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はじめに 初 めての 海 外 進 出 勉 強 会 は 初 めて 現 地 法 人 の 設 立 を 検 討 される 中 小 企 業 ( 主 に 製 造 業 )をターゲットとして 海 外 進 出 について 基 礎 的 な 知 識 を 身 に つけていただくという 目 的 で 中 小 企 業 が 近 年 数

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『初めての海外進出』勉強会

2013 年度

(2)

はじめに

『初めての海外進出』勉強会は、初めて現地法人の設立を検討される中小企

業(主に製造業)をターゲットとして、海外進出について基礎的な知識を身に

つけていただくという目的で、中小企業が近年、数多く進出されている中国と

ASEAN を対象地域として想定しております。

ジェトロでは、様々な国・分野別のセミナーを行っておりますが、中小企業

経営者の方々より「各国のセミナーを受講する以前に、どの国に進出すべきか

わからない」

「セミナー受講後、まず何をすればよいかわからない」、

「情報が

断片的過ぎてわからない」、

「進出の際に起こるであろう問題をあらかじめ知り

たい」などの声をいただいております。中小企業の方々は、その国や特定分野

の情報だけでなく、広範な情報を求められていることがわかりました。しかし

ながら、この点をカバーしているセミナーはあまりないのが実状です。

そこで、国や業界などをテーマとするのではなく、『初めての海外進出』を

テーマとして、対象地域を横断的な切り口で情報提供するため、

2011 年より『初

めての海外進出』勉強会を開催いたしました。また、2012 年度から受講いた

だいた後も確認をしやすくするため、ジェトロ大阪本部がテキストを作成して

おります。今年度は、よりわかりやすくするため、過年度のテキストにコスト

比較等の数値データを追加いたしました。

中国及び

ASEAN 地域の中でも、それぞれの国による特徴・特質があり、ひ

とくくりにすることは難しいですが、できるだけ各国に共通する点をまとめま

した。そのため、本テキストはあくまで海外進出の基礎的な知識を身につける

ためのものであり、この情報だけで海外進出できるわけではありません。進出

に際しては、各国のセミナーや海外ミッション、展示会などへの参加や、労働

法や会計などの書籍により知識を得ることが当然必要です。この点については、

ジェトロのサービスを是非ご活用ください。本勉強会により、海外進出の情報

を俯瞰いただき、『初めての海外進出』をよりスムーズに進めていただければ

幸いです。

2014 年 3 月

(3)

海外展開の体系図

(本勉強会の範囲) 海 外 展 開 貿易 間接貿易 国内代理店 (日本の商社など) 直接貿易 海外代理店 駐在員事務所設立 営業拠点設置 支店設立 海外代理店 現地法人 販売法人 製造法人 リスク低 リスク高 海 外 現 地 企 業 ( 日 系 ・ ロ ー カ ル 企 業 ) 本勉強会の範囲 ※特に製造法人がメイン

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テキストの読み方

このテキストは、中国・ASEAN 諸国に現地法人を設立する際のポイントや注意すべき 点について、進出の際に行うべき段階に従って、記載をしております。 記載にあたっては、読みやすくするために、以下の通り、記載方法を統一しております。 【活用できるサービス】 <掲載例> 二重線の四角内には、ジェトロをはじめとする、活用できるサービスを掲載してお ります。利用にあたっては、パンフレット「ジェトロのサービス」やジェトロウェ ブサイトなどを確認いただくか、ジェトロにお問い合わせください。 【注意すべきポイント】 <掲載例> 点線内には、その項目でポイントとなる事象を掲載しております。 【語句の説明、踏み込んだ説明】 <掲載例> 吹き出し内には、語句の説明や踏み込んだ説明を掲載しております。 【事例説明】 <掲載例> 張り紙形式で、好事例やトラブルなど、各国の事例を掲載しております。 ジェトロウェブサイト「J-FILE」 ジェトロ「貿易投資相談」 ジェトロ主催のセミナー  ジェトロ・ウェブサイト「J-FILE」に概略は掲載されているが、各 企業の業種などに沿った個別具体的な相談は、現地の法律事務所や 会計事務所、コンサルティング会社に相談することを推奨 日本からの出向者給与 日本から現地法人に出向者の給与= 日本での給与+海外の個人所得税+住居費+家族の教育費+ハードシップ手当 日本よりも高い給与となるため、日本人を多く駐在させれば高コストとなる 縁故採用のデメリット(ベトナムでの事例) ワーカーの確保が難しい場合には、縁故採用も有効である しかし、現地法人が信頼を落としてしまうなど、ワーカーから評判が悪くなって しまえば、大量離職につながったり、ストライキなど、マイナス面が浮上する 縁故が中心の採用とならないように、複数の方法を活用することと、採用に当た っては公平であることが肝要

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目 次

1 章 海外進出事前準備

p.1

2 章 現地法人・工場設立、事業運営

p.11

3 章 販売体制

p.32

資料集

p.42

1. 事業化計画(可行性研究)イメージ 2. 労働力 (1) 各国の人口構成(2010 年) (2) 製造業の賃金 (3) 非製造業の賃金 (4) 賃金ベースアップ率 3. 進出国の問題点(国・地域別、上位 5 項目、複数回答)

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1 章 海外進出事前準備

1. 海外進出事業推進メンバー選定

2.進出目的の明確化

3.自社の強み・弱みの分析

4.進出国の調査・選定(F/S)

5.進出形態の決定

6.事業計画の作成

7.行動計画表作成及び実行

(7)

1. 海外進出事業推進メンバー選定(計画・調査・実行)

中小企業の場合、人材が限られており、先ずは社長が意欲的に先頭に立つ必要がある 場合によっては一時的に社外からメンバーを集めることも検討 • 縦割りの組織ではなく、製造、設計、販売、総務、企画などのメンバーを集め、 横断的なプロジェクトチームを作ることが重要 • 全社的なプロジェクトにして、次の海外人材の育成も図る

2. 進出目的の明確化

企業により海外進出の目的は異なるが『何のために進出するのか』を考え、 決して安易な動機で進出しない • 自社の事業戦略における進出の目的と位置づけを明確にする • 進出の目的別にチェックポイントを整理しておく

市場開拓

新規事業立ち上げ

目的

コスト対策

大口取引先の海外移転

部品・商品の調達拠点設置

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<チェックポイント例> 目的 チェックポイント項目 市場を開拓したい • 自社の商品は、現地で受け入れられるか、需要があるのか • 国内同業社、海外同業社がすでにシェアを押さえてないか • どれくらいの売上が期待できるのか • まずは販売提携からはじめ、段階的に進出度合いを深めていく 方法もある 生産コストを 削減したい • 年率10%以上で賃金が上昇している国もあり、5 年先にはどれ 位の賃金になるのかを想定 • 投資を回収するためにはどれ位時間がかかるのか • 人件費以外のコストはどうなのか 大口取引先の 海外移転に伴う進出 • どの程度の売り上げが保証されるのか • 将来的に、少なくても投資回収ができる頃までの継続的な取引 が確約された関係か • 他に新規売り先が開拓できそうか(現地進出日系企業、現地企 業、第3 国など) 安価な部品・商品の 調達拠点設置 • 必要な人材、資材、原材料を安定供給できるサプライヤーはい るのか • そのコストに合理性やメリットはあるか 新規事業立ち上げ • 国内で新規事業ができないか • 海外で行うメリットは何か • その事業が海外現地で可能なのか

