第三者評価結果報告書
総 括 対象事業所名 横浜市南日吉保育園 経営主体(法人等) 横浜市 対象サービス 保育所 事業所住所等 〒223-0062 横浜市港北区日吉本町4-10-52 Tel.045-561-6560 設立年月日 1965(昭和40)年7月1日 評価実施期間 平成22年 7月 ~ 平成23年 3月 公表年月 平成23年 6月 評価機関名 ナルク神奈川福祉サービス第三者評価事業部 評価項目 横浜市版 総合評価(優れている点、独自に取り組んでいる点、改善すべき事項等)【施設の特色】
1.立地状況
南日吉保育園は横浜市営地下鉄グリーンライン日吉本町駅から徒歩7分の距離にある。周りは 大型マンションが多く、広い通りに面した角地にあり、民間の保育園と老人福祉施設が隣接して いる。子育て世帯が多い地域で、小・中学校にも近く、駅の周辺には商店街もあり、活気のある 街である。園の周辺には綱島公園や市民の森、鯛が崎公園などの豊かな自然があり、子どもたち は散歩を楽しんでいる。2.履歴と園舎
園は、1965年7月1日開園の横浜市立の保育園で46年目を迎えた。園舎は鉄筋コンクリ ート造り、2階建て(建物面積は506,45平方メートル)、園庭は1276.26平方メー トル、園舎の南側の道路沿いには、広い菜園を設けている。 園の定員は60名(園児数67名)の小型公立園であり、障がい児保育を実施している。3.目指す子ども像の実現のために<職員の基本姿勢>
保育目標に『・自分を表現できる子 ・思いやりのある子 ・心豊かな子 ・自分で考え行動 できる子』を掲げ、その実現のために、全職員は保育の基本姿勢として『・子どもと共感し合い ながら、ありのままの姿を受けとめ、一人ひとりの成長や人格を大切にしていきます。・尐人数 で家庭的な雰囲気の中、異年齢・地域の方々との生活の中に取り入れ、豊かな保育を目指してい きます。・保護者と一緒に子育ての楽しさ・喜びを共感していきます。』の共通認識のもと、保 育課程・指導計画は乳児会議、幼児会議で検討した後、職員会議で決定し、情報を共有し合いな がら子ども一人ひとりと向き合い、一時ひとときを大切に過ごしている。【特に優れている点】
1.<野菜作りと食育>五感を使って楽しみ、意欲を育む取り組み
園の広い敷地を活用して、全クラスで子どもたちが野菜作りに取り組んでいる。乳児は0歳児からクラスの前のプランターで、幼児は園の南側の畑で、土に親しみ、野菜の種まきから水やり をして育てる過程を楽しみ、収穫したものを食するという体験を大切にしている。大根・小松菜・ サツマイモ・トマト・ゴーヤ・ごま・落花生など種類も豊富で、子どもたちは目を輝かせて世話 をしている。収穫した野菜は、給食やクッキングに利用し、成長段階に応じて「洗う」「皮むき」 「切る」など役割を分担し、調理をして食べる食育に繋げている。 秋には、園庭の渋柿を職員が皮をむいて吊るし、干し柿にして子どもたちに配り、家庭で秋の味 覚を味わうなど、保護者と一緒に豊かな体験をしている。 また、給食から出る野菜くずで堆肥をつくり、土作りに再利用するなど、エコの取り組みに努 め、多くできた野菜は、子どもの各家庭に持ち帰ったり、フェンスに箱を用意して地域の方に差 し上げて地域との繋がりを深めている。
2. 異年齢で楽しむ長距離散歩―丈夫な体作り
雨の日を除きほとんど毎日、散歩に出かけている。「お散歩カリキュラム」を作成し、年齢や 発達段階に応じた散歩の場所や距離を選び、1時間~1時間半じっくり時間を掛けて戸外遊びを 楽しんでいる。(園の周囲には17箇所の散歩コースがある。) 異年齢保育の散歩では、5歳児が3歳児の手をつなぎ、大きな子が兄弟のように小さい子の世 話をし、3歳児は一生懸命5歳児について歩いている。4歳児は、「5歳児になったら・・・」 と、期待を持ちながら思いやりとお世話について学んでいる。3.子どもの遊びを豊かにするための工夫
乳児保育では、保育目標の「心豊かな子ども」「自分で考え行動できる子ども」を基に、 子どもが触れて、感じて、考えて遊ぶ、好奇心や興味・関心を持ち意欲的に遊べる子どもの姿を 目指し、職員は子どもの発達段階に応じた手づくりおもちゃや廃材を利用した遊具の提供に努め ている。子どもたちは、これまでの保育実践の中で作り上げられた数々の手づくりおもちゃを手 にして、目を輝かせて遊び、手指の機能を高め、ごっこ遊びや見立て遊びを楽しんでいる。4.活発な地域子育て支援活動
