例えば、1 テーマについて火曜、金曜と実験を行った場合、翌週の木曜日の午後 3 時まで に提出してください。金曜、火曜と実験を行った場合は、翌週の月曜日の午後3 時までの 提出です。提出期限(締切の日時)に遅れた報告書は受理しないので注意して下さい。 2)再提出:報告書の記載およびその内容によっては「再提出」を指示される場合がありま す。再提出の提出締切日は、「返却日を含めてその日より7 日後(15 時まで)」です。提出

(6)

5 期限(締切の日時)に遅れた報告書は受理しない。 2.8 実験実施上の注意 1)実験時間中は白衣着用、履物は靴とする(サンダル類は不可)。また、白衣のボタンはか ならずとめ、袖などもしっかりとめる。器具に袖などをひっかけて、事故を起こすことの ないように事前に注意する。 2)試薬・機器具については、使用目的を指導担当者に報告のうえ受け取る。返却時の報告 も確実におこなう。 3)計測機器具などの使用(操作)は「取扱説明書」にしたがって行う。 4)機器具類の保管は班(グループ)全員でこれにあたる。破損または紛失したときは指導 担当者に口頭で報告して下さい。実験終了時には、各物品と実験台の整理整頓を行い指導 担当者の確認を受けて下さい。 5)脱塩水製造装置(イオン交換)の使用に際しては、指導担当者の指示を受ける。 6)ガラス器具の洗浄法: a)ガラス器具は、水道水で予洗の後クレンザーで十分に汚れを落とし再び水道水で良くす すぐ。ただし、ガラス体積秤量器はこの限りにあらず下記のbの方法による。洗浄の終了 はガラスの表面が一様に水膜で濡れていることにより判定する。その後イオン交換水ある いは蒸留純水で最低3回以上すすぎ加熱乾燥あるいは風乾させる。乾燥後は、所定の場所 に器具を返還する。 b)ガラス体積秤量器は水道水で予洗の後、洗浄槽に一昼夜浸漬し、その後、水道水で十分 すすぐ。以後は a の場合と同様であるが、乾燥に関しては風乾とし加熱乾燥は絶対に行っ てはならない。 7)プラスチック製器具の洗浄法: プラスチック製器具は材質が軟質であるので洗浄には、液体洗剤を使用し加熱乾燥はさけ 風乾とする。乾燥後は、所定の場所に器具を返還する。 8)実験廃液の処置法: 実験廃液は、有機溶剤廃液、含有機溶剤水溶液廃液、無機廃液、含重金属廃液に分類し各々 所定の廃液タンクに保管する。不明の場合には教員の指示を受けること。みだりに流しに は流さないこと。 9)固体廃棄物の処置法: 固体廃棄物は、紙屑・木材類、ビニール・ゴム類、金属類、ガラス類に分類し所定の容器 に廃棄する。 10)空になった試薬瓶は捨てないで、教員の指示を受けること。 11)電源の確保に関しては電気容量、電線の容量等に関して教員の指示を受けること。 12)天秤室への入室は各班(グループ)の秤量担当者のみとする。(多人数の入室は秤量操 作の妨げとなる。また、天秤転落事故の原因ともなる)。 13)喫煙は「指定の場所」でおこなう。実験室または指定場所以外での喫煙はしないこと。 14)本実験では1テーマを各班とも数グループにわかれて実験をおこなうのでチームワー クが必要である。実験を始める前に互に話し合って実験上の手順すなわちデータの取り方 をきめておくとよい。 15)機器の取り扱いは、使用説明書をよく読んでから使用する。 2.9 実験報告書、実験ノート 実験報告書(レポート)は、レポート用紙(市販のA4 サイズ)を用いて提出して下さい。 報告内容は、特に指示がない場合は、次の項目とします。

(7)

6 1)緒言(チョゲン) 3)実験方法 4)実験結果および考察 5)結言 6)使用記号(式 や変数を使用した場合に必要) 7)引用文献(参考にした文献があれば) レポートの内容の各項目に関して、以下にその記述上の注意点を説明します。 1)緒言 実験の目的、意義を示す。何をどうしようとするのかを示すもので、その実験の直接の目 的を具体的に書く。 2)実験方法 実験の方法は、実際に行った実験を第三者にも再現できるように書くべきです。自分達が 行った操作について、表や図などを交えて明確に示しておくとよいでしょう。 実験方法の文章は、過去形で書くことが一般的です。 3)実験結果および考察 結果(数値、図表)と考察は、レポートの中で最も重要な部分です。指針書を参考にして、 各自が工夫して記述して下さい。 結果では、得られた事実に忠実に書かねばなりません。 また、関連のあるものをまとめて図や表に示すとわかりやすいです。ただし、結果の図や 表についての説明の文章も本文に必要です。 結果おより考察の文章は、現在形で書くことが一般的です。 また、単位や有効数字に誤りがあると誤解を招く恐れがあります。図、表、単位および有 効数字に関しては、指針書を再読すること。考察では、得られた実権データを理論的な計算 などと比較して現象を検討する習慣も身につけましょう。独自のものを書くようにこころが けましょう。 4)結言 結果および考察でえられた事柄をまとめて示します。 主な記述上の注意事項 ※1. 表については、標題の位置:表の上に書く。注の位置:表の下に書く。 ※2. 図については、標題の位置:図の下に書く。注の位置:図の下に書く。 図を描く場合には、A4の各種方眼紙1枚に1つの図を描き、本文を参照しなくても 図の内容がわかるように必要な条件などを全て記入することが望ましい。図および表 は、最後にまとめて示すのではなく、関係の深い文の直後の頁に挿入する。 ※3. その他、記述上の注意は、指針書や配布された資料を参考にされたい。また、レポー トにつける通しページ番号なども忘れぬよう。 ※4. 次元、単位の付記に留意する。「SI」は、これから必然的に使用される単位系であ り、その使用については、留意してもらいたい。 ※5. 単位の記入においては、変数の後には[ ]を付け、数の後には[ ]を付けない。例え ば、Cp [J・mol−1・K−1], Cp = 1.98 J・mol−1・K−1 ※6. 引用文献、使用参考の記入については、「化学工学論文集」,「化学工学会誌」を参照 されたい。 ※7. 「化学工学論文集」,「化学工学会誌」などは、工学部の各図書館にあるので有効に活 用してもらいたい。 ※8. レポートに記載する図・表などは、「化学工学論文集」,「化学工学会誌」の表現に準 じた記載方法を用いること。 ※9. 図については、Excel などの表計算ソフトで作成したものでもよい。

(8)