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3. 自社の強み・弱みの分析

自社の強みや経営方法の特徴を再認識したうえで、現地での適・不適な面を判断 現地に適した経営方式を検討する <分析手法> 【SWOT 分析】 強み(Strength)  ○○分野での高度な製造技術  企画力・開発力  販売力(長年の販売先がある) 機会(Opportunity)  最近の円安を背景とする輸出拡大  FTA(経済連携協定)締結国  取引先の海外進出要請 弱み(Weakness)  高い製造コスト、人件費  現場従業員の高齢化  資金調達余力  営業力不足 脅威(Threat)  中国・他地域からの低価格品の流入  競合他社の海外進出  取引先の海外移転 ※他の分析手法も含め検討

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4. 進出国の調査・選定(Feasibility Study)

進出国を決定するためには事前に候補国の調査(FS)が必要 即ち、新規事業などのプロジェクトの実現可能性を事前に調査・検討しておくことが大 切で、調査の内容としては「実行可能性調査」「企業化調査」「投資調査」「採算性調査」 などの類の調査(FS)がある。今回の海外進出に伴う事前調査の場合は、以下のような 項目があげられる。 (1) 制度上 貿易為替制度 • WTO・他協定加盟状況 • 貿易管理制度(輸出入品目規制、輸出入地規制、輸出入管理など) • 関税制度(関税率、関税の種類、関税以外の諸税、特恵関税制度など) • 為替管理制度(為替相場管理、貿易取引、貿易外取引、資本取引など) • 輸出入手続 投資制度 • 投資促進機関 • 外資に関する規制(規制業種・禁止業種、出資比率、資本金規制など) • 外資に関する奨励 • 外国企業の会社設立手続き・必要書類 その他 • 税制(法人税、二国間租税条約、その他税制など) • 外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用 • 技術・工業および知的財産権供与に関わる制度 (2) 一般状況 • 進出国の国民性・地域性 • 人件費(マネージャー、ワーカー、エンジニア) • 基礎費用(光熱費、輸送費用、資材、地代、建設費用など) • 工業団地の有無(運営会社は外資系もあるか) 地域のインフラ(電気、上下水道など)  ジェトロ・ウェブサイト「J-FILE」に概略は掲載されているが、各企業の 業種などに沿った個別具体的な相談は、現地の法律事務所や会計事務所、 コンサルティング会社に相談することを推奨 ジェトロ・ウェブサイト「J-FILE」 ジェトロ「弁護士、会計士リスト提供」 各国の投資促進機関の日本事務所

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• ワーカーの技術力(品質) • 原材料の調達力 • 日本からの進出企業 • 合弁パートナー候補が存在するかどうか (3) 販売先 • 現地法人の製品を日本国内に輸入 → 国内での販売力の強化 • 進出先での新規販路開拓 → 日系企業、外資系企業、現地ローカル企業など • 第3 国への販路開拓 → 進出国が FTA や EPA を締結している国など (日本がFTA や EPA を締結していない国への販売の場合、日本から輸出するより も関税が低いケースがある) ジェトロ・ウェブサイト「投資コスト比較」 ジェトロ・ウェブサイトの各種報告書 「アジア主要都市・地域の投資関連コスト比較」 「在アジア・オセアニア日系企業活動実態調査」 「アジア各国・地域における売れ筋商品・サービスの価格調査」など 外務省のホームページ ジェトロ・ビジネスライブラリーの書籍(各地方事務所、大阪本部、東京本部) FTA(自由貿易協定) 物品の関税、その他の制限的な通商規則、サービス貿易等の障壁など、自由貿 易地域の結成を目的とした、2 国間以上の国際協定である 締結国同士は原則として関税が免除される(例外品目あり) EPA(経済連携協定) 関税撤廃などの通商上の障壁の除去だけでなく、締約国間での経済取引の円滑 化、経済制度の調和、および、サービス・投資・電子商取引などのさまざまな 経済領域での連携強化・協力の促進などをも含めた条約である 関税以外の投資やサービスについても規制が緩和される  何でも調達ができる日本と異なり、現地で調達できるものは限られる 現地で調達できないものは、他国や日本から輸入をする必要があり、 想定よりも高コストとなるケースがある ジェトロ・ウェブサイト「世界のFTA 一覧」 ジェトロ・ウェブサイトのデータベース「World Tariff」

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5. 進出形態の決定

(1) 進出形態 現地法人、支店、駐在員事務所のいずれかを設立する。 <進出形態の特徴> 現地法人 支店 駐在員事務所 メリット ・製造、販売、雇用など あらゆる経済活動が現 地企業と同様に可能 ・国によっては優遇税制 度が適用可 ・取引先・現地従業員の 安心感 ・営業活動が可能 ・日本側本社の管理が徹底 ・撤退が比較的容易 ・決断が早い ・方針が徹底しやすい ・設置が簡単 ・投下資金が少ない デメリット ・外国企業出資比率が限 定されている ケースがある ・撤退に手間取る ・投下資金が大きい ・現地生産活動を許可して いない国も多々あり、活動 範囲が限定されるケース が 多 い ( 相 手 国 制 度 を JETRO 資料などで確認) ・活動範囲が限定される ・法人税が現地法人より高 いケースがある ・国によっては設置そのも の が 認 め られ な い場 合 や、参入業種に規制があ る場合がある ・現地の活動は市場 調査、情報収集な どに限られる ・営業活動は不可 工場設立 可 不可 不可 営業活動 可 可 不可 法人登記 要 不要※ 不要※ 銀行口座 可 可 制約あり ※支店、駐在員事務所は法人登記不要で法人格を持たないが、設置に当たっては進 出国に許可・認可が必要である 工場を設立することは、営業行為となるため、駐在員事務所では対応不可。また、支 店設立では、営業行為はできるものの、現地生産ができないため工場設立はできない。

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(2) 出資比率 独資で進出するか、合弁で進出するかのいずれかを選択 <独資と合弁との比較> 独資 (日本法人100%出資) 合弁 (日本法人の出資が100%未満) メリット  他の出資者がいないので、親会 社である日本法人の意思決定で 運営が可能  日本法人から見て、企業の統制 がとりやすい  現地法人の利益は、原則 100% 親会社に還元が可能 (但し、配当金として)  合弁相手の人脈・ノウハウ・販売ルー トなどの経営資源を活用できる  合弁相手は現地の法制度・税制・会計 処理・雇用形態・役所への手続きなど の業務に慣れていることが多い デメリット  販売ルートなどを全て自社で構 築する必要がある  進出国の法制度、労務管理など の知識を最初から学ぶ必要あり  合弁相手の意思も尊重しなければな らず、意思決定において現地法人側の 干渉を受けやすく、軋轢が生じやすく なる  利益配分が出資比率に応じるため、独 資に比べ日本法人の利益は低い ※業種・業態により出資比率の上限が決まっており、進出国の外資規制を要確認 【留意事項】 • 外資規制により、出資割合が制限されているケースあり • 製造業であれば、比較的外資規制は緩やかで、通常は独資での進出が望ましい 基本的には、進出相手国にとって新規技術習得、雇用創出、外貨獲得につなが る業種は規制が緩やか • 一方、卸売業・小売業・サービス業などは現地ローカル企業でも行えるため、 外資が過半数を出資することを認めていない場合が多い パートナー選定のトラブル(ベトナムでの事例) 取引先などから紹介を受け、ベトナムの企業家と知り合い、合弁で現地法人を 設立することになった。業種が全く異なり、事業としては関連性がないが、パ ートナーが保有する不動産を現物出資するという提案を受け入れた。 しかしながら、事業を開始すれば、相手方の本業ではない合弁事業に口を挟み、 自身の親族を役員に登用するように進言してくるほか、法外な家賃の値上げを 要求された。 ⇒出資者とせず、独資で進出し、土地や建物を賃借する関係であれば、デメリ

