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Fusarium属菌によるd,l-シリンガレジノールの分解について-香川大学学術情報リポジトリ

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香川大学農学部学術報磐 第33巻 第1号 7∼14,1981

助、ぎαγ血椚属菌によるd,㌃シリンガレジノーールの分解について

岩原章二郎,袈岡 英樹

DEGRADATION OF d,t−SYRINGARESINOL BY FUSAIUUMSPP=

ShojiroIwAHARA and HidekiKAOKA

工twasfound thattheintactcells of FusaYiumspp.‡emarkably degradedd,lrsyringaresinolThe

intracellularand constitutiveenzyme participatedin the degradation was partially purified by gel

filtration on Sephadex G−100and G−150,and DEAE−Gellullosecolumn chromatographyh Theenzyme preparation oxidized phenoIs suchasguaiacol,Syringalda2;ine,Cathecoland pyrogallolbut notoxidized phenoland tIyrOSine‖ The enzyme activity was notaffected by theaddition of hydrogenperoxide

Thisenzymewasassumedtobealaccasetypeen苧ymeIt wasassumedthatoxidativedegradation

Of d,l−SyringaresinoIwas caused by the enzyme

釣狐即’査α∽屈曲の洗浄菌体がd,/−シリンガレジノー・ルを分解することを見出した.分解に関与する酵素は菌体内 に存在する構成酵素であることが明らかとなった.本酵素をSephadexG−100,G−150によるゲルろ過およびDEAE− Celllユloseカラムクロマトグラフィーにより部分粕製してその諸性質について検討した.本酵素櫻品はグワヤコー ル,シリンガアルダジン,カテコール,ピロガロールなどのフェノール類を酸化したが,フ,エノ・−ルおよびチロシン などを酸化しなかった.木酵素の活性宜対してH202ほ全く効果を示さなかった..本酵嘉穂品はd,/−シリンガレジ ノールを酸化附に分解した.この分押反応ほ木酵謀標品巾のラシか−ゼによるものであると推定した. 緒 ロ コ1エフエリールアルコール脱水素頚合物資化陸のダα5α7−紘服属菌が各鹿のリグニン関連芳香族化合物を資化する ことについてはすでに報告した(1).また,ダα5αγ・∠糾明5仇b矧M13−1によるデヒドロジコエフエリールアルコール, グワ1アシルグリセローールーβ一コニフェリー・ルエーテルなどの2こ鼻休の分解経路を明らかにしている(2一一章).本研免は 丹那αわ狛柁属菌によるリグニンの分解機構を解明する目的で行なっている研究の一・環として行なったものである. 東研究においては広葉樹リグニンの構成単位の一つを成している難分解性の化合物とされているd,才一シリンガレジ ノールをモデル化合物として用い,その酵素的分解について検討した.樋口らは 爪相即友一〟∽∫ク/α乃よ M13−1蘭妹 の培養液中からシリンガレジノールの分解産物を分離しその化学構造を明らかにしている(¢)。しかし,その分解反応 にどのような酵素が関与しているかは不明である.本研兜はこの点を明らかにするI∃的で行なった. 実験材料および方法 1.使用菌株 コニフェリールアルコール脱水素頭合物を嘩一成紫源として生育できるFα5α′∠狛柁屈菌(1)22菌 株を使用した. 2.培地組成および培養方法 菌の培養は下記の組成の培地を用いて行なった.培地150mJを含む500mJ容三 角ラスコに穆薗培養液4mJ(試験管で2日間培養したもの)を接種し,回転板とう機上(200rpm)で280Cにおい て2日間培養した.培地担成はNH4NO85g,グルコース10g,ペプトン 6g.カザミノ酸2g,酵母エキス1g, K2HPO41g,KClO.5g,MgSO4・7H200.5g.FeSO4・7H2010mg,MnCl才・4H20 5mg,CaCIp・2H2020 mg,CuSO4・5H201mg,脱イオIン水1l.pH6.0である. 3.洗浄菌体の調製および反応条件 培養で得られた菌体を東洋ろ紙No.2でろ過して集め,0.1Mphoshate buffer(pH7.0)で3回洗浄した.洗浄菌体200mg(生愚意)に対しbuffer4mlを加えて菌休を分散させ実験に

(2)