7 実験ノートは、市販の大学ノートを使用して下さい。各実験内容について、ページを変 えて、後で見て分かりやすいように書いて下さい。上から5行程度に、実験条件,その他 必要事項,日付などを記入する。右端5cm程度の幅を備考欄とし、実験中に気付いたこ と,その他必要事項を記入する。使用した溶液の濃度、ファクターなどが記録されていない 場合がよくあります。レポート作成時に困りますので、忘れずに各自が実験ノートに記入 しましょう。 レ ポ ー ト 表 紙 レポートの表紙(市販の A4 のレポート用紙でよい)には、以下のような表紙をつけるこ と。各ページにページナンバーを記入すること。提出時には、上端をホッチキスで閉じるこ と。記入は、ワープロ、鉛筆でもよい。 工業物理化学実験レポート(三島担当分) 実験項目 実 験 名 提出者 福岡大学工学部化学システム工学科 A 組 5 班 TK0315001 七隈太郎 共同実験者 福大次郎 干隈三郎 城南花子 早良五郎 実験日 平成 年 月 日 ∼ 月 日 実験場所 化学工学共同実験室B(6 号館 1 階 617 室) 条件 気温 気圧 湿度 天候 提出日 平成 年 月 日

(9)

3. 吸着

3.1 はじめに 活性炭; 多孔質(多くの小さい穴がある)の吸着剤 酢酸 ; 活性炭に吸着されるモデル分子 吸着実験データの整理によく使用する記号 n ;溶質の吸着量 、 C ;溶液中の溶質の濃度 単位は、 [ ] [ ] 考えてみよう。 1) 右図のような低い濃度の酢酸水溶液の入ったビーカーに活性炭 をを加えた場合、濃度はどうなるでしょうか。 2)吸着された酢酸の物質量(n[mol])を測定するには、どのような 実験をすればよいでしょうか。 図1 活性炭 3.2 吸着操作 工場排液中の微量は有機物などを活性炭などの吸着剤で除去する工業操作を吸着操作と言 います。蒸留、抽出、乾燥、撹拌などの単位操作と同様に化学工業プロセスの重要な分離技 術です。吸着操作は、他の分離操作に比べてきわめて低濃度の範囲まで物質分離ができる特 徴があります。そのため、近年問題となっている大気および水質の汚染、汚濁に対する有力 な対策技術として注目されています。 本実験では、活性炭に対する酢酸の吸着挙動を調べることにより、活性炭の吸着特性(吸 着平衡定数)を知り、吸着操作の理論的な取り扱いについて学習しましょう。

吸着量を求めてみましょう。この例では、濃度換算が容易になるように、溶液濃度をℓ

で なくm3 単位とした。) 低濃度のフェノールを含む排水の活性炭吸着実験を行って、図1 のような吸着等温線(一 定温度で測定した溶液濃度と吸着量の関係)を得た。いま、フェノール濃度が 40mol/ m3 排水40m360kg の新しい活性炭を投入して平衡に達したとき、水中のフェノール濃度(mol/ m3)および1g の活性炭のフェノール吸着量(mol/g)を求めよ。 活性炭1g に吸着するフェノールの物質量を、n[mol/g]、活性炭の量を W[g]とすると、 フェノール排水 V[m3] 吸着前のフェノール濃度C0[mol/ m3] △:フェノール分子 + 活性炭に吸着した溶質(フェノール)の量 nW (1) 溶液から取り除かれた溶質の量 (C0-C)V (2) 物質収支式より、 nW=(C0-C)V (3) よって、 V W C C n= 0 − =

(

C

C

0

)

W

V

(4)

(10)

9 図3 吸着等温度線と操作線 こ の 操 作 か ら わ か る よ う に 、 吸 着 デ ー タ ( こ の 実 験 で 求 め る ) が 存 在 す れ ば 、 吸 着 等 温 線 と 操 作 線 の 交 点 か ら 、 吸 着 処 理 し よ う と す る 溶 液 の 体 積 V と 初 濃 度 C0 に 対 し て 、 使 用 す る 活 性 炭 の 質 量 W に よ り 、 活 性 炭 に 吸 着 す る 溶 質 の 量 n お よ び 吸 着 後 の 溶 液 の 溶 質 濃 度 C が 計 算 で 予 測 で き ま す 。 こ の 吸 着 デ ー タ か ら 、 吸 着 装 置 を 設 計 す る こ と が で き ま す 。 実 際 に 吸 着 装 置 ( 吸 着 塔 ) の 設 計 の 様 子 を 次 ペ ー ジ の 例 題 1 に 示 し て お き ま す 。興 味 の あ る 人 は 、5 段 に 積 み 重 ね た 吸 着 層 を 0.4 mol/ ℓの 濃 度 の 廃 液 が 通 過 す る と 、 濃 度 が 0.02 mol/ ℓ 以 下 に な る こ と を 確 認 し 、 吸 着 塔 の 設 計 方 法 を 考 え て み て 下 さ い 。 な お 、 先 ほ ど 求 め た 式(4)は 、 皆 さ ん が 行 う 吸 着 実 験 デ ー タ ( 吸 着 等 温 線 を 作 る も と と な る 吸 着 後 の 溶 質 濃 度 C と 各 濃 度 に 対 す る 吸 着 量 n の 関 係 ) を 求 め る 場 合 に も 使 用 し ま す 。 問 題 1 質 量 W=1 g の 活 性 炭 を 用 い て 、 体 積 V=100cm3の 酢 酸 溶 液 の 吸 着 実 験 を 行 っ た と こ ろ 、 活 性 炭 と 接 触 す る 前 の 酢 酸 溶 液 の 初 濃 度 は 、 C0=0.512mol/dm3で あ っ た 。 (dm3; デ ッ シ メ ー タ 3 乗 = ℓ;リットル)吸 着 後 の 溶 液 を 活 性 炭 と 分 離 し て 、そ の 酢 酸 溶 液 の 濃 度 を 0.1N( 0.1 規 定 の )水 酸 化 ナ ト リ ウ ム 水 溶 液 で 滴 定 し て 求 め た と こ ろ 、 C=0.478mol/dm3 で あ っ た 。 1 g の 活 性 炭 に 吸 着 さ れ た 酢 酸 の 物 質 量n[mol] を 式(4)よ り 求 め よ 。 活性炭1kg 当たりに吸着された フェノールの量

: n

[mol/g] 吸着操作後 の溶液のフ ェノール濃 度 C 吸着等温線の一例 Langmuir 式

KC

KC

n

n

+

=

1

操作線

)

(

C

C

0

W

V

n

=

傾き-2/3 初濃度 C0 [mol/m3] 吸着後の濃度 C と吸着量 n 初濃度 C0と傾き-V/W を 用いて、操作線を引き、 吸着等温線との交点を 求める。 ここで、(3)式の傾き

W

V

で、図 1 における横軸 を通過する直線式(操作線)である。すなわち、

=−

40

3

2

)

40

(

60

40

)

(

)

/

(

0

=

=

C

C

C

C

W

V

g

mol

n

(11)

10 解 答 ( 計 算 式 )

(

C

C

0

)

W

V

n

=

   