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6. 事業計画の作成

まずは多少大雑把でも良いのでプランを作成する。 事前準備を繰り返すことにより、より精緻な計画書にし、最終的には現地関係省庁に 提出(工業団地が提出の代行してくれるケースもある) 作成時の留意事項 • 事業として成り立つための売上、投資回収の目処を検討 たたき台として、3~5 年で黒字化できるプランを立てる • 途上国ではリスクを勘案し、5 年~7 年で投資回収を目指す • 現地関係省庁へ提出する事業計画は必ずしも内部計画と同じである必要はない • 設備資金だけではなく運転資金も考慮し作成 • 現地金融機関は金利が高いため、日本の金融機関からの借入を優先する 情報源  ジェトロ・ウェブサイトの「投資コスト比較」  ジェトロ・ビジネスライブラリーの海外駐在に関する書籍(大阪本部、東京本部)  ジェトロ・海外ブリーフィングサービス(海外事務所での面談)  現地の官公庁、投資庁  現地の弁護士、会計士、コンサルティング会社

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7. 行動計画表作成及び実行

(計画表作成→会社設立手続→工場建設→従業員採用→生産開始) ≪行動計画表のイメージ≫ 内容 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 1.社内プロジェクトチーム発足 2.国内調査 3.現地派遣 4.社内意思決定 5 社外メンバー(コンサルタント等)契約 6 事業計画作成 7.進出計画表作成 8.現地法人設立日程 申請書類作成 投資庁、税関などへの手続き 会社登記手続き 会社設立 銀行口座開設 資本金払い込み 9.会社運営手続き、規程の作成 10.工場建設 (1) 工場設計 消防署、環境局などへの申請 (2) 工場建設 (3) 生産設備設計 11.原材料手配 (1) 現地調達材料類の品質確認 (2) 現地調達備品購入準備 12. 人材採用 教育・研修 就業規則作成 ・・・・・・

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第 2 章 現地法人・工場設立、事業運営

~現地法人・工場設立~

1.進出場所の選定

2.現地法人設立

3.親会社の支援体制

4.現地法人の管理体制

5.工場設立

6.工場形態の選択

7.人材採用計画

8.工場立ち上げ

9.原材料・部品調達計画

10.地方政府との関係構築

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1. 進出場所の選定

進出国を特定しても、進出する場所の選定には様々な情報が必要 複数の候補地についての情報を収集し、様々な角度より比較・検討する必要がある • 進出国の政府、地方政府の優遇策、制限策、禁止策 • 販売先、仕入先との距離 • 輸出入、国内搬送等物流網(港湾との距離、幹線道路からの距離) • ものづくりインフラの充実度 • 人材確保(マネージャー、ワーカーの質、人材確保機関・派遣会社などの情報) ジェトロ・ウェブサイト「J-FILE」(基礎情報、統計、税制) ジェトロ・ウェブサイトの各種報告書 「貿易投資相談Q&A」 「海外ブリーフィングサービス」 「インフラマップ」(各国・地域あり) 「タイ国工場団地調査報告書」 「タイのレンタル工場」 「ベトナム北部・中部工業団地データ集」 「ベトナム北・中部レンタル工業団地リスト」 「アジアのレンタル工場事情」 現地の官公庁、投資庁 現地の弁護士、会計士、コンサルティング会社  日本と同じように、進出国にもその地域ごとの特性があり、自 社の目的がそれらに合うかどうかを踏まえて進出地域を決定 する必要がある  ひとつの国、ひとつの地域だけではなく、複数の候補地を検討 する必要がある

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2. 現地法人設立

現地法人の設立手続きは、国・地域、進出形態(独資・合弁等)、業種(製造業、卸売 業等)、進出場所(工業団地、非工業団地等)により、それぞれ異なる 現地法人設立手続きと工業団地取得、許認可は、関連性が深く、平行して進める必要が ある • ジェトロ・ウェブサイト等で現地法人設立手続きの概要を確認 • 各国・地域の許認可窓口にて、具体的な手続きを確認、所定様式に基づく必要書類 を提出  進出地域や工業団地によって書類が異なる  基本的に届出制ではなく、許認可制。提出するだけでは事業開始できない • 入居する工業団地事務局に「ワンストップサービス」がある場合、活用することも 有効(但し、“丸投げ”は危険) • 日本と違い、会社定款に記載している項目以外の事業はできないため、近い将来に 実施する事業についても、当初から会社定款に盛り込む必要がある ジェトロ・ウェブサイト「貿易投資相談Q&A」 ジェトロ・ウェブサイトの各種報告書 「日系企業のためのベトナムビジネス法規ガイドブック」 「中国主要サービス産業に対する投資関連規制等に関する調査」 ジェトロ・ビジネスサポートセンター(法人設立前の準備期間に利用できる貸オフィス)

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3. 親会社の支援体制

現地法人の組織・管理体制の構築に当たっては、親会社がどこまでの役割を果たすのか、 予め決めておく必要がある • 貿易実務者の養成、中核部品の輸入、部品供給等の契約、製造委託契約、技術ライ センス契約、商標許諾契約等、現地法人と親会社の役割分担を決める • 現地法人の代表者は、親会社と兼務するのか?  独資で進出するなら、当然日本側が代表者を送り込むのが普通  現地法人代表者は常勤、つまり日本法人では非常勤となる • 日本人を何名、現地法人に出向させるのか(不足人材は日本からの出張でカバー) • 現地法人に送り込む人材の派遣前研修は必須 • 次の海外要員の育成、外国籍従業員の採用(留学生の国内雇用) • 出向者の税務申告(租税協定締結国の確認) 駐在員個人の税務申告 【二国間租税協定がある場合】(インドネシア、タイ、中国、フィリピン、ベトナム、マレーシアなど)  1 年以上の予定で海外にて勤務する人は、相手国にて所得の総額を申告・納税 しなければならない ※「現地給与のみ現地で納税」というルールではないので注意が必要  但し、日本法人で取締役の場合は、日本法人からの給与は源泉徴収される 【二国間租税協定がない場合】(香港、台湾など)  原則、日本と相手国両方で納税が必要 財団法人海外産業人材育成協会(HIDA)などの活用 親会社からの出向者給与 親会社から現地法人に出向者の給与= 親会社での給与+海外の個人所得税+住居費+家族の教育費+ハードシップ手当 親会社よりも高い給与となるため、日本人を多く駐在させれば高コストとなる