香川大学農学部学術報告 第33巻 第1号(1981) 供した.反応組成は洗浄菌体20mg(生重畳).d,l−シリンガレジノール0.4pmolおよびphosphate buffer(pH 7.0)4仙mol,全容0.4mJである.反応は300Cにおいて一・定時間放とうして行なった.反応後0.1NNaOH溶液 2.6m7を加え.遠心分離により菌体を除去しUVスペクトルを測定した.シリンガレジノールの分解活性は255nm における吸光度から求めた。 4.α一カルポニル化合物の調製 α・一カルポニル化合物(Fig7の化合物ⅠⅠ.Ⅲの混合物,主成分はⅢである) は下記の方法により調製した.Fusariumsp”MlOlの洗浄菌体2gを0.1M phosphatebuffer(pH7.0)50ml に分散させ25I‘mOlのd,んシリンガレジノ・−ルを加え280Cにおいて振とうして反応させ365nmにおける吸光度が 最高に達したところで反応を停止した.遠心分離により歯休を除去した後,上燈液を洩縮乾固し,少鼠のメタノーリレ に溶解して基賓として用いた. 5.酵素活性の測定 α一カルポニル化合物の生成活性は,d,l−シリガレジノール0.4pmol,phosphateblユffer (pH7.0)4仙molおよび酵素液を含む全容0.4mJの反応液を300Cにおいて一・定時間振とうして反応させた後に 0.1NNaOH溶液2.6mJを加え365nmにおける吸光度を測定して行なった.α−■カルポニル化合物の分解活性は. α−カルポニル化合物(0.D365nm=5.0),phosphatebuffer(pH7.0)40pmolおよび酵索液を含む全容0.4ml の反応液を300Cにおいて一足時間振とうして反応させた後に0.1NNaOH溶液2.6mJを加え365nmにおける吸光 度を測定して行なった.365nmにおける吸光度を1時間で0.1減少させる酵素盈を1unitと定めた.以上の酵素活 性の測定においてはα−カルポニル化合物の生成反応と分解反応とがほぼ同一・適度で進行するため正確な測定値を得 ることは困難であった.ラツか−ゼ活性は,グワヤコ1−ル2FLmOl,phosphatebuf士er(pH7.0)25pmolおよび 酵素液を含む全容2.5m/で300Cにおいて30分間反応させ470nmにおける吸光度を測定して行なった.

6.タンパク質の定盈 タンパク資は牛血アルブミンを標準タンパク賓として用い,Lowfy法(17)または280nm

における吸光度を測定する方法により定湿した. 7.クロマトグラフィq 薄層クロマトグラフィーはKieselge160F2封(メルク社製)を用いクロロホルムー メタノ・−ル(25:2,Ⅴ/V)を溶媒として上昇法により展開して行なった.風乾後クロマグラム上の物質スポットは UVランプにより検出した. 実験結果および考察 1.ダ〟ざαrf〟m属菌の洗浄菌体によるd,J−シリンガレジノールの分解ダα∫α㌢さα∽属菌22薗株の洗浄菌体に・よる シリンガレジノールの分解について検討し代表的な菌株の結束をTablelに示した.Tablelに示すように,いずれ の薗株も分解能を有していることが明らかとなった.つぎに,反応時間の経過にともなうUVスペクトルの変化を 測定した.代表的な結果をFig..1に示した.

rablel.Degradation ofd,l−Syringaresinolbyintactcells o董Fusariumsppl

Degradation(%)* Strain tested ダ弘Sαわ〟椚ぶ0/α紹云M4−2 F〝∫αγよ捉椚Sp.M7−1 ダ弘ざαグよα椚Sp.M8 ダ∽即幼州SpMlOl ダ猥α′査α桝Sp.MlO2 F∽αγよび桝Sp.Ml13 ダ弘ざαγよ紘朋Sp..Ml15 釣跡〝ぬ椚Sp.Ml16−・1 35.7 68.1 72.0 29.3 33.3 29.3 58.5 70.7

*Decrement o王■absorbance at255nm

The reactionmiⅩtureCOntainingO.1pmolof d,l−Syringaresinol,80FLmOl ofphosphate buffer(pH7.0)andlOmg(as dry weight)ofintact cellsin a totalvolume of O.21mlwasincubated foI24hr at 30℃

with shaking

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岩原章二郎,査問英樹:シリンガレジノ−ルの分解

250 300 350 400

Wavelength

Fig‖1UV−Spectra o董the reaction mixtures

The reaction conditions were the same as those of Tablel.