=

( ) (答) [mol] 例題 1 吸着塔の設計 濃度 C0[mol/m3]の不純物を含む工業排水(流量 V[m3/hr])から不純物を除去するために、下図 に示すような各 i 段に活性炭を wi[g]含む5段の吸着塔を設計しましょう。 各 i 段の出口と入口でのそれぞれの物質濃度 Ci,Ci-1[mol/m3]と,その段での活性炭単位質 量当たりの吸着量 ni[mol/g]との間に物質収支がなりたち,他の部分への吸着は無視できると する.また,溶液中の平衡濃度 Ci[mol/m3]と吸着量 ni[mol/g]の関係は,ラングミアー(Langmuir) の等温吸着式で与えられるものとする.ラングミアーの等温吸着式における吸着平衡定数 K と飽和吸着量

n

としては,K=8.611,

n

∞=0.003262 の値を用いる.誤差を判定する定数 EPS としては,EPS=0.00001 を用いよ. 図4 吸着塔の段数計算 図5 吸着塔 3.3 実験目的 一定の温度において、活性炭による希酢酸の等温平衡吸着量 n を一定の温度において測定 し、それら測定値の Freundlich 式および Langmuir 式への適合性を比較検討する。また、 Langmuir 式により活性炭の比表面積を求める。 3.4 実験方法 レポートでの実験方法の記述では、次のように説明文を必ず付けて下さい。 また、行った方法については、過去形「∼した。」のように記述して下さい。 例) 活性炭による酢酸水溶液からの酢酸の吸着実験に、次の器具および試薬を使用した。 [器具] 1000ml メスフラスコ(1)、500ml メスシリンダ(1)、500ml 試薬瓶(5)、共栓三 実験レポートを書く場合、この「実験目的」を利 用して、「緒言」を作成して下さい。

実験方法は過去形にて記述

(12)

11 角フラスコ(5)、2ml ホ−ルピペット(2)、5ml ホ−ルピペット(2)、10ml ホ−ルピペット (1)、100ml ホ−ルピペット(1)、50ml ビュレット(1)、電子天秤、直示天秤(注;( ) 内の数値は個数を表す。) [試薬] N/10、N/100-水酸化ナトリウム(NaOH)、N/10-塩酸(HCl)、フェノ−ルフタレイ ン、酢酸、活性炭 1)、2)および 7)については、予め調整済み。8)は、2日目に実験する。 1)酢酸 28mℓ をメスシリンダにて採集し、これを 1000mℓ メスフラスコに入れて蒸留水を 加えて1000mℓ とし、N/2-酢酸を調整した。(調整済み) 2)N/2-酢酸より順次、溶液 500mℓ をメスシリンダに取り、1000mℓ メスフラスコを用いて N/4、N/8、N/16、N/32 酢酸溶液を調整し、500mℓ 試薬瓶保持した。 3)共栓三角フラスコ(100mℓ)の空重量を直示天秤にて正確に測定した。これに電子天秤 にて測定した活性炭試料約1g を入れて、再び直示天秤にてその重量を正確に測り前後の差 から投入した活性炭量を知る。 4)活性炭を入れた各々の三角フラスコに各濃度の酢酸溶液100mℓ を正確にホ−ルピペット を用いて入れた。(このとき気泡が混入しないように注意した。) 5)上記に準備した三角フラスコに栓をして、これらを所定の温度に設定した恒温槽に浸し た。浸した三角フラスコは、約20 分間隔で気泡が混入しないように注意して振り混ぜる。 この操作を約2 時間行った。 6)次に、滴定に用いて約N/10-,N/100-水酸化ナトリウム溶液 1000mℓ を調整し、濃度既 知の塩酸溶液を用いてその正確な濃度を決定しておく。(調整済み) 7)調整された酢酸溶液の各々を、6)において標定したN/10-水酸化ナトリウム水溶液に フェノ−ルフタレインを指示薬として滴定し、各酢酸溶液の濃度を求めた。(標定に要する 酢酸量はN/2-と N/4-の場合は 2mℓ、N/8-と N/16-の場合は 5mℓ、N/32 では 5mℓ を ホ−ルピペットで採集する。ただし、N/32 についての滴定は、N/100 水酸化ナトリウム で滴定した。(各濃度について3 回ずつ滴定する) 注)ビュレットは、各班に 2 本ある。濃度の高い N/2 酢酸から測定するので、両方のビュ レットには、N/10-水酸化ナトリウム水溶液を入れて開始する。

*** 最重要注意事項 ***

滴定を行う場合、安全確保のため、必ず安全メガネを着用すること。

8)次に、各試料溶液を一つずつ手早くろ過し、ろ過液をN/10-水酸化ナトリウムで滴定し て、平衡濃度を決定した。(標定に要する酢酸量は N/2-と N/4-の場合は 2mℓ、N/8-と N/16-の場合は 5mℓ、N/32-では 5mℓ をホ−ルピペットで採集した。ただし、N/32 ーの 場合はN/100 ー水酸化ナトリウムで滴定した。)

(13)

12 1) 酢酸溶液の濃度の測定(1 日目;レポートにこの図は不要) 酢酸28mℓ をメスシリンダにて採集し、これを 1000mℓ メスフラスコに入れて蒸留水を加えて 1000mℓ とし、N/2-酢酸を調整する。 N/2-酢酸より順次、溶液 500mℓ をメスシリンダに取り、 1000mℓ メスフラスコを用いて N/4-、N/8-、N/16-、 N/32-酢酸溶液を調整し、500mℓ 試薬瓶に保持する。 滴定用のビュレットをN/10-,N/100-水酸化 ナトリウム溶液で共洗いする(3 回)。 ビーカーに酢酸溶液を少量入れて、共洗いを行う (3 回)。試薬瓶からビーカーに酢酸溶液を滴定に 必要な量だけ取り出す。 ホールピペットをビーカーの酢酸溶液を 使用して共洗いを行う(3 回)。 滴定用の三角フラスコに酢酸溶液を分取する。 滴定(滴定は同じ濃度の酢酸溶液を3 回 以上滴定して平均する)。 酢酸溶液の濃度計算 滴定による酢酸濃度の決定

1000

'

1000

v

f

N

v

x

×

=

×

×

(3.3) x:酢酸の仕込み液濃度 [mol/ℓ] v:酢酸の仕込み液の分取量 [mℓ] N:NaOH の規定度 [N] f:NaOH のファクター [-] v’:NaOH の滴定量 [mℓ] 注)酢酸は1 価の酸なので 1mol/ℓ=1N(1 規定)

(14)

13 式(3.3)の使用例 酢酸の仕込み液の分取量 v =2 mℓ , NaOH の規定度 N = 0.1 N NaOH のファクター f = 0.998 , NaOH の滴定量 v’ = 9.85 mℓ である場合、 式(3.3)を利用して、酢酸の仕込み液濃度 x[mol/ℓ]を求める。

1000

'

1000

v

f

N

v

x

×

=

×

×

v

v

f

N

x

=

×

×

'

0

.

492

2

85

.

9

998

.

0

1

.