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4. 現地法人の管理体制

現地法人の管理・運営体制を文書により明示にしておく必要がある 進出国の法令に則っているか確認が必要 • 現地法人における取締役会や株主総会などの役割の確認 • 役員などの職務の確認 (中国での例:董事会、董事長、董事、総経理、監事等の役割) • 株主総会などの最高意思決定機関での、特別決議事項や決議事項の確認 • 現地法人会社定款の作成、関係当局への連絡・許認可の取得 • 社内公用語の制定(日本語、英語、現地語) 」 海外における契約と法令の重要性 海外では契約が非常に重要であるが、それは日本と同じく法令を遵守したうえであり、 法令から逸脱した契約は違法で無効である(親子間であっても認められない) 海外の法律を熟知するのは、非常に大変であるが、弁護士や会計士、コンサルティング 企業などより支援を受けるほか、日本人商工会などから情報を収集する必要がある

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5. 工場設立

現地法人の工場をどのような役割・方針のもとで、設立するかを決める必要がある 役割・方針 ① 日本の現有工場と同じレベルの工場を設立 ② 現地の生産・品質レベルを勘案した上で、 製造工場とする ③ 日本の現有工場をベースにしつつ、 日本工場の課題をクリアしたレベルにする ④ 最新の生産設備を導入し、 親会社以上の生産・品質を目指す 現地工場の設立を決定するには、以下の項目について検証が必要 • 工場インフラ(土地面積・形状・質、道路、電力、ガス、水道、物流) • 建築基準法 • 環境アセスメント など 環境アセスメント(環境評価) 現地政府は、外資系企業には厳しい環境アセスメントを求めるケースが多い 具体的には、排水処理や土壌汚染、大気汚染、騒音、振動など 特に、メッキ業や化学系製品を製造する企業(いわゆる3K 企業)にとっては、高 いハードルとなることが多い これは、途上国も真剣に公害問題に取り組んでいることの表れである。  品質を落とし、現地ローカル企業と同レベルで製造しては全く意味が無い 現地ローカル企業よりも、品質の高い製品を製造することが重要

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6. 工場形態の選択

(1) 工場敷地 工場の敷地を入手には、主に以下の3つの手段がある メリット・デメリットや、注意事項をよく確認し、決定する必要がある • 工業団地 • レンタル工場 • 民営地(購入・賃借) <工業団地、レンタル工場、民営地の比較> 工場保有(工業団地) レンタル工場 民営地 メリット  インフラが整っている  将来の拡張が低コスト で可能  工場の拡張計画が容易  比較的数が多く、選択肢 が多い  希望に沿う工業団地を 選択できる  団地管理委員会、隣接外 資企業との交流が容易  初期投資金額の負担が 小さい  許認可取得後操業開始 が計画通り進む  将来の移転・撤退が比較 的容易  安い賃借料が期待で きる デメリット  初期投資金額の負担が 大きい  将来の移転・撤退が困難 で、多額のコストが発生 する懸念もある  将来の拡張が困難  自社希望の工場レイア ウトができない  工業団地レンタル工場 は少なく、選択肢が限ら れる  賃借契約期間が限定さ れる  購入にあたって、確認 する事項が多い  購入後、土壌汚染など 様々な手続きを自ら 行う必要がある  近隣住民との摩擦 注意点  工業団地のインフラ施 設の確認が必要。供給電 力に不安の有る場合、自 家発電装置設置も  社会主義国の工業団地 では外資が不動産を所 有できず、定期借地権と なるケースも  建屋は自ら建設するケ ースが多い  天災(地震・水害など)  日系企業の運営するレ ンタル工場はレイアウ トが使いやすいが、空き が少ない  途上国では日系・現地運 営工業団地は少ない  バイク置場、食堂、トイ レ、事務所スペースの有 無など要確認  建屋は建設済のケース が多い (地盤強度が重量物に耐 えられるか確認要)  外国人の不動産購入 が規制されている国 が多い  事例が少なく、参考と なる情報がない  インフラ整備などは、 購入者が行う必要が ある  最終的には高いコス トを支払わざるをえ ないケースがある 民営地を利用する場合は、 購入相手側が真の所有者 かどうかの確認に始まり、 確認すべき事項が多く、相

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(2) 工場建屋 自ら建設するか、建設済みの工場を利用するかの2 通り 工業団地、レンタル工場では建設済みであるケースも多い • 現地工場の役割・方針を明確にし、それらに応じた工場を建設 (状況が変われば、違う地域に移転するなどの選択肢も) • 自ら建設する場合は、日系の建設会社だけでなく、ローカルの建設会社も検討 ローカルの建設会社に依頼する場合は、日系に依頼する場合よりも支払い条件 で工夫をして、要求通りの施工がなされているか確認し、支払いを行う ローカルの建設会社 メリット  コストが格段に違う デメリット  技術力や施工力が劣るケースがある  資金力に問題があるケースがある 注意点  注文通りの施工が進捗していれば支払うなど、 支払い方法に工夫が必要 (3) 機械・設備の調達(輸入) • 奨励業種に属する現地法人が機械・設備を輸入する場合、輸入税の減免を受け ることができることもある

中古設備機械の輸入については、制限、禁止されている場合がある。

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7. 人材採用計画

(1) 採用計画の立案・実行 マネージャークラス(幹部候補生)からワーカー(一般従業員)までの採用計画を立 案・実行する。 • まずは日本語のできる現地人を採用し、現地関係者とコミュニケーションができる ようにする • 次に現地人マネージャークラスを採用し、できれば親会社(日本法人)で研修を受け させた後、日本人責任者の指示のもと、現地での生産開始にあたる • 生産開始のスケジュールに合わせて、ワーカーを採用し、事前に教育研修を行う (2) 人材採用の具体的手段 • ワーカーの採用に当たっては離職も想定する必要がある • ワーカーの採用にも責任者が立会い面接を行うのが望ましい • 特別なスキルを持つ人材(幹部候補生や通訳等)の採用は、人材紹介会社や自身の 情報ルートを活用 • 技術職や一般事務の大卒の採用は、政府機関の関係する人材斡旋機関を活用 • インターネット、新聞広告、会社入り口の貼紙でも採用できるが、各国・地域によ りメリット・デメリットがあり、現地の情報を収集する必要がある • ワーカーは会社近隣居住者がベスト、ワーカー確保が難しいなら遠隔地採用(社員 寮必要) • 縁故採用にはデメリットもある • 日本で現地人を採用し、進出国に派遣した場合は、現地ワーカーとの給与格差等か らトラブルとなることもあり注意が必要  人材採用については、各国・各地域により制度が異なるので、現地の 情報を集めることが必要  各個人と現地法人との労働契約を、一人ひとり締結するのが一般的 言うまでも無く、進出国の法令は遵守しなければならない  進出国によっては、派遣社員など直接雇用以外の手段が認められるケ ースもある 縁故採用のデメリット(ベトナムでの事例) ワーカーの確保が難しい場合には、縁故採用も有効である しかし、現地法人が信頼を落としてしまうなど、ワーカーから評判が悪くなって しまえば、大量離職につながったり、ストライキなど、マイナス面が浮上する 縁故が中心の採用とならないように、複数の方法を活用することと、採用に当た

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(3) 近隣地採用と遠隔地採用 ワーカーは近隣地採用が望ましいが、最近は日系・外資系企業の進出が多く、ワーカ ーの確保は難しくなってきている地域もあり、遠隔地採用をしなければならないケース も増えてきている。 <近隣地採用と遠隔地採用の特徴> 近隣地採用 遠隔地採用 メリット  地元への貢献となる  社員寮や食事の供給が不要 (進出国により異なる)  会社としての知名度が上がりやすい  人集めが容易  社員のローテーションが多く、平均 年齢が高くならない  士気が高まりやすい デメリット  人集めは難しい  都市部に近いケースが多く、その場 合給料は高くなる  バイク置き場等の設備が必要  一箇所集中雇用の弊害に注意  募集手続きに手間がかかる  給料は低くなるが、社員寮や食事負 担により、近隣地採用よりコストは 高くなる  社員寮などの設備が必要  進出地域によっては社会保険料など の仕組みが異なるケースがある