地域に向けた子育て支援として、毎週月曜日10:30~12:30の「育児相談」「園庭開放」、夏 期の「プール開放」、1~2歳児と月2回一緒に遊び、昼食を食べる「ランチ交流」、 年間を通して行なう「交流保育」―散歩・泥んこ・リズムとふれあい遊び・作って遊ぼう、 プレママ保育体験、育児講座―おはなし会・太鼓演奏・手づくりおもちゃ・音楽のワークショッ プ ・ピッコリーコンサートなど、多彩なプログラムが用意され、参加者も多い。参加者からア ンケートをとり、地域のニーズの把握に努めている。 また、港北区福祉保健センターとの連携による地域の「赤ちゃん会」や「わくわく広場」「港 北区子育て支援拠点どろっぷ」などで出前保育や子育て相談などを行い、地域のニーズを知る機 会になっている。5.常勤・非常勤職員が共に学び合う関係作り
子どもにとってより良い保育環境を築くために、職員は常勤・非常勤の区別なくクラスだけで なく園全体の仕事を担って役割を分担し、コミュニケーションを図り、対等な関係を築いている。 保育の質の確保のための人材育成計画では、内部研修は職員会議の中で位置づけ、毎年年度末に 次年度の研修計画を策定し、保育の質の向上に努めている。 利用者家族アンケート結果では、総合評価は100%(満足54%、どちらかと言えば満足46%) の非常に高い評価を得ている。保育内容の項目は全て90%台、職員の対応についても97%の満足 度、そして、「お子さんが大切にされているか」「園生活を楽しんでいるか」「職員が話しやすい雰囲気や態度であるか」の問には、いずれも100%の満足度であった。また、今回の第三者評 価受審にあたって、自己評価に5ヶ月をかけて真摯に取り組まれた姿勢からも、職員の直向な努 力を知ることができる。
【改善や工夫などを期待したい点】
(1)外部からの不審者侵入を防ぐ対策
利用者家族アンケート結果では、保育園の安全対策として外部からの不審者侵入を防ぐことに ついて、門の施錠や玄関の来訪者を確認してから開錠するなどの対策がとられていますが、30% の保護者が満足表示をしていません。保護者の不満解消に向けて、説明する機会の検討を期待し ます。(2)園の行事の開催日や時間帯への配慮
行事後にアンケートとったり、保護者への連絡もしていますが、アンケート結果で行事の開催 日や時間帯に28%の保護者が満足表示していません。上記と同様、不満解消に向けて、改善方策 の検討を期待します。 評価領域ごとの特記事項 1.人権の尊重 ・子どもの人権尊重については、子どもの主張を尊重して、穏やかなわかりやす い言葉で話しかけ、子どもの気持ちを汲み取り、優しく対応している。 ・個人情報保護マニュアルがあり全職員が周知しており、個人情報の守秘義務は、 職員、ボランティア、実習生受け入れ時確認している。 ・保護者に対しては、入園説明会時に、個人情報の取り扱いについて説明し、了 承を得ており、個人情報の書類は事務室で施錠保管している。 ・虐待防止マニュアルを周知して、職員は日常の保育で早期発見に留意し、子ど もの身体・心の状態観察に努めている。万一疑われる現象を発見した場合は港 北区福祉保健センターのこども家庭支援課や横浜市北部児童相談所と連携で きる体制になっている。 ・性差への先入観や性別により区別はみられず、グループ分けや散歩の整列 やクラス名簿の順番を性別で区別していない。役割分担も、子どものやりたい ことを選んでいる。 ・子ども同士のトラブルは、職員は注意深く見守り、双方の言い分をよく聞いて、 お互いが納得した解決になるよう支援している。 2.意向の尊重と自 立生活への支援に 向けたサービス提 供 ・職員は遊びの中で子ども一人ひとりの興味や関心を把握し、声掛けや環境を整 えて遊びを援助している。おもちゃや教材は木製の低床の棚に収められ、子ど もが自由に取り出して遊ぶことができ、小さなテーブルセットや、カーペット、 茣蓙などの敷物でコーナーをつくり、好きな遊びを落ち着いてできるように配 慮している。 ・異年齢保育は3歳から5歳の縦割りグループで散歩にでかけ、行動を共にして いる。