0

×

×

=

=

mol/ℓ (この x が濃度 C または C0 です。) 2)酢酸溶液と活性炭の接触のフローチャート(1 日目) 共栓三角フラスコ(100mℓ)の空重量を 直示天秤にて正確に測定する。 電子天秤にて活性炭試料約1g 測る 共栓三角フラスコ(100mℓ)に 活性炭試料約1g を入れる。 活性炭試料約1g を入れた 共栓三角フラスコ(100mℓ) を直示天秤にてその重量を測る 共栓三角フラスコ(100mℓ)の前後の 差から投入した活性炭量を計算する。 活性炭を入れた各々の三角フラスコに 各濃度の酢酸溶液100mℓ を正確にホ−ル ピペットを用いて入れる。(このとき 気泡が混入しないように注意する。) 三角フラスコに栓をして、これらを所定の温度に 設定した恒温槽に浸す。浸した三角フラスコは、 約20 分間隔で気泡が混入しないように注意して 振り混ぜる。この操作を約2 時間行う。

(15)

14 3)吸着量の測定(2 日目) 恒温槽の温度を測る 恒温槽から三角フラスコを一つずつ取り出す 各試料溶液を一つずつ手早くろ過する 活性炭 ろ液を滴定して平衡濃度を決定する 回収 吸着量の計算 Langmuir の吸着等温式,Freundlich 式のパラメータの決定 グラフの作成 吸着量の計算:

1000

100

0

×

=

w

C

C

n

(3.4) n:吸着量 [mol/g] C0: 酢酸水溶液中の酢酸の濃度 [mol/ℓ] C : ろ液中の酢酸の濃度 [mol/ℓ] w : 活性炭の量 [g] 3.5 実験結果のまとめ方 実験結果は、実験レポートを書く場合に、考察と並んで重要な部分ですので、主な注意事 項をここで説明しておきます。 グラフの作成:n vs C 、 n/C vs C、 ln n vs ln C の 3 つのグラフの作成 配 布 さ れ た Excel フ ァ イ ル を 利 用 し 、 下 図 の よ う な 図 を 作 成 し て み ま し ょ う 。

(16)

15 レポートの間違いやすい場所 ①表や図を示す場合、次の例のように文章でもその旨を示す。 [実験結果] 共栓付三角フラスコに活性炭約1g 入れた試料の重量 w[g]を Table1 に示す。 Table1 調整酢酸濃度を入れる活性炭試料の重量 w [g] 酢酸規定度 [N] 活性炭試料の質量 w [g] 1/2 1.0300 1/4 1.0001 1/8 1.0126 1/16 1.0011 1/32 1.0109 酢酸(1)−水(2)−活性炭(3)の 12℃における吸着平衡の結果を Table 6 および Fig.1 に 示す。ただし、活性炭1g に吸着された酢酸のモル数 n[mol/g]は次式より求めた。

(

)

1000

100

1

0

×

×

=

w

C

C

n

b C0:仕込み液中の酢酸濃度 [mol/ℓ] Cb:バルク相中の酢酸濃度 [mol/ℓ] w:活性炭試料の質量 [g] n:吸着量 [mol/g] 例えば、Cb=0.4621、C0=0.4894、w=1.0300 の時は次のように計算できる。

(

)

0

.

0265

1000

100

0300

.

1

1

4621

.

0

4894

.

0

×

×

=

=

n

Table6 酢酸(1)−水(2)−活性炭(3)の 12℃における吸着平衡 吸着された溶質のモル数n [mol/g] バルク相中の濃度Cb [mol/l] 0.0205 0.4621 0.0175 0.241 0.0139 0.1139 0.0105 0.0519 0.0081 0.0243 ②得られた図や表の解釈(読者に、それらから読み取ってもらいたい事柄)の説明文を次の 例のように、文章で記述する。数字や図だけ示して読者に「理解しろ」というようなレポー トではよくありません。 Table 6 および Fig.1 より、バルク相中の酢酸濃度 Cbの増加にともない、吸着量 n も増加する ことがわかった。また、吸着量 n の値は、酢酸濃度 Cbの増加にともない n=○○○に漸近す ることがわかる。

グラフ(

Fig.)は次ペ

ージに掲載すること

グラフや表の後には、それらの結果より得られた知見を文章でも

記入すること

(17)

16 3.6

エクセルによる吸着データの整理法

○注コンピュータの画面は、WindowsXP 上での操作になっています。他の OS(Windows98, 2000, NT)搭載のパソコンでも同様の作業が可能です) 先ほど問1で説明したように、溶液濃度の濃度変化から吸着量 n を求めました。実験では、 吸着後の水溶液中の酢酸の濃度 C と吸着量 n の関係を各濃度の溶液(5種類)について測定 し、その値を計算します。 このようなデータの整理には、表計算ソフトであるマイクロソフト社のExcel が便利です。 Excel の起動方法は、そのソフトがインストール(設定)されているコンピュータにより若 干方法が異なることがありますが、ほとんど同じです。ここでは、福岡大学の総合情報処理 センターのコンピュータの設定に従って説明します。 表計算をしてみましょう。 セルとは? セルというのは最小単位の四角のことです。例えば「(A の1)または、A1 というセル、セル B1」のようにセルという言葉を使います。セル A1に1という数字を入れてみましょう。セル A1 をクリックして、キーボードから「1」と入力し、キーボードの「Enter」キーを押します。 図5 Excel の入力例1 図6 Excel の入力例2 次にセルB1に「5」という数字を入れましょう。次に、セル C1 にセル A1 と B1に記入され た数値の和を、表示させてみましょう。 下の図のようにセル C1をクリックします。上の「 fx 」と書かれた右のボックス(何かを書 くところに)「 =A1+B1 」と書きましょう。そして Enter を押すと、セル C1 に 6 と表示されま す。 図 Excel を用いた関数計算 実験では、吸着後の水溶液中の酢酸の濃度 C と吸着量 n の関係を各濃度の溶液(5種類) について測定しました。このデータに対して、Excel を用いて表計算してみましょう。まず、 先ほど記述したセルA1∼A3 は「Delete」(デリート)キーで値を削除しましょう。

(18)

17 次に、セルA5∼A9 に活 性 炭 と 接 触 す る 前 の 酢 酸 水 溶 液 の 初 濃 度 C0[mol/dm3]、セル B5∼B9 に活 性 炭 と 接 触 後 分 離 し た 酢 酸 水 溶 液 の 濃 度 C[ mol/dm3]、セルE5∼E9 に活 性 炭 の 質 量 W[g]を キ ー ボ ー ド か ら 入 力 し ま す 。 作成した一例を次に示します。 図8 Excel による吸着量nの計算 ここで、1 g の 活 性 炭 に 吸 着 さ れ た 酢 酸 の 物 質 量n[mol]を 式 (4)よ り 計 算 で き る の で 、 セルC 5∼C9 に次の関数式を記述します。式 の 内 容 と し て は 、

)

