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1.現地法人の販売先

2.販路開拓の方法

3.販売価格の決定

4.販売代金の回収

5.販売契約締結の流れ

6.広報・宣伝の手段

7.販売における社内体制

8.親会社への販売時の注意点

9.進出国の規格・規制への対応

10.知的財産に関する注意点

1. 現地法人の販売先

(1)

販売先の獲得における基本的な考え方

海外進出前に当面の販売先が確保されていることが望ましいが、そう簡単ではない

日本の取引先に現地法人の商品購入を打診しても、現地法人の品質に疑念を持たれ るなど、事前に了承が得られるケースは少ないため、複数の手段で販売先を探す

日本の販売ルートや系列に縛られすぎず、販路開拓を行うほうが良い

第三国への輸出も検討

(2)

販売先獲得の難易度

一口に販売先といっても、さまざま系統の企業があり、取引の難易度は異なる

(3)

販売先(市場)の絞込み

・富裕層を狙うか

・中間層を狙うか

・BOP(Base of Economic Pyramid)を狙うか

日本人商工会議所・商工会など色々な業界との接点があり、他の国々も進出し ている中で、日本人同士助け合おうという風土が醸成されるケースが多い

日本の親会社(製品の持ち帰り)

親会社と取引のある現地日系企業 親会社と取引のない現地日系企業

現地欧米系企業 現地台湾系、香港系企業 現地ローカル企業

難 易 度

特に現地ローカル企業は、現地の中小企業であるケースが多く、日本と違い 資金力や組織体制が未熟であり、代金回収に懸念がある場合が多い

そのため、回収条件は全額前金で支払うなど、できるだけ回収可能性の高い 方法で取引を行うことが必要

2. 販路開拓の方法

途上国は日本の昭和

30

年代前後のインフラ・経済の状態とよく言われる

インターネットが発達したとはいえ、直接の面談や紹介などが販路開拓には効果的 インターネットなどの情報は、信用できないケースもあり、訪問や直接連絡するなどの 確認などに時間を割き、相手を見極めることが大切

(1)

展示会への参加・出展

出展準備などで時間やコストは要するものの、販売候補企業に直接会ってプレゼン ができるため、最も有効な手段

業界で最も大きな展示会に出展することは、様々な情報収集に繋がる

業界活動や政府との接点に繋がる場合も

(2)

企業録から絞込み

自社の商品を購入してくれそうな業界を探し、その業界団体名簿からアプローチを 行う方法

日系企業に販売したい場合は、現地の日本人商工会名簿や進出日系企業の名簿から アプローチを行う

(3)

データベースの活用

海外の貿易企業を登録したデータベースなどから、リストアップを行いアプローチ

ほぼ世界中を網羅したデータベース(例:D&B)でも、必ずしも全てをカバーして はいないが、多数の企業をリストアップするのに適している

(4)

英語版ホームページの作成

自分からアプローチを行うだけではなく、海外企業からのアプローチに備えること も必要

少なくとも英語版のホームページがあれば、貿易に関心のある企業が見てくれる可 能性がある

展示会や他の方法で開拓を行う場合でも、相手企業が見る可能性が高く、必要性は 高い

(5)

取引先からの紹介

ジェトロ・ビジネスライブラリーのデータベース「KOMPASS Online」など ジェトロ・ウェブサイト「展示会・見本市データベース(J-messe)

ジェトロが主催・共催・参加している展示会への参加

ジェトロ・ビジネスライブラリーの書籍(各地方事務所、大阪本部、東京本部)