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8. 工場の立ち上げ

F/S(Feasibility Study)に基づき、各工程表を作成し、生産開始までを明確化する • 製造仕様書・マニュアル等を現地語で作成 (管理工程図、作業指導票、検査企画票 etc.) • 仮工場での試作・生産 • 設備導入日程表(中古設備を導入する場合は事前チェックが必要) • IT の立ち上げも並行して進める • 人材は限られており、日本から出張ベースで支援 • 事前の販売活動(早い段階より営業活動を行う) • 環境アセスメントへの対応 <工程表の一例> 項目 6 ヶ月前 5 ヶ月前 4 ヶ月前 3 ヶ月前 2 ヶ月前 1 ヶ月前 生 産 開 始 採 用 ・ 研 修 通訳採用 幹部職員の採用 幹部職員の日本研修 一般従業員の採用 就業規則作成 ・・・ 生 産 工場建屋の建設 IT 導入 設備導入 現地語の製造仕様書 (仮工場での仮操業) 販 売 販売先への営業活動 (特約店、代理店選定) ・・・  3 年後には、現地ローカル企業からの調達を開始するなど、将来の事業計画をある 程度考えておく必要がある 中古設備の導入 日本法人の中古設備を導入するには一定の手続きが必要 中古機械を相手国で輸入するには、「バーゼル条約」が制約となる バーゼル条約とは、「有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関する条約」であり、ゴミ の輸出入に関する条約である。ゴミの判断基準は中古品であり、中古品を相手国で輸入するには、一 定の手続きが必要で、輸入できないケースもある また、輸入するには原則、関税がかかるが、保税措置を取り、無税で輸入することもできる、しかし

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9. 原材料・部品調達計画

海外(日本法人)から調達することと、国内(進出国のローカル企業)から調達する ことの違いをよく理解する必要がある • 海外からの調達は、貿易実務の修得、税制(輸入税、VAT(付加価値税))、FTA や EPA に関する知識が必要 • 国内調達でも VAT(付加価値税)の知識は必要 • ほとんどの現地法人は、コストを下げるため、現地調達率の向上を目指す (生産設備、部品、原材料などは現地企業より購入)

10. 地方政府との関係構築

• 「進出先でその地域と共存する」ことが必要 • 地方政府はパートナーであるという認識のもと、フェアな関係で交流を図る  何かあればいつでも相談できる関係づくり  但し、地方政府の要請を鵜呑みにせず、日本人商工会などに相談 • 地方政府だけでなく、地域と積極的に交流(地域行事への参加、募金等) • 日本人商工会への加入、日系企業との交流

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~ 事業運営 ~

1.人事制度

2.人材育成

3.就業規則の作成

4.離職の防止策

5.労働組合対策

6.生産管理・品質管理・資材管理

7.技術・ノウハウ流出防止

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8.製造物責任法(PL 法)

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1. 人事制度

日本も海外も人事制度の基本は同じだが、方法は異なる面もある • 公平な評価と処遇により現地社員にやる気を起こさせ、職場を活性化させる • 進出国は社会・経済環境等異なる面もあり、現地に合った賃金体系や昇進昇格モデ ルを構築する • 離職率が高い国もあり、透明性の高い人事制度は離職率の引き下げに効果がある • 日本で現地人を採用し、進出国に派遣した場合は、現地ワーカーとの給与格差等か らトラブルとなることもあり注意が必要 現地ワーカーから見た、現地法人の日本人社長 • 駐在期間は短く、現地法人やワーカーの将来を考えない • 日本法人の方ばかり見て、権限が無い • 現地法人社長は日本人のポストで、ワーカーは昇進できない ⇒『人の現地化』日本人出向者と現地人幹部との信頼関係が重要

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2. 人材育成

人材は企業経営の基本という認識に立ち、育成システムをつくる • 特定の現地社員を日本で教育する仕組みづくり • 将来的には、人材の現地化を図っていく • 日本では当たり前のことでも、海外では当たり前ではない、何度でも丁寧に説明を • 品質トラブルや事務のミスはしっかりした OJT で再発防止を 離職率上昇への対応(インドの事例) • 離職率が高くなってきたため、現地社員定着のための施策を検討 ⇒会社幹部と現地社員の直接のコミュニケーションの場を設け、業績や今後の 方針について説明をする 現地社員にとって賃金以外のメリットを与える(福利厚生など) 現地社員が評価に不満(インドネシアの事例) • 現地社員同士で給与を比べあい、自身の賃金査定に納得できないものがあら われ、業務に支障が出てきた ⇒個別面談を実施し、査定基準についてしっかり説明 制度により、各従業員の賃金に違いが生じる理由を説明 キーパーソンを見極め、早い段階でコミュニケーションを図り、良い雰囲気 での関係を構築することが重要 転職話からの昇給打診(インドネシア事例) • 日本での研修終了後、転職をにおわせ、昇給を要求 ⇒毅然とした対応をとり、悪しき前例は作らない。 研修前に念書で退職しない約束を取り付けておくことが防止策

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3. 就業規則の作成

就業規則の作成にあたっては、現地の経営責任者は最低限の現地の労働法を理解してお く必要がある • 現地の労働法をベースに就業規則を作成 • 現地の弁護士などと相談する必要も • 日本と異なり、個人と会社が労働契約を結ぶのが一般的 • 労働契約の解除の方法も熟知する必要がある • 就業規則には信賞必罰も明確にし、細かく定める 解雇すべき従業員が出た場合(インドの事例) • インドでは労働者保護の立場が強く、一度雇用契約を結ぶと解雇が難しい 労働争議や訴訟に発展するケースもあり、辞めさせにくい ⇒雇用契約、就業規則を作成し、これらを守らない場合にはルールに基づき解 雇する 例えば、無断欠勤や遅刻などをした場合には、警告書を出し、3回受け取っ たら解雇となると明記しておく 採用時にしっかりとルールを説明することで徹底させる ジェトロ「弁護士、会計士リスト提供」

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4. 離職の防止策

離職の防止は評価制度の構築とその運用が基本 食堂などの福利厚生や社員が一致団結できるイベントなど複数の手段で愛社精神を培う ことが重要 • この会社にいれば自分は成長でき、昇進もできるという感覚を持たせる • 成果を出せば正しく評価する制度 • 制度だけでなく、運用で現地人でも昇進ができることを証明することが大切 • 空調の有無、食堂の清潔さ、食事の内容など福利厚生が原因で離職することも • 家族参加可の社員旅行や、全社員参加の運動会(職場対抗)などを開催し、職場内 のチームワークや愛社精神を培うことで離職やスト防止に効果を上げているケース もある 離職防止策として運動会や社員旅行を実施(ベトナムの事例) • 離職率が上昇してきたため、熟練工の育成に支障がでてきた ⇒ベトナムでは離職率が月 10%に達する企業もあり、日系企業は防止策として 家族参加できる社員旅行や運動会などをよく実施している 運動会では、ライン対抗などをすることにより、チームワークが醸成されるな ど、仕事にも良い影響がでるなど副次効果もある