−:befor・eincubation,… :FusaY’ium solaniM4−2,6−hr

incubation,−・−・−・・1−:FusaYiumsolaniM4−2,24−hrincubation, −…−・… :Fusariuhケsp”Ml16−・1,6−hrincubation,−・・−・‥− Fusarium spMl16−1,24−hrincubation 菌株により反応速度の差は認められるがいずれの南棟においても365nm付近に吸収を示す物質の生成を経て分解 されることが明らかとなった.このことば.ダ〟9α7■哀鉦椚∴加減別庖M13−1蘭棟の培養実験ですでに明らかにしてい るように(8),ダ〟ぶα′よ〟研属鰍こおいてはシリンガレジノールはα位炭素の駿化を経て分解されることを示すものであ る.このような反応はいずれの菌株においても培養液中には全く認められなかったので.この反応に関与する酵素は 菌体内に存在するものと考えられる. 2.酵素の精製および酵素の諸性質 シリンガレジノ・−ルの分解能の高い爪那の・飯沼SpMl16−1蘭株の無 細胞抽出液でも分解反応が起こることが明らかとなった.酵薫の諸性質を明らかにする目的で酵実の桁製を試みた. ダ狛氾門飢昔柁SpMl16−・1蘭株を150m/の培地を含む500m/容三ザフラスコで2日「帯板とう培養した.培養後衛体 をろ過して集め,0.1M phosphate buffer(pH7.0)で3回洗浄した.洗浄菌体に同軍鼠のガラス粉末を加え乳 鉢で摩砕し,buff■erを約5倍量加え遠心分離(18,700×g.20分)を行なった.得られた上澄液に90一%飽和に達す るまで硫安を加え 00Cに24時間放苫後遠心分離(18,700×g.20分)した.得られた沈でんを少鼠のbufferに溶 解し不溶性成分を遠沈除去した後.0.01Mphosphatebuffer(pH7.0)中で24時間透析した.透析液をSephadex G−100によるゲルろ過.DEAE−Celluloseカラムクロマトグラフィl−.さらにSephadexG−150によるゲルろ過 行なって精製した.SephadexG−150によるゲルろ過の結果をFig.2に示した.酵累の梧製は不充分であったがシリ

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布川大学農学部学術報告 第33巻 第1号(1981)

︵12\︶⋮コ︶音⋮︶U摘む2hzuり浮竃巴餌名⊥を。q−パ︸b

︵∈uOト竹馬むU⊆ぷOSq亘︶L︵︶tと芯d US再UU尺J

Fig2.Gelfiltration of theenzyme on Sephadex GN150 Sephadex G−150was equilibrated withlOmM phosphate

bu董fer,pH7。O and packedin a column4.2cmX79cm

The enzyme solution containing−26mgOf protein was poured onto the column which was then eluted with the

same bu董fer at a flow rate of15ml/hr

一−N=Ⅳ¶ :α−Carbonyトdegrading enzyme activity, A−N・−−− :1accase activity, :prOtein

Table2.Effect of metalions andinhibitors on the enzyme activity

︵2UOト寸︶再むUu雲hOSqSh︶一之︶U巧むS帽UU3 ︵︼−un︶台薫︶U吋む2hzuむぎ苛巴汐p・l旨Oqh再じも reaction mixture Concentrationin (mM) Relative activity(%) Material 0 8 4 0 00 0 3 6 6 4 1 0 4 4 1 3 3 0 0 7 3 0 2 8 2 9 5 0 ﹁1 8 8 1 nO 8 1 ﹁⊥ 1 None NaHAsSO4 MgSO4・7H20 Hg(CH3COO)2 Cus04・5H20 Pb(CH3COO)2 CoSO4 AgNO8 Cd(NO8)2 ZnSO4 FeSOI Fe2(SO4)3 Ni(NO3)2 Ba(NO3)2 KCN Thiourea UIea Cysteine Homocysteine BIOmOaCetic acid 3 4 5 6 7 日 9 1u ll pII

Fig”3.Effect of pH on theenzyme activity

−−− :α−CarbonylMdegrading enzyme activity, −・−・−・− :1accase activity, 〇:0.1M McIIvain buffer, ●:0.1Mphosphate bufier, 0:0.1M Na2C03−NaHCO3buffer

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岩原章二郎,賀間英樹:シリンガレジノールの分解 11 ンガレジノ・−ルの酸化活性とラッカーゼ活性は精髄過 程中においてほぼ同一・の挙動を示した.活性区分を集 めてコロジオンバンクで潰縮して実験に供した. F短い3に示すように,木酵素標品の最適pHは6イ寸近 であった.pIiに対して−もラッカーゼ活性とシリンガ レジノールの分解活性はほぼ同じ挙動を示した.本酵 素標品はグワヤコール,シリンガアルダジン.ピロガ ロール.カテコールなどのフ.ユノ ール矧を酸化した が,フーエノ・−ル,チロシンなどほ酸化しなかった.こ れらの結果からシリンガレジノt−ルの軟化分解はラッ 42 7 37 37 74 7 44 Iodoacetic acid ♪−CMB* 0−Phenanthroline Sodiumdiethyldi■・ thiocarbamate Thioglycolic acid EDTA** α,α′−Dipyfidyl *p−Chroromercuribenzoate,**EthYlenediamine tetraacetic acid