(

C

C

0

W

V

n

=

となるように記述するので、実際のExcel の関数としては、次のように行います。 セルC 5 をクリックし、関数ボックス(fx の右)に「=(A5 – B5)*0.1/E5」と記述(半角ま たは直接入力形式で)し、「Enter」キーを押し確定します。この関数は、フィルハンドルを利 用して、セルC 6∼C9 にコピーします。ただし、実験で、溶液は 100cm3使用しましたが、 溶液の濃度 C が[ mol/dm3]の単位ですので、100cm30.1dm3 となり、関数式の中では、 V=0.1 dm3としています。 なお、グラフの記述方法や、フィルハンドルの使用方法については、化学工学プログラミ ングなどの補助資料を参考にして下さい。また、実験の際に配布した Excel ファイル(ファ イル名:ad_gra.xls)を使用すると、実験データの理論的な解析も容易にできますので、試し てみましょう。Excel ファイル(ファイル名)「ad_gra.xls」の使用方法は、次節で説明します。 3.6 実験結果の考察方法 (吸着実験について) 実験結果の考察方法は、種々の方法がありますが、ここでは、一例として理論と比較する 方法を示します。実験結果として、下図(左)のようなグラフができました。このような実 験結果に対して、理論的な考察を行ってみましょう。ここでは、次節で説明するラングミュ ア(Langmuir)の単分子吸着モデルで計算した理論線と実験と比較したものを下図右に示し ます。この図を作る方法は、次節で説明します。レポートの考察の部分は、ラングミュア (Langmuir)の単分子吸着モデルの式の導出から書いて下さい。 理論を作る場合、幾つかの仮定をしますが、その理論が多くの実験結果をうまく説明でき ている場合、その仮定がある程度妥当なものであったことがわかります。指針書に書いてあ った以外の理論についても、興味があれいばためしてみましょう。 セルC5 をクリックし、関数 ボ ッ ク ス ( fx の 右 ) に 「=(A5 – B5)*0.1/E5」と 記述(半角または直接入力 形式で)します。

(19)

18 ラングミュア(Langmuir)の単分子吸着モデルを用いて理論値を計算するには、配布され たExcel ファイル(ファイル名)「ad_gra.xls」を使用すると便利です。その使用方法を以下に 示します。配布プログラムは、化学工学プログラミングの講義の場合と同様に、総合情報処 理センターの共通領域にあります。各自、コピーして使用して下さい。コピーするには、化 学工学プログラミングの講義の場合と同様に、コピーしようとするファイルを共通領域から 自分の使用しているコンピュータのデスクトップにドラッグ&ドロップします。共通領域で ファイルを開くとファイルの消去などで他の人が使えなくなりますので、共通領域でファイ ルをダブルクリックしないようにして下さい。誤って共通領域でファイルをダブルクリック した場合は、そのファイルを閉じるボタンをクリックし、閉じて下さい。 各自のコンピュータに保存したExcel のファイル(ファイル名:ad_gra.xls)をダブルクリ ックして開きます。自宅へ持ち帰る場合、各自のフラッシュメモリーやフロッピーディスク を使用し、または、メールを使用して添付ファイルで送信できます。各自のフラッシュメモ リーやフロッピーディスクに保存してあるファイルを再編集する場合は、フラッシュメモリ ーやフロッピーディスクをコンピュータの USB 端子またはフロッピーディスクドライブに 挿入します。次に、デスクトップ上にあるマイコンピュータのアイコンをダブルクリックし ます。 もし、デスクトップ上に上のアイコンが無ければ、画 面左下の「スタート」ボタンからマイコンピュータをク リックしてください。すると次のような画面が立ち上が ります。 ラングミュア(Langmuir)の 単分子吸着モデルで計算した 理論線

(20)

19 その中から、フラッシュメモリーの場合は、「リムーバブルディスク」を、フロッピーディ スクの場合は、「3.5 インチ FD」のアイコンをダブルクリックしてください。ファイルが保 存されていれば、次の画面が出てきます。 この画面の中の「ad_gra.xls」ファイルをデスクト ップにコピーします。まず、「ad_gra.xls」ファイル を左クリックします。この時、クリックした指はは ずさないようにします。その状態のままデスクトッ プまでファイルを移動させます。そして、デスクト ップ上の任意の場所でクリックした指をはずします。 これで、デスクトップ上に「ad_gra.xls」のファイル がコピーされましたので、デスクトップにコピーさ れたファイルをダブルクリックして開きます。コピ ー操作が上手くいかなかった場合、もう一度移動の操作を行ってください。 必ずデスクトップにコピーしてから開く操作を行って下さい。フロッピーディスクから直接 開いて操作を行った場合、正しく保存されない可能性があります。 「ad_gra.xls」のファイルを開くと、次のような画面が立ち上がります。もし画面が違う場合 は画面の下部にある「吸着データ」のタグ をクリックしてください。この画面 でデータの処理や計算を行います。では、実際の操作に入る前に、予めこのファイルに名前 を付けて保存しておきます。まず、Excel の画面のツールバー「ファイル」から「名前を付 けて保存」をクリックします。下のような画面が起動します。

(21)

20 ファイルの保存先を変えたい場合、画面上部の▼ボタンをクリックし、保存先にデスクトッ プを選択します。次に、ファイル名の部分に各自ファイル名を入力します。ファイル名は何 でも良いですが、分かり易い名前にしておくとファイルの管理がやり易くなります。日付や 数字を入れると同名のファイルをいくつも管理する場合に便利です。ここでは「吸着実験デ ータ整理4 月 01」とし、「保存」ボタンをクリックします。 ファイル名変更後、Excel の画面上部のタイトルバーのタイトルが先ほどの名前(上の図と は異なります)になっていることを確認してください。 この操作を行うことによって元のデータである「ad_gra.xls」を変更してしまう心配がなくな ります。元のデータである「ad_gra.xls」は、ファイルが破損し、または、間違った操作の結 果を誤って保存してしまった場合などの補助ファイルとなりますので大切に保管しておいて 下さい。今後配布するデータは、先ほど説明した手順で名前を変えて保存し、元のデータに 直接変更を加えないようにして下さい。 ここから、実際の作業に入ります。初期状態では模擬のデータが入力されています。入力 データは予め計算しておいた、酢酸濃度 Cb[mol/l](濃度を C と表示している場合もあります。) と活性炭吸着量 n[mol/g]になります。下の画面の丸で囲んだ部分が、それぞれの値で、B,C カラム(列)の 4∼9行には、数値が入力されています。関数ではありません。このデータ を利用して、実際のデータ解析を行ってみましょう。下記のように行うと幾つかのグラフが 現れ、実験データに対して、ラングミアーの単分子吸着を仮定したモデルを用いて、精度よ く計算線が描けることがわかります。 今回は、Cb/n の値を入力する必要はあり ません。Excel が自動的に計算を行って 結果を表示するようになっています。つ まり、セルD5 に「=B5/C5」と関数を入 力し、この関数に対して、フィルハンド ルを利用して、セルD6∼D9 へコピーし ファイルの保存先を変えたい場合、画面 上部の▼ボタンをクリックし、保存先に デスクトップを選択します。 変更するファイル名は、ここをクリッ クして書き換えます。 名前を変更したら、ここをク リックして保存します。

(22)