ジェトロ「海外ミニ調査サービス」

3. 販売価格の決定

販売価格の決定には、現地ならではの様々なコストや税金が必要であり、漏れのない ようにしなければならない

途上国では、高いインフレ率などを主因として、一度決めた価格を変更せざるを得な いケースがあり、価格決定の文書化などで透明性を確保することが必要

競合相手は日本企業だけではなく、現地ローカル企業や中国系企業、あるいは輸入 などにより流入してくる第三国の企業もあり、いずれも価格は低い

日系企業の価格は、ローカル企業や他の外資系企業と比べて高くなりがち

競合他社の情報を収集し、価格競争をするのではなく、費用対効果や性能を理解し てもらうよう根気良く交渉する必要がある

価格決定プロセスを明確化することで、特許訴訟やカルテルの摘発、移転価格 税制での加算税などの対応が容易になる

4. 販売代金の回収

日本と違って販売代金の回収は困難という認識が必要

現地ローカル企業向けに販売する場合、販売代金の回収は容易ではなく、専門部署 を設けるか、回収が滞った時に次の出荷を行わない等の社内ルールを明確にしてお く必要がある

商売の交渉部署と、支払部署の連携が悪いケース多いので、クロージングまでに決 済のプロセスを具体的に確認しておく。回収ができない場合は出荷を止めるなど、

予め社内ルールを決めておく必要がある 現地スタッフの経理担当者(中国の事例)

中国では、経理担当者は支払いを遅らせることが自身の評価に繋がるという 考え方が浸透しており、期日通りの回収が難しいケースも

現地ローカル企業に販売を行う場合は、信頼できる代理店経由での販売が有効

(但し、直接販売に比べ、エンドユーザーの情報は入りにくい)

現地法人

現地ローカル企業

(販売代理店)

現地ローカル企業

代理店とよく交渉し、

許容できる決済条件で取引

現地決済条件での取引

現地ローカル企業

現地ローカル企業

5. 販売契約締結の流れ

(1)

信用調査

信用調査会社が有効だが、あまり情報がなく判断がつかないケースもある

信用調査会社での調査以外にも、自社で直接得た情報などから、側面調査は可能

<資料例>

営業許可証

商業登記簿の写し/官報

直近

3

年間の

B/S、P/L

代表者の身分証

営業担当者のレポート

(2)

個別売買契約

恒常的な契約書(基本契約書)を締結する前に、個別契約にて売買を行い、まずは 相手の動向などをつかむ

個別契約を積み重ねることにより、将来恒常的な取引時に締結する契約のポイント を把握する

取引の当事者

商品、数量、単価

品質

納期と受け渡しの方法

代金の支払い方法、支払場所

(3)

基本契約書締結のチェックポイント

双方にバランスが取れているか

期間は妥当か(投資が必要なものは長期の場合も)

契約対象の明確化(相手に全ての権利を与えない)

違約責任

準拠法、紛争解決手段(国際商事仲裁協会)

契約終了の条件を明示

親会社を巻き込まず、影響は現地法人の範囲にとどめる

主要株主、経営陣の変更は相互に通知を義務付ける

 ジェトロの引き合い案件データベース(TTPP)に登録されている信 用調査会社コファスは割引料金で利用可能

契約書を締結しなかった場合のトラブル(ベトナムの事例)

契約書を締結せず仕入を行っていたところ、不良品が増加した

⇒どの程度不良が発生すれば問題というのは、各国によって認識が異なる

第三者が判断できる明確な基準を双方合意の上で設定し、契約書を締結しなけ れば、裁判を行っても勝ち目はない

6. 広報宣伝の手段

(1)

広報

メディアと友好的な関係を築くことは重要

問合せに応えること、正しい理解を持ってもらうために客観的情報を提供 広報は専門の会社を使った方が良い

(2)

宣伝

宣伝は、早目の立案、宣伝スペース/時間枠の確保が経費節約につながる ターゲットとする顧客がどのメディアに親しみを持つかよく吟味が必要

① テレビ

地上波だけでなく、衛星の利用も(価格、ターゲット)

② 新聞

地域、曜日により差が出る

③ ラジオ

映像より

7

倍送出必要、パーソナリティーの活用で思わぬ効果も

④ 看板

ネオンサイン/LEDパネル、野立て看板(電照)、バス/電車

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