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5. 労働組合対策

労働組合を事業推進の協力者に位置付づけられればベスト • 会社は業績向上、労働組合は社員の幸福実現が目的であり、目的はほぼ同じ • 会社と労働組合の目的を一致するには対話が必要 • 場合によっては積極的に労働組合を作ったほうがよい • 労働組合幹部は、会社の幹部候補になりえる 従業員から労働組合の設立を要望(ベトナムの事例) • 現地法人設立後、現地社員から労働組合を設立したいという要望がでた ⇒ベトナムでは従業員からの希望があれば、企業は労働組合設立の支援、協力を しなければならない 数年後に首謀者がわからない状態で、労働組合を設立せざるを得ない状況をつ くるより、人材育成の一貫と考え、幹部社員を中心に組合設立を促すほうが良 い結果となることもある 違法ストライキへの対処(インドネシアの事例) • 賃金上昇に対応するため工場移転を検討したところ、現地社員が賃金引上げ と社宅の提供などを要求、ストライキに発展し、日本人社員が監禁された ⇒ストライキが法令に定める手続きを踏んだものではなく、違法であったため、 ルールに基づいて要求するように警告文を提出 警察、労働局、総領事館にも連絡し、支援を仰いだ結果、現地社員は落ち着 きを取り戻し、通常の労使交渉の席に着いた 根強い階級意識からのトラブル(インドの事例) • 「カースト」はないと社内で述べても、実際には困難に直面することがある ①カーストの高くない人材を昇進させると、仕事がスムーズに回らなくなる ②低いカーストの人材が昇進した際に、同じ役職の高いカーストの人材が嫌 がらせを行う ⇒信頼できるインド人の総務・人事担当者を日ごろから育成し、昇進や配置転 換の際にはインド人スタッフの意見を聞ける体制を敷いておくことが重要

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6. 生産管理・品質管理・資材管理

生産管理とは「要求される品質の製品を、要求される時期に、要求量だけを、効率的に 生産すること」 生産管理は、手段であり、目的ではない • 異国の地で、Q(品質)C(コスト)D(納期)をコントロールするのは、容易では ない • 「5S(整理、整頓、清潔、清掃、躾)」を徹底 • なぜ「5S」が大切なのかを教え込むことが重要 • 日本企業は QCD ノウハウを既に保有しており、まずは親会社のしくみを導入 • 導入にあたっては、部門担当が現地で教育(出張ベースが中心となるケースが多い) • 生産開始時には、現地語での製造仕様書が必要 • 工場の生産性を高めていくためのしくみづくりを考える • 現地のレベルにある程度合わせたところから開始するか、一気に親会社のレベルま で引き上げるかの選択をする必要がある 生産性を測るための標準工数を含めた作業管理を一気に導入するかどうかを決める →現地地場企業は出来高払いで生産性を上げるシステムが多い  日本で行われている生産管理は、日本人の常識のもとに成り立っており、 理由を説明しなければ、現地ワーカーは動かない  日本人は生産性を高めるために現場で工夫を行うが、現地ワーカーは言 われたことしかしないケースが多い  現地のワーカーに目的や理由を繰り返し説明することが極めて重要 現地社員の多能工化への取り組み(インドネシアの事例) • インドネシアでは派遣社員の比率が高く、契約は3 年以内で終了する このため、入社後早い段階でスキルとモチベーションのある現地社員を見極 め、多能工教育を図る必要がある ⇒セル方式によるスキルアップと複数のラインを担当させることにより、多能工 化を促す また、どの現地社員が多能工化できているかを見える化し、組織全体へ意識付け を実施

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品質管理とは「買手の要求に合った品質の品物又はサービスを経済的に作り出すための 手段の体系」 • 日本では品質は高くて当たり前だが、異国では特別なこと • 日本企業は QCD のノウハウを既に保有しており、まずは親会社の品質管理体系を 導入する • 日本でのチェックポイントは現地でもしっかりと確認をする • 品質目標を明示し、品質第一の考え方を生産現場に根付かせる • QC サークル活動を行うことにより、従業員の品質マインドの底上げを図る • 品質検査の管理体制を構築する • 品質問題が起これば開示し、全従業員に情報を共有し、再発防止策を講じる 人件費が相対的に低い国では、原価の最も多くの割合が資材(原材料)となることが多 く、常により安い調達コストを追求する • 資材の担当者に不正が起きないようにチェックできる体制づくりを行う • 仕入先とは良好なコミュニケーションができる環境をつくる • 材料の適正在庫基準を設定し、在庫がむやみに増えないしくみを構築する • 品質を重要視しながら、安価な仕入先を選定するしくみを構築する  自ら考え行動する組織を目指し、従業員自身に考えさせるしくみが重要  日本の感覚を現地社員が身につければ、日本と同等レベルの管理が可能  「日本ではこのようにする」など手段だけを教えても、問題の根本的な解 決にはならない  サプライチェーン寸断対策も要検討 タイの洪水問題や東日本大震災以降 部品調達におけるリスク管理が重要 現地に合った品質管理施策(タイの事例) • 現地社員は工程管理の意識が低く、過剰と手抜きの両極端で品質管理にギャ ップがある ⇒当初は日本人が品質管理の重要性を直接指導 転職する風土があり、人に頼らず、マニュアル化により品質管理を行う

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7. 技術・ノウハウ流出防止

技術やノウハウの流出は基本的には避けられない面があり、流出することを前提に対策 を講じる • 現地調達を進めることはノウハウの流出につながり、すべて避けることはできない • ノウハウ流出の防止策として、重要部分を日本で製造するなどのブラックボックス 化は有効 • 重要工程を外注せず、現地法人の社内で行うことで流出はある程度防止できる • 労働契約の中で社員に「秘密保持」を課すことは可能だが、実際の効果には疑問 • 知的財産(特許、商標、意匠)の流出が起きた場合の対処方法も調べておく

8. 製造物責任法(PL 法)

海外は法整備の関係で、PL 法の適用が無いケースもあるが、PL 法が無くても製造者 には責任があり、他の民法等で処罰されるケースが多いため、海外PL 保険への加入 をすることが望ましい ジェトロ「模倣品・海賊版被害相談窓口」 PL 保険の加入 大手損害保険会社が取り扱うほか、日本商工会議所が各地の商工会議所会員中小企業 を対象に、保険料が比較的低い「全国商工会議所中小企業海外PL保険制度」を取り 扱っている。 http://www.jcci.or.jp/member/pl/kaigai.html

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3 章 販売体制

1.現地法人の販売先

2.販路開拓の方法

3.販売価格の決定

4.販売代金の回収

5.販売契約締結の流れ

6.広報・宣伝の手段

7.販売における社内体制

8.親会社への販売時の注意点

9.進出国の規格・規制への対応

10.知的財産に関する注意点

(38)

