「小電力の無線システムの高度化に必要な技術的条件」のうち、「小電力セキュリテ ィシステム等の技術的条件」の検討開始について 1 検討の背景 小電力セキュリティシステムは、主に住宅用防犯装置、火災警報器等に使用さ れており、例えば窓やガラスのセンサと報知器からなる簡易なものから、各種セ キュリティセンサからの信号を受けて自動的に警備会社などへ通報し、警備員が 駆けつける人的セキュリティシステムまで様々なものが普及している。 また、特定小電力無線局のテレメーター、テレコントロールシステムは、遠隔 地点における観測値の伝送(テレメーター)、重機などの産業機器の遠隔制御 (テレコントロール)など、様々な場面で利用されている。 これらの無線システムは、無線局の免許が不要であることなどから様々な用途 で多数のシステムが利用されているが、近年、更に多様な用途への利用拡大やき め細かな検知を実現するために機器の小型化が求められているところである。 また、システム間の情報伝送においては、観測値や検知情報を迅速に、かつ、 確実に伝送できることが求められており、送信時間制限の見直し等により即応性 や信頼性の向上が期待されているところである。 このような背景を踏まえ、小電力セキュリティシステム等の利用拡大、信頼性 向上等の高度化を図るため、その必要な技術的条件について検討を開始するもの である。 2 検討事項 平成 14 年9月 30 日付け諮問第 2009 号「小電力の無線システムの高度化に必 要な技術的条件」のうち「小電力セキュリティシステム等の技術的条件」 3 検討体制 移動通信システムに必要な技術的条件等を担当する既設の「移動通信システム 委員会」(主査:安藤 真 東京工業大学大学院教授)において検討を行う。 4 答申を予定する時期 平成 25 年6月頃 5 答申が得られたときの行政上の措置 関係省令等の改正に資する。
1
資料93-2小電力セ
キ
ュ
リ
ティ
シ
ス
テム等の
高度化に
向け
た
技術的
条件の
検討
機器
(アンテナ
)の
小型化に
伴い
通信範囲が
狭小化
現行の
シ
ス
テムの
概要と
課題
ガ ラ ス 破壊セ ン サ 高さ 12 0 × 幅 3 0 × 厚さ 5. 8m m テレメーター 、テレコントロー ル用 無線モジュール 高さ 6 .3 × 幅 11 .2 × 厚さ 15 .2 m m 3 秒 以内 2 秒 以上 2 秒 以上 時間 送信 休止 休止…
一の 送信 送信 3秒 以内 一の 送信送信時間制限が
長く
機器の
応答性が
悪い
課題1: 機器の 小型化高度化に
向け
た
技術的条件の
検討
技術進歩に
よ
る
機器要求条件の
高度化
課題2 :送信時間制限 小電力セ キ ュ リ テ ィ ( 42 6 MH z 帯) 例) 火災を 検知す る と 全て の 警報 器に 信号 が送 信さ れ、 連動 し て 警 報 特定小電力無線 ( テレメーター・ テレコントロール ) ( 42 6 MH z 帯、 1. 2 G H z 帯)受信装置
例) 小規模工場の天 井ク レー ン を 無 線に よ り 遠 隔操 縦リ
モコ
ン
(送信機)
2
免許を
要し
な
い無線局の
概
要
