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炊飯米特性の理化学測定 れる 人による食味官能試験では, 所定の条件で準備した炊飯米の食味を選抜されたパネラーにより, 評価している 農林水産省 ( 旧食糧庁 ) で採用した標準計測法では, 炊飯米の食味について, 外観, 香り, 味, 硬さ, 粘り, 総合 の項目を点数で評価することと定めている

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Academic year: 2021

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1.はじめに

 わが国の米の食用利用の内訳は,家庭や業務用 途での炊飯米としての主食利用がその大部分を占 め,次いで,伝統的な清酒,味噌そ・醸造品製造の 原料米や和菓子,煎せん餅べい等に代表される米菓類,米 を原料としたパン,米麺などの米加工品製造での 原料米である。  国内での米の消費量は,食生活の多様化や欧米 化などのため年々減少し続け,1965年には国民 一人当たり1年間に111.7kgあったのに対し, 2010年では59.5kgになった1)。このような状況の 中で,食料自給率向上の施策とも合わせて,新た な米の消費拡大策が必要となっている。  水稲を品種別に見ると,作付面積は「コシヒカ リ」のおよそ38%が筆頭で,「コシヒカリ」系 で見ると,その割合は65%以上を占め,「コシヒ カリ」系品種の持つ品質特性が,市場において, 評価されている傾向がしばらく続いている1) (第1図)。  その理由の一つに,食べた際の“おいしさ”す なわち食味が良いことが挙げられる。主食利用に おける炊飯米特性のうち,食味は品質特性の中で も非常に重要であり,家庭用のみならず業務用途 の市場において,食味の良い米を安定的に市場に 導入できれば,消費量減少をもう少し抑制できる かもしれない。  炊飯米の食味の評価方法は,人による食味官能 試験と理化学的な測定原理に基づく検査に大別さ れる。現在,提案されている各種の理化学的な品 質評価項目の中には,この食味要因を評価・推定 する目的のものが多い。本稿では,炊飯米特性で 重要となる食味にかかわる理化学測定法を中心に 紹介する。

2.炊飯米に関係する品質項目と

測定方法

 炊飯米の原料となる玄米もしくは精米における 品質は,品種,産地,気象条件,栽培法,収穫, 乾燥・調製,栽培環境および貯蔵環境等が影響因 子となるといわれている。さらに,収穫後,市場 に流通してから消費者の口に入るまでに,貯蔵, 炊飯・調理,保蔵といった一連の工程も品質に影 響を及ぼす2)  炊飯米の食味評価方法は,人による食味官能試 験と理化学的な測定原理に基づく検査とに大別さ

米の加工利用(3)

炊飯米特性の理化学測定

●解説●

鈴 木 啓太郎

す ず き・ け い た ろ う 筑波大学大学院農学研究課 博士課程修了。現在,独立 行政法人農業・食品産業技 術総合研究機構作物研究所 稲研究領域主任研究員。新 規育成品種の品質検査およ び米加工品の用途開発の研 究に従事。 博士(農学)

(2)

れる。人による食味官能試験では,所定の条件で 準備した炊飯米の食味を選抜されたパネラーによ り,評価している。農林水産省(旧食糧庁)で採 用した標準計測法では,炊飯米の食味について, 「外観」,「香り」,「味」,「硬さ」,「粘り」,「総合」 の項目を点数で評価することと定めている。現在, (財)日本穀物検定協会で採用されている食味官 能試験もこれに準じて試験が実施されている。  一方,理化学測定法では,これらの食味にか かわる情報を客観的に評価もしくは推定する目 的で,成分特性,物理特性,外観,味,香りな どに関する測定方法が提案されている。成分特 性では,精米の主要構成成分であるデンプン (アミロース/アミロペクチン),タンパク質, 水分等に関連する測定を行う。炊飯米を直接評 価する測定では,物理特性,外観,味,香りに ついての検査が挙げられる(第2図)。  1)玄米および精米品質   玄米および精米については,農林水産省で定 める品位(検査)規格がそれぞれあり,水分, 整粒,砕米と背白,心白,粉状質,着色粒,未 熟粒などの被害粒の割合が,等級選別の検査基 準の項目に含まれている。等級の格付けは,流 通段階での米の価格に影響する。また,これら の指標は,米が商品として流通する前の1次的 な品質項目ではあるが,水分は精米特性に影響 を及ぼすこと,砕米や被害粒に類する乳白米や 未熟粒等の多少は,食味低下の要因であること が分かっており,米胚乳の充実度に関係する千 粒重と合わせて,整粒割合に関する指標は,食 味を判断する情報の一つとなる。  測定は,水分については加熱乾燥法および電 気抵抗式水分計による測定が,千粒重は電子天 秤法による測定が,旧食糧庁の標準計測法に定 められている。整粒割合は,人(検査官)によ る検査法が基本であるが,カラーCCDカメラ によるセンシング・画像解析技術の進歩により, 1粒ずつ連続的に解析可能な米粒判別装置が市販 化されている。  2)タンパク質含量  穀物の中でも,米のタンパク質はアミノ酸組成 の観点から栄養面では優れており,重要であるが, 炊飯米の物性,外観等に影響するといわれてい る3),4)。近年では,栽培時の施肥管理技術等の まっしぐら 1% つるがロマン 2% きらら 3% はえぬき 3% ななつぼし 3% キヌヒカリ 3% あきたこまち 8% ヒノヒカリ 11% ひとめぼれ 11% コシヒカリ 38% その他 17% 全国の水稲の作付状況 (農林水産省「米穀の流通・消費等動態調査」2009年) 第1図 稲の品種別作付面積