21 まています。

次に酢酸濃度 Cb[mol/L]と活性炭吸着量 n[mol/g]の関係および、酢酸濃度 Cb[mol/L]と Cb/n[g/L] の関係をグラフ化します。今回は、自動的にグラフが作成されるようになっていますので複 雑な操作は必要ありません。 ここでは、データに対して、それを精度よく表現する近似式をグラフ上に描き、その関数 を数値として求める方法をExcel で練習してみましょう。 グ ラ フ を 表 示 さ せ る に は 画 面 の 下 に あ る 「Graph1 」 も し く は 「 Graph2 」 の タ グ をクリックします。「Graph1」には酢酸濃度 Cb[mol/L]と活性炭吸着量

n[mol/g]の関係のグラフが、Graph2」には酢酸濃度 Cb[mol/L]と Cb/n[g/L]の関係のグラフが表 示されます。「Graph2」は、Langmuir の等温吸着式による相関を表したもので、横軸に酢酸 濃度 Cb[mol/L]をとり、縦軸に酢酸濃度 Cb[mol/L]を活性炭吸着量 n[mol/g]で除した値 Cb/n[g/L] を示しています。Langmuir の等温吸着式については、この後の章で説明してありますので、 各自読んで理解して下さい。Langmuir の等温吸着式では、式中の定数 n(飽和吸着量)と K (吸着平衡定数)を実験データから最小二乗近似で決定する場合が多くあります。ここでは、 その例を取り上げて、データに対して、それを精度よく表現する近似式をグラフ上に描き、 その関数を数値として求める方法(最小二乗法;最小二乗については、付録に示しており、 また、化学工学プログラミングの講義においても説明します。)をExcel で練習します。 配布された Excel ファイル「ad_gra.xls」では、実験点が表示されているだけで、それを精 度よく表現する近似式の直線のグラフは「Graph2」に表示されていません。今から、次の手 順で「Graph2」の図(グラフ)に近似式の直線のグラフを表示します。Excel の場合、近似 曲線(ここでは直線)を求める場合、コンピュータが自動的に最小二乗法を使って近似曲線 を計算しています。 「Graph1」の画面 「Graph2」の画面 Excel の sheet が表示されたら、 まず、ファイル名を変えデスク トップに保存して下さい。次 に、Graph2 のタックを左クリッ クして最小二乗法のグラフを 確認して下さい。

(23)

22 3.8 Langmuir の等温吸着式による相関 はじめに、Langmuir 式の定数 nと K を決定するために、「Graph2」酢酸濃度 C b[mol/L]と Cb/n[g/L]の関係のグラフから、最小二乗法により直線の式を求めます。Excel を用いて、デー タに対して近似直線のグラフを描き、最小二乗法の直線の式を求めます。 次のような「近似曲線の追加」のウィンドウが現れたら、今回は、線形近似(直線で近似; y=ax+b の式)を選びますので、線形近似が黒色に反転していることを確認して、「近似曲 線の追加」のウィンドウの右下の「OK」ボタンをクリックして下さい。

実験点●の何れかにポインタをあわせて、

右クリックする。

近似曲線の追加(R)を選択して、

左クリックする。

「線形近似」であること を確認して、「OK」ボタ ンをクリックします。

(24)

23

「近似曲線の書式設定」

のウィンドウで、オプシ

ョンから「グラブの書式

を表示する。

」の前を選ん

でチェック(前のチェッ

クボックスをクリック)

した後、

「OK」を押す。

現れた直線にポインタをあわせて、

左クリックすると、

「近似曲線の書式

設定」のウインドウが表示されます。

ここをクリックします。 この「オプション」のタ グをクリックします。 「y=・・・」の関数 が現れるので、ここ をクリックする。 式の文字フォントが初期値 「8」と小さいので、ここ の▼ボタンをクリックし、 フォントサイズを選ぶリス トボックスを表示し、「22」 程度の大きなサイズを選択 し、クリックする。

(25)

24 「Graph2」酢酸濃度 Cb[mol/L]と Cb/n[g/L]の関係のグラフから、最小二乗法により直線の式が このように求められました。Excel を用いて、データに対して近似直線のグラフを描き、最 小二乗法の直線の式を求めるこの方法は、他の実験データの解析などにも利用できますので、 各自活用して下さい。 表示された関数式「y=438.65+26.54」は、ノートにメモして下さい。この傾き 438.65 と 切片26.54 から、Langmuir 式の定数 nと K を決定します。決定方法の詳細は、この後の 3.6 のLangmuir 式のパラメータ決定法に示しています。 ラングミュアの等温吸着式を変形すると、次式となる。 C C n K n C K n C C K n C β+α・ + ・ ・ ・ ・ = = + = (1 ) 1 1 ただし、α=1/n,β=1/(n K)とする。この式より C/n を縦軸、C を横軸とした関係のグ ラフは、傾きα=1/n,切片β=1/(n K)の直線関係を与えることを示しています。 そこで、Excel のシートを利用して、この値から、Langmuir 式の定数 n∞と K を次のように 決定します。セル

C18、D18 に Graph2 で求めた数値 26.54 と 438.65 を代入します。そ

の後、

D19 と C19 に関数を

=1/D18”と =D18/C18 を代入します。セル内

の式は半角で入力してください。

現れた関数の文字フォン

トを大きく(例えば

22)

して、その数字をメモし、

吸着データシートの

C18

D18 に記入する。

C18、D18 に Graph2 で求めた値 26.54 と 438.65 を

代入した後、

D19 と C19 に関数を

=1/D18”

=D18/C18 を代入する。

(26)

25 このExcel 表示では、最小二乗法を用いて決定した傾きαと切片βを用いて、 α=1/n=438.65, β=1/(n・K)=26.54 得られた傾きおよび切片より、nおよび K は次のように求まる。 n∞=1/α=1/D18=0.00228 mol・g-1, K =(1/n∞)/β=α/β=D18/C18=16.5 つまり、セルD19 には、nの値が、セルC19 には、K の値が表示されます。これらの値は、 ラングミュア(Langmuir)の単分子吸着モデルで計算した理論線と実験と比較する場合に利 用します。実験結果に対して、理論的な考察を行う例として、ラングミュア(Langmuir)の 単分子吸着モデルで理論線を計算し、実験と比較するには、このExcel ファイルを利用して、 次のように計算し、グラフに表示します。 セル F5∼F30 には、溶液中に残る酢酸濃度 Cb[mol/L]に対する活性炭に吸着された吸着量 n[mol/g]の関係のグラフ「Graph1」の横軸の酢酸濃度 Cb[mol/L]の適当な値が既に入力してあ ります。これらのそれぞの酢酸濃度 Cb[mol/L]に対する吸着された酢酸の吸着量 n[mol/g]の理 論値をラングミュア(Langmuir)式で計算します。ラングミュア式は次式で与えられます。

KC

KC

n

n

+

=

1

(3.10) ここで、この実験データを最も精度よく計算できるように決定した nおよび K は、上述の ように、n=1/α=1/D18=0.00228 mol・g-1, K =(1/n/β=α/β=D18/C18=16.5 であ り、これらの値は、セルD19 に、nの値が、セルC19 に、K の値が表示されています。この 値を利用して、「Graph1」に計算線を描くには、まず、セル G5∼G30 に、セル F5∼F30 の それぞれの酢酸濃度 Cb[mol/L]に対する吸着された酢酸の吸着量 n[mol/g]の理論値をラングミ ュア式で計算します。そのためには、セル G5 にラングミュア式を次のように記述します。 ただし、セルD19 の nの値、セルC19 の K の値は、常に同じセルから参照するので、絶対 参照($マークを付けて、$D$19, $C$19 と記述します。)で記述します。 Langmuir 式をセル G5 に記述する。ただし、濃度は、F5 の値を相対参照し、 D19 と C19 は絶対参照($マークが必要)することを忘れないように。