Fig\4.UV・−Spectra of the reactionmixturel

The reactionmixture containing2pmolof d.l−Syringaresino1,200 pmolof phosphatebuffer.pH6.0,andtheenzyme(50pgofprotein) in a totalvolume of2.Omlwasincubated with shaking at28℃.,

p∼ :beforeincubation, :incubated for30min, −−−−・− :incubated forlhr,−・N・十:incubated for12hr,

−1− :incubated for24hr か−ゼによるものと考えられるvつざに,木楷剰乳誌のラッカ・−ゼ活性に対する金属イオンおよび各種の阻害剤の作 用について検討した.Table2 に示すように,Hg2十,Fe2十.Fe3■ト.Cu2十.Ag+,Pb2十などの重金属イオ■ンにより 強く阻害された.また.各秤の金属キレ・−ト剤により阻害された.♪−CMB. ヨード酢酸.ブロモ酢軌 システイ ン,ホモシステインなどにより強く阻害された.これらの紋果から木帝素はSH基をもつ金属開演であろうと推定 される. 3.反応生産物の同定 木酵素標品をシリンガレジノールに作用させるとFig」4に示すようなUVスペクトル の変化が認められた.各反応液をTLCで分析した結果をFig5に示した.各スポソトのUVスペクトルをFig”6 に示した.各スポソトのMS分析の結果,化合物(1)および(2)はm/e434(M+),化合物(3)はm/e280(M+). 化合物(4)はm/e168(M十)であった.UVスペクトル.分子嵐TLCにおけるRf値などほ標準物質のそれらと

(6)

香川大学農学部学術報告 第33巻 第1号(1981) 12 ・−・致した.木酵素標品によりFig\7に示す化合物Ⅱ, mおよびⅧが生成し,化合物Ⅱ,Ⅲの混合物はすみや かに分解しⅧを生成する.また,化合物Ⅳを反応液か ら調製し本酵素標品を作用させると分解して化合物Ⅷ を生成する.本研究においては化合物Ⅴ,Ⅶ,Ⅸは証 明できなかったが.上述の実験結果からシリンガレジ ノールほ木酵素標品にまってFig\7 に示すような経 路で分解されるものと考えられる,この反応経路はす でにダ払制京間ふぬ紺 M13−1菌株の培養実験で 確認されている(8〉.Table3に示すように,木酵素標 品のラノカーゼ瀞附こ対して特異的な阻害作用を示す システインおよびホモシステインはシリンガレジノ・− ルの酸化分解反応に対しても強い阻害作用を示した. 以】l:この実験結果から,本酵素標品は博一−・タンパク質で ないのでこれらの・∵連の反応が同・−・酵素によるものか どうかは明らかでないが,本酵素標品のラノか−ゼ活 性とシリンガレジノ・−ルの酸化分解活性とが酵素の精 製過程において,また,pHや阻害剤の作用などに対 しても同一・の挙動を示すことから考えてシリンガレシ 川 ■■■ ○ − 一 一 群 − − (2) ○ 一■ ■■ l0 ● (1j O ■■ t■■ ■■ ■ ■ t 0(〕

Ⅰ ⅠI ltI A B C D

Fig 5 Thin layer chromatography of the reaction

products.The reaction conditionswerethe

sameas those of FigAⅠ:incubated for 20min,r[:incubatedforlhr,Ⅲ:incubated fof 7 hr,A:d,l−Syring−areSinol,B:3,4− dimethoxy−4−benzoquinone,C:γ−rlactone deIivative(compoundⅣin Fig7),D:α一 carbon−0ⅩidizedT compounds(mixture of

COmpOund rt and min Fig7)

250 300 35() 400

(d)

むUU再qOSqq

∼弓0 写00 350 400

W?Velength(nm)

Fig.6UV−Spectra of the reaction pIOducts

(a):COmpOund(1)in Fig5,(b):COmpOund(2)in Fig.5, (c):COmPOund(3)in Fig5,(d):COmpOund(4)in Fig.5

(7)