5歳児と3歳児の組み合わせで歩くことで、年長児の年尐児へのいたわ りが育まれている。また、散歩では交通ルールや、公園の遊具の順番を守るこ となど、ルールや公共の場での行動の約束を年齢に応じた言葉で子どもたちに 伝え、社会性が身につくようにしている。 ・給食は尐食の子やその日の体調に合わせて盛り付け時に量を減らし完食できる ように配慮している。子どもたちが、栽培した野菜の皮むき、すじとりなどの調理を行ったり、配膳手伝いなどを通して、食事を楽しみながら食育を行って いる。 ・午睡はその子のペースを尊重して照明を落としカーテンを引いたり、抱っこや、 体をさすったり、添い寝をするなど、安心して寝付くように支援している。 ・職員は保護者と連携をとり、子ども一人ひとりの排泄リズムを把握して、声を 掛けたり、トイレットトレーニングをしている。お漏らしをした子には、そっ と替えて、自尊心を傷つけないように対応している。 3.サービスマネジ メントシステムの 確立 ・理念は「一人ひとりの子どもの最善の利益を第一に考え、保育を通して子ども が主体的に生きる権利を保障します。」で、園目標は「自分を表現できる子、 思いやりのある子、心豊かな子、自分で考え行動できる子」で、いずれも子ど も本人を尊重したものとなっている。 ・理念や方針はいつも目に付くよう、保育室、廊下等に掲示して配慮している。 ・入園前に職員が子どもと同伴の保護者面接を行い、育児メモに子どもの様子や アレルギーの有無、要望を聞きとり、生育歴や家庭環境等の児童票 と一緒に、 個人ファイルに綴じて、事務所に施錠保管して、職員は日常の保育に生かして いる ・保育課程を基に、各年齢別に年間指導計画、月間指導計画、週案を作成してい る。指導計画は子どもの発達状況に応じて、柔軟に見直しを行い、その都度、 重要事項は保護者に知らせている。 ・保護者の要望を、送迎時や個人面談時に、より詳しく汲み取る努力をしている。 また、行事毎にアンケートを実施して、保護者の意向の把握に努めている。 ・子どもの健康管理・衛生管理・安全管理については、それぞれマニュアルを研 修や、職員会議を通して習得し、日常保育に活かしている。 ・苦情対応は三者委員を決めており、保護者にも紹介している。苦情解決マニュ アルで第三者委員を交えて対応する仕組みができている。 4.地域との交流・ 連携 ・◇・地域の子育て支援として、育児講座や交流保育を行い、保育室の開放や、プー ル遊びを提供している。その時アンケートをとって園に対するニーズを把握し ている。 ・プレママ保育体験を催し、これからママになる方に育児の仕方を体験指導して いる。 ・港北区福祉保健センターの保健師と連携による地域の赤ちゃん会や港北区子育 て支援拠点どろっぷとの交流を通して、地域との連携を深めている ・港北区のボランティア体験講座「ボラリーグこうほく」で、地域の中学・高校・ 大学生のボランティア体験を受け入れている。 ・・・実習生受け入れマニュアルに基づき、保育実習生を受け入れて、保育の後進の 育成を支援している。 5.運営上の透明性 の確保と継続性 ・経営・運営状況は横浜市のホームページで公開されている。 ・横浜市職員行動基準が明文化されており、それぞれの職員が職員証の中に入れ て、携帯している。 ・年度初め港北区のミーティングに全職員が参加して、公務員として丌正な行為 を行なわないよう話を聞いている。 ・入園のしおりやクラス懇談会で、園の理念、保育目標が説明され、園舎 内に掲示されており、保護者・職員への周知を図っている。 ・園の情報発信として、横浜市のホームページに料金やサービス内容を掲載する 他、園舎前の門扉に育児講座等のお知らせを掲示し、チラシを持っていけるよ
う設置している。また、園便りを地域にも配布している。 6.職員の資質向上 の促進 ・横浜市の人材育成計画があり、それに沿って計画を立て、実行している。 ・横浜市、港北区の運営方針に従い、園長の指導の下各職員が自分の目標を設定 し、職員は研修を含め、自己の目標が達成できているか、評価とアドバイスを 園長より受けている。 ・職員研修は、横浜市子ども青年局、港北区家庭子ども支援課、園長会計画の研 修に常勤・非常勤ともに、必要に応じて参加でき、研修内容を持ち帰って、職 員間で周知を図っている。