セルG5に記述すべき数式

=$D$19*$C$19*F5/(1+$C$19*F5)

(27)

26

G5 記述後、フィルハンドルを使用して、G5 の関数を G6∼G30 までコピーします。

Sheet1から Graph1 のタグをクリックし、Graph1 に計算線が表示されたことを確認しましょう。 これで、ラングミュア式によるデータの解析は終了です。実験値と理論値を比較して、現象 について考察してみて下さい。ラングミュア式を理論的に導く場合に、ある仮定をしている のですが、その仮定をしているラングミュア式が実験データを精度よく計算できていれば、 その仮定が妥当なもとであったと考察できます。 与えられたモデルデータで、ラングミュア式によるデータ解析ができれば、他の理論(例え ば、フロインドリッヒ;Freundlich 式や BET 式;レポートはどちらか一方でも可です。) に ついても、Excel で計算してみましょう。レポートには、自分のデータについて、ここで行 った内容と同様に計算し、その結果を考察に記述して下さい。 自分のデータについて、同様の計算をするには、まず、いままで計算を行った Excel ファ イルを保存します。データを自分の実験データに置き換える前に Excel ファイルをさらに別 の名前で保存します。与えられた Excel ファイルは、初期状態では模擬のデータが入力され ているので、今回自分達の実験したデータを入力していきます。入力するデータは予め計算 しておいた、酢酸濃度 Cb[mol/l]と活性炭吸着量 n[mol/g]になります。下の画面の丸で囲んだ 部分にそれぞれ自分の実験データを入力していきます。 今回は、Cb/n の値を入力する必要はあり ません。Excel が自動的に計算を行って 結果を表示するようになっています。 次に酢酸濃度 Cb[mol/L]と活性炭吸着 量 n[mol/g] の 関 係 お よ び 、 酢 酸 濃 度 Cb[mol/L]と Cb/n[g/L]の関係をグラフ化 します。今回は、自動的にグラフが作成 されるようになっていますので操作は必 要ありません。 3.9 Freundlich の等温吸着式による相関 今回の実験で得られた酢酸濃度 Cbと活性炭吸着量 n のデータを利用して、Freundlich の等温 吸着式の定数 a、b の値を求め、Freundlich の等温吸着式の理論線をグラフに追加します。 ここで、Freundlich 式は次式で表されます。 b b aC n 1 = このままでは定数 a、b の値を決定することが難しいので、上式の両辺の対数をとり、線形化 します。すると、次式となります。 b

C

b

a

n

ln

1

ln

ln

=

+

ここで、ln Cbと ln n の関係をグラフにプロットすれば、傾き 1/b、切片 ln a の直線関係が得 られます。したがって、実験データである酢酸濃度 Cbと活性炭吸着量 n の値の対数をそれぞ れ計算します。配布した「ad_gra.xls」ファイルを開き、「吸着データ」シートの任意の部分 に以下のような表を作成します。

(28)

27 次に、ln Cb[-]の列の最初のセルに以下の数式を入力します。

=ln(B5)

上式中の「B5」は Cb の値の最初のセルの位置を指します。各個人の位置によって変更して ください。 次に、ln n[-]の列の最初のセルに以下の数式を入力します。

=ln(C5)

上式中の「C5」は n の値の最初のセルの位置を指します。各個人の位置によって変更してく ださい。 ここで、ln Cb[-]、ln n[-]の値に対しそれぞれオートフィルを行い、計算させます。すると以 下のようなデータが完成します。 計算したln Cb[-]、ln n[-]の値をグラフにプロットし、最小二乗法による直線式を求めます。

(29)

28 ここで、以下のような直線の式が得られたとします。

913

.

5

ln

3169

.

0

ln

913

.

5

3169

.

0

=

=

x

n

C

b

y

  

上式より切片は-5.913、傾きは 0.3169 となるので、以下の要領で定数 a、1/b を計算します。

=

=

=

5

.

913

− 9135.

ln

a

  

a

e

0.00270

3169

.

0

1 =

b

a の値を Excel で計算させる場合は任意のセルに以下のような数式を入力することで求める ことができます。

=exp(-5.913)

これで、Ferundlich 等温吸着式の定数 a、1/b の値が決定しました。この値は後で使うのでノ ートなどにメモしておいてください。

次に決定した Ferundlich 等温吸着式の定数 a、1/b の値を用いて、Ferundlich 等温吸着式のグ ラフを作成します。先ほども示したようにFerundlich 等温吸着式は次式で表されます。 b b

aC

n

1

=

従って、定数a と 1/b の値はすでに決定しているので、任意の Cbの値に対する n の値を数点 求めれば、Ferundlich 等温吸着式で求めた理論線が得られます。以下の操作で理論線を引く ことができます。 Langmuir 等温吸着式による相関のときと同様に、Excel の「吸着データ」のシート上の任意 の場所に以下のような表を作成します。 次にFerundlich 等温吸着式に従い、n の値を計算します。 b b aC n 1 = 式中の定数 a、1/b は先ほど計算した値を用います。したがっ て式は次のようになります。 3169 . 0 00270 . 0 Cb n= × この式をExcel のセル内に記入すれば計算ができます。次の

(30)

29 ように記入します。

=0.0027*G5^0.3169

ここで式中の「G5」は Cbの値が0 のセルを指しています。各個人の位置によって変えてく ださい。 次に式を記入したセルを Cbの値が0.5 のところまでオートフィルを行います。そうするとす べての Cbに対して n の値が計算されます。

これでFreundlich 等温吸着式のデータが完成しましたので、次に「Graph1」酢酸濃度 Cb[mol/L] と活性炭吸着量 n[mol/g]の関係のグラフに、このデータを追加し、理論線を引きます。理論 線の引き方はLangmuir による相関のときと同様の操作を行ってください。 グラフの書式等を変更し整理すると、以下のようなグラフが出来上がります。 3.10 吸着等温線とは 固体の吸着剤を溶液と接触させる時、一定量の吸着剤によって吸着される溶質の量は温度 一定ならば溶質の濃度の関数になる。一定温度での吸着量を温度に対してプロットした時に 得られる曲線を吸着等温線という。この吸着等温線を比較的よく表す経験式として次の Freundlich 式がある。 n=aC1/b (1) ここで n は吸着剤の質量あたりの吸着量、C は吸着平衡濃度、a と b は実験から決定される パラメータであるが、その物理的意味は多少希薄である。 これに対し、理論的な意味を持つものに次のラングニュア(Langmuir)の吸着等温式がある。

(31)