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(3)

進歩により,一般的な精米のタンパク質含量は, 5%から7%程度の範囲になっている5)。米のタ ンパク質は,タンパク質顆か粒(プロテインボディ) と呼ばれる構造物で,そのタンパク質組成により PB-I,PB-IIとして,胚はい乳のデンプン細胞の境界 に分布する6)。精米粒表層部に多く,中心部に向 かうに従い減少することが,顕微鏡観察からも確 認できる。  タンパク質含量の測定は,近赤外分光法による 非破壊計測やケルダール法または燃焼法により求 められる窒素含量から,所定の窒素-タンパク質 換算係数5.95を乗じて求める科学的定量法が標準 的であり,各計測原理に基づく測定操作を簡易化 または自動化した装置が販売されている。  3)アミロース/アミロペクチン含量  モチ米を除くウルチ米精米の主要成分であるデ ンプンは,アミロースとアミロペクチンから構成 されている。アミロース含量は,炊飯米の硬さや 粘り具合に影響を及ぼしている。また,炊飯米を 置いておくと時間の経過とともに硬くなり,粘り も減少し,まずくなってしまう。おもに,炊飯に より糊こ化したデンプンの物理的変化によるもので, 老化と呼ぶが,炊飯米が硬くなりにくい,すなわ ち耐老化性に優れた品種は,お弁当,おにぎりな ど業務用途での要望がある。  アミロースの測定は,ヨウ素呈色法,電流滴定 法,酵素法,酵素-クロマトグラフ法などがある が,Julianoにより提案されたヨウ素呈色法によ る“見かけのアミロース含量”として計算する方 法が,世界的にも広く用いられており,人による 試験分析およびオートアナライザーによる測定が 可能である2)  消費者に好まれている「コシヒカリ」系の良食 味品種の炊飯米の特徴としては,適度な硬さに加 えて,よく粘る特性が挙げられる。このような米 は,おおむね15%から20%程度の範囲にあるア ミロース含量の一般米の中で比較しても,アミロ ース含量が15%から18%程度で低い傾向にある。 また,一般米よりさらにアミロース含量が低く, 15%以下の低アミロース米では,主食用途のほか に,冷凍ピラフや冷凍寿司といった米飯加工品に 用いられている。また,一般米とブレンドして, 炊飯米の物理特性を改善したブレンド米として利 用が検討されている7)。いずれも,アミロース含 量の検査結果から,初期の原料選定の際の適性が あると判断された。  精米のアミロース含量は,炊飯米の物理特性に 強く影響することが分かっており,重要な品質指 標の一つである2),3)  他方,アミロペクチンの鎖長分布と理化学特性 との比較解析からは,アミロペクチンの分子構造 が物理特性を規定している因子の一つであるとい う解析結果が得られた9)。その結果,アミロペク チン分子構造の情報は,アミロースの情報に加え て,米の物理特性の違いを説明する材料となると 考えている。  4)物理特性  アミロースやタンパク質が影響因子となる炊飯 米の物理特性は,食味官能試験においても最も強 く判断に影響している特性と考えられている。物 理特性の評価からは,炊飯米の硬さや粘り具合に 加えて,炊飯米粒の弾力性などの食感にかかわる 値について数値化することができる。また,保蔵 に伴う炊飯米の硬化のしやすさ(老化性)につい ても,食味への影響はもとより,弁当やおにぎり などの業務用炊飯米の選定のために適性評価する ことができる。  物理特性の測定は,圧縮試験機を用いる。炊飯 米粒もしくは一定重量の炊飯米を成型した米塊を 圧縮試験する方法があり,炊飯米に関する測定は, テンシプレッサー,テクスチュロメーターと呼ば れる圧縮試験機を用いた評価例が多い。