1. 現地法人の販売先

(1) 販売先の獲得における基本的な考え方 海外進出前に当面の販売先が確保されていることが望ましいが、そう簡単ではない • 日本の取引先に現地法人の商品購入を打診しても、現地法人の品質に疑念を持たれ るなど、事前に了承が得られるケースは少ないため、複数の手段で販売先を探す • 日本の販売ルートや系列に縛られすぎず、販路開拓を行うほうが良い • 第三国への輸出も検討 (2) 販売先獲得の難易度 一口に販売先といっても、さまざま系統の企業があり、取引の難易度は異なる (3) 販売先(市場)の絞込み ・富裕層を狙うか ・中間層を狙うか  日本人商工会議所・商工会など色々な業界との接点があり、他の国々も進出し ている中で、日本人同士助け合おうという風土が醸成されるケースが多い 日本の親会社(製品の持ち帰り) 親会社と取引のある現地日系企業 親会社と取引のない現地日系企業 現地欧米系企業 現地台湾系、香港系企業 現地ローカル企業 難 易 度  特に現地ローカル企業は、現地の中小企業であるケースが多く、日本と違い 資金力や組織体制が未熟であり、代金回収に懸念がある場合が多い そのため、回収条件は全額前金で支払うなど、できるだけ回収可能性の高い 方法で取引を行うことが必要

(39)

2. 販路開拓の方法

途上国は日本の昭和30 年代前後のインフラ・経済の状態とよく言われる インターネットが発達したとはいえ、直接の面談や紹介などが販路開拓には効果的 インターネットなどの情報は、信用できないケースもあり、訪問や直接連絡するなどの 確認などに時間を割き、相手を見極めることが大切 (1) 展示会への参加・出展 • 出展準備などで時間やコストは要するものの、販売候補企業に直接会ってプレゼン ができるため、最も有効な手段 • 業界で最も大きな展示会に出展することは、様々な情報収集に繋がる • 業界活動や政府との接点に繋がる場合も (2) 企業録から絞込み • 自社の商品を購入してくれそうな業界を探し、その業界団体名簿からアプローチを 行う方法 • 日系企業に販売したい場合は、現地の日本人商工会名簿や進出日系企業の名簿から アプローチを行う (3) データベースの活用 • 海外の貿易企業を登録したデータベースなどから、リストアップを行いアプローチ • ほぼ世界中を網羅したデータベース(例:D&B)でも、必ずしも全てをカバーして はいないが、多数の企業をリストアップするのに適している (4) 英語版ホームページの作成 • 自分からアプローチを行うだけではなく、海外企業からのアプローチに備えること も必要 • 少なくとも英語版のホームページがあれば、貿易に関心のある企業が見てくれる可 能性がある • 展示会や他の方法で開拓を行う場合でも、相手企業が見る可能性が高く、必要性は 高い (5) 取引先からの紹介 ジェトロ・ビジネスライブラリーのデータベース「KOMPASS Online」など ジェトロ・ウェブサイト「展示会・見本市データベース(J-messe)」 ジェトロが主催・共催・参加している展示会への参加 ジェトロ・ビジネスライブラリーの書籍(各地方事務所、大阪本部、東京本部) ジェトロ「海外ミニ調査サービス」

(40)

3. 販売価格の決定

販売価格の決定には、現地ならではの様々なコストや税金が必要であり、漏れのない ようにしなければならない 途上国では、高いインフレ率などを主因として、一度決めた価格を変更せざるを得な いケースがあり、価格決定の文書化などで透明性を確保することが必要 • 競合相手は日本企業だけではなく、現地ローカル企業や中国系企業、あるいは輸入 などにより流入してくる第三国の企業もあり、いずれも価格は低い • 日系企業の価格は、ローカル企業や他の外資系企業と比べて高くなりがち • 競合他社の情報を収集し、価格競争をするのではなく、費用対効果や性能を理解し てもらうよう根気良く交渉する必要がある  価格決定プロセスを明確化することで、特許訴訟やカルテルの摘発、移転価格 税制での加算税などの対応が容易になる

(41)

4. 販売代金の回収

日本と違って販売代金の回収は困難という認識が必要 • 現地ローカル企業向けに販売する場合、販売代金の回収は容易ではなく、専門部署 を設けるか、回収が滞った時に次の出荷を行わない等の社内ルールを明確にしてお く必要がある • 商売の交渉部署と、支払部署の連携が悪いケース多いので、クロージングまでに決 済のプロセスを具体的に確認しておく。回収ができない場合は出荷を止めるなど、 予め社内ルールを決めておく必要がある 現地スタッフの経理担当者(中国の事例)  中国では、経理担当者は支払いを遅らせることが自身の評価に繋がるという 考え方が浸透しており、期日通りの回収が難しいケースも  現地ローカル企業に販売を行う場合は、信頼できる代理店経由での販売が有効 (但し、直接販売に比べ、エンドユーザーの情報は入りにくい) 現地法人 現地ローカル企業 (販売代理店) 現地ローカル企業 代理店とよく交渉し、 許容できる決済条件で取引 現地決済条件での取引 現地ローカル企業 現地ローカル企業

(42)

5. 販売契約締結の流れ

(1) 信用調査 信用調査会社が有効だが、あまり情報がなく判断がつかないケースもある 信用調査会社での調査以外にも、自社で直接得た情報などから、側面調査は可能 <資料例> • 営業許可証 • 商業登記簿の写し/官報 • 直近 3 年間の B/S、P/L • 代表者の身分証 • 営業担当者のレポート (2) 個別売買契約 恒常的な契約書(基本契約書)を締結する前に、個別契約にて売買を行い、まずは 相手の動向などをつかむ 個別契約を積み重ねることにより、将来恒常的な取引時に締結する契約のポイント を把握する • 取引の当事者 • 商品、数量、単価 • 品質 • 納期と受け渡しの方法 • 代金の支払い方法、支払場所 (3) 基本契約書締結のチェックポイント • 双方にバランスが取れているか • 期間は妥当か(投資が必要なものは長期の場合も) • 契約対象の明確化(相手に全ての権利を与えない) • 違約責任 • 準拠法、紛争解決手段(国際商事仲裁協会) • 契約終了の条件を明示 • 親会社を巻き込まず、影響は現地法人の範囲にとどめる • 主要株主、経営陣の変更は相互に通知を義務付ける  ジェトロの引き合い案件データベース(TTPP)に登録されている信 用調査会社コファスは割引料金で利用可能 契約書を締結しなかった場合のトラブル(ベトナムの事例)  契約書を締結せず仕入を行っていたところ、不良品が増加した ⇒どの程度不良が発生すれば問題というのは、各国によって認識が異なる 第三者が判断できる明確な基準を双方合意の上で設定し、契約書を締結しなけ れば、裁判を行っても勝ち目はない

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6. 広報宣伝の手段

(1) 広報 メディアと友好的な関係を築くことは重要 問合せに応えること、正しい理解を持ってもらうために客観的情報を提供 広報は専門の会社を使った方が良い (2) 宣伝 宣伝は、早目の立案、宣伝スペース/時間枠の確保が経費節約につながる ターゲットとする顧客がどのメディアに親しみを持つかよく吟味が必要 ① テレビ 地上波だけでなく、衛星の利用も(価格、ターゲット) ② 新聞 地域、曜日により差が出る ③ ラジオ 映像より7 倍送出必要、パーソナリティーの活用で思わぬ効果も ④ 看板 ネオンサイン/LED パネル、野立て看板(電照)、バス/電車 ⑤ WEB 自社のサイト―親会社との連携/統一デザイン B2B サイトの活用 ブログ, Twitter, Facebook への対応 ⑥ 展示会・イベント 祭りもイベント  宣伝素材(制作費)と、広告頻度・媒体のバランスを考える  宣伝会社は、1 業種、1 社が原則  日本の宣伝をそのまま持って行っても通用しない  コーポレート宣伝は、世界展開を考えて、グローバルに著作権、使用権の確保を

(44)

7.