①コ ー ドレ ス 電話の無線局 ★ ③ 小電力セ キ ュリ テ ィ シ ス テ ム の無線局 ④ 小電力デ ー タ 通信シ ス テ ム の無線局 ⑤ デ ジ タ ルコ ー ドレ ス 電話の無線局 ⑥ P HS の陸上移動局 ⑧ 5 G H z 帯 無 線 アクセ ス シス テ ム の 陸上移動 局( 空中線電力が 10m W 以下) ⑦ 狭域通信シ ス テ ム の陸上移動局 及び 狭域通 信シ ス テ ム の陸上移動局の無線設備の試験 のた め の通信を 行う無線局 発射す る 電波が著し く 微弱な無線局 市民ラ ジ オ の無線局 * ( 電波法第 4 条第 1 号) ( 電波法施行規則第 6 条第 1 項) ( 電波法第 4 条第 2 号) ( 電波法施行規則第 6 条第 3 項) ( 電波法第 4 条第 3 号) ( 電波法施行規則第 6 条第 4 項) (電波法施行規則第 6 条第 4 項第 1 号) 空中線電力が 1W 以下 の 無線局 * ( 小電力無線シ ス テ ム ) 電波法改正に よ り 空中線電 力の上限値を 0. 01 W 以下 か ら 1W 以下 に 拡大 ( 平成 23 年 3 月施行) (電波法施行規則第 6 条第 4 項第 3 号) (電波法施行規則第 6 条第 4 項第 4 号) (電波法施行規則第 6 条第 4 項第 5 号) (電波法施行規則第 6 条第 4 項第 6 号) (電波法施行規則第 6 条第 4 項第 7 号) (電波法施行規則第 6 条第 4 項第 8 号) (電波法施行規則第 6 条第 4 項第 9 号) ★ A テ レ メー タ ー 用 、 テ レ コ ン ト ロ ー ル 用 及 び デ ー タ 伝 送 用 B 医 療 テレ メ ータ ー用 C 体内植込型医療用デ ー タ 伝送用及び 体内植込 型医療 用遠隔計測用 E 無線呼出用 F ラジオ マ イク 用 G 補聴援助用ラ ジ オ マ イ ク 用 H 無線電話用( ラ ジ オ マ イ ク に 使用す る も のを 除く 。 ) I 音声ア シ ス ト 用無線電話用 J 移動体識別用 K ミ リ波レ ー ダ 用 L ミ リ波画像伝送用及び ミ リ波デ ー タ 伝送用 M 移動体検知セ ン サー 用 D 国際輸送用デ ー タ 伝送用 ( 平成元年郵政省告示 第 42 号) N 動物検知通報シ ス テ ム 用 (電波法施行規則第 6 条第 4 項第 2 号) ②特定小電力無線局 ⑨ 超広帯域無線シ ス テ ム の無線局★:今回技術的条件に
つ
い
て
検討す
る
も
の
* 技術基準への 適合表示が 付さ れ た 無線設 備の み を 使用する も の * 空中線電力が 0 .5 W 以下で 、 技術基準へ の 適合 表示が 付さ れ た 無線設 備の み を 使用する も の■
一般に
、
無線局を
開設す
る
場
合は
、
総務
大臣の
免許
を
受け
なけ
れば
な
ら
ない
が、
以下の
無線局
に
つ
い
ては、
免許を
要し
ない
こと
と
さ
れ
てい
る
。
(1
)
(2
)
(3
)
( 例 : キ ー レ ス エ ン ト リ 、ラ ジコ ン (玩具用 ) 等) ( 2 7 M H z帯を 使用す る ト ラ ン シ ーバ ー)3
シ ス テム 名 主な 用途( 例 ) 周波数帯 ①コ ー ド レ ス 電話 家庭用電話 250MH z 帯 ,380MH z 帯 ③小電力セ キ ュ リ テ ィ シ ス テ ム ★ ガ ス 漏れ通報、 防犯通報、 火災警報 400MH z 帯 ④小電力デ ー タ 通信シ ス テ ム 無線 L AN 、 画像伝送 2. 4G H z 帯 ,5G H z 帯 ,25G H z 帯 ⑤デ ジ タ ルコ ー ド レ ス 電話 オ フ ィ ス 用電話 1. 9G H z 帯 ⑥PH S PH S 1. 9G H z 帯 ⑦狭域通信シ ス テ ム ET C 、 駐車場入退出管理 5. 8G H z 帯 ⑧5 G H z 帯無線ア ク セ ス シ ス テ ム 無線ア ク セ ス 5G H z 帯 ⑨超広帯域無線シ ス テ ム フ ァ イ ル転送、 画像伝送 3 -5G H z 帯 ,7 -10G H z 帯 ②特定小電力無線 A テ レ メ - タ ー 、テ レ コン ト ロ ー ル 、デ ー タ 伝 送 ★ 工業用監視計測、 タ イ ヤ 空気圧モ ニ タ 、 ク レ ー ン 操作 400MH z 帯 ,950MH z 帯、 1. 