(4)

 炊飯米粒を用いた測定からは,炊飯米表層いわ ゆる“おねば”と呼ばれる部位の硬さや粘りに関 する指標と同時に,炊飯米粒全体の硬さや粘りに 関する指標を同時にかつ高精度に検出可能である。 また,粘りと硬さの比をとったバランス度(粘り /硬さ)が高い炊飯米ほど,食味評価が高い傾向 が見られ,良食味の推定の指標の一つになる4) 圧縮方法を変えることにより,米飯粒の弾力性を 評価することができ,粒感のある,しっかりした 食感の有無を評価することができる。  一定重量の炊飯米を成型した集団粒(米塊)に よる圧縮試験からは,炊飯米のほぐれやすさ,成 形容器からの離れやすさといった業務用途でのハ ンドリングにかかわる品質情報,あるいはブレン ド米の物理特性からブレンド適性を解析する情報 が得られる(第3図)。  5)外観  炊飯米を見た際に視覚的に把握できる白さや光 沢,つや,粒感などは,食味官能試験の「外観」 項目において重要な要素であり,これらを客観的 に評価でき る測定方法 が必要であ ると考えら れている。  色彩光沢 計,味度メ ーター,炊 飯食味計な どの分光分 析法に基づ き,炊飯米 を光学的に 直接測定し, 炊飯米表層 の状態を数 値化する装置が開発されている。味度メーターで は味度,一方,炊飯食味計では炊飯食味値として, 食味官能試験の「総合」評価とある程度の相関を 示す検量線が装置メーカーにより開発されており、 炊飯米の味度値および炊飯食味値を総合的に食味 を推定する外観評価値としている。  6)味  炊飯米を食した際に呈するほのかな甘みは,炊 飯米に含まれる遊離アミノ酸や遊離糖の影響が大 きいと考えられている。  呈味成分の測定では,いずれも炊飯米からの抽 出液の遊離アミノ酸および遊離糖をHPLC法で定 性,定量する。炊飯米の主要な呈味成分は,アミ ノ酸では,グリシン,アラニン,アスパラギン酸, グルタミン酸,他方,糖では,スクロース,グル コース,マルトースなどであり,「コシヒカリ」 系品種で食味官能試験が良いと評価された炊飯米 は,呈味成分が多い傾向が見られる。遊離糖含量 は,炊飯の前後および炊飯方法で変動することも 分かっており,炊飯後の炊飯米中の呈味成分の含 第3図 炊飯米の高精度物性試験(カラー図表をHPに掲載 C054) プランジ ャー 0 % 2 5% 90% 低 圧縮 試 験 米飯粒 First

Bite SecondBite

高圧縮 試 験 試料 厚 測 定 A1 A2 A3 H1 A4 A5 A6 L1 L2 L3 L4 L5 L6 H2 - H1 -H2 硬さ 硬さ 粘り 粘り 付着量 付着量 H1 硬さ -H1 粘り L3     付 着量 A3     付着性 バランス度 -H1/H1 バランス度 A3/A1 バランス度 L3/L1 H2 硬さ -H2 粘り L6 付着量 A6 付着性 バランス度 -H2/H2 バランス度 A6/A4 バランス度 L6/L4 米飯粒表層 (おねば)の物性 低圧縮試験 高圧縮試験 米飯粒全体の物性 タケトモ電機 テンシプレッサー My boy System

米飯の物理特性(硬さ、粘り)の測定 1粒法

(5)

量は,食味を判断する情報であると考えている。  7)香り  炊飯米の香りには,ガスクロマトグラフ-質量 分析(GC-MS)法による評価から,メチルエチ ルケトン,ペンタナール,ヘキサナール等の香気 物質が検出される。また,古米化の進んだ米では, ヘキサナールなどのカルボニル化合物の総量が増 加し,「香り」に関しては,不快臭に類する香り として評価される2)  炊飯米の香りの測定は,GC-MS法による香気 成分の定性,定量とライブラリーマッチングによ るデータベース化や数種類の半導体センサーを組 み合せた香り分析装置の活用により,食味官能試 験の「香り」との関係解析が進められている。  8)炊飯特性  炊飯特性試験は,米を炊飯した際の加熱吸水率, 膨張容積,炊飯液のヨード呈色度,固形物量など を測定する。一定量の米を炊飯して検査する方法 と米国農務省で開発された方法,竹生による改変 法が基準となり,農林水産省(旧食糧庁)の標準 計測方法にも採用された2)。ヨード呈色度と食味 の総合値とに正の相関がみられること,業務用途 における原料米の低コスト性に関連する膨張容積 など品質に関係する指標を比較的少量で評価でき る点で重要な評価法といえる。