販売における社内体制

基本はコミュニケーションを綿密に取り、早期に問題点を把握すること • 自社の商品に対する理解度を高める教育を行う • 現地の営業担当者任せにせず、時々現地トップ自らが出向いて顧客の要望を聞く • 担当者に販売日報の提出を義務付け、常に市場の動向を知る • 年間計画などで目標を明確にし、計画と実績の対比を行う • 未達成の場合は、その理由を明確にさせ、対策を講じる • 問題発生時に迅速に対応できる体制を構築する • 商品力、販売力強化のためのマーケティングを行う • 資金の回収状況を確認し、回収が滞っている場合は対策を打つ • 国によっては出来高払いなど、成果と連動する給与システムが有効なケースもある

8.

親会社への販売時の注意点

• 進出国から海外へ輸出した販売代金の回収は、その企業の責任とされ、外貨管理局 が管理しているケースが多い • 外貨管理局は輸出売上とその回収を管理しており、親会社との相殺を行うと後でト ラブルになる場合がある • 移転価格税制への対応(価格政策など説明責任が果たせること必要)

9. 進出国の規格・規制への対応

進出国独自の販売ルールが法令などで定められているケースがある • 最高小売価格が法律で決められているケース • 中国の CCC や、欧州の CE マークなどの安全認証 • 消費者保護法に基づく、表示義務など  出来高払いは、中国などではよく利用されているが、やりっぱなしや説明不 足などの弊害が発生するケースもあり、メリットとデメリットを理解する必 要がある

(45)

10.

知的財産に関する注意点

すべての日系進出企業は知的財産の侵害を受ける可能性があり、注意が必要 <調査> • 進出の具体的検討に入るときに、自社の商標権(ブランド)や意匠権(デザイン) が使用できるか調査をする(特許事務所等を通じて確認) できれば進出国の主要言語で語感のチェックも行う <登録> • 進出先(含む輸出先)で商標権、意匠権など登録を行う • 登録は現地法人ではなく、親会社(日本法人)で行う  中国では英文名のブランドは認知度が悪く、中国語でもブランド名(商標) を取得することが必要 (日本でのカタカナ標記と同じ)  英文名称以外に中国語の名称でも調査が必要 代理店に商標を登録されたケース(ベトナムの事例)  現地法人と取引のある代理店に商標を登録された ⇒代理店の販売成績は良好で、現地法人が商標登録について話すのは、業績の低 下に繋がるため言い難い ジェトロ「商標先行登録調査・相談」(中国限定、無料) マドリッド協定議定書に基づく複数国への商標登録は特許庁のウェブサイトを参照 http://www.jpo.go.jp/seido/s_shouhyou/mado.htm 商標権を第三者に先駆け登録されたケース(中国の事例)  自社の商標権を登録する前に、第三者が先に登録していた ⇒第三者に商標を先に登録されると、自社商標を中国で権利化できないばかりか、 自社ブランドでの中国での販売が困難となり、商品名やパッケージの変更を余 儀なくされる 進出や輸出の前にしっかり調査をしておかないと、多額のコストを負担するこ ととなる

(46)

<模倣品を発見した場合> ① 被害の状況を調べる ② 第三者が判る様に、真贋の判定基準を用意する ③ 現地の知財専門の弁護士事務所と連携を取る ④ 出来る限り相手の特定をする(専門の調査会社を使う) ⑤ 関係官庁への協力要請 ⑥ お客様への告知の検討 ジェトロ「模倣品・海賊版被害相談窓口」 ジェトロ「知的侵害調査費用の助成」  被害を受けた場合は、同業他社での実績のある弁護士を選ぶ方が、 知識があり有利  被害を受けた場合に相談できる窓口を確認しておく

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(48)

1. 事業化計画(可行性研究)イメージ ※中国・上海の例 第一章 概論 一、独資経営企業名称 中文名称:○○(上海)□□ □□有限公司(以下、会社) 英文名称:○○(SHANGHAI)□□□□Co.,LTD. 会社住所:中華人民共和国上海市△△路××号 二、出資者基本状況 出資社名:株式会社○○(以下、出資者) 法定住所:日本国長野県△△市××番地 法呈代表:氏名:__________ 職務:代表取締役社長 国籍:日本国 三、出資者概況 株式会社○○は__年に設立され、主として_______及びその関連部品の製造と販売に従事し ている。会社の登録資本金は___万日本円である。 現在その製品の販売地域は日本を始め、アジア各国等の国家および地域に渡っている。 ___年度の生産量は____組に達した。 四、事業化調査報告書の作成の根拠 2005 年_月_日付上海市工商行政管理局の「○○(上海)□□□□有限公司」名称登記審査認定書。 五、会社設立の目的 会社設立の目的は、先進的生産技術並びに科学的管理方法を採用して、___及びその関連部品を生 産して販売し、顧客に対しては優良なサービスを提供することである。 六、会社の組織形態 会社の組織形態は有限責任会社とし、董事会の指導の下、総経理責任制を実施する。 第二章 経営目標 一、経営主旨 会社の経営主旨は、経済協力と技術交流の強化を基礎として、先進的技術・設備並びに科学的経営管 理手法を採用し、____及びその関連部品を清算販売し、製品の品質と価格等は国際市場での競争 力を有し、会社の経済的利益を向上させて、出資者に満足の行く経済的利益を獲得させる。 二、経営期間 会社の経営期間は 30 年とし、営業許可証の発行日より起算する。 経営期間満了時、延長を必要とする場合、董事会決議を経て、規定に基づき、延長申請手続きを実施 することが出来る。 三、経営範囲 会社の生産経営範囲は、____及び関連部品の生産と販売、並びにアフターサービスの提供である。 四、経営規模

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企業所得税:累損を消去して利益計上年度より起算して、第 1 年度、第 2 年度は免税。 第 3 年度、第 4 年度、第 5 年度は 50%免税。第 6 年目より企業所得税 33%として計算する。 経営利益:____万日本円(第 5 年) 五、会社総投資額と登録資本金 会社投資総額:_______万日本円 (JP¥____.-) 登 録 資 本 金 :_______万日本円 (JP¥____.-) 出 資 方 式 :出資者の全額日本円現金による出資。 出 資 期 限 :会社営業許可証取得後 3 ヶ月以内に 15%である_____日本円を払込み、残り の 85%である____日本円は営業許可取得後__ヶ月以内に払い込む。 資 金 調 達 :登録資本金と総投資額との差額である_____日本円については、会社が銀行 や親会社等に借り入れて解決する。 第三章 市場予測と製品計画 一、市場分析 国内外市場の前途: 1.国外市場:_____________________ 2.中国市場:_____________________ 二、製品計画 会社の代表的な製品____部品は、順次に中国生産に移管、販売する。各年度の経営計画は下記の 通りである。 第四章 市場予測と製品計画 一、生産フロー 主要生産フローは下図の通りである。 1._____部品 2._____部品 3._____部品 二、原材料 主要原材料とその使用量、特徴は以下の通りである。 三、設備と技術 1.設備 製品の品質を保証し、規定基準を達成して、ユーザーの需要を満足させる為、会社の資産に必要な製 造設備は中国国内外から調達する。会社が必要な設備は下記の通りである。 (1)__________________________________________ (2)__________________________________________ (3)__________________________________________

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