岩原章二郎,賀間英樹:シリンガレジノールの分解 13

OH OH

H3CO OCHさ OCHさ H3CO

ン0\GH2 H¢−−ヰH ̄こ===ゴーd

H2

ニ銑3

くノC慧

H5CO HさCO Hd・__d日

日2と\。メ0

。H l−∨

∨‖

OC=5 日ヂ

,OCH3

=2?一0→o HC−−・dH Oe\0/加2 1× 8・ 二j:2こ=ゴ詣__評OH 馨1 H2e\やノO Hさe\。ノ0 V Vl

Fig”7.Enzymic degradation of d,l−Syringaresinol

一−−・・→:nOn−enZymic reaction,−>:enZymic reaction

Table3.,Inhibitory e董fect of cysteine and homocysteine on theenzymeactivity“

The reaction mixture containing0.1pmolof guaiacol,Syringaresinolor α−Carbonp・0Ⅹidized compounds obtained from syringaresinol,20pmolof

phosphate buffer,pH6.Oandtheenzyme(10pg of protein)ina total volume of O.,2mlwasincubated for15min at30℃with shaking.

ノールの酸化的分解はラッか−ゼの作用によるものと推定される.ラッカーゼやペルオキシダーゼなどのフェノール 酸化酵素によりシリンガレジノールが酸化的に分解されることが知られている(8 ̄10).ダ〟9α㌢・査〟椚属菌の場合にも菌 体内ラッカーゼによってシリンガレジノ・−ルは酸化的に分解されるものと考えられる.・一方,Fig」8 に示すように, ピノレジノールの場合には本酵累標品を作用させた場合にはUVスペクトルの変化は認められるが350−・360nm付 近に吸収を示す物質(α−・カルポニール化合物)の生成は認められなかった.本実験の場合にも,Pewら(8)がすでに

指摘しているように.ピノレジノールは本酵素標品によっては分解されず高分子化しているものと考えられる.しか

し,ピノレジノールは都路針・∠〟∽属菌によって分解される(1).したがって.ピノレジノ・−ルの分解にはラッカーゼ とは異なる酵素が関与しているものと考えられる.この点については現在検討中である小

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香川大学農学部学術報告 第33巻 第1号(1981) 14

250 300 Wavelength(nm)

Fig。8h UVpSpectralchangeS O王d,l−pinoresinoIcaused by theenzyme.

The reaction mixturecontaining0.2pmolo王d,l−pinoresinol,20pmol of phosphate buffer,pH 6.0,and the enzyme(5J唱 0壬 protein) in a totalvolume of O.2mlwasincubated with shakingat30℃

pp :beforeincubation, :incubated forlhI, −− −r:incubated for5hr,q・q)・−− incubated for12hr

謝 辞 基質の合成ならびに分解産物の同定に御協力いただいた京都大学木材研究所樋口隆昌教授ならびに中坪文明博士に 謝意を表します.また.本研究の研究費の1部は昭和55年皮文部省特定研究費によったことを記し,謝意を表します. 文 献 (7)Lowry,0.H.,Rosenbrough,NFリFarr,A L,and Randall,RT。:J、Biol.Chem.,193,265 (1951). (8)Pew,J.,C,Conners,W,JいKunishi,A‖:Chim Biochim‖Lignine,Cellulose,Hemicellulose, Intern。Symp,Crenoble,Erance,1964,Imp rimeries Reunies De Chambery,Grenoble,

1964,pい229.

(9)Caldwell,E.Sり,Steelink,Cい:Biochim.IBiqPh

γ√タAc才α.,184,420(1969).

(10)Gierer,J,Opara,A E,Acia,Chem Scandn,

27,2909(1973). (1981年5月30日 受理.) 引 用 (1)岩原章二郎.桑原正章,梢口降軋 醗工,55,325 (1977). (2)Ohta M。,Higuchi,T.,andIwahara,S‖:Arch 几茹■cグ・∂∂わ〆り,121,23(1979). (3)Iwahara,S。,Nishihira,TJomori,T・,Kuwaha ra,M,and Higuchi,T.:JhFerment。Technol., 58,183(1980) (4)Katayama,T,.,Nakatsubo,F‖andHiguchi, T∴ノレ・Cゐ..几幻cβ㌢・鋸βJ“,126,127(1980). (5)Higuchi,T.andNakatsubo,F,Kemia−Kemi, 9.481(1980) (6)Kamaya,Y.,Nakatsubo,Fu,Higuchi,Tand Iwahara,SArck,Microbiol,in press

参照

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