3.理化学測定で分かること

 農林水産省の委託プロジェクト「加工業務プロ」 において,新規育成米の炊飯米特性に関する各種 理化学測定値をデータベース化し,主要な品質項 目を全国の一般米品種の検査値の平均値とレーダ ーチャート上で比較できるようにした(第4図)。 このデータベースとの比較では,栽培年次,気象 環境や栽培地等によると思われる品質の変動が観 察されたが,「コシヒカリ」,「キヌヒカリ」,「ひ とめぼれ」,「あきたこまち」,「ヒノヒカリ」,「ほ しまる」,「ゆめぴりか」,「つや姫」,「はえぬき」, 「みずほの輝き」,「いただき」,「萌もえみのり」, 「ふくいずみ」,「あきだわら」などで主食用米と して良質であると判断される品種が多かった。  各種の理化学 測定は,客観的 情報を得られる 反面,各測定は 単一的な評価と なる。また,品 質が近接した一 般米の品種が多 く流通するよう な昨今,単一の 品質指標のみで は,食味の推定 精度が十分に得 られないことも ある。より高度 な食味推定をす 第4図 理化学測定値のデータベース化(カラー図表をHPに掲載 C055)

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(6)

るためには,複数項目の品質評 価結果を基に,総合的に解釈す る必要があり,複数の理化学測 定値と食味官能試験の結果を基 に,統計的解析結果から食味推 定式を作成する研究も進められ ている10),11)。著者らのこれま での研究から,精米のアミロー ス含量やタンパク質含量,炊飯 米の物性値,外観評価値,呈味 成分(還元糖)含量から精度良 く,食味を推定できる可能性が 示された(第5図)。

4.おわりに

 炊飯米特性の理化学的手法に よる解析は,新しい品種の選抜・育成,流通米の 品質を把握するために重要な情報を提供すると考 えられる。また,本シリーズ解説の中にも連載さ れている多様化する各種の高機能炊飯器や業務用 炊飯工程における炊飯適性を解析する上でも重要 な役割を担っていると考えている。  理化学測定法は,一度に多面的な情報を得られ る食味試験と異なり,各種の計測からそれぞれが 単一的な情報を客観的に得られるという特長があ る。そのため,品質をより正確に把握するために は,複数の理化学測定法の組み合わせによる評価 結果を基に,炊飯米の特性を総合的に判断する必 要がある。現状では,測定項目によっては,生米 による検査と炊飯米による検査を実施し,判断す ることが不可欠であると考えている。今後,より 簡便に品質を予測可能な評価法を確立できるよう に関係機関・組織との連携を図りながら,研究に 取り組んでいきたい。

参考文献

1)農林水産省 (2009):米穀の流通・消費等動態調査. 2)竹生新次郎 監修 (1995):米の科学,朝倉書店. 3)岡留博司ら(1999):窒素施肥の異なる炊飯米の多面 的物性評価法,日本作物学会記事,68,211-216. 4)益重博ら(1994):プロテインボディI,IIの分布,含量 と米の食味の関係,育種学雑誌,44別2,238. 5)鈴木啓太郎ら(2006):理化学測定による各種新形質 米の品質評価,日本食品科学工学会誌,53,287-295. 6)田中國介ら (1988):化学と生物,26,543. 7)鈴木啓太郎ら(2006):茨城県産米「ゆめひたち」の 品質特性および低アミロース米とのブレンド効果,日 本食品科学工学会誌,53,296-304. 8)農林水産省 農林水産技術会議事務局,(独)農業食品 産業技術総合研究機構 作物研究所(2006):新しい 米を創る.

9)Suzuki. K. et al (2006): Relationship between chain-length distributions of waxy-rice amylopectins and physical properties of rice grains, J. Appl. Glycosci., 53, 227-232. 10)農林水産省 農林水産技術会議事務局(2002):米の流 通・消費の多様化に対応した新食味評価手法の開発. 11)大坪研一,鈴木啓太郎ら(2007):官能検査および理 学評価による米の食味の総合評価技術の開発,飯島 記念食品科学振興財団年報,Vol.2005,251-260. 第5図 理化学測定に基づく炊飯米の食味測定 (カラー図表をHPに掲載 C056)

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