2G H z 帯 B 医療テ レ メ ー タ ー 心電図、 脳波の伝送 400MH z 帯 C 体内植込型医療用デ ー タ 伝送 ペ ース メ ーカ の データ 伝 送 400MH z 帯 D 国際輸送用デ ー タ 伝送 国際物流ア ク テ ィ ブ タ グ 400MH z 帯 E 無線呼出 ナ ー ス コ ー ル、 作業員呼出 400MH z 帯 F ラ ジ オマ イ ク 劇場の場内音響、 取材マ イ ク 、 会議室マ イ ク 75MH z 帯 ,400MH z 帯 ,800 MH z 帯 G 補聴援助ラ ジ オ マ イ ク 難聴学級、 劇場の補聴 75MH z 帯 ,170MH z 帯 H 無線電話 ゴ ルフ 場、 建設現場の連絡 400MH z 帯 I 音声ア シ ス ト 視覚障害支援、 博物館案内 75MH z 帯 J 移動体識別 コ ン テ ナ 仕分け 、 入退室管理 950MH z 帯 ,2. 4G H z 帯 K ミリ 波 レ ー ダ 自動車衝突防止、 踏切監視 60G H z 帯 ,76G H z 帯 L ミ リ 波伝送 オフ ィ ス L AN ,T V 画像伝送 60G H z 帯 M 移動体検知セ ン サー 人体動静検出、 エ ア コ ン 制御 10G H z 帯 ,24G H z 帯 N 動物検知通報シ ス テ ム 害獣の行動監視、 ド ッ ク マ ー カ ー 150MH z 帯
小電力無線シ
ス
テムの
主な
使用用
途、
周波
数帯
★:今回技術的条件に
つ
い
て
検討す
る
も
の
4
「小電力の無線システムの高度化に必要な技術的条件」のうち、「デジタル特定ラジオマ イクの技術的条件等」の検討開始について 1 検討の背景 デジタル特定ラジオマイクは、放送番組制作やコンサート、舞台劇場、イベン ト会場等において、高い音声品質を確保しつつ、同一場所でより多くのワイヤレ スマイクの利用を確保するため、従来のアナログ方式に加え、平成 21 年に 700MHz 帯の周波数で制度化されている。 一方、携帯電話用周波数の確保のための 700MHz 帯の再編に伴い、700MHz 帯を 使用する特定ラジオマイクを、テレビホワイトスペース(470MHz を超え 714MHz) 及び 1.2GHz 帯に周波数移行することとされたことを受け、平成 24 年 4 月に、特 定ラジオマイクの周波数移行等に係る技術的条件につき一部答申され、同年7月 に関係省令等の整備が行われたところである。 デジタル特定ラジオマイクは、アナログ方式のラジオマイクに比べると周波数 の利用効率は高いものの、デジタル処理による音声の遅延時間が生じるために、 コンサート等の極めて少ない遅延を要求される環境においては利用が進まない状 況にあることから、新たな周波数帯への移行に併せ、遅延時間を抑えた低遅延型 のデジタルラジオマイクの開発が進められてきたところである。 このような背景を踏まえ、デジタル特定ラジオマイクの高度化に向け、必要な 技術的条件等について検討を開始するものである。 2 検討事項 平成 14 年9月 30 日付け諮問第 2009 号「小電力の無線システムの高度化に必 要な技術的条件」のうち、「デジタル特定ラジオマイクの技術的条件等」 3 検討体制 移動通信システムに必要な技術的条件等を担当する既設の「移動通信システム 委員会」(主査:安藤 真 東京工業大学大学院教授)において検討を行う。 4 答申を予定する時期 平成 25 年5月頃 5 答申が得られたときの行政上の措置 関係省令等の改正に資する。 1 資料93-3