30

KC

KC

n

n

+

=

1

(2) ただし、nは飽和吸着量、K は吸着平衡定数である。この式は、 1)吸着分子が固体表面で単分子以上の厚い層を作ることはない。 2)吸着分子同士の間の相互作用はない。 という二つの仮定にもとに導かれたものである。 結果の整理および報告 Freundlich 吸着等温式、Langmuir 吸着等温式の各々のパラメータの最適値を求めよ。また、 活性炭の吸着特性および表面積について考察し、化学工学における吸着操作の重要性につい ても検討せよ。 3.11 吸着等温式 (a) ヘンリー(Henry)型吸着等温式 液相の濃度あるいは気相の圧力が小さい場合、吸着分子間の距離が十分に長いため、吸着 分子同士の相互作用が無視でき、固体表面と吸着分子のみの相互作用で吸着量を決定できる とき、次式のように表される。 n=K・C (3) ここで、K は比例定数である。図 3-1 の(a)に示すように濃度 C と吸着量 n は比例関係があり、 一般に吸着量が小さい範囲で成立する。気体の場合は,溶液濃度 C の代わりに気相圧力 p を 用いればよい。 濃度(分圧) 濃度(分圧) 濃度(分圧) 濃度(分圧) 吸着量 吸着量 吸着 量 吸着 量 (a)ヘンリー型 (b)ラングミュア型 (d)BET型 (c)フロインドリッヒ型 0 0 0 0 図3-1 吸着等温式

(32)

31 (b)ラングミュア(Langmuir)型吸着等温式 ラングミュアは、図 3-2 に示すように固体表面に同等な吸着力を示す吸着サイトがあり、 表面に1 分子層だけ吸着する(単分子層吸着)と仮定して、平衡状態における吸着量と溶質 濃度(気相分圧)のと関係を導いた。全吸着点のうち吸着分子に覆われている吸着点の割合 をθ[-]とすると、分子の脱着速度 r’[mol・s-1]はθに比例する。比例定数を a[mol・s-1]とすると 次式のように表される。 吸着剤 吸着分子 吸着サイト 図3-2 固体表面上の吸着サイト(Langmuir 式の導出) r=a・θ (6) また、気相からの吸着速度 r[mol・s-1]は空いている吸着点の割合(1-θ)[-]と溶液濃度 C[mol・ m-3]に比例する。 r’= b・(1-θ)・C (7) このときの比例定数を b[m3・s-1]とする。また、平衡状態では両速度は見かけ上等しいため以 下の式が成り立つ。 a・θ=b・(1-θ)・C (8) これを変形する。

C

b

a

C

b

+

=

θ

(9)

ここで,飽和吸着量を n[mol・kg-1] ,b/a を K[m3mol-1](K は吸着平衡定数)とおくと,

=

n

n

θ

となるので次式が得られる。

(33)

32

KC

KC

n

n

+

=

1

(10) これをラングミュア式と呼ぶ。 (c)フロインドリッヒ(Freundlich)型吸着等温式 フロインドリッヒの吸着等温線は図3-1(c)のように示される。 n=a・C1/b (11) n は吸着量[mol・kg-1]で a と b はともに吸着定数[-]である。 (d)BET(Brunauer-Emmett-Teller) 型吸着等温式 BET 型の吸着等温線は、図 3-1(d)に示される。ラングミュア式は、表面に 1 分子層だけ吸 着すると仮定したものであるが、BET 式は無限分子層まで吸着できる式である。図 3-3 に示 すように、吸着した分子がそれぞれ次の層の吸着サイトとなり、分子は積み重なって多分子 層に無限層まで吸着できるものとし、各層への吸着にラングミュア式を適用すれば、次式の ように表せる。

(

C

) (

KC C

)

C K q q − + ⋅ − ⋅ ⋅ = ∞ 1 1 (12) この式は多孔質固体の細孔表面積を窒素ガスの吸着によって測定する際に利用される重要な式 である。 表面の吸着サイト 分子上の吸着サイト 図3-3 多分層吸着モデル Langmuir 式のパラメータ決定法 水溶液からの酢酸の活性炭に対する吸着平衡データ(吸着平衡温度12℃)は,表 3-1 のよ うに与えられる。実験データより、ラングミュア式のパラメータ(K;吸着平衡定数,n 飽和吸着量)を最小二乗法で決定せよ。さらに、ラングミュア式より決定した nK の値を 用いて吸着等温線を計算し、計算線として図に示し実験点と比較せよ。

(34)

33 表3-1 n, C, C/n の関係 ラングミュア式は式(3.10)で与えられる。この式を変形すると、次式となる。

C

K

n

C

K

n

+

=

1

1

(3.13) 両辺に C をかけると以下の式が導出される. C C n K n C K n C C K n C β+α・ + ・ ・ ・ ・ = = + = (1 ) 1 1 (3.14) ただし、α=1/n∞,β=1/(n K)とする。式(3.14)より C/n と C の関係のグラフプロットは 傾きα=1/n,切片β=1/(n K)の直線関係を与えることを示している。表 3-1 の値を用 いて計算した C/n と C の関係を表 3-1 および図 3-4 に示す。 最小二乗法を用いて、傾きαと切片βを決定した。 α=1/n∞=438.65, β=1/(n・K)=26.54 得られた傾きおよび切片より、nおよび K は次のように求まる。 n∞=1/α=1/D18=0.00228 mol・g-1, K =(1/n∞)/β=α/β=D18/C18=16.5 0 50 100 150 200 0 200 400 600 C [ mol・m- 3 ] C / n [ k g ・ m -3 ] 傾き = 1 / n1   nK 切片 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 0 100 200 300 400 500 液相の溶質濃度 C [ mol・m- 3 ] 吸着量   n [ m o l・ kg -1 ] 液相と溶質濃度 C [ mol・m-3] 吸着量   n [ m o l・ kg -1 ] 実験点 Langmuir式パラメータ n: 0.0033 [ mol・g-1] K : 0.0086 [ m3・ mol -1]3-4 ラングミュア定数の決定 図 3-5 12℃における酢酸濃度 C と 吸着量 n の関係 C [mol・m-3] n[mol・kg-1] C/n [kg・m-3] 460 225 109 52.9 21.4 2.68 1.99 1.49 1.05 0.60 172 128 73.2 50.4 35.7

(35)

34 Freundlich 式のパラメータ決定法

酢酸水溶液中における酢酸の活性炭に対する吸着実験を行ったところ以下のような実験デー タを得た。ただし、Cbはバルク相における酢酸濃度、n は活性炭に対する酢酸の吸着量を示 す。

Cb[mol/L] n[mol/g] log10Cb log10n 0.4621 0.00205 0.2410 0.00175 0.1139 0.00139 0.0519 0.00105 0.0243 0.00081 実験データを利用して、次式で与えられるFreundlich の等温吸着式の定数 a、b の値を求めた い。 b b aC n 1 = (1) このままでは定数 a、b の値を決定することが難しいので、上式の両辺の対数をとる。 b b b b b C b a C a aC n ln 1 ln ln ln ) ln( ln 1 1 + = + = =     (2) ここで、横軸にln Cb、縦軸にln n の関係をグラフにプロットする。すなわち、 x=ln Cb、y=ln n と考える。 b

C

b

a

n

ln

1

ln

ln

=

+

(3) ここで、直線式 y=a0+a1x と比較する。すなわち、

)

(

1

)

(

ln

1 0 0

傾き

  

切片

b

a

e

a

a

a

a

=

=

=

(4) a0および a1は、最小二乗法により、数値で求められる。与えられたデータでは、 a1= 、a0= なので、 a= 、b= となる。 この値を n=acb 1/b に代入して、cb=0∼0.5 の範囲で n の値を計